図1〜図3を参照して本開示における参考例のプリーツスクリーンを説明する。
図1に示すプリーツスクリーンは、ヘッドボックス1から上下方向にジグザグ状に折り曲げ可能としたスクリーン2が吊下支持され、そのスクリーン2の下端にボトムレール3が取着されている。スクリーン2は、1枚の生地をジグザク状に折り曲げて形成される。
ヘッドボックス1内には巻取軸4が操作装置(図示しない)の操作に基づいて回転可能に支持されている。この巻取軸4は、ヘッドボックス1の長手方向両端部近傍にそれぞれ設けられ、操作装置の操作により連動して動作する。
ヘッドボックス1における長手方向の両端部近傍からは、それぞれ昇降コード5が垂下され、その2本の昇降コード5の上端は巻取軸4にそれぞれ取着され、操作装置の操作により巻取軸4に巻取りあるいは巻戻し可能となっている。
昇降コード5は、スクリーン2の室外側に垂下され、その下端にボトムレール3が取着されている。そして、昇降コード5が巻取軸4に巻き取られると、ボトムレール3が引き上げられてスクリーン2が上方に向かって畳み込まれ、昇降コード5が巻取軸4から巻戻されると、ボトムレール3が下降してスクリーン2が下方へ引き伸ばされる。
2本の昇降コード5の各々の吊下位置の前方には、ヘッドボックス1からスクリーン2の室内側にピッチ保持コード6が垂下されている。2本のピッチ保持コード6の各々は、その上端がヘッドボックス1に取着され、下端がボトムレール3に取着されている。2本のピッチ保持コード6の各々は、互いに独立であり、他のピッチ保持コード6と直接接続されておらず、また、他のコードを介して間接的にも接続されていない。そして、ピッチ保持コード6は、昇降コード5が巻取軸4から巻戻されて、ボトムレール3がその移動範囲における下限まで下降したとき、ピッチ保持コード6がほぼ緊張される長さに設定されている。
ピッチ保持コード6には、環状の保持部7が上下方向に沿って等間隔に多数設けられている。ピッチ保持コード6は、縦糸が編み機で糸を編んで形成されるコードであり、その縦糸に保持部7を形成するため糸(モノフィラメント糸)が編みこまれている。そして、その糸が一定間隔毎に環状に露出されて、保持部7が形成されている。
スクリーン2には、昇降コード5に近接する折り目、すなわち室外側に向かって凸となる折り目のうち一段おきの折り目9には、保持部7を挿通可能とした挿通孔(切込み)8が形成されている。この挿通孔8は、細い糸で形成される保持部7を挿通し得る程度の幅狭の切込みである。なお、図1では、挿通孔8の構成を説明する便宜上、挿通孔8の大きさが誇張されている。
図2に示すように、保持部7はスクリーン2の室内側から挿通孔8を通してスクリーン2の室外側へ挿通され、室外側に露出された保持部7には、昇降コード5が挿通されている。
このような構成により、ボトムレール3がその移動範囲にて下限まで下降するとき、各保持部7の先端部が昇降コード5と係合して、各保持部7で各折り目9を下方から支持する状態となり、スクリーン2の折り目が等間隔となるように保持される。また、スクリーン2の生地の材質によっては、スクリーン2の各折り目9から斜め上方に延びる部分が保持部7で支持される状態となる。すなわち、保持部7の間隔は、スクリーン2の下端がその移動範囲にて下限まで引き伸ばされた状態で、一段おきの折り目9の間隔に相当する間隔に設定されている。例えば、保持部7の長さは、スクリーン2の折幅に昇降コード5の直径分が付加された長さに形成されている。
図3に示すように、2本のピッチ保持コード6の各々は、スクリーン2に対して同じ室内側に配置されている。2本のピッチ保持コード6の各々における保持部7は、スクリーン2の室内側にてピッチ保持コード6の縦糸に固定され、スクリーン2の室内側からスクリーン2の室外側へスクリーン2を貫通している。2つの保持部7の各々が挿通される挿通孔8は、スクリーン2における前後方向の中央よりも、スクリーン2における後側半分である室外側の部分に形成されている。そして、2つの保持部7の各々は、スクリーン2における前後方向の中央よりも、スクリーン2における後側半分である室外側の部分と係合している。
次に、上記のように構成されたプリーツスクリーンの作用を説明する。
操作装置の操作により巻取軸4から昇降コード5を巻戻して、ボトムレール3を下限まで下降させると、スクリーン2が下方へ引き伸ばされる。このとき、ボトムレール3はその前後両縁が昇降コード5とピッチ保持コード6に支持されて、その上面がほぼ水平方向となるように吊下支持されている。
また、ピッチ保持コード6の保持部7によりスクリーン2の室外側に凸となる折り目9が上下方向に等間隔に保持される。この結果、スクリーン2の各折り目9がほぼ等間隔となるように保持される。
この状態から、巻取軸4で昇降コード5を巻き取ると、ボトムレール3が引き上げられてスクリーン2が上方に畳み込まれる。
(第1の実施形態)
図4から図6を参照して本開示におけるプリーツスクリーンの第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、ピッチ保持コード6の配置や保持部7の係合先が、上記参考例とは異なる。そのため、以下では、ピッチ保持コード6の配置や保持部7の係合先について主に説明する。
図4に示すように、2本の昇降コード5のうち、一方の昇降コード5は、室内側に吊下支持され、他方の昇降コード5は、室外側に吊下支持されている。2本のピッチ保持コード6のうち、一方のピッチ保持コード6は、スクリーンの室外側に吊下支持され、他方のピッチ保持コード6は、スクリーンの室内側に吊下支持されている。スクリーンの室内側に吊下支持される昇降コード5と、スクリーンの室外側に吊下支持されるピッチ保持コード6とが、前後方向にて互いに対向する。また、スクリーンの室外側に吊下支持される昇降コード5と、スクリーンの室内側に吊下支持されるピッチ保持コード6とが、前後方向にて互いに対向している。
すなわち、折り目9の延びる方向での両端部にて、垂下される2本の昇降コード5及びピッチ保持コード6は、スクリーン2の前後方向において互い違いとなるように吊下支持され、各昇降コード5の下端、および、ピッチ保持コード6の下端には、ボトムレール3が取着されている。
ヘッドボックス1内には、操作装置の操作により、各昇降コード5を同時に巻取り、あるいは同時に巻戻す巻取り装置が備えられている。
次に、2本のピッチ保持コード6の各々に設けられる保持部7と、スクリーン2において保持部7が係合する部位との関係について説明する。なお、保持部7の配置とその係合先とを説明する便宜上、図5の下側半分には、第1ピッチコードと前側保持部とが示され、図5の上側半分では、第1ピッチコードと前側保持部とが省略されて、第2ピッチ保持コードと後側保持部とが示されている。
図5に示されるように、スクリーン2の室外側に配置されたピッチ保持コード6は、第1ピッチ保持コード61として設定され、第1ピッチ保持コード61に設けられる保持部7は、前側保持部71として設定される。前側保持部71は、スクリーン2の室外側からスクリーン2の室内側に向けて延びている。スクリーン2における前後方向の中央よりも前側に配置される折り目9は、室内側折り目91として設定され、前側保持部71は、室内側折り目91に形成された挿通孔8を通じて、スクリーン2の室外側からスクリーン2の室内側へ貫通している。前側保持部71のうち、スクリーン2の室内側に露出した部分には、対向昇降コードの一例である昇降コード5が挿通されて、前側保持部71が被挿通保持部として機能している。
スクリーン2の室内側に配置されたピッチ保持コード6は、第2ピッチ保持コード62として設定され、第2ピッチ保持コード62に設けられる保持部7は、後側保持部72として設定される。後側保持部72は、スクリーン2の室内側からスクリーン2の室外側に向けて延びている。スクリーン2における前後方向の中央よりも後側に配置される折り目9は、室外側折り目92として設定され、後側保持部72は、室外側折り目92に形成された挿通孔8を通じて、スクリーン2の室内側からスクリーン2の室外側へ貫通している。後側保持部72のうち、スクリーン2の室外側に露出した部分には、対向昇降コードの一例である昇降コード5が挿通されて、後側保持部72が被挿通保持部として機能している。
図6に示すように、ボトムレール3がその移動範囲の下限まで下降するとき、前側保持部71の先端部が昇降コード5に係合して、室内側折り目91が前側保持部71によって下方から支持される。結果として、引き伸ばされたスクリーン2では、スクリーン2における室内側折り目91は、第1ピッチ保持コード61によって保持されて、上下方向にて等間隔に配置される。また、ボトムレール3が下限まで下降するとき、後側保持部72の先端部が昇降コード5に係合して、室外側折り目92が後側保持部72に下方から支持される。結果として、引き伸ばされたスクリーン2では、スクリーン2における室外側折り目92は、第2ピッチ保持コード62によって保持されて、上下方向にて等間隔に配置される。
上記のプリーツスクリーンによれば、以下に示す効果が得られる。
