以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る給湯装置の構成図である。本実施の形態の給湯装置は、貯湯式給湯機1を備える。なお、本実施の形態の給湯装置は、貯湯式給湯機1の代わりに、例えば、即湯式の給湯機を備えていてもよい。以下、本実施の形態では、一例として、貯湯式給湯機1を備える給湯装置について説明する。
図1に示すように、貯湯式給湯機1は、ヒートポンプユニット2、タンクユニット10およびリモコン装置70を備える。ヒートポンプユニット2とタンクユニット10とは、配管および図示しない電気配線によって接続されている。リモコン装置70は、タンクユニット10に内蔵された制御部60と、有線または無線によって電気的に接続されている。
ヒートポンプユニット2は、水を加熱するための加熱手段である。ヒートポンプユニット2は、圧縮機3、水冷媒熱交換器4、膨張弁5および空気熱交換器6を備える。圧縮機3、水冷媒熱交換器4、膨張弁5、および空気熱交換器6は、冷媒配管7によって環状に接続され、ヒートポンプサイクルを構成する。
水冷媒熱交換器4は、一次側を流れる冷媒と二次側を流れる水との間で熱交換を行う。水冷媒熱交換器4の一次側には、圧縮機3によって圧縮された高温の冷媒が冷媒配管7を介して導かれる。水冷媒熱交換器4の二次側には、貯湯タンク11からの低温水が導かれる。水冷媒熱交換器4の二次側に導かれた低温水は、一次側を流れる高温の冷媒によって加熱される。ヒートポンプユニット2は、このようにして、タンクユニット10の貯湯タンク11から導かれた低温水を加熱する。
タンクユニット10は、湯水を貯留する貯湯タンク11を備える。貯湯タンク11の下部には、第1水導入口11a、水導出口11b、および第2水導入口11cが設けられる。貯湯タンク11の上部には、第1温水導入出口11dおよび第2温水導入出口11eが設けられる。貯湯タンク11の中部には、中温水導入出口11fおよび中温水導入口11gが設けられる。
タンクユニット10は、減圧弁12を備える。減圧弁12は、配管を流れる水の圧力を調整するためのものである。減圧弁12には、第1給水配管13aの一端が接続される。第1給水配管13aの他端は、貯湯タンク11の第1水導入口11aに接続される。また、減圧弁12には、第2給水配管13bの一端が接続される。第2給水配管13bの他端は、貯湯式給湯機1の外部の水源に接続される。水源は、例えば水道等である。
第2給水配管13bには、水源からの低温水が供給される。水源から第2給水配管13bへ供給された低温水は、減圧弁12によって所定の圧力に調圧される。減圧弁12によって調圧された低温水は、第1給水配管13aを流れ、第1水導入口11aから貯湯タンク11内に流入する。
貯湯タンク11には、貯湯タンク11の下部の第1水導入口11aから低温水が流入するともに、貯湯タンク11の上部の第1温水導入出口11dおよび第2温水導入出口11eからヒートポンプユニット2によって加熱された高温水が流入する。このようにして、貯湯タンク11内には、上部と下部とで温度差が生じるように湯水が貯留される。
貯湯タンク11の表面には、複数の貯湯温度センサ14,15,16が、それぞれ異なる高さに取り付けられる。第1貯湯温度センサ14は、貯湯タンク11の表面の上部に取り付けられる。第2貯湯温度センサ15は、貯湯タンク11の表面の下部に取り付けられる。第3貯湯温度センサ16は、貯湯タンク11の表面の中央部に取り付けられる。貯湯温度センサ14,15,16により、貯湯タンク11に貯留された水の量および温度分布等を把握することができる。
また、タンクユニット10は、ふろ用熱交換器17およびふろ循環ポンプ18を備える。ふろ用熱交換器17の一次側には、貯湯タンク11から湯水が供給され、ふろ用熱交換器17の二次側には、貯湯式給湯機1の外部の浴槽80内の浴水が供給される。ふろ用熱交換器17は、貯湯タンク11から供給される湯水と、浴槽80から供給される浴水との間で熱交換を行う。
ふろ用熱交換器17の二次側の流入口には、ふろ戻り配管19の一端が接続される。ふろ戻り配管19の他端は、浴槽アダプタ81を介して、浴槽80に接続される。浴槽アダプタ81は、浴槽80の壁面に取り付けられる。また、ふろ用熱交換器17の二次側の流出口には、ふろ往き配管20の一端が接続される。ふろ往き配管20の他端は、浴槽アダプタ81を介して、浴槽80に接続される。このように、ふろ戻り配管19とふろ往き配管20とで、浴槽80内の浴水が循環するふろ循環回路28が形成される。
ふろ循環ポンプ18は、浴槽80内の浴水を、ふろ戻り配管19、ふろ用熱交換器17の二次側およびふろ往き配管20に循環させるためのポンプである。ふろ循環ポンプ18は、ふろ戻り配管19に設けられる。なお、ふろ循環ポンプ18は、ふろ往き配管20に設けてもよい。
ふろ戻り配管19には、ふろ戻り温度センサ21、水位センサ23、フロースイッチ24、気泡発生装置25、および除菌装置26が設置される。ふろ戻り温度センサ21は、浴槽80からふろ用熱交換器17に向かう浴水の温度を検出する。水位センサ23は、浴槽80内の浴水の水量を検出する。フロースイッチ24は、ふろ戻り配管19における浴水の循環を検知する。気泡発生装置25は、例えばエジェクタ構造のものであり、空気を取り込むことにより、ふろ循環回路28内の浴水中に洗浄効果のある微細気泡を発生させる。
