JP2022179149A - 組織状大豆蛋白素材 - Google Patents

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Takanori Shiraki
真也 中村
Shinya Nakamura
純 酒井
Jun Sakai
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Abstract

【課題】天然の畜肉のような外観的にランダムな凹凸を有し、かつ咀嚼時に天然の畜肉が持つ多様(不均一)な食感を再現できる畜肉様食品を提供する。【解決手段】繊維状大豆蛋白からなる組織状大豆蛋白素材であって、前記繊維状大豆蛋白は炭水化物およびカルシウムを含み、前記繊維状大豆蛋白は配向してなるとともに、組織状大豆蛋白素材の表面には、気孔を含む複数の塊状部を有し、当該複数の塊状部が相互に密着して表面を構成してなり、組織状大豆蛋白素材の表面部および裏面部の気孔率の方が中央部の気孔率よりも低いことを特徴とする組織状大豆蛋白素材。【選択図】図4

Description

本発明は、組織状大豆蛋白素材に関する。
昨今、畜肉原料を取り巻く社会情勢は厳しくなる現状があり、畜肉の代替原料あるいは、増量剤として大豆蛋白質等の植物性蛋白が使用される傾向が強まっている。
植物性蛋白の中でも、脱脂大豆や粉末状大豆蛋白素材を原料として組織化した組織状大豆蛋白は多様な用途に用いられており、ハンバーグやミートボール等の畜肉加工食品には挽肉の増量剤として組織状大豆蛋白が用いられている。
一方、組織状大豆蛋白を用いた畜肉様食品の食感の特徴として、咀嚼時のほぐれが天然の畜肉に比べて劣るという点が挙げられる。特に肉繊維のほぐれ感を十分に再現できないという問題があり、このような組織状大豆蛋白の食感改良について様々な研究がなされてきた。
例えば、特許文献1には、大豆蛋白原料、および水をエクストルーダーにより加熱、加圧下に反応させる際、カルシウムおよび澱粉類を併用して配合し、ダイより押し出し、これを押し出し方向に水平にスライスして製造した組織状蛋白素材が開示されている。
特許第6844736号公報
本発明者らは、このような組織状植物蛋白質を用いた畜肉様食品について、その食感が、天然肉が持つ多様性(不均一感)がなく、人工物の食感を感じてしまうことを知見した。
また、組織状植物蛋白質を用いた畜肉様食品は、天然の畜肉のような自然な凹凸感がなく、不自然な人工物の外観しか呈していなかった。
このような畜肉様食品の食感が人工物の食感となってしまう理由として、組織状植物蛋白質を用いて製造した畜肉様食品は、エクストルーダーから押し出しされた組織が押出方向に対して垂直方向に均一であるため、咀嚼時に均一感を持つためであることを突き止めた。
また、畜肉様食品の外観の不自然さは、押出方向に水平にスライスしているために外観の凹凸形状が規則的でその多様性に乏しいためであることを知見した。
本発明の目的は、天然の畜肉のような外観的にランダムな凹凸を有し、かつ咀嚼時に天然の畜肉が持つ多様(不均一)な食感を再現できる畜肉様食品を提供することである。
本発明は、天然畜肉が持つ外観と多様な食感を忠実に再現できる組織状大豆蛋白素材である。上記目的を達成するための本発明は、以下の通りである。
すなわち、本発明の組織状大豆蛋白素材は、繊維状大豆蛋白からなる組織状大豆蛋白素材であって、上記繊維状大豆蛋白は炭水化物およびカルシウムを含み、上記繊維状大豆蛋白は配向してなるとともに、組織状大豆蛋白素材の表面には、気孔を含む複数の塊状部を有し、当該複数の塊状部が相互に密着して表面を構成してなり、組織状大豆蛋白素材の表面部および裏面部の気孔率の方が中央部の気孔率よりも低いことを特徴とする組織状大豆蛋白素材である。
