以下、本発明における実施形態について図面を用いながら詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態の給湯システムは給湯装置1と暖房機10(10a〜10c)とを主な構成要素として備える。
給湯装置1は、暖房機10(10a〜10c)で室内等を温める暖房機能と、浴槽27に貯留する水を沸かし直す追い焚き機能と、図示しない水栓などに湯水を供給する給湯機能とを有する。
給湯装置1と、該給湯装置1の外部に設けられる暖房機10(10a〜10c)とは暖房用循環回路5を通じて接続される。暖房用循環回路5は、給湯装置1のケース内部に設けられた配管89〜99と、該ケース外部に設けられた配管40,41,44,45,59とを有する。
配管40は配管97に接続され、配管41,44は合流部11と配管59とを介して配管95に接続され、配管45は熱動弁37を介して配管90に接続される。配管40,41には暖房機10aの内部通路51が接続され、配管44,45には暖房機10b,10cの内部通路52がそれぞれ接続される。暖房機10b,10cは例えば温水マット等の低温用の暖房機であり、暖房機10aは例えば浴室暖房機等の高温用の暖房機である。暖房機10aには熱動弁12が設けられており、予め定められる高温暖房設定温度(例えば80℃)の熱媒体が供給される。なお、熱媒体は本実施形態では水とされる。また、熱動弁39と合流部11には、必要に応じ、図1に示している他にも暖房機を接続することができる。
暖房用循環回路5には、該暖房用循環回路5に熱媒体を循環させる循環ポンプ6と、該循環ポンプ6の駆動により循環する熱媒体を加熱する暖房用熱交換器28が設けられている。本実施形態では、暖房用熱交換器28として、バーナ16で加熱された空気から顕熱を主に回収して熱媒体を加熱する顕熱熱交換器28bと、該顕熱熱交換器28bでの加熱により生じる排気の潜熱を主に回収して熱媒体を加熱する潜熱熱交換器28aとが設けられている。
潜熱熱交換器28aにおける熱媒体の導入側には配管95が接続され、該熱媒体の導出側には配管94が接続され、顕熱熱交換器28bにおける熱媒体の導入側には配管91が接続され、該熱媒体の導出側には配管92が接続される。配管92には、顕熱熱交換器28bから出る熱媒体の温度を検出する暖房高温サーミスタ33が設けられている。
配管91は、循環ポンプ6の吐出側に配管90と共に接続されており、該配管91には、顕熱熱交換器28bに導入される熱媒体の温度を検出する暖房低温サーミスタ36が設けられている。また、循環ポンプ6の吸入口側には配管93が接続されており、該配管93と配管94との間には暖房用循環回路5の流れる熱媒体を一時的に貯留するためのシスターン装置100が介設されている。シスターン装置100のタンクの容量は例えば1〜1.8リットルであり、該シスターン装置100は大気導入通路53を介して外気と連通される。
暖房用熱交換器28の潜熱熱交換器28a及び顕熱熱交換器28bはそれぞれ燃焼室24内に設けられ、該暖房用熱交換器28の他に、暖房用熱交換器28を加熱するバーナ16と、該バーナ16の燃焼の給排気を行う燃焼ファン18とが燃焼室24内に設けられている。
燃焼室24には燃焼室25が連通され、燃焼室25内にはバーナ17と、該バーナ17により加熱される給湯用熱交換器29と、該バーナ17の燃焼の給排気を行う燃焼ファン19とが設けられている。本実施形態では、給湯用熱交換器29として、バーナ17で加熱された空気から顕熱を主に回収して熱媒体を加熱する顕熱熱交換器29bと、該顕熱熱交換器29bでの加熱により生じる排気の潜熱を主に回収して熱媒体を加熱する潜熱熱交換器29aとが設けられている。
潜熱熱交換器28a,29aの下方には、顕熱熱交換器28b,29bでの加熱により生じる排気の潜熱を回収することに起因して生じる凝縮水を受け止めて回収するための受け皿72が設けられ、該受け皿72はドレン排出通路75を介して中和器76と接続される。中和器76はドレン排出通路77を介して給湯装置1の外部と連通しており、該中和器76にて中和された凝縮水が排出される。なお、ドレン排出通路75を通る一部のドレン、あるいは、ドレン排出通路75が詰まるなどしてドレン排出通路75に溜まったドレンは、給湯装置1のケースに設けられる排水口78から排出される。
バーナ16,17にはそれぞれのバーナ16,17燃料を供給するガス管31,32が接続される。これらガス管31,32はガス管30から分岐形成されており、該ガス管30にはガス開閉弁80が介設されている。また、ガス管31にはガス比例弁86とガス開閉弁81,82とが介設され、ガス管32にはガス比例弁87とガス開閉弁83〜85とが介設されている。これら弁80〜87はいずれも電磁弁により形成される。ガス開閉弁80〜85は、対応するバーナ16,17への燃料供給・停止を制御し、ガス比例弁86,87は、対応するバーナ16,17に供給されるべき燃料量を開弁量により制御する。
給湯用熱交換器29における潜熱熱交換器29aの入口側には給水導入配管88が設けられている。この給水導入配管88は、給湯装置1の給水接続口43に接続され、該給水接続口には図示しない給水管が接続される。この給水導入配管88の入口側には、該給水導入配管88を流れる水量を検出する流量センサ73と、入水温度を検出する入水温度センサ74とが設けられている。
給湯用熱交換器29における顕熱熱交換器29bの出口側には給湯配管26が設けられており、該給湯配管26には給湯装置1の外部に設けられる図示しない水栓が接続される。また、給湯配管26には連結配管70及び湯水経路切替弁58を順次介して給水導入配管88が接続される。給湯配管26における連結配管70の接続部位よりも下流側には出湯湯温検出センサ113が設けられ、該接続部位よりも給湯用熱交換器29側の給湯配管26には出湯湯温検出センサ114が設けられている。
給湯装置1と、該給湯装置1の外部に設けられる浴槽27とは追い焚き循環回路13を通じて接続される。追い焚き循環回路13は往管14と戻り管15とを有し、風呂用熱交換器7を介して暖房用循環回路5と接続される。なお、暖房用循環回路5において風呂用熱交換器7を形成する配管89には、該風呂用熱交換器7の入口に流量制御弁38が設けられている。追い焚き循環回路13には、浴槽27に貯留された水を循環させる風呂循環ポンプ20が設けられ、風呂用熱交換器7は、風呂循環ポンプ20の駆動によって追い焚き循環回路13を循環する水を加熱する。
また、追い焚き循環回路13には、浴槽27に貯留された水の温度を検出する風呂温度センサ21と、該浴槽27に貯留された水の水位を検出する水位センサ22と、追い焚き循環回路13の水流を検出する風呂水流スイッチ34とが介設されている。風呂循環ポンプ20の吸水口側には戻り管15の一端側が接続され、該戻り管15の他端側が循環金具56を介して浴槽27に連通される。風呂循環ポンプ20の吐出口側には往管14の一端側が接続され、該往管14の他端側は循環金具56を介して浴槽27に連通される。
風呂循環ポンプ20は風呂用注湯導入通路23を介して注湯水器55と接続されており、注湯水器55は配管54を介して出湯湯温検出センサ113の配設部よりも下流側の給湯配管26に設けられる分岐部57と接続される。注湯水器55には、湯張り電磁弁48、湯張り水量センサ49、逆止弁50a,50bが設けられている。
このような給湯装置1では、暖房機10を運転する場合、バーナ16によって暖房用熱交換器28が加熱され、循環ポンプ6が駆動されることによって暖房用循環回路5の熱媒体が図1の矢印A〜Gに示すように循環される。
