JP2018145783A - パイプサポート支承具、支承構造及び支承方法 - Google Patents

パイプサポート支承具、支承構造及び支承方法 Download PDF

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Nobuo Sugiyama
信夫 杉山
昌史 鈴木
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Abstract


【課題】パイプサポート支承用の水平支保工や、水平支保工を支持するジャッキ等の設置を省略し、仮設資材の部品点数を削減や、型枠支保工の施工の省力化を図る。
【解決手段】型枠支保工(1)は、枠組式又は楔結合式の型枠構台(2)と、型枠構台上に立設されたパイプサポート(4)とを有する。パイプサポートは、パイプサポート支承具(10)によって型枠構台の支柱(22,50)の直上に立設され、或いは、梁枠(60,70)を介して型枠構台の支柱に支持される。パイプサポートの鉛直荷重(P)は、直下の支柱に直に伝達し、或いは、梁枠を介して支柱に伝達する。
【選択図】図11

Description

本発明は、パイプサポート支承具、支承構造及び支承方法に関するものであり、より詳細には、建築・土木工事等のコンクリート打設工程においてコンクリート打設用のパイプサポート式型枠支保工を枠組式又は楔結合式の型枠構台又は型枠受け台によって支持するためのパイプサポート支承具、支承構造及び支承方法に関するものである。
建築・土木工事等において梁、床スラブ、屋上スラブ、人工地盤、橋梁、バルコニー、庇等の水平部材のコンクリートを打設するコンクリート打設工程では、流動性コンクリート又は未硬化コンクリートを打設するコンクリート打設空間を画成して、硬化後のコンクリートの下面及び側面等を成形するためのコンクリート工事用の型枠が使用される。一般に、型枠は、コンクリートに直に接してコンクリートの重量及び側圧等に耐えるせき板、せき板を支持する型枠支保工、せき板及び型枠支保工の各構成部材を緊結又は緊締するクランプ、フォームタイ(登録商標)、セパレータ等の締付具又は緊締具等から構成される。
型枠支保工として、パイプサポート式(垂直支柱式)型枠支保工、枠組式型枠支保工、或いは、楔結合式型枠支保工等が知られている。パイプサポート式型枠支保工は、特許文献1及び2(特開2012−167442号公報、特開2015−218557号公報)等に記載される如く、パイプサポートを垂直支柱として適当な間隔で建込み、パイプサポートの上端部で大引き部材、ビーム材、根太等の水平支保工や、せき板等を支持する構成のものである。パイプサポート式型枠支保工は、最も汎用的又は慣用的な型枠支保工として広く実用に供されている。また、枠組式型枠支保工及び楔結合式型枠支保工は、特許文献3(特開平9−184307号公報)等に記載される如く、枠組足場又は楔足場として一般に使用される建枠、或いは、楔足場用支柱等を使用して所要の高さの骨組式構造体を構築し、この構造体の上端部で水平支保工や、せき板等を支持する構成のものである。
一般に、パイプサポートの全長は、約4m以下であるが、多くの建築物の階高は、4m程度に設計されるので、多くの型枠支保工では、4m以下のパイプサポートをコンクリート施工済の階(下階)の床に立設して、上階の床又は梁のせき板を支持することができる。他方、階高を5m以上に設計した建築物や、階段室等の如く比較的階高が高い建築空間を施工する場合には、2本のパイプサポートを直列に連結してなる2連のパイプサポートを下階の床面に立設して上階の床又は梁のせき板を支持する施工法が一般に採用される。また、エベータシャフトや、玄関ロビーの吹抜け空間等の如く、上層階の床又は梁が下階の床面から7mを超えるような建築空間においては、2連のパイプサポート支保工によっても対応できず、3本のパイプサポートを直列に連結した垂直支柱は、現状では、許容されていないので、枠組式型枠支保工又は楔結合式型枠支保工からなる枠組式又は楔結合式の型枠構台又は型枠受け台(以下、「型枠構台」という。)を下階の床上に構築し、型枠構台上にパイプサポートを立設した複合的な型枠支保工等が一般に施工される。
図15(A)及び図16は、枠組式の型枠構台上にパイプサポート式型枠支保工を立設した構成を有する従来の型枠支保工の正面図及び側面図である。図15(B)は、パイプサポート式型枠支保工を型枠構台上に支承する従来のパイプサポート支承部の分解図である。図15(C)は、図15(A)及び図16に示すパイプサポートの底面図であり、図15(D)及び図15(E)は、図15(B)に示す大引き受けジャッキの平面図及び底面図である。なお、図15及び図16においては、図を簡素化し且つ理解を容易にするため、頭つなぎ材、水平つなぎ材、根がらみ材、振止め材、ブレース材(交差筋交い)等の補強用又は補剛材や、クランプ、セパレータ等の各種締付具等は、図示を省略されている。
図15及び図16には、上層階のコンクリートRCを打設するための型枠が示されている。図示の例では、コンクリートRCの下面の高さHは、既に施工された下層階の床の床面Fから約7.5mに設計されている。型枠は、支保工1及びせき板7を有する。支保工1は、型枠構台2、パイプサポート支承部3、パイプサポート4、大引き材5及び根太材6を下層から順に積層し又は建込んだ構成を有する。型枠構台2は、床面F上に構築した鋼製の枠組足場からなり、2層構造に積層した各層の鳥居型建枠20同士を鋼製踏板21によって架橋した構成を有する。せき板7は、根太材6上に敷設され、根太材6によって支持される。なお、各図において、符号25はジャッキベースを指示し、符号26は脚柱ジョイントを指示し、符号27は建枠横桟(横架材)を指示する。
