JPH0547704B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は建築構造物に於ける鉄骨鉄筋コンクリ
ート造、及び鉄筋コンクリート造の梁及びスラブ
の支持方法及び装置に関する。

［従来の技術］ 一般に建築構造物に於ける鉄骨鉄筋コンクリー
ト造、及び鉄筋コンクリート造における梁、スラ
ブ等の躯体の成形時には、梁部のコンクリートを
支える型枠とスラブ部のコンクリートを支える型
枠とを組み付け、この型枠内にコンクリートを打
設している。

ところで、型枠内にコンクリートを打設する際
には、この型枠を何らかの手段で 支えておく必
要があるが、従来の梁型枠とスラブ型枠の支持方
法は次のような方法が採用されている。

先ず、梁型枠の支持については、梁下床面又は
枠組ステージよりパイプサポートを起立させ、こ
のサポートが大引部材、根太部材を介して梁底型
枠を支持し、併せて梁側をセパレーターにて両サ
イドの横端太材を締結することによつて支えてい
る。

他方、スラブ型枠の支持については、梁部分の
支持材とは別に下床面より起立したパイプサポー
トで支持するか、又は梁側型枠に軽量ビームの端
部を取り付け、このビームの胴部で支えている。

［発明が解決しようとする問題点］ 上記のように従来の型枠の支持は、梁型枠の支
持とスラブ型枠の支持とが別々である為にこれら
の支持手段の組立、解体作業が面倒であり、部品
点数も増加し、経済性が悪い。

型枠組立用の足場、脚立、枠組足場が別に必要
であり、その組立、解体作業が困難である。梁側
型枠の支持にはセパレータが必要となり、この部
品の取り付け、切断加工が大変であり、部品点数
も多く作業性、経済性に劣る。

従つて、上記のことから工数が増加し、コスト
アツプとなり、工事現場では仮設材が繁雑し、安
全な作業も達成されていない。

更に従来の梁型枠の支持ではパイプサポートを
起立させる床面等に段差がある場合には単一のパ
イプサポートは使用できず、長さの異なるパイプ
サポートをいちいち選択せざるを得なかつた。

更に又、梁側型枠にスラブ型枠受け用の軽量ビ
ームを取り付ける場合には補強が必要となり、作
業性、経済性がどうしても悪くなる。

従つて、本発明の目的は、梁用型枠とスラブ用
型枠を同時に支持でき、セパレータが不要とな
り、作業用足場も同時に組立可能となり、梁下の
床面に段差があつても支持材を自由に起立でき、
部品点数が少なく、作業能率を向上させ、経済性
にもすぐれ、足場装置の設置にも利用できる梁及
びスラブの支持装置を提供することである。

［問題点を解決するための手段］ 上記の目的を達成するため、本発明の構成は、
梁の両側又は片側に起立する二本の長さ調整自在
なメイン支柱と、メイン支柱に挿入した梁受大引
部材を兼ねる横材と、当該横材より上方において
メイン支柱にソケツトを介して高さ調整自在に挿
入した伸縮自在な補助横材とを有し、横材は伸縮
自在な支持桿と当該支持桿の両端に設けたソケツ
トとからなると共に前記ソケツトを介してメイン
支柱に対して高さ調整自在に挿入され、メイン支
柱の上部でスラブ用型枠の下側を支持し、横材が
梁用型枠の下側を支持し、補助横材が梁用型枠の
側面側荷重を担持することを特徴とするものであ
る。

［実施例］ 以下本発明の実施の一態様を図面について説明
する。

鉄骨鉄筋コンクリート造におけるスラブ１１と
梁１２からなる躯体１３を担持するスラブ部型枠
１４と梁部型枠１５，１６とが組み付けられ、こ
れらの型枠１４，１５，１６は本発明に係る支持
装置によつて支えられている。

第１図は本発明の支持装置Ａの好適な一実施態
様を示すものであり、この支持装置Ａは梁１２の
両側に地上又は床上から起立する長さ調整自在な
メイン支柱１と、このメイン支柱に対して高さ位
置調整自在に取り付けられた伸縮自在な横材２と
この横材２より上方の補助横材３とからなり、メ
イン支柱１の上部はスラブ部型枠１４を支持し、
横材２は下方の梁用型枠１６の下側を支持し、メ
イン支柱１は補助横材３を介して側方の梁用型枠
１５，１５の側面側の荷重を担持するものであ
る。

メイン支柱１には足場装置１７が取り付けられ
ており、この足場装置１７を利用して鉄骨部のリ
ベツト打ち、溶接、配筋作業、型枠１４，１５，
１６の組立コンクリート打設及び仕上げ、型枠の
解体までの一連の作業を連続して行なうものであ
る。

