JP7207988B2 - 乾燥丸大豆油揚げ - Google Patents

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Description

本発明は、丸大豆由来の乾燥油揚げ(乾燥丸大豆油揚げ)に関する。
従来、即席食品等の具材として、乾燥した乾燥丸大豆油揚げが知られており(例えば、特許文献1~5参照)、乾燥丸大豆油揚げは、大きく二つの方法により作製されている。一つ目の方法は、伝統的に丸大豆から得た豆乳を使用し、次いで油揚げを作製し、乾燥する方法であり、二つ目の方法は、大豆蛋白粉や脱脂大豆粉などを主原料として油揚げを作製し、乾燥する方法である。
このうち、丸大豆由来の乾燥丸大豆油揚げは、大豆蛋白粉や脱脂大豆粉などを主原料として作製した乾燥油揚げと比較して、本格的な食感や風味が得られる反面、フライ時や、マイクロ波乾燥時に膨化が不均質となりやすく、乾燥後の構造が不均質で大きな空隙を多く含むものであった。そのため、乾燥中の過乾燥による製造中の欠けの発生や、即席麺などの水分の低い商品と共に包装される場合、冬場の湿度低下により乾燥が進み、乾燥丸大豆油揚げが硬くなり、輸送時などの落下の衝撃により乾燥油揚げの割れが発生するといった課題があった。これに対し、着味液に保湿成分を加えて柔らかくすることで製造中の割れを防ぐ技術(特許文献6)や、豆乳や着味液に湿熱処理澱粉を加えることにより、着味液のスープへの溶出を防ぎ、乾燥による輸送時の破壊を抑制する技術(特許文献3)が開示されている。
特許第3007769号公報 特許第3457015号公報 特許第4558691号公報 特許第4743128号公報 特許第4735595号公報 特開平8-196229号公報
本発明は、乾燥丸大豆油揚げの乾燥による割れを抑制することを課題とする。
発明者らは、乾燥丸大豆油揚げの乾燥による割れについて鋭意研究した結果、乾燥による割れを防ぐには、乾燥時に従来の乾燥丸大豆油揚げよりも強い強度の乾燥丸大豆油揚げを作製する必要があると考えた。そこで鋭意研究した結果、従来よりも緻密で微細均質な多孔質構造を作製することで、乾燥時の強度を強くでき、乾燥による割れを抑制できることを見出し本発明に至った。
すなわち、中心を含む厚み方向に切断した断面中央部の空隙率が40.5%以下、平均細孔空隙率が0.26%以下の構造を有する乾燥丸大豆油揚げであって、レオメーターを用いて、水分を6.5重量%に調節した前記乾燥丸大豆油揚げの曲げ試験を行ったときの硬さが5.0N以上であり、弾力が5.7N/mm以上の物性を有することを特徴とする乾燥丸大豆油揚げである。
また、本発明に係る乾燥丸大豆油揚げの構造は、空隙率39.0%以下、平均細孔空隙率0.21%以下が好ましく、前記乾燥丸大豆油揚げの物性が、硬さ5.4N以上、弾力6.4N/mm以上であることが好ましい。
本発明により、丸大豆由来の乾燥丸大豆油揚げの乾燥による割れを抑制することができる。
本件発明に係る乾燥丸大豆油揚げの構造解析に用いる断面の切断方法及び観察部位である断面中央部に関する説明図である。 比較例1の乾燥丸大豆油揚げサンプルの断面写真である。 比較例2の乾燥丸大豆油揚げサンプルの断面写真である。 実施例1の乾燥丸大豆油揚げサンプルの断面写真である。 実施例2の乾燥丸大豆油揚げサンプルの断面写真である。 実施例3の乾燥丸大豆油揚げサンプルの断面写真である。 実施例4の乾燥丸大豆油揚げサンプルの断面写真である。 比較例3の乾燥丸大豆油揚げサンプルの断面写真である。 比較例1の乾燥丸大豆油揚げサンプルの断面中央部を撮影した電顕写真(x10)である。 比較例2の乾燥丸大豆油揚げサンプルの断面中央部を撮影した電顕写真(x10)である。 