(1)スクリーン2を昇降する昇降コード5がスクリーン2に挿通されないため、スクリーン2に昇降コード5が挿通される構成と比べて、昇降コード5を挿通するための挿通孔をスクリーン2に設ける必要はない。従って、昇降コード5を挿通するための挿通孔から室内へ外光が洩れることはない。
(2)昇降コード5の挿通される保持部7は、スクリーン2の一段おきの折り目9、あるいは、保持部7の上方で折り目9に連なるスクリーン2の一部を支持する。それゆえに、スクリーン2を下降させたとき、折り目9の間隔は、保持部7の間隔と同様に、ほぼ一定に保持される。
(3)保持部7を挿通する挿通孔8は、昇降コード5よりも細い糸で形成される保持部7を挿通し得る程度の幅狭の切込みであるため、昇降コード5を挿通し得る程度の幅広の切込みがスクリーン2に形成される構成と比べて、挿通孔8からの光洩れを少なくすることができる。
(4)ピッチ保持コード6の保持部7は、昇降コード5と比べて上下方向にて緊張していない。そのため、保持部7の通される挿通孔8の大きさが、保持部7の太さと同じ程度であっても、スクリーン2が折り畳まれたり、スクリーン2が引き伸ばされたりするときに、スクリーン2の移動が、保持部7によって制限され難い。
これに対して、スクリーン2における前後方向の略中央に昇降コード5が通される構成では、昇降コード5の通される挿通孔の大きさが、昇降コード5の太さと同じ程度であると、スクリーン2が折り畳まれたり、スクリーン2が引き伸ばされたりするときに、スクリーン2の移動が、昇降コード5によって制限されてしまう。それゆえに、上述した構成であれば、スクリーン2の折り畳みや引き延ばしが円滑に進む。そのうえ、挿通孔8の大きさは小さて済む結果、挿通孔8を通じて洩れる光の量がさらに抑えられる。
(5)スクリーン2はジグザグ状に折り畳み可能とした一枚の生地で形成されるため、1つのスクリーン2を複数の生地片の接合体として接合する接合工程を必要としない。従って、製造コストを抑制することができる。
(6)編み機で形成されたピッチ保持コード6の保持部7をスクリーン2の各挿通孔8に挿通し、その保持部7に昇降コード5を挿通する簡易な作業により、ヘッドボックス1から吊下支持される部分が組み立てられる。それゆえに、ヘッドボックス1から吊下支持される部分の組み立てを容易に行うことができる。
(7)スクリーン2の挿通孔8に挿通された保持部7に昇降コード5が挿通され、その昇降コード5は常には緊張されているため、スクリーン2の左右方向の横ずれが防止されるとともに、保持部7及びピッチ保持コード6が横ずれすることもない。
(8)1段おきの折り目9に挿入した保持部7にのみ昇降コード5を挿入するため、全ての折り目9に保持部7が挿入される構成と比べて、昇降コード5の挿入工数を大幅に減少させることができる。
(9)スクリーン2に形成される室内側折り目91の間隔は、第1ピッチ保持コード61、前側保持部71、および、前側保持部71に通される昇降コード5によって保たれる。また、スクリーン2に形成される室外側折り目92の間隔は、第2ピッチ保持コード62、後側保持部72、および、後側保持部72に通される昇降コード5によって保たれる。そして、スクリーン2が引き上げられるとき、ボトムレール3の前側面とボトムレール3の後側面とが水平に並ぶ状態が保たれながら、ボトムレール3上にスクリーン2が積層された状態で、ボトムレール3の上方へスクリーン2は畳み込まれる。
(10)スクリーン2において、前側保持部71によって支持される部位と、後側保持部72によって支持される部位とは、横方向にて互いに異なる位置に設定されている。それゆえに、前側保持部71によって支持される部位と、後側保持部72によって支持される部位とが、横方向にて同じ位置に設定される構成と比べて、スクリーン2の配置が安定する。
(第2の実施形態)
図7を参照して本開示におけるプリーツスクリーンの第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、ピッチ保持コード6の本数とその配置とが、第1の実施形態とは異なる。そのため、以下では、ピッチ保持コード6の本数とその配置とについて主に説明する。
図7に示されるように、昇降コード5は、ヘッドボックス1における長手方向の両端部の近傍と、ヘッドボックス1における長手方向の中央部とに配置され、合計で3本の昇降コード5がプリーツスクリーンには備えられている。ピッチ保持コード6もまた、ヘッドボックス1における長手方向の両端部の近傍と、ヘッドボックス1の長手方向の中央部とに配置され、合計で3本のピッチ保持コード6がプリーツスクリーンには備えられている。
ヘッドボックス1における長手方向の中央部にて、スクリーン2の室外側に配置された1本のピッチ保持コード6は、第1ピッチ保持コード61として設定され、第1ピッチ保持コード61に設けられる保持部7は、前側保持部71として設定される。前側保持部71のうち、スクリーン2の室内側に露出した部分には、昇降コード5が挿通されて、前側保持部71が被挿通保持部として機能している。
ヘッドボックス1における長手方向の両端部の近傍にて、スクリーン2の室内側に配置された2本のピッチ保持コード6の各々は、第2ピッチ保持コード62として設定され、第2ピッチ保持コード62に設けられる保持部7は、後側保持部72として設定される。後側保持部72のうち、スクリーン2の室外側に露出した部分には、昇降コード5が挿通されて、後側保持部72が被挿通保持部として機能している。
上述した構成においても、第1の実施形態と同様な効果が得られる。また、スクリーン2の左右方向においては、スクリーン2の折り目9における両端部が、スクリーン2における後側で支持され、かつ、スクリーン2の折り目9における中央部が、スクリーン2における前側で支持される。それゆえに、1つの折り目9の両端部のみが、スクリーン2における前側とスクリーン2における後側との2点で支持される構成と比べて、スクリーン2の配置の安定性が高められる。
(第3の実施形態)
図8〜図11を参照して本開示におけるプリーツスクリーンの第3の実施形態を説明する。第3の実施形態は、保持部7に対する昇降コード5の挿通態様が、第1の実施形態、および、第2の実施形態とは異なる。そのため、以下では、保持部7に対する昇降コード5の挿通態様について主に説明する。また、スクリーン2の室内側に露出する前側保持部71と、スクリーン2の室外側に露出する後側保持部72とでは、通される昇降コード5が互いに異なる一方で、昇降コード5の挿通態様が互いに同様である。そのため、以下では、前側保持部71に対する昇降コード5の挿通態様について説明を割愛し、後側保持部72に対する昇降コード5の挿通態様について主に説明する。
図8に示すように、第2ピッチ保持コード62に編み込まれて形成される各後側保持部72の2本の糸の導出位置P1,P2は、第2ピッチ保持コード62に対し上下方向に一定の間隔tを隔てた位置から延設されている。そして、各後側保持部72はスクリーン2の室外側折り目92に設けられた挿通孔8に挿通されるとともに、スクリーン2の室外側で昇降コード5が挿通されている。挿通孔8は、後側保持部72の2本の糸を挿通し得る程度の小さな径で形成される。
図9に示すように、昇降コード5は後側保持部72に対し左右方向において交互に挿通されている。詳述すると、上下方向において互いに隣り合う2つの後側保持部72のうち、上側に配置された後側保持部72では、後側保持部72にて屈曲する部位と導出位置P1とを結ぶ線分721が、昇降コード5の左側に配置される。一方で、後側保持部72にて屈曲する部位と導出位置P2とを結ぶ線分722が、昇降コード5の右側に配置される。これに対して、下側に配置された後側保持部72では、後側保持部72における線分721が、昇降コード5の右側に配置される一方で、後側保持部72における線分722は、昇降コード5の左側に配置される。
次に、上記のように構成されたプリーツスクリーンの作用を説明する。
昇降コード5は、常にはボトムレール3若しくはボトムレール3とスクリーン2の重量が作用して緊張されている。そのため、昇降コード5が挿通される保持部7には、導出位置P1,P2を水平方向に位置させようとする力が、昇降コード5から作用する。
図10に示すように、緊張する昇降コード5とピッチ保持コード6とが係合する状態でスクリーン2が上方へ畳み込まれるとき、スクリーン2の室内側で畳み込まれる第2ピッチ保持コード62において、上下方向に隣り合う後側保持部72の導出位置P1,P2が、左右方向に交互に入れ替わる状態となる。これは、昇降コード5が後側保持部72に対し左右方向に交互に挿通されているからである。
図11に示すように、スクリーン2が上方へ畳み込まれたとき、導出位置P1,P2が上述のように並ぶ結果、第2ピッチ保持コード62がスクリーン2の室内側で規則的に畳み込まれる状態となり易い。スクリーン2の室内側で、第2ピッチ保持コード62が不規則に畳み込まれると、このプリーツスクリーンの美観を損ねるが、この実施形態であれば美観の低下を防止することができる。
(第4の実施形態)
