JP7205875B2 - 階段開口部用手摺枠 - Google Patents

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Description

本発明は、階段開口部用手摺枠に関するものであり、より詳細には、楔結合式足場の階段開口部に設置される墜落防止用の手摺枠(手すり枠)に関するものである。
建築物、土木構造物、プラント設備等の建設工事に使用される仮設足場として、枠組足場、単管足場、楔結合式足場等の各種形式の仮設足場が日本国内において広く実用に供されている。一般に、仮設足場は、建枠又は支柱によって作業床を多層構造に積層した構成を有し、各層の作業床の間で作業者等が昇降移動するための昇降用の仮設階段が、仮設足場の適所に配設される。通常は、墜落防止用の階段開口部用手摺枠が、階段開口部の境界帯域に配設される。階段開口部用手摺枠(以下、「階段手摺枠」という。)の構造に関しては、比較的厳格な認定基準が定められている(「仮設工事認定基準とその解説」(非特許文献1))。
枠組足場用の階段手摺枠が、特開2008-231853号公報及び特許第6193637号公報(特許文献1及び2)に記載されている。図6は、枠組足場用の階段手摺枠の構成を概略的且つ概念的に示す平面図である。枠組足場は、床付き布枠等の仮設床材102を建枠103の横架材105によって支持するとともに、仮設階段101を階段開口部Vに設置した構造を有する。階段手摺枠100は、桁側枠120と妻側枠130とを枢動連結機構110において相互連接し、妻側枠130の係止機構131を建枠103の脚柱に係止した構造を有する。桁側枠120は、階段開口部Vの桁側境界域において桁方向に延び、妻側枠130は、階段開口部の妻側境界域において傾斜角θ2(平面視)の方向に延びる。桁側枠120は、布地材160に立設され且つ手摺材を支持する一対の支柱140を有し、妻側枠近傍の支柱140は、枢動連結機構110を介して妻側枠130の基端部を支持する。階段手摺枠100の撤去、運搬、移設等の作業を簡素化すべく、妻側枠130は、破線で示す如く枢動連結機構110を中心に回動し、桁側枠120に沿う格納位置又は退避位置(以下、「格納位置」という。)に変位するように構成される。なお、図6において、枠組足場の外面に設置される手摺又はブレース等は、図示を省略されている。
このような枠組足場用の階段手摺枠100においては、建枠103の補剛材104(破線で示す)が作業通路側に突出するので、妻側枠130を横架材105の直上領域に配置することができず、このため、妻側枠130を桁側枠120に対して平面視鈍角(角度θ1)に連接し、横架材105に対して妻側枠130を傾斜角θ2の方向に配向せざるを得ない。この結果、横架材105と妻側枠130との間に平面視三角形の開口106(クロス・ハッチングで示す)が形成される。特許文献2に記載される如く、この開口106には、落下防止用の三角板が配設される。
他方、楔結合式足場用の階段手摺枠が、特許第6091138号公報(特許文献3)に記載されている。図7は、楔結合式足場用の階段手摺枠の構成を概略的且つ概念的に示す平面図である。楔結合式足場は、床付き布枠等の仮設床材202を腕木205によって支持し、腕木205の端部を支柱203の楔結合式連結部に楔結合した構造を有する。仮設階段201を配設した階段開口部Vには、階段手摺枠200が設置される。階段手摺枠200は、桁側枠220と妻側枠230とを枢動連結機構210によって相互連接した構造を有する。楔結合式足場の支柱203は、作業通路の内側に突出する補剛材等を備えないので、妻側枠230を実質的に腕木205の直上領域に配置し、妻側枠230を桁側枠220に対して実質的に直角(角度θ3)に連接することができる。このため、楔結合式足場用の階段手摺枠では、枠組足場用の階段手摺枠100(図6)のように平面視三角形の開口106(図6)が形成されず、落下防止用三角板(特許文献2)は必要とされない。枠組足場用の階段手摺枠100と同様、階段手摺枠200の撤去時又は移設時等には、破線で示す如く妻側枠230を枢動連結機構210廻りに回動し、桁方向に延びる桁側枠220に沿う格納位置に変位することができる。但し、桁側枠220を構成する布地材260のフック部分(つかみ金具)が枢動連結機構210の直下の領域に位置するので、枢動連結機構210の部分には、枠組足場の支柱140(図6)のような支柱を設けることができない。なお、図7において、楔結合式足場の外面に設置される手摺又はブレース等は、図示を省略されている。