除菌装置26は、例えば、紫外線照射装置、オゾン発生装置、重金属イオン発生装置、超音波発生装置である。図2は、紫外線LEDによる浴水除菌率を示す図である。図2に示すように、紫外線LEDを浴水に照射することにより、浴水の除菌が可能であることが分かる。また、除菌装置26の表面には、除菌装置26の表面の温度を検出する除菌装置温度検出部27が取り付けられている。
ふろ往き配管20には、ふろ往き温度センサ22が設置される。ふろ往き温度センサ22は、ふろ用熱交換器17で熱交換された後の浴水の温度を検出する。
タンクユニット10は、流路切替手段として、第1三方弁31、第1四方弁32、第2四方弁33および第2三方弁34を備える。また、タンクユニット10は、熱源ポンプ35、給湯用混合弁36、ふろ用混合弁37および電磁弁39を備える。
第1三方弁31は、流入口であるaポートおよびbポートと、流出口であるcポートとを有する。第1三方弁31は、a-cおよびb-cの2つの経路の間で流路を切替可能である。
第1四方弁32は、流入口であるaポートおよびbポートと、流出口であるcポートおよびdポートとを有する。第1四方弁32は、a-c、a-d、b-c、およびb-dの4つの経路の間で流路を切替可能である。
第2四方弁33は、流入口であるaポートと、流出口であるbポート、cポート、およびdポートとを有する。第2四方弁33は、a-b、a-c、およびa-dの3つの経路の間で流路を切替可能である。
第2三方弁34は、流入口であるaポートおよびbポートと、流出口であるcポートとを有する。第2三方弁34は、a-cおよびb-cの2つの経路の間で流路を切替可能である。
熱源ポンプ35は、貯湯式給湯機1が備える各種配管に水を循環させるための装置である。給湯用混合弁36は、第1流入口、第2流入口および流出口を有する混合手段である。ふろ用混合弁37は、第1流入口、第2流入口および流出口を有する混合手段である。電磁弁39は、配管内の流路を開放または閉塞する装置であり、本実施の形態においては、タンクユニット10から浴槽80への湯水の供給を制御するために設けられる。
第1三方弁31のaポートには、水導出口配管41の一端が接続される。水導出口配管41の他端は、水導出口11bに接続される。第1三方弁31のbポートには、第1熱交換器戻り配管42の一端が接続される。第1熱交換器戻り配管42の他端は、ふろ用熱交換器17の一次側の流出口に接続される。第1三方弁31のcポートには、ヒートポンプ往き配管43の一端が接続される。ヒートポンプ往き配管43の他端は、ヒートポンプユニット2の水冷媒熱交換器4の二次側の流入口に接続される。熱源ポンプ35は、ヒートポンプ往き配管43に設けられる。
水冷媒熱交換器4の二次側の流出口には、ヒートポンプ戻り配管44の一端が接続される。ヒートポンプ戻り配管44の他端は、第1四方弁32のbポートに接続される。ヒートポンプユニット2とタンクユニット10とは、ヒートポンプ往き配管43およびヒートポンプ戻り配管44によって接続される。
第1四方弁32のaポートには、送水配管45の一端が接続される。送水配管45の他端は、水冷媒熱交換器4と熱源ポンプ35との間で、ヒートポンプ往き配管43に接続される。第1四方弁32のcポートには、第1温水配管46の一端が接続される。第1温水配管46の他端は、貯湯タンク11に設けられた第2水導入口11cに接続される。第1四方弁32のdポートには、第2温水配管47の一端が接続される。第2温水配管47の他端は、第2四方弁33のaポートに接続される。
第2四方弁33のbポートには、第3温水配管48の一端が接続される。第3温水配管48の他端は、貯湯タンク11に設けられた第2温水導入出口11eに接続される。第2四方弁33のcポートには、第4温水配管49の一端が接続される。第4温水配管49の他端は、貯湯タンク11に設けられた中温水導入口11gに接続される。第2四方弁33のdポートには、第5温水配管50の一端が接続される。第5温水配管50の他端は、貯湯タンク11に設けられた第1温水導入出口11dに接続される。
第3温水配管48の途中には、熱交換器往き配管51の一端が接続される。熱交換器往き配管51の他端は、ふろ用熱交換器17の一次側の流入口に接続される。第5温水配管50の途中には、第1給湯配管52の一端が接続される。第1給湯配管52の他端は、途中で2つに分岐する。2つに分岐した第1給湯配管52の他端の一方は給湯用混合弁36の第1流入口に接続され、他方はふろ用混合弁37の第1流入口に接続される。
第2三方弁34のaポートには、第3給水配管13cの一端が接続される。第3給水配管13cの他端は、第1給水配管13aの途中に接続される。第2三方弁34のbポートには、第6温水配管53の一端が接続される。第6温水配管53の他端は、貯湯タンク11に設けられた中温水導入出口11fに接続される。第2三方弁34のcポートには、第4給水配管13dの一端が接続される。第4給水配管13dの他端は、途中で2つに分岐する。2つに分岐した第4給水配管13dの他端の一方は給湯用混合弁36の第2流入口に接続され、他方はふろ用混合弁37の第2流入口に接続される。