本発明の組織状大豆蛋白素材は、カルシウムを含む繊維状大豆蛋白で構成され、その繊維状大豆蛋白が配向しているため、咀嚼時に繊維がほぐれやすい。また、組織状大豆蛋白素材の表面に、炭水化物が膨化することで形成される気孔を含む複数の塊状部がランダムに形成されており、それらが相互に密着し、天然肉の持つ偶然に起因する凹凸感を再現できる。また、組織状大豆蛋白素材は、表面部および裏面部の気孔率の方が中央部の気孔率よりも低く、かつ、ランダムな大きさを持つ塊状部が相互に密集、圧着されて表面を構成するため、天然畜肉の持つ食感の多様性(不均一感)を再現できるのである。
本発明の組織状大豆蛋白素材の表面部および裏面部(組織状大豆蛋白素材の厚さをLとした場合に、組織状大豆蛋白素材の上面からL/3までの領域および下面からL/3までの領域)の気孔率は、50~80%であり、中央部(組織状大豆蛋白素材の厚さをLとした場合に、組織状大豆蛋白素材の上面からL/3および下面からL/3までのそれぞれの領域を除いた残余の厚さL/3の領域)の気孔率は、60~90%であることが望ましい。
本発明の組織状大豆蛋白素材は、表面の密度を高くすることでひと噛み目の噛み応えを高め、ふた噛み目以降のほぐれ感を維持できる。
本発明の組織状大豆蛋白素材中には、上記カルシウムが、組織状大豆蛋白素材100gあたり300mg~1500mg含まれることが好ましい。
本発明の組織状大豆蛋白素材中のカルシウムの量が上記の範囲であると、大豆蛋白が繊維化しやすい。なお、上記カルシウムの含有量は、組織状大豆蛋白素材の乾燥重量100gあたりに含まれる量(mg)を意味する。
本発明の組織状大豆蛋白素材中には、上記炭水化物が、組織状大豆蛋白素材100質量部に対して10~50質量部含まれることが好ましい。
炭水化物の含有量が上記範囲であると、組織状大豆蛋白素材がより膨化しやすく塊状部が生成しやすい。
本発明の組織状大豆蛋白素材中の炭水化物はコーンスターチであることが好ましい。
炭水化物がコーンスターチであると、組織状大豆蛋白素材がより膨化しやすく塊状部が生成しやすい。
本発明の組織状大豆蛋白素材は、上記繊維状大豆蛋白が配向する方向に沿って面を有し、上記面に対して垂直方向に厚みを有する扁平形状であることが好ましい。
本発明の組織状大豆蛋白素材が上記の形状であると、外観がより天然肉に近くなる。
本発明の組織状大豆蛋白素材は、例えばローラー等により表面の塊状部を繊維状大豆蛋白の配向方向に対して垂直方向に潰して圧縮して製造することができ、天然肉の持つ偶然に起因する凹凸感を再現できる。
本発明の組織状大豆蛋白素材は、流通に際しては、乾燥して乾燥物とすることもでき、吸水および調味材を付与した状態で畜肉様食品とされる。
図1Aは、実施例1に係る組織状大豆蛋白素材の乾燥状態の表面の写真である。 図1Bは、実施例1に係る組織状大豆蛋白素材の吸水状態の表面の写真である。 図2は、実施例1に係る組織状大豆蛋白素材の乾燥状態の断面視の写真である。 図3は、実施例1に係る組織状大豆蛋白素材の乾燥状態の断面視の拡大写真である。 図4は、本発明に係る組織状大豆蛋白素材の断面視の模式図である。
本発明の組織状大豆蛋白素材は、繊維状大豆蛋白からなり、当該繊維状大豆蛋白は炭水化物およびカルシウム含み、上記繊維状大豆蛋白は配向してなるとともに、組織状大豆蛋白素材の表面には、気孔を含む複数の塊状部を有し、当該複数の塊状部が相互に密着して表面を構成してなり組織状大豆蛋白素材の表面部および裏面部の気孔率の方が中央部の気孔率よりも低いことを特徴とする。
