JPH0536042Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、梁等のコンクリート打ちに好適な、
梁型枠受を備えた支保工に関するものである。

〔従来の技術〕

建造物の梁部分を施工する梁型枠や床、天井部
分を施工するスラブ型枠は、従来一般に、床面か
ら立設の支柱によつて支持するようにするか、或
は、支柱により梁型枠を支持し、その梁型枠にス
ラブ型枠を支持させるかしている。しかし、いず
れの場合も、支柱等の支保工や型枠の仮設及びコ
ンクリート養生後の型枠解体、撤去作業が繁雑で
多くの手間や熟練を要するとともに、おおくの支
柱類を立設するため、作業空間が狭くなり、施工
能率が悪く、安全の確保に難点が多かつた。

そこで、最近、スラブ型枠を支持する支柱間に
梁型枠の支持部材を高さ調節自在に取付けた装置
が提案されている（特開昭61−290164号公報参
照）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上記の装置では、梁型枠の支持部材の
高さ調節が、支柱の上下方向に間隔をおいて設け
た係止孔の選択によつてなされるだけであるた
め、調節間隔が粗く、微細な調節には、支持桿上
に載せる根太部材の太さを変えたり、他の調節用
部材を挟み込まねばならない等、面倒な作業を要
するという欠点がある。

本考案は、前記従来支保工における欠点を解決
するためになされたもので、従来の支保工に用い
ている仮設支柱とは異なり、新たな仮設支柱を考
案し、その支柱と梁型枠を支持するのに適した梁
型枠受台との組合わせによるものである。その機
能は型枠支保工の搬入、搬出や仮設作業が容易
で、梁型枠下の作業空間が広く確保できるととも
に、階高の高さの変化への対応も容易であるとと
もに、梁型枠の支持に対する微調節も簡易、確実
にできるようにした支保工を提供しようとするも
のである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の構成について、実施例に対応する第１
図、第２図を参照して説明すると、本考案は側面
の長手方向に間隔をおいて多数の貫通孔３，３を
設けた角パイプ１の両端に、それぞれジヤツキ
２，２を取付けた、一対の仮設支柱Ａ，Ａと、該
仮設支柱Ａの角パイプ１に、角パイプ１の任意の
貫通孔３を介して着脱自在とした係着具１３を両
端に設けた型枠受台１２の上面部に、梁型枠Ｃの
支持ジヤツキ１７，１７を取付けた梁型枠受Ｂと
よりなることを特徴とするものである。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例について図面を参照して
説明する。

図においてＡ，Ａは一対の仮設支柱で、それぞ
れ角パイプ１とその両端に取付けられたジヤツキ
２，２とにより構成されている。角パイプ１は、
断面ほぼ四角形で、その四方の側面にはそれぞれ
角パイプ１の長手方向に間隔をおいて多数の貫通
孔３，３が各対向して設けられている。そして角
パイプ１の両端にはジヤツキ２，２が取付けられ
ているが、具体的には第２図に示すように、角パ
イプ１の端部内に、ジヤツキ２のネジ杆を遊挿す
るに適した径の振れ止管４が所要の長さにわたり
内装されて、その振れ止管４の一端には角パイプ
１の端面に接合する座板５が固着され、また他端
部には角パイプ１に内接する押え板６が固着され
ており、一端に支持板８を固着したネジ杆７に把
手１１を突設した調節ナツト１０を螺合したジヤ
ツキ２がネジ杆７の下部を振れ止管４内に挿入し
て取付けた構造となつている。

Ｂは梁型枠受で、横方向に長い杆状に形成した
型枠受台１２の両端に、前記の角パイプ１の外側
に係接する平面コ字形の係着具１３，１３が溶接
等により固着されており、この係着具１３には係
着孔９が設けられていて、係着孔９から角パイプ
の貫通孔３，３に挿通したボルト・ナツト（図示
を略す）により角パイプ１の任意の貫通孔３を介
して着脱ができるようになつている。また、型枠
受台１２の下側には管状の束材１４，１４、下弦
材１５、斜材１６，１６が連設され、型枠受台１
２の補強がなされている。そして、型枠受台１２
の上面部には、さきに説明したジヤツキ２と同様
に、一端に支持板１９を固着したネジ杆１８に把
手２１を突設した調節ナツト２０を螺合したジヤ
ツキ１７，１７がそのネジ１８の下部を束材１４
内に挿入して取付けられている。