メイン支柱１はパイプ状の支柱本体４と、この
支柱本体４の上下に螺合された伸縮自在又は長さ
調整自在なスラブ受けジヤツキ６とベースジヤツ
キ５とからなり、支柱本体４には多数の係止孔９
が任意の間隔を置いて穿設され、又養生網等を取
り付ける取り付け金具１８が設けられている。

梁受大引部材を兼ねた横材２は伸縮可能な支持
桿８と、当該支持桿８の両端に設けたソケツト７
とからなり、ソケツト７を支柱本体４に高さ調整
自在に挿入し、支柱４の係止孔９に高さ調整部材
たるピン１９を差し込むことにより梁受大引部材
たる横材２は任意の高さに保持される。

支持桿８には梁材２１ｂが下方に向けて連結さ
れ、この梁材２１ｂの下部は支持材２１に固定さ
れ、支持材２１の両端に設けたソケツト２２は支
柱本体４に上下移動自在に挿入され且つ係止孔９
とピン１９を介して任意の位置で保持できるよう
になつている。尚、支柱１の下方にも補強用の長
さ調節自在な支持材２１ａが架設されている。

支持桿８には左右一対のソケツト２３，２３が
横方向にスライド自在に取り付けられ、このソケ
ツト２３，２３には上方に起立する梁側端太部材
２４が差し込み等によつて連結されている。

支持桿８と支持材２１，２１ａは中央の長さ調
整部材２６を介して横方向の長さが調節できるよ
うになつている。

ソケツト２３は支持桿８に回転自在に取り付け
たジヤツキ３０を介して横方向に駆動されても使
用可能である。

梁１２の下部に配設した梁用型枠１６の下面に
は型枠１６に沿つて根太部材３１が設けられ、こ
の根太部材３１の下部は支持桿８に支持され、梁
１２の荷重は根太部材３１を介して横材２が担持
している。

但し、根太部材３１を使用せず、支持桿８が直
接型枠１６を支えても使用可能である。

補助横材３たる梁側受ジヤツキはねじ桿３２と
回転自在な駆動部材３３とねじ桿３２の両端に設
けた押圧部材３４及びソケツト３５とからなり、
ソケツト３は支柱本体４に挿入されて任意の位置
に保持され、押圧部材３４は梁側端太部材２４の
外側に当接し、駆動部材３３でねじ桿３２を伸長
し押圧部材３４を梁側に押し込んだ時、梁１２の
側圧を梁側端太部材２４と梁側受ジヤツキ３とを
介してメイン支柱１が担持する。

梁側端太部材２４の上端には梁部型枠１５の外
面とスラブ用型枠１４の下面に沿う支持材３６が
介在され、この支持材３６は型枠１４，１５の荷
重を支えている。

但し、この支持材３６を設けず、梁側端太部材
２４の頂部が直接型枠１４，１５を支えてもよ
い。

スラブ受けジヤツキ６は支柱本体４の頂部に螺
合されたねじ桿３７と駆動部材３８とねじ桿３７
の上端に設けた受け部材３９とからなり、駆動部
材３８を回動することによりねじ桿３７を上下に
伸縮するようになつている。

受け部材３９には支持材４０が保持され、この
支持材４０はスラブ用型枠１４の下面に沿つて配
設されている。

型枠１４はスラブ受け用ビーム４１で支えられ
ており、このビーム４１の端部に設けた引掛部４
２は支持材４０を介してスラブ受けジヤツキ６で
支えられている。

支持材４０は無くてもよく、この場合はスラブ
受けジヤツキ６を介してメイン支柱１が直接型枠
１４を支え、又、ビーム４１の引掛部４２もスラ
ブ受けジヤツキ６が直接支える。

足場装置１７は足場枠１０と足場板４３と手摺
４４とからなつている。

足場枠１０は支持桿４９と、支持桿４９の両端
に設けたソケツト４５，４６と、支持桿４９の下
部に斜め方に取り付けた補強フレーム４７とを有
し、ソケツト４５は支柱本体４に上下スライド自
在に挿入され、ピン１９を介して支柱本体４の任
意の係止孔９の位置に保持される。

ソケツト４６には手摺４４が上下の高さを調整
自在になるように挿入され、ピン１９を介して任
意の位置に保持され、手摺４４の上端又は側部に
設けた支持環５０には長手方向に沿つてロープ、
パイプ等が差し込まれる。

補強フレーム４７は下端の支え部材４８を介し
て支柱本体４８に当接し、これにより足場枠１０
はソケツト４５でメイン支柱１に取り付けられる
と共に足場板４３にかかる荷重は支持桿４９と補
強フレーム４７とで支えるものである。