図12〜図13を参照して本開示におけるプリーツスクリーンの第4の実施形態を説明する。第4の実施形態は、保持部7の先端部における構成が、第1〜第3の実施形態とは異なる。そのため、以下では、保持部7の先端部における構成について主に説明する。また、スクリーン2の室内側に露出する前側保持部71と、スクリーン2の室外側に露出する後側保持部72とでは、保持部7に通される昇降コード5が互いに異なる一方で、保持部7の先端部における構成が同様である。そのため、以下では、前側保持部71の先端部における構成について説明を割愛し、後側保持部72の先端部における構成について主に説明する。
図12に示すように、スクリーン2における室外側折り目92には、挿通孔8が形成され、挿通孔8に挿通された後側保持部72の先端部には、後側保持部72が捻られることによって交差部13が形成されている。後側保持部72の先端部には、交差部13を介して小さな環状部12が形成され、その環状部12に昇降コード5が挿通されている。すなわち、挿通孔8と昇降コード5との間の介在物である交差部13は、スクリーン2にて挿通孔8を区画する部分と昇降コード5との接触を抑える。
図13に示すように、環状部12に挿通された昇降コード5と、スクリーン2にて挿通孔8を区画する室外側折り目92との間には、交差部13が介在するため、スクリーン2の昇降操作時に昇降コード5と挿通孔8の周囲部分とが摩擦し難くなる。従って、スクリーン2の昇降操作が繰り返されても、挿通孔8の周囲において、室外側折り目92の磨耗を防止することができる。
図14に示すように、昇降コード5と室外側折り目92との摩擦が大きいほど、室外側折り目92のうち昇降コード5と擦れる部位は、昇降コード5の上昇に伴って昇降コード5と共に上方に移動する。結果として、スクリーン2が引き上げられるときに、室外側折り目92のうち挿通孔8付近の部位が、上方へ移動する昇降コード5と共に連れ上がり、室外側折り目92が上方に向かって波打つように湾曲してしまう。この点で、上述の構成であれば、昇降コード5と挿通孔8の周囲部分との摩擦が抑えられるため、室外側折り目92がスクリーン2の引き上げに伴って波打つことが抑えられる。
(第5の実施形態)
図15を参照して本開示におけるプリーツスクリーンの第5の実施形態を説明する。第5の実施形態は、保持部7の先端部における構成が、第4の実施形態とは異なる。そのため、以下では、保持部7の先端部における構成について主に説明する。
図15に示すように、スクリーン2の挿通孔8に挿通された後側保持部72の先端部では、無端状の先端部が2本まとめて絡められることにより環状部14が形成され、その環状部14に昇降コード5が挿通されている。すなわち、後側保持部72の先端部は、2本まとめられた状態で昇降コード5の周囲に1周だけ巻き付けられ、かつ、無端状に形成された後側保持部72における先端の内側から、後側保持部72の基端側の部分が引き出されている。そして、無端状に形成された後側保持部72の先端と、その先端の内側に通された後側保持部72とによって、後側保持部72における交差部15が形成されている。
挿通孔8と昇降コード5との間の介在物としての交差部15の存在により、挿通孔8部分が昇降コード5と非接触となるように設けられている。このような構成では、環状部14に挿通された昇降コード5とスクリーン2の挿通孔8との間に交差部15が介在するので、スクリーン2の昇降操作時に昇降コード5と挿通孔8の周囲部分とが摩擦し難くなる。
従って、スクリーン2の昇降操作を繰り返しても、挿通孔8の周囲の折り目部分の磨耗を防止することができる。また、昇降コード5と挿通孔8の周囲部分との摩擦を防止することができるため、スクリーン2の引き上げ操作時には、上方へ移動する昇降コード5による挿通孔8付近の折り目の連れ上がりを防止することができる。
なお、上記第4の実施形態や第5の実施形態は、以下のように変更することもできる。すなわち、挿通孔8と昇降コード5との間の介在物は、挿通孔8より大きいカシメ部材を保持部7に設けたり、保持部7を挟んで互いに貼り合わされた2枚のテープ部材を設けたり、別の部材を取着する態様とすることもできる。
(第6の実施形態)
図16を参照して本開示におけるプリーツスクリーンの第6の実施形態を説明する。第6の実施形態は、スクリーン2に対する保持部7の配置と、その保持部7が支持する折り目9の位置との関係が、第1〜第5の実施形態とは異なる。そのため、以下では、スクリーン2に対する保持部7の配置と、その保持部7が支持する折り目9の位置との関係について主に説明する。なお、スクリーン2の室内側に配置されるピッチ保持コード6と、スクリーン2の室外側に配置されるピッチ保持コード6との間では、スクリーン2にて支持対象となる位置が、スクリーン2における室内側であるか、あるいは、スクリーン2における室外側であるかという点で互いに異なる一方で、それ以外の点に関しては互いに同様である。そのため、以下では、スクリーン2の室外側に配置されるピッチ保持コード6について説明を省略し、スクリーン2の室内側に配置されるピッチ保持コード6について主に説明する。
図16に示すように、スクリーン2の室内側に配置されたピッチ保持コード6は、第1ピッチ保持コード61として設定され、第1ピッチ保持コード61に設けられる保持部7は、前側保持部71として設定される。前側保持部71は、スクリーン2の室内側からスクリーン2の室外側に向けて延びている。スクリーン2における前後方向の中央よりも前側に配置される折り目9は、室内側折り目91として設定され、前側保持部71は、室内側折り目91に形成された挿通孔8を通じて、スクリーン2の室内側からスクリーン2の室外側へ貫通している。前側保持部71のうち、スクリーン2の室外側に露出した部分には、対向昇降コードの一例である昇降コード5が挿通されて、前側保持部71が被挿通保持部として機能している。
第1ピッチ保持コード61の前側保持部71は、スクリーン2の室内側に凸となる折り目9である室内側折り目91に設けられた挿通孔8に挿通されている。すなわち、第1ピッチ保持コード61は、スクリーン2の室内側を支持し、かつ、挿通孔8部分が昇降コード5と非接触となるように設けられている。なお、スクリーン2がその移動範囲にて下限に下降したとき、挿通孔8の位置と第1ピッチ保持コード61との間の間隔は、間隔L1として設定されている。
このような構成とすることにより、スクリーン2の昇降操作時に、昇降コード5と、前側保持部71に挿通される挿通孔8とが摩擦することはない。従って、挿通孔8付近のスクリーン2の磨耗を防止することができる。また、スクリーン2の引き上げ操作時に、上方へ移動する昇降コード5による挿通孔8付近の室内側折り目91の連れ上がりを防止することができる。
図17に示すように、例えば、上下方向に沿って互いに隣り合う折り目9の略中央に挿通孔Hが形成され、保持部7が挿通孔Hに通されると、挿通孔Hとピッチ保持コード6との間隔L2は、上記間隔L1よりも大きくなる。そのため、スクリーン2の特定の折り目9に対し、同折り目9を上下方向に引き伸ばす方向の引っ張り力が作用すると、挿通孔Hの位置が保持部7上で図17に示す矢印A方向に移動する。
図18に示すように、挿通孔Hの位置が保持部7に沿って移動すると、折り目9の位置がピッチ保持コード6側に向かって斜め上方に大きく移動して、折り目9の挟み角αが大きくなる。そして、図18に鎖線で示すように、室外側の折り目9の折方向が反転してしまうことがある。
この実施形態では、挿通孔8の位置と第1ピッチ保持コード61との間隔L1が小さいので、挿通孔8の位置が第1ピッチ保持コード61側に向かって斜め上方へ移動しようとしても、その移動距離が限定される。従って、スクリーン2の折り目9の折角の変化を抑制し、かつ折方向の反転を防止することができる。
また、第1ピッチ保持コード61側に向かって凸となる室内側折り目91に挿通孔8を設けたので、スクリーン2を上方へ畳み込むとき、昇降コード5側に挿通孔を設ける場合に比較し、積層して畳まれるスクリーン2の各折り目9間にピッチ保持コード6が緩んでジグザグ状に畳まれていくその縦糸が挟まれ難い。従って、ピッチ保持コード6を規則的に折り畳んだ状態で露出させることができるので、スクリーン2を上方へ畳み込んだ状態での美観を向上させることができる。更に、第3の実施形態のように挿通すると相乗効果を発揮する。
(第7の実施形態)
図19を参照して本開示におけるプリーツスクリーンの第7の実施形態を説明する。第7の実施形態は、昇降コード5が通された状態における保持部7の形状が、第1〜第6の実施形態とは異なる。そのため、以下では、昇降コード5が通された状態における保持部7の形状について主に説明する。なお、スクリーン2の室内側に配置されるピッチ保持コード6と、スクリーン2の室外側に配置されるピッチ保持コード6との間では、保持部7に通される昇降コード5が互いに異なる一方で、それ以外の点に関しては互いに同様の構成を有する。そのため、以下では、スクリーン2の室内側に配置されるピッチ保持コード6について説明を省略し、スクリーン2の室外側に配置されるピッチ保持コード6について主に説明する。
図19に示すように、挿通孔8に挿通された保持部7の無端縁に挿通する昇降コード5を、挿通孔8に対しスクリーン2の左右方向にずらして垂下する構成としたものである。すなわち、挿通孔8部分が昇降コード5と非接触となるように設けられている。