実施例1の乾燥丸大豆油揚げサンプルの断面中央部を撮影した電顕写真(x10)である。 実施例2の乾燥丸大豆油揚げサンプルの断面中央部を撮影した電顕写真(x10)である。 実施例3の乾燥丸大豆油揚げサンプルの断面中央部を撮影した電顕写真(x10)である。 実施例4の乾燥丸大豆油揚げサンプルの断面中央部を撮影した電顕写真(x10)である。 実施例5の乾燥丸大豆油揚げサンプルの断面中央部を撮影した電顕写真(x10)である。 本発明に係る乾燥丸大豆油揚げの曲げ試験に用いる分析サンプルの切断方法に関する説明図である。 本発明に係る乾燥丸大豆油揚げの曲げ試験に用いるレオメーターの知具の 写真である。 本発明に係る乾燥丸大豆油揚げの曲げ試験に用いるレオメーターの知具の レオメーターの知具を設置した写真である。 落下試験により割れなかった乾燥丸大豆油揚げと割れた乾燥丸大豆油揚げの写真である。
以下、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
1.構造解析
図1(a)は、乾燥丸大豆油揚げの切断方法を示しているが、油揚げの形状は、1辺が60~150mmの長方形や正方形などの形状が様々であり、長さもサンプル毎で若干異なるため、図1(a)で示すように乾燥丸大豆油揚げAを水平面に置いたときに長手方向に最長の長さとなるB-B’の中間点Cを通り、B-B′線に対して垂直となるような線上であるD-D’間を厚み方向に切断する。
図2~8は、乾燥丸大豆油揚げの断面写真であるが、断面の両端に近づくほど多孔質構造が不均質になりやすいため、図1(b)で示すように切断した乾燥丸大豆油揚げAを水平面に置いたときに切断面E上でD-D′間の距離が最長となるD-D′の中間点を含む厚み方向へ垂直な線を中心Fとし、中心Fを含む断面中央部Gの構造を電子顕微鏡で観察し、構造解析を行う。断面中央部Gは、中心Fを真ん中に含むことが好ましいが、必ずしも中心Fを真ん中に含む必要はなく、断面中央部Gに中心Fが含まれればよい。電子顕微鏡で観察するにあたり、乾燥丸大豆油揚げは油脂を多く含むため、断面中央部を含む乾燥丸大豆油揚げをエーテルに浸漬して脱脂し、エーテルを揮発させてから金蒸着し、観察サンプルとする。
観察サンプルの断面中央部Gを電子顕微鏡にて観察する。観察倍率は10倍とする。電子顕微鏡の種類は特に限定はないが、走査電子顕微鏡(SEM)で観察すればよい。光学顕微鏡で撮影した場合と比較して電子顕微鏡で撮影した画像は、図9~16で示すように細かな凹凸を見ることができる。また、電子顕微鏡による観察のため、観察範囲は広範囲とならず油揚げの中心Fが観察画面の中心付近となるように断面中央部Gを観察すればよい。
電子顕微鏡で撮影した画像は、細孔を測るような画像解析ソフトで直径100μm以上の細孔の面積や数を測定する。このような画像ソフトとしては、Media Cybernetics 社製のImage-Pro Premier 9.1が挙げられる。測定したデータより、空隙率や平均細孔空隙率を算出する。空隙率は、画像上の乾燥丸大豆油揚げが占める面積を測定し、乾燥丸大豆油揚げが占める面積に対して、細孔の総面積が占める割合であり、平均細孔空隙率は、空隙率を細孔数で割った値であり、細孔一つ当たりの平均の空隙率を示したものである。尚、本発明における空隙率や平均細孔空隙率の値は、同一サンプルの異なる5検体の空隙率、平均空隙率を測定した平均値を示す。
