JP2007101067A - ヒートポンプ給湯システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明はヒートポンプ給湯システムの風呂追焚回路を清潔にすることを目的とする。また、回路構成材料等の腐食を防止することを目的とする。
【解決手段】
給水部から減圧手段を介して給水した水を、ヒートポンプサイクル中の給湯熱交換器で昇温して直接浴槽に給湯することができる直接給湯回路と、前記直接給湯回路に、貯湯された湯を供給することができるサポートタンクと、前記直接給湯回路に前記サポートタンクの湯が供給された後に水を混合することができるバイパス回路と、前記浴槽の湯水を前記給湯熱交換器で昇温された湯と熱交換して追い焚きする風呂追焚回路と、を備え、前記浴槽の湯水が少なくなってきたときに前記風呂追焚回路内の洗浄排水モードを作動させることを特徴とするヒートポンプ給湯システム。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ヒートポンプ給湯システムの回路構成材料等の腐食防止に関するものである。
従来のヒートポンプ給湯機は、ヒートポンプ運転動作がないと、水が循環せずタンクや回路内に滞留し、水が腐食したり、寒冷地においては水が凍結する虞があった。延いては、弁部の固着を生じる虞もあった。
この課題を解決するものとして、例えば特開平9−236317号公報(特許文献1)には、タンク内の水温が所定温度以下になったとき等に循環ポンプを運転することによって水の循環を行うことが開示されている。
特開平9−236317号公報
上記公報に記載の技術は湯水の循環について考慮されているのみであり、風呂追焚回路については別段考慮されているわけではない。また、条件が揃ってしまえば循環ポンプが運転されるため、不本意な時間帯に循環ポンプの運転が行われる等、必ずしも良くない面もある。
入浴中や風呂追い焚き中(風呂利用中)等は、入浴剤や石鹸等が混じった水質の湯水を風呂追焚回路に曝さなければならないが、湯張り中や風呂利用中以外は、清潔にするため風呂の栓を抜いて浴槽及び風呂追焚回路から湯水を抜く人が多いと考えられる。更には、浴槽を掃除する人が多いと考えられる。
しかし、ヒートポンプ給湯システムにあっては、風呂追焚回路から簡単に湯水を抜くことができるとは限らない。また、浴槽は洗剤とスポンジで簡単に掃除できるが、風呂追焚回路は簡単には掃除できない。
従って、本発明はヒートポンプ給湯システムの風呂追焚回路を清潔にすることを目的とする。また、回路構成材料等の腐食を防止することを目的とする。
本発明の目的は、以下の構成を採用することによって達成される。
圧縮機と、給湯熱交換器と、膨張弁と、大気熱交換器とを備えたヒートポンプサイクルと、給水部から減圧手段を介して給水した水を前記給湯熱交換器で昇温して直接使用端末に給湯することができる直接給湯回路と、前記直接給湯回路に、第1の流量制御手段を介して、サポートタンクに貯湯された湯を供給することができるタンク供給回路と、前記給湯熱交換器と前記サポートタンクをバイパスして、前記使用端末の直前に、第2の流量制御手段を介して、前記給水部からの水を供給することができるバイパス回路と、前記給湯熱交換器で昇温された湯と浴槽の湯水とを熱交換する追焚熱交換器を備えた風呂追焚加熱回路と、風呂循環ポンプによって前記風呂追焚加熱回路内の前記追焚熱交換器に、入出湯金具を介して前記浴槽の湯水を循環させて浴槽内の湯水を追い焚きするための風呂追焚回路と、前記風呂追焚回路内に設置された水位センサで検知された浴槽の水位が所定値以下になった場合に、前記風呂追焚回路内の湯水を前記浴槽へ排水するよう、前記各流量制御弁及び前記風呂循環ポンプを制御する制御手段とを有するヒートポンプ給湯システム。
給水部から減圧手段を介して給水した水を、ヒートポンプサイクル中の給湯熱交換器で昇温して直接浴槽に給湯することができる直接給湯回路と、前記直接給湯回路に、貯湯された湯を供給することができるサポートタンクと、前記直接給湯回路に前記サポートタンクの湯が供給された後に水を混合することができるバイパス回路と、前記浴槽の湯水を前記給湯熱交換器で昇温された湯と熱交換して追い焚きする風呂追焚回路と、を備え、前記風呂追焚回路内の湯水を排水するモードを有するヒートポンプ給湯システム。