このような構成により、昇降コード5と挿通孔8の周囲部分との摩擦を防止することができるので、挿通孔8の周囲の折り目部分の磨耗を防止することができる。また、昇降コード5と挿通孔8の周囲部分との摩擦を防止することができるので、スクリーン2の引き上げ操作時に上方へ移動する昇降コード5による挿通孔8付近の折り目の連れ上がりを防止することができる。
(第8の実施形態)
図20、および、図21を参照して本開示におけるプリーツスクリーンの第8の実施形態を説明する。第8の実施形態は、保持部7の形状が、第1〜第7の実施形態とは異なる。そのため、以下では、第6の実施形態と同じく、スクリーン2の室内側に配置されたピッチ保持コード6が、第1ピッチ保持コード61として設定され、第1ピッチ保持コード61に設けられる保持部7が、前側保持部71として設定される構成を一例として、それにおける保持部7の形状について主に説明する。
なお、スクリーン2の室内側に配置されるピッチ保持コード6と、スクリーン2の室外側に配置されるピッチ保持コード6との間では、保持部7に通される昇降コード5が互いに異なる一方で、それ以外の点に関しては互いに同様の構成を有する。そのため、以下では、スクリーン2の室外側に配置されるピッチ保持コード6について説明を省略し、スクリーン2の室内側に配置されるピッチ保持コード6について主に説明する。
図20に示すように、第1ピッチ保持コード61は、第1ピッチ保持コード61の縦糸の長手方向に沿って保持部7が反るかたちに成形されている。例えば、第1ピッチ保持コード61では、第1ピッチ保持コード61の縦糸から離間する保持部7の先端側、すなわち、保持部7における昇降コード5側の部位が上方に向けて反るように、第1ピッチ保持コード61には残留応力F1が加えられている。
図21に示すように、スクリーン2の室内側折り目91の挿通孔8にその上反りの保持部7が挿通されることで、スクリーン2には、スクリーン2がピッチ保持コード6に向けて近づく方向への外力F2が、保持部7から作用する。結果として、スクリーン2がピッチ保持コード6側に寄った状態で支持され易くなる。そのため、スクリーン2の上昇時、室外側でのスクリーン2の折り目9と昇降コード5との摩擦が低減され、スクリーン2の連れ上がりが防止される。
(第9の実施形態)
図22を参照して本開示におけるプリーツスクリーンの第9の実施形態を説明する。第9の実施形態は、ピッチ保持コード6に曲げ部が形成されることが、第1〜第8の実施形態とは異なる。そのため、以下では、ピッチ保持コード6における曲げ部について主に説明する。
図22に示すように、ピッチ保持コード6の保持部7間の中間部(所望屈曲部)に曲げ部20を構成している。曲げ部20は、他の部分よりも曲げ強度を低く構成している。例えば図22のように、ピッチ保持コード6は、編み糸の縦糸21と該縦糸21に対して蛇行する態様で編み込まれた横糸22とを有するものにおいて、曲げ部20では数カ所の横糸22を省略して、曲げ強度を低く構成している。そして、スクリーン2の折り畳みとともにピッチ保持コード6が畳み込まれる際に曲げ部20にて積極的に折り曲がるようにし、第3の実施形態のように、ピッチ保持コード6が規則的に折り畳まれ易くしている。
このような構成の本実施形態では、ピッチ保持コード6を規則的に折り畳むことができ、室内側におけるプリーツスクリーンの美観の低下を防止することができる。なお、ピッチ保持コード6自体の編み方を所望屈曲部において一部変更してその曲げ強度を低くしたが、一部切断する等、他の構成にて対応してもよい。
(第10の実施形態)
図23を参照して本開示におけるプリーツスクリーンの第10の実施形態を説明する。第10の実施形態は、ピッチ保持コード6の形状が第1〜第9の実施形態とは異なる。そのため、以下では、ピッチ保持コード6の形状について主に説明する。
図23に示されるように、上記の各実施形態で用いた紐状のピッチ保持コード6よりも幅広の例えばテープ状のピッチ保持コード6が用いられている。ピッチ保持コード6における横方向の幅であるコード幅Wは、折り目9に形成される挿通孔8における横方向の幅よりも大きい。
このような構成の本実施形態では、保持部7を挿通するために折り目9に形成された挿通孔8を、コード幅Wを有する幅広のピッチ保持コード6自身で塞ぐこととなり、遮光性に優れている。
(第11の実施形態)
図24〜26を参照して本開示におけるプリーツスクリーンの第11の実施形態を説明する。第11の実施形態は、スクリーン2に対して保持部7を係止する係止部が備えられる構成にて第1〜第10の実施形態とは異なる。そのため、以下では、係止部の構成について主に説明する。
なお、スクリーン2の室内側に配置されるピッチ保持コード6と、スクリーン2の室外側に配置されるピッチ保持コード6との間では、スクリーン2に対する係止部の位置が互いに異なる一方で、それ以外の点に関しては互いに同様の構成を有する。そのため、以下では、第1の実施形態と同じく、スクリーン2の室外側に配置されたピッチ保持コード6が、第1ピッチ保持コード61として設定され、第1ピッチ保持コード61に設けられる保持部7が、前側保持部71として設定される構成を一例として、それにおける係止部の構成について主に説明する。
図24に示すように、第1ピッチ保持コード61における前側保持部71のうちスクリーン2よりも第1ピッチ保持コード61の縦糸に近い部位には、スクリーン2が第1ピッチ保持コード61の縦糸に近づくことを規制可能な係止部10が設けられている。
例えば、この係止部10は、第1ピッチ保持コード61の縦糸より硬質であり、第1ピッチ保持コード61における前側保持部71の先端側所定箇所に予め固着されている。
係止部10における前後方向の幅は、係止前後幅w1であり、係止前後幅w1は、縦糸における前後方向の幅よりも若干狭い。一方で、係止部10における左右方向の幅は、係止左右幅w2であり、係止左右幅w2は、挿通孔8における左右方向の幅よりも十分大きい。係止部10における上下方向の幅は、係止厚さdであり、保持部7の厚みよりも若干大きく形成されている。
前側保持部71をモノフィラメント糸とした場合でも、係止部10を融着糸とすることで加熱により固着することができる。そして、室内側折り目91の挿通孔8に室外側から室内側に前側保持部71が挿通され、挿通後の前側保持部71に昇降コード5が挿通される。これによって、前側保持部71の係止部10は、スクリーン2の挿通孔8の室外側の周縁部と係止可能な状態になる。
ここで、スクリーン2の引き上げ途中においては、そのスクリーン2の下端に取着されたボトムレール3を引き上げる昇降コード5は、常に緊張状態にあるが、ピッチ保持コード6は畳み込まれた付近から緊張状態でなくなる。そのため、スクリーン2が昇降コード5からピッチ保持コード6側に逃げ易い状況となっている。特に、スクリーン2がピッチ保持コード6に向けて逃げやすくなることは、スクリーン2がジグザグ状に開いた下降状態で長期間の日射の影響によりスクリーン2の柔軟性が低下し、スクリーン2の折り畳み抵抗が増大する場合等において生じ易い。
図25に示すように、保持部7に係止部10が設けられていない構成では、スクリーン2の柔軟性が低下することによって、図中の矢印のようにスクリーン2の一部が大きく逃げると、その後のスクリーン2の引き上げに伴う折り畳み動作に支障を来す虞がある。
図26に示すように、保持部7に係止部10が設けられている構成であれば、スクリーン2の柔軟性が低下するときも、昇降コード5と保持部7の係止部10とによって、スクリーン2の前後方向に沿った移動が規制される。特に昇降コード5からピッチ保持コード6に向けてスクリーン2が逃げようとすると、図の鎖線で示すように、係止部10とスクリーン2との係合によって、スクリーン2の移動が規制される。それゆえに、スクリーン2の柔軟性が低下するときも、スクリーン2の引き上げに伴う折り畳みが良好に行われる。
なお、係止部10は、融着糸から形成されてもよいし、融着糸以外から形成されてもよい。例えば、薄板状のかしめ部材の保持部7への装着や粘着テープの保持部7への貼着、さらには保持部7自体に左右方向に突出した屈曲部を設ける等によって、係止部10が構成されてもよい。
また、係止部10は、スクリーン2に装着される前の保持部7にあらかじめ固着されてもよいし、スクリーン2に装着された後の保持部7に対して固着されてもよい。係止部10は、例えば、挿通孔8に挿通された状態の保持部7に昇降コード5が挿通されて、その後に、係止部10が保持部7に固着されてもよい。
なお、以下の各例に示すように、スクリーン2の谷形状と同等となるように保持部7の付け根間を上下方向に広げた態様とすることで、スクリーン2の移動規制を行うこともできる。
図27に示すように、隣接する各段の保持部7の一端及び他端を交差させる交差部19を設けることや、図28に示すように、ピッチ保持コード6の保持部7の各段の上下間隔x1より、各段それぞれの保持部7の一対の付け根の上下間隔x2を広げることで実現できる。例えば、図28では、x1を5mm、x2を35mmとし、スクリーン2の折曲げ角α1が90°に対し、ピッチ保持コード6の保持部7の広がり角α2が狭角の60°に設定されている。