非特許文献1に記載されたとおり、階段手摺枠は、「手すり材の水平移動量試験」によって確認された所要の強度を保有しなければならない。この試験は、図6及び図7に示す水平荷重P(0.4kN)を仮設階段101、201の降り口近傍(最上段近傍)の支柱140、240から距離S(10cm)の位置において手摺に付加し、手摺の「水平移動量が100mm以下であること」を確認する試験である。一般に、水平荷重Pは、階段開口部側から手摺を腕木と平行且つ水平な方向に牽引する牽引力として手摺に加えられる。
特開2008-231853号公報 特許第6193637号公報 特許第6091138号公報
仮設工事認定基準とその解説、第8版(一般社団法人仮設工業会発行)
従来より、仮設工事の資材又は機材(仮設資材又は仮設機材)の多くは、鋼製部材によって製造又は製作されてきたが、近年、仮設足場の設置作業又は解体作業の負担軽減等を企図して、仮設資材又は仮設機材の軽量化が望まれており、このような事情より、仮設資材又は仮設機材をアルミニウム製又はアルミニウム合金製(以下、「アルミ製」という。)の押出成型部材等によって製造又は製作する設計・製造技術が、近年殊に注目されている。例えば、最近の事例では、アルミ製の押出成型部材等を用いて製作した床付き布枠が製品化され、実用化されるに至った。しかしながら、アルミ製の階段手摺枠については、依然として製品化されていない。これは、比較的小径の管材で製作される階段手摺枠をアルミ製の押出成型部材等により製作した場合、階段手摺枠として必要とされる強度を確保し難いことなどに起因するものと想定される。
このような事情より、本発明者等は、楔結合式足場用のアルミ製階段手摺枠を製品化するための研究として、アルミ製の押出成型部材を用いて様々な設計の階段手摺枠を試作し、各種設計の階段手摺枠の強度試験等を実施した。本発明者等の実験によれば、楔結合式足場用の階段手摺枠(図7)の場合、総重量(全体重量)を10kg未満(好ましくは、8kg未満)に軽減すべく、桁側枠の手摺及び支柱を直径40mm未満のアルミ製管材(例えば、直径(外径)34mm、肉厚3.14mm、断面積約300mm2のアルミ製管材)で製作すると、「手すり材の水平移動量試験」において「水平移動量が100mm以下」という強度上の要件を充足し得ないことから、直径40mm以上のアルミ製管材(例えば、直径(外径)42.8mm、肉厚2.4mm、断面積約300mm2のアルミ製管材)で手摺及び支柱を製作しなければならず、この結果、過剰に重厚堅牢な視覚的印象又は意匠的印象を作業者等に与えるだけではなく、比較的太い管材(直径42.8mm)の手摺を手指及び掌で握持し難いといった問題が生じ、他方、桁側枠の手摺及び支柱を直径(外径)を40mm未満に低減し、直径35mm程度で肉厚及び断面積を増大したアルミ製管材を手摺及び支柱の素材として使用すると、階段手摺枠の総重量(全体重量)が増大するという問題が生じた。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、桁側枠及び妻側枠を枢動連結機構によって枢動可能に連結してなる階段手摺枠の手摺及び支柱等を比較的薄肉且つ直径40mm未満のアルミ製管材によって設計し得るように階段手摺枠を構成し、これにより、軽量なアルミ製の階段手摺枠を提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明は、楔結合式仮設足場の階段開口部の桁側境界域に配置された桁側枠と、該階段開口部の妻側境界域に配置された妻側枠と、前記桁側枠及び妻側枠を枢動可能に連結する枢動連結機構と、前記妻側枠の先端部を仮設足場の支柱に係止する係止機構とを有し、前記妻側境界域に位置する仮設足場の腕木に対し、実質的にその直上領域に前記妻側枠を配置し得るように構成されたアルミ製の階段手摺枠であって、