本発明によれば、ヒートポンプ給湯システムの風呂追焚回路を清潔にすることができる。また、回路構成材料等の腐食を防止することができる。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
図1は本発明の第1の実施例におけるヒートポンプ給湯システムの構成を示すものである。1は圧縮機、6は給湯熱交換器、2は電動膨張弁、3は大気熱交換器で、これらをヒートポンプサイクルという。各要素に添え字aが付されたものをヒートポンプサイクルa、各要素に添え字bが付されたものをヒートポンプサイクルbと称することとする。給湯熱交換器は、6a,6bとわざわざ区別せず、6としている。大気熱交換器3a,3bにファンを設置することにより、効率的に大気との熱交換を行わせることができる。
5は給水管からの水を導入する給水金具であり給水部となる。給水部5から導入された水は、給湯熱交換器6で昇温され、使用端末である浴槽9aと蛇口9bに給湯される。従って、給湯熱交換器6は水冷媒熱交換器であり、圧縮機1の回転数を可変に制御することにより給湯熱交換器6の加熱能力を調整し、よって使用端末に所望の温度の湯を給湯することが可能となる。このとき、必要に応じてサポートタンク8からの湯水が混合される。また、使用端末で要求給湯温度・要求給湯量の変化、特にこれらの低減要求があった場合に、迅速にその変化に対応できるよう給水部5から水を混合することができるように構成されている。
また、浴槽9aの追い焚きを可能とするべく追焚熱交換器7が配設されている。追い焚きの際は、風呂循環ポンプ10bを動作させ、浴槽9aの湯水を追焚熱交換器7で昇温する。ここでの昇温は水水熱交換によるものであるので、追焚熱交換器7は水水熱交換器である。
また、サポートタンク8の温度が低下した場合に、沸き増し又は沸き戻しを可能とするべく機内循環ポンプ10aが配設されている。沸き上げの際は、機内循環ポンプ10aを動作させ、サポートタンク8の湯水を給湯熱交換器6で昇温する。
これら動作は図示しない制御手段が、各種センサからの信号や、風呂場や台所等に配設されるリモコンからの入力に基づいて圧縮機1、膨張弁2、各流量制御手段11等のアクチュエータを制御することによって行われる。
そのために、以下のように各種弁・センサ等が配設されている。
11aは追焚熱交換器7への流量を調整することができる追焚電磁弁、11bは追焚熱交換器7からの逆流を防止する追焚逆止弁、11cはヒートポンプ給湯機内で主に給水が逆流するのを防止する機内循環逆止弁、11dは給湯熱交換器6で昇温された湯水にサポートタンク8からの湯水を必要に応じて混合するためのタンク熱交混合弁、11eはタンク熱交混合弁を通過した湯水に給水部5からの水を必要に応じて混合するための湯水混合弁、11fは給湯量が予定の総量を超えないように流量を規制する機能を有する流量調整弁、11gは湯張り等浴槽へ給湯するための注湯電磁弁、11hは給水部5に来ているバラつきのある高い水圧(200〜600kPa等)の水を約170kPa程度の水圧の水に調整する減圧弁、14a,14bは浴槽9aへの湯水の出入りを管理する入出湯金具、22はタンクの湯水を抜くときに使用する排水弁、23は高圧になり過ぎたとき等に圧力を逃す等の用途に用いる逃し弁である。
12aは図示していないが外気温を計測する温度センサ、12bは給湯熱交換器の入口温度を計測する温度センサ、12cは給湯熱交換器の出口温度を計測する温度センサ、12dはタンク熱交混合弁11dを通過した湯水の温度を計測する温度センサ、12eは湯水混合弁11eを通過した湯水の温度を計測する温度センサ、12fは浴槽9aへの給湯温度を計測する温度センサであるとともに風呂を追い焚きする際の浴槽9aの湯水の温度を計測する温度センサ、13は浴槽9aの水位を圧力によって計測する水位センサ、20は給水量を計測する給水水量センサ、21は給湯熱交換器6への流入量を計測する水熱交流量センサである。なお、24は風呂循環ポンプ10bがカラ運転しないように湯水があることを確認するフロースイッチであり、このスイッチがONでなければ風呂循環ポンプ10bは運転できない。
