JP3899298B2 - 仮設階段用踊り場 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、仮設足場や法面の昇降用に用いられる仮設階段を複数基連設する際に、仮設階段途中に設置する仮設階段用踊り場に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建築現場などに組み上げられる仮設足場の上下階や、山などを切り拓いた際の法面などの段差を作業者が昇降するのに仮設階段が設置されているが、仮設足場が何段にも組み上げられているような場合や、法面の段差が大きいような場合には、複数基の仮設階段を連続的に設置することがある。このとき、特に法面などにおいては、必然的に仮設階段を設置する方向が決まってくるため、各仮設階段同士は一直線状に連設されて一本の長大な階段が形成されることとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、階段を一直線状の長大なものとして設置した場合、作業者がそこを下る際には少なからず恐怖感を憶えることが予想される。また、万一、作業者が足を滑らせたりして階段を転げ落ちた際には、最悪の場合、一気に何十段もの階段を止まることなく落ち続けることにもなりかねず、作業安全上改善の余地があった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑み、工事現場や山などの法面に設置する仮設階段の途中に簡単に設置できる仮設階段用踊り場を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決するために、請求項1記載の仮設階段用踊り場にあっては、工事現場や山などの法面に設置する仮設階段用踊り場であって、法面上に配置した鋼管に係止させて固定する係止金具を両端に固着した一対の平行な傾斜支柱を横架材にて連結し、該横架材に踊り場用の床板の一端を回動自在に軸着すると共に、前記床板を傾斜支柱に対して任意の角度にて支持する支持手段を備えたことを特徴としている。
【0006】
また、請求項2記載の仮設階段用踊り場にあっては、工事現場や山などの法面に設置する仮設階段用踊り場であって、法面上に配置した鋼管に係止させて固定する係止金具を両端に固着した一対の平行な傾斜支柱を横架材にて連結する一方、踊り場用の床板の一端にも係止金具を固着し、該係止金具を前記横架材に揺動自在に係止させると共に、前記床板を傾斜支柱に対して任意の角度にて支持する支持手段を備えたことを特徴としている。
【0007】
また、請求項3記載の仮設階段用踊り場にあっては、工事現場や山などの法面に設置する仮設階段用踊り場であって、法面上に配置した鋼管に係止させて固定する係止金具を両端に固着した一対の平行な傾斜支柱を横架材にて連結し、前記傾斜支柱の長手方向に沿って係止金具係止用の係止受具を複数対備える一方、踊り場用の床板の一端にも係止金具を固着し、該係止金具を前記係止受具のうちから任意に選択した係止受具に揺動自在に係止させると共に、前記床板を傾斜支柱に対して任意の角度にて支持する支持手段を備えたことを特徴としている。
【0008】
また、請求項4記載の仮設階段用踊り場にあっては、前記床板の幅は、前記横架材の長さよりも若干短いものとし、床板の係止金具の係止を解除して折り畳むことにより、床板を傾斜支柱内に収納可能に構成したことを特徴としている。
【0009】
また、請求項5記載の仮設階段用踊り場にあっては、前記支持手段は、床板に支持材の一端を回動自在に軸着する一方、傾斜支柱には長手方向に沿って角度調整用の長孔を穿設し、前記支持材の他端を長孔に挿入した締結用ボルトにて締結固定するように構成したものであることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る請求項1記載の仮設階段用踊り場によれば、例えば、法面などに複数基の仮設階段を連続して設置する場合、仮設階段を適宜数連設した後、最上部の仮設階段の側方に適宜配置した鋼管に踊り場の傾斜支柱両端部の係止金具を係止して固定する。次に、踊り場用の床板を手にとって回動させて水平となるように調整し、支持材によって支持固定する。そして、この踊り場の上方へ再び仮設階段を設置して所定長さの仮設階段を構築するのである。