本考案の支保工は、前記した仮設支柱Ａ，Ａの
一対と型枠受台Ｂとにより構成されており、図示
のように、直立した一対の仮設支柱Ａ，Ａに型枠
受台Ｂの両端にある係着具１３，１３をそれぞれ
外接させ、所要の係着位置に適合した角パイプ
１，１の貫通孔３，３に係着具１３の係着孔を通
してボルトを挿通させ、ナツトを締め付けて固定
するのである。また、必要に応じて、仮設支柱の
剛性を高めるため、一対の仮設支柱Ａ，Ａの下部
間に補強連結材２２を架設する。この補強連結材
２１は、前記の梁型枠受Ｂと同様に、連結杆材の
両端に係着孔２４を設けた係着具が設けられてお
り、係着孔２４から角パイプ１の貫通孔３，３に
挿通したボルト・ナツト（図示を略す）により角
パイプの任意の貫通孔３を介して着脱ができるよ
うになつている。

第３図は、本考案支保工による施工例を示した
もので、本願考案の支保工は、その架設支柱Ａ，
Ａが架設する梁型枠Ｃの両側に位置するようにし
て起立させ、これを梁型枠Ｃの長さ方向に所要の
間隔をおいて複数設け、それらの支保工を互いに
継材の単管２５，２５等により連結する。両仮設
支柱Ａ，Ａはその上端によりスラブ型枠Ｄ，Ｄを
支持するようにし、また、両仮設支柱Ａ，Ａ間に
ある梁型枠受Ｂによつて梁型枠Ｃを支持するもの
である。仮設するにあたつての仮設支柱Ａの長さ
の調節及びスラブ型枠Ｄを支持したときのスラブ
型枠Ｄのレベル調節はジヤツキ２にて行う、ジヤ
ツキ２の数は第１，第２図の如く上下に付ける場
合もあり、どちらか片方のみの場合もある。

仮設支柱Ａによるスラブ型枠Ｄの支持は、一般
に、上部のジヤツキ２上に桁材２６を載せ、その
上にスラブ型枠Ｄのビーム材２８を支持するよう
にする。また、梁型枠Ｃの支持は、型枠受台Ｂに
取付けのジヤツキ１７，１７上に載せた荷重受材
２７を介して支持するのである。その場合、型枠
受台Ｂの概の高さは仮設支柱Ａにおける貫通孔３
との係着位置の選定により行い、梁型枠Ｃの支持
高さの細部の調節はジヤツキ１７，１７の操作に
よつて行うのである。なお両角パイプ１，１を起
立する床レベルに段差のある場合には、一方の角
パイプ１のジヤツキ又は支柱長さを変えることに
より対応させることができる。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案の梁型枠受を備え
た支保工は、側面の長手方向に間隔をおいて多数
の貫通孔を設けた角パイプの両端に、それぞれジ
ヤツキを取付けた、一対の仮設支柱と、両端に、
該仮設支柱の角パイプにその貫通孔を介して着脱
自在とした係着具を設けるとともに、上面部に梁
型枠の支持ジヤツキを設けた型枠受台とよりなる
ことを特徴としており、一対の仮設支柱と型枠受
台との組合わせによるものであるから、構造が極
めて簡単であるとともに、組立解体や運搬等が容
易であり、また、梁型枠下の作業空間を十分にと
ることができ、作業性が良好となる。しかも、仮
設支柱の長さ及び型枠受台の高さの調節と、型枠
支持に際しての微調節が簡易、確実にできるの
で、現場の様々な作業条件に適応でき、広範に使
用することができる等、多くの利点を有するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案支保工の一実施例を示す正面
図、第２図は同支柱のジヤツキ部分を示す拡大縦
断面図、第３図は本考案支保工による支保工例を
示す縦断面図である。 Ａ……仮設支柱、Ｂ……梁型枠受、Ｃ……梁型
枠、Ｄ……スラブ型枠、１……角パイプ、２……
ジヤツキ、３……貫通孔、７……ネジ杆、９……
係着孔、１２……型枠受台、１３……係着具、１
７……ジヤツキ、１８……ネジ杆、２２……補強
連結材、２７……荷重受材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側面の長手方向に間隔をおいて多数の貫通孔を
   設けた角パイプの両端に、それぞれジヤツキを取
   付けた、一対の仮設支柱と、該仮設支柱の角パイ
   プに、角パイプの任意の貫通孔を介して着脱自在
   とした係着具を両端に設けた型枠受台の上面部
   に、梁型枠の支持ジヤツキを取付けた梁型枠受と
   よりなることを特徴とする、梁型枠を備えた支保
   工。