上記構成において、大気熱をヒートポンプサイクルの熱源として給水部5から給水した水を加熱する場合は、以下のような運転を行う。まず、送風手段を駆動して大気を大気熱交換器3へ搬送する。そして、圧縮機1を駆動させて圧縮機1→給湯熱交換器6→膨張弁2→大気熱交換器3→圧縮機1の順にCO2冷媒を循環させる。圧縮機1から吐出された高温高圧のCO2冷媒は、給湯熱交換器6でエネルギーを湯水へ放熱した後、膨張弁2で減圧されて低温低圧となる。その後、大気熱交換器3で大気熱を吸熱し圧縮機1に吸入される。CO2冷媒は自然環境にやさしい冷媒であるため近年注目されている自然冷媒である。このときの冷凍サイクルは、高圧側で臨界点を超える超臨界サイクルであり、冷媒を高温高圧にできるため例えば90℃のような高温の湯を得ることができる。
圧縮機1から吐出された高温高圧の冷媒は、給湯熱交換器6で給水部5からの水と熱交換して保有するエネルギーを水へ放熱する。そして水を温め、使用端末(9a,9b)へ給湯する。
ここで、給水部5→給湯熱交換器6→使用端末(9a,9b)の回路を直接給湯回路といい、サポートタンク8からの湯を混合することなく給湯熱交換器6で得られた湯を直接給湯できる瞬間直接給湯を行う回路である。また、圧縮機1の回転数を上げることによって給湯熱交換器6の加熱能力を上げ、タンク熱交混合弁11dを制御することでサポートタンク8に、約90℃の湯を貯湯することもできる。更に、機内循環ポンプ10aを動作させればサポートタンク8に貯湯された湯を沸き増し又は沸き戻すことができる。
図中の給水部5の後の分岐部→湯水混合弁11eをバイパス回路といい、使用端末9a,9bへの給湯に当たっては、必要ならば11eを制御することにより給水部5からの水を、給湯熱交換器6やサポートタンク8をバイパスして混合し、適温の湯を給湯することができる。なお、湯張り時には少なくとも入出湯金具14aは開けておく。
この点、ガス給湯器では、湯が熱過ぎるので水を混ぜなければ適温を得られないが、ヒートポンプ給湯システムではできれば水を混ぜたくない。混ぜたくないが水を混ぜないと給湯要求に対する応答性・追従性が必ずしも十分でないので、水を混ぜることで応答性・追従性を改良し、使い勝手を向上させるようにしている。
また、水を混ぜた後にサポートタンク8からの湯を使用端末の直前で混ぜる方式を採るとするならば、サポートタンク8の湯の使用、すなわち、サポートタンク8からの放熱が前提となり、熱エネルギーを必要以上に使うこととなってしまい効率が良くない。従って、水の混合を使用端末(9a,9b)の直前で行い、熱のエネルギーを無駄にしないように工夫している。
なお、サポートタンク8から使用端末(9a,9b)への回路、すなわち、サポートタンク8→タンク熱交混合弁11d→湯水混合弁11e→流量調整弁11f→注湯電磁弁11g→フロースイッチ24→風呂循環ポンプ10b→入出湯金具14a→浴槽9aの回路をタンク給湯回路aといい、サポートタンク8→タンク熱交混合弁11d→湯水混合弁11e→流量調整弁11f→蛇口9bの回路をタンク給湯回路bという。
また、浴槽9aの湯水を追い焚きする場合は、以下のような運転を行う。浴槽9aの湯水は、風呂循環ポンプ10bにより追焚熱交換器7へ供給される。このとき注湯電磁弁11gは逆止弁の機能を担い、タンク熱交混合弁11dも蛇口9bからの給湯要求が無い限り、湯水の流れを遮断する。この状態でヒートポンプサイクルと風呂循環ポンプ10bを運転すると、給湯熱交換器6で高温に沸き上げられた湯水と、風呂循環ポンプ10bにより循環された浴槽9aの湯とが、追焚熱交換器7において対向流で熱交換して浴槽9aの湯が昇温されて浴槽9aに戻され、12fにて所望の温度が計測されるまで追い焚きが行われる。なお、浴槽9a→入出湯金具14a→風呂循環ポンプ10b→追焚熱交換器7→入出湯金具14b→浴槽9aのサイクルを風呂追焚回路という。また、このとき追焚熱交換器7→機内循環ポンプ10a→給湯熱交換器6→追焚電磁弁11a→追焚逆止弁11b→追焚熱交換器7のサイクルを追焚加熱回路という。なお、言うまでも無いが、追い焚き時には入出湯金具14a,14bとも開けておく。