空隙率や平均細孔空隙率が大きくなればなるほど、図2~8の断面写真や図9~15の電顕写真で示すように乾燥丸大豆油揚げの多孔質構造が不均質となりやすく、大きな空隙を有するようになり、乾燥したときに硬さや弾力が弱くなり割れやすくなる。よって、本発明に係る乾燥丸大豆油揚げは、空隙率が40.5%以下、平均細孔空隙率が0.26%以下であり、好ましくは、空隙率が39.0%以下、平均細孔空隙率が0.21%以下である。空隙率と平均細孔空隙率が低すぎると乾燥による割れには強くなるが硬く詰まった食感となるため、空隙率が27.9%以上、平均細孔空隙率が0.11%以上、より好ましくは空隙率が35.7%以上、平均細孔空隙率が0.15%以上、であることが好ましい。
2.曲げ試験
通常の乾燥丸大豆油揚げは、水分が7~16重量%であるが、即席フライ麺などの乾燥丸大豆油揚げよりも低い水分の物と一緒に密封包装されると乾燥丸大豆油揚げから水分が移行し、乾燥が進んでいく。水分が6.5重量%以下となるまで乾燥が進むと、着味液に使用している糖類がガラス化するため、乾燥丸大豆油揚げの硬さが硬くなり、図19でしめすように輸送時などの落下の衝撃で割れやすくなる。しかしながら、本発明に係る乾燥丸大豆油揚げは、通常の乾燥丸大豆油揚げの硬さや弾力よりもはるかに高い値の硬さや弾力を示すため、輸送時などの落下の衝撃にも耐え、割れにくい乾燥丸大豆油揚げとなっている。
本発明に係る乾燥丸大豆油揚げの曲げ試験の方法としては、まず、水分を6.5重量%に調節したサンプルを作製する。調節方法は特に限定しないが、品質が変化しないように低温化で除湿しながら乾燥し調節するか、真空凍結乾燥を行って一度水分を2重量%程度に落としてから、水分を付与して密封し、均質化するまで放置することで水分を調節してもよい。水分を6.5重量%に調節した乾燥丸大豆油揚げを図16で示すように乾燥丸大豆油揚げの中心Fを中央付近に含み、幅が30mm、長さが60mm以上となるように切断したものを分析サンプルとする。切断する向きは、短辺方向、長辺方向どちらでもよく、切断しやすい方向で切断すればよい。
作製した分析サンプルをレオメーターを用いて分析する。レオメーターは、一定速度で上から下方向に押圧できるものであれば特に限定はない。図17で示すように、分析サンプルを上から押す上部知具は、歯型の幅30mmのものであり、分析サンプルを支える下部知具は、支点幅が50mmのものであり、図18で示すようにそれぞれ分析サンプルの接触する部分が分析サンプルに食い込まないよう2mmのニトリルゴム製のラバーを設置する。ラバーを設置することにより油揚げのずれ落ちや知具への喰い込みによる測定値のバラツキを防ぐことができる。
次いで、下部知具の上に分析サンプルを乗せ、上部知具を上から下に押し速度20mm/minで移動させ、分析サンプルと接触してから25mmまで押し下げて、最大試験力(N)と接触から最大試験力となるまでの変位(mm)を測定し、最大試験力(N)を本発明における硬さ、最大試験力を変位で割った弾性率(N/mm)を本発明における弾力とする。
本発明に係る乾燥丸大豆油揚げは、レオメーターを用いて、水分を6.5重量%に調節した前記乾燥丸大豆油揚げの曲げ試験を行ったときの硬さが5.0N以上であり、弾力が5.7N/mm以上である。硬さが5.0N未満、弾力が5.7N/mm未満だと割れが明らかに発生しやすくなる。より好ましくは、硬さが5.4N以上であり、弾力が6.4N/mm以上が好ましい。ただ、硬さや弾力の値が高すぎても乾燥による割れには強くなるが硬く詰まった食感となるため、硬さが7.2N以下であり、弾力が13.3N/mm以下が好ましく、より好ましくは、硬さが6.4N以下であり、弾力が12.9N/mm以下が好ましい。
3.乾燥丸大豆油揚げの製造方法
本発明に係る乾燥丸大豆油揚げの製造方法としては、例として以下の工程により作製することができる。
(1)豆乳作製工程