【0011】
このように、仮設階段用踊り場は適宜配設した鋼管に係止するだけで簡単に設置でき、また、床板は回動させて水平に調整できるので、法面の勾配の程度に関係なく踊り場を構築できる。更に、仮設階段に踊り場を適宜設置することによって一直線上の長い仮設階段と違って作業者の恐怖心も弱まり、万一、作業者が足を滑らせて階段を転げても落ちたとしても途中の踊り場にて止まって重大事故を未然に防げ、作業安全面において非常に有益なものとなる。
【0012】
また、請求項2記載の仮設階段用踊り場によれば、床板と傾斜支柱との連結部を軸着せずに係止金具にて連結するようにしたので、折り畳みが可能となって取り扱い容易なものとなる。
【0013】
また、請求項3記載の仮設階段用踊り場によれば、床板と傾斜支柱との係止箇所を任意に選択でき、これによって床板が傾斜支柱に対してとりうる角度がより広範囲となるため、法面などの勾配の程度にかかわらずどのような傾斜箇所にでも設置できる。
【0014】
また、請求項4記載の仮設階段用踊り場によれば、床板の係止金具の傾斜支柱に対する係止を解除すれば容易に折り畳むことができ、その際には床板は傾斜支柱内に収納されるため、運搬や保管するのに都合が良い。
【0015】
また、請求項5記載の仮設階段用踊り場によれば、長孔に挿入した締結用ボルトの締緩操作によって容易に床板を水平に調整して支持できる。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1中の1は本発明に係る仮設階段用踊り場であって、傾斜支柱2と、作業者などが実際に通行する階段の踊り場部分となる床板3、及び該床板3を前記傾斜支柱2に支持させる支持手段4から成っている。
【0018】
前記傾斜支柱2は、断面略コ字形状のアルミ材であって、その両端に係止金具5を固着している。そして、この傾斜支柱2を所定間隔をおいて一対平行に配設し、横架材6にて連結している。7a、7b、7cは係止金具係止用の係止受具であって、傾斜支柱2の内方に対で、かつ適宜間隔にて複数配置している。
【0019】
前記床板3は、方形状のアルミ製の板材であって、その一端に係止金具8を固着し、該係止金具8を法面の勾配に応じて前記係止受具7a、7b、7cのうちから任意に選択した係止受具7a、7b、7cに揺動自在に係止させるようにしており、床板3の傾斜支柱2に対してとりうる角度を広範囲なものとしている。なお、係止受具7a、7b、7cに代えて横架材6を複数配設し、これらの横架材6のうちから任意に選択した横架材6に床板3の係止金具8を係止させるようにしても良い。
【0020】
また、床板3の横幅は横架材6の長さよりも若干短いものとしており、踊り場を解体するときには、係止金具8の係止受具7a、7b、7cへの係止を解除した後、床板3を図1中の矢印方向へ回動させて折り畳めば、図3に示すように、床板3を傾斜支柱2内に収納可能としており、運搬や保管に便利なようにしている。
【0021】
また、床板3の係止金具8を固着した側と対向する一端側には着脱自在な手摺枠9を立設しており、踊り場設置時に通行する作業者の安全を図る一方、解体時には容易に取り外せて嵩張らないようにしている。
【0022】
前記支持手段4は、床板3を傾斜支柱2に対して任意の角度にて支持可能なものであり、その形態としては様々なものが考えられるが、その一例として本実施例においては、図4または図5にて詳細に示すように、傾斜支柱2の側面に長手方向に沿って角度調整用の長孔10を穿設すると共に、該長孔10と同一形状の長孔に所定間隔で丸形透孔を穿設したボルト固定板11を前記長孔10に重ね合わせて固着し、締結用ボルト12の太径部13を嵌め入れる窪み14を長孔10に沿って複数形成している。
【0023】
また、床板3の側面には床板3を傾斜支柱2へ支持するための支持材15の一端を軸体16にて回動自在に軸着している一方、支持材15の他端を前記長孔10に挿入した締結用ボルト12に螺着しており、該締結用ボルト12を締緩操作し、締結用ボルト12の太径部13を嵌め入れる窪み14を適宜変更操作することにより、床板3を傾斜支柱2に対して容易に任意の角度に調整できるようにしている。