前記桁側枠は、前記腕木によって支承された布地材と、仮設階段の降り口の近傍に配置され、前記布地材に立設された第1支柱と、一端部を第1支柱の上端部に一体的に連結され、第1支柱の上端部又はその近傍から前記枢動連結機構まで水平に延びる手摺と、前記布地材に立設され、上端部を前記手摺の中間部に一体的に連結された第2支柱とを有し、
前記手摺、第1支柱及び第2支柱は、40mm未満且つ30mm以上の外径を有する円形断面のアルミ製管材からなり、
第1及び第2支柱は、第1支柱の軸芯から100mmの間隔を隔てた加力位置において前記腕木と実質的に平行に前記手摺に作用する水平荷重に抗して該水平荷重の反力を分担すべく、900mm以下の間隔を隔てて前記布地材に立設されることを特徴とする階段手摺枠を提供する。
なお、「前記妻側境界域に位置する仮設足場の腕木に対し、実質的にその直上領域に前記妻側枠を配置」は、厳密に腕木の真上に妻側枠を配置した状態のみを意味するものではなく、平面視において腕木の位置と若干ずれていたとしても、落下防止用の三角板を要するような比較的大きな平面視三角形の開口(図6にクロス・ハッチングで示す開口)が形成されないように妻側枠を配置した状態を包含する。
本発明の上記構成によれば、2本の支柱と手摺とによって矩形骨組又はラーメン形骨組が桁側枠の階段降り口近傍に形成される。階段降り口の近傍において手摺に作用する上記水平荷重は、手摺を介して第1及び第2支柱に分散し、各支柱の支点反力で支持される。手摺の水平移動量(水平変位)は、第1及び第2支柱の柱頭部の変位量の合成であり、各支柱の柱頭部の水平変位は、各支柱に作用する応力に実質的に比例すると考えられる。従って、本発明によれば、各支柱に作用する上記水平荷重の応力は、第1支柱のみで水平荷重を支持していた従来の階段手摺枠に比べて、比較的大きく低減し、これに相応して、手摺の水平移動量も比較的大きく低減する。このため、本発明の階段手摺枠においては、40mm未満且つ30mm以上の外径を有する比較的薄肉且つ円形断面のアルミ製管材を手摺、第1支柱及び第2支柱の素材として使用することができる。
好ましくは、上記手摺、第1支柱及び第2支柱は、35mm未満の外径を有するアルミ製管材からなり、第1及び第2支柱は、800mm以下の間隔を隔てて上記布地材に立設される。更に好ましくは、上記手摺、第1支柱及び第2支柱を構成する管材の断面積は、300±40mm2の範囲内、好適には、300±20mm2の範囲内(例えば、290~310mm2)に設定され、階段手摺枠は、10kg未満、好適には、9kg未満、更に好適には、8kg未満の重量に軽量化される。
本発明の好適な実施形態において、第1及び第2支柱は、0.4kNの水平荷重が上記加力位置に作用したときに手摺の水平移動量を100mm以下に制限する剛性を有する。
本発明の上記構成によれば、桁側枠及び妻側枠を枢動連結機構によって枢動可能に連結してなる仮設足場の階段手摺枠を比較的薄肉のアルミ製管材によって製作するとともに、手摺及び支柱を構成するアルミ製管材の直径を40mm未満の寸法に設計し得るように階段手摺枠を構成し、これにより、軽量なアルミ製の階段手摺枠を提供することができる。
図1は、本発明の好適な実施形態に係る階段手摺枠の構成を概略的且つ概念的に示す平面図である。 図2(A)は、妻側枠を格納位置に保持した状態で示す階段手摺枠の斜視図であり、図2(B)は、妻側枠を使用位置に回動した状態で示す階段手摺枠の斜視図である。 図3(A)は、妻側枠を格納位置に保持した状態で示す階段手摺枠の平面図であり、図3(B)は、妻側枠を使用位置に回動した状態で示す階段手摺枠の平面図である。 図4(A)は、妻側枠を格納位置に保持した状態で示す階段手摺枠の側面図であり、図4(B)は、妻側枠を使用位置に回動した状態で示す階段手摺枠の側面図である。 図5は、比較例に係る階段手摺枠の構成を示す斜視図である。 図6は、従来の枠組足場用階段手摺枠の構成を概略的且つ概念的に示す平面図である。 図7は、従来の楔結合式足場用階段手摺枠の構成を概略的且つ概念的に示す平面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態に係る階段手摺枠の構成を概略的且つ概念的に示す平面図である。