また、サポートタンク8の沸き増しについて、機内循環ポンプ10aにより供給されたサポートタンク8の低温の湯水は、給湯熱交換器6でCO2冷媒のエネルギーを受けて高温にされ、サポートタンク8へ供給されることでサポートタンク8の沸き増しが行われる。沸き増しは、サポートタンク8の貯湯温度が所望の温度になるまで、すなわち12bにより所望の温度(例えば、60℃や90℃)が計測されるまで行われる。なお、サポートタンク8→機内循環ポンプ10a→給湯熱交換器6→タンク熱交混合弁11d→サポートタンク8のサイクルをタンク沸き増し回路という。
以上のようなヒートポンプ給湯システムにおいて、ヒートポンプ運転による浴槽9aの湯水の追い焚き運転終了後であって入浴終了後、すなわち、風呂利用後には、浴槽9a及び風呂追焚回路に湯水が滞留したままとなっている。このように湯水が滞留したままの状態が長時間継続すると配管内に湯垢が発生し、溜まる虞がある。また、湯水の水質劣化が起こり、配管等を腐食する虞がある。
風呂追焚回路内には入浴剤や石鹸等が混じった湯水が循環・滞留するため湯垢・腐食が発生し易く、また促進し易い環境となる。湯垢は、その主成分(約7割)が、脂肪酸カルシウム、つまり、水道水中のカルシウムと石鹸との化合物であるので、浴槽9aの湯水が循環・滞留する風呂追焚回路内は、湯垢が特に発生・促進しやすいと考えられる。なお、湯垢の他の成分としては、たんぱく質、脂肪酸、脂肪等であるからであることが知られている。また、空気中の細菌が湯垢に達すると繁殖して湯垢が増大する。
従って、風呂追焚回路のように、石鹸等が含まれた浴槽の湯水が循環、滞留するような部分においては、この湯水を抜き去って配管等と接触させないことが重要である。この点、湯水を抜くことによって清潔にすることができるが、ヒートポンプ給湯システムにおいては抜き去ることが必ずしも容易でない。そこで、水質の劣化した湯水に代えて水質の良いきれいな水を導入して洗浄し、このきれいな水を滞留させる方が良いと考えられる。なお、「風呂追焚回路内から湯水を排水」には、単に湯水を排水するという意味があるのは勿論であるが、代わりの水を導入して湯水を排水するという意味をも含むものである。
本実施例においては、人が浴槽9aに設けられた栓を抜いた後、つまり水位減少中に、浴槽9aの近傍の水位センサ13が所定水位を検知したら、給水部5から水質の良いきれいな水を導入して、風呂追焚回路中の水質の劣化した湯水を浴槽9aに押し出して排水し、湯水滞留を防ぐこととした。このとき水質の良いきれいな水は滞留していることとなる。なお、風呂追焚回路内の湯水の量はαLとした。図2は、排水動作のフローチャート(a)およびタイムチャート(b)である。
具体的な動作を説明する。図2(a)(b)に示すように、S10でヒートポンプ運転中であるか否かを確認し、S11にあるように例えば浴槽9aの水位が半分まで減少したら、S12で入出湯金具14a,14bを制御して双方とも開く。給水部5から湯水混合弁11eを介して分岐点XXに給水された湯水を、分岐点XX以降、風呂循環ポンプ10bを介した浴槽9a側と追焚熱交換器7を介した浴槽9a側の双方に流すためである。なお、この水は給湯熱交換器6を介したものでも構わない。但し、S10でヒートポンプ運転が停止していることを確認しているので、給湯熱交換器6を介しても、余熱で昇温される以外は、湯水混合弁11eを介して得られるのは水である。その後、S13で給水部5から給水した水を流し、風呂追焚回路内に溜まっていた浴槽9aと同等の劣化した水質の湯水が十分流され、風呂追焚回路内を流れる水が、ほぼ給水部5から給水された水へと入れ替わって配管内の洗浄がなされるに十分な時間tcが経過したらS14で給水部5からの給水を停止する。風呂追焚回路内の湯水の量は少ないので、上記のtcは比較的短時間である。そして、風呂追焚回路内への逆流を防止するため入出湯金具14a,14bを閉じる(S15)。