すなわち、高温用の暖房機10aを運転する場合、熱動弁12が開いた状態とされ、熱動弁37及び流量制御弁38が閉じた状態とされる。この場合、顕熱熱交換器28bで例えば80℃にまで加熱された熱媒体は、図1の矢印Aに示すように配管92を通り、図1の矢印Bに示すように配管97,40を順に通って暖房機10aに供給される。
暖房機10aに供給された熱媒体は、暖房機10a内部通路51を通るときに放熱して例えば60℃に下がり、図1の矢印Bに示すように配管41,59を通り、図1の矢印Cに示すように配管95を通って潜熱熱交換器28aに導入される。この潜熱熱交換器28aで加熱された熱媒体は、図1の矢印Dに示すように配管94を通ってシスターン装置100に導入され、このシスターン装置100から図1の矢印Eに示すように配管93を通って循環ポンプ6に導入される。その後、熱媒体は、図2の矢印Fに示すように配管91を通って顕熱熱交換器28bに導入され、該顕熱熱交換器28bで加熱され、上述したように暖房用循環回路5を循環する。
一方、低温用の暖房機10b,10cを運転する場合、熱動弁12が閉じた状態とされ、熱動弁37及び流量制御弁38が開いた状態とされる。この場合、顕熱熱交換器28bで例えば80℃にまで加熱された熱媒体は、図1の矢印A、B’、C、D、Eに示す順に通って循環ポンプ6に導入される。そして、循環ポンプ6から吐出された熱媒体は、図1の矢印Gに示すように配管90,45を順に通って暖房機10b,10cに供給される。
暖房機10b,10cに供給された熱媒体は、暖房機10b,10c内部通路52を通るときに放熱して例えば40℃に下がり、図1の矢印Gに示すように配管44,59を通り、上述したように暖房用循環回路5を循環する。
なお、高温用の暖房機10aと低温用の暖房機10b,10cとの双方を運転する場合、熱動弁12、熱動弁37及び流量制御弁38が開いた状態とされる。この場合、顕熱熱交換器28bで例えば80℃にまで加熱された熱媒体は、図1の矢印Aに示すように配管92を通った後、矢印Bに示す方向と矢印B’に示す方向とに分かれて、高温用の暖房機10aと低温用の暖房機10b,10cに供給される。
またこの給湯装置1では、追い炊き運転する場合、循環ポンプ6及び風呂循環ポンプ20が駆動される。この場合、循環ポンプ6によって図1の矢印A、B’、C、D、E、Fに示す順に通って熱媒体が暖房用循環回路5内で循環され、風呂循環ポンプ20によって浴槽27に貯留する湯水が追い焚き循環回路13内で矢印Hに示すように循環される。このとき暖房用循環回路5内の熱媒体と追い焚き循環回路13内の湯水とが風呂用熱交換器7を介して熱交換し、この熱交換により浴槽27内の湯水が追い焚きされる。
この追い焚き運転中のときには、暖房高温サーミスタ33の温度が設定温度(例えば80℃)となるようにバーナ16が燃焼され、風呂温度センサ21の検出温度が風呂設定温度となるまで、暖房用循環回路5内の熱媒体と追い焚き循環回路13内の湯水とが循環される。
さらにこの給湯装置1では、湯張り運転する場合、バーナ17によって給湯用熱交換器29を通る水が加熱され、湯張り電磁弁48が開けた状態とされる。この場合、給湯用熱交換器29で加熱された湯水は注湯水器55に流入する。注湯水器55に流入した湯水は、風呂用注湯導入通路23、風呂循環ポンプ20及び風呂用熱交換器7を順次介して往管14を通るとともに、該風呂循環ポンプ20から戻り管15を通って循環金具56に至る湯張り注水通路を介して浴槽27に供給される。
そして、浴槽設定水位の湯水が浴槽27に供給された以後、予め定められた保温期間(例えば4時間)を経過するまで風呂温度センサ21の検出温度と所定の許容風呂温度とが比較される。検出温度が許容風呂温度を下回っていた場合には、風呂温度センサ21の検出温度が風呂設定温度となるように、上述の追い焚き運転が行われる。
ところで、給湯装置1には銀イオン発生器105が設けられている。この銀イオン発生器105は、給水接続口43と給湯用熱交換器29とを連結する給水導入配管88の所定部位に連結配管106を介して接続される。
本実施形態では、給水導入配管88を複数の配管に分岐する分岐部107がその給水導入配管88の入力側に設けられており、該分岐部107と給水接続口43との間に連結配管106を介して接続される。給水導入配管88は、この分岐部107から連結配管109を介して中和器76と接続される。また給水導入配管88は、分岐部107から連結配管110及び補給水電磁弁46を順次介してシスターン装置100と接続され、そのシスターン装置100を介して暖房用循環回路5と接続される。
銀イオン発生器105で発生した銀イオンは給水導入配管88に流入する。そして、この銀イオンは、給湯用熱交換器29を通り、その給湯用熱交換器29から給湯配管26を通って水栓に流れる。また、銀イオン発生器105から給水導入配管88に流入した銀イオンは、分岐部107から連結配管109を介して中和器76に流入する。
補給水電磁弁46が開いた状態である場合、給水導入配管88に流入する銀イオンは、分岐部107から連結配管110を介してシスターン装置100にも流入し、該シスターン装置100から暖房用循環回路5にも流れる。また、湯張り運転中である場合、給湯配管26を通る銀イオンは、その給湯配管26の分岐部57から配管54を介して注湯水器55にも流入し、上述の湯張り注水流路を介して浴槽27に流れる。
図2に示すように、給湯装置1には、該給湯装置1の統括的な制御を担う制御器150が設けられている。この制御器150には、上述のバーナ16,17、燃焼ファン18,19、循環ポンプ6及び風呂循環ポンプ20が接続され、上述の各センサ及び電磁弁が接続される。また、制御器150には、給湯装置1のリモートコントローラ151〜154に接続される。
リモートコントローラ151は風呂のリモートコントローラであり、リモートコントローラ152は高温用の暖房機10aのリモートコントローラであり、リモートコントローラ153は低温用の暖房機10b,10cのリモートコントローラであり、リモートコントローラ154は銀イオン発生器105のリモートコントローラである。
リモートコントローラ151には、風呂設定温度入力操作部151a、湯張り予約入力操作部151b、追い焚きスイッチ151c及び湯張りスイッチ151dが設けられている。リモートコントローラ152には暖房運転スイッチ152aが設けられ、リモートコントローラ153には暖房運転スイッチ153aが設けられている。リモートコントローラ154には、銀イオン投入スイッチ154aが設けられている。
風呂設定温度入力操作部151aは、浴槽27に貯留させるべき湯水の温度を設定する操作部であり、該操作部によって設定される浴槽設定温度は、例えば40℃前後の適宜の値とされる。この浴槽設定温度の情報は、制御器150に与えられる。湯張り予約入力操作部151bは、浴槽27に貯留させるべき湯水の高さとして設定される浴槽設定水位の湯水を浴槽27に供給し始める開始日時を予約設定する操作部であり、該予約設定された湯張り運転の開始日時の情報は、制御器150に与えられる。
追い焚きスイッチ151cは、浴槽27に貯留される湯水を沸かし直す追い焚き運転を単独でオンオフするスイッチであり、該追い焚きスイッチ151cのオンオフ信号は制御器150に与えられる。湯張りスイッチ151dは、浴槽設定水位の湯水を浴槽27に供給する湯張り運転をオンオフするスイッチであり、該湯張りスイッチ151dのオンオフ信号は制御器150に与えられる。なお、湯張りスイッチ151dは、自動スイッチと通称されている。
暖房運転スイッチ152a,153aは、対応する暖房機10a,10b,10cにオンオフ動作指令を与えるためのスイッチであり、該暖房運転スイッチ152a,153aのオンオフ信号は制御器150に与えられる。
