以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本明細書においては半導体基板の深さ方向と平行な方向における一方の側を「上」、他方の側を「下」と称する。基板、層またはその他の部材の2つの主面のうち、一方の面を上面、他方の面を下面と称する。「上」、「下」の方向は重力方向、または、半導体装置の実装時における基板等への取り付け方向に限定されない。
本明細書では、X軸、Y軸およびZ軸の直交座標軸を用いて技術的事項を説明する場合がある。本明細書では、半導体基板の上面と平行な面をXY面とし、半導体基板の上面と垂直な深さ方向をZ軸とする。
各実施例においては、第1導電型をN型、第2導電型をP型とした例を示しているが、第1導電型をP型、第2導電型をN型としてもよい。この場合、各実施例における基板、層、領域等の導電型は、それぞれ逆の極性となる。また、本明細書においてP+型(またはN+型)と記載した場合、P型(またはN型)よりもドーピング濃度が高いことを意味し、P-型(またはN-型)と記載した場合、P型(またはN型)よりもドーピング濃度が低いことを意味する。
本明細書においてドーピング濃度とは、ドナーまたはアクセプタ化した不純物の濃度を指す。本明細書において、ドナーおよびアクセプタの濃度差をドーピング濃度とする場合がある。また、ドーピング領域におけるドーピング濃度分布のピーク値を、当該ドーピング領域におけるドーピング濃度とする場合がある。
図1は、本発明の一つの実施形態に係る半導体装置100の上面の構造を示す模式図である。半導体装置100は、半導体基板10を備える。半導体基板10は、シリコン基板であってよく、炭化シリコン基板であってよく、窒化ガリウム等の窒化物半導体基板等であってもよい。本例の半導体基板10はシリコン基板である。
本明細書では、上面視における半導体基板10の外周の端部を、外周端140とする。上面視とは、半導体基板10の上面側からZ軸と平行に見た場合を指す。また、上面視における半導体基板10の外周端140のうち、いずれかの端辺と平行な方向をX軸方向とし、当該端辺と垂直な方向をY軸方向とする。
半導体装置100は、活性部120およびエッジ終端構造部90を備える。活性部120は、半導体基板10の上面から下面、または下面から上面に、半導体基板10の内部を深さ方向に電流が流れる領域である。例えば活性領域は、半導体装置100に含まれるトランジスタ素子をオン状態に制御している場合、または、トランジスタ素子をオン状態からオフ状態に遷移させた場合に半導体基板10の上面と下面との間で主電流が流れる領域である。活性部120は、後述するゲートランナー50で囲まれた領域を指してもよい。
活性部120には、トランジスタ部70およびダイオード部80が設けられている。本明細書では、トランジスタ部70およびダイオード部80をそれぞれ素子部または素子領域と称する場合がある。本例では、トランジスタ部70およびダイオード部80は、活性部120においてX軸方向に交互に設けられている。
半導体基板10の上面の上方には、複数のパッド(図1の例では、ゲートパッド116、カソードパッド118、アノードパッド119およびセンスエミッタパッド122)が設けられている。センスエミッタパッド122は、半導体基板10の上面の上方に配置されるエミッタ電極と接続されている。ゲートパッド116は、トランジスタ部70のゲート電極と接続されている。カソードパッド118およびアノードパッド119は、後述する温度検出部110に接続されている。なお、半導体基板10に設けられるパッドの個数および種類は、図1に示す例に限定されない。
それぞれのパッドは、アルミニウム等の金属材料で形成されている。本例の複数のパッドは、半導体基板10の上面におけるいずれかの端辺に沿って、所定の配列方向(例えばX軸方向またはY軸方向)に配列されている。
半導体装置100は、トランジスタ部70にゲート電圧を伝達するゲートランナー50を備える。一例としてゲートランナー50は、半導体基板10の上面の上方に設けられ、半導体基板10の上面とは層間絶縁膜で絶縁されている。
ゲートランナー50は、上面視において、半導体基板10の端辺と、各パッドとの間を通って設けられている。本例のゲートランナー50は、ゲートパッド116、カソードパッド118、アノードパッド119およびセンスエミッタパッド122のそれぞれと、これらのパッドに最も近い端辺との間を通って、当該端辺と平行に設けられている。ゲートランナー50は、ゲートパッド116と接続されている。また、ゲートランナー50は、半導体基板10の他の端辺と、活性部120との間において、活性部120を囲むように設けられている。つまり本例のゲートランナー50は、半導体基板10の各端辺に沿って環状に設けられている。ゲートランナー50は、アルミニウム等の金属配線であってよく、不純物がドープされたポリシリコン等の半導体配線であってもよく、金属配線と半導体配線とが絶縁膜を介して重なって設けられていてもよい。当該絶縁膜には、金属配線と半導体配線とを接続するためのコンタクトホールが設けられている。本例のゲートランナー50は、金属配線である。
トランジスタ部70は、IGBT等のトランジスタを含む。ダイオード部80は、FWD等のダイオードを含む。ダイオード部80は、半導体基板10の上面と平行な配列方向(本例ではX軸方向)において、予め定められた配列周期P1で配置され、且つ、X軸方向においてトランジスタ部70と交互に配置されている。
それぞれのダイオード部80には、半導体基板10の下面に接する領域にN+型のカソード領域が設けられている。図1において実線で示すダイオード部80は、半導体基板10の下面にカソード領域が設けられた領域である。本例の半導体装置100において、半導体基板の下面に接する領域のうちカソード領域以外の領域は、P+型のコレクタ領域である。
ダイオード部80は、カソード領域をZ軸方向に投影した領域である。トランジスタ部70は、半導体基板10の下面にコレクタ領域が形成され、且つ、半導体基板10の上面にN+型のエミッタ領域を含む単位構造が周期的に形成された領域である。活性部120のうち、カソード領域をZ軸方向に投影した領域をY軸方向に伸ばした領域もダイオード部80としてよい。活性部120においてダイオード部80以外の領域をトランジスタ部70としてもよい。X軸方向におけるダイオード部80とトランジスタ部70との境界は、カソード領域とコレクタ領域との境界である。
エッジ終端構造部90は、半導体基板10の上面において、ゲートランナー50と半導体基板10の外周端140との間に設けられる。エッジ終端構造部90は、半導体基板10の上面においてゲートランナー50を囲むように環状に配置されてよい。本例のエッジ終端構造部90は、半導体基板10の外周端140に沿って配置されている。エッジ終端構造部90は、半導体基板10の上面側の電界集中を緩和する。エッジ終端構造部90は、例えばガードリング、フィールドプレート、リサーフおよびこれらを組み合わせた構造を有する。
半導体装置100は、温度検出部110、温度検出配線112を備える。温度検出部110は、活性部120の上方に設けられる。温度検出部110は、半導体基板10の上面視で、活性部120の中央に設けられてよい。温度検出部110は、所定の長手方向に長手を有する。本例の長手方向はX軸方向であるが、長手方向はX軸方向とは異なっていてもよい。
温度検出部110は、長手方向において、1つ以上のトランジスタ部70および1つ以上のダイオード部80に渡って配置されている。つまり、温度検出部110の一部の領域はトランジスタ部70の上方に配置され、他の一部の領域はダイオード部80の上方に配置されている。温度検出部110は、単結晶または多結晶のシリコンで形成されるPN型温度センスダイオードであってよい。
温度検出配線112は、活性部120の上方に設けられる。温度検出配線112は不純物が添加されたポリシリコン等の半導体配線であってよい。温度検出配線112は、温度検出部110と接続される。温度検出配線112は、半導体基板10の上面において活性部120の端部まで延伸し、カソードパッド118およびアノードパッド119と接続される。カソードパッド118およびアノードパッド119を介して温度検出部110の電気特性を測定することで、温度検出部110の温度を検出できる。
温度検出部110が1つ以上のトランジスタ部70および1つ以上のダイオード部80に渡って配置されることで、トランジスタ部70およびダイオード部80の双方の発熱に応じた温度を検出できる。このため、トランジスタ部70が動作している状態、および、ダイオード部80が動作している状態のいずれの状態の温度も精度よく検出できる。
温度検出部110の長手方向の長さである検出部長さL1は、ダイオード部80のX軸方向の幅、および、トランジスタ部70のX軸方向の幅のうち、大きい方の幅よりも大きい。温度検出部110の検出部長さL1は、ダイオード部80の配列周期P1(すなわち、ダイオード部80の幅と、トランジスタ部70の幅との和)より大きくてもよい。温度検出部110の検出部長さL1は、配列周期P1の3倍より小さくてよく、2倍より小さくてもよい。
半導体装置100は、半導体基板10の上面の上方に設けられた上面電極を備えるが、図1においては省略している。半導体装置100は、上面電極を半導体装置100の外部回路に電気的に接続する1つ以上の外部配線130を備える。外部配線130は、一例として金属等の導電材料で形成されたワイヤーであるが、外部配線130はワイヤーでなくともよい。外部配線130は、上面電極と接続された接続部分132を有する。接続部分132は、外部配線130において上面電極と接触している領域を指す。
少なくとも1つの外部配線130の接続部分132は、上面視において、温度検出部110の周囲に配置される。温度検出部110の周囲に接続部分132が配置されているとは、接続部分132が上面視において下記の少なくとも一つの条件を満たすことを指す。
(1)接続部分132と温度検出部110との距離D1が、配列周期P1の5倍以下である。
(2)接続部分132と温度検出部110との距離D1が、検出部長さL1以下である。
(3)接続部分132と温度検出部110との距離D1が、接続部分132の長手方向における長さである接続部長さL2以下である。
(4)接続部分132と温度検出部110との距離D1が、配線間隔L3(図4参照)以下である。