以上によって風呂追焚回路内には水質の劣化した湯水は無く、きれいな水で満たされる。つまり、浴槽9aの栓が抜かれ水位が所定値になったことを、人の排水の意図とし、これをトリガとして、風呂追焚回路内の水質の劣化した湯水の滞留を防止し、風呂追焚回路を清潔にすることができる。延いては配管等の腐食を防止することができる。
S11では水位が半分になってからS12の動作を開始するが、浴槽9aの湯水が排水され、当該湯水が少なくなってきたとき、例えば、水位センサ13に水圧が掛からなくなってから、延いてはフロースイッチ24がOFFになってから、S12以降の動作を開始しても実用上不都合は無い(これをS11’とする。図示していないがS31,S41参照。)このときは湯水が殆ど無いので風呂追焚回路内への逆流の虞も無く、むしろステップS15を省略し得る点で意味がある。
これは、浴槽9aの栓、すなわち排水を防止するための蓋は一般的には底に設けられている一方、浴槽9aへの湯水の出入口(9a−e)は底ではなく側壁部に設けられているからである。つまり、出入口(9a−e)よりも実際の水位が下回ると水位センサ13には水圧が掛からなくなって、フロースイッチ24がOFFになり、その時点から風呂追焚回路内の洗浄排水を開始したとしても、浴槽9aの排水と風呂追焚回路内の洗浄排水とは同等の時間で終了すると考えられるからである。
図2(b)では、水位センサ13に水圧が掛からなくなったときの浴槽9aの湯水量をεLと表している。なお、εLとαLとの大小関係はヒートポンプ給湯システムのみでなく、家の中に設置する浴槽9aとの関係によって定まるものであるので、必ず図2(b)のように「εL>αL」となるものではなく、「εL<αL」ともなり得る。
また、洗浄排水用の給水に当たり、減圧弁11hを制御することでヒートポンプ給湯機の配管内に高圧(200kPa以上)の水を給水することも可能である。この洗浄排水モードを高圧洗浄或いは高圧洗浄モードと称し、上記図2で説明した通常の洗浄排水モードである水洗浄或いは水洗浄モードと区別する。図3は、高圧洗浄動作のフローチャート(a)およびタイムチャート(b)である。
図2の水洗浄モードは減圧弁11hを通常時と同様に制御するものであるが、減圧弁11hを制御して高圧水で洗浄を行えば、多少の湯垢の発生・付着があったとしても洗い流すことができる。具体的には、図3(a)に示すフローチャートに従う。基本的に図2(a)と同様であるが、S31はS11’に相当する。また、S33で給水するにあたり、減圧弁11hを制御して配管内に高圧水を給水する。図3(b)では風呂追焚回路内の湯水の排水の方が早く終了しているが、必ずしもこのようになるとは限らない。
このように、洗浄排水を行うことで、風呂追焚回路を清潔にすることができる。延いては配管等の腐食を防止することができる。これら給水による洗浄では、サポートタンク8から出湯しない分、システム全体としての年間効率を落とさずに洗浄を行うことができる。
以上の給水による洗浄の他、サポートタンク8を利用して、風呂追焚回路を洗浄排水することができる。具体的には、図4に示すようなフローチャートに従って洗浄すれば良い。
図4は、熱湯洗浄排水動作のフローチャートである。図3(a)のフローチャートと異なる部分はS43,S44のみである。S43では、サポートタンク8から貯湯されている高温の湯、すなわち熱湯を出湯して配管内を洗浄する。この洗浄排水モードを熱湯洗浄或いは熱湯洗浄モードと称する。そして、配管内の洗浄がなされるに十分な時間が経過したらS44でサポートタンク8からの出湯を停止する。
このように、サポートタンク8に貯湯された湯、すなわち約90℃の湯等で洗浄を行うことで、殺菌効果も高まり、風呂追焚回路を清潔にすることができる。延いては配管等の腐食を防止することができる。