銀イオン投入スイッチ154aは、銀イオン発生器105にオンオフ動作指令を与えるためのスイッチであり、該銀イオン発生器105のオンオフ信号は制御器150に与えられる。
制御器150は、リモートコントローラ151から湯張りスイッチ151dのオン信号を受けた場合、あるいは、湯張り予約入力操作部151bから予約設定された開始日時となった場合、湯張り処理を実行する。
すなわち、制御器150は、注湯水器55の湯張り電磁弁48を開ける。また制御器150は、ガス開閉弁80,83〜85、ガス比例弁87、燃焼ファン19及び注湯水器55を適宜制御し、風呂設定温度入力操作部151aで設定された風呂設定温度となるようにバーナ17の燃焼量及び燃焼ファン19の回転数を調整する。これにより風呂設定温度の湯が上述の湯張り注水流路を介して浴槽27に供給される。
そして制御器150は、水位センサ22から得られる検出水位と、予め内部メモリに記憶される浴槽設定水位とを所定間隔ごとに比較する。水位センサ22から得られる検出水位が浴槽設定水位に達した場合、制御器150は、湯張り電磁弁48、ガス開閉弁83〜85及びガス比例弁87を閉じるとともに、燃焼ファン19を停止させる。
水位センサ22から得られる検出水位が浴槽設定水位に達した以後、制御器150は、予め定められた保温期間(例えば4時間)を経過するまで、風呂温度センサ21から得られる検出温度に基づいて、浴槽設定温度からの温度の低下量を監視する。そして制御器150は、浴槽設定温度からの温度の低下量が所定量以上である場合には後述の追い焚き処理を実行する。なお、制御器150は、上述の保温期間が経過した場合には湯張り処理を終了する。
制御器150は、上述の保温期間において浴槽設定温度からの温度の低下量が所定量以上となる場合、あるいは、リモートコントローラ151から追い焚きスイッチ151cのオン信号を受けた場合、追い焚き処理を実行する。
すなわち、制御器150は、ガス開閉弁80〜82、ガス比例弁86及び燃焼ファン18を適宜制御し、暖房高温サーミスタ33から得られる検出温度が例えば80℃となるようにバーナ16の燃焼量及び燃焼ファン18の回転数を調整する。このとき制御器150は、循環ポンプ6及び風呂循環ポンプ20を駆動させる。これにより上述したように、暖房用循環回路5内を循環する熱媒体と、追い焚き循環回路13内を循環する湯水とが風呂用熱交換器7を介して熱交換され、この熱交換により浴槽27内の湯水が追い焚きされる。
また制御器150は、風呂温度センサ21から得られる検出温度と、風呂設定温度よりも低い温度として予め設定される追い焚き停止温度とを所定間隔ごとに比較する。そして制御器150は、風呂温度センサ21から得られる検出温度が追い焚き停止温度となった場合には、ガス開閉弁80〜82及びガス比例弁86を閉じるとともに、燃焼ファン18を停止させる。このとき制御器150は、循環ポンプ6及び風呂循環ポンプ20を継続して駆動させることで、暖房用熱交換器28の加熱停止以降にシスターン装置100が保有するシスターン保有熱量を利用して、追い焚き停止温度から風呂設定温度まで浴槽27内の湯水が追い焚きされる。なお、制御器150は、風呂温度センサ21から得られる検出温度が風呂設定温度に達した場合には、予め定められたポストポンプ時間経過後に循環ポンプ6及び風呂循環ポンプ20を停止させ、追い焚き処理を終了する。
制御器150は、リモートコントローラ152から暖房運転スイッチ152aのオン信号を受けた場合、該暖房運転スイッチ152aのオフ信号を受けるまで高温暖房処理を実行する。
すなわち、制御器150は、熱動弁12に通電して熱動弁12を開ける。なお、熱動弁37及び流量制御弁38は閉じたままとされる。また、制御器150は、ガス開閉弁80〜82、ガス比例弁86及び燃焼ファン18を適宜制御し、暖房高温サーミスタ33から得られる検出温度が例えば80℃となるようにバーナ16の燃焼量及び燃焼ファン18の回転数を調整するとともに、循環ポンプ6を駆動させる。これにより暖房用循環回路5内の熱媒体は、上述したように、図1の矢印A〜Gに示す流れに沿って循環され、高温用の暖房機10aが設けられる室内等が温められる。
制御器150は、リモートコントローラ153から暖房運転スイッチ153aのオン信号を受けた場合、該暖房運転スイッチ153aのオフ信号を受けるまで低温暖房処理を実行する。
すなわち、制御器150は、熱動弁37に通電して熱動弁37を開けるとともに、流量制御弁38の開弁量を適宜調整する。なお、熱動弁12は閉じたままとされる。また、制御器150は、ガス開閉弁80〜82、ガス比例弁86及び燃焼ファン18を適宜制御し、暖房高温サーミスタ33から得られる検出温度が例えば80℃となるようにバーナ16の燃焼量及び燃焼ファン18の回転数を調整するとともに、循環ポンプ6を駆動させる。これにより暖房用循環回路5内の熱媒体は、上述したように、図1の矢印A、B’ 〜Gに示す流れに沿って循環され、低温用の暖房機10b,10cが設けられる室内等が温められる。
さらに、制御器150は、低温能力切替熱動弁47を制御する。具体的には、暖房運転スイッチ153aのオン信号を受けてから予め定められた期間(例えば15分間)を経過した通常期間の場合、制御器150は、暖房低温サーミスタ36から得られる検出温度が例えば60℃となるように低温能力切替熱動弁47の開弁量を調整する。これにより配管94からシスターン装置100に導入される熱媒体に、配管92を通る高温の熱媒体が、配管99,98を通して混合される。一方、暖房運転スイッチ153aのオン信号を受けてから予め定められた期間(例えば15分間)を経過するまで、制御器150は、暖房低温サーミスタ36から得られる検出温度が例えば70℃となるように低温能力切替熱動弁47の開弁量を調整する。この場合、配管94からシスターン装置100に導入される熱媒体に対する、配管92を通る高温の熱媒体の混合量が通常期間に比べて増加される。このため、暖房機10b,10cの運転開始直後では比較的冷めた状態で内部通路51,52や配管44,45などに存在する熱媒体が速やかに加熱される。
なお、制御器150は、暖房運転スイッチ152a及び暖房運転スイッチ153aのオン信号をそれぞれ受けた場合には、熱動弁12及び熱動弁37を開ける。
また、上述の湯張り処理を実行していないにもかかわらず、給水導入配管88に設けられる流量センサ73に基づいて給水導入配管88内の水流が検知される場合、水栓の使用があることを意味する。この場合、制御器150は、ガス開閉弁80,83〜85、ガス比例弁87及び燃焼ファン19を適宜制御し、図示しない給湯設定温度入力部で設定された給湯温度となるようにバーナ17の燃焼量及び燃焼ファン19の回転数を調整する。これにより給湯設定温度の湯が給水導入配管88、給湯用熱交換器29及び給湯配管26を順次介して図示しない水栓に供給される。
制御器150は、リモートコントローラ154から銀イオン投入スイッチ154aのオン信号を受けた場合、該銀イオン投入スイッチ154aのオフ信号を受けるまで銀イオン投入処理を実行する。
すなわち、制御器150は、リモートコントローラ154から銀イオン投入スイッチ154aのオン信号を受けてからオフ信号を受けるまで流量センサ73に基づいて給水導入配管88内の水流の有無を監視する。また制御器150は、給水導入配管88内の水流を検知している場合、銀イオン発生器105を駆動させる。本実施形態では、銀イオン発生器105から発生される単位流量(体積)あたりの銀イオン量が設定されており、当該設定値となるように、流量センサ73に基づいて銀イオン発生器105が駆動される。銀イオン発生器105で発生した銀イオンは給水導入配管88に流入し、給湯用熱交換器29を通り、その給湯用熱交換器29から給湯配管26を通って水栓に流れる。また、銀イオン発生器105から給水導入配管88に流入した銀イオンは、その給水導入配管88の分岐部107から連結配管109を介して中和器76にも流れる。