温度検出部110の周囲に配置された接続部分132は、上述した条件(1)から(4)のうち、2つ以上の条件を満たしてよく、3つ以上の条件を満たしてよく、全ての条件を満たしてもよい。また、それぞれの条件の数値範囲として、本明細書に記載した他の数値範囲を用いてもよい。
図1の例においては、少なくとも1つの外部配線130の接続部分132と、温度検出部110との上面視における距離D1が、配列周期P1の5倍以下である。図1の例では、当該条件を満たす接続部分132だけを示している。本明細書では、外部配線130の接続部分のうち、接続部分132以外の接続部分を、接続部分133(例えば、図4参照)とする。つまり、温度検出部110の周囲(つまり近傍)に配置されている接続部分を接続部分132とし、周囲(つまり近傍)に配置されていない接続部分を接続部分133とする。
温度検出部110の近傍に接続部分132を配置することで、温度検出部110は、接続部分132における発熱にも応じた温度を検出できる。このため、半導体装置100の温度をより精度よく検出できる。条件(1)における接続部分132と温度検出部110との距離D1は、配列周期P1の3倍以下であってよく、2倍以下であってもよい。距離D1は、配列周期P1の1倍以上であってよい。
なお、接続部分132と温度検出部110との距離D1は、上面視における、接続部分132の端部と、温度検出部110の端部との最短距離を用いてよい。また、接続部分132は、温度検出部110および温度検出配線112のいずれにも重ならないように配置されることが好ましい。
また、半導体基板10の上面には、接続部分132が複数設けられてよい。図1の例では、接続部分132-1、132-2、132-3、132-4が設けられている。
複数の接続部分132の少なくとも一部は、Y軸方向において温度検出部110と対向するように配置されていてよい。これにより、接続部分132からの熱を、温度検出部110の長手部分で受けやすくなり、接続部分132における発熱に応じた温度を適切に検出できる。
なおY軸方向において対向して配置とは、少なくとも一部の領域におけるX軸上の位置が重複することを指す。温度検出部110とY軸方向において対向する接続部分132が、温度検出部110に対してY軸方向正側と、Y軸方向負側のそれぞれに配置されていてもよい。図1の例では、接続部分132-1と接続部分132-3と(または、接続部分132-2と接続部分132-4)が、温度検出部110に対してY軸方向正側と、Y軸方向負側とに分かれて配置されている。これにより、温度検出部110におけるY軸方向の温度勾配を低減でき、温度を精度よく検出できる。
条件(2)に示すように、少なくとも一つの接続部分132は、距離D1が検出部長さL1以下であってよい。条件(3)に示すように、少なくとも一つの接続部分132は、距離D1が、接続部分132の長手方向における長さである接続部長さL2以下であってもよい。これらの条件の少なくとも一つを満たすように、少なくとも一つの接続部分132を温度検出部110の近傍に配置することで、温度検出部110は、より適切に温度を検出できる。
また、少なくとも一つの接続部分132は、1つ以上のトランジスタ部70および1つ以上のダイオード部80の上方に配置されていてよい。これにより、半導体装置100の動作状態による、接続部分132における発熱のバラツキを抑制できる。
後述する図4では、複数の接続部分132、133が、接続部分の長手方向(X軸方向)とは垂直なY軸方向において予め定められた配線間隔L3で設けられているが、複数の接続部分は、上面視において、温度検出部110の周囲以外の領域よりも、温度検出部110の周囲により多く配置されていてよい。例えば、同面積で比較した場合に、温度検出部110との上面視における距離D1が配列周期P1の5倍以下である範囲(即ち、条件(1)を満たす範囲)に、複数の接続部分が他よりも密集して配置されていてよい。それぞれの領域に配置されている接続部分の量として、接続部分の個数を用いてよく、上面視における面積を用いてもよい。また、単に、温度検出部110との上面視における距離D1が配列周期P1の5倍以下である範囲と、その他の範囲とを比較した場合に、距離D1が配列周期P1の5倍以下である範囲に接続部分の個数または面積が多くなるように配置されていてもよい。その他、温度検出部110に近いほど、複数の接続部分の密度が高くなる構成としてもよい。温度検出部110の周囲の範囲として、上述した条件(1)から(4)のいずれか1つまたは複数を満たす範囲を用いることができる。
図2は、図1における領域Aの近傍を拡大した図である。本例の半導体装置100は、半導体基板10の内部に設けられ、且つ、半導体基板10の上面に露出する、ガードリング92、ゲートトレンチ部40、ダミートレンチ部30、P+型のウェル領域11、N+型のエミッタ領域12、P-型のベース領域14およびP+型のコンタクト領域15を備える。本明細書では、ゲートトレンチ部40またはダミートレンチ部30を単にトレンチ部と称する場合がある。また、本例の半導体装置100は、半導体基板10の上面の上方に設けられたエミッタ電極52およびゲートランナー50を備える。エミッタ電極52は上面電極の一例である。エミッタ電極52およびゲートランナー50は互いに分離して設けられる。
ゲートランナー50の外側(Y軸方向正側)には、エッジ終端構造部90が配置されている。エッジ終端構造部90は、上述したように1つ以上のガードリング92を有してよい。ガードリング92は、半導体基板10の内部に形成された、P型の領域である。ガードリング92は、ゲートランナー50の外側において、活性部120を囲んで環状に設けられる。
エミッタ電極52およびゲートランナー50と、半導体基板10の上面との間には層間絶縁膜が形成されるが、図2では省略している。本例の層間絶縁膜には、コンタクトホール56、コンタクトホール49およびコンタクトホール54が、当該層間絶縁膜を貫通して形成される。
エミッタ電極52は、コンタクトホール54を通って、半導体基板10の上面におけるエミッタ領域12、コンタクト領域15およびベース領域14と接触する。また、エミッタ電極52は、コンタクトホール56を通って、ダミートレンチ部30内のダミー導電部と接続される。エミッタ電極52とダミー導電部との間には、不純物がドープされたポリシリコン等の、導電性を有する材料で形成された接続部25が設けられてよい。接続部25と半導体基板10の上面との間には、酸化膜等の絶縁膜が形成される。
ゲートランナー50は、コンタクトホール49を通って、ゲートランナー51と接触する。なお図1においては、ゲートランナー51を省略している。ゲートランナー51は、ゲートトレンチ部40と接続している。他の例では、ゲートランナー51を介さずに、ゲートランナー50とゲートトレンチ部40とが接続されてもよい。
ゲートランナー51は、不純物がドープされたポリシリコン等で形成される。ゲートランナー51は、半導体基板10の上面において、ゲートトレンチ部40内のゲート導電部と接続される。ゲート導電部は、トランジスタ部70におけるゲート電極の一例である。ゲートランナー51は、ダミートレンチ部30内のダミー導電部とは接続されない。本例のゲートランナー51は、コンタクトホール49の下方から、ゲートトレンチ部40の先端部41まで形成される。
ゲートランナー51と半導体基板10の上面との間には、酸化膜等の絶縁膜が形成される。ゲートトレンチ部40の先端部41においてゲート導電部は半導体基板10の上面に露出している。ゲート導電部の上方における絶縁膜には、ゲート導電部およびゲートランナー51を接続するコンタクトホールが設けられている。なお、図2では平面視で、エミッタ電極52とゲートランナー51が重なっている箇所があるが、エミッタ電極52とゲートランナー51は図示しない絶縁膜を挟んで互いに電気的に絶縁している。
エミッタ電極52およびゲートランナー50は、金属を含む材料で形成される。例えば、各電極の少なくとも一部の領域はアルミニウムまたはアルミニウム‐シリコン合金で形成される。各電極は、アルミニウム等で形成された領域の下層にチタンやチタン化合物等で形成されたバリアメタルを有してよく、コンタクトホール内においてタングステン等で形成されたプラグを有してもよい。
1つ以上のゲートトレンチ部40および1つ以上のダミートレンチ部30は、半導体基板10の上面において所定の配列方向(本例ではX軸方向)に沿って所定の間隔で配列される。本例のトランジスタ部70においては、配列方向に沿って1つ以上のゲートトレンチ部40と、1つ以上のダミートレンチ部30とが交互に形成されている。
本例のゲートトレンチ部40は、配列方向と垂直な長手方向(本例ではY軸方向)に沿って直線状に延伸する2つの直線部39と、2つの直線部39を接続する先端部41とを有してよい。先端部41の少なくとも一部は、半導体基板10の上面において曲線状に形成されることが好ましい。ゲートトレンチ部40の2つの直線部39において、長手方向に沿った直線形状の端である端部どうしを先端部41が接続することで、直線部39の端部における電界集中を緩和できる。
少なくとも一つのダミートレンチ部30は、ゲートトレンチ部40のそれぞれの直線部39の間に設けられる。これらのダミートレンチ部30は、ゲートトレンチ部40と同様に直線部29および先端部31を有してよい。他の例では、ダミートレンチ部30は直線部29を有し、先端部31を有さなくてもよい。図2に示した例では、トランジスタ部70において、ゲートトレンチ部40の2つの直線部39の間に、ダミートレンチ部30の2つの直線部29が配置されている。
ダイオード部80においては、複数のダミートレンチ部30が、半導体基板10の上面においてX軸方向に沿って配置されている。ダイオード部80におけるダミートレンチ部30のXY面における形状は、トランジスタ部70に設けられたダミートレンチ部30と同様であってよい。
ダミートレンチ部30の先端部31および直線部29は、ゲートトレンチ部40の先端部41および直線部39と同様の形状を有する。ダイオード部80に設けられたダミートレンチ部30と、トランジスタ部70に設けられた直線形状のダミートレンチ部30は、Y軸方向における長さが同一であってよい。