以下、図4を用いて説明する。本発明の組織状大豆蛋白素材1は、カルシウムを含む繊維状大豆蛋白2で構成され、繊維状大豆蛋白2が組織状大豆蛋白素材1の押出方向に配向しているため、咀嚼時に繊維がほぐれやすい。また、組織状大豆蛋白素材1の表面が、炭水化物がランダムに膨化することで形成される気孔3を含む大小複数の塊状部4が相互に接触、密着して形成され、また、当該塊状部4がローラーやプレス機などで繊維状大豆蛋白の配向方向に対して垂直方向(押出方向に対して垂直方向)に潰れ、その潰れた面が集合して組織状大豆蛋白素材の表面を構成するため、天然畜肉の持つランダムな凹凸からなる外観を実現できる。また、大小の塊状部4と、組織状大豆蛋白組織の表面部および裏面部(図4の組織状大豆蛋白素材の厚さをLとした場合に、組織状大豆蛋白素材の上面からからL/3までの領域および下面からL/3までの領域)と中央部(図4の組織状大豆蛋白素材の厚さをLとした場合に、組織状大豆蛋白素材の上面からL/3までの領域および下面からL/3までのそれぞれの領域を除いた厚さL/3の領域)の気孔率が異なり、表面部および裏面部の気孔率が中央部の気孔率よりも小さいため、食感の多様性(不均一感)を実現でき、天然肉の食感を再現できるのである。
塊状部4は、炭水化物により繊維状大豆蛋白2がランダムに膨化することで形成される。塊状部4には、気孔3が含まれる。塊状部4は大小複数のものが存在し、これらが集合して相互に密着することで組織状大豆蛋白素材1の表面を構成する。このため、あたかも天然肉の表面のようなランダムな凹凸感が得られるのである。また、大小さまざまな大きさの塊状部が相互に密着し、組織状大豆蛋白の表面と内部の気孔率に差があるため、咀嚼時に天然肉のような多様(不均一な)食感が得られるのである。
本明細書において、配向とは、繊維状大豆蛋白の繊維が一定方向に揃っていることをいい、含水した組織状大豆蛋白素材に人力で左右、前後、上下の各方向に引っ張りの力をかけた際、組織状大豆蛋白素材が裂けて力をかけた方向に分かれた場合に、繊維状大豆蛋白が力をかけた方向に対して垂直方向に配向していることになる。
本発明の組織状大豆蛋白素材は、上記繊維状大豆蛋白が配向する方向に沿って面を有し、上記面に対して垂直方向に厚みを有する扁平形状であることが好ましい。
本発明の組織状大豆蛋白素材が上記の形状であると、外観がより天然肉に近くなる。
塊状部の平面視の大きさ(塊状部を平面視で観察し、2本の平行線で塊状部を挟んだ場合の、2本の平行線間の距離のうち、最大のものを塊状部の平面視の大きさとする)は、乾燥状態で1~30mmであることが望ましく、吸水状態では、1~30mmであることが望ましい。
本明細書において、「吸水状態」とは、組織状大豆蛋白素材のサンプル10gに15℃の水100gを加えて2時間保持した後、30meshのザルで水を切った後の状態を指す。
本発明の組織状大豆蛋白素材において、繊維状大豆蛋白は、例えば繊維径が0.01~1000μmであるものが好ましい。
本発明の組織状大豆蛋白素材において使用される炭水化物は、デンプンであることが好ましく、コーンスターチであることがより好ましい。コーンスターチは、小麦デンプンに比べて大豆蛋白を膨化させやすいからである。
本発明の組織状大豆蛋白素材中には、上記炭水化物が、組織状大豆蛋白素材100質量部に対して10~50質量部含まれることが好ましい。より好ましくは20~35質量部である。
本発明の組織状大豆蛋白素材において、カルシウムは、組織状大豆蛋白素材100gあたり300mg~1500mg含まれていることが好ましい。本発明の組織状大豆蛋白素材中のカルシウムの量が上記の範囲であると、大豆蛋白を繊維化させやすいからである。