第２図は本発明の参考例に係る支持装置を示
す。

この参考例は第１図の横材２と実質的に同じ横
材２０を使用している。

梁１２の断面両側に長さ調整自在なメイン支柱
１，１を起立させている。メイン支柱１の支柱本
体４ａには横材２０たる梁受大引部材が第１図の
実施例と同じく高さ方向が位置調整自在に取り付
けられている。

メイン支柱１は支柱本体４ａとベースジヨイン
ト５とからなつている。

梁受大引部材たる横材２０は長さ調整部材たる
ジヨイント５２を介して横方向の長さを調整でき
る支持桿２８と、支持桿２８の両端に設けたソケ
ツト２７とからなり、ソケツト２７は支柱本体４
ａに高さ調整自在に挿入されている。

支持桿２８は連結部材５４を介して同一構造の
支持桿２８ａと連結し、この支持桿２８ａもソケ
ツト２７ａを介して支柱本体４ａに挿入されてい
るメイン支柱４ａの下方には支持材２８ｂが架設
されている。

支持桿２８上にはパイプ状の根太部材３１が置
かれ、この根太部材３１を介して下方の梁部型枠
１６が支持されている。

図示の参考例では支持桿２８上に支持材５５を
起立して型枠１６を支持しているが、必ずしもこ
の支持材５５は必要ない。

又梁用型枠１５，１５の下部を支持桿２８上に
起立させているが、この型枠１５，１５は型枠１
６上に起立させてもよい。

梁用型枠１５，１５の側面にはこの型枠１５，
１５に沿つて支柱本体４ａの上部が当接し、これ
により横材２０の圧縮時に引張られてメイン支柱
１が梁１２と型枠１５，１５の側圧たる荷重を直
接担持している。

メイン支柱１の上端は直接スラブ用型枠１４を
担持するが、支持材３６を介して支持してもよ
い。

メイン支柱１には第１図と同じ足場装置１７が
取り付けられている。

第３図は本発明の他の実施例を示すものであ
る。この支持装置Ａは横材２の伸縮駆動機構以外
は全て第１図の構造と同一であるので図面に同一
の符号を符すことにより詳細は省略する。

横材２たる梁受大引部材は伸縮可能な支持桿８
と、当該支持桿８の両端に設けたソケツト７とか
らなり、ソケツト７を支柱本体４に高さ調整自在
に挿入し、支柱本体４の係止孔９にピン１９を差
し込むことにより横材２は任意の高さに保持され
る。

支持桿８には左右一対のソケツト２３，２３が
横方向にスライド自在に取り付けられ、このソケ
ツト２３，２３には上方に起立する梁側端太部材
２４が差し込まれている。

ソケツト２３，２３間にはねじ桿２５，２５と
ターンバツクル２６が介装され、ターンバツクル
２６を一方向に回動することによりソケツト２
３，２３を左右どちらか一方に移動させ、ソケツ
ト２３，２３同志が近寄る内方に移動した時梁側
端太部材２４，２４が梁用型枠１５，１５の外側
面に当接し梁１２の側圧を支持するようになつて
いる。

ソケツト２３は支持桿８に回転自在に取り付け
たジヤツキ３０を介して横方向に駆動されても使
用可能である。

第４図は本発明の他の参考例に係る支持装置を
示す。この場合横材２０は第１図の横材２と実質
的に同じである。

梁１２の断面両側に長さ調整自在なメイン支柱
１，１を起立させ、メイン支柱１の本体はジヨイ
ント５１を介して複数の支柱本体たるパイプ４
ａ，４ｂを長さ調節自在に連結したものから構成
されている。

支柱本体４ｂには横材２０たる梁受大引部材が
位置調整自在に取り付けられている。

メイン支柱１は複数の支柱本体４ａ，４ｂと、
ジヨイント５１と、ベースジヨイント５と、スラ
ブ受けジヨイント６とからなり、スラブ受けジヨ
イント６は直接又は支持材４０を介してスラブ部
型枠１４を支持している。

スラブ受けジヨイント６はスラブ１１の荷重を
支持する第１図と同じビーム４１の端部も支える
ことが可能である。

梁受大引部材たる横材２０は長さ調整部材たる
ジヨイント５２を介して横方向の長さを調整でき
る支持桿２８と、支持桿２８の両側に設けたソケ
ツト２７とからなり、ソケツト２７は支柱本体４
ｂに挿入され、高さ調整部材たるハンドル等の駆
動部材５３又は第１図のようなピンと係止孔とに
より任意の位置に保持される。