パイプサポート支承部3(以下、「支承部3」という。)は、大引き受けジャッキ30及び大引き材34を有する。図15(B)に示す如く、大引き受けジャッキ30(以下、「ジャッキ30」という。)は、約220mm程度の幅寸法を有する受け具31と、受け具31の中心部から垂下する外ネジ部32と、外ネジ部32の外ネジに螺合した内ネジを有するハンドル付き高さ調整具33とから構成される。外ネジ部32は、建枠20の支柱22の頂部開口に挿入され、高さ調整具33の下面が、支柱22の頂部開口縁23に着座し、図15(A)に示す如く、支柱22の頂部に支承される。
パイプサポート支承用の大引き材34が、受け具31の頂部開口形溝に収容される。大引き材34は、建枠20の構面と概ね直交する方向に延びる水平支保工である。この種の大引き材34は、通常は、端太角材と呼ばれる断面90mm角の木材や、断面90mm角程度の角形鋼管である。
パイプサポート4は、台板40、受板41、腰管(外管)42、調節部43及び差込管(内管)44から構成される。台板40は、大引き材34上に着座し、釘止め等の係止手段によって大引き材34上に固定され又は支承される。パイプサポート4は、大引き材34から鉛直上方に延び、大引き材5を受板41によって支持し、大引き材5は、根太材6及びせき板7を支持する。
特開2012−167442号公報 特開2015−218557号公報 特開平9−184307号公報
上記のとおり、枠組式又は楔結合式の型枠構台を構築して型枠構台上にパイプサポートを立設する複合式の型枠支保工は、大引き受けジャッキ等のジャッキを型枠構台の支柱頂部に取付けた後、ジャッキの受け具によって大引き材等の水平支保工を支承し、この水平支保工上にパイプサポートの台板を固定し又は支承する構成を有する。この形式の型枠支保工では、水平支保工は、型枠構台の複数の支柱に跨がって延び、複数のパイプサポートの荷重が同一の水平支保工によって支持される。従って、複数のパイプサポートの鉛直荷重が、水平支保工によって合成され且つ分散して型枠構台の支柱に伝達する。
しかしながら、このような構成の型枠支保工では、ジャッキの調整や、ジャッキ上に水平支保工(大引き材等)を敷設し且つ位置決めする作業は、実務的に煩雑な作業であり、かなりの工数又は手間を実質的に要する比較的厄介な作業である。また、このような型枠支保工では、通常は、比較的多数の水平支保工(大引き材等)が仮設資材として使用されるので、水平支保工(大引き材等)の嵩及び重量が比較的大きく、従って、その保管、現場間移送・移設、現場内搬送等のために比較的多く仮設スペース、人手、工数及び費用等が必要とされる。
また、この種の型枠支保工においては、大引き材の強度上の理由等より、型枠構台の支柱間隔を約90cm以下に設定せざるを得ず、この寸法を超える支柱間隔を容易に設定し得ない事情がある。しかしながら、支柱間隔を増大し、例えば、支柱間隔を180cmに設定することが可能であれば、型枠構台の構成要素(支柱、布材、ブレース材、踏板等)の資材数量、部品数又は部材数等を比較的大きく低減し得ると考えられる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、枠組式又は楔結合式の型枠構台を構築して型枠構台上にパイプサポートを立設する方式の型枠支保工に関し、パイプサポート支承用の水平支保工や、水平支保工を支持するジャッキ等の設置を省略し、これにより、仮設資材の資材数量、部品数又は部材数等を削減し、型枠支保工の施工を省力化することができるパイプサポート支承具及びパイプサポート支承方法を提供することにある。
本発明は又、枠組式又は楔結合式の型枠構台を構築して型枠構台上にパイプサポートを立設する方式の型枠支保工に関し、型枠支保工の支柱間隔を増大し、型枠構台の構成要素(支柱、布材、ブレース材、踏板等)の資材数量、部品数又は部材数等を低減することができるパイプサポート支承構造及びパイプサポート支承方法を提供することにある。
上記目的を達成すべく、本発明は、枠組式又は楔結合式の型枠構台と、該型枠構台上に立設されたパイプサポートとを有する型枠支保工において前記パイプサポートを前記型枠構台上に支持するのに使用されるパイプサポート支承具であって、
前記パイプサポートを直下の前記支柱に直列に連結すべく、前記型枠構台を構成する支柱の上端部に取付けられる連結部分と、
前記パイプサポートの鉛直荷重をその直下の支柱に伝達するように該パイプサポートの下端部を該支柱の直上に支承する支承部分とを有することを特徴とするパイプサポート支承具を提供する。
本発明の上記構成によれば、枠組式又は楔結合式の型枠構台を構築した後、パイプサポート支承具の連結部分を型枠構台の支柱の上端部に取付け、パイプサポートの下端部をパイプサポート支承具の支承部分で支承することにより、パイプサポートを型枠構台の支柱の直上に直列に連結することができる。パイプサポート支承具は、パイプサポートの鉛直荷重を直下の支柱に実質的に直接に伝達する。従って、パイプサポートの鉛直荷重は、パイプサポート支承具を介して直下の支柱に圧縮荷重として実質的に直接に伝達し、型枠構台によって支持される。このようなパイプサポートの支持構造によれば、パイプサポート支承用のジャッキや、ジャッキ上の水平支保工を省略することができる。
本発明は又、枠組式又は楔結合式の型枠構台と、該型枠構台上に立設されたパイプサポートとを有する型枠支保工におけるパイプサポート支承方法において、
前記パイプサポートと前記型枠構台の支柱とを直列に連結可能なパイプサポート支承具を前記パイプサポートの下端部と前記支柱との間に介挿して、前記パイプサポートの鉛直荷重をその直下の前記支柱に伝達せしめることを特徴とするパイプサポート支承方法を提供する。
このようなパイプサポート支承方法によれば、パイプサポートの鉛直荷重は、パイプサポート支承具を介して、その直下の支柱に実質的に直接に伝達し、各支柱の圧縮荷重として型枠構台で支持される。従って、このようなパイプサポートの支持構造によれば、パイプサポート支承用のジャッキや、ジャッキ上の水平支保工を省略することができる。