第6温水配管53の途中には、第2熱交換器戻り配管54の一端が接続される。第2熱交換器戻り配管54の他端は、第1熱交換器戻り配管42の途中に接続される。第2熱交換器戻り配管54には、逆止弁38が設置されている。逆止弁38は、貯湯タンク11の中間部から貯湯タンク11の下部へ向かう湯水の流れを阻害するためのものである。
給湯用混合弁36の流出口には、第2給湯配管55の一端が接続される。第2給湯配管55の他端は、給湯栓40を介して、貯湯式給湯機1の外部の、図示しない蛇口に接続される。蛇口は、例えば、シャワー又はカランに設けられる。
また、ふろ用混合弁37の流出口には、第3給湯配管56の一端が接続される。第3給湯配管56の他端は、ふろ往き配管20の途中に接続される。第3給湯配管56には、電磁弁39および流量センサ57が設けられる。電磁弁39は、第3給湯配管56内の流路を開放または閉塞する。流量センサ57は、第3給湯配管56内の湯水の流量を検出する。
また、タンクユニット10には、制御部60が内蔵される。なお、制御部60は、タンクユニット10の外部に設けられていてもよい。
制御部60は、貯湯式給湯機1を構成する各部品に電気的に接続される。制御部60には、リモコン装置70が、有線または無線によって電気的に接続される。制御部60とリモコン装置70とは、相互に通信することが可能である。
リモコン装置70は、表示部70aおよび操作部70bを有する。表示部70aは、例えば、貯湯式給湯機1の運転状態および設定内容に関する情報を表示することができる。また、表示部70aは、除菌装置26の運転状態、すなわち、除菌装置26が運転しているか停止しているかを表示できるようにしてもよい。表示部70aは、例えば、液晶によって形成される。操作部70bは、例えば、使用者が貯湯式給湯機1を操作するためのスイッチである。また、リモコン装置70に、例えばスピーカまたはマイクを設け、使用者に情報を音声または音で報知できるようにしてもよい。
リモコン装置70は、使用者による操作部70bの操作に応じた運転指示を、制御部60へ送信する。制御部60は、リモコン装置70から受信した運転指示に基づいて、貯湯式給湯機1を構成する各部品を制御する。
次に、図3を用いて、貯湯式給湯機1を制御する制御部60の構成について説明する。図3は、実施の形態1に係る制御部60の機能を示すブロック図である。
図3に示すように、制御部60には、リモコン装置70、貯湯温度センサ14~16、ふろ戻り温度センサ21、ふろ往き温度センサ22、水位センサ23、フロースイッチ24、除菌装置温度検出部27および流量センサ57からの情報が入力される。制御部60は入力されたこれらの情報に基づいて、ヒートポンプユニット2、熱源ポンプ35、ふろ循環ポンプ18、第1三方弁31、第2三方弁34、第1四方弁32、第2四方弁33、給湯用混合弁36、ふろ用混合弁37、電磁弁39、気泡発生装置25および除菌装置26の動作を制御する。なお、制御部60の各機能は、CPU等のプロセッサによって実現される。プロセッサがプログラムに従って演算処理を実行することにより、制御部60の各機能が実現される。
次に、本実施の形態の貯湯式給湯機1の動作について説明する。
まず、貯湯式給湯機1の追いだき運転について、図4を用いて説明する。図4は、実施の形態1に係る給湯装置の追いだき運転時の回路構成図である。追いだき運転は、貯湯タンク11内の温水を利用して、浴槽80内の浴水を加温または保温するための運転である。追いだき運転は、例えば、リモコン装置70の操作部70bにより追いだき運転の指示が行われることによって制御部60が開始させる。なお、追いだき運転の開始は手動によるものには限られず、例えば、制御部60が、ふろ戻り温度センサ21で検出された浴水の温度がリモコン装置70で設定されている設定温度を下回ったと判断したときに、自動で開始させるようにしてもよい。
追いだき運転において、制御部60は、熱源ポンプ35およびふろ循環ポンプ18を運転させる。また、制御部60は、第1三方弁31をbポートとcポートとが連通しaポートが閉状態となる形態、第1四方弁32をaポートとdポートとが連通しbポートとcポートとが閉状態となる形態、第2四方弁33をaポートとcポートとが連通しbポートとdポートとが閉状態となる形態にさせる。これにより、図4に示すように、貯湯タンク11の上部の第2温水導入出口11eから導出された高温水は、第3温水配管48および熱交換器往き配管51を通って、ふろ用熱交換器17にて浴水との熱交換が行われる。そして、熱交換が行われて浴水と近い温度となった中温水は、第1熱交換器戻り配管42、第1三方弁31、ヒートポンプ往き配管43、送水配管45、第1四方弁32、第2温水配管47、第2四方弁33および第4温水配管49を通って、中温水導入口11gから貯湯タンク11内に流入する。
浴槽80内の浴水は、ふろ戻り配管19を通ってふろ用熱交換器17にて貯湯タンク11内の高温水との熱交換が行われる。熱交換が行われて温度上昇した浴水は、ふろ往き配管20を通って、浴槽80内に流入する。制御部60は、例えば、ふろ戻り温度センサ21で検出される浴水の温度が、リモコン装置70で設定されている追いだき運転の設定温度に達したとき、追いだき運転を終了させる。