【0024】
しかして、図6に示すように、仮設階段用踊り場1を連設する仮設階段間に設置する場合には、先ず、仮設階段Aの側方に仮設階段用踊り場1を平行に配置し、法面上に適宜配置した鋼管Pに傾斜支柱2両端に備えた係止金具5を係止させて固定する。次に、支持材15を固定した締結用ボルト12を緩めて、ボルトの太径部13を窪み14より離脱させ、締結用ボルト12を長孔10に沿って摺動自在な状態にした後、床板3の係止金具8を係止受具7a、7b、7cのうちから法面の勾配に応じて任意に選択した係止受具(図6中では7a)に係止させる。なお、床板3の係止金具8を係止させる係止受具は、法面の勾配がより急な状態のときは係止受具7b、更に急な状態のときは係止受具7cを選択するようにする。
【0025】
続いて、床板3を手にとって水平となるように回動させる。このとき、床板3の回動に伴って支持材15も連動して動くと共に、支持材15の一端を螺着した締結用ボルト12も長孔10に沿って摺動する。そして、床板3が水平になれば、締結用ボルト12の太径部13を適当な窪み14に嵌め入れた後、締結用ボルト12を締め付けて支持材15を固定し、踊り場となる床板3を水平な状態で固定支持する。最後に、床板3の周囲に手摺枠9を立設し、階段用の踊り場の設置を完了する。この仮設階段用踊り場1の上方には再び仮設階段Bを設置して所望長さの仮設階段を構築していく。
【0026】
このように、法面などに複数基の仮設階段を連設して長大な階段を構成するときには、本発明の仮設階段用踊り場1を適宜間隔で途中に介在させることによって一直線状の長大な階段となるのを抑制できると共に、法面などの勾配の程度にかかわらず確実に水平な踊り場を提供することができ、作業安全面において非常に好適な階段とすることが可能となる。
【0027】
また、仮設階段用踊り場1は、法面の状態や障害物などの存在によって仮設階段を直線的に設置できない場合にも好適に対処することができ、例えば、障害物などが特に大きいような場合には、障害物の大きさに応じて複数の仮設階段用踊り場1を並設し、上下位置の仮設階段A、Bとを、図7に示すように配置すれば好適に対応することができる。
【0028】
なお、本実施例においては、床板3の係止金具8を係止受具7a、7b、7cに係止させるようにしたが、傾斜支柱2の横架材6へ係止させるようにしても良い。このとき、横架材6を複数備えるようにして、図1の係止受具7a、7b、7cと同位置に配置すると、床板3が傾斜支柱2に対してとりうる角度を図1のものと同様のものとすることができる。
【0029】
また、本実施例においては、床板3と傾斜支柱2とを係止金具8にて揺動自在に係止させるようにしたが、ごくシンプルに、図8に示すように、床板3の一端を傾斜支柱2の横架材6へ回動自在に軸着させるようにしても良い。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る請求項1記載の仮設階段用踊り場によれば、工事現場や山などの法面に設置する仮設階段用踊り場であって、法面上に配置した鋼管に係止させて固定する係止金具を両端に固着した一対の平行な傾斜支柱を横架材にて連結し、該横架材に踊り場用の床板の一端を回動自在に軸着すると共に、前記床板を傾斜支柱に対して任意の角度にて支持する支持手段を備えたので、仮設階段用踊り場は適宜配置した鋼管に係止するだけで簡単に設置できる。また、床板は回動させて水平に調整できるので、法面の勾配の程度に関係なく設置でき、作業安全上に好ましい階段を構築できる。
【0031】
また、請求項2記載の仮設階段用踊り場によれば、工事現場や山などの法面に設置する仮設階段用踊り場であって、法面上に配置した鋼管に係止させて固定する係止金具を両端に固着した一対の平行な傾斜支柱を横架材にて連結する一方、踊り場用の床板の一端にも係止金具を固着し、該係止金具を前記横架材に揺動自在に係止させると共に、前記床板を傾斜支柱に対して任意の角度にて支持する支持手段を備えたので、踊り場の折り畳みができて取り扱いが容易になる。
【0032】