他の観点より、本発明は、上記構成のパイプサポート支承具を有し、各々の前記支柱の上端部に取付けられた各パイプサポート支承具によって前記パイプサポートを夫々支承し、各パイプサポートをその直下に位置する各支柱に直列に連結し、各パイプサポートの鉛直荷重がその直下の支柱に伝達するようにしたことを特徴とする型枠支保工を提供する。
本発明は又、このような型枠支保工において、前記支柱の間に架設した横架材を更に有し、該横架材は、前記パイプサポート支承具を支持する中間支持部を有し、該パイプサポート支承具によって前記パイプサポートを支承し、前記横架材の直下の支柱を省略するようにしたことを特徴とする型枠支保工を提供する。
更に他の観点より、本発明は、上記構成のパイプサポート支承方法を用いて型枠支保工を構築する型枠支保工の構築方法であって、
各パイプサポートを各パイプサポート支承具で支承して各パイプサポートの鉛直荷重をその直下の前記支柱に伝達するように、前記パイプサポート支承具を各パイプサポートと各支柱との間に介挿することを特徴とする型枠支保工の構築方法を提供する。
本発明は又、このような型枠支保工の構築方法において、前記支柱の間に架設した横架材の中間部分によって前記パイプサポート支承具を支持し、該パイプサポート支承具によって前記パイプサポートを支承し、前記横架材の直下の支柱を省略することを特徴とする型枠支保工の構築方法を提供する。
好適には、上記支承部分は、上記パイプサポートの台板が着座可能な水平支承板を有し、上記連結部分は、支承板と一体化し且つ上記支柱の頂部開口に挿入される垂直軸部と、支柱の頂部開口縁に支承される基部とを有する。垂直軸部は、支柱の頂部開口に挿入され、基部は、支柱の頂部開口縁に支承される。支承板の上面には、パイプサポートの台板が着座する。パイプサポートの台板は、通常は、平面視約正方形の形態を有するので、支承板も又、平面視約正方形の形態に好ましく設計し得る。
好ましくは、上記垂直軸部は、上記支柱の頂部内面に摺接し又は整合する外面を有し、垂直軸部、基部及び支承板の中心軸線が支柱の中心軸線と合芯する。更に好ましくは、上記支承板は、上記台板の開口部に挿入可能な位置決めピンと、支承板の縁部を垂直上方に起立せしめてなる側縁起立壁とを有する。使用において、台板が支承板に着座するとき、支承板の上面に突設した位置決めピンは台板の開口部に挿入され、パイプサポートの中心軸線と上記支承板の中心軸線とは合芯する。
所望により、パイプサポート支承具は、上記支承板及び基部の剛性を向上する補剛スチフナを有する。スチフナは、支承板の十字方向、縦横方向又は対角線方向に配置され、支承板及び基部に一体的に取付けられる。
本発明は更に、型枠支保工の支柱間隔を増大するという観点より、枠組式又は楔結合式の型枠構台と、該型枠構台上に立設されたパイプサポートとを有する型枠支保工において前記パイプサポートを前記型枠構台上に支持するパイプサポート支持構造であって、
前記型枠構台の支柱の間に架設され、パイプサポート支承具又は大引き受けジャッキを支持する中間支持部を備えた横架材を有し、
前記パイプサポートは、前記パイプサポート支承具上に立設され、或いは、前記大引き受けジャッキに支承された大引き材上に立設されたことを特徴とするパイプサポート支持構造を提供する。
本発明は又、枠組式又は楔結合式の型枠構台と、該型枠構台上に立設されたパイプサポートとを有する型枠支保工のパイプサポート支承方法において、
パイプサポート支承具又は大引き受けジャッキを支持する中間支持部を備えた横架材を前記支柱の間に架設し、
前記パイプサポートの下端部を前記支承具によって支承して該パイプサポートを立設し、或いは、大引き材を前記ジャッキによって支承し且つ該大引き材上に前記パイプサポートを立設し、
前記横架材を介して前記パイプサポートの荷重を前記支柱に伝達し、該支柱によって該荷重を支持することを特徴とするパイプサポート支承方法を提供する。
上記構成のパイプサポート支持構造及び支承方法においては、横架材の中間支持部によってパイプサポート又はジャッキの荷重が支持され、この荷重は、中間支持部の端部を支持する支柱によって更に支持される。このような構成によれば、支柱の間隔(スパン)を拡大し、支柱が存在しない解放領域を横架材の直下に形成することができる。また、ジャッキで支承した大引き材上にパイプサポートを立設する本発明の構成によれば、支柱等を省略した解放領域を横架材の直下に形成し得るにもかかわらず、大引き材を用いた連続的且つ水平なパイプサポート支持帯を形成し、パイプサポートの間隔、配置又は位置の任意性又は設定自由度を確保することができる。
好ましくは、上記横架材は、上弦材、下弦材及び腹材を有するトラス構造又はラチス構造の梁枠であり、上記中間支持部は、上弦材に設けられ又は上弦材から一体的に上方に突出した支承具支持部材又はジャッキ支持部材からなる。上記支承具又はジャッキは、この中間支持部に支持される。
更に好ましくは、横架材は、下弦材及び上弦材の端部を一体的に連結する上下方向の補剛材を更に有し、補剛材の下端部には、支柱に支承される顎又は突出部が設けられる。横架材の荷重の一部は、上弦材の端部から支柱に伝達し、荷重の残部は、補剛材を介して支柱に伝達する。
パイプサポートの鉛直荷重を直下の支柱に伝達するようにしたパイプサポート支承具及びパイプサポート支承方法によれば、パイプサポート支承用の水平支保工や、水平支保工を支持するジャッキ等の設置を省略し、これにより、仮設資材の資材数量、部品数又は部材数等を削減し、型枠支保工の施工を省力化することができる。
また、このようなパイプサポート支承具を用いた本発明の型枠支保工及びその構築方法によれば、枠組式又は楔結合式の型枠構台を構築して型枠構台上にパイプサポートを立設する方式の型枠支保工において、パイプサポート支承用の水平支保工や、水平支保工を支持するジャッキ等の設置を省略し、これにより、仮設資材の資材数量、部品数又は部材数等を削減し、型枠支保工の施工を省力化することができる。