次に、貯湯式給湯機1のふろ熱回収運転について、図5を用いて説明する。図5は、実施の形態1に係る給湯装置のふろ熱回収運転時の回路構成図である。ふろ熱回収運転は、貯湯タンク11内の低温水と浴槽80内の浴水とを熱交換して、浴水の有する熱を貯湯タンク11内の湯水に回収する運転である。ふろ熱回収運転は、例えば、リモコン装置70の操作部70bによりふろ熱回収運転の指示が行われることによって制御部60が開始させる。なお、ふろ熱回収運転の開始は手動によるものには限られず、例えば、制御部60が、第2貯湯温度センサ15で検出された貯湯タンク11下部の湯水の温度がふろ戻り温度センサ21で検出された浴槽80内の浴水の温度より低いと判断したとき、使用者の入浴が完了したことを判断したとき、または、リモコン装置70において予め予約設定されている時間となったと判断したときなどに、制御部60が自動で開始させるようにしてもよい。
ふろ熱回収運転において、制御部60は、熱源ポンプ35およびふろ循環ポンプ18を運転させる。また、制御部60は、第1三方弁31をaポートとcポートとが連通しbポートが閉状態となる形態、第1四方弁32をaポートとdポートとが連通しbポートとcポートとが閉状態となる形態、第2四方弁33をaポートとbポートとが連通しcポートとdポートとが閉状態となる形態にさせる。これにより、図5に示すように、貯湯タンク11の下部の水導出口11bから導出された低温水は、水導出口配管41、第1三方弁31、ヒートポンプ往き配管43、送水配管45、第1四方弁32、第2温水配管47、第2四方弁33、第3温水配管48および熱交換器往き配管51を通って、ふろ用熱交換器17にて浴水との熱交換が行われる。そして、熱交換が行われて浴水と近い温度となった中温水は、第1熱交換器戻り配管42、第2熱交換器戻り配管54および第6温水配管53を通って、中温水導入出口11fから貯湯タンク11内に流入する。
浴槽80内の浴水は、ふろ戻り配管19を通ってふろ用熱交換器17にて貯湯タンク11内の低温水との熱交換が行われる。熱交換が行われて温度低下した浴水は、ふろ往き配管20を通って、浴槽80内に流入する。
ふろ熱回収運転においては、浴槽80内にはふろ用熱交換器17にて熱交換された低温の湯水が流入するため、湯水の温度差による比重により、浴槽80内の下部には低温の湯水がたまり、上部には高温の湯水がたまる温度境界層が生成される。温度境界層が生成された状況下では、浴槽80内の上部にある高温の湯水をふろ用熱交換器17に送ることができず、熱回収効率が悪化する。
そこで、制御部60は、ふろ熱回収運転において、浴槽80内の温度境界層を壊すために浴水の撹拌動作を行う。ここでは、ふろ熱回収運転開始時の運転を第1のふろ熱回収運転と呼び、浴水の撹拌動作を行う運転を第2のふろ熱回収運転と呼ぶ。第2のふろ熱回収運転において、制御部60は、ふろ循環ポンプ18を第1のふろ熱回収運転よりも高流量で運転させる。第2のふろ熱回収運転におけるふろ循環ポンプ18の流量は、例えば、8L/minである。なお、第2のふろ熱回収運転時は、ふろ循環ポンプ18を高流量で運転しており、ふろ用熱交換器17における熱交換効率は低いため、熱源ポンプ35は停止させてもよいし、流量を下げてもよい。
制御部60は、第2のふろ熱回収運転を予め設定されている時間実施すると、ふろ循環ポンプ18の流量を下げ、再度第1ふろ熱回収運転を開始させる。第2のふろ熱回収運転を運転させる設定時間は、例えば、8L/minで運転させた場合は5分である。
そして、第1のふろ熱回収運転を開始させると、再度浴槽80内に温度境界層が生成されるため、第2のふろ熱回収運転を実施する。このように、第1のふろ熱回収運転および第2のふろ熱回収運転を繰り返し行うことで、浴槽30内の湯水から効率良く熱を貯湯タンク11内の湯水に回収することができる。
制御部60は、例えば、ふろ戻り温度センサ21で検出される浴水の温度が予め設定されている値より下がったときに、浴水に回収可能な熱が残っていないと判断し、ふろ熱回収運転を終了させる。なお、制御部60は、ふろ熱回収運転を開始させてから予め設定されている時間を経過したときに、ふろ熱回収運転を終了させるようにしてもよい。ふろ熱回収運転を終了させる時間は、例えば、1~1.5時間である。
なお、ふろ熱回収運転を、第1のふろ熱回収運転および第2のふろ熱回収運転を繰り返し行う運転として説明したが、第1のふろ熱回収運転のみを行い、常に同じ流量でふろ循環ポンプ18を運転させる運転であってもよい。
次に、貯湯式給湯機1の第1の除菌運転について説明する。第1の除菌運転は、ふろ循環ポンプ18を動作させてふろ循環回路28内に浴水を循環させる運転を行っている間に、除菌装置26を動作させて浴水の除菌を行う運転である。第1の除菌運転は、例えば、追いだき運転中またはふろ熱回収運転中に実施する。
追いだき運転中に第1の除菌運転を実施することで、入浴中における浴水中の菌の増加を抑制することができる。また、ふろ熱回収運転中に第1の除菌運転を実施することで、ふろ熱回収運転を行った後に、浴水を洗濯水として再利用した場合でも、浴水中の菌による臭いの発生を抑制することができる。また、ふろ熱回収運転は約1~1.5時間必要となるため、浴水の排水が翌日になることがあり、菌の増殖による汚れが増加する。そこで、ふろ熱回収運転中に第1の除菌運転を行うことで、菌の増殖による汚れが浴槽80に付着することを抑制することができる。
