図10には、風呂給湯装置の一例が模式図により示されており、従来、この図に示すような風呂給湯装置が様々に提案されている(例えば、特許文献1、参照。)。
同図において、器具ケース40内には燃焼室50(50a,50b)が設けられ、燃焼室50a内には給湯バーナ1(1a,1b,1c)が、燃焼室50b内には浴槽30内の湯水の追い焚き用の追い焚きバーナ7(7a,7b)がそれぞれ配置されている。
これらの給湯バーナ1および追い焚きバーナ7には、それぞれのバーナ1,7に燃料を供給するガス管42が接続されており、このガス管42にはバーナ1,7への燃料供給・停止を制御するための開閉弁51と、給湯バーナ1への供給燃料量を弁開度でもって制御することができる比例弁(図示せず)とが介設されている。
給湯バーナ1と追い焚きバーナ7の下方側には、それぞれのバーナ1,7の燃焼の給排気を行なう燃焼ファン5,10が設けられており、燃焼ファン5,10の回転によって、吸気口(図示せず)を介して外部より吸気する空気を給湯バーナ1、追い焚きバーナ7に送り、この空気と、ガス管42を通って供給されるガスとによってバーナ燃焼を行う。バーナ燃焼により生じた燃焼ガスは、燃焼室50を通って排気口(図示せず)から排気される。
上記給湯バーナ1の上側には、給湯バーナ1の燃焼ガス中の顕熱を回収するメインの給湯熱交換器(一次給湯熱交換器)4と、このメインの給湯熱交換器4よりも前記燃焼ガスの流れの下流側に設けられて、燃焼ガスの顕熱および潜熱を回収する潜熱回収用給湯熱交換器(二次給湯熱交換器)6とが設けられている。また、追い焚きバーナ7の上側には、浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器12が設けられおり、この追い焚き熱交換器12は浴槽30に接続される追い焚き循環路31に設けられている。
メインの給湯熱交換器4と潜熱回収用給湯熱交換器6と追い焚き熱交換器12は、それぞれ、水を通す管路と、該管路の外周面に互いに間隔を介して立設配置された板状のフィン3とを有して形成されている。なお、潜熱回収用給湯熱交換器6を備えた風呂給湯装置において、潜熱回収用給湯熱交換器6の管路の外周側にはフィンを設けていない構成のものも用いられている。
前記潜熱回収用給湯熱交換器6の入側(入水口側)には、給水源から水を導くための給水通路46が接続されており、潜熱回収用給湯熱交換器6の出側にメインの給湯熱交換器4の入側が接続されている。また、メインの給湯熱交換器4の出側(出湯口側)には給湯管47が接続されており、図10に示す風呂給湯装置は、潜熱回収用給湯熱交換器6を通る水を潜熱回収の熱で予備加熱し、その予備加熱した水をメインの給湯熱交換器4の入水口に供給し、該メインの給湯熱交換器4で加熱した湯を送水して給湯通路47から一つ以上の給湯先に給湯する機能を有している。
なお、前記給水通路46には、給水通路46から供給されて、潜熱回収用給湯熱交換器6側へ流れ込む水の流量を検出する流量センサ43と、潜熱回収用給湯熱交換器6へ流れ込む水の入水温度を検出する入水サーミスタ(図示せず)とが設けられており、また、給湯管47には流れ出る湯の温度を検出することができる出湯サーミスタ(図示せず)が設けられている。
また、給湯管47には、接続路としての注湯路26を介して前記追い焚き循環路31が接続されており、注湯路26には注湯電磁弁27が設けられている。追い焚き熱交換器12の入口側に、浴槽30からの戻り管28と注湯路26とが接続され、追い焚き熱交換器12の出口側には浴槽30へと続く往管29が接続されている。なお、往管29や戻り管28は、近年、架橋ポリエチレン管等により形成することが多くなった。
前記戻り管28には、浴槽30の水位を水圧によって検出する圧力センサの水位センサ8と、浴槽湯水を循環させる循環ポンプ9と、戻り管28を水が流れたことを検出したときにオンとなる流水検出センサ(流水スイッチ)11と、浴槽湯水の温度を検出する風呂温度センサ(図示せず)がそれぞれ設けられている。
前記潜熱回収用給湯熱交換器6の下側には、該潜熱回収用給湯熱交換器6で発生するドレンを回収するドレン回収手段48と、該ドレン回収手段48により回収したドレンを貯留するドレン貯留手段としてのドレンタンク13とが設けられ、ドレン回収手段48とドレンタンク13とはドレン管49を介して接続されている。
潜熱回収用給湯熱交換器6を備えた風呂給湯装置においては、給水通路46から潜熱回収用給湯熱交換器6内の水管を通る水は、給湯バーナ1の燃焼による燃焼ガスが潜熱回収用給湯熱交換器6を通るときに、燃焼ガス中の水蒸気が保有している潜熱を奪って(潜熱を回収して)温度を高め、さらにメインの給湯熱交換器4を通るときに、給湯バーナ1の燃焼火力でもって加熱されて設定温度の湯が作り出されるので、給湯バーナ1によって効率の良い加熱ができる。
つまり、潜熱