また、上述したスクリーン2の移動の規制は、以下のように変更することもできる。
図29から図31には、ピッチ保持コード6の保持部7の挿入段とは異なる段において、昇降コード5とスクリーン2とが前後方向にて直接的、または、間接的に係合し、昇降コード5の張力によって、スクリーン2の前後への移動が規制される態様を示す。
図29に示すように、スクリーン2における折り目9のうちピッチ保持コード6に近い折り目9には、ピッチ保持コード6に設けられた保持部7が貫通している。また、スクリーン2における折り目9のうち昇降コード5に近い折り目9には、昇降コード5に向かって接合片23が延設されている。接合片23に形成される挿通孔24には、昇降コード5が挿通されている。これによって、スクリーン2における折り目9のうち、保持部7の貫通する段とは異なる段にて、上下方向に沿って緊張する昇降コード5とスクリーン2とが係合して、スクリーン2がピッチ保持コード6に向かって移動することが規制される。
図30に示すように、スクリーン2における折り目9のうち昇降コード5に近い折り目9には、三段の折り目9を空けて、ピッチ保持コード6に設けられた保持部7が貫通している。また、昇降コード5に近い折り目9のうち保持部7が貫通していない折り目9には、昇降コード5に向かって接合片23が延設されている。接合片23に形成される挿通孔24には、昇降コード5が挿通されている。これによって、スクリーン2における折り目9のうち、保持部7の貫通する段とは異なる段にて、上下方向に沿って緊張する昇降コード5とスクリーン2とが係合して、スクリーン2がピッチ保持コード6に向かって移動することが規制される。
なお、図29に示す例では、接合片23が三段おきの折り目9に設けられ、ピッチ保持コード6側の一段おきの折り目9の挿通孔8から保持部7が挿通されている。図30に示す例では、接合片23が一段おきの折り目9に設けられ、隣接の接合片23間の昇降コード5側のスクリーン2の折り目9の挿通孔8から保持部7が挿通されている。
図31に示すように、スクリーン2がピッチ保持コード6側へ移動することを規制する別部材として係止部材25が用いられる。係止部材25の挿通孔26には、昇降コード5が挿通され、係止部材25の係止部27は、ピッチ保持コード6とは反対側(昇降コード5側)のスクリーン2の折り目9に係止される。この構成であっても、スクリーン2がピッチ保持コード6に向かって移動することは規制される。
(第12の実施形態)
図32から図34を参照して本開示におけるプリーツスクリーンの第12の実施形態を説明する。第12の実施形態は、第11の実施形態における移動の規制機能を保持部7が有することに関して、第1〜第11の実施形態と互いに異なる。それゆえに、以下では、保持部が有するスクリーン2の移動の規制機能について主に説明する。
図32に示すように、スクリーン2の室内側に配置されたピッチ保持コード6は、第1ピッチ保持コード61として設定され、第1ピッチ保持コード61に設けられる保持部7は、前側保持部71として設定される。前側保持部71は、上下方向に沿って互いに離れた2つの基端部を有して、一つのループ状に形成されている。前側保持部71における2つの基端部の間の距離は、スクリーン2が引き伸ばされた状態にて、室内側折り目91の間の上下方向に沿った距離と同じ程度である。前側保持部71における上側の部分は、室内側折り目91の挿通孔8から室外側に導出されることによって第1環状部28を形成している。また、前側保持部71における下側の部分は、一段下の室内側折り目91の挿通孔8から室外側に導出されることによって第2環状部29を形成している。そして、第1環状部28と第2環状部29とに、対向昇降コードの一例である昇降コード5がそれぞれ挿通されて、前側保持部71が被挿通保持部として機能している。
スクリーン2の室外側に配置されたピッチ保持コード6は、第2ピッチ保持コード62として設定され、第2ピッチ保持コード62に設けられる保持部7は、後側保持部72として設定される。後側保持部72は、上下方向に沿って互いに離れた2つの基端部を有して、一つのループ状に形成されている。後側保持部72における2つの基端部の間の距離は、スクリーン2が引き伸ばされた状態にて、室外側折り目92の間の上下方向に沿った距離と同じ程度である。後側保持部72における上側の部分は、室外側折り目92の挿通孔8から室内側に導出されることによって第1環状部28を形成している。また、後側保持部72における下側の部分は、一段下の室外側折り目92の挿通孔8から室内側に導出されることによって第2環状部29を形成している。そして、第1環状部28と第2環状部29とに、対向昇降コードの一例である昇降コード5が挿通されて、後側保持部72が被挿通保持部として機能している。
そして、ボトムレール3が下限まで下降するとき、前側保持部71の基端部側が昇降コード5に係合して、室内側折り目91が前側保持部71によって下方から支持される。結果として、スクリーン2における室内側折り目91が、上下方向にて等間隔に配置されるように、スクリーン2の室内側折り目91は、第1ピッチ保持コード61によって支持される。また、ボトムレール3が下限まで下降するとき、後側保持部72の先端部が昇降コード5に係合して、室外側折り目92が後側保持部72によって下方から支持される。結果として、スクリーン2における室外側折り目92が、上下方向にて等間隔に配置されるように、スクリーン2の室外側折り目92は、第2ピッチ保持コード62によって支持される。スクリーン2が折り畳まれるときに、折り目9がピッチ保持コード6に向かって過剰に移動することは、2つの室内側折り目91を跨ぐ部分7Jによって抑えられる。
なお、スクリーン2がピッチ保持コード6に向かって移動することが保持部7によって規制される構成は、以下のように変形することもできる。
図33に示すように、ピッチ保持コード6の縦糸には、上下方向に沿って互いに離れた2つの基端部を有する保持部7が、一つのループ状に形成されている。保持部7における2つの基端部の間の距離は、スクリーン2が引き伸ばされた状態にて、1つの折り目9によって形成された山における1つの斜面の長さ程度である。保持部7における上側の部分は、ピッチ保持コード6に向かって突き出た折り目9の挿通孔8からピッチ保持コード6とは反対側に導出されて第1環状部28を形成している。また、保持部7における下側の部分は、昇降コード5に向かって突き出た一段下の折り目9の挿通孔8からピッチ保持コード6とは反対側に導出されて第2環状部29を形成している。保持部7のうち2つの挿通孔8を跨ぐ部分7Kは、折り目9によって形成された山の1つの斜面に接している。そして、第1環状部28と第2環状部29とに昇降コード5がそれぞれ挿通されている。スクリーン2が折り畳まれるときに、折り目9がピッチ保持コード6に向かって過剰に移動することは、2つの折り目9を跨ぐ部分7Kによって抑えられる。
図34に示すように、ピッチ保持コード6の縦糸には、上下方向に沿って互いに離れた2つの基端部を有する保持部7が、一つのループ状に形成されている。保持部7における2つの基端部の間の距離は、スクリーン2が引き伸ばされた状態にて、1つの折り目9によって形成された谷における2つの斜面の長さ程度である。保持部7における上側の部分は、昇降コード5に向かって突き出た折り目9の挿通孔8から昇降コード5に向かって導出されることによって第1環状部28を形成している。また、保持部7における下側の部分は、昇降コード5に向かって突き出た一段下の折り目9の挿通孔8から昇降コード5に導出されることによって第2環状部29を形成している。保持部7のうち2つの挿通孔8を跨ぐ部分7Lは、折り目9によって形成された山の2つの斜面に接している。そして、第1環状部28と第2環状部29とに昇降コード5がそれぞれ挿通されている。これによっても、ピッチ保持コード6に向かう過剰な折り目9の移動が抑えられる。
第12の実施形態におけるプリーツスクリーンによれば、上述した効果に加えて以下に示す効果が得られる。
(1)折り目9の間隔を保つための保持部7は、スクリーン2がピッチ保持コード6に向かって移動することを規制する機能を兼ね備えている。それゆえに、スクリーン2がピッチ保持コード6に向かって移動することを規制するための他の部材が用いられる構成と比べて、スクリーン2を構成する部品の点数の増大が抑えられる。
(2)スクリーン2のピッチ保持コード6に向けた移動は、スクリーン2の前側とスクリーン2の後側との両方で規制される。それゆえに、スクリーン2のピッチ保持コード6に向けた移動が、スクリーンの前側、または、スクリーン2の後側でのみ規制される構成と比べて、スクリーン2にて規制される部位の数を増やすことが可能であって、スクリーン2の折り畳みに際し、スクリーン2の位置が安定する。
(第13の実施形態)
図35および図36を参照して本開示におけるプリーツスクリーンの第13の実施形態を説明する。第13の実施形態は、スクリーン2の前側とスクリーン2の後側とに、それぞれ昇降コード5とピッチ保持コード6とが並設されることが、第1〜第12の実施形態と異なる。そのため、以下では、昇降コード5の配置とピッチ保持コード6の配置について主に説明する。