楔結合式足場K(以下、「仮設足場K」という。)の構成が概略的に図1に示されている。仮設足場Kは、腕木5の端部を支柱3の楔結合式連結部に楔結合するとともに、床付き布枠等の仮設床材2のフック(つかみ金具)4を腕木5に係止することにより建込まれる。先行手摺、壁つなぎ材、方杖部材等の防護用部材、補強材、補剛材等が仮設足場Kの適所に配設されるが、これら仮設資材又は仮設機材は、図1において図示を省略されている。
図1に示す如く、仮設床材2の敷設省略により階段開口部Vが形成され、階仮設階段1が階段開口部Vに配設される。仮設階段1は、上端のフック7を上層作業床の腕木5に係止し、下端のフック(図示せず)を下層作業床の腕木(図示せず)に係止することにより、階段開口部Vに傾斜状態に設置される。階段開口部Vには、階段手摺枠10が配設される。階段手摺枠10は、階段開口部Vの桁側面に配置されたアルミ製の桁側枠20と、階段開口部Vの妻側面に配置されたアルミ製の妻側枠30とを有する。桁側枠20は、概ね作業床レベルに配置される布地材60を有する。布地材60の各端部に取付けられたつかみ金具61、62が、腕木5に係止する。
桁側枠20及び妻側枠30は、枢動連結機構11によって枢動可能に相互連結される。妻側枠30は、使用において、腕木5の概ね直上の使用位置(直上領域)に配置される。枢動連結機構11は、妻側枠30を桁側枠20に対して実質的に直角(角度θ3)に連接し、妻側枠30の先端部は、係止機構70によって支柱3に係止される。階段手摺枠10は、全体的に平面視L形の形態をなして階段開口部Vの桁側縁部及び妻側縁部に延在する。
妻側枠30は、階段手摺枠10の撤去時又は移設時等に、破線の矢印で示す如く妻側枠30を枢動連結機構11廻りに回動又は枢動して、桁方向に延びる桁側枠20に沿った格納位置(破線で示す)に変位することができる。この状態の階段手摺枠10は、比較的容易に撤去可能且つ搬出可能な平板形態の仮設機材又は仮設資材である。本例の階段手摺枠10の総重量(全体重量)は、8kg以下(約7.5kg)であり、作業者等が単独で容易に移動可能又は搬送可能に軽量化されている。
桁側枠20は、従来の階段手摺枠(図7)と同様、階段の降り口近傍(階段の最上段の近傍)に支柱40を備える。しかしながら、桁側枠20は、従来の階段手摺枠と異なり、支柱40(以下、「第1支柱40」という。)と協働して水平荷重Pに抗する補強用又は補剛用の支柱50(以下、「第2支柱50」という。)を更に有する。ここに、水平荷重Pは、非特許文献1の「手すり材の水平移動量試験」に規定された試験荷重であり、第1支柱40から距離S(10cm)を隔てた加力位置N(図2~図4)において手摺に作用する水平荷重(0.4kN)である。この水平荷重Pは、桁側枠20の構面と直交し、桁側枠20を階段開口部Vの側に傾倒させる方向の牽引力として加力位置Nに付加される。非特許文献1の「手すり材の水平移動量試験」に記載されたとおり、階段手摺枠10は、水平荷重Pが加力位置Nにおいて手摺に作用したときに手摺の水平移動量(変位量)を「100mm以下」に抑制し得る強度又は剛性を保有しなければならない。
図2(A)、図3(A)及び図4(A)は、妻側枠30を格納位置に保持した状態で示す階段手摺枠10の斜視図、平面図及び側面図である。図2(B)、図3(B)及び図4(B)は、妻側枠30を使用位置に回動した状態で示す階段手摺枠10の斜視図、平面図及び側面図である。
第1支柱40は、階段の降り口近傍において布地材60に鉛直に立設される。第1支柱40の上端は、湾曲管22の一端(下端)に一体的に連接する。湾曲管22の他端(上端)は、手摺21の一端に一体的に連接する。湾曲管22は、半径r=約150mm(図4)の弧状管体である。手摺21は、湾曲管22の上端から枢動連結機構11まで水平に延在する。補強用又は補剛用の第2支柱50は、第1支柱40から水平距離L3を隔てた位置において布地材60に鉛直に立設される。第2支柱50の上端部は、手摺21の中間部に一体的に連結される。