カルシウムは、カルシウム塩が好ましく、わずかでも解離してカルシウムイオンとなる化合物であれば特に制限されるものではない。カルシウム塩としては、例えば、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウム等を用いることができる。カルシウムは、カルシウム塩を原料に添加することが好ましいが、エクストルーダーで加熱加圧しながら押出成形した炭水化物を含む大豆蛋白をこれらのカルシウム塩水溶液中に含侵させることで付与してもよい。カルシウム塩に加えて、マグネシウム塩も同様に使用可能である。
本発明の組織状大豆蛋白素材における表面部および裏面部の気孔率は、吸水状態で50~80%であることが望ましく、乾燥状態では、50~80%であることが望ましい。
表面部および裏面部の気孔率が上記の範囲であると、組織状大豆蛋白素材のひと噛み目の噛み応えを高め、天然肉に近い食感を実現することができる。
本発明の組織状大豆蛋白素材における中央部の気孔率は、吸水状態で60~90%であることが望ましく、乾燥状態では、60~90%であることが望ましい。
中央部の気孔率が上記の範囲であると、組織状大豆蛋白素材のふた噛み目以降のほぐれ感を維持し、天然肉により近い食感を実現することができる。
また、本発明の組織状大豆蛋白素材における表面部および裏面部の気孔率は、中央部の気孔率よりも低く、表面部および裏面部の気孔率は、中央部の気孔率よりも5~10%低いことが望ましい。
本発明の組織状大豆蛋白素材は、表面部および裏面部の気孔率が低いため、噛み始めに歯ごたえがあり、噛み進むと柔らかさが感じられ、天然の畜肉を調理した場合の食感に近づけることができる。
本発明の組織状大豆蛋白素材における表面部および裏面部の平均気孔径は、吸水状態で200~600μmであることが望ましく、乾燥状態では、50~150μmであることが好ましい。
表面部および裏面部の平均気孔径が上記の範囲であると、組織状大豆蛋白素材のひと噛み目の噛み応えを高め、天然肉に近い食感を実現することができる。
本発明の組織状大豆蛋白素材における中央部の平均気孔径は、吸水状態で400~800μmであることが望ましく、乾燥状態では、100~200μmであることが好ましい。
中央部の平均気孔径が上記の範囲であると、組織状大豆蛋白素材のふた噛み目以降のほぐれ感を維持し、天然肉により近い食感を実現することができる。
次に、本発明の組織状大豆蛋白素材の作製方法について説明する。
本発明の組織状大豆蛋白素材は、大豆蛋白原料を含む原料混合物を押出成形して組織状大豆蛋白を作製する押出工程(組織状大豆蛋白作製工程)、組織状大豆蛋白を押出方向に対して垂直方向に圧迫して押し潰す圧迫工程(プレス工程)を経て作製される。
(大豆蛋白混合物準備工程)
まず、分離大豆蛋白などの大豆蛋白原料、炭水化物(コーンスターチ)に加水し、さらに前述したカルシウム塩等を加え、混練することにより組織状大豆蛋白素材の原料混合物を準備する。原料中の炭水化物の含有量は、固形分換算で、組織状大豆蛋白素材100質量部に対して10~50質量部であることが好ましい。炭水化物の含有量が上記の範囲であると、組織状大豆蛋白素材を膨化させて、塊状部を形成させやすいからである。
(組織状大豆蛋白作製工程およびプレス工程)
準備した組織状大豆蛋白素材の原料混合物をエクストルーダー(押出成形機)に投入し、その後、加圧加熱処理し熱可塑性となった原料をスクリューの先端部に設けたダイ(口金)より押し出す。
この際、原料組成を分離大豆蛋白5~90重量%のように調整したり、加圧加熱条件をスクリュー回転数150~500rpm、加熱温度25~180℃、加水率10~40%のように調整することで、組織状大豆蛋白素材の作製が可能である。