図35に示すように、2本の昇降コード5のうち、一方の昇降コード5は、スクリーン2の室内側に吊下支持され、他方の昇降コード5は、スクリーン2の室外側に吊下支持されている。2本のピッチ保持コード6のうち、一方のピッチ保持コード6は、スクリーン2の室外側に吊下支持され、他方のピッチ保持コード6は、スクリーン2の室内側に吊下支持されている。
スクリーン2の室内側に吊下支持される昇降コード5と、スクリーン2の室内側に吊下支持されるピッチ保持コード6とは、前後方向に沿って互いに並設され、スクリーン2の室外側に吊下支持される昇降コード5と、スクリーン2の室外側に吊下支持されるピッチ保持コード6とは、前後方向に沿って互いに並設されている。
スクリーン2の室内側に吊下支持される昇降コード5と、スクリーン2の室外側に吊下支持される昇降コード5とは、折り目9の延びる方向である横方向において、互いに異なる位置に配置されている。また、スクリーン2の室内側に吊下支持されるピッチ保持コード6と、スクリーン2の室外側に吊下支持されるピッチ保持コード6とは、これもまた横方向において、互いに異なる位置に配置されている。各昇降コード5の下端、および、ピッチ保持コード6の下端には、図示しないボトムレール3が取着されている。
スクリーン2の折り目9のうちスクリーン2の室内側に向けて突き出る室内側折り目91には、室内側折り目91から室内側に向けて突き出る室内側接合片231が連結されている。また、スクリーン2の折り目9のうちスクリーン2の室外側に向けて突き出る室外側折り目92には、室外側折り目92から室外側に向けて突き出る室外側接合片232が連結されている。
室内側接合片231、および、室外側接合片232は、それぞれ折り目9に沿って延びる帯状に形成されている。室内側接合片231の横方向における右側端部には、室内側接合片231を上下方向に沿って貫通する挿通孔23Hが形成されている。また、室外側接合片232の横方向における左側端部には、室外側接合片232を上下方向に沿って貫通する挿通孔23Hが形成されている。室内側接合片231に形成される挿通孔23H、および、室外側接合片232に形成される挿通孔23Hには、それぞれ昇降コード5が通されている。
スクリーン2の室内側に配置されたピッチ保持コード6は、第1ピッチ保持コード61として設定され、第1ピッチ保持コード61に設けられる保持部7は、前側保持部71として設定される。前側保持部71は、第1ピッチ保持コード61から昇降コード5に向けて延びる環状に形成されている。前側保持部71は、第1ピッチ保持コード61にて、室内側接合片231よりも上側に固定され、第1ピッチ保持コード61から室内側接合片231の下側に引き回されている。前側保持部71にて室内側接合片231の下側に引き回される部位には、並設昇降コードの一例である昇降コード5が挿通されて、前側保持部71が被挿通保持部として機能している。
スクリーン2の室外側に配置されたピッチ保持コード6は、第2ピッチ保持コード62として設定され、第2ピッチ保持コード62に設けられる保持部7は、後側保持部72として設定される。後側保持部72は、第2ピッチ保持コード62から昇降コード5に向けて延びる環状に形成されている。後側保持部72は、第2ピッチ保持コード62にて、室外側接合片232よりも上側に固定され、第2ピッチ保持コード62から室外側接合片232の下側に引き回されている。後側保持部72にて室外側接合片232の下側に引き回される部位には、並設昇降コードの一例である昇降コード5が挿通されて、後側保持部72が被挿通保持部として機能している。
なお、前側保持部71、および、後側保持部72の各々は、第1〜第11の実施形態と同じく、例えば、ピッチ保持コード6に含まれるモノフィラメント糸によって形成される。
そして、ボトムレール3がその移動範囲にて下限まで下降するとき、前側保持部71の先端部が、昇降コード5に係合して、室内側接合片231、および、室内側折り目91が、前側保持部71に下方から支持される。結果として、スクリーン2における室内側折り目91が、上下方向にて等間隔に配置されるように、複数の室内側折り目91の各々が、第1ピッチ保持コード61によって支持される。
また、ボトムレール3がその移動範囲にて下限まで下降するとき、後側保持部72の先端部が、昇降コード5に係合して、室外側折り目92が、後側保持部72に下方から支持される。結果として、スクリーン2における室外側折り目92が、上下方向にて等間隔に配置されるように、複数の室外側折り目92の各々が、第2ピッチ保持コード62によって支持される。
なお、昇降コード5とスクリーン2との係合の態様は、以下に変更することもできる。
図36に示されるように、円環状に形成された係止部材25には、昇降コード5の挿通される挿通孔25Hが上下方向に沿って貫通し、また、係止部材25の基端部には、基端に向けて膨大する係止部25Eが形成されている。室内側折り目91には、係止部25Eの差し込まれる係止孔が形成されている。そして、室内側折り目91に形成された係止孔に係止部25Eが差し込まれることによって、室内側折り目91に係止部材25が取り付けられる。
室内側折り目91に取り付けられた係止部材25は、室内側に向けた係止部材25の移動を室内側折り目91と係止部25Eとの係合によって係止する。そして、係止部材25の挿通孔25Hに昇降コード5が挿通されることによって、係止部材25と昇降コード5との上下方向に沿った相対的な移動が可能な状態で、昇降コード5とスクリーン2とが係合する。
前側保持部71は、第1ピッチ保持コード61にて、係止部材25よりも上側に固定され、第1ピッチ保持コード61から係止部材25の下側に引き回されている。前側保持部71にて係止部材25の下側に引き回される部位には、並設昇降コードの一例である昇降コード5が挿通されて、前側保持部71が被挿通保持部として機能している。
また、昇降コード5とピッチ保持コード6との並ぶ方向は、前後方向に限られず、例えば、横方向であってもよい。さらに、これら並設されるコードの組が配置される位置は、スクリーン2の前側のみであってもよいし、スクリーン2の後側のみであってもよい。要するに、昇降コード5とピッチ保持コード6とは、スクリーン2の前側、および、スクリーン2の後側の少なくとも1つで、互いに並ぶ構成であればよい。
上記のプリーツスクリーンによれば、上述した効果に加えて下記の効果が得られる。
(1)保持部7とスクリーン2との係合に用いられる構成にて、スクリーン2を前後方向に沿って貫通する孔が必要とされない。それゆえに、スクリーン2における光洩れがさらに少なくなる。
(2)緊張する昇降コード5が、室内側接合片231に形成される挿通孔23Hに通され、かつ、緊張する他の昇降コード5が、室外側接合片232に形成される挿通孔23Hに通される。それゆえに、第12の実施形態にて得られる効果と同様に、スクリーン2が第1ピッチ保持コード61に向けて逃げること、および、スクリーン2が第2ピッチ保持コード62に向けて逃げることも抑えられる。
(第14の実施形態)
図37を参照して本開示におけるプリーツスクリーンの第14の実施形態を説明する。第14の実施形態は、スクリーン2の前側とスクリーン2の後側とに、それぞれ昇降コード5とピッチ保持コード6とが並設されることは、第13の実施形態と同じである一方で、保持部7の構成が互いに異なる。そのため、以下では、保持部7の構成について主に説明する。
図37に示すように、スクリーン2の室内側に配置されたピッチ保持コード6は、第1ピッチ保持コード61として設定され、第1ピッチ保持コード61に設けられる保持部7は、前側保持部71として設定される。前側保持部71は、第1ピッチ保持コード61に固定された固定部7aと、室内側折り目91に係止される抜け止め7bと、固定部7aと抜け止め7bとを繋ぐ細糸状部7cとから構成されている。
室内側折り目91には、2つのスリットである固定側スリット8aと抜け止めスリット8bとが形成され、これら2つのスリットは室内側折り目91に沿って間隔を空けて並んでいる。前側保持部71を構成する固定部7aは、固定側スリット8a、および、抜け止めスリット8bの形成された室内側折り目91よりも上方に配置されている。
固定部7aと抜け止め7bとを繋ぐ細糸状部7cは、固定部7aから固定側スリット8aを通じて固定側スリット8aの室外側に引き回され、かつ、固定側スリット8aから抜け止めスリット8bを通じて抜け止めスリット8bの室内側に引き回されている。そして、抜け止めスリット8bの室内側に配置される抜け止め7bが、抜け止めスリット8bにて係止されて、スクリーン2の室内側は、第1ピッチ保持コード61に支持されている。
スクリーン2の室外側に配置されたピッチ保持コード6は、第2ピッチ保持コード62として設定され、第2ピッチ保持コード62に設けられる保持部7は、後側保持部72として設定される。後側保持部72は、第2ピッチ保持コード62に固定された固定部7aと、室外側折り目92に係止される抜け止め7bと、固定部7aと抜け止め7bとを繋ぐ細糸状部7cとから構成されている。