図3に示す如く、中桟23、24が、支柱40、50及び鉛直補剛材25によって手摺21の直下で水平に支持される。鉛直補剛材25の下端は、布地材60に一体的に連結され、鉛直補剛材25の上端は、中桟24に一体的に連結される。本例において、手摺20の高さH1、中桟23、24の高さH2および布地材60の高さH3は、仮設足場Kの各層(各階)の水平構面レベル(腕木5の中心軸線X1、X2のレベル)に対し、H1=950mm、H2=450mm、H3=50mmに設定される。
前述のとおり、布地材60の各端部に取付けられたつかみ金具61、62が腕木5に係止し、少なくとも一方のつかみ金具(本例では、つかみ金具61)は、重力式セルフロック機構を有する外れ止め(可動爪)63を備える。本例において、腕木5の中心軸線X1、X2は、約1820mmの水平距離L1を隔てており、第1支柱40は、中心軸線X1から400~450mmの水平距離L2を隔てた位置に配置される。また、第2支柱50は、第1支柱40から700~750mmの水平距離L3を隔てた位置に配置され、第2支柱50と加力位置Nとの間の水平距離L4は、600~650mmに設定される。本発明において、水平距離L3は、好ましくは900mm以下(200mm以上)、更に好ましくは、800mm以下に設定され、水平距離L4は、好ましくは800mm以下(100mm以上)、更に好ましくは、700mm以下に設定される。好適には、L3/(L1-L2)の比は、0.3~0.6の範囲内に設定される。
布地材60を除く桁側枠20の各構成要素(手摺21、湾曲管22、中桟23、24、補剛材25、支柱40、50)は、真円(正円)形断面を有する直径(外径)34mm、肉厚3.15mm、断面積約300mm2のアルミ製管材からなり、布地材60は、真円(正円)形断面を有する直径(外径)42.8mm、肉厚2.40mm、断面積約300mm2のアルミ製管材からなる。アルミ製管材同士は、溶接等の固着手段により一体的に連結される。手摺21及び中桟24の端部に配置された枢動連結機構11は、このような一体構造の桁側枠20に対して妻側枠30を枢動可能に連結する。枢動連結機構11は、手摺21及び中桟24に取付けられた鉛直枢軸12、13を有する。鉛直枢軸12、13は夫々、妻側枠30の手摺31及び中桟32の各基端部を貫通し、鉛直な枢動軸線Zを中心に妻側枠30を回動可能又は枢動可能に支承する。
妻側枠30は、手摺31及び中桟32の各基端部を相互連結する鉛直補剛材33と、手摺31及び中桟32の各先端部を相互連結する湾曲補剛材34とを有する。手摺31、中桟32及び補剛材33、34も又、真円(正円)形断面を有する直径(外径)34mm、肉厚3.15mm、断面積約300mm2のアルミ製管材からなり、溶接等の固着手段により一体的に相互連結される。
妻側枠30は、手摺31を支柱3に係止するための係止装置70を備える。係止装置70は、手摺31の先端部に配置された保持具71と、保持具71に入れ子式に支持された伸縮管72と、伸縮管72の先端部から下方に屈曲して延びる延出板73と、延出板73の下端部に配置された支軸74と、支軸74に回転可能に支持された取付金具75とから構成される。図2(A)、図3(A)及び図4(A)に示す非使用時の状態(格納位置)では、取付金具75の先端弧状部が第2支柱50の外周面に係合し、保持具71及び取付金具75の各固定具76、77が取付金具75の位置を保持するように伸縮管72及び取付金具75を拘束する。
固定具76、77を解放して取付金具75と第2支柱50との係合を解き、枢動軸線Zを中心に妻側枠30を全体的に約90度回動した状態が、図2(B)、図3(B)及び図4(B)に示されている。この状態では、取付金具75は、支柱3(図1)を囲繞するように支柱3に係合又は係止することができる。伸縮管72及び取付金具75の位置を調整して取付金具75を支柱3に係合させ、固定具76、77によって伸縮管72及び取付金具75の位置を固定すると、妻側枠30を図1に示す位置(使用位置)に保持することができる。図3(B)に示す如く、使用位置の妻側枠30は、必ずしも腕木5(破線で示す)の真上に位置しておらず、若干ずれた位置に位置しているが、落下防止用の三角板を要するような平面視三角形の開口(図6にクロス・ハッチングで示す開口)は形成されず、従って、使用位置の妻側枠30は、「実質的に前記腕木の直上領域」(請求項1)に位置する。