エミッタ電極52は、ゲートトレンチ部40、ダミートレンチ部30、ウェル領域11、エミッタ領域12、ベース領域14およびコンタクト領域15の上方に形成される。ウェル領域11と、コンタクトホール54の長手方向の端のうちゲートランナー50が設けられる側の端とは、XY面内において離れて設けられる。ウェル領域11の拡散深さは、ゲートトレンチ部40およびダミートレンチ部30の深さよりも深くてよい。ゲートトレンチ部40およびダミートレンチ部30の、ゲートランナー50側の一部の領域はウェル領域11に形成される。ゲートトレンチ部40の先端部41のZ軸方向における底部、ダミートレンチ部30の先端部31のZ軸方向における底部は、ウェル領域11に覆われていてよい。
トランジスタ部70およびダイオード部80のそれぞれには、各トレンチ部に挟まれたメサ部60が1つ以上設けられる。メサ部60とは、トレンチ部に挟まれた半導体基板10の領域において、トレンチ部の最も深い底部よりも上面側の領域である。
各トレンチ部に挟まれたメサ部60には、ベース領域14が形成される。ベース領域14は、ウェル領域11よりもドーピング濃度の低い第2導電型(P-型)である。
メサ部60のベース領域14の上面には、ベース領域14よりもドーピング濃度の高い第2導電型のコンタクト領域15が形成される。本例のコンタクト領域15はP+型である。半導体基板10の上面においてウェル領域11は、コンタクト領域15のうちY軸方向において最も端に配置されたコンタクト領域15から、ゲートランナー50の方向に離れて形成されてよい。半導体基板10の上面において、ウェル領域11とコンタクト領域15との間には、ベース領域14が露出している。
トランジスタ部70においては、半導体基板10の内部に形成されたドリフト領域よりもドーピング濃度が高い第1導電型のエミッタ領域12が、メサ部60-1の上面に選択的に形成される。本例のエミッタ領域12はN+型である。エミッタ領域12の半導体基板10の深さ方向(-Z軸方向)に隣接するベース領域14のうち、ゲートトレンチ部40に接する部分が、チャネル部として機能する。ゲートトレンチ部40にオン電圧が印加されると、Z軸方向においてエミッタ領域12とドリフト領域との間に設けられたベース領域14において、ゲートトレンチ部40に隣接する部分に電子の反転層であるチャネルが形成される。ベース領域14にチャネルが形成されることで、エミッタ領域12とドリフト領域との間にキャリアが流れる。
本例では、各メサ部60のY軸方向における両端部には、ベース領域14-eが配置されている。本例では、それぞれのメサ部60の上面において、ベース領域14-eに対してメサ部60の中央側で隣接する領域は、コンタクト領域15である。また、ベース領域14-eに対して、コンタクト領域15とは逆側で接する領域はウェル領域11である。
本例のトランジスタ部70のメサ部60-1においてY軸方向両端のベース領域14-eに挟まれる領域には、コンタクト領域15およびエミッタ領域12がY軸方向に沿って交互に配置されている。コンタクト領域15およびエミッタ領域12のそれぞれは、隣接する一方のトレンチ部から、他方のトレンチ部まで形成されている。
トランジスタ部70のメサ部60のうち、ダイオード部80との境界に設けられた1つ以上のメサ部60-2には、メサ部60-1のコンタクト領域15よりも面積の大きいコンタクト領域15が設けられている。メサ部60-2にはエミッタ領域12が設けられていなくてよい。本例のメサ部60-2においては、ベース領域14-eに挟まれた領域全体に、コンタクト領域15が設けられている。
本例のトランジスタ部70の各メサ部60-1においてコンタクトホール54は、コンタクト領域15およびエミッタ領域12の各領域の上方に形成される。メサ部60-2におけるコンタクトホール54は、コンタクト領域15の上方に形成される。各メサ部60においてコンタクトホール54は、ベース領域14-eおよびウェル領域11に対応する領域には形成されていない。トランジスタ部70の各メサ部60におけるコンタクトホール54は、Y軸方向において同一の長さを有してよい。
ダイオード部80において、半導体基板10の下面と接する領域には、N+型のカソード領域82が形成される。図2においては、カソード領域82が形成される領域を破線で示している。半導体基板10の下面と接する領域においてカソード領域82が形成されていない領域には、P+型のコレクタ領域が形成されてよい。
トランジスタ部70は、Z軸方向においてコレクタ領域と重なる領域のうち、コンタクト領域15およびエミッタ領域12が形成されたメサ部60と、当該メサ部60に隣接するトレンチ部とが設けられた領域であってよい。ただし、ダイオード部80との境界におけるメサ部60-2には、エミッタ領域12に代えてコンタクト領域15が設けられていてよい。
ダイオード部80のメサ部60-3の上面には、ベース領域14が配置されている。ただし、ベース領域14-eに隣接する領域には、コンタクト領域15が設けられてもよい。コンタクト領域15の上方で、コンタクトホール54が終端している。
図3は、図2におけるB-B断面の一例を示す図である。B-B断面は、ダイオード部80およびトランジスタ部70を含み、エミッタ領域12を通過するXZ面である。
本例の半導体装置100は、当該断面において、半導体基板10、層間絶縁膜38、エミッタ電極52およびコレクタ電極24を有する。層間絶縁膜38は、半導体基板10の上面のすくなくとも一部を覆って形成される。層間絶縁膜38には、コンタクトホール54等の貫通孔が形成されている。コンタクトホール54により、半導体基板10の上面が露出する。層間絶縁膜38は、PSG、BPSG等のシリケートガラスであってよく、酸化膜または窒化膜等であってもよい。
エミッタ電極52は、トランジスタ部70およびダイオード部80において、半導体基板10および層間絶縁膜38の上面に形成される。エミッタ電極52は、コンタクトホール54の内部にも形成されており、コンタクトホール54により露出する半導体基板10の上面21と接触している。
上述したように、接続部分132は、エミッタ電極52の上面と接続されている。エミッタ電極52は、アルミニウムを含む金属層に加えて、金属層の上に設けられためっき層またははんだ層を含んでよい。接続部分132は、金属層と接触していてよく、めっき層と接触していてよく、はんだ層と接触していてもよい。
コレクタ電極24は、半導体基板10の下面23に形成される。コレクタ電極24は、半導体基板10の下面23全体と接触してよい。エミッタ電極52およびコレクタ電極24は、金属等の導電材料で形成される。本明細書において、エミッタ電極52とコレクタ電極24とを結ぶ方向を深さ方向(Z軸方向)と称する。コレクタ電極24からエミッタ電極52に向かう方向をZ軸方向の正方向とする。
ダイオード部80およびトランジスタ部70における半導体基板10の上面側には、P-型のベース領域14が形成される。半導体基板10の内部においてベース領域14の下方には、N-型のドリフト領域18が配置されている。それぞれのトレンチ部は、半導体基板10の上面から、ベース領域14を貫通して、ドリフト領域18に達して設けられる。
当該断面において、トランジスタ部70の各メサ部60-1には、N+型のエミッタ領域12、P-型のベース領域14およびN+型の蓄積領域16が、半導体基板10の上面側から順番に配置されている。蓄積領域16は、ドリフト領域18よりもドナーが高濃度に蓄積している。蓄積領域16の下方にはドリフト領域18が設けられる。蓄積領域16は、各メサ部60におけるベース領域14の下面全体を覆うように設けられてよい。つまり、蓄積領域16はトレンチ部にX軸方向で挟まれてよい。ドリフト領域18とベース領域14との間に、ドリフト領域18よりも高濃度の蓄積領域16を設けることで、キャリア注入促進効果(IE効果、Injection‐Enhancement effect)を高めて、トランジスタ部70におけるオン電圧を低減することができる。
なお、トランジスタ部70のコンタクト領域15を通過するXZ断面においては、トランジスタ部70の各メサ部60-1には、エミッタ領域12に代えて、コンタクト領域15が設けられている。また、メサ部60-2には、エミッタ領域12に代えて、コンタクト領域15が設けられている。コンタクト領域15は、ラッチアップを抑制するラッチアップ抑制層として機能してよい。
当該断面においてダイオード部80の各メサ部60-3には、P-型のベース領域14およびN+型の蓄積領域16が、半導体基板10の上面側から順番に配置される。蓄積領域16の下方にはドリフト領域18が設けられる。ダイオード部80には、蓄積領域16が設けられていなくともよい。
トランジスタ部70において、半導体基板10の下面23に隣接する領域には、P+型のコレクタ領域22が設けられている。ダイオード部80において半導体基板10の下面23に隣接する領域には、N+型のカソード領域82が設けられている。
本例の半導体基板10には、ドリフト領域18とコレクタ領域22との間、および、ドリフト領域18とカソード領域82との間に、N+型のバッファ領域20が設けられている。バッファ領域20のドーピング濃度は、ドリフト領域18のドーピング濃度よりも高い。バッファ領域20は、ベース領域14の下面側から広がる空乏層が、P+型のコレクタ領域22およびN+型のカソード領域82に到達することを防ぐフィールドストップ層として機能してよい。
半導体基板10の上面21側には、1以上のゲートトレンチ部40、および、1以上のダミートレンチ部30が形成される。各トレンチ部は、半導体基板10の上面21から、ベース領域14を貫通して、ドリフト領域18に到達する。エミッタ領域12、コンタクト領域15および蓄積領域16の少なくともいずれかが設けられている領域においては、各トレンチ部はこれらの領域も貫通して、ドリフト領域18に到達する。トレンチ部がドーピング領域を貫通するとは、ドーピング領域を形成してからトレンチ部を形成する順序で製造したものに限定されない。トレンチ部を形成した後に、トレンチ部の間にドーピング領域を形成したものも、トレンチ部がドーピング領域を貫通しているものに含まれる。