室外側折り目92には、2つのスリットである固定側スリット8aと抜け止めスリット8bとが形成され、これら2つのスリットは室外側折り目92に沿って間隔を空けて並んでいる。後側保持部72を構成する固定部7aは、固定側スリット8a、および、抜け止めスリット8bの形成された室外側折り目92よりも上方に配置されている。固定部7aと抜け止め7bとを繋ぐ細糸状部7cは、固定部7aから固定側スリット8aを通じて固定側スリット8aの室内側に引き回され、かつ、固定側スリット8aから抜け止めスリット8bを通じて抜け止めスリット8bの室外側に引き回されている。そして、抜け止めスリット8bの室外側に配置される抜け止め7bが、抜け止めスリット8bにて係止されることによって、スクリーン2の室外側は、第2ピッチ保持コード62に支持される。
固定部7aは、例えば、ピッチ保持コード6の縦糸に固定される樹脂成形部材であってもよいし、ピッチ保持コード6の縦糸と細糸状部7cとを挟持する挟持部材であってもよい。要するに、固定部7aは、細糸状部7cをピッチ保持コード6の縦糸に固定する構成であればよい。なお、保持部7においては、固定部7aが省略されて、ピッチ保持コード6に編み込まれた糸そのものが、細糸状部7cとして機能する構成であってもよい。
抜け止め7bは、例えば、細糸状部7cに固定される樹脂成形部材であってもよいし、細糸状部7cを挟持する挟持部材であってもよい。要するに、抜け止め7bは、細糸状部7cに固定されて抜け止めスリット8bに係止される構成であればよい。なお、保持部7においては、抜け止め7bが省略されて、細糸状部7cの先端に形成される結び目などが抜け止め7bとして機能する構成であってもよい。
なお、上記各実施形態は以下のように変更することも可能である。
・第1〜第12の実施形態では、ピッチ保持コード6と昇降コード5とが前後方向にて互いに対向し、折り目9の延びる方向では、複数のピッチ保持コード6の各々が互いに異なる位置に配置されている。一方で、第13、14の実施形態では、ピッチ保持コード6と昇降コード5とが互いに並設される1組のコード組を構成し、スクリーン2の前側とスクリーン2の後側との各々に、コード組が配置されている。これに限られず、第1〜第14の実施形態の各々は、少なくとも一つの他の実施形態と組み合わされてもよい。
この際に、第1〜第12の実施形態に関しては、1組のコード組やそれに用いられる保持部7に対して互いに異なる複数の実施形態が適用されてもよいし、複数のコード組やそれに用いられる保持部7に対して各別の実施形態が適用されてもよい。また、第13、14の実施形態に関してもまた、1組のコード組やそれに用いられる保持部7に対して互いに異なる実施形態が適用されてもよいし、複数のコード組やそれに用いられる保持部7に対して各別の実施形態が適用されてもよい。さらに、1つのプリーツスクリーンに備えられる複数のピッチ保持コード6と複数の昇降コード5とは、第1〜第12の実施形態に示されるピッチ保持コード6と昇降コード5との関係、および、第13、14の実施形態に示されるピッチ保持コード6と昇降コード5との関係の両方を含んでもよい。
例えば、図38に示されるように、スクリーン2の室外側には、折り目9の延びる方向での両端部に、係止部材25が取り付けられている。2つの係止部材25の各々には、スクリーン2の室外側に配置された昇降コード5が挿通されている。2つの昇降コード5の各々は、スクリーン2の室外側に配置された第2ピッチ保持コード62における保持部7にも挿通されている。2つの第2ピッチ保持コード62の各々に設けられた保持部7は、室外側折り目92を支持する後側保持部72として機能する。
これに対して、スクリーン2の室外側には、折り目9の延びる方向での中央部に、第1ピッチ保持コード61が配置され、かつ、スクリーン2の室内側には、折り目9の延びる方向での中央部に、昇降コード5が配置されている。第1ピッチ保持コード61に設けられた保持部7は、室内側折り目91を支持する前側保持部71として機能する。
こうした構成であれば、上述した効果が得られることに加えて、スクリーン2の室内側に配置されるコードを1本の昇降コード5のみにすることも可能である。それゆえに、プリーツスクリーンにおける美観を高めることも可能である。
・第1〜第12の実施形態にて、前後方向にて互いに対向する昇降コード5とピッチ保持コード6との間の間隔は、折り畳まれたスクリーン2の前後方向に沿って占める幅以上であることが好ましい。
図39に示すように、従来例のプリーツスクリーンにて、ラダーコード51の縦糸52間の間隔WLが、折り畳まれたスクリーン53の前後方向に沿って占める幅53W未満である構成では、ラダーコード51の横糸54の長さも、折り畳まれたスクリーン53の占める前後方向の幅53W未満になる。そして、スクリーン53が折り畳まれる際には、折り畳まれる過程でのスクリーン53にて、前後方向に沿って占める幅が、ラダーコード51の横糸54の長さよりも徐々に大きくなる。
この際に、スクリーン53の折り畳みが進むに連れて、図39の鎖線に示すように、スクリーン53は、ラダーコード51の縦糸52間の間隔を広げようとするものの、これら2つのコードの間の間隔は、ラダーコード51の横糸54によって制限される。結果として、スクリーン53の前後方向に沿って占める幅が折り畳まれる過程で大きくなる分、上下方向に弛んだラダーコード51の縦糸52が、スクリーン53の折り目の間に入り込むことになる。そして、折り目の間にラダーコード51の縦糸52が入り込む分、折り畳まれたスクリーン53が、上下方向に沿って嵩張り、その美観を損なうことになる。
図40に示すように、上述した変形例に従う構成であれば、前後方向にて互いに対向する昇降コード5とピッチ保持コード6との間の間隔W56が、折り畳まれたスクリーン2の前後方向に沿って占める幅2W以上である。それゆえに、スクリーン2の折り畳みが進み、スクリーン2の前後方向に沿って占める幅が、折り畳まれる過程で徐々に大きくなるとしても、スクリーン2は間隔W56を広げるようには作用しない。結果として、弛んだピッチ保持コード6が、昇降コード5に向けて引っ張られることがないため、折り目9の間にピッチ保持コード6が入り込むことが抑えられる。そして、折り畳まれたスクリーン2が上下方向に沿って嵩張ることが抑えられ、かつ、折り畳まれたスクリーン2の美観が高められもする。なお、昇降コード5とピッチ保持コード6とを繋ぐ保持部7が以下の形態であっても、同様の効果を得ることは可能である。
図41に示すように、スクリーン2に形成される折り目9のうち、ピッチ保持コード6に設けられる保持部7は、昇降コード5に向けて突き出た折り目9を支持している。そして、前後方向にて互いに対向する昇降コード5とピッチ保持コード6との間の間隔W56が、折り畳まれたスクリーン2の前後方向に沿って占める幅2W以上である。このような構成であっても、ピッチ保持コード6に設けられる保持部7が、ピッチ保持コード6に向けて突き出た折り目9を支持する構成と同じく、折り目9の間にピッチ保持コード6が入り込むことが抑えられる。
図42に示すように、スクリーン2に形成される折り目9のうち、ピッチ保持コード6に設けられる複数の保持部7は、ピッチ保持コード6に向けて突き出た折り目9と、昇降コード5に向けて突き出た折り目9との両方を支持している。そして、前後方向にて互いに対向する昇降コード5とピッチ保持コード6との間の間隔W56が、折り畳まれたスクリーン2の前後方向に沿って占める幅2W以上である。このような構成であっても、ピッチ保持コード6に設けられる保持部7が、ピッチ保持コード6に向けて突き出た折り目9を支持する構成と同じく、折り目9の間にピッチ保持コード6が入り込むことが抑えられる。
・第1〜第12の実施形態にて、保持部7の通される挿通孔8は、スクリーン2に形成されたスリットに限らず、例えば、スクリーン2を構成する横糸と縦糸とによって囲まれる隙間など、保持部7が通ることの可能な極小径の孔径であってもよい。このような構成であれば、スクリーン2に別途スリットを形成する手間が省かれると共に、挿通孔8での光洩れも抑えられる。
・第1〜第12の実施形態では、スクリーン2の挿通孔8が、ピッチ保持コード6の保持部7の挿通と同時に形成される態様であってもよく、また、予めスクリーン2に挿通孔が形成される態様であってもよい。また、スクリーン2を構成する縦糸と横糸とが切断されず、各糸間の隙間が拡大されることによって挿通孔8が形成されてもよい。このような構成であれば、例えば、昇降コード5が挿通孔8に接する際に、スクリーン2の縦糸と横糸のほつれが低減され、結果としてスクリーン2の耐久性が高められる。
・第1〜第12の実施形態では、ピッチ保持コード6の保持部7は、ピッチ保持コード6の縦糸から1本の糸として引き出されてもよい。この際に、保持部7のうち、スクリーン2を貫通する箇所には、昇降コード5の挿入される小ループ(環状部)が形成される。このような構成であれば、スクリーン2の挿通孔8と昇降コード5との間に小ループが介在物として存在するため、挿通孔8の周縁部にてスクリーン2が磨耗することが抑えられる。