第1の除菌運転について、図6のフローチャートを用いて説明する。図6は、実施の形態1に係る給湯装置の第1の除菌運転時の制御を示すフローチャートである。第1の除菌運転の制御は、制御部60によって実行される。
第1の除菌運転は、例えば、追いだき運転またはふろ熱回収運転が開始したときに、制御部60が開始させる。なお、制御部60は、追いだき運転またはふろ熱回収運転が開始してから一定時間経過した後に第1の除菌運転を開始させるようにしてもよいし、追いだき運転中またはふろ熱回収運転中にリモコン装置70からの除菌運転の指示があったときに開始させるようにしてもよい。
まず、制御部60は、ステップS1において、除菌装置26を運転させる。これにより、ふろ循環ポンプ18および除菌装置26が運転した状態になるため、浴水の除菌が行われる。
次に、制御部60は、ステップS2において、除菌装置温度検出部27で検出された除菌装置26の温度が第1の設定温度を超えているか判定する。第1の設定温度は、制御部60に予め設定されている温度であり、例えば60℃である。
制御部60は、ステップS2において、除菌装置26の温度が第1の設定温度を超えていないと判定した場合は、再度ステップS2に戻り、除菌装置26の温度が第1の設定温度を超えていると判定するまでステップS2を繰り返す。制御部60は、ステップS2において、除菌装置26の温度が第1の設定温度を超えたと判定すると、ステップS3に進み、除菌装置26を停止させる。このとき、除菌装置26が停止し、ふろ循環ポンプ18は運転を継続した状態であるため、浴水により除菌装置26の冷却を行うことができる。なお、除菌装置26の冷却中には、除菌装置26の冷却効率を上げるために、ふろ循環ポンプ18の流量を例えば5L/minから8L/minのように上げてもよい。
制御部60は、ステップS3において、除菌装置26を停止させると、次にステップS4において、除菌装置26を停止させてから第1の設定時間が経過したか判定する。第1の設定時間は、制御部60に予め設定されている時間であり、例えば60秒である。
制御部60は、ステップS4において、除菌装置26を停止させてから第1の設定時間が経過していないと判定すると、ステップS5に進み、除菌装置26の温度が第2の設定温度を下回ったか判定する。第2の設定温度は、制御部60に予め設定されている温度であり、第1の設定温度よりも低い温度である。第2の設定温度は、例えば50℃である。
制御部60は、ステップS5において、除菌装置26の温度が第2の設定温度を下回ったと判定した場合は、除菌装置26に異常はなく、除菌装置26の冷却も問題ないと判断し、ステップS1に戻り、除菌装置26を再度運転させる。除菌装置26に異常がない場合は除菌装置26を再度運転させることにより、除菌装置26の冷却を行いつつ、除菌装置26を運転させることができる。
制御部60は、ステップS5において、除菌装置26の温度が第2の設定温度を下回っていないと判定した場合には、ステップS4に戻り、除菌装置26を停止させてから第1の設定時間が経過したかを再度判定する。制御部60は、除菌装置26を停止させてから第1の設定時間が経過したと判定するか、または、除菌装置26の温度が第2の設定温度を下回ったと判定するまで、ステップS4およびステップS5を繰り返す。
そして、制御部60は、除菌装置26の温度が第2の設定温度を下回らないまま、ステップS4において、除菌装置26を停止させてから第1の設定時間が経過したと判定した場合、除菌装置26に異常があると判断し、第1の除菌運転を終了させる。これにより、除菌装置26の異常を判定することができ、安全に第1の除菌運転を終了させることができる。
なお、制御部60は、追いだき運転またはふろ熱回収運転が終了した場合にも第1の除菌運転を終了させる。例えば、ステップS2において、除菌装置26の温度が第1の設定温度を上回ることのないまま、追いだき運転またはふろ熱回収運転が終了した場合には、制御部60は、追いだき運転またはふろ熱回収運転が終了したときに除菌装置26を停止させ第1の除菌運転を終了させる。
除菌装置26として、例えば、紫外線LEDを使用する場合、LEDと基板との接点部の温度は100℃を超える場合がある。LEDで発生する熱は浴水に放熱されているが、LEDを収容する筐体内部の温度が、例えば60℃を超えると、浴水は38~42℃であることが多いため、LEDを十分に冷却できない可能性がある。LEDの冷却が不十分の場合、LEDが熱により損傷し、LEDの寿命低下につながる。
また、除菌装置26に紫外線LEDを使用する場合、LEDが発する熱によってLEDの輝度低下が起こる。LEDの輝度低下が起こると、除菌性能の低下が起こる可能性がある。また、除菌装置26として、例えば、オゾン発生装置または超音波発生装置などの他の装置を用いた場合でも、熱による寿命低下および除菌性能の低下が起こる可能性がある。
実施の形態1の給湯装置によれば、制御部60は、ふろ循環ポンプ18および除菌装置26を運転させる第1の除菌運転において、除菌装置26の温度が第1の設定温度を上回ったと判定した場合、除菌装置26を停止させ、循環する浴水による除菌装置26の冷却は継続させるようにしたため、除菌装置26の熱による寿命低下および除菌性能の低下を抑制することができる。