まず、原料である丸大豆から豆乳を作製する。豆乳の作製方法としては、丸大豆を水に浸漬し、浸漬前の重量に対して浸漬後の丸大豆の重量が2.0~2.3倍となるように十分に膨潤させた後、グラインダー等により摩砕し、作製した呉を煮沸加熱し、戻し水を加え、濾過し、おからと豆乳を分離する。この時豆乳のBrixが4~7となるように調整することが好ましい。
(2)空気混入工程
作製した、豆乳は、後述する凝固工程で凝固剤と反応させる前に空気を混入する。本発明の乾燥丸大豆油揚げを製造するにおいては、通常よりもかなり多くの空気を豆乳に混入させる必要があるため、後述する凝固工程に豆乳を送る配管内で強制的に空気を混入させることが好ましい。また、強制的に混入させた空気を含む豆乳を送液ポンプに通過させることで、細かく均質に空気を混入させることができる。空気の混入量としては、豆乳1L当たり、20~40mLとなるように混入する。通常よりも多くの空気を混入させることで、後述するフライ工程で、豆腐生地の伸びが悪化するが、フライ後の油揚げが、細かく均質に膨化した組織となる。それにより、後述する着味工程で味付けムラが少なく均質になり、また、後述する乾燥工程において、マイクロ波で乾燥する際に、油揚げの膨化が均質になり、本発明に係る多孔質構造を有するようになる。
(3)凝固工程
作製した豆乳に凝固剤を添加することで、豆乳中の蛋白質を凝固させる。凝固剤としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、グルコノデルタラクトンが挙げられる。凝固剤の濃度や添加量、凝固温度、時間などの反応の条件は、使用する豆の種類、豆乳のBrixや凝固剤によっても変わるため、適宜調整することが好ましい。一例を挙げると塩化マグネシウムを含むにがりを大豆1kg相当の豆乳に対して3重量%程度混入し、65~75℃で5~12分間反応させればよい。
また、凝固剤を添加する前の空気を混入した豆乳に対して、湿熱処理澱粉を混合してもよい。湿熱処理澱粉を混合することで、調理時の油揚げの着味液のスープへの溶出を抑えることができるだけでなく、乾燥丸大豆油揚げ自体の強度を増すことができる。湿熱処理澱粉の混合量としては、豆乳1Lに対して0.8~1.4gとなるように添加することが好ましい。0.8gより少ないと効果が得られにくく、1.4gよりも多くなると沈殿が発生しやすく、油揚げの伸びが悪くなる。混合方法は、特に限定はないが、湿熱処理澱粉をあらかじめ水に懸濁し、スラリー状にして配管内や凝固タンク内で空気を混入した豆乳と均質に混合することが好ましい。
(4)豆腐生地作製工程
次いで、豆乳を凝固させた豆腐粒子(モロミ)を割砕して壊し、成形機にて、圧縮、脱水しながら、油揚げ用の豆腐生地を作製する。豆腐生地の大きさ、厚みについては、所望する油揚げの大きさ、厚みにより変わるため、適宜調整することが好ましい。生地の水分については、70~80重量%の範囲となるように脱水することが好ましい。70重量%未満であると、豆腐生地が固くなりすぎて膨化しにくくなり、80重量%よりも高いと豆腐生地が柔らかく、壊れやすくなる。
脱水し、所定の大きさ成形した豆腐生地は、豆腐生地が大きい場合、豆腐生地に等間隔となるように針等を用いて穴を開けることが好ましい。穴を開けることにより、後述するフライ工程で油揚げが部分的に大きく膨れすぎることがなく、均質に膨化しやすくなる。穴の開け方は特に限定はないが、径がφ0.5~1.5mm程度の針で5mm~15mm間隔となるように均質に穴を開けることが好ましい。開けた穴は、後述するフライ工程において埋まり、ほとんど痕跡が残らない。
(5)フライ工程