更に、横架材の中間支持部によってパイプサポート支承具又は大引き受けジャッキを支持するようにした本発明のパイプサポート支持構造及び支持方法によれば、型枠支保工の支柱間隔を増大し、型枠構台の構成要素(支柱、布材、ブレース材、踏板等)の資材数量、部品数又は部材数等を低減することができる。
図1(A)は、本発明に従って枠組式の型枠構台上にパイプサポートを立設した構造を有する型枠支保工の正面図であり、図1(B)は、パイプサポートを型枠構台の支柱上に支承するパイプサポート支承部の分解図であり、図1(C)は、パイプサポートの底面図であり、図1(D)及び図1(E)は、パイプサポート支承具の平面図及び底面図である。 図2は、図1に示す型枠支保工の側面図である。 図3(A)は、パイプサポートの下端部の部分正面図であり、図3(B)は、図3(A)のI−I線における断面図である。 図4(A)及び図4(B)は、パイプサポート支承具の平面図及び底面図である。 図5(A)及び図5(B)は、パイプサポート支承具の正面図及び縦断面図である。 図6は、パイプサポートをパイプサポート支承具によって支柱に連結する態様を示す正面図である。 図7は、パイプサポートをパイプサポート支承具によって支柱に連結する態様を示す縦断面図である。 図8(A)は、パイプサポートをパイプサポート支承具によって支柱に連結した状態を示す縦断面図であり、図8(B)は、図8(A)のII−II線における断面図である。 図9(A)は、本発明の他の好適な実施形態に係る型枠支保工の軸組構造を示す軸組図であり、図9(B)は、パイプサポートを型枠構台の支柱上に支承するパイプサポート支承部の分解図である。 図10(A)は、図9(A)に示す支保工において梁枠を使用して型枠構台の支柱間隔を部分的に拡大した構成を示す支保工の軸組図であり、図10(B)は、パイプサポートを梁枠上に支承するパイプサポート支承部の分解図である。 図11(A)は、本発明の更に他の実施形態に係る支保工の軸組構造を示す軸組図であり、図11(B)は、図11(A)のβ部分の拡大正面図である。 図12は、図11(B)に示す支承構造を使用してパイプサポートを梁枠上に立設する工程を段階的に示す図11(A)のα部分の拡大正面図である。 図13は、図12と同様の工程を示す断面図である。 図14(A)及び図14(B)は、図11〜図13に示す支承構造を使用したパイプサポート支承方法の変形例を示す支柱上部及び梁枠中央部の正面図であり、図14(C)及び図14(D)は、支柱及び梁枠のレイアウトを概念的に示す概略平面図である。 図15(A)は、枠組式の型枠構台上にパイプサポートを立設した構造を有する従来の型枠支保工の正面図であり、図15(B)は、パイプサポートを型枠構台上に支承するための従来のパイプサポート支承部の分解図であり、図15(C)は、パイプサポートの底面図であり、図15(D)及び図15(E)は、パイプサポート支承部を構成する大引き受けジャッキの平面図及び底面図である。 図16は、図15に示す型枠支保工の側面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1(A)及び図2は、枠組式の型枠構台上にパイプサポートを立設した構造を有する型枠支保工の正面図及び側面図である。図1(B)は、パイプサポートを型枠構台の支柱上に支承するパイプサポート支承部の分解図である。図1(C)は、パイプサポートの底面図である。図1(D)及び図1(E)は、パイプサポート支承具の平面図及び底面図である。なお、図1及び図2においては、図を簡素化し且つ理解を容易にするため、頭つなぎ材、水平つなぎ材、根がらみ材、振止め材、ブレース材(交差筋交い)等の補強材又は補剛材や、クランプ、セパレータ等の各種締付具は、図示を省略されている。
図1及び図2には、上層階のコンクリートRCを打設するための型枠が示されている。本例において、コンクリートRCの下面の高さHは、既に施工された下層階の床面Fから約7.5mに設計されている。型枠は、型枠支保工1(以下、「支保工1」という。)及びせき板7を有する。支保工1は、型枠構台2、支承部3、パイプサポート4、大引き材5及び根太材6を下層から順に積層し又は建込んだ構成を有する。せき板7は、根太材6上に敷設され、根太材6によって支持される。なお、本例において、根太材6は、鋼管(単管パイプ)であり、大引き材5は、端太角材又は角形鋼管である。
型枠構台2は、床面F上に2層構造に積層した枠組式の型枠構台である。型枠構台2を構成する下層の鳥居型建枠20(以下、「建枠20」という。)は、ジャッキベース25を床面F上に配置した構成を有する。上層の建枠20は、その支柱22の下端部を脚柱ジョイント26によって下層の建枠20の支柱22の上端部に連結する公知の連結方法により、下層の建枠20の上に積層される。建枠20は、汎用の枠組足場の鋼製建枠である。図2に示す如く、鋼製踏板21が、その端部を建枠20の横架材(横桟)27に係止することより、各層において建枠20の間に懸架され、各層の建枠20は鋼製踏板21によって架橋される。
パイプサポート4は、腰管(外管)42と、ネジ管を含む調節部43と、差込管(内管)44とを直列に連結した構造を有し、腰管42の下端部は、台板40を有し、差込管44の上端部は、受板41を有する。支承部3によって支持されたパイプサポート4は、鉛直上方に延び、大引き材5を受板41によって支持する。大引き材5は、釘止め等の固定手段によって受板41に固定される。大引き材5は、根太材6及びせき板7を支持する。
このように型枠構台2上にパイプサポート4を立設する支保工1の基本構成は、従来の支保工の基本構成(図9及び図10)と同等のものであるが、本例においては、支保工1は、大引き受けジャッキ30及び大引き材34(図9及び図10)を備えず、各支柱22の直上に各パイプサポート4を同心状に支承するパイプサポート支承具10(以下、「支承具10」という。)を備えており、この点において従来の支保工と相違する。支承具10は、パイプサポート4の台板40を支承する平面視約正方形の鋼製支承板11と、支柱22の頂部開口に挿入される円形断面の鋼製軸部12と、支柱22の頂部開口縁23に着座して支柱22の上端部に支承される鋼製基部13とを有する。