また、除菌装置26の温度が第2の設定温度を下回らないまま、制御部60が、除菌装置26を停止させてから第1の設定時間が経過したと判定した場合、第1の除菌運転を終了させるため、除菌装置26の異常を判断することができる。
なお、本実施の形態においては、除菌装置温度検出部27を除菌装置26の表面に取り付け、除菌装置26の表面の温度を測定するとしたが、例えば、除菌装置温度検出部27を除菌装置26内部に取り付け、除菌装置26内部の温度を測定するようにしてもよい。
また、除菌装置温度検出部27は、ふろ循環回路28内の浴水の温度を測定する温度センサ、すなわち、ふろ戻り温度センサ21またはふろ往き温度センサ22を兼用するようにしてもよい。例えば、除菌装置26をふろ戻り配管19に設置し、除菌装置温度検出部27を除菌装置26の表面で、かつ、浴水が通過する位置に設置した場合、除菌装置温度検出部27により、除菌装置26の温度およびふろ戻り配管19内の浴水の温度の両方を検出することができる。また、除菌装置26をふろ往き配管20に設置し、除菌装置温度検出部27を除菌装置26の表面で、かつ、浴水が通過する位置に設置した場合、除菌装置温度検出部27により、除菌装置26の温度およびふろ往き配管20内の浴水の温度の両方を検出することができる。除菌装置温度検出部27が、ふろ循環回路28内の浴水の温度を測定する温度センサを兼用することにより、除菌装置26の温度およびふろ循環回路28内の浴水の温度を検出する温度センサをそれぞれ設ける必要がなく、コストを削減することができる。
なお、除菌装置温度検出部27がふろ循環回路28内の浴水の温度を測定する温度センサを兼用する場合、制御部60は、ふろ循環回路28内の浴水の温度を検出する際、除菌装置26を停止させるようにしてもよい。除菌装置26を停止させることにより、除菌装置26の発熱の影響を受けずにふろ循環回路28内の浴水の温度を測定することができ、除菌装置温度検出部27を用いてふろ循環回路28内の浴水の温度を正確に測定することができる。
また、第1の除菌運転は、追いだき運転中またはふろ熱回収運転中に実施するとしたが、追いだき運転中またはふろ熱回収運転中に限られず、ふろ循環ポンプ18を動作させる運転であれば、他の運転中に実施してもよい。
実施の形態2.
実施の形態1の給湯装置では、ふろ循環ポンプ18および除菌装置26を運転させる第1の除菌運転を、追いだき運転またはふろ熱回収運転などのふろ循環ポンプ18を動作させる運転中に実施するとした。一方、実施の形態2の給湯装置では、第1の除菌運転を単独で実施できるようにしている。図7は、実施の形態2に係る給湯装置の除菌運転を単独で実施した時の回路構成図である。
実施の形態2の貯湯式給湯機1の制御部60以外の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
実施の形態2の給湯装置における第1の除菌運転について、図8のフローチャートを用いて説明する。図8は、実施の形態2に係る給湯装置の第1の除菌運転時の制御を示すフローチャートである。
実施の形態2において、制御部60は、リモコン装置70から第1の除菌運転の開始の指示があったときに、第1の除菌運転を開始させる。
まず、制御部60は、ステップS6において、ふろ循環ポンプ18および除菌装置26を運転させる。これにより、ふろ循環ポンプ18および除菌装置26が運転した状態になるため、浴水の除菌が行われる。なお、ふろ循環ポンプ18を運転させ、フロースイッチ24で浴水の循環を確認した後に、除菌装置26を運転させるようにしてもよい。浴水の循環を確認した後に除菌装置26を運転させるようにすることにより、浴水の循環不良によって除菌装置26の冷却が十分にできなくなることを防止することができる。
ステップS2~S5の動作は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
制御部60は、ステップS5において、除菌装置26の温度が第2の設定温度を下回ったと判定した場合は、ステップS7に進み、除菌装置26を再度運転させる。ステップS7で除菌装置26を運転させると、ステップS2に戻る。
制御部60は、除菌装置26の温度が第2の設定温度を下回らないまま、ステップS4において、除菌装置26を停止させてから第1の設定時間が経過したと判定した場合、除菌装置26に異常があると判断し、ステップS8においてふろ循環ポンプ18を停止させ、第1の除菌運転を終了させる。
なお、実施の形態2において、制御部60は、例えば、リモコン装置70から除菌運転終了の指示があったとき、または、第1の除菌運転を開始してからの時間が予め制御部60に設定されている時間を経過したときに、第1の除菌運転を終了させるようにしてもよい。
実施の形態2の給湯装置によれば、ふろ循環ポンプ18および除菌装置26を運転させる第1の除菌運転において、制御部60が、除菌装置26の温度が第1の設定温度を上回ったと判定した場合、除菌装置26を停止させ、循環する浴水による除菌装置26の冷却は継続させるようにしたため、除菌装置26の熱による寿命低下および除菌性能の低下を抑制することができる。
実施の形態3.