ゲートトレンチ部40は、半導体基板10の上面側に形成されたゲートトレンチ、ゲート絶縁膜42およびゲート導電部44を有する。ゲート絶縁膜42は、ゲートトレンチの内壁を覆って形成される。ゲート絶縁膜42は、ゲートトレンチの内壁の半導体を酸化または窒化して形成してよい。ゲート導電部44は、ゲート電極の一例である。ゲート導電部44は、ゲートトレンチの内部においてゲート絶縁膜42よりも内側に形成される。つまりゲート絶縁膜42は、ゲート導電部44と半導体基板10とを絶縁する。ゲート導電部44は、ポリシリコン等の導電材料で形成される。
ゲート導電部44は、深さ方向において、ゲート絶縁膜42を挟んで、少なくとも隣接するベース領域14と対向する領域を含む。当該断面におけるゲートトレンチ部40は、半導体基板10の上面において層間絶縁膜38により覆われる。ゲート導電部44に所定の電圧が印加されると、ベース領域14のうちゲートトレンチに接する界面の表層に電子の反転層によるチャネルが形成される。
ダミートレンチ部30は、当該断面において、ゲートトレンチ部40と同一の構造を有してよい。ダミートレンチ部30は、半導体基板10の上面21側に形成されたダミートレンチ、ダミー絶縁膜32およびダミー導電部34を有する。ダミー絶縁膜32は、ダミートレンチの内壁を覆って形成される。ダミー導電部34は、ダミートレンチの内部に形成され、且つ、ダミー絶縁膜32よりも内側に形成される。ダミー絶縁膜32は、ダミー導電部34と半導体基板10とを絶縁する。ダミー導電部34は、ゲート導電部44と同一の材料で形成されてよい。例えばダミー導電部34は、ポリシリコン等の導電材料で形成される。ダミー導電部34は、深さ方向においてゲート導電部44と同一の長さを有してよい。当該断面におけるダミートレンチ部30は、半導体基板10の上面21において層間絶縁膜38により覆われる。なお、ダミートレンチ部30およびゲートトレンチ部40の底部は、下側に凸の曲面状(断面においては曲線状)であってよい。
図4は、半導体装置100の上面構造の他の例を示す図である。本例の半導体装置100は、半導体基板10の上面の上方に複数の接続部分132、133が設けられている。本例における外部配線はワイヤーである。それぞれの接続部分は、接続部分の長手方向とは垂直なY軸方向において予め定められた配線間隔L3で設けられている。配線間隔L3は、XY面における接続部分の中央の、Y軸方向における距離を指す。配線間隔L3は、半導体基板10の上面全体において一定である。
本例では、少なくとも1つの接続部分132と、温度検出部110との上面視における距離D1が、配線間隔L3以下である(条件(4))。距離D1は、配線間隔L3の半分以下であってよい。また、温度検出部110は、Y軸方向において2つの接続部分132に挟まれた領域の、Y軸方向における中央に配置されてよい。このような配置により、温度検出部110は、より適切に温度を検出できる。
なお、接続部分は、X軸方向においても、所定の間隔で配列されていてよい。X軸方向に配列された複数の接続部分は、同一の外部配線130の接続部分であってよい。つまり、一つの外部配線130は、X軸方向における複数の位置で、上面電極と接続されていてよい。
図5は、温度検出部110および接続部分132の関係の一例を示す図である。上述したように、温度検出部110と、接続部分132とは、Y軸方向において対向して配置されてよい。つまり、図5において破線で示すように、温度検出部110をY軸方向に伸ばした延伸領域内に、少なくとも1つの接続部分132が少なくとも部分的に配置されてよい。図5に示すように、接続部分132は、温度検出部110のX軸方向の全体と対向して配置されてよい。
図5に示すように、接続部分132の接続部長さL2は、検出部長さL1より大きくてよい。これにより、接続部分132と温度検出部110とのX軸方向における相対位置にバラツキが生じても、接続部分132における発熱を精度よく検出できる。なお、接続部長さL2は、検出部長さL1と同一であってよく、小さくてもよい。また、温度検出部110は、Y軸方向において、2つの接続部分132に挟まれていることが好ましい。これにより、Y軸方向における温度検出部110と接続部分132との相対位置にバラツキが生じても、接続部分132における発熱を精度よく検出できる。
図6は、温度検出部110および接続部分132の関係の他の例を示す図である。本例の接続部分132は、温度検出部110のX軸方向の一部分と対向して配置されている。なお、温度検出部110と部分的に対向する接続部分132は、X軸方向に複数設けられてよい。図6の例では、温度検出部110と部分的に対向する接続部分132が、X軸方向に2つ並んで配置されている。また、温度検出部110を基準として、Y軸方向正側と、Y軸方向負側の両方に、温度検出部110と部分的に対向する1つ以上の接続部分132が配置されていてもよい。図6の例では、温度検出部110のY軸方向正側およびY軸方向負側の両方に、2つの接続部分132が配置されている。このような配置により、接続部分132における発熱にバラツキが生じても、複数の接続部分132からの発熱が温度検出部110に到達するので、当該バラツキによる影響を低減できる。
また、XY面において、複数の接続部分132に外接する矩形領域を領域141とする。領域141は、X軸方向およびY軸方向に辺を有している。温度検出部110は、領域141の内部に設けられてよい。温度検出部110は、領域141の中央に配置されてよい。このような配置により、接続部分132における発熱をより適切に検出できる。
図7は、温度検出部110および接続部分132の関係の他の例を示す図である。図1から図6の例では、接続部分132は、X軸方向に長手を有していたが、本例の接続部分132は、Y軸方向に長手を有している。また、Y軸方向に長手を有する少なくとも1つの接続部分132が、X軸方向において温度検出部110と対向して配置されていてもよい。また、温度検出部110とY軸方向において対向する接続部分132はX軸方向に長手を有しており、温度検出部110とX軸方向において対向する接続部分132はY軸方向に長手を有してよい。このような構造により、温度検出部110を囲むように、接続部分132を配置できる。
図8は、XY面における温度検出部110の構造例を示す図である。本例の温度検出部110は、P型領域154およびN型領域152の1つ以上のPN接合が、長手方向(本例ではX軸方向)に配列した構造を有する。それぞれのPN接合は、配線153により電気的に直列に接続されている。
温度検出部110の検出部長さL1は、長手方向におけるPN接合の両端の距離であってよい。当該距離には、PN接合を直列に接続する配線153が含まれていてよい。
図9は、半導体装置100の上面の他の構造を示す模式図である。本例において外部配線は、リードフレーム134である。リードフレーム134は、XY面と平行な板状の導電部材を含む。本例のリードフレーム134は、半導体装置100と接触する第1部分136および第2部分138と、第2部分138から半導体基板10と離れる方向(本例ではZ軸方向)に延伸する脚部142と、脚部142から他の回路要素に向かって延伸する架橋部144とを有する。
本例の第1部分136および第2部分138は、一体に形成されている。第1部分136および第2部分138が、半導体基板10との接続部分132に対応する。
第1部分136および第2部分138と、温度検出部110との距離D1は、上述した接続部分132と温度検出部110との距離D1と同一の条件を満たす。例えば距離D1は、配列周期P1の5倍以下である。なお、第1部分136および第2部分138と、温度検出部110との距離D1は、第1部分136および第2部分138の端部のうち、温度検出部110に最も近い端部と、温度検出部110との距離である。
本例においては、2つの第1部分136が、温度検出部110の長手方向(本例ではX軸方向)とは垂直な方向(本例ではY軸方向)において温度検出部110を挟んで配置されている。温度検出部110は、Y軸方向において、2つの第1部分136の間の領域の中央に配置されてよい。
それぞれの第1部分136のX軸方向における幅は、温度検出部110のX軸方向における幅よりも大きくてよい。第1部分136の一部の領域は、Y軸方向において温度検出配線112の一部と対向するように配置されていてもよい。
第2部分138は、2つの第1部分136を接続する。本例の第2部分138は、温度検出部110を基準として、上面視において温度検出配線112とは逆側に配置されている。一例として、温度検出部110の中心を通りY軸と平行な直線147により、半導体基板10の上面を2つの領域146-1、146-2に分割した場合に、温度検出配線112と第2部分138とは異なる領域146に配置されている。図9の例では、第2部分138が領域146-2に配置されており、温度検出配線112が領域146-1に配置されている。第2部分138および温度検出配線112は、X軸方向において温度検出部110を挟んで配置されてよい。
このような構造により、温度検出部110を囲んで第1部分136または第2部分138を配置しつつ、温度検出部110および温度検出配線112を避けて第1部分136および第2部分138を配置できる。
なお、第1部分136において、領域146-2に配置されている部分のX軸方向の長さL4は、領域146-1に配置されている部分のX軸方向の長さL5より小さくてよい。つまり、第1部分136は、直線147を基準として、X軸方向において温度検出配線112側に長く伸びている。これにより、温度検出部110の周囲を、より多くの第1部分136で囲むことができる。
図10は、比較例における、第1部分136または第2部分138の配置を示す図である。比較例においては、温度検出部110および温度検出配線112の少なくとも一方と重なって、第1部分136および第2部分138の少なくとも一方が配置されている。図10においては、第1部分136または第2部分138が、温度検出部110と重なって配置されている例を示している。なお、図1から図9において説明した半導体装置100も、第1部分136または第2部分138の配置以外の構造は、図10に示した構造を有してよい。
温度検出部110のP型領域154およびN型領域152の上には、金属層155および金属層157が設けられている。金属層155および金属層157は、例えば図8に示した配線153として機能してよい。温度検出部110、金属層155および金属層157は、ポリイミド等の保護膜148により覆われている。