本発明では、組織状大豆蛋白素材が押し出される口金のスリットの大きさとして、厚さ1~2mm、幅45mm以上とする。スリット幅を45mm以上とすることで、塊状部の大きさの分布の度合いも大きくなり、起伏のある表面形状が得られる。ダイのスリットから出てくる組織状大豆蛋白は、大気圧下で炭水化物の作用でランダムな大きさで膨化して、その表面に大小様々な塊状部が形成される。
押し出された組織状大豆蛋白シートは、ローラーやプレス機で押出方向に対して垂直方向(上下方向)にプレスされる。プレスは、例えばプレス機のクリアランスを1~5mmの範囲で設定し、所定の厚みにプレスすることで行うことができる。
上記塊状部は、ローラーやプレス機で潰されて、潰れた面が集合して組織状大豆蛋白素材の表面を形成し、組織状大豆蛋白素材は全体として偏平な形状となる。
形成された偏平な形状(シート状)の組織状大豆蛋白素材は、押出方向に対して垂直方向に所定の長さに切断されて、調理や食事に適した大きさの偏平な組織状大豆蛋白素材となる。
(水戻し)
エクストルーダー処理およびプレス処理して得られた組織状大豆蛋白素材は、水戻しされてもよい。さらに、組織状大豆蛋白素材を水戻しする前に必要に応じて乾燥してもよい。
組織状大豆蛋白素材を水戻しした後、必要に応じて脱水してもよい。脱水する度合いは目的に応じて種々選択されるので特に限定されない。
また、組織状大豆蛋白素材には、調味材が付与されたり、調理されることで、食品素材とすることができる。なお、調味材は、組織状大豆蛋白素材の原料混合物に混合しておいてもよい。
以上の工程を経て、組織状大豆蛋白素材を製造することができる。
本発明の組織状大豆蛋白素材において、油脂類、糖類、調味料類、人参、ごぼう、ごま、タマネギ等の野菜類や、ワカメ、ひじき等の海藻類、挽肉等の肉類等が組織状大豆蛋白素材の原料中に加えられてもよく、組織状大豆蛋白素材に対して付与されてもよい。
組織状大豆蛋白素材は、所定形状に切断、加工して、調味材を付与し、加熱調理して使用することができる。加熱調理は、焼成加熱、蒸し加熱、ボイル加熱、フライ加熱、電磁波加熱等を適宜組み合わせて加熱してもよい。
以上により得られた製品は、ハンバーグ、ミートボール、から揚げ、焼き肉素材等の畜肉様食品の形態として提供することができる。
(組織状大豆蛋白素材の作製)
(実施例1)
分離大豆蛋白(ニューフジプロE、蛋白含量92%、不二製油株式会社製)70重量部、コーンスターチ25重量部を混合し、さらにこの混合原料に対して硫酸カルシウム4重量部、粉末油脂1重量部を加えて混合した。この混合物100重量部、水28重量部を二軸エクストルーダーに供給して加熱、加圧処理を行った。二軸エクストルーダーから組織状大豆蛋白のシートを押し出し、エクストルーダーの出口にて押出方向に対して垂直方向に、押出方向の長さ30cmでカットした。押し出され、膨化した組織状大豆蛋白をローラープレス機でプレスし、押出方向に対して垂直方向に圧縮された組織状大豆蛋白素材を得た。なお、エクストルーダー処理は、スクリュー回転数200rpm、出口側120℃、ダイスリット幅45mm×厚さ1mmで行った。また、プレス処理は、二軸型のローラーを使用し、ローラークリアランスを4mmに調整して行った。
得られた組織状大豆蛋白素材1重量部に対し、6重量%の食塩水20重量部を添加して30分間撹拌し水戻しを行った後、水で流水洗浄を行った。次に、リン酸を使用してpH=3.6に調整した酸性溶液20重量部を添加して30分間撹拌し水戻しを行った後、酸味を除くため、100重量部の水で流水洗浄を行い、実施例1に係る組織大豆蛋白素材を作製した。