図3(A)は、パイプサポート4の下端部の部分正面図であり、図3(B)は、図3(A)のI−I線における断面図である。図4(A)及び図4(B)は、支承具10の平面図及び底面図である。図5(A)及び図5(B)は、支承具10の正面図及び縦断面図である。図6及び図7は、パイプサポート4を支承具10上によって支柱22に連結する態様を示す正面図及び縦断面図である。図8(A)は、パイプサポート4を支承具10上によって支柱22に連結した状態を示す縦断面図であり、図8(B)は、図8(A)のII−II線における断面図である。
図3には、パイプサポート4の下端部の構造が示されている。パイプサポート4の下端部に固定された台板40は、各角部に丸みを付けた平面視約正方形の鋼板からなり、円形開口部(孔又は穴)45を各角部に有する。図4(A)に二点鎖線で示す如く、台板40は、支承具10の上面に着座する。
図4及び図5に示す如く、支承具10は、台板40が着座する水平な支承板11と、支柱22の頂部開口に挿入される円形断面の鋼製軸部12と、支柱22の頂部開口縁23に着座して支柱22の上端部に支承される環状又は円筒状の鋼製基部13とを有する。支承具10の支承板11は、各角部に丸みを付けた平面視略正方形の鋼板からなり、台板40の下面を支承する水平な上面を有する。例えば、台板40は、約140mm×140mmの平面寸法を有し、支承板11は、約160mm×160mmの寸法を有する。支承板11の各辺は、縁部を垂直上方に起立せしめてなる側縁起立壁14を有する。台板40の円形開口部45に整合する4つの位置決めピン15が、支承板11の上面に形成される。側縁起立壁14及び位置決めピン15の高さh1、h2は、少なくとも台板40の板厚tと同一の寸法を有し、本例においては、t≒6mm、h1≒10〜20mm、h2≒10〜25mmに設定される。
基部13は、支承板11の中心部から一体的に垂下する。基部13及び支承板11に一体化した鋼製の補剛スチフナ16が、基部13を補強するように十字形態に配設される。軸部12は、基部13の内径と実質的に同一の外径を有する鋼管からなり、基部13の中空部に延入している。軸部12の上端部は、溶接等により支承板11に固定され、支承板11及び基部13と一体化する。
図6及び図7には、パイプサポート4と建枠20の支柱22との間に支承具10を介挿してパイプサポート4及び支柱22を直列に連結する過程が示されている。この過程では、先ず、支承具10を支柱22の上端部に取付ける支承具取付け工程が実施され、次いで、パイプサポート4の下端部を支承具10によって支承するパイプサポート支承工程が実施される。
支承具取付け工程においては、支承具10の軸部12を支柱22の頂部開口に挿入し、基部13の段差部18を支柱22の頂部開口縁23に着座せしめることにより、支承具10が支柱22の上部に取付けられる。軸部12の外周面と支柱22の内周面との摺接又は整合により、支承具10の中心軸線は、支柱22の中心軸線X−Xに合芯(合心)する。
後続する支承具取付け工程においては、パイプサポート4の台板40を支承具10の上面に降下して支承板11に着座せしめることにより、パイプサポート4の下端部が、支承具10によって支承される。側縁起立壁14は、台板40の位置決めを容易にするガイド手段として機能する。位置決めピン15は、台板40の位置決めのためのガイド手段として機能するとともに、支承板11に対する台板40の水平変位を規制し又は拘束する水平変位拘束手段として機能する。支承板11に対する台板40の着座及び位置決めにより、パイプサポート4の中心軸線は、支柱22の中心軸線X−Xに合芯する。
かくしてパイプサポート4と建枠20の支柱22との間に支承具10を介挿し、パイプサポート4及び支柱22を直列に連結した状態が図8に示されている。せき板7に作用するコンクリートRC(図1及び図2)の重量は、鉛直荷重Pとしてパイプサポート4(図1)に作用し、パイプサポートの鉛直荷重Pは、支承具10に作用する。支承具10の鉛直荷重Pは、段差部18及び頂部開口縁23の支承面(接触面)を介して支柱22に作用し、型枠構台2(図1)によって支持される。
以上説明したとおり、本実施形態に係る支保工1は、パイプサポート4を型枠構台2上に支持する支承具10を備える。支承具10は、型枠構台2を構成する支柱22の上端部に取付けられる軸部12及び基部13と、パイプサポート4の台板40を支柱22の直上に支承する支承部11とを有し、パイプサポート4を直下の支柱22に直列に連結する。大引き材34等の水平支保工(図9及び図10)は、パイプサポート4と支柱22との間に介挿されず、支承具10がパイプサポート4と支柱22との間に介挿されるにすぎない。支承具10は、パイプサポート4の鉛直荷重Pを直下の支柱に実質的に直接に伝達し、鉛直荷重Pは、型枠構台2によって支持される。かくして、このような構成の支保工1によれば、大引き材34等の水平支保工の設置(図15及び図16)が必要とされず、従って、仮設資材の部品点数を削減し、型枠支保工1の施工を省力化することができる。
図9(A)は、本発明の他の実施形態に係る支保工の軸組構造を示す軸組図であり、図9(B)は、パイプサポート式型枠支保工を型枠構台上に支承するパイプサポート支承部の分解図である。また、図10(A)は、図9(A)に示す支保工において梁枠を使用して型枠構台の支柱間隔を部分的に拡大した構成を示す支保工の軸組図であり、図10(B)は、パイプサポート式型枠支保工を梁枠上に支承するパイプサポート支承部の分解図である。なお、図9及び図10において、上記実施形態の各構成要素又は構成部材と実質的に同一又は同等の構成要素又は構成部材については、同一の参照符号が付されている。