一方、制御器150は、銀イオン発生器105を駆動した後に給水導入配管88内の水流を検出できなくなった場合、銀イオン発生器105を停止する。この場合、銀イオンは、給水導入配管88、給湯用熱交換器29の配管、連結配管109及び中和器76内に停滞する。
なお、銀イオン発生器105を駆動した時点からその銀イオン発生器105を停止するまでの間に補給水電磁弁46が開いた状態である場合、給水導入配管88を通る銀イオンは、その給水導入配管88における途中の分岐部107から連結配管110を介してシスターン装置100にも流入し、該シスターン装置100から暖房用循環回路5にも流れ、その後停滞する。
補給水電磁弁46の開閉制御は制御器150で実行される。すなわち、制御器150は、シスターン装置100内に設けられる水位センサ111から得られる検出水位と、予め内部メモリに記憶されるシスターン浴槽設定水位とを所定間隔ごとに比較する。そして制御器150は、シスターン浴槽設定水位を検出水位が下回った場合には、該シスターン浴槽設定水位を検出水位が上回るまで補給水電磁弁46が開いた状態になるように補給水電磁弁46を制御する。
本実施形態の場合、湯張り処理が実行される時点で銀イオン投入スイッチ154aからオン信号が制御器150に与えられていても、該湯張り期間のある一定の期間を除いて銀イオン発生器105が停止される。ここで、この湯張り処理について図3に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
図3に示すように、制御器150は、リモートコントローラ151から湯張りスイッチ151dのオン信号を受けた場合、あるいは、湯張り予約入力操作部151bから予約設定された開始日時となった場合、湯張り処理を開始してステップSP1に進む。
制御器150は、ステップSP1では、銀イオン発生器105を駆動させているか否かを認識する。ここで、銀イオン発生器105を駆動させている場合、注湯水器55の湯張り電磁弁48を開けると上述の湯張り注水流路を介して浴槽27内に銀イオンが流入することになる。そして、浴槽27に貯留される湯水の銀イオン濃度が一定以上になると浴槽27の表面に銀が析出してその表面が変色することがある。そこで、制御器150は、銀イオン発生器105を駆動させている場合には、ステップSP2に進んで銀イオン発生器105を停止させた後にステップSP3に進む。一方、制御器150は、銀イオン発生器105を駆動させていない場合には、ステップSP2を経ることなくステップSP3に進む。
制御器150は、ステップSP3では、注湯水器55の湯張り電磁弁48及びガス開閉弁80,83〜85を開けるとともに、ガス比例弁87及び燃焼ファン19を適宜制御する。そして制御器150は、給湯配管26から上述の湯張り注水流路を介して浴槽設定温度の湯水を浴槽27に供給し始め、ステップSP4に進む。
制御器150は、ステップSP4では、湯張り水量センサ49から得られる検出水量と、予め内部メモリに記憶される銀イオン投入水量とを比較し、該検出水量が銀イオン投入水量に達しているか否かを認識する。
銀イオン投入水量は、銀イオンを配管内に流入させ始めるべき時点の水量であり、浴槽設定水位の水量よりも少ない水量とされる。上述したように、浴槽27に貯留される湯水の銀イオン濃度が一定以上になると浴槽27の表面に銀が析出してその表面が変色することがあるため、湯張り時には浴槽27に銀イオンが流入しないことが望ましい。したがって、本実施形態では、浴槽設定水位の水量となる直前に浴槽27に貯められる水量が銀イオン投入水量として規定される。例えば、浴槽設定水位から、銀イオン発生器105から循環金具56に至る流路の配管容積を減算した水量程度とされる。
ここで、湯張り水量センサ49から得られる検出水量が銀イオン投入水量に達していない場合、このことは、現時点で銀イオン発生器105を駆動すると、比較的多くの銀イオンが浴槽27内に流入する可能性が高いことを意味する。この場合、制御器150は、湯張り水量センサ49から得られる検出水量が銀イオン投入水量に達するまで待機する。
これに対して、湯張り水量センサ49から得られる検出水量が銀イオン投入水量に達した場合、制御器150は、ステップSP5に進んで銀イオン発生器105を駆動させた後、ステップSP6に進む。なお、ステップSP5で銀イオン発生器105を駆動された場合、その銀イオン発生器105で発生した銀イオンは給水導入配管88から給湯用熱交換器29を介して給湯配管26を通り、該給湯配管26の分岐部57から注湯水器55に流入する。この注湯水器55に流入した銀イオンは、風呂用注湯導入通路23、風呂循環ポンプ20、風呂用熱交換器7及び往管14を経るとともに、該風呂循環ポンプ20から戻り管15を経て浴槽27の循環金具56に至るが、浴槽27にはおおむね銀イオンが流入しないこととなる。
制御器150は、ステップSP6では、水位センサ22から得られる検出水位と、予め内部メモリに記憶される浴槽設定水位とを比較し、該検出水位が浴槽設定水位に達したか否かを認識する。ここで、水位センサ22から得られる検出水位が浴槽設定水位に達していない場合、制御器150は、水位センサ22から得られる検出水位が浴槽設定水位に達するまで待機する。
これに対して、水位センサ22から得られる検出水位が浴槽設定水位に達した場合、制御器150は、ステップSP7に進む。制御器150は、ステップSP7では、銀イオン発生器105を停止させ、ステップSP8に進む。
制御器150は、ステップSP8では、注湯水器55の湯張り電磁弁48、ガス開閉弁80,83〜85及びガス比例弁87を閉じるとともに燃焼ファン19を停止させて、浴槽27への湯水の供給を止め、ステップSP9に進む。制御器150は、ステップSP9では保温タイマーを計測し始め、その後、ステップSP10に進んで、水位センサ22から得られる検出水位に基づいて、浴槽設定水位から所定量だけ水位が下がったか否かを認識する。
ここで、浴槽設定水位から所定量だけ水位が下がった場合、制御器150は、ステップSP11に進んで、注湯水器55の湯張り電磁弁48、ガス開閉弁80,83〜85、ガス比例弁87及び燃焼ファン19を適宜制御する。そして制御器150は、浴槽設定水位になるまで浴槽設定温度の湯水を浴槽27に補充した後、ステップSP12に進む。これに対して、浴槽設定水位からの水位の低下量が所定量以上でない場合、制御器150は、浴槽設定温度の湯水を浴槽27に補充することなくステップSP12に進む。
なお、浴槽設定水位からの水位の低下量が例えば浴槽設定水位から2cmとされた場合、浴槽27に補充される湯水量はおおむね20リットルとなる。また、ステップSP8の入浴可能状態からステップSP9の利用者が入浴を開始して浴槽の湯水を洗い場で使用するまでの期間は、分単位以上の所定時間を要する。
制御器150は、ステップSP12では、風呂温度センサ21から得られる検出温度に基づいて、浴槽設定温度から所定量だけ温度が下がったか否かを認識する。ここで、浴槽設定温度からの温度の低下量が所定量以上である場合、制御器150は、ステップSP13に進んで、ガス開閉弁80〜82、ガス比例弁86、燃焼ファン18、循環ポンプ6及び風呂循環ポンプ20を適宜制御する。そして制御器150は、浴槽27に貯められる湯水の温度を浴槽設定温度にまで追い焚きした後、ステップSP14に進む。これに対して、浴槽設定温度からの温度の低下量が所定量以上でない場合、制御器150は、追い炊きすることなくステップSP14に進む。