得られた組織状大豆蛋白素材を80℃の恒温器で24時間乾燥させた。図1Aは、実施例1に係る組織状大豆蛋白素材の乾燥状態の表面の写真である。押出されたシート状の成形体は、大気圧下で膨化して、表面に大小の塊状部が形成されていた(図1A)。塊状部は、繊維状の大豆蛋白で構成されており、その平面視の大きさは、種々で概ね1~30mmであった。図1Bは、実施例1に係る組織状大豆蛋白素材の吸水状態の表面の写真である。
図2は、実施例1に係る組織状大豆蛋白素材の乾燥状態の断面視の写真である。組織状大豆蛋白素材の断面を観察したところ、潰れた塊状部が集合して組織状大豆蛋白素材の表面が形成されており、内部はスポンジ状の気孔が観察された(図2)。
図3は、実施例1に係る組織状大豆蛋白素材の乾燥状態の断面視の拡大写真である。断面を光学顕微鏡にて50倍に拡大して観察したところ繊維状の大豆蛋白によって囲われたスポンジ状の気孔が観察された(図3)。乾燥状態の組織状大豆蛋白素材の気孔率は、表面部で69%、中央部で76%、裏面部で71%であった。また、乾燥状態の平均気孔径は、表面部で77μm、中央部で149μm、裏面部で77μmであった。ローラープレスによって、組織状大豆蛋白素材の表面部および裏面部の気孔率と平均気孔径は、中央部のそれらよりも小さくなっていると考えられる。
(気孔率の算出)
気孔率は、カールツァイス製 X線CT(METROTOM800)を用い、X線管電圧:60kV、X線管電流:120μA、ビュー数:1500、露光時間:400ms、金属フィルタ:Al 0.5mm、倍率:10.85、Vxサイズ:0.012mmの条件にて撮像したX線CT像を、画像解析ソフトImageJを使用して二値化し、観察範囲における気孔と壁の比率により算出した。
(平均気孔径の測定)
平均気孔径の測定は、株式会社日立ハイテクサイエンス社製低真空走査型電子顕微鏡(日立卓上顕微鏡 Miniscope TM3030、加速電圧15kV)を用い、100倍に拡大して観察したSEM像の画像解析により行った。画像解析は画像解析ソフトImageJを使用し、任意の10個の気孔について短径を計測した。短径は、気孔の輪郭を2本の平行な直線で挟んで2本の平行な直線間の距離を計測した場合、2本の平行な直線間の距離のうち、最も小さいものをいう。
気孔率の算出及び平均気孔径の測定は、吸水状態の組織状大豆蛋白素材においても上記と同じ方法で行うことができる。
(比較例1)
分離大豆蛋白(ニューフジプロE、蛋白含量92%、不二製油株式会社製)75重量部、コーンスターチ25重量部と硫酸カルシウム3重量部を混合した。この混合物100重量部、水20重量部を二軸エクストルーダーに供給して加熱、加圧処理を行い解砕した大豆蛋白を得た。なお、エクストルーダー処理は、スクリュー回転数200rpm、出口側120℃、ダイスリット幅15mm×厚さ1mmで行った。押し出されたシートは、厚さ20mm程度に膨化しており、これを30cmの長さで切断して、押出方向に対して平行方向にカッターで切断して厚さ3mmとした。
このシート状大豆蛋白1重量部に対し、6重量%の食塩水中に30分間浸漬して水戻しを行った後、水で流水洗浄を行った。次に、リン酸を使用してpH=3.6に調整した酸性溶液中に30分間浸漬して水戻しを行った後、酸味を除くため、水で流水洗浄を行い、比較例1に係る組織状大豆蛋白素材のシートを作製した。
押出されたシート状の成形体は、大気圧下で膨化しているが、表面をスライスしているため、表面に塊状部は見られなかった。
比較例1の組織状大豆蛋白素材の気孔率は、表面部で76%、中央部で76%、裏面部で76%であった。また、平均気孔径は、表面部で110μm、中央部で110μm、裏面部で110μmであった。いずれも表面部および裏面部と中央部での差は認められなかった。
(組織状大豆蛋白素材中の元素の測定)