図9(A)に示す支保工1は、楔結合式の型枠構台2上にパイプサポートを立設した構造を有する。型枠構台2は、下層の支柱50をジャッキベース55上に鉛直に立設し、上層の支柱50を連結部52において直列且つ鉛直に連結した構成を有する。支柱50は、フランジ部(又は鍔部)又は支柱ポケット部(ボックス部)等の緊結部51を所定間隔に配設した楔足場用の支柱である。布材、腕木材、床付き布枠、頭つなぎ材、根がらみ材等の横架材56や、ブレース57等の端部が楔結合等によって緊結部51に連結される。かくして、支柱50及び横架材56を垂直・水平に連結し且つブレース57によって補強した立体架構からなる楔結合式の型枠構台2が構築される。
図9(B)には、パイプサポート4を上層の支柱50の頂部に支承する支承部3の構成が示されている。前述の実施形態と同じく、支承具10の鋼製軸部12が支柱50の頂部開口に挿入され、支承具10の鋼製基部13が支柱50の頂部開口縁53に着座して支柱50の上端部に支承される。パイプサポート4の台板40が支承具10の支承板11上に着座し、パイプサポート4が支承具10上に鉛直に立設される。パイプサポート4は、受板41によって大引き材5、根太材6及びせき板7(全体的に一点鎖線で示す)を支持する。
図9(A)に示す型枠構台2は、支柱50の支柱間隔(スパン)Sを約900mmに設定した構成のものであるが、図10(A)には、梁枠60を用いて支柱間隔Sを部分的に約1800mm(S×2)に設定した型枠構台2の軸組構造が示されている。
梁枠60は、約1800mmの長さを有する楔足場用の横架材であり、上弦材61、下弦材62及び腹材63(破線で示す)を組付けたトラス構造の梁部材である。上弦材61及び下弦材62の各端部が、楔結合によって支柱50の緊結部51に連結され、約1800mmの支柱間隔S×2を隔てた上層支柱50の上部に架設される。
図10(B)には、パイプサポート4を梁枠60上に支承する支承部9の構成が示されている。支承部9は、円形断面の中間支持部材65を有し、中間支持部材65は、上弦材61の中央部上面に鉛直に突設される。中間支持部材65は、支柱50の頂部と同一の内径及び外径の短管状鋼製部材であり、支柱50の頂部開口縁53と同一形態及び同一寸法の頂部開口縁66を有する。支承具10は、鋼製軸部12が中間支持部材65の頂部開口に挿入され、鋼製基部13が頂部開口縁66に着座し、中間支持部材65の上端部に支承される。パイプサポート4の台板40が支承具10の支承板11上に着座する。パイプサポート4は、支承具10上に鉛直に立設され、受板41によって大引き材5、根太材6及びせき板7を支持する。
このように梁枠60を使用して支柱間隔Sを部分的又は全体的に2倍(S×2)に拡大した型枠構台2によれば、支柱本数を削減することができるので、仮設資材の更なる削減や、施工性の向上、或いは、工期短縮等を図ることが可能となり、従って、実務的に極めて有益である。なお、中間支持部材65上のパイプサポート4の鉛直荷重が、梁枠60を支持する支柱50に付加的に作用する。しかしながら、一般的な楔足場用支柱からなる支柱50は、通常は、このような荷重に耐える強度を保有する。
図11(A)は、本発明の更に他の実施形態に係る支保工の軸組構造を示す軸組図であり、図11(B)は、図11(A)のβ部分の拡大正面図である。図11には、パイプサポート式型枠支保工の大引き材を支柱上に支承するパイプサポート支承構造が示されている。また、図12及び図13は、図11(A)のα部分の拡大正面図及び断面図である。図12及び図13には、図11(B)に示す支承構造と同様の支承構造を用いてパイプサポート式型枠支保工の大引き材を梁枠上に支持する工程が段階的に示されている。なお、各図において、前述の各実施形態の各構成要素又は構成部材と実質的に同一又は同等の構成要素又は構成部材については、同一の参照符号が付されている。
図11に示す支保工1は、楔結合式の型枠構台2上にパイプサポート式型枠支保工の大引き材34を敷設した構造を有する。型枠構台2は、約1800mmの支柱間隔S×2を隔てて配置された支柱50によって大引き材34を支持する。このような大引き材34の支持構造は、主として、ジャッキ30及び梁枠70より構成される。以下、図11〜図13に示す大引き材34の支持構造について説明する。
梁枠70は、前述の梁枠60と同様、約1800mmの長さを有する楔結合式足場用の横架材であり、上弦材71、下弦材72及び腹材73を一体的に組付けてなるトラス構造の梁部材である。約1800mmの支柱間隔S×2を隔てて配置された支柱50の緊結部51には、上弦材71の端部が楔結合される。図11(A)に示す如く、梁枠70は、最上層の横架材56のレベルにおいて水平に延在し、梁枠70の直下には、支柱50、横架材56、ブレース57等の設置を省略した比較的大きな解放空間γが形成される。
ジャッキ30は、図11(B)、図12(D)及び図13(D)に示す如く、支柱50の上端部及び梁枠70の中央部分に配置される。ジャッキ30は、支柱50の頂部開口縁53に支承され、或いは、梁枠70の中間支持部材75に支承される。中間支持部材75は、梁枠70の中央部に配置された中空鉛直材77の上方突出部からなる。中空鉛直材77及び中間支持部材75は、支柱50と同一の内径及び外径を有する管体又は管状部材である。中間支持部材75の上端部は、支柱50の頂部開口縁53と同一形態及び同一寸法の頂部開口縁76を有する。中空鉛直材77の下端部も又、頂部開口と同様の円形開口により開放している。
図12(A)〜図12(C)及び図13(A)〜図13(C)には、ジャッキ30を中間支持部材75に取付ける態様が示されている。図12(A)及び図13(A)に示す如く、ジャッキ30は、その外ネジ部32が中間支持部材75の頂部開口に挿入される。図12(B)及び図13(B)に示す如く、高さ調整具33の下面が頂部開口縁76に着座し、中間支持部材75の頂部に支承される。高さ調整具33によって受け具31の高さ位置が調節された後、パイプサポート支承用の大引き材34が、受け具31の頂部開口形溝に収容される(図12(C)、図13(C))。図11(A)に示す如く、大引き材34は、横架材56及び上弦材71の上面に沿って梁枠70の構面と平行に延びる水平支保工である。