制御器150は、ステップSP14では、保温タイマーの計測期間と、予め内部メモリに記憶された保温期間とを比較し、該計測期間が保温期間を超えているか否かを認識する。ここで、保温タイマーの計測期間が保温期間を超えていない場合、制御器150は、ステップSP10に戻って上述の処理を繰り返す。
これに対して、保温タイマーの計測期間が保温期間を超えている場合、制御器150は、ステップSP15に進んで、ステップSP2で銀イオン発生器105を停止させていたときには復帰させた後、湯張り処理を終了する。
このように制御器150は、浴槽27に浴槽設定水位の湯水を貯める場合には、リモートコントローラ151から銀イオン投入スイッチ154aのオン信号を受けているか否かにかかわらず、浴槽設定水位の湯水が浴槽27に貯まる直前から銀イオンを配管内に投入する。これにより制御器150は、銀イオン濃度が一定以上になることに起因する浴槽27の変色を抑制しつつも、銀イオン発生器105から循環金具56までの流路内に銀イオンを高濃度で重点的に停滞させることができる。換言すれば、利用者が目視確認できる浴槽27と、目視確認出来ない循環金具56内等を含む流路内とを、異なった銀イオン濃度の湯水で満たした時点で湯張りを終了させる。それと共に、浴室でシャワー等を用いると考えられるステップSP9〜ステップSP14の期間は、たとえ銀イオン投入スイッチ154aがオンであっても銀イオン入りの湯水の提供は行われない。
以上のとおり、本実施形態における給湯装置1は、給水管の水を導入する給水導入配管88が入力側に接続され、その水の温めにより得られる湯水を供給する給湯配管26が出力側に接続される給湯用熱交換器29を備える。また給湯装置1は、給水導入配管88において給水接続口43に近い部位に接続される銀イオン発生器105を備える。
このような給湯装置1では、銀イオン発生器105で発生した銀イオンは給水管から供給される水に流入した後に給湯用熱交換器29を通り、その給湯用熱交換器29から給湯配管26を通って図示しない水栓に流れる。また、水栓が未使用のときには配管内に銀イオンが停滞する。
したがって、給湯用熱交換器29の配管や給湯配管26の構成材料に銅が用いられ、該配管の内壁面を保護する酸化被膜が水との摩耗などにより剥がれて配管が局所的に露出する場合、その露出部位の銅と銀イオンとのイオン化傾向の違いにより置換反応が生じる。このため、露出部位の表面に銀が析出し、該露出部位の表面には銀皮膜が形成されることになる。
このように給湯装置1は、銅を構成材料として含有する配管における局所的な露出部位を銀皮膜で覆うことができるため、該露出部位から銅イオンが溶出し続けることを抑止することができる。
なお、銅と銀イオンとの置換反応は配管内の水質のPHに左右されることなく進行するため、市水中の酸素と反応により配管の内壁面に酸化被膜が形成される場合に比べると早期に銀皮膜で露出部分を覆うことができる。
また、銀の展性及び延性は銅の銀の展性及び延性に比べて大きく、銀の熱伝導率(429 W/(m・K))は銅の熱伝導率(401 W/(m・K))に比べて大きい。これに対して銅の酸化被膜はもろく、また、銅の酸化被膜の熱伝導率(3.22〜3.74 W/(m・K))は銅の熱伝導率に比べ悪い。この結果、銀イオン被膜が形成されると配管の内壁面に酸化被膜を形成する場合に比べ機械的強度が増し、また熱伝導率の悪化が抑止される。
さらに、給湯用熱交換器29や暖房用熱交換器28などではウオーターハンマ等により移動する沸騰防止部材が一般的に設けられる。この沸騰防止部材を有する熱交換器では、銅の展性及び延性はいずれも極めて良好な状態にあり、沸騰防止部材が内壁表面を滑るように移動する。一方、熱交換器の内壁表面に酸化被膜が形成されると、沸騰防止部材の移動により酸化被膜が擦られ、その部分がはげ落ちて露出し易い。しかしながら、銀被膜の形成後においては、銅以上に展性、延性が働く結果、熱交換器の内壁表面が再び露出し難くなる。このように、沸騰防止部材を有する熱交換器の内壁表面を酸化被膜ではなく銀皮膜で覆うことができることは特に有用である。また、仮に銀皮膜に傷等が生じて配管の内壁面が再び露出してもその露出部位を新たな銀皮膜で覆うこともできる。この結果、銅の酸化被膜を沸騰防止部材が削る音(銅の酸化被膜が削れる時に発する異音)を低減することができる。
また本実施形態の場合、暖房機10と接続される暖房用循環回路5の途中部位にシスターン装置100が設けられている。このシスターン装置100は給水導入配管88に設けられる分岐部107に連結されており、銀イオン発生器105はこの分岐部107と給水管との間に接続される。
このため、銀イオン発生器105から給水導入配管88に流入する銀イオンは、給湯用熱交換器29を通るのみならず分岐部107からシスターン装置100にも流入し、該シスターン装置100から暖房用循環回路5にも流れる。
したがって、シスターン装置100又は暖房用循環回路5の構成材料に銅が用いられ、これらの内壁面を保護する酸化被膜が水との摩耗などにより剥がれてその内壁面が局所的に露出する場合、上述と同様にして、該露出部位を銀皮膜で覆うことができる。したがって、本実施形態の給湯装置1によれば、シスターン装置100又は暖房用循環回路5に銅イオンが溶出することを低減させることもできる。
これに加えて、夏季等において暖房機10が長期間未使用となってシスターン装置100及び暖房用循環回路5に水が放置された場合であっても、従来銅イオンが担っていた抗菌及び除菌能の役割を銀イオンが引き継ぎ、銀イオンの抗菌及び除菌能によりシスターン装置100及び暖房用循環回路5内で真菌、細菌あるいは藻などの発生が抑制される。この結果、本実施形態の給湯装置1によれば、真菌、細菌あるいは藻などがシスターン装置100又は暖房用循環回路5内で詰まって暖房性能が低下することを引き続き防止することができる。
さらに本実施形態の場合、給湯用熱交換器29は、バーナ17で加熱された空気から顕熱を主に回収して熱媒体を加熱する顕熱熱交換器29bと、該顕熱熱交換器29bでの加熱により生じる排気の潜熱を主に回収して熱媒体を加熱する潜熱熱交換器29aとを有する。また、この潜熱の回収することに起因して生じる凝縮水を中和する中和器76が設けられており、この中和器76も分岐部107に接続される。
このため、銀イオン発生器105から給水導入配管88に流入する銀イオンは、給湯用熱交換器29を通るのみならず分岐部107から中和器76にも流入する。
したがって、銀イオンの抗菌及び除菌能により中和器76内で真菌、細菌あるいは藻などの発生(バイオフィルム)が抑制される。この結果、本実施形態の給湯装置1によれば、真菌、細菌あるいは藻などが中和器76に詰まって中和性能が低下することを防止することができる。
さらに本実施形態の場合、浴槽27の循環金具56と風呂用熱交換器7との間を循環する追い焚き循環回路13の戻り管15の途中部位に風呂循環ポンプ20が設けられ、該風呂循環ポンプ20は給湯配管26に設けられる分岐部57に連結されている。
このため、銀イオン発生器105から給湯用熱交換器29を介して給湯配管26に流れる銀イオンは、分岐部57から水栓に流れるのみならず追い焚き循環回路13にも流入し、該追い焚き循環回路13を介して浴槽27にも流れる。すなわち、給湯配管26には、該給湯配管の分岐部57から浴槽27に至る流路が形成される。