かくして階段開口部Vに設置された階段手摺枠10は、腕木4による布地材60の支承と、仮設足場Kの支柱3に対する取付金具75の係止又は係合とによって支持される。本発明者等は、図2~4に示す階段手摺枠10に関し、「手すり材の水平移動量試験」を実施するとともに、第2支柱50を備えない階段手摺枠EX(図5)を比較例として試作し、階段手摺枠EXに関し、「手すり材の水平移動量試験」(非特許文献1)を実施した。
図5は、比較例に係る階段手摺枠EXの構成を示す斜視図である。階段手摺枠EXは、手摺20と同等の全長を有する中桟80を有し、第2支柱50に換えて鉛直補剛材90を備えており、階段手摺枠EXは、この点において、図1~図4に示す階段手摺枠10と相違する。鉛直補剛材90は、真円(正円)形断面を有する直径(外径)34mm、肉厚3.15mm、断面積約300mm2のアルミ製管材からなる。鉛直補剛材90の下端は、中桟80に固着され、鉛直補剛材90の上端は、手摺21に固着される。階段手摺枠EXの他の構成又は構造は、各管材の材質、直径、肉厚、断面積等を含め、階段手摺枠10と同一である。
本発明者等は、階段手摺枠10及び階段手摺枠EXを仮設足場Kに夫々設置し、0.4kNの水平荷重Pを加力位置Nに付加し、階段手摺枠10、EXの各々について、手摺21の水平移動量(変位量)を測定した。階段手摺枠10(本実施形態)の測定結果は、87~89mmであり、従って、階段手摺枠10では、手摺21の水平移動量を「100mm以下」に抑制し得た。これに対し、階段手摺枠EX(比較例)の測定結果は、105~109mmであり、階段手摺枠EXでは、手摺21の水平移動量を「100mm以下」に抑制できなかった。従って、階段手摺枠10は、階段手摺枠の認定基準を充足し得るのに対し、階段手摺枠EXは、階段手摺枠の認定基準を充足し得ないことが判明した。これは、階段手摺枠10では、水平荷重Pの支点反力が第1支柱40及び第2支柱50の双方によって得られ、水平荷重Pの応力が第1支柱40及び第2支柱50に分散する結果、手摺21の水平変位を十分に低減し得たのに対し、階段手摺枠EXでは、水平荷重Pの支点反力を実質的に第1支柱40の反力のみに依存し、従って、水平荷重Pの全応力が実質的に第1支柱40に作用することから、手摺21の水平変位が比較的大きく顕れたことを意味する。
以上説明したとおり、本発明に係る階段手摺枠10は、桁側枠20、妻側枠30、枢動連結機構11、布地材60及び係止機構70を有し、妻側枠30は、実質的に腕木5の直上の領域に配置され、桁側枠20は、手摺21を支持する第1及び第2支柱40、50を有する。手摺21、第1支柱40、第2支柱50及び布地材60は、互いに一体的に連結された円形断面のアルミ製管材からなり、手摺21、第1支柱40及び第2支柱50の直径(外径)は、40mm未満且つ30mm以上の寸法(上記実施形態では、34mm)に設定される。第1支柱40は、仮設階段1の降り口近傍において布地材60に立設され、第2支柱50は、第1支柱40から900mm以下の間隔(水平距離L3)を隔てて布地材60に立設される。水平荷重Pは、第1及び第2支柱40、50の間において手摺21に作用し、水平荷重Pに対する反力は、各支柱40、50の柱脚に夫々作用し、従って、各支柱40、50は夫々、水平荷重Pの反力を分担する。手摺21の水平変位は、各支柱40、50の柱頭部分の水平変位の合成であり、各支柱40、50の水平変位は、各支柱40、50に作用する応力に実質的に比例するので、(第1支柱40だけでなく、第2支柱50によっても応力を負担するように構成された)階段手摺枠10の構成によれば、手摺21の水平移動量(水平変位)を低減又は抑制することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能である。
例えば、階段手摺枠の各部構造については、本発明に適合する限りにおいて、従来の任意の形態、寸法又は設計等を適宜採用することができる。
また、本発明が適用される楔結合式足場は、特定の方式に限定されるものではなく、本発明は、例えば、支柱又は支柱材に楔結合式フランジ(又は鍔)を備えた方式、楔結合式の支柱ポケット(又は支柱ボックス)を支柱又は支柱材に備えた方式等、任意の方式の楔結合式足場に適用することができる。