図11(B)に示す如く、ジャッキ30は、その外ネジ部32を支柱50の頂部開口に挿入し、高さ調整具33の下面を頂部開口縁23に着座せしめ、高さ調整具33によって受け具31の高さ位置を調節することにより、支柱50の頂部に支承され、大引き材34は、受け具31の頂部開口形溝に収容される。なお、ジャッキ30の高さ調整により外ネジ部32が比較的大きく下方に変位する場合には、外ネジ部32の下端部は、中空鉛直材77の下端開口から下方に延出する。
図11(A)に示す如く、大引き材34は、横架材56及び上弦材71の上面に沿って梁枠70の構面と実質的に平行に連続するパイプサポート4の支持帯を構成する。パイプサポート4の台板40がこの支持帯(大引き材34の上面)に着座する。パイプサポート4は、大引き材34上に鉛直に立設され、受板41によって大引き材5、根太材6及びせき板7を支持する。解放空間γの直上に配置されたパイプサポート4の荷重は、トラス構造の梁枠70を介して左右の支柱50に伝達し、支柱50によって支持される。従って、パイプサポート4は、大引き材34上の任意の位置に立設することができる。
また、梁枠70は、図11(B)に示す如く、鉛直補剛管78を備える。補剛管78は、上弦材71の端部から一体的に鉛直下方に延び、下弦材72の端部に一体的に連結し、梁枠70の剛性を向上する。補剛管78は又、緊結部51のフランジ上面に載置される顎部(又は突出部)79を有する。顎部79は、緊結部51を構成する金属フランジ等に支承され、梁枠70の荷重の一部は、顎部79及び緊結部51を介して支柱50に作用する。従って、梁枠70は、上下の緊結部51によって支持されるので、梁枠70の撓み変形が抑制され、梁枠70の中央部の撓み量又は下方変位量が低減する。
図14(A)及び図14(B)は、上記支承構造を使用したパイプサポート支承方法の変形例を示す支柱上部及び梁枠中央部の正面図である。図14(C)及び図14(D)は、支柱及び梁枠のレイアウトを概念的に示す概略平面図である。
図11〜図13に示す使用形態では、大引き材34は、梁枠70と平行に梁間方向に延在するが、図14に示す使用形態では、大引き材34は、梁枠70と直交する桁方向(布方向)に配向される。図14に示すジャッキ30は、前述の使用形態と同様、支柱50の頂部開口縁53および中間支持部材75の頂部開口縁76に支持されるが、大引き材34を梁枠70と直交する方向に支承するように配向される点で上記使用形態と相違する。このような使用形態では、隣り合う梁枠70の中空鉛直材77同士を小梁位置の梁枠80(図14(B)に破線で示す。)によって相互連結することが望ましい。桁方向(布方向)に延びる梁枠80は、例えば、梁枠70と実質的に同じ構造及び断面を有し、梁枠80の各端部は、中空鉛直材77の楔結合部(図示せず)に楔結合される。
図14(C)に示す如く、梁枠70が約90cm間隔に配置される場合、梁枠80の全長は、約90cmである。図14(D)に示す如く、梁枠70が約180cm間隔に配置される場合、梁枠80の全長も又、約180cmである。大引き材34は、梁枠80の上面に沿って梁枠80と平行に延びる。梁枠80の全長が約180cmである場合、梁枠80の中央部に配置された中間支持部材85により、ジャッキ30を支持し、これにより、大引き材34の支点を梁枠80の中央部に形成することができる。
以上説明したとおり、図11〜図14に示す型枠構台2は、大引き材34、ジャッキ30及び梁枠70より構成されるパイプサポート支持構造を有し、梁枠70は、解放領域γ(支柱間隔S×2)のスパン中央部においてジャッキ30を支持する。従って、大引き材34の支点間距離を概ね間隔Sに設定することができる。このようなパイプサポート支持構造によれば、支柱50等を省略した解放領域γを形成し得るにもかかわらず、大引き材34を用いた連続的なパイプサポート支持帯を形成し、パイプサポート4の間隔、配置又は位置等の任意性又は設定自由度を確保することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の変形又は変更が可能である。
例えば、上記実施形態に係る型枠支保工は、鋼製の枠組足場部材により構築した枠組式の型枠構台を使用した構成のものであるが、アルミ合金製の枠組足場部材により構築した型枠構台を使用しても良い。
また、上記実施形態においては、支承板は、対角線上に2対の位置決めピンを配置した構成を有するが、支承板は、一対の位置決めピンを対角線上に配置した構成に設計することも可能である。
更に、上記実施形態では、支承具は、管状軸部を円筒状基部に挿入した構成を有するが、軸部及び基部を一体成形しても良く、或いは、基部を部分的に拡径した補強部分等を基部に付加的に形成しても良い。
また、上記実施形態の型枠構台は、建枠を2層構造に建込んだ構成のものであるが、型枠構台は、建枠を3層以上に建込んだ構造のものであっても良い。
本発明は、建築・土木工事等のコンクリート打設工程において、コンクリート打設用の型枠支保工のパイプサポート支承具、支承構造及び支承方法に適用される。本発明のパイプサポート支承具、支承構造及び支承方法は殊に、枠組式又は楔結合式の型枠構台を構築して型枠構台上にパイプサポートを立設する方式の型枠支保工及びその施工において使用される。本発明によれば、パイプサポート支承用の水平支保工や、水平支保工を支持するジャッキ等の設置を省略することができ、或いは、パイプサポートの間隔、配置又は位置の任意性又は設定自由度を確保した上で、支柱等を省略した解放領域を横架材の直下に形成することができる。かくして、本発明によれば、仮設資材の資材数量、部品数又は部材数等の削減や、型枠支保工の施工の省力化を図ることができるので、その実用的効果は、顕著である。
1 型枠支保工
2 型枠構台
3 支承部
4 パイプサポート
5 大引き材(根太支持用)
6 根太材
7 せき板
9 支承部
10 パイプサポート支承具
11 支承板