したがって、風呂循環ポンプ20や風呂用熱交換器7など、給湯配管の分岐部57から浴槽27に至る流路上における配管の構成材料に銅が用いられ、該配管の内壁面を保護する酸化被膜が水との摩耗などにより剥がれて配管が局所的に露出する場合、上述と同様にして、該露出部位を銀皮膜で覆うことができる。したがって、本実施形態の給湯装置1によれば、給湯配管の分岐部57から浴槽27に至る流路にも銅イオンが溶出することを低減させることができる。
特に、熱媒体と浴槽水とを熱交換する、水−水熱交換器である風呂用熱交換器7では、熱媒体温度が燃焼排ガス(例えば1700℃)のように高温でないので、風呂用熱交換器7の熱媒体温度が流れる配管部分や浴槽水が流れる配管部分に酸化被膜が形成されると、追焚時における熱効率への影響が大きい。これに対し、本実施形態の給湯装置1によれば、シスターン装置100又は暖房用循環回路5内の水にも銀イオンを供給して酸化被膜の形成を阻害し、その酸化被膜の熱伝導率よりも高い熱伝導率の銀皮膜を形成させることで、熱効率を高いままに維持し追焚性能が低下することを防止することができる。
これに加えて、塵芥が溜まり易い循環金具56などで真菌、細菌あるいは藻などの発生が抑制される。この結果、本実施形態の給湯装置1によれば、浴槽27に貯留する湯の衛生性を向上させるとともに、真菌、細菌あるいは藻などが循環金具56で詰まって循環能が低下することを防止することができる。
さらに本実施形態の場合、銀イオン発生器105を制御する制御器150が備えられており、該制御器150によって必要に応じて銀イオン発生器105が自動で駆動される。このため、開閉弁108及び制御器150を設けずに銀イオン発生器105で発生した銀イオンを給水導入配管88へ常時流入させる場合に比べて、配管内での銀イオン濃度が過度に多くなることを未然に防止し、該銀イオンの消費効率を向上させることができる。
具体的に本実施形態における銀イオン発生器105は、リモートコントローラ154に設けられる銀イオン投入スイッチ154aから制御器150がオン信号を受けている場合に駆動される。これにより本実施形態の給湯装置1は、ユーザの意図に応じて銀イオンの消費効率を向上させることができる。また、ユーザの湯水の使用(蛇口での使用)用途に応じて銀イオン発生器105を手動で駆動、停止操作を行うことができる。
例えば熱帯魚の水槽水を換水するような場合には、給湯装置1からの温水を、ホース等を用いて水槽まで導き、換水することが考えられる。このような換水では、換水中に水槽から不用意に離れると居室が水浸しになる恐れがあることなどの要因があるので、一般的には、次のような手順で換水が行われる。具体的には、(a):浄化装置の停止、(b):水槽の水の一部とともに熱帯魚を退避、(c):水槽の水の排水、(d):排水を継続しながら給湯器の温水を水槽に注入して、汚れを浮かび上がらせながら換水、(e):排水停止、温水注入停止、(f):脱塩素剤(チオ硫酸ナトリウム)投入、(g):浄化装置の起動、(h):にごりが消え、水温が安定してきたら熱帯魚帰還という手順である。
一方、銅イオンは熱帯魚におけるエラ呼吸を阻害する要因となる。また、換水後の水槽水に銅イオンが滞留していた場合、その銅イオンの殺菌作用で濾過バクテリアが死滅して水槽水のアンモニア濃度が上昇することによって熱帯魚が死滅することもある。つまり、銅イオンによってエラ呼吸が阻害されたり、浄化菌の死滅が発生する。
他方、上述のように銀イオンの投入により銅イオンが溶出しなくても、その銀イオンを含む湯水が配管内に滞留している。換言すると、熱帯魚の水槽水を換水する際にユーザが銀イオン投入スイッチ154aをオフ操作したとしても、前回銀イオン投入スイッチ154aをオン操作した時に投入された銀イオンが配管内に滞留している。このため、滞留状態にある湯水を水栓から出して使い終わらない限り、すぐには銀イオンを含まない湯水が水栓から出てこない。つまり、銀イオン投入スイッチ154aをオフした後に水槽に注入される水の初期段階では銀イオンが含まれることになる。
しかしながら、通常、上述の手順によって水槽水が換水される。このため、ユーザの湯水の使用用途である、熱帯魚の水槽水交換に応じて銀イオン発生器105を手動でオフすれば、水槽水を換水した後に銀イオンは水槽内には残らず、銀イオンに起因して熱帯魚のエラ呼吸が阻害されることはない。また、上述したように、浄化装置は水槽水を換水する前に停止されるため、水槽に注入される水の初期段階に銀イオンを含まれていても、該浄化装置内に銀イオンが入り込むことはない。したがって、浄化装置内で発生している濾過バクテリアが生息し続け、生物濾過機能が維持される。
このように、熱帯魚の水槽の水交換に当たっては、銅イオンも銀イオンも含まれない状態で水槽水を換水することができる。
また本実施形態における銀イオン発生器105は、浴槽設定水位の湯水が浴槽27に供給され始めた時点で駆動されている場合には停止され、該浴槽27に貯留される湯水が銀イオン投入水量に達した時点から浴槽設定水位に達する時点まで駆動される。
これにより本実施形態の給湯装置1は、銀イオン発生器105から循環金具56までの流路内に銀イオンを重点的に停滞させて浴槽27に銅イオンが流入することを抑えることができる。これに加えて、上述したように、銀イオン濃度が一定以上になることに起因する浴槽27の変色を抑制することができる。
なお、浴槽27に銅イオンが流れた場合、人体や石鹸などの脂肪酸と銅イオンとが反応して青色を帯びた析出物が生じ、浴槽27が汚れる傾向にある。一方、上述したように、浴槽27に貯留される湯水の銀イオン濃度が一定以上になると浴槽27の表面に銀が析出してその表面が変色する傾向にある。具体的には、銀イオンの濃度が100ppbを超えると浴槽表面に銀が析出して浴槽27が黒色を帯びる傾向にある。
これに対し、本実施形態における銀イオンの投入期間は、浴槽27に貯留される湯水が銀イオン投入水量に達した時点から浴槽設定水位に達する時点までの期間に限られるので、高濃度(例えば100〜1000ppb)で投入できる。しかも、銀イオンの投入後銀イオンの殺菌作用、銀皮膜の形成に十分な時間(ステップSP8からステップSP9までの間の所定時間)がある。このため、銅イオンが浴槽27に流れることを抑制するとともに、一定濃度以上の銀イオンが浴槽27に流れることも抑制することができる。
さらに本実施形態における銀イオン発生器105は、浴槽設定水位に達して(ステップSP7)、浴槽27への湯水の供給を停止した時点(ステップSP8)から所定の保温期間が経過するまで(ステップSP14終了まで)停止され続けられる。この保水期間(ステップSP9〜ステップSP14の期間)はおおむね入浴中となる期間となり、浴室シャワーが用いられるなどにより浴室壁面などに湯水が付着し易い。この湯水に銀イオンが含まれていると、当該湯水中の銀イオン濃度が低濃度であっても、入浴後の乾燥により浴室壁面などに付着した湯水が蒸発して銀イオン濃度が濃縮され、浴室の壁面などが変色する傾向にある。したがって、浴槽27のみならず浴室の壁面などの変色を低減する観点では、おおよそ入浴中となる浴槽設定水位に達した時点から所定の保温期間に銀イオンが非投入とされることは特に有用となる。
上記実施形態が例として説明されたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することが可能である。