実施の形態3の給湯装置は、第2の除菌運転を実施可能である。第2の除菌運転は、ふろ循環ポンプ18、気泡発生装置25および除菌装置26を動作させる運転である。第2の除菌運転は、例えば、ふろ熱回収運転中に実施する。ふろ熱回収運転は例えば1~1.5時間かかるため、ふろ熱回収運転の時間を利用して気泡発生装置25を駆動させ、ふろ循環回路28内の洗浄を行うことがある。第2の除菌運転は、このように、ふろ循環ポンプ18および気泡発生装置25が動作しているときに除菌装置26を動作させる運転である。
ここで、除菌装置26は、図1に示すように、気泡発生装置25よりも、浴水の循環方向において下流側に設置されている。そのため、除菌装置26として紫外線LEDを用いた場合、気泡発生装置25で発生させた微細気泡が除菌装置26を通過することで、紫外線の乱反射によって除菌効率が向上する。図9は、気泡発生装置25からの吸気量と浴水除菌率の結果を示す図である。図9に示すように、微細気泡の発生により紫外線を散乱させることで除菌効率が向上することが分かる。また、微細気泡の洗浄効果により、除菌装置26の紫外線照射部の汚れを防止できるため、性能の低下を抑制することができる。
実施の形態3の貯湯式給湯機1の制御部60以外の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
第2の除菌運転について、図10のフローチャートを用いて説明する。図10は、実施の形態3に係る給湯装置の第2の除菌運転時の制御を示すフローチャートである。第2の除菌運転の制御は、制御部60によって実行される。制御部60は、例えば、ふろ熱回収運転においてふろ循環ポンプ18および気泡発生装置25の運転を開始させたときに、第2の除菌運転を開始させる。
まず、制御部60は、ステップS11において、除菌装置26を運転させる。これにより、ふろ循環ポンプ18、気泡発生装置25および除菌装置26が運転した状態になる。
次に、制御部60は、ステップS12において、除菌装置26の温度が第3の設定温度を超えているか判定する。第3の設定温度は、制御部60に予め設定されている温度であり、例えば60℃である。
制御部60は、ステップS12において、除菌装置26の温度が第3の設定温度を超えていないと判定した場合は、再度ステップS12に戻り、除菌装置26の温度が第3の設定温度を超えていると判定されるまでステップS12を繰り返す。制御部60は、ステップS12において、除菌装置26の温度が第3の設定温度を超えたと判定すると、ステップS13に進み、気泡発生装置25を停止させる。
気泡発生装置25を運転させた状態では、除菌装置26を通過する浴水が気泡を含んだ気液二相流となっているため、空気層が存在するところでは除菌装置26と浴水との熱交換効率が下がり、除菌装置26の冷却効率が低下する。そのため、制御部60は、第2の除菌運転において、除菌装置26の温度が第3の設定温度を超えた場合には、まず気泡発生装置25を停止させる。気泡発生装置25を停止させることにより、気泡を含む浴水よりも冷却効率の高い浴水で除菌装置26を冷却することができる。
制御部60は、ステップS13において、気泡発生装置25を停止させると、次にステップS14において、気泡発生装置25を停止させてから第2の設定時間が経過したか判定する。第2の設定時間は、制御部60に予め設定されている温度であり、例えば60秒である。
制御部60は、ステップS14において、除菌装置26を停止させてから第2の設定時間が経過していないと判定すると、ステップS15に進み、除菌装置26の温度が第4の設定温度を下回ったか判定する。第4の設定温度は、制御部60に予め設定されている温度であり、第3の設定温度よりも低い温度である。第4の設定温度は、例えば50℃である。
制御部60は、ステップS15において、除菌装置26の温度が第4の設定温度を下回ったと判定した場合は、ステップS16に進み、気泡発生装置25を再度運転させる。ステップS16で気泡発生装置25を運転させると、ステップS12に戻る。
制御部60は、ステップS15において、除菌装置26の温度が第4の設定温度を下回っていないと判定した場合には、ステップS14に戻り、気泡発生装置25を停止させてから第2の設定時間が経過したかを再度判定する。
制御部60は、除菌装置26の温度が第4の設定温度を下回らないまま、ステップS14において、気泡発生装置25を停止させてから第2の設定時間が経過したと判定した場合、ステップS17に進み、除菌装置26を停止させる。
制御部60は、ステップS17において、除菌装置26を停止させると、次にステップS18において、気泡発生装置25を停止させてから第3の設定時間が経過したか判定する。第3の設定時間は、制御部60に予め設定されている温度であり、例えば120秒である。
制御部60は、ステップS18において、気泡発生装置25を停止させてから第3の設定時間が経過していないと判定すると、ステップS19に進み、除菌装置26の温度が第5の設定温度を下回ったか判定する。第5の設定温度は、制御部60に予め設定されている温度であり、第3の設定温度よりも低い温度である。