12 鋼製軸部
13 鋼製基部
14 側縁起立壁
15 位置決めピン
16 鋼製スチフナ
20 鳥居型建枠
22 支柱
23、53、66、76 頂部開口縁
30 大引き受けジャッキ
34 大引き材
40 台板
45 円形開口部
50 支柱
60、70 梁枠
65、75 中間支持部材
F 床面
RC 上層階のコンクリート
S、S×2 支柱間隔(支柱スパン)

Claims (14)

  1. 枠組式又は楔結合式の型枠構台と、該型枠構台上に立設されたパイプサポートとを有する型枠支保工において前記パイプサポートを前記型枠構台上に支持するのに使用されるパイプサポート支承具であって、
    前記パイプサポートを直下の前記支柱に直列に連結すべく、前記型枠構台を構成する支柱の上端部に取付けられる連結部分と、
    前記パイプサポートの鉛直荷重をその直下の支柱に伝達するように該パイプサポートの下端部を該支柱の直上に支承する支承部分とを有することを特徴とするパイプサポート支承具。
  2. 前記支承部分は、前記パイプサポートの台板が着座可能な水平支承板を有し、
    前記連結部分は、前記支柱の頂部開口に挿入される軸部と、該支柱の頂部開口縁に支承される基部とを有することを特徴とする請求項1に記載のパイプサポート支承具。
  3. 請求項1又は2に記載されたパイプサポート支承具を有し、各々の前記支柱の上端部に取付けられた各パイプサポート支承具によって前記パイプサポートを夫々支承し、各パイプサポートをその直下に位置する各支柱に直列に連結し、各パイプサポートの鉛直荷重がその直下の支柱に伝達するようにしたことを特徴とする型枠支保工。
  4. 前記支柱の間に架設され、前記パイプサポート支承具を支持する中間支持部を備えた横架材を更に有し、該中間支持部によって支持された前記パイプサポート支承具によって前記パイプサポートを支承し、前記横架材の直下の支柱を省略するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の型枠支保工。
  5. 枠組式又は楔結合式の型枠構台と、該型枠構台上に立設されたパイプサポートとを有する型枠支保工におけるパイプサポート支承方法において、
    前記パイプサポートと前記型枠構台の支柱とを直列に連結可能なパイプサポート支承具を前記パイプサポートの下端部と前記支柱との間に介挿して、前記パイプサポートの鉛直荷重をその直下の前記支柱に伝達せしめることを特徴とするパイプサポート支承方法。
  6. 前記支承具の連結部分を構成する垂直軸部を前記支柱の頂部開口に挿入し、
    該連結部分の基部を前記支柱の頂部開口縁に支承し、
    前記支承具の支承部分を構成する水平支承板の上面に、前記パイプサポートの台板を着座せしめることを特徴とする請求項5に記載のパイプサポート支承方法。
  7. 請求項5又は6に記載されたパイプサポート支承方法を用いて型枠支保工を構築する型枠支保工の構築方法であって、
    各パイプサポートを各パイプサポート支承具で支承して各パイプサポートの鉛直荷重をその直下の前記支柱に伝達するように、前記パイプサポート支承具を各パイプサポートと各支柱との間に介挿することを特徴とする型枠支保工の構築方法。
  8. 前記支柱の間に架設した横架材の中間部分によって前記パイプサポート支承具を支持し、該パイプサポート支承具によって前記パイプサポートを支承し、前記横架材の直下の支柱を省略することを特徴とする請求項7に記載の構築方法。
  9. 枠組式又は楔結合式の型枠構台と、該型枠構台上に立設されたパイプサポートとを有する型枠支保工において前記パイプサポートを前記型枠構台上に支持するパイプサポート支持構造であって、
    前記型枠構台の支柱の間に架設され、パイプサポート支承具又は大引き受けジャッキを支持する中間支持部を備えた横架材を有し、
    前記パイプサポートは、前記パイプサポート支承具上に立設され、或いは、前記大引き受けジャッキに支承された大引き材上に立設されたことを特徴とするパイプサポート支持構造。
  10. 前記横架材は、上弦材、下弦材及び腹材を有するトラス構造又はラチス構造の梁枠であり、前記中間支持部は、前記上弦材に一体的に設けられ又は該上弦材から一体的に上方に突出した支承具支持部材又はジャッキ支持部材からなることを特徴とする請求項9に記載のパイプサポート支持構造。
  11. 前記下弦材及び上弦材の端部を一体的に連結する補剛材を有し、該補剛材の下端部には、前記支柱に支承される顎又は突出部が設けられることを特徴とする請求項10に記載のパイプサポート支持構造。
  12. 枠組式又は楔結合式の型枠構台と、該型枠構台上に立設されたパイプサポートとを有する型枠支保工のパイプサポート支承方法において、
    パイプサポート支承具又は大引き受けジャッキを支持する中間支持部を備えた横架材を前記支柱の間に架設し、
    前記パイプサポートの下端部を前記支承具によって支承して該パイプサポートを立設し、或いは、大引き材を前記ジャッキによって支承し且つ該大引き材上に前記パイプサポートを立設し、
    前記横架材を介して前記パイプサポートの荷重を前記支柱に伝達し、該支柱によって該荷重を支持することを特徴とするパイプサポート支承方法。
  13. 前記横架材は、上弦材、下弦材及び腹材を有するトラス構造又はラチス構造の梁枠であり、前記上弦材の中間部に一体的に設けられ又は該上弦材の中間部から一体的に上方に突出した前記中間支持部によって前記支承具又はジャッキを支持することを特徴とする請求項12に記載のパイプサポート支承方法。
  14. 前記横架材の荷重の一部を前記上弦材の端部から前記支柱に伝達せしめるとともに、前記下弦材及び上弦材の端部を一体的に連結する補剛材を介して前記荷重の残部を前記支柱に伝達せしめることを特徴とする請求項10に記載のパイプサポート支承方法。
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