エミッタ電極52は、半導体基板10の上方に設けられる。エミッタ電極52の一部の領域は、保護膜148に覆われていてもよい。エミッタ電極52と保護膜148の上には、はんだ層53が設けられる。はんだ層53は、上面電極の一部として機能する。本例の第1部分136または第2部分138は、はんだ層53の上面に接続されている。
はんだ層53と保護膜148とは、はんだ層53とエミッタ電極52、または、はんだ層53と第1部分136(または第2部分138)との組み合わせに比べて、界面149における密着性が低い。温度検出部110等の上方に、第1部分136等を配置すると、第1部分136、はんだ層53、保護膜148および半導体基板10の間の線膨張係数の違いにより、界面149に応力がかかりやすくなる。このため、界面149において、保護膜148とはんだ層53とが剥離する場合がある。
これに対して図9に示した半導体装置100によれば、温度検出部110および温度検出配線112と重ならないように第1部分136および第2部分138を配置している。このため、保護膜148とはんだ層53とが剥離することを抑制できる。
図11は、半導体装置100の上面の他の構造を示す模式図である。図11においては、外部配線および接続部分を省略しているが、外部配線および接続部分の構成は、図1から図9において説明したいずれかの態様と同一である。ただし、それぞれのパッドと、それぞれの接続部分とは重ならないように配置されている。
本例においては、ゲートパッド116が、温度検出部110を基準として、上面視において温度検出配線112とは逆側に配置されている。一例として、温度検出部110の中心を通りY軸と平行な直線147により、半導体基板10の上面を2つの領域146-1、146-2に分割した場合に、温度検出配線112とゲートパッド116とは異なる領域146に配置されている。図11の例では、ゲートパッド116が領域146-2に配置されており、温度検出配線112が領域146-1に配置されている。ゲートパッド116および温度検出配線112は、X軸方向において温度検出部110を挟んで配置されてよい。つまりゲートパッド116は、温度検出配線112をX軸方向に延長した直線上に配置されていてよい。
また、センスエミッタパッド122は、温度検出部110を基準として、ゲートパッド116とは逆側に配置されてよい。本例のセンスエミッタパッド122は、領域146-1に配置されている。また、カソードパッド118およびアノードパッド119も、ゲートパッド116とは逆側に配置されてよい。つまり、カソードパッド118およびアノードパッド119は、温度検出配線112と同じ側に配置されている。これにより、温度検出配線112とカソードパッド118およびアノードパッド119とを容易に接続できる。
半導体装置100は、XY面において、ゲートパッド116から温度検出部110に向かって設けられたゲートランナー48を有してよい。ゲートランナー48は、ゲートランナー51と同一の構造を有してよい。つまりゲートランナー48は、不純物がドープされたポリシリコン等の半導体配線であってよい。
ゲートランナー48は、温度検出部110の端部と対向する位置において、Y軸方向正側と、Y軸方向負側の2つの方向に枝分かれしてよい。2つのゲートランナー48は、温度検出部110および温度検出配線112に沿って、X軸方向に平行に設けられてよい。ゲートランナー48は、XY面においてそれぞれのパッドを迂回して、ゲートランナー51と接続されている。
活性部120の上方にゲートランナー48を配置することで、ゲートランナー50およびゲートランナー51から離れた領域にも、遅延および減衰が小さいゲート電圧を印加できる。また、本例のパッド配置によれば、ゲートランナー48を温度検出配線112等に沿って設けられるので、ゲートランナー48を設けることによる活性部120の面積のロスと、温度検出配線112を設けることによる活性部120の面積のロスを最小化できる。
図12は、本発明の一つの実施形態に係る半導体パッケージ200の一例を示す図である。半導体パッケージ200は、1つ以上の半導体装置100と、外部回路とを含む。本例の半導体パッケージ200は、外部回路として、配線パターン(164、166、168、170)が設けられた回路基板162を有する。配線パターンは、銅等の導電材料で形成された薄膜であってよい。配線パターンの間、および、半導体装置100と配線パターンとの間は、外部配線130により接続されている。一部または全部の外部配線130に代えて、リードフレーム134を用いてもよい。
本例の半導体装置100は、図11に示したパッド配置を有してよい。それぞれの半導体装置100は、配線パターン170の上にはんだ等で接続されてよい。本例の半導体装置100は、コレクタ電極24が配線パターン170に接続されている。それぞれの配線パターン170には、複数の半導体装置100が並列に接続されていてよい。また、異なる配線パターン170に設けられた半導体装置100は、直列に接続されていてよい。つまり、異なる配線パターン170に設けられた半導体装置100は、一方のエミッタ電極52が、他方のコレクタ電極24に電気的に接続されていてよい。また、配線パターン168は、同一の配線パターン170に設けられた複数の半導体装置100のエミッタ電極52と接続される。配線パターン168は、配線パターン166を介して外部に接続されてよい。
本例では、半導体装置100の上面視における各端辺のうち、ゲートパッド116に最も近い端辺をゲートパッド端辺117とする。同一の配線パターン170に配置された2つの半導体装置100は、ゲートパッド端辺117が互いに対向して配置されていてよい。
2つのゲートパッド端辺117の間には、配線パターン164が設けられている。2つの半導体装置100のゲートパッド116は、共通の配線パターン164に接続されている。配線パターン164は、2つのゲートパッド端辺117の間に配置されている。このような配置により、2つの半導体装置100に対して、共通のゲート電圧を簡易な配線で印加できる。また、2つの半導体装置100に対して共通の配線パターン164を設ければよいので、装置を小型化できる。
また、同一の配線パターン170に配置された半導体装置100のうちの一方(本例では半導体装置100-1、100-3)は、センスエミッタパッド122、カソードパッド118およびアノードパッド119が、配線パターン166に接続されている。配線パターン166は、外部の装置に接続されるパッドである。本例の半導体装置100は、ゲートパッド116と、他のパッドとが逆側に配置されているので、センスエミッタパッド122、カソードパッド118およびアノードパッド119を配線パターン166の近傍に配置できる。
なお、同一の配線パターン170に配置された半導体装置100のうちの他方(本例では半導体装置100-2、100-4)は、カソードパッド118およびアノードパッド119が、配線パターン166に接続されていなくてよい。本例においては、当該半導体装置100に対しては、温度を検出しない。
図13は、本発明の一つの実施形態に係る半導体モジュール400の上面の一例を示す図である。なお、半導体モジュール400では、アノードパッド119とカソードパッド118の配置が、図12におけるアノードパッド119とカソードパッド118の配置と逆になっているが、図12におけるアノードパッド119と図13におけるアノードパッド119は同じ機能を有し、図12におけるカソードパッド118と図13におけるカソードパッド118は同じ機能を有するので、同じ符号を付している。また、上アームの配線パターンを配線パターン170-1、下アームの配線パターンを配線パターン170-2とする。ゲート端子である配線パターンを配線パターン164とし、後述する制御端子との中継端子である配線パターンを配線パターン166とする。
本例の半導体モジュール400は、リードフレーム178を含む。半導体装置100は、上述の通り、表面がめっきされためっきチップであり、所定の配線パターン170-1、170-2上に配置されている。リードフレーム178は、一端がめっきチップに接合され、他端が外部回路である配線パターン168、170-2に接合される。本例のリードフレーム178は、半導体装置100と接触する第1接触部180、配線パターン168、170-2と接触する第2接触部182、回路基板162の上方で第1接触部180と第2接触部182とを橋渡しする架橋部184、第1接触部180と架橋部184とを接続する脚部186、および、第2接触部182と架橋部184とを接続する脚部188とを有する。第1接触部180、第2接触部182および架橋部184は、XY面と平行な板状の導電部材で構成されてよい。架橋部184は、半導体装置100の表面から離間する側に突出した凸状の部位であってよい。
本例の半導体モジュール400は、表面に外装材としてのモールド部192(図14参照)を有する。モールド部192は、ゲル状の樹脂等で構成される。
架橋部184には、架橋部184の下方にモールド部192の樹脂を注入するための開口部190が設けられる。本例の架橋部184には、その内側であって中央付近に複数の開口部190が設けられている。これにより、モールド部192を構成するゲル状の樹脂をリードフレーム178の上下に確実に行きわたらせる事ができる。なお、配線パターン170-1、配線パターン170-2および配線パターン168には、半導体モジュール400の外側の主端子に電気的に接続する引出し部198が設けられてよい。
図14は、図13におけるE-E'断面の一例を示す図である。E-E'断面は、リードフレーム178に設けられた開口部190を通るYZ面である。図14に示す通り、リードフレーム178は、一端が配線パターン170-1の上方に設けられた半導体装置100-1と接続する。また、リードフレーム178は、他端が配線パターン170-2と接続する。第1接触部180は、半導体装置100-1の上方に配置される。第2接触部182は、配線パターン170-2の上方に配置される。本例の半導体装置100-1、100-2、100-3、100-4は、表面がめっきされた所謂めっきチップである。架橋部184は、脚部186により第1接触部180と接続され、脚部188により第2接触部182と接続される。上述のように、架橋部184には開口部190が設けられるので、脚部186、脚部188および架橋部184にて画定される空間にも、モールド部192のゲル状の樹脂が充填される。モールド部192は、例えばエポキシ樹脂等、他の材料で構成されてもよい。なお、モールド部192との密着を向上させるために、第1接触部180、第2接触部182、脚部186、または脚部188のいずれかの1つ、あるいは複数に開口部190を設けてもよい。