以上の洗浄排水モード(水洗浄、高圧洗浄、熱湯洗浄)を適宜組み合わせて風呂追焚回路内を洗浄することも可能である。
例えば、毎日の風呂利用後に水洗浄後に熱湯洗浄を行うことが考えられる。これによれば毎日風呂追焚回路を洗浄して清潔にしながら殺菌も行うことが可能となる。また例えば、一週間若しくは一ヶ月に一度風呂利用後に高圧洗浄を行い、その後に熱湯洗浄を行うことが考えられる。これによれば一定期間毎に風呂追焚回路内に付着した湯垢を取り去って清潔にしながら殺菌も行うことが可能となる。また例えば、風呂利用後に熱湯洗浄を行い、その後に高圧洗浄を行うことが考えられる。これによれば頑固な湯垢を除去し易くした後に、高圧水で洗浄するので、頑固な湯垢を取り去って風呂追焚回路内を清潔にすることができる。また、例えばリモコンに洗浄用のボタンを設けて、ユーザーがそのボタンを押したときに洗浄排水を行うようにすることができる。すなわち浴槽の水位と洗浄排水モードとを必ずしも連動させないで、洗浄排水を行うようにすることもできる。これによれば風呂掃除の直前や、浴槽掃除後であって洗剤等を洗い流す直前にボタンを押して風呂追焚回路を所望の方法により洗浄し、風呂追焚回路内および浴槽を清潔にすることができる。
また、図1の構成で風呂追焚回路内から湯水を排水するための機構を設けることが可能であれば洗浄排水ではなく、単に排水することによって風呂追焚回路を清潔にすることもできる。
以上により、人が浴槽の湯水を排水する意図をトリガとするので、不本意なタイミングで排水してしまうこともなく、浴槽の湯水排水時に合わせて追焚回路内の排水動作を行うことができる。また、滞留湯水、特に浴槽の湯水が原因となる湯垢の防止抑制、配管等の腐食防止が可能となる。
ヒートポンプ給湯システムの構成の概略を示した図 排水動作のフローチャート(a)およびタイムチャート(b) 排水水洗浄動作のフローチャート(a)およびタイムチャート(b) 排水熱湯洗浄動作のフローチャート
符号の説明
1 圧縮機
2 電動膨張弁
3 大気熱交換器
5 給水部
6 給湯熱交換器
7 追焚熱交換器
8 サポートタンク
9a 浴槽
9b 蛇口
10a 機内循環ポンプ
10b 風呂循環ポンプ
11a 追焚電磁弁
11b 追焚逆止弁
11c 機内循環逆止弁
11d タンク熱交混合弁
11e 湯水混合弁
11f 流量調整弁
11g 注湯電磁弁
11h 減圧弁
12 温度センサ
13 水位センサ
20 給水水量センサ
21 水熱交流量センサ
22 排水弁
23 逃し弁
24 フロースイッチ

Claims (10)

  1. 圧縮機と、給湯熱交換器と、膨張弁と、大気熱交換器とを備えたヒートポンプサイクルと、
    給水部から減圧手段を介して給水した水を前記給湯熱交換器で昇温して直接使用端末に給湯することができる直接給湯回路と、
    前記直接給湯回路に、第1の流量制御手段を介して、サポートタンクに貯湯された湯を供給することができるタンク供給回路と、
    前記給湯熱交換器と前記サポートタンクをバイパスして、前記使用端末の直前に、第2の流量制御手段を介して、前記給水部からの水を供給することができるバイパス回路と、
    前記給湯熱交換器で昇温された湯と浴槽の湯水とを熱交換する追焚熱交換器を備えた風呂追焚加熱回路と、
    風呂循環ポンプによって前記風呂追焚加熱回路内の前記追焚熱交換器に、入出湯金具を介して前記浴槽の湯水を循環させて浴槽内の湯水を追い焚きするための風呂追焚回路と、
    前記風呂追焚回路内に設置された水位センサで検知された浴槽の水位が所定値以下になった場合に、前記風呂追焚回路内の湯水を前記浴槽へ排水するよう、前記各流量制御弁及び前記風呂循環ポンプを制御する制御手段とを有するヒートポンプ給湯システム。
  2. 請求項1において、
    前記制御手段は、前記給水部から給水した水で前記風呂追焚回路内を洗浄して当該湯水を前記浴槽へ排水するよう、前記第2の流量制御手段、前記入出湯金具及び前記風呂循環ポンプを制御することを特徴とするヒートポンプ給湯システム。
  3. 請求項2において、