実施例1に係る組織状大豆蛋白素材、並びに、比較例1に係る組織状大豆蛋白素材のシートに含まれるカルシウムの同定と定量を、ICP(高周波誘導結合プラズマ)法により行った。結果を表1に示す。
測定は、実施例1の組織状大豆蛋白素材、並びに比較例1の組織状大豆蛋白素材のシートを80℃の恒温器にて乾燥を24時間行い、当該乾燥体100g中の元素量を測定することで行った。
Figure 2022179149000002
(畜肉様食品の製造)
実施例1に係る組織状大豆蛋白素材、並びに、比較例1に係る組織状大豆蛋白素材のシートを乾燥させ、これを下記組成の調味液に浸漬して味つけして畜肉様食品とした。この畜肉様食品を180℃で加熱して焼成サンプルとした。実施例1および比較例1の焼成サンプルを、5人で食して評価した。
評価は、外観と食感について行った。結果を表2に示す。
(調味液の組成)
還元水あめ 40重量部
上白糖 20重量部
並塩 5重量部
コショウ 0.5重量部
グルタミン酸ソーダ 5重量部
醤油 10重量部
ガーリックパウダー 2重量部
固形油脂 20重量部
水 120重量部
カラメル色素 2重量部
(外観)
天然の畜肉の外観と全く異なる:0点~天然の畜肉の外観と同じである:3点として0点を含めて4段階で評価した。
0点:天然の畜肉の外観と全く異なる
1点:天然の畜肉の外観とやや異なる
2点:天然の畜肉の外観と概ね同じである
3点:天然の畜肉の外観と同じである
(食感)
天然の畜肉の持つ食感の多様性(不均一感)が全く感じらない:0点~天然の畜肉の持つ食感の多様性が充分に感じられる:5点として、0点を含めて、食感の多様性(不均一感)を6段階に分けて点数評価した。
点数は、各自の経験に基づいて付与されるが、基準としては以下の通り。
0点:天然の畜肉の持つ食感の多様性が全く感じられない
1点:天然の畜肉の持つ食感の多様性が殆ど感じられない
2点:天然の畜肉の持つ食感の多様性があまり感じられない
3点:天然の畜肉の持つ食感の多様性がわずかに感じられる
4点:天然の畜肉の持つ食感の多様性がある程度感じられる
5点:天然の畜肉の持つ食感の多様性が充分に感じられる
5人の平均値を表2に示す。
Figure 2022179149000003
1 組織状大豆蛋白素材
2 繊維状大豆蛋白
3 気孔
4 塊状部

Claims (6)

  1. 繊維状大豆蛋白からなる組織状大豆蛋白素材であって、前記繊維状大豆蛋白は炭水化物およびカルシウムを含み、前記繊維状大豆蛋白は配向してなるとともに、組織状大豆蛋白素材の表面には、気孔を含む複数の塊状部を有し、当該複数の塊状部が相互に密着して表面を構成してなり、組織状大豆蛋白素材の表面部および裏面部の気孔率の方が中央部の気孔率よりも低いことを特徴とする組織状大豆蛋白素材。
  2. 前記組織状大豆蛋白素材の表面部および裏面部の気孔率は、50~80%であり、中央部の気孔率は、60~90%である請求項1に記載の組織状大豆蛋白素材。
  3. 前記カルシウムは、前記組織状大豆蛋白素材100gあたり300mg~1500mg含まれる請求項1または2に記載の組織状大豆蛋白素材。
  4. 前記炭水化物は、前記組織状大豆蛋白素材100質量部に対して10~50質量部含まれる請求項1~3のいずれか1項に記載の組織状大豆蛋白素材。
  5. 前記炭水化物はコーンスターチである請求項1~4のいずれか1項に記載の組織状大豆蛋白素材。
  6. 前記繊維状大豆蛋白が配向する方向に沿って面を有し、前記面に対して垂直方向に厚みを有する扁平形状である、請求項1~5のいずれか1項に記載の組織状大豆蛋白素材。


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