なお、本例の半導体装置100-1、100-2、100-3、100-4は、図9に示す温度検出部110を有する半導体装置100であってよい。このような場合には、本例のリードフレーム178は、図9に示す温度検出部110に重ならないリードフレーム134であってよい。すなわち、リードフレーム178は、温度検出部110を挟むように半導体装置100の表面に接合されてよい。リードフレーム178は、一体に形成された第1部分136および第2部分138を有し、温度検出部110を囲んで第1部分136または第2部分138を配置してよい。
図15は、本発明の一つの実施形態に係る半導体モジュールの上アームと下アームとの接続関係を含む模式的な回路図である。図15に示すように、半導体装置100-1および半導体装置100-2は並列に接続され、上アームを構成する。半導体装置100-3および半導体装置100-4は並列に接続され、下アームを構成する。本例では、1つのアームが2つの半導体装置100により構成される。半導体装置100-1および半導体装置100-2を含む上アームと、半導体装置100-3および半導体装置100-4を含む下アームは直列に接続される。半導体装置100-1および半導体装置100-3は、図13に示すように半導体モジュール400のX軸負側に配置される。半導体装置100-2および半導体装置100-4は、図13に示すように半導体モジュール400のX軸正側に配置される。
半導体装置100-1および半導体装置100-2には、一方の制御回路172-1が接続される。制御回路172-1は、半導体装置100-1および半導体装置100-2にゲート電圧を供給する。また、半導体装置100-3および半導体装置100-4には、他方の制御回路172-2が接続される。制御回路172-2は、制御回路172-1と同様の機能を有してよい。
センスエミッタ端子(SE)はセンスエミッタパッド122に接続される。エミッタ端子(E)は、エミッタ電極52に接続される。制御回路172-1および制御回路172-2は、それぞれセンス抵抗Rseを介してセンスエミッタ端子(SE)とエミッタ端子(E)との間に流れる電流を検出する。その他、制御回路172-1、172-2は、アノードパッド119およびカソードパッド118に接続する温度検出部110の温度センスダイオードの電圧変化から温度を検出する温度検出回路を有してよい。
図16は、本発明の一つの実施形態に係る半導体モジュール300の上面の一例を示す図である。図16に示す通り、本例の半導体モジュール300は、筐体88を備える。筐体88は、U、V、W、P、N等の主端子86と、G(ゲート)、Se(センスエミッタ)、A(アノード)、K(カソード)等の制御端子99を有する。筐体88の底面94の上方には、配線パターン170を有する回路基板162が搭載される。回路基板162は、例えば、アルミナセラミックス基板に銅回路板を接合して形成される。本例の半導体モジュール300は、例えば3相モータを駆動するためのものであり、6つのアームを有するいわゆる6in1型のものである。筐体88には3つの回路基板162がY軸方向に並んで搭載されている。各回路基板162は、U、V、Wの各主端子86への出力を構成する上下アームをそれぞれ含む。また、それぞれのアームは、図15に示す通り、並列に接続された2つの半導体装置100を有する。
筐体88は、配線パターン166と接続するための中継端子96を有する。配線パターン166と中継端子96とは、配線131により接続される。なお、センスエミッタパッド122、カソードパッド118およびアノードパッド119も、同様の配線131で、配線パターン166に接続されるものとしてよい。また、筐体88は、制御端子99を有する。それぞれの中継端子96は、それぞれの制御端子99と配線139により接続される。配線139は、配線131と異なりワイヤ等でなく、筐体88内部に埋め込まれた金属配線等であってよい。本例において、制御端子99は回路基板162のX軸負側に設けられ、X軸正側には設けられていない。このような配置は、流路方向の他方側すなわち上流側に配置された半導体装置100-2、100-4の検出部108(図20参照)が、制御端子99に接続されないため可能となっている。これにより、制御端子99が接続されるゲート駆動回路等の制御回路172-1、172-2との組付性を向上でき、レイアウト配置を単純化することができる。
制御端子99の数は、中継端子96および配線パターン166の数と同じであってよい。本例においては、半導体装置100-1および半導体装置100-2に対応する配線パターン166および中継端子96が5個設けられ、半導体装置100-3および半導体装置100-4に対応する配線パターン166および中継端子96が5個設けられる。
筐体88の下方には、予め定められた流路方向に冷媒を流す冷却部が配置される。冷却部は底面94の下方に配置されており、図16の上面視においては視認できない位置に配置されている。また、筐体88は、半導体モジュール300を外部の装置に固定するための貫通孔84を有してよい。
図17は、本発明の一つの実施形態に係る半導体モジュール300の背面の一例を示す図である。図17は、図16の上面図をZ軸方向の反対側から、即ち、Z軸負側から正側に見た場合の図である。図17に示す通り、筐体88は冷却部114を有する。冷却部114は、側壁63を有する。冷却部114には、側壁63によって囲まれた空間が設けられる。当該空間に冷媒が流れる。冷却部114には、当該空間において、X軸方向に沿って配置された冷却フィン95が複数設けられてよい。
筐体88は、冷媒を冷却部114に導入するための冷媒導入口97と、冷媒を冷却部114から導出するための冷媒導出口98とを有する。よって、冷媒導出口98に近い一方の側が下流側であり、冷媒導入口97に近い他方の側が上流側である。本例においては、半導体モジュール300は、冷媒導入口97と冷媒導出口98とを1つずつ有するが、冷媒導入口97と冷媒導出口98とをそれぞれ複数有してもよい。
冷媒導入口97と冷媒導出口98とは、X軸方向またはY軸方向に対向する2つの辺上に、それぞれ設けられてよい。本例においては、X軸正側が冷媒導入口97であり、X軸負側が冷媒導出口98である。
図18は、図16および図17におけるC-C'断面の一例を示す図である。C-C'断面は、半導体装置100-1および半導体装置100-2を通るXZ面である。図18に示す通り、筐体88には配線パターン170を有する回路基板162を搭載するための凹部93が設けられている。すなわち、凹部93の底面94に、回路基板162が配置される。回路基板162は、その上方に半導体装置100-1および半導体装置100-2を有してよい。凹部93の深さは、半導体装置100-1、100-2および回路基板162の厚さよりも深くてよい。なお、図18および図19では、半導体装置100-1、100-2を覆うモールド部192の図示を便宜上省略している。
筐体88は、底面94の下方に冷却部114を有する。筐体88は、冷媒導入口97と冷媒導出口98とを有する。C-C'断面は、冷媒導入口97と冷媒導出口98とを通らないので、図18においては、XZ平面内における冷媒導入口97と冷媒導出口98の位置を破線部にて示している。冷媒は、冷却部114の内部をX軸正側から負側に向かって進む。2並列の半導体装置100-1、100-2は、冷媒が流れる方向に対して平行に配置されてよい。
図19は、図16および図17におけるD-D'断面の一例を示す図である。D-D'断面は、半導体装置100-2および半導体装置100-4を通るYZ面である。本例においては、凹部93の底面94に回路基板162がY軸方向に3つ配置される。冷却部114には、冷却フィン95が複数設けられてよい。冷却フィン95は、冷却部114の内部の空間において、当該空間のZ軸方向における下端から上端まで設けられてよい。
冷却部114に冷却フィン95が設けられる場合、冷媒は、隣り合う冷却フィン95の間をX軸方向に進む。このため、冷媒の流路方向は、冷却フィン95の延伸方向(X軸方向)としてよい。冷却部114に冷却フィン95が設けられない場合、冷媒の流路方向は、冷媒導入口97と冷媒導出口98とをつなぐ方向としてよい。
図20は、本発明の一つの実施形態に係る半導体装置100の上面の構造の他の一例を示す図である。半導体モジュール300、400は、当該半導体装置100を有する。図20においては、半導体装置100-1および半導体装置100-2の上面の一例を、それぞれ示している。半導体装置100-1は、半導体モジュール300、400において冷媒の流路方向の一方側(冷媒導出口98側)に設けられる。また、半導体装置100-2は、半導体モジュール300、400において冷媒の流路方向の他方側(冷媒導入口97側)に設けられる。
半導体装置100-1は、活性部120およびエッジ終端構造部90を備える。活性部120には、メイン半導体素子部125とセンス半導体素子部124とが形成される。メイン半導体素子部125には、トランジスタ部70およびダイオード部80が設けられる。本例においては、トランジスタ部70およびダイオード部80はX軸方向に沿って延伸して設けられる。また、本例においては、トランジスタ部70およびダイオード部80は、Y軸方向に交互に設けられる。
半導体装置100-1において、半導体基板10の上面21の上方には、ゲートパッド116、ダミーゲートパッド115および複数の検出パッド126が設けられている。検出パッド126は、一例としてアノードパッド119、カソードパッド118およびセンスエミッタパッド122である。半導体装置100-1において、検出パッド126はX軸方向に対向する端辺の一方側(X軸負側)に設けられ、ゲートパッド116およびダミーゲートパッド115は当該端辺の他方側(X軸正側)に設けられる。なお、半導体基板10に設けられるパッドの個数および種類は、図20に示す例に限定されない。