制御部60は、ステップS19において、除菌装置26の温度が第5の設定温度を下回ったと判定した場合は、ステップS20に進み、気泡発生装置25および除菌装置26を再度運転させる。ステップS20で気泡発生装置25および除菌装置26を運転させると、ステップS12に戻る。
制御部60は、ステップS19において、除菌装置26の温度が第5の設定温度を下回っていないと判定した場合には、ステップS18に戻り、気泡発生装置25を停止させてから第3の設定時間が経過したかを再度判定する。
制御部60は、除菌装置26の温度が第5の設定温度を下回らないまま、ステップS18において、気泡発生装置25を停止させてから第3の設定時間が経過したと判定した場合、除菌装置26に異常があると判断し、第2の除菌運転を終了させる。なお、制御部60は、ふろ熱回収運転が終了した場合にも、除菌装置26を停止させ、第2の除菌運転を終了させる。
実施の形態3の給湯装置によれば、ふろ循環ポンプ18、気泡発生装置25および除菌装置26を運転させる第2の除菌運転において、制御部60が、除菌装置26の温度が第3の設定温度を上回ったと判定した場合、気泡発生装置25を停止させ、循環する浴水による除菌装置26の冷却は継続させるようにしたため、除菌装置26の熱による寿命低下および除菌性能の低下を抑制することができる。
なお、第2の除菌運転は、ふろ熱回収運転中に実施するとしたが、ふろ熱回収運転中に限られず、ふろ循環ポンプ18および気泡発生装置25を動作させる運転であれば、他の運転中に実施してもよい。
実施の形態4.
実施の形態3の給湯装置では、ふろ循環ポンプ18、気泡発生装置25および除菌装置26を運転させる第2の除菌運転を、ふろ熱回収運転などのふろ循環ポンプ18および気泡発生装置25を動作させる運転中に実施するとした。一方、実施の形態4の給湯装置では、第2の除菌運転を単独で実施できるようにしている。
実施の形態4の貯湯式給湯機1の制御部60以外の構成は、実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
実施の形態4の給湯装置における第2の除菌運転について、図11のフローチャートを用いて説明する。図11は、実施の形態4に係る給湯装置の第2の除菌運転時の制御を示すフローチャートである。
実施の形態4において、制御部60は、例えば、リモコン装置70から第2の除菌運転の開始の指示があったときに、第2の除菌運転を開始させる。
まず、制御部60は、ステップS21において、ふろ循環ポンプ18、気泡発生装置25および除菌装置26を運転させる。これにより、ふろ循環ポンプ18、気泡発生装置25および除菌装置26が運転した状態になる。
ステップS12~S20の動作は、実施の形態3と同様であるため、説明を省略する。
制御部60は、除菌装置26の温度が第5の設定温度を下回らないまま、ステップS18において、気泡発生装置25を停止させてから第3の設定時間が経過したと判定した場合、除菌装置26に異常があると判断し、ステップS22においてふろ循環ポンプ18を停止させ、第2の除菌運転を終了させる。
なお、実施の形態4において、制御部60は、例えば、リモコン装置70から第2の除菌運転の終了の指示があったとき、または、第2の除菌運転の運転時間が予め制御部60に設定されている時間を経過したときに、第2の除菌運転を終了させるようにしてもよい。
実施の形態4の給湯装置によれば、ふろ循環ポンプ18、気泡発生装置25および除菌装置26を運転させる第2の除菌運転において、制御部60が、除菌装置26の温度が第3の設定温度を上回ったと判定した場合、気泡発生装置25を停止させ、循環する浴水による除菌装置26の冷却は継続させるようにしたため、除菌装置26の熱による寿命低下および除菌性能の低下を抑制することができる。
なお、実施の形態1~4において、制御部60は、除菌装置26に異常があると判断して除菌運転を終了させた場合、リモコン装置70の表示部70aに除菌装置26が異常により停止した旨のガイダンスを表示させて報知し、除菌装置26の修理を使用者に案内するようにしてもよい。
また、制御部60は、除菌装置26に異常があると判断して除菌運転を終了させた場合、電磁弁39を開いて第3給湯配管56からふろ循環回路28内に、ふろ循環回路28内の浴水よりも低い温度の低温水を流入させるようにしてもよい。ふろ循環回路28内に低温水を流入させ、さらにふろ循環ポンプ18を運転させるようにすれば、流入させた低温水により除菌装置26を冷却することができる。
また、制御部60は、除菌装置26に異常があると判断して除菌運転を終了させた場合、除菌装置26を冷却するために、熱源ポンプ35およびふろ循環ポンプ18を運転させ、ふろ用熱交換器17において、貯湯タンク11内の低温水とふろ循環回路28内の浴水とを熱交換し、ふろ循環回路28内の浴水の温度を下げるようにしてもよい。