支持桿５２は連結部材５４を介して同一構造の
支持桿２８ａと連結し、この支持桿２８ａもソケ
ツト２７ａを介して支柱本体４ｂに挿入されてい
る。支持桿２８上には根太部材３１が置かれ、こ
の根太部材３１を介して下方の梁部型枠１６が支
持されている。

梁用型枠１５，１５は端太材５６，５７と緊締
金具５８とメイン支柱１とで支持されている。

次に第５図は本発明の他の参考例に係り、これ
は第４図と同じ横材２０が使用され、梁の下部が
壁になつている場合に梁断面の片側にのみ支持装
置を設けたものである。

即ち、梁１２の側面側にメイン支柱１を起立
し、このメイン支柱１がスラブ型枠１４と梁用型
枠１５を支持している。

梁１２の下部にはメイン支柱１と同一構造の補
助支柱１ａを起立し、この補助支柱１ａは長さ調
整自在及び高さ調整自在な横材２０たる梁受大引
部材の下部を担持している。

その他の構造は第２図のものと同一であるから
同一の符号を符して省略する。

［発明の効果］ 本発明によれば次の効果を有する。

梁の両側又は片側にメイン支柱を起立させ、
メイン支柱に横材と補助横材を取り付け、メイ
ン支柱と横材と補助横材とだけでスラブ用型枠
と梁用型枠を支えるから部品点数が少なく、構
造が簡単で経済性にすぐれている。

同じく少ない部材を組立て且つ解体するから
その作業が著しく向上する。

メイン支柱は長さ調整式であり、補助横材
と、横材を構成する支持桿は伸縮自在であるか
ら、単一の部材をいろいろな態様で使用可能と
なり、工事現場に合せた長さの部材をいちいち
用意する必要がない。

又、持ち運び、格納の際に短かくできるから
一度に多数の部品をコンパクトにまとめて搬送
でき、小さいスペース内に収容できる。

メイン支柱は長さが調節自在であるから、こ
れを起立させる床面又はステージに段差があつ
てもこの段差に応じて高さを調節でき、長さの
異なる多段のメイン支柱を用意する必要がな
い。

横材を構成する支持桿は伸縮自在に構成され
ているから梁の横巾に追従できると共に圧縮し
た時メイン支柱を引張つて補助横材を梁用型枠
の側面に当接できる。

横材は高さ調整自在にメイン支柱に挿入され
ているから、横材を梁の高さに追従でき、上方
に引き上げた時梁用型枠の下側を支持できる。

スラブ受けビームはメイン支柱が支えるか
ら、従来のように梁用型枠を補強する必要がな
い。

メイン支柱には、足場装置が取り付け可能で
あり、この足場が設置されている場合には型枠
組立、解体用の足場、脚立、枠組足場等を別に
設ける必要がない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る梁及びスラブ
支持装置の縦断正面図、第２図は参考例に係る縦
断正面図、第３図は本発明の他の実施例に係る梁
及びスラブ支持装置の縦断正面図、第４図、第５
図は参考例に係る縦横正面図である。 符号の説明、１……メイン支柱、２，２０……
横材、３……補助横材、８……支持桿、１０……
足場枠、１１……スラブ、１２……梁、１４……
スラブ用型枠、１５……梁用型枠、２６……高さ
調整部材、３０……ソケツト、３５……ソケツ
ト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 梁の両側又は片側に起立する二本の長さ調整
   自在なメイン支柱と、メイン支柱に挿入した梁受
   大引部材を兼ねる横材と、当該横材より上方にお
   いてメイン支柱にソケツトを介して高さ調整自在
   に挿入した伸縮自在な補助横材とを有し、横材は
   伸縮自在な支持桿と当該支持桿の両端に設けたソ
   ケツトとからなると共に前記ソケツトを介してメ
   イン支柱に対して高さ調整自在に挿入され、メイ
   ン支柱の上部でスラブ用型枠の下側を支持し、横
   材が梁用型枠の下側を支持し、補助横材が梁用型
   枠の側面側荷重を担持することを特徴とする梁及
   びスラブの支持装置。 ２ 横材が長さ調整部材たるジヨイントを介して
   長さ調整される特許請求の範囲第１項記載の梁及
   びスラブの支持装置。 ３ 横材か高さ調整部材たるピン、クランプ又は
   ハンドルを介して高さ調整される特許請求の範囲
   第１項記載の梁及びスラブの支持装置。 ４ メイン支柱に対して足場枠が位置調整自在に
   取り付けられている特許請求の範囲第１項記載の
   梁及びスラブの支持装置。