半導体装置100-1において、半導体基板10の上面21の上方には、センス半導体素子部124が設けられている。本例において、センス半導体素子部124はX軸方向に対向する端辺の一方側(X軸負側)に設けられる。センス半導体素子部124は、センスエミッタパッド122に接続され、センスエミッタパッド122がセンスエミッタ端子(SE)に接続される。
カソードパッド118およびアノードパッド119は、温度検出部110の温度センスダイオードのアノード、カソードにそれぞれ接続されている。ゲートパッド116は、トランジスタ部70のゲート電極と接続されている。ダミーゲートパッド115は、ダミートレンチのスクリーニングに用いるパッドである。
半導体装置100-1は、トランジスタ部70にゲート電圧を供給するゲートランナー50を備える。一例として、ゲートランナー50は半導体基板10の上面21の上方に設けられ、上面21とは層間絶縁膜38で絶縁されている。
ゲートランナー50は、上面視において、半導体基板10の端辺と、各パッドとの間を通って設けられている。本例のゲートランナー50は、ゲートパッド116、カソードパッド118、アノードパッド119およびセンスエミッタパッド122のそれぞれと、これらのパッドに最も近い端辺との間を通って、当該端辺と平行に設けられている。ゲートランナー50は、ゲートパッド116と接続されている。また、ゲートランナー50は、半導体基板10の他の端辺と、活性部120との間において、活性部120を囲むように設けられている。つまり本例のゲートランナー50は、半導体基板10の各端辺に沿って環状に設けられている。
ゲートランナー48は、XY面においてそれぞれのパッドを迂回して、ゲートランナー50と接続されている。ゲートランナー48は、活性部120の上方に設けられてよい。ゲートランナー48は、温度検出部110および温度検出配線112に沿って、X軸方向に平行に設けられてよい。
エッジ終端構造部90は、半導体基板10の上面において、ゲートランナー50と半導体基板10の外周端140との間に設けられる。エッジ終端構造部90は、半導体基板10の上面においてゲートランナー50を囲むように環状に配置されてよい。本例のエッジ終端構造部90は、半導体基板10の外周端140に沿って配置されている。
半導体装置100-1は、検出部108を備える。検出部108は、一例として温度検出部110またはセンス半導体素子部124である。半導体装置100-1は、検出部108に接続される検出パッド126を有する。一方、半導体装置100-2は、検出部108を備えるものの、検出パッド126を有さない。
温度検出部110は、活性部120の上方に設けられる。温度検出部110は、半導体基板10の上面視で、活性部120の中央に設けられてよい。温度検出部110は、所定の長手方向に長手を有する。本例の長手方向はX軸方向であるが、長手方向はX軸方向とは異なっていてもよい。温度検出部110は、1つ以上のトランジスタ部70および1つ以上のダイオード部80に渡って配置されてよい。
温度検出配線112は、活性部120の上方に設けられる。温度検出配線112は、温度検出部110と接続される。温度検出配線112は、半導体基板10の上面21において活性部120の端部まで延伸し、カソードパッド118およびアノードパッド119と接続される。カソードパッド118およびアノードパッド119を介して温度検出部110の電気特性を測定することで、温度検出部110の温度を検出することができる。
本例の温度検出配線112は、アルミニウム(Al)で形成される。温度検出配線112は、アルミニウム(Al)をスパッタリングにより形成してよい。すなわち、温度検出配線112とカソードパッド118を接続する配線および温度検出配線112とアノードパッド119を接続する配線は、アルミニウム(Al)をスパッタリングした後に、スパッタリングした当該アルミニウム(Al)をエッチングすることにより形成してよい。なお、温度検出配線112は、ポリシリコンで形成してもよい。
半導体装置100-2は、半導体装置100-1をX軸方向に反転した構成を有する。半導体装置100-1および半導体装置100-2の活性部120の面積は、同一である。このため、半導体装置100-1および半導体装置100-2の動作時においては、半導体装置100-1および半導体装置100-2には、略同一の電流が流れる。
半導体装置100-1においては、カソードパッド118、アノードパッド119およびセンスエミッタパッド122、並びにセンス半導体素子部124は、X軸方向に対向する端辺の一方側(X軸負側)に配置され、ゲートパッド116が当該端辺の他方側(X軸正側)に配置される。半導体装置100-2においては、検出パッド126は設けられず、ゲートパッド116が当該端辺の一方側(X軸負側)に配置される。
半導体装置100-2において、検出部108としての温度検出部110およびセンス半導体素子部124は内蔵されてよい。すなわち、半導体装置100-1、100-2は、同じチップであってよい。しかし、半導体装置100-2において特に検出パッド126として、センス半導体素子部124に接続されたセンスエミッタパッド122を設け、センスエミッタパッド122を解放した場合には、センス半導体素子部124のゲート電位が不定となり、素子の動作を損なうおそれがある。検出パッド126としてのセンスエミッタパッド122をエミッタ電位に接続することでこのような問題は解消できるが、追加の配線が必要となり、製品の小型化に逆行するおそれがある。このため、本例では、内蔵した温度検出部110およびセンス半導体素子部124から信号の取り出しができないように無効化されていてよい。具体的には、例えば、検出パッド126を設けずに半導体基板10上にエミッタ電極52を被着する際に、これらの検出部108を覆ってしまってよい。また、エミッタ電極52で覆った検出部108の上をポリイミド等の保護膜で被覆してよいし、エミッタ電極52で覆わずにポリイミド等の保護膜で被覆してもよい。
半導体モジュール300、400において、半導体装置100-3は、本例の半導体装置100-1と同じ構成を有する。また、半導体装置100-4は、本例の半導体装置100-4と同じ構成を有する。
図21は、本発明の一つの実施形態に係る半導体回路装置500の模式的な回路図である。図21に示すように、本例の半導体回路装置500は、半導体装置100を備える。半導体装置100は、半導体基板10に設けられたメイン半導体素子部125およびセンス半導体素子部124(図22および図23参照)を有する。メイン半導体素子部125は、トランジスタ部70とダイオード部80とを含む。センス半導体素子部124は、トランジスタ部70と異なる他のトランジスタ部71と、トランジスタ部71よりも内側に配置された、ダイオード部80と異なる他のダイオード部81と、を含む。
また、半導体回路装置500は、センス半導体素子部124の順方向電流および逆方向電流を検出する電流検出回路220と、半導体装置100の温度を検出する温度検出回路210と、逆方向電流の電流の値に応じて信号を出力するゲート駆動回路230とを含む制御回路172を備える。ここで、本例の半導体装置100および制御回路172は、それぞれ上述の説明が適用される。
半導体装置100において、ゲート端子(G)は、ゲートパッド116に相当する。アノード端子(A)は、アノードパッド119に相当し、半導体装置100の外部に設けられる温度検出回路210と接続される。カソード端子(K)は、カソードパッド118に相当し、半導体装置100の外部において接地される。センスエミッタ端子(SE)は、センスエミッタパッド122に相当し、センスエミッタパッド122の下流側には、半導体装置100の外部に設けられる電流検出回路220およびセンス抵抗Rseが並列に接続される。温度検出回路210は、温度検出部110の温度センスダイオードの電圧変化から温度を検出する。例えば、温度センスダイオードは、温度が上昇するほど抵抗が低くなる負の温度特性を有する。電流検出回路220は、センス抵抗Rseの電圧降下を電流に換算し、メイン半導体素子部125とセンス半導体素子部124との面積比からメイン半導体素子部125に流れる電流を検出する。ゲート駆動回路230は、半導体装置100のゲートを駆動する。ゲート駆動回路230は、温度検出回路210からの異常発熱を示す信号、あるいは、電流検出回路220からの過電流を示す信号を受けて、ゲートを遮断する等の保護動作を実施してよい。
図22は、図20におけるセンス半導体素子部124の近傍の拡大図である。図21でも示した通り、本例の一つの特徴は、センス半導体素子部124が、トランジスタ部71とダイオード部81とを有する、いわゆる逆導通型IGBTで構成されている点である。センス半導体素子部124は、上面視でベース領域14よりも不純物濃度が高く、トレンチ部よりも深さが深い第2導電型(P型)のウェル領域11に囲まれている。ここで、本例では、ダイオード部81がトランジスタ部71に囲まれることで、ダイオード部81がトランジスタ部71よりも内側に配置されている。
ダイオード部81は、下面23にカソード領域82が設けられた領域を上面21に投影した領域であってよい。本例においては、ダイオード部81がトランジスタ部71に囲まれているので、ウェル領域11からダイオード部81のカソード領域82へのキャリアの流入を防ぐことができる。なお、センス半導体素子部124におけるトランジスタ部71とダイオード部81との面積比は、図20に示す半導体装置100におけるトランジスタ部70とダイオード部80との面積比と等しくてよい。
図23は、図20におけるセンス半導体素子部124の近傍の他の拡大図である。本例は、ダイオード部81が2つのトランジスタ部71に挟まれている点で、図22に示すセンス半導体素子部124と異なる。ダイオード部80は、下面23にカソード領域82が設けられた領域を上面21に投影した領域であってよい。
センス半導体素子部124において、上面視でトランジスタ部71とダイオード部81以外の領域には、下面23にコレクタ領域22が設けられてよい。本例においては、カソード領域82がウェル領域11から離れていてダイオード部81がトランジスタ部71よりも内側に配置されているので、ウェル領域11からダイオード部81のカソード領域82へのキャリアの流入を防ぐことができる。なお、センス半導体素子部124におけるトランジスタ部71とダイオード部81との面積比は、図20に示す半導体装置100におけるトランジスタ部70とダイオード部80との面積比と等しくてよい。