作製した豆腐生地を型枠に入れて食用油でフライし、油揚げを作製する。食用油の種類としては、特に限定はないが、乾燥丸大豆油揚げは、喫食されるまで長期間保存されることがあるため、酸化されにくく、保存中に溶解し、油が染み出ないものが好ましく、常温で半固形~固形の油を使用することが好ましい。具体的な油としては、精製パーム油、パームオレイン油が挙げられる。
フライは、80~200℃程度で行う。フライ前半は、比較的低温で行い、豆腐生地をしっかりと伸ばした後、フライ後期では、フライ温度を急激に高くし、表面の形状をしっかり固定させ、かつ水分を減らすことが好ましい。具体的には、フライ前半は、85~95℃から125~135℃まで温度を上げながら豆腐生地をしっかりと伸ばし、フライ後半では155~190℃の高温の油でしっかりと豆腐生地の表面を固め水分を減らすことが好ましい。フライ時間は、前半、後半合わせて15~25分程度行えばよい。
また、作製した油揚げは、針等を用いて穴を開けることが好ましい。穴を開けることにより、後述するマイクロウェーブによる乾燥工程で油揚げが大きく膨化することを抑制できる。穴の開け方は特に限定はないが、径がφ0.5~1.5mm程度の針で5mm~15mm間隔となるように均質に穴を開けることが好ましい。
(6)着味工程
フライ工程で作製した油揚げを着味液に浸漬することで着味する。着味液の原料としては、砂糖、塩、醤油、みりん、昆布だしやかつおなどの魚介系だし、色素等の通常の着味液の原料の他、乾燥丸大豆油揚げの保管中の過乾燥を防ぐために、液糖や異性化糖などの保湿成分も添加することが好ましい。着味液は、できるだけ水分が少ないほうが、後述する乾燥工程において乾燥しやすいが、濃すぎると粘度が高くなり、着味液が内部まで浸透しにくく、着味ムラを起こしやなりやすくなるため、着味液のBrixが50~60の範囲となるように着味液を調整することが好ましい。また、油揚げは、多孔質構造であるがゆえに、浸漬だけでは、着味の付着量の調整は難しく、着味液に浸漬中及び浸漬後に絞りローラーに通すことにより余計な着味液を落とし、付着量を調整することが好ましい。
(7)乾燥工程
次いで、着味した油揚げを乾燥する。本発明においては、マイクロウェーブにて乾燥した後、熱風乾燥にて乾燥を行う。本発明においては、マイクロウェーブ乾燥にて、着味した油揚げを膨化させた後は、焦げない程度の温度で熱風乾燥することで、乾燥後の油揚げが多孔質構造となり、復元性が改善するだけでなく、熱風乾燥においては、効率的に内部の水分を乾燥することができる。
マイクロウェーブによる乾燥は、着味した油揚げの水分が15~25重量%となるまで乾燥することが好ましい。水分が15重量%未満となると焦げが発生する可能性が高い。逆に水分が25重量%よりも多いと十分に膨化しないだけでなく、後述する熱風乾燥の時間が長くなる。
熱風乾燥は、温度が40~75℃の範囲で水分が7~16重量%となるまで乾燥することが好ましい。40℃未満であると乾燥に時間がかかり、75℃以上であると焦げたような風味となる。また、水分が16重量%よりも高いと腐敗する可能性があり、7重量%よりも低いと過乾燥で割れやすくなる。
本発明に係る乾燥丸大豆油揚げは、そのまま即席食品用の具材として使用してもよいが、包装し乾燥丸大豆油揚げとして販売してもよい。
以下に実施例を挙げて本実施形態をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
大豆60kgを水温20℃の水360kgの入ったタンクに入れ、12時間浸漬し、大豆を膨潤させた。膨潤させた大豆23kgに水を57kg加えながらグラインダーで豆摺りし、作製した呉を最終温度が100℃となるように蒸気で3分30秒間煮沸した後、戻し水を40Kg加え、圧縮濾過し、120メッシュの網でおからを分離して、Brix 5.5の豆乳を得た。