例えば上記実施形態では、銀イオン発生器105が給水導入配管88において給水接続口43に近い部位に連結配管106を介して銀イオン発生器105が接続された。しかしながら、図4に示すように、給水導入配管88において給水接続口43に近い部位の配管内に銀電極105A及び105Bを配置して、当該給水導入配管88に直接的に銀イオン発生器105を設けるようにしても良い。このようにすれば、連結配管106を省略することができる。また、中和器76やシスターン装置100等に銀イオンを供給させない場合には、給水導入配管88において分岐部107よりも上流側の部位に銀イオン発生器105が設けられても良い。要するに、銀イオン発生器105は、給水導入配管88の給水接続口43と給湯用熱交換器29との間における給水経路部位に銀イオンを供給するものであれば良い。
上記実施形態では、リモートコントローラ154から銀イオン投入スイッチ154aのオン信号を受けている期間、あるいは、湯張り運転において浴槽設定水位の湯水が浴槽27内に貯留される直前の期間に銀イオン発生器105が駆動された。しかしながら、銀イオン発生器105の駆動期間は、上記実施形態の場合に限られない。例えば、配管内に水が停滞する期間が他に比べて長くなる期間を予測し、その期間もしくはその開始前後に銀イオン発生器105が一定の駆動期間だけ駆動されても良い。具体的には、例えば、曜日ごとに単位時間あたりの水の排出量を測定し、その排出量が最も少ない時間あるいは規定量より少ない時間を曜日ごとに検出する検出部を設ける。そして、この検出部により検出された各曜日の時間もしくはその開始前後に制御器150が銀イオン発生器105を一定の駆動期間だけ駆動させる。このようにしても銀イオンの消費効率を向上させることができる。
また上記実施形態では、銀イオン発生器105の駆動により発生される単位流量(体積)あたりの銀イオン量が一定とされた。しかしながら、単位流量(体積)あたりの銀イオン量は可変とされても良い。例えば、流路の配管容積に応じて銀イオン量を変更することが可能である。具体的には、制御器150が、複数の流路のなかで使用される流路の配管容積に応じて銀イオン発生器105に設けられる銀電極に通電する電流値と通電時間とを決定し、その決定した通電時間及び電流値で駆動するように銀イオン発生器105を制御する。なお、本実施形態における流路の配管容積としては、給水導入配管88、給湯用熱交換器29及び給湯配管26を通る流路の容積と、暖房用循環回路5及び暖房機10の配管を通る流路の容積と、給湯配管26の分岐部57から浴槽27の循環金具56に至る流路の容積とがある。これら容積は予め制御器150の内部メモリに保持させておいても良く、水量センサを用いて計測するようにしても良い。このようにすれば、銀イオンを効率良く使用することができる。
また上記実施形態では、配管に電圧が印加されなかった。しかしながら、銀イオン発生器105の駆動時点、停止時点、あるいは、駆動時点から所定期間を経過した時点など、該銀イオン発生器105を駆動させた以降に、制御器150が配管に所定期間だけ電圧を印加するようにしても良い。このようにすれば、配管の内壁が露出する露出部位での銀イオンの置換反応を促進させることができ、該露出部位からの銅イオンの溶出を早期に抑止することができる。
また上記実施形態では、配管内において銅イオンが溶けだしている量を測定する測定部が設けられていなかった。しかしながら、この測定部を設け、該測定部の測定結果に応じて制御器150が銀イオン発生器105を駆動するようにしても良い。具体的には、例えば、給湯装置1における所定の配管部位にPH測定器を設け、そのPH測定器で測定される管内のPHが所定の閾値よりも下がった場合に、銅イオンの溶けだし量が多いとして、制御器150が銀イオン発生器105を駆動する。このようにすれば、配管内の銅イオンの挙動に応じて銀イオンを投入させることができ、より一段と銀イオンの消費効率を向上させることができる。
また上記実施形態では、湯張り運転において銀イオン発生器105の駆動により発生させるべき単位流量(体積)あたりの銀イオン発生量が一定とされ、該銀イオン発生器105を駆動して銀イオンを発生する駆動タイミングが固定とされた。しかしながら、銀イオン発生器105に対する駆動タイミングや銀イオン発生量は可変とされても良い。
例えば、浴槽27に湯水を供給し始めた時点から浴槽設定水位の水量よりも少ない所定の水量に達するまでの時点までの第1期間と、該所定の水量に達した時点から浴槽設定水位に達した時点までの第2期間とに流れる配管容積中の銀イオン濃度を規定する。具体的には、第2期間における銀イオン濃度は例えば100ppbとし、第1期間における銀イオン濃度は第2期間で規定される銀イオン濃度よりも小さい例えば10ppbとする。
そして、銀イオン発生器105から浴槽27の循環金具56に至る流路の配管容積に基づいて、第1期間及び第の期間の銀イオン濃度が規定濃度となるように銀イオン発生器105に対する駆動タイミング及び単位流量(体積)あたりの銀イオン発生量の少なくとも一方を制御し、浴槽27に貯留される銀イオン濃度を所定濃度未満にさせる。
浴槽27に貯められる湯水の銀イオン濃度が100ppbを超えると浴槽27が黒みを帯びる傾向がある。このため、第1期間における銀イオン濃度を10ppbとし、第2期間における銀イオン濃度を100ppbとして規定した場合には、浴槽27の変色をより一段と抑制しながらも、銀イオン発生器105から循環金具56までの流路内に銀イオンをより一段と重点的に停滞させることができる。
あるいは、銀イオン発生器105から浴槽27までの配管容積と、単位流量(体積)あたりに発生した銀イオン量とに基づいて浴槽27に貯留する銀イオン濃度を予測し、その予測結果に応じて、単位流量(体積)あたりの銀イオン量を増減したり、その増減するタイミングを調整する。このようにしても、銀イオン濃度が一定以上になることに起因する浴槽27の変色を抑制しながらも、銀イオン発生器105から循環金具56までの流路内に銀イオンをより一段と重点的に停滞させることができる。
要するに、浴槽27に貯留される銀イオン濃度が所定濃度未満となるように銀イオン発生器105を駆動させる制御器が適用可能である。
また上記実施形態では、浴槽27に貯められる湯水の水位に基づいて銀イオン発生器105及び燃焼ファン19が停止されるとともに、各種弁48、83〜85及び87が閉じられた。しかしながら、浴槽27に貯められる湯水の水量に基づいて銀イオン発生器105及び燃焼ファン19が停止されるとともに、各種弁48、83〜85及び87が閉じられても良い。具体的には例えば、浴槽27の水位と、当該水位時に浴槽27に貯められる水量との相関を示す水位量相関データを制御器150の内部メモリに記憶させる。そして制御器150は、水位センサ22から得られる検出水位と水位量相関データIF2とに基づいて浴槽27に貯められる現在の湯水の水量を認識し、その水量が浴槽設定水位に要する水量に達した場合に、銀イオン発生器105及び燃焼ファン19を停止するとともに、各種弁48、83〜85及び87を閉じる。このようにしても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また上記実施形態では、給水導入配管88に対して分岐部107から連結配管109を介して中和器76が接続され、該分岐部107から連結配管110を介してシスターン装置100が接続された。しかしながら、給湯用熱交換器29の配管や給湯配管26内の水に銅イオンが溶出することを低減させる観点では、分岐部107、連結配管109及び110が省略されていても良い。ただし、上述したように、暖房性能や中和性能が低下することを防止するなどの観点では、上記実施形態のように分岐部107、連結配管109及び110が省略されていないことが好ましい。