また、請求項3記載の仮設階段用踊り場によれば、工事現場や山などの法面に設置する仮設階段用踊り場であって、法面上に配置した鋼管に係止させて固定する係止金具を両端に固着した一対の平行な傾斜支柱を横架材にて連結し、前記傾斜支柱の長手方向に沿って係止金具係止用の係止受具を複数対備える一方、踊り場用の床板の一端にも係止金具を固着し、該係止金具を前記係止受具のうちから任意に選択した係止受具に揺動自在に係止させると共に、前記床板を傾斜支柱に対して任意の角度にて支持する支持手段を備えたので、床板と傾斜支柱との係止箇所を任意に選択でき、これによって床板が傾斜支柱に対してとりうる角度がより広範囲となるため、法面などの勾配の程度にかかわらずどのような傾斜箇所でも設置できる。
【0033】
また、請求項4記載の仮設階段用踊り場によれば、前記床板の幅は、前記横架材の長さよりも若干短いものとし、床板の係止金具の係止を解除して折り畳むことにより、床板を傾斜支柱内に収納可能に構成したので、運搬や保管するのに都合が良い。
【0034】
また、請求項5記載の仮設階段用踊り場によれば、前記支持手段は、床板に支持材の一端を回動自在に軸着する一方、傾斜支柱には長手方向に沿って角度調整用の長孔を穿設し、前記支持材の他端を長孔に挿入した締結用ボルトにて締結固定するように構成したものであるので、長孔に挿入した締結用ボルトの締緩操作によってごく簡単に床板を水平状態に支持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る仮設階段用踊り場の一実施例を示す正面図である。
【図2】図1の側面図である。
【図3】仮設階段用踊り場を折り畳んだ状態を示す図である。
【図4】図1の要部拡大図である。
【図5】図4のX矢視図である。
【図6】本発明に係る仮設階段用踊り場の設置例を示す説明図である。
【図7】図6の別の設置例を示す説明図である。
【図8】別の実施例を示す図1に相当する図である。
【符号の説明】
1…仮設階段用踊り場 2…傾斜支柱
3…床板 4…支持手段
5、8…係止金具 6…横架材
10…長孔 12…締結用ボルト
15…支持材

Claims (5)

  1. 工事現場や山などの法面に設置する仮設階段用踊り場であって、法面上に配置した鋼管に係止させて固定する係止金具を両端に固着した一対の平行な傾斜支柱を横架材にて連結し、該横架材に踊り場用の床板の一端を回動自在に軸着すると共に、前記床板を傾斜支柱に対して任意の角度にて支持する支持手段を備えたことを特徴とする仮設階段用踊り場。
  2. 工事現場や山などの法面に設置する仮設階段用踊り場であって、法面上に配置した鋼管に係止させて固定する係止金具を両端に固着した一対の平行な傾斜支柱を横架材にて連結する一方、踊り場用の床板の一端にも係止金具を固着し、該係止金具を前記横架材に揺動自在に係止させると共に、前記床板を傾斜支柱に対して任意の角度にて支持する支持手段を備えたことを特徴とする仮設階段用踊り場。
  3. 工事現場や山などの法面に設置する仮設階段用踊り場であって、法面上に配置した鋼管に係止させて固定する係止金具を両端に固着した一対の平行な傾斜支柱を横架材にて連結し、前記傾斜支柱の長手方向に沿って係止金具係止用の係止受具を複数対備える一方、踊り場用の床板の一端にも係止金具を固着し、該係止金具を前記係止受具のうちから任意に選択した係止受具に揺動自在に係止させると共に、前記床板を傾斜支柱に対して任意の角度にて支持する支持手段を備えたことを特徴とする仮設階段用踊り場。
  4. 前記床板の幅は、前記横架材の長さよりも若干短いものとし、床板の係止金具の係止を解除して折り畳むことにより、床板を傾斜支柱内に収納可能に構成したことを特徴とする請求項2または3記載の仮設階段用踊り場。
  5. 前記支持手段は、床板に支持材の一端を回動自在に軸着する一方、傾斜支柱には長手方向に沿って角度調整用の長孔を穿設し、前記支持材の他端を長孔に挿入した締結用ボルトにて締結固定するように構成したものであることを特徴とする請求項1乃至4記載の仮設階段用踊り場。
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