得られた豆乳を豆乳タンクから凝固タンクに送る配管内で圧縮空気を強制的に豆乳1L当たり20mlの空気が混入するように入れた。
空気を混合した豆乳を、送液ポンプを通過させることで、空気を微細均一に豆乳内で混ざり合わせた後、凝固タンクに43L送液した。
次いで、送液タンクに送液した豆乳に湿熱処理澱粉9重量%となるように水に懸濁した澱粉液を600ml混ぜて撹拌した後、さらに、凝固剤として塩化マグネシウム6.5重量%、塩化カルシウム3.5重量%、カラメル色素3.5重量%、炭酸カルシウム1重量%となるように溶解した凝固液1000mlを入れ、撹拌し、静置して7分間凝固させた。次いで凝固した豆乳を撹拌して壊し、もろみを作製した後、もろみを成型機に移した。
成型機に移されたもろみをネットに乗せ、5分間自然脱水した後、プレスし、厚み8mmの豆腐シートを作製し、長辺が65mm、短辺が50mmにカットして豆腐生地を作製した(水分70重量%)。カットした豆腐生地にφ1mmの針で1枚当たり20穴となるように均一に穴を開けた。
次いで豆腐生地を、75mm x 105mm x 高さ30mmでφ6mmの小孔が3.2mm間隔で千鳥状に均等に空いた油揚げ用リテーナーに豆腐生地を入れ、油揚げ用に低温槽、高温槽の2槽を有するフライヤーにてフライし、油揚げを作製した。フライ条件は、90~130℃に段階的に上昇する低温槽で10分間フライした後、170~185℃まで段階的に上昇する高温槽で10分間にフライし(水分40重量%)、油揚げを作製した。作製した油揚げは、着味が内部に浸透しやすいようにφ2mmの針で一枚当たり120穴となるように均一に穴を開けた。
次いで液糖48重量%、醤油20重量%、還元水あめ10重量%、デキストリン4重量%、食塩2.5重量%、グルタミンソーダ1.5重量%、水14重量%となるように混合した着味液(Bri x 54)を貯めた着味槽に油揚げを浸漬しながらロールで押しつぶし、十分着味液を浸透させた後、取り出し、さらにロールを通して、12g乗るように余計な着味液を落とし、調整した。
着味工程を経た油揚げをマイクロウェーブで水分が20重量%となるように乾燥した(乾燥条件:1.35kw 2分30秒)。
次いで60℃の熱風で水分が12重量%となるまで乾燥し(45分間)、送風冷却して乾燥丸大豆油揚げサンプルを作製した。
(実施例2)
空気の混入量を豆乳1L当たり25mlとする以外は、実施例1の方法に従って乾燥丸大豆油揚げサンプルを作製した。
(実施例3)
空気の混入量を豆乳1L当たり30mlとする以外は、実施例1の方法に従って乾燥丸大豆油揚げサンプルを作製した。
(実施例4)
空気の混入量を豆乳1L当たり35mlとする以外は、実施例1の方法に従って乾燥丸大豆油揚げサンプルを作製した。
(実施例5)
空気の混入量を豆乳1L当たり40mlとする以外は、実施例1の方法に従って乾燥丸大豆油揚げサンプルを作製した。
(比較例1)
空気の混入量を豆乳1L当たり10ml以外は、実施例1の方法に従って乾燥丸大豆油揚げサンプルを作製した。
(比較例2)
空気の混入量を豆乳1L当たり15ml以外は、実施例1の方法に従って乾燥丸大豆油揚げサンプルを作製した。
作製した各試験区のサンプルについて、図1(a)のように切断し、エーテルにて脱脂し、断面中央部を日本電子株式会社製の電子顕微鏡(JCM-6380LA、10倍率)にて撮影し、撮影したデジタル画像をMedia Cybernetics 社製のImage-Pro Premier 9.1により画像解析した。測定は、孔の数、観察するサンプルの断面積、細孔の合計面積を測定し、空隙率(細孔合計面積/断面積)、平均細孔空隙率(空隙率/細孔数)を算出した。サンプル数はN=5とし、平均値をサンプルの値とした。