図24は、図21に示す半導体装置100の電圧Vceと電流Icとの関係を示す図である。図24に示す通り、電圧Vceをゼロから正方向に増加させるとトランジスタ部70、71が動作を開始するので、電圧Vceの増加に伴い、電流Icが正方向に増加する。電圧Vceをゼロから負方向に増加させるとダイオード部80、81が動作を開始するので、電圧Vceの増加に伴い、電流Icが負方向に増加する。
図25は、図21に示す半導体装置100の電流センス特性を示す図である。図25においては、一例としてゲート電圧Vgを15(V)印加した場合、および、印加しない場合(Vg=0(V)の場合)の動作を示している。図25に示す通り、本例の半導体装置100は、センス電圧Vseの正方向の増加に伴い、センス電流Isが正方向に増加する。また、本例の半導体装置100は、センス半導体素子部124を逆導通型IGBTで構成しているので、電圧Vseの負方向の増加に伴い、電流Isが負方向に増加する。また、電圧Vgがゼロの場合においても、電圧Vseの負方向の増加に伴い、電流Isが負方向に増加する。電圧Vgがゼロの場合は、電圧Vgが15Vの場合よりも、電圧Vseの負方向の増加に伴う電流Icの負方向の増加が急峻になる。なお、本例に限らず、センス半導体素子部124は、ダイオード部81を有さずトランジスタ部71のみで構成されてもよい。
図26は、図16に示す半導体モジュール300のうちY軸方向の最も負側に配置される回路基板162の近傍を示す図である。図26においては、冷却部114を流れる冷媒の流路方向を合わせて示している。
配線パターン170-1に配置される半導体装置100-1および半導体装置100-2の活性部120の面積は、同一である。このため、半導体装置100-1および半導体装置100-2の動作時において、半導体装置100-1および半導体装置100-2には略同一の電流が流れ、略同一に発熱する。この発熱を許容温度以下に抑えるために、冷却部114の冷媒導入口97から冷媒導出口98へと冷媒を流すことで冷却を行っている。ここで、上述のように冷媒は冷媒導入口97から冷媒導出口98へと通水されるため、予め定められた流路方向の他方側(X軸正側)に配置された半導体装置100-2、100-4の発熱で温められ、予め定められた流路方向の一方側(X軸負側)に配置された半導体装置100-1、100-3は、冷媒導入口97よりも温まった冷媒で冷却される。ここで、他方側は上流側、一方側は下流側である。したがって、半導体モジュール300、400に搭載される半導体装置100を許容条件内(許容温度内、許容電流内)で使用するためには、下流側に配置された半導体装置100の検出部108のみを監視すればよい。以下、図27を用いて詳細に説明する。
図27は、図26に示す半導体モジュール300における冷媒の温度を、X軸方向における位置ごとに示す図である。図27に示す通り、冷媒導入口97における冷媒の温度を温度T1とする。冷媒の上流側に配置される半導体装置100-2における冷媒の温度を温度T2とする。冷媒の下流側に配置される半導体装置100-1における冷媒の温度を温度T3とする。冷媒導出口98における冷媒の温度を温度T4とする。
冷媒導入口97(図17参照)から導入された冷媒は、半導体装置100-2および半導体装置100-4を冷却するので、この冷却により温度が上昇する。このため、温度T2は温度T1よりも大きい。半導体装置100-2および半導体装置100-4を冷却した冷媒は、次に半導体装置100-1および半導体装置100-3を冷却するので、この冷却により温度がさらに上昇する。このため、温度T3は温度T2よりも大きい。半導体装置100-1および半導体装置100-3を冷却した冷媒は、冷媒導出口98においては半導体装置100が存在しないので、温度が上昇しない。このため、温度T4は温度T3よりも小さい。このため、半導体装置100-1および半導体装置100-3の温度T3を監視することで、それぞれの半導体装置100が過熱状態か否かを判定することができる。半導体装置100-2および半導体装置100-4の温度T2は、監視しなくてよい。
図26の例においては、冷媒の流路方向の一方側(X軸負側)に配置される半導体装置100-1および半導体装置100-3は、過熱状態か否かが監視されるので、検出パッド126(アノードパッド119、カソードパッド118およびセンスエミッタパッド122)が、配線パターン166に接続される。当該配線パターン166は半導体モジュール300の筐体88に設けられる中継端子96と接続され、中継端子96が制御端子99と接続される。これにより、半導体モジュール300の外部から半導体装置100の過熱状態を監視することができる。
冷媒の流路方向の他方側(X軸正側)に配置される半導体装置100-2および半導体装置100-4は、過熱状態か否かが監視されないので、半導体装置100-2および半導体装置100-4の検出部108は無効化されていてよい。具体的には、検出パッド126が設けられていなくてよい。また、半導体装置100-2および半導体装置100-4には検出パッド126が設けられないので、配線パターン166、中継端子96および制御端子99が設けられなくてよい。
本例において、外部配線130-1は半導体装置100-1、100-2と、配線パターン170-2とを接続する。配線パターン170-2は、半導体装置100-1と半導体装置100-2との間に配置される配線パターン169-1と接続され、配線パターン169-1は1つの配線パターン166と接続される。当該1つの配線パターン166は、1つの中継端子96と接続される。また、外部配線130-2は半導体装置100-3、半導体装置100-4と、配線パターン168とを接続する。配線パターン168は、半導体装置100-3と半導体装置100-4との間に配置される配線パターン169-2と接続され、配線パターン169-2は他の1つの配線パターン166と接続される。当該他の1つの配線パターン166は、他の1つの中継端子96と接続される。本例においては、配線パターン169を2つの半導体装置100の間に配置しこれらが中継端子としての役割を担っているので、配線パターン166を冷媒の流路方向の他方側(X軸正側)に配置することができる。
本例の半導体モジュール300は、半導体装置100-2および半導体装置100-4の検出パッド126がないので、これに対応する配線パターン166、中継端子96および制御端子99も設けられない。このため、半導体モジュール300から取り出す制御端子99の数を削減することができ、小型化することができる。
本例の半導体モジュール300では、冷媒の上流側、下流側に配置される1アームの半導体装置100の下流側に、温度検出部110およびセンス半導体素子部124の双方を設けるとしたが、これらのうち片方のみが配置されてもよい。
本例においては、1つのアームに2つの半導体装置100が並列に接続されて配置されているが、3つ以上の半導体装置100が並列に接続されて配置されていてもよい。1つのアームに配置される半導体装置100の数が多くなるほど、制御端子99を冷媒の流路方向の一方側に配置し、他方側に配置しないことによる小型化の効果を大きくすることができる。なお、予め定められた流路方向とは、予め検出部108が無効化された側を上流側、検出部108から信号が取り出される側を下流側としてよい。
図26に示す通り、半導体モジュール300のゲート端子としての配線パターン164は、冷媒の流路方向における半導体装置100-1と半導体装置100-2との間に配置されてよい。半導体装置100-1のゲートパッド116と、半導体装置100-2のゲートパッド116は、それぞれ当該ゲート端子としての配線パターン164に接続されてよい。ゲート端子としての配線パターン164が、冷媒の流路方向における半導体装置100-1と半導体装置100-2との間に配置されることで、半導体装置100-1および半導体装置100-2においてゲート端子を共通化できる。これにより、半導体モジュール300のゲート端子の数を削減することができ、小型化することができる。
ゲート端子としての配線パターン164は、配線137により1つの配線パターン166と接続される。また、当該1つの配線パターン166は、筐体88に設けられた1つの中継端子96と接続される。中継端子96は、配線139により制御端子99と接続される。即ち、2つの半導体装置100には、制御端子99、配線139、1つの中継端子96、配線131、1つの配線パターン166、配線137およびゲート端子164を経由して、ゲート電圧が印加される。
配線131、配線137および配線139は、アルミニウムや銅、金等の金属配線であってよい。配線137は、配線131および配線139よりも太くてよい。配線137は配線131および配線139よりも長いので、配線137は配線131および配線139よりも電流による発熱が大きくなりやすく、断線しやすい。このため、配線137を配線131および配線139よりも太くすることで、配線137の断線を抑制することができる。
半導体装置100-1および半導体装置100-2は、図26に示す通り、一方の半導体装置100-2のゲートパッド116と、他方の半導体装置100-1のゲートパッド116とが、冷媒の流路方向に対向するように配置されてよい。即ち、冷媒の流路方向において、半導体装置100-1のゲートパッド端辺117と、半導体装置100-2のゲートパッド端辺117との間に、ゲート端子としての配線パターン164が配置されてよい。2つの半導体装置100をこのように配置することで、2つの半導体装置100のゲートパッド116とゲート端子としての配線パターン164との配線を短くすることができる。また、2つの半導体装置100に対してゲート端子を共通化しているので、半導体モジュール300を小型化することができる。
なお、上述した実施形態では、制御端子99に接続する配線131を上下(X軸方向)に引き出した構成としたが、この例に限らず、別の配置としてもよい。例えば、半導体装置100から配線131を左右(Y軸方向)に引き出してもよい。また、制御端子99がY軸方向に一列に並ぶ構成とせずともよい。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。