また上記実施形態では、制御器150は、浴槽設定水位の湯水が浴槽27に貯まる直前から銀イオンを配管内に投入し(ステップSP5〜ステップSP6)、当該浴槽設定水位の湯水が浴槽27に貯まった時点で銀イオンの投入を停止(ステップSP7)した後に、適宜追い焚き処理を実行した。しかしながら、制御器150は、銀イオン投入前で湯張りを中断し、追い焚き処理を実行した後に、当該浴槽設定水位の湯水が浴槽27に貯まるまで湯張りを再開するとともに銀イオンを配管内に投入するようにしても良い。このようにすると、例えば前日の残り湯があるような場合であっても適切に銀イオンを投入することができる。
なお、ステップSP9〜ステップSP14を行わない給湯装置で、本願を使用してもかまわない。また、流路の配管容積は、給湯装置内配管容量(各給湯装置で固有の値)、給湯装置〜浴槽間の指定配管径(例えば内径12.8mm)を用いた場合の最大配管距離(例えば20m)等から求められる。
また上記実施形態では、給水管から供給される水を温めて水栓に供給する給湯機能と、該水を温めて風呂に供給する風呂給湯機能と、該水を温めて暖房機に供給する暖房機能とを有する複能の給湯装置1が適用された。
しかしながら、給水管から供給される水を温めて水栓に供給する給湯機能だけを有する単能の給湯装置が適用されても良い。この単能の給湯装置が適用される場合、給水導入配管88の給水接続口43と給湯用熱交換器29との間における給水経路部位に銀イオンを供給する銀イオン発生器105と、リモートコントローラ154から銀イオン投入スイッチ154aのオン信号を受けている場合に銀イオン発生器105を駆動する制御器とが搭載される。
また、給水管から供給される水を温めて風呂に供給する風呂給湯機能だけを有する単能の給湯装置が適用されても良い。この単能の給湯装置が適用される場合、給水導入配管88の給水接続口43と給湯用熱交換器29との間における給水経路部位に銀イオンを供給する銀イオン発生器105と、上述の制御器150とが搭載される。ただし、制御器150は、上述したように、浴槽27に貯留される銀イオン濃度が所定濃度未満となるように銀イオン発生器105を駆動させる制御器であっても良い。
さらに、貯湯タンクに貯められる水を温めて風呂に供給する風呂給湯機能を有する給湯装置が適用可能されても良い。この給湯装置を有する給湯システムの構成例を図5に示す。なお、図5において上記実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の参照符号を付し、また重複する説明については省略する。
図5に示す給湯システムの給湯装置2は、貯湯タンク120を有する。この貯湯タンク120は、循環回路121を介して給湯装置2の外部に設けられるヒートポンプユニット130と連結される。循環回路121の一端は貯湯タンク120の上段部と接続され、該循環回路121の他端は貯湯タンク120の下段部と接続される。なお、循環回路121は、三方弁122によりヒートポンプユニット130を通る経路と、該ヒートポンプユニット130を通らない経路とに切り替え可能とされる。また、循環回路121の所定部位は、図示しない排水管と接続される。
貯湯タンク120に貯蔵される水はヒートポンプユニット130内の循環ポンプによりその貯湯タンク120の下部からヒートポンプユニット130内の熱交換器に送り出され、その熱交換器での熱交換により温められた後に貯湯タンク120の上部に供給される。このため、貯湯タンク120では、上部を温水層とし、下部を冷水層とし、これら層間の境界層とする水の温度成層が形成される。
貯湯タンク120の内部には風呂用熱交換器7が設けられており、該風呂用熱交換器7と浴槽27の循環金具56とは循環回路13を介して連結される。なお、図5に示す循環回路13は、三方弁140により風呂用熱交換器7を通る経路と、該風呂用熱交換器7を通らない経路とに切り替え可能とされる。
また貯湯タンク120の下段部には給水導入配管88が接続されており、該給水導入配管88は給水接続口43で給水管と接続される。なお、図5に示す給水導入配管88には逆止弁123及び124が設けられる。また給水導入配管88は、給湯装置2の外部に設けられる水栓132〜134と接続される。
さらに貯湯タンク120の上段部及び中段部には給湯配管26が接続されており、該給湯配管26には開閉弁141が設けられ、該開閉弁141の下流側となる給湯配管26の所定部位には分岐部142が形成される。
この分岐部142から水栓132〜134に向かう給湯配管26の経路上には水栓用混合弁143が設けられ、該分岐部142から浴槽27に向かう給湯配管26の経路上には風呂用混合弁144が設けられる。
水栓用混合弁143では給湯配管26と給水導入配管88とが接続されるとともに、混合水導入配管145を介して水栓132〜134が接続される。給湯配管26から供給される湯水と給水導入配管88から供給される水とは混合された後に混合水導入配管145を介して水栓132〜134に流れる。
風呂用混合弁144では給湯配管26と給水導入配管88とが接続されるとともに、混合水導入配管146を介して循環回路13の戻り管15が接続される。給湯配管26から供給される湯水と給水導入配管88から供給される水とは混合された後に混合水導入配管146を介して戻り管15に流れる。なお、図5に示す混合水導入配管146には、その途中部位から分岐して下流部位で繋がる迂回経路147が設けられ、該迂回経路147には開閉弁148が介設される。
このような給湯装置2では、給湯配管26の分岐部142と風呂用混合弁144との間に銀イオン発生器105が連結配管106を介して接続され、該銀イオン発生器105は制御器150と接続される。
制御器150は、上記実施形態と同様に、図示しない各種のセンサと、リモートコントローラ151又は154から与えられるオン信号とに基づいて銀イオン発生器105を駆動させる。また制御器150は、図示しない各種のセンサ等に基づいて、湯張り電磁弁48、三方弁140、開閉弁141、開閉弁148、水栓用混合弁143及び風呂用混合弁144を適宜制御する。
水栓132〜134に湯水を供給する場合、開閉弁141及び水栓用混合弁143が開けられ、風呂用混合弁144が閉じられる。なお、給湯配管26の分岐部142から水栓用混合弁143に至る流路上に銀イオン発生器105が接続されていないため、水栓132〜134に銀イオンが流入することはない。
一方、浴槽27に湯水を供給する場合、湯張り電磁弁48、開閉弁141及び風呂用混合弁144が開けられるとともに三方弁140及び開閉弁148が必要に応じて開けられ、水栓用混合弁143が閉じられる。この場合、制御器150によって、浴槽27に貯留される銀イオン濃度が所定濃度未満となるように銀イオン発生器105が駆動される。例えば、上述の湯張り処理と同様の処理が実行される。これにより給湯装置2は、銀イオン発生器105から循環金具56までの流路内に銀イオンを重点的に停滞させて浴槽27に銅イオンが流入することを抑えることができる。この流路は、風呂用混合弁144、湯張り電磁弁48、戻り管15、風呂循環ポンプ20、三方弁140、風呂用熱交換器7、往管14を通る流路、もしくは、該三方弁140から風呂用熱交換器7を通らずに往管14を通る流路である。
なお、図5に示す給湯装置2における銀イオン発生器105の接続箇所は、給湯配管26の分岐部142と風呂用混合弁144との間とされたが、他の箇所でも良い。具体的には、貯湯タンク120に接続される給湯配管26において浴槽27に向かう分岐部142から、その浴槽27の循環金具56に接続される循環回路13の戻り管15に至る流路上であれば良い。
なお、給湯装置1の各構成要素は、上記実施形態若しくは変形例に示された内容以外に限定されず、本発明の目的を達せできる範囲内において、適宜、省略、変更、周知技術の付加などできる。