また、各試験区の硬さ及び弾力を測定した。まず、作製した各試験区のサンプルをー18℃で一晩凍結し、真空度1torr以下、棚温度60℃で8時間乾燥し、水分を1.5重量%とした後、水分が6.5重量%となるまでスプレーで水を付与し、アルミ包材に密封して水分が均質になるまで1日エージングをし、物性測定の分析サンプルとした。
水分を調節した分析サンプルを図16で示すように中心を含み幅が30mmとなるように短辺方向に切断し、レオメーター(島津製作所社製 EZ-S)を用いて曲げ試験を行い、硬さ(最大試験力)及び弾力(弾性率)を測定した。
レオメーターによる測定に使用する知具は、図17に示すように上部知具は、幅30mmの歯型(島津製作所製 歯形押し棒B型)、下部知具は、支点幅50mmの台を使用した。また、図18で示すようにそれぞれの油揚げの接触する部分に2mmのニトリルゴム製のラバーを設置した。
分析サンプルをレオメーターの下部知具の上に置き、上部知具を上から下に押し速度20mm/minで移動させ、分析サンプルと接触してから25mmまで押し下げて、最大試験力(N)と接触から最大試験力となるまでの変位(mm)を測定し、硬さ(最大試験力(N))と弾力(弾性率(N/mm))を測定した。
また、各試験区について、落下試験を行った。落下試験は、製品形態で行い、即席カップめん(うどん)の容器(φ144mm、高さ75mm)にフライ麺(77g(乾燥丸大豆油揚げと同様に水分6.5重量%に調節したもの))と上述した水分6.5重量%に調節した乾燥丸大豆油揚げサンプルを入れ、蓋をシールし、密封してアルミ袋に入れ、40℃で3日エージングし、取り出し、縦2食x横6食x高さ2食となるように1ケースあたり計12食入りの段ボール(440x294x154mm)に入れ、さらに1日常温でエージングし、落下試験サンプルとした。各試験区、5ケースを高さ60cmから段ボールの頂点1か所、縦、横、高さの辺それぞれ1辺、6面が地面と接触するように落下させ、アゲの割れ(各試験区60サンプル)を確認した。図19で示すようにアゲが割れ場合は、完全に2つ以上に割れるため目視で様に判定することができる。
各試験区の多孔質構造、物性、割れ試験の結果について、下記表1に示す。
Figure 0007207988000001
以上の試験結果により、空気の混入量を増やすにつれて、空隙率や平均細孔空隙率が小さくなり、微細緻密な構造となることがわかる。また、それに伴い、乾燥丸大豆油揚げの水分6.5重量%まで乾燥したときの硬さや弾力の値が高くなり、落下試験での割れの発生が抑えられることがわかる。
A:乾燥丸大豆油揚げ
B-B´:乾燥丸大豆油揚げAを水平面に置いたときの長手方向の最長の長さとなる直線

C:中間点
D-D´:乾燥丸大豆油揚げAの中間点Cを通りB-B´線と垂直となる直線間
E:切断面
F:中心
G:断面中央部

Claims (2)

  1. 中心を含む厚み方向に切断した断面中央部の空隙率が40.5%以下、平均細孔空隙率が0.26%以下の構造を有する着味済み乾燥丸大豆油揚げであって、レオメーターを用いて、水分を6.5重量%に調節した前記着味済み乾燥丸大豆油揚げの曲げ試験を行ったときの硬さが5.0N以上であり、弾力が5.7N/mm以上の物性を有することを特徴とする着味済み乾燥丸大豆油揚げ。
  2. 前記着味済み乾燥丸大豆油揚げの構造が、空隙率が39.0%以下、平均細孔空隙率が0.21%以下であり、前記着味済み乾燥丸大豆油揚げの物性が、前記硬さが5.4N以上、前記弾力が6.4N/mm以上であることを特徴とする請求項1記載の着味済み乾燥丸大豆油揚げ。
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