更に、所望により、腕木間隔に相応して桁側枠の全長(水平距離L1)を調節するための長さ調節機構を階段手摺枠に設けても良く、このような設計においては、第2支柱の剛性は、階段手摺枠の強度を確保する上で更に顕著に機能すると考えられる。
また、上記実施形態では、妻側枠の係止装置は、格納位置において第2支柱に係止し、従って、第2支柱は、妻側枠を格納位置に保持する妻側枠保持手段としても機能しているが、第2支柱とは別の部材によって妻側枠保持手段を構成しても良い。
本発明は、建築・土木工事等において使用される楔結合式足場において、階段開口部に設置される墜落防止用の手摺枠に適用される。本発明によれば、桁側枠及び妻側枠を枢動連結機構によって枢動可能に連結してなる仮設足場の階段手摺枠の材料として比較的薄肉のアルミ製管材を使用するとともに、手摺及び支柱を構成するアルミ製管材の直径を40mm未満の寸法に設計することができるので、軽量なアルミ製の階段手摺枠を好適に製造又は製作することが可能となる。殊に、本発明は、10kg未満(例えば、8kg程度)の階段手摺枠の製造又は製作を可能にするので、その実用的価値は、顕著である。
1 仮設階段
2 仮設床材
3 支柱(楔結合式足場の支柱)
5 腕木
10 階段手摺枠
11 枢動連結機構
20 桁側枠
21 手摺
22 湾曲管
23、24 中桟
25 鉛直補剛材
30 妻側枠
40 第1支柱
50 第2支柱
60 布地材
61、62 つかみ金具
70 係止装置
K 楔結合式足場
V 階段開口部
N 加力位置
P 水平荷重

Claims (6)

  1. 楔結合式仮設足場の階段開口部の桁側境界域に配置された桁側枠と、該階段開口部の妻側境界域に配置された妻側枠と、前記桁側枠及び妻側枠を枢動可能に連結する枢動連結機構と、前記妻側枠の先端部を仮設足場の支柱に係止する係止機構とを有し、前記妻側境界域に位置する仮設足場の腕木に対し、実質的にその直上領域に前記妻側枠を配置し得るように構成されたアルミ製の階段手摺枠であって、
    前記桁側枠は、前記腕木によって支承された布地材と、仮設階段の降り口の近傍に配置され、前記布地材に立設された第1支柱と、一端部を第1支柱の上端部に一体的に連結され、第1支柱の上端部又はその近傍から前記枢動連結機構まで水平に延びる手摺と、前記布地材に立設され、上端部を前記手摺の中間部に一体的に連結された第2支柱とを有し、
    前記手摺、第1支柱及び第2支柱は、40mm未満且つ30mm以上の外径を有する円形断面のアルミ製管材からなり、
    第1及び第2支柱は、第1支柱の軸芯から100mmの間隔を隔てた加力位置において前記腕木と実質的に平行に前記手摺に作用する水平荷重に抗して該水平荷重の反力を分担すべく、900mm以下の間隔を隔てて前記布地材に立設されることを特徴とする階段手摺枠。
  2. 前記手摺、第1支柱及び第2支柱は、35mm未満の外径を有するアルミ製管材からなり、第1及び第2支柱は、800mm以下の間隔を隔てて前記布地材に立設されることを特徴とする請求項1に記載の階段手摺枠。
  3. 第1及び第2支柱は、0.4kNの前記水平荷重が前記加力位置に作用したときに前記手摺の水平移動量を100mm以下に制限する剛性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の階段手摺枠。
  4. 10kg未満の総重量に軽量化されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の階段手摺枠。
  5. 前記手摺、第1支柱及び第2支柱を構成するアルミ製管材の断面積は、260~340mm2の範囲内に設定されることを特徴とする請求項4に記載の階段手摺枠。
  6. 前記手摺、第1支柱及び第2支柱を構成するアルミ製管材の断面積は、280~320mm2の範囲内に設定され、総重量8kg未満に軽量化されていることを特徴とする請求項5に記載の階段手摺枠。
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