    前記制御手段は、200kPa以上の水を給水するよう前記減圧手段を制御することを特徴とするヒートポンプ給湯システム。
  4. 請求項1において、
    前記制御手段は、前記サポートタンクから出湯した湯で前記風呂追焚回路内を洗浄して当該湯水を前記浴槽へ排水するよう、前記第1の流量制御手段、前記入出湯金具及び前記風呂循環ポンプを制御することを特徴とするヒートポンプ給湯システム。
  5. 給水部から減圧手段を介して給水した水を、ヒートポンプサイクル中の給湯熱交換器で昇温して直接浴槽に給湯することができる直接給湯回路と、
    前記直接給湯回路に、貯湯された湯を供給することができるサポートタンクと、
    前記直接給湯回路に前記サポートタンクの湯が供給された後に水を混合することができるバイパス回路と、
    前記浴槽の湯水を前記給湯熱交換器で昇温された湯と熱交換して追い焚きする風呂追焚回路と、を備え、
    前記風呂追焚回路内の湯水を排水するモードを有するヒートポンプ給湯システム。
  6. 給水部から減圧手段を介して給水した水を、ヒートポンプサイクル中の給湯熱交換器で昇温して直接浴槽に給湯することができる直接給湯回路と、
    前記直接給湯回路に、貯湯された湯を供給することができるサポートタンクと、
    前記直接給湯回路に前記サポートタンクの湯が供給された後に水を混合することができるバイパス回路と、
    前記浴槽の湯水を前記給湯熱交換器で昇温された湯と熱交換して追い焚きする風呂追焚回路と、を備え、
    前記給水部から給水した水で前記風呂追焚回路内を洗浄する水洗浄モードを有するヒートポンプ給湯システム。
  7. 給水部から減圧手段を介して給水した水を、ヒートポンプサイクル中の給湯熱交換器で昇温して直接浴槽に給湯することができる直接給湯回路と、
    前記直接給湯回路に、貯湯された湯を供給することができるサポートタンクと、
    前記直接給湯回路に前記サポートタンクの湯が供給された後に水を混合することができるバイパス回路と、
    前記浴槽の湯水を前記給湯熱交換器で昇温された湯と熱交換して追い焚きする風呂追焚回路と、を備え、
    前記給水部から200kPa以上の高圧の水を給水し、この高圧の水で前記風呂追焚回路内を洗浄する高圧洗浄モードを有するヒートポンプ給湯システム。
  8. 給水部から減圧手段を介して給水した水を、ヒートポンプサイクル中の給湯熱交換器で昇温して直接浴槽に給湯することができる直接給湯回路と、
    前記直接給湯回路に、貯湯された湯を供給することができるサポートタンクと、
    前記直接給湯回路に前記サポートタンクの湯が供給された後に水を混合することができるバイパス回路と、
    前記浴槽の湯水を前記給湯熱交換器で昇温された湯と熱交換して追い焚きする風呂追焚回路と、を備え、
    前記サポートタンクから出湯した湯で前記風呂追焚回路内を洗浄する熱湯洗浄モードを有するヒートポンプ給湯システム。
  9. 請求項6乃至8の何れか1項において、
    前記浴槽の湯水が排水され、当該湯水が少なくなってきたときに前記モードを作動させることを特徴とするヒートポンプ給湯システム。
  10. 上記各請求項の何れかにおいて、
    ヒートポンプサイクル内に用いられる冷媒が二酸化炭素であり、サイクルが超臨界サイクルであることを特徴とするヒートポンプ給湯システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011069564A (ja) * 2009-09-28 2011-04-07 Hitachi Appliances Inc 給湯装置
JP2012241813A (ja) * 2011-05-20 2012-12-10 Tgk Co Ltd 注湯電磁弁
JP2013145085A (ja) * 2012-01-16 2013-07-25 Panasonic Corp 給湯機

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