・スクリーン2にて保持部7によって支持される部位は、折り目9や折り目9に取り付けられる他の部材に限らず、折り目9の間隔が保たれる位置であればよく、スクリーン2における前側とスクリーン2における後側とにおいて、適宜選択される。また、スクリーン2にて保持部7によって支持される部位は、複数段の折り目9ごとに設定されてもよい。図43を参照して複数段の折り目9ごとに支持の位置が設定される例を説明する。
・図43に示すように、3本の昇降コード5と3本のピッチ保持コード6とが吊り下げられる構成にて、折り目9の延びる方向での両端部では、スクリーン2における折り目9の全段が保持部7によって支持される。そして、折り目9の延びる方向での中央部では、スクリーン2における折り目9の一段おきに、スクリーン2が保持部7によって支持されてもよい。
保持部7によって支持される折り目9が飛ばされる構成であれば、ピッチ保持コード6における保持部7の数も省略でき、保持部7による支持構造を形成する手間も軽減することができる。なお、保持部7によって支持される折り目9を一段飛ばしとしたが、二段以上飛ばしてもよい。また、ヘッドボックス1の中央部にて、保持部7によって支持される折り目9が飛ばされる構成の他、折り目9の延びる方向での両端部にて、保持部7によって支持される折り目9が飛ばされてもよい。また、両者を飛ばす構成としてもよい。
なお、保持部7によって支持される折り目9が飛ばされる構成であれば、保持部7とスクリーン2との係合する箇所が少なくて済むため、これらの係合によって隙間が形成される構成では、光洩れが極力抑えられ、遮光性に優れたものとすることができる。
上記の飛ばす構成としたことで、スクリーン2のジグザグ状が崩れ易くなるのが懸念されるが、折り目9の延びる方向での両端部では、ピッチ保持コード6の保持部7が全段の折り目9を支持する。それゆえに、スクリーン2の全体ではジグザグ状が崩れ難く、規則的なジグザグ形状を極力維持できる。
なお、上記の飛ばす構成とした場合には、スクリーン2の折曲げ角を60°〜90°に設定するのが好ましい。折幅が例えば15mmのように幅狭のスクリーン2の場合では、スクリーン2を下限まで下げた状態での折曲げ角を60°に設定するというように、スクリーン2の折幅が小さいほどスクリーン2の折曲げ角を小さく設定すると、スクリーン2が適切に折り畳まれ易くなる。
・また、例えば、4本ずつの昇降コード5及びピッチ保持コード6を吊下支持する構成にて、折り目9の延びる方向での両端部では、スクリーン2における折り目9の全段が保持部7によって支持される。そして、ヘッドボックス1の中央部二箇所では、スクリーン2における折り目9の一段おきに、スクリーン2が保持部7によって支持されてもよい。このような構成においても、上記構成と同様な効果が得られる。
・また、例えば、5本ずつの昇降コード5及びピッチ保持コード6を吊下支持する構成で、折り目9の延びる方向での両端部、および、中央部では、スクリーン2における折り目9の全段が保持部7によって支持される。そして、折り目9の延びる方向での両端部と中央部との間の二箇所では、スクリーン2における折り目9の一段おきに、スクリーン2が保持部7によって支持されてもよい。このような構成においても、上記構成と同様な効果が得られる。なお、7本以上の奇数本の場合も上記と同パターンの繰り返しでよい。
・上記各実施形態にて、昇降コード5は、ヘッドボックス1とボトムレール3との間で、1本のコードによってループ状に構成され、ボトムレール3の内部を通して引き回されてもよい。図44を参照してその一例を説明する。
図44に示されるように、図中の左側に配置される昇降コード5の基端は、ヘッドボックス1にて室外側の部分に固定されて、スクリーン2の室外側を通って、ボトムレール3における室外側の部分からボトムレール3の内部へ通される。次いで、ボトムレール3の内部に通された昇降コード5は、ボトムレール3における室内側の部分からボトムレール3の外部に導出され、スクリーン2の室内側を通ってヘッドボックス1における室内側の部分からヘッドボックス1の内部に通される。次いで、ヘッドボックス1の内部を通された昇降コード5は、ヘッドボックス1の所定箇所からその先端が垂下されている。
また、図44の右側に配置される昇降コード5の基端は、ヘッドボックス1にて室内側の部分に固定されて、スクリーン2の室内側を通って、ボトムレール3における室内側の部分からボトムレール3の内部へ通される。次いで、ボトムレール3の内部に通された昇降コード5は、ボトムレール3における室外側の部分からボトムレール3の外部に導出され、スクリーン2の室外側を通ってヘッドボックス1における室外側の部分からヘッドボックス1の内部に通される。次いで、ヘッドボックス1の内部を通された昇降コード5は、ヘッドボックス1の所定箇所からその先端が垂下されている。ヘッドボックス1の各端部の昇降コード5はそれぞれ同様に張り巡らされ、各先端同士が一つに纏められている。
このようにスクリーン2の室内側とスクリーン2の室外側とを通る昇降コード5は、ピッチ保持コード6の保持部7に挿通される。この際に、スクリーン2の室内側の昇降コード5のみが保持部7に挿通されてもよいし、スクリーン2の室外側の昇降コード5のみが保持部7に挿通されてもよいし、これらの両方が保持部7に挿通されてもよい。このような構成であれば、ボトムレール3の水平維持を図ることができ、かつ、昇降コード5の昇降に必要とされる操作力も軽減できる。
・スクリーン2において保持部7によって支持される部位は、折り目9のない部分、すなわち、上下方向にて互いに隣り合う折り目9の間の部分であってもよい。要するに、スクリーン2の前後方向における中央に対して、スクリーン2の前側、あるいは、スクリーン2の後側を支持する部位であればよい。
・プリーツスクリーンは、前後方向に2つのスクリーン2を備える構成であってもよく、この際に、前側のスクリーン2、および、後側のスクリーン2の少なくとも1つに対して、上述したピッチ保持コード6と保持部7とが適用される構成であればよい。
・上記各実施形態におけるピッチ保持コード6、および、保持部7は、2つのスクリーン2が上下方向に沿って並べられるペアタイプのプリーツスクリーンに適用することも可能である。図45を参照してその一例を説明する。
図45に示すように、ペアタイプのプリーツスクリーンには、ヘッドボックス1と中間レール3Mとの間に上段スクリーン2Uが備えられ、中間レール3Mとボトムレール3との間とに下段スクリーン2Bが備えられている。
ヘッドボックス1の長手方向における両端部にて、上段スクリーン2Uの室内側には、第1ピッチ保持コード61が配置され、かつ、ヘッドボックス1の長手方向における中央部にて、上段スクリーン2Uの室外側には、第2ピッチ保持コード62が配置されている。第1ピッチ保持コード61に設けられた保持部7は、上段スクリーン2Uにおける室内側折り目91を一段おきに通されている。第2ピッチ保持コード62に設けられた保持部7は、上段スクリーン2Uにおける室外側折り目92を一段おきに通されている。
ヘッドボックス1の長手方向における両端部にて、下段スクリーン2Bの室内側には、第1ピッチ保持コード61が配置され、かつ、ヘッドボックス1の長手方向における中央部にて、下段スクリーン2Bの室外側には、第2ピッチ保持コード62が配置されている。第1ピッチ保持コード61に設けられた保持部7は、下段スクリーン2Bにおける室内側折り目91を一段おきに通されている。第2ピッチ保持コード62に設けられた保持部7は、下段スクリーン2Bにおける室外側折り目92を一段おきに通されている。
中間レール3Mを昇降する昇降コード5aのうち、ヘッドボックス1の長手方向における両端部に配置された昇降コード5aは、上段スクリーン2Uの室外側にて保持部7に通されている。中間レール3Mを昇降する昇降コード5aのうち、ヘッドボックス1の長手方向における中央部に配置された昇降コード5aは、上段スクリーン2Uの室内側にて保持部7に通されている。
ボトムレール3を昇降する昇降コード5bのうち、ヘッドボックス1の長手方向における両端部に配置された昇降コード5bは、上段スクリーン2Uの室外側にて保持部7に通され、かつ、下段スクリーン2Bの室外側にて保持部7に通されている。ボトムレール3を昇降する昇降コード5bのうち、ヘッドボックス1の長手方向における中央部に配置された昇降コード5bは、上段スクリーン2Uの室内側にて保持部7に通され、かつ、下段スクリーン2Bの室内側にて保持部7に通されている。
・上記各実施形態は、吊下げ型のプリーツスクリーンに限らず、ボトムアップ型のプリーツスクリーンに適用してもよい。
・上記各実施形態のピッチ保持コードの上端の固定について、ヘッドボックス1に直接取着するか、もしくはヘッドボックスに固定される部品、例えば、スクリーン2の上端をヘッドボックス1に固定する長尺部材である生地押えや内部駆動部品を支持するサポート、更にはキャップ等に取着し、ヘッドボックス1に対して間接的に取着させてもよい。
・上記各実施形態のピッチ保持コード6の保持部7は、モノフィラメント糸に代えて、マルチフィラメント糸、スパン糸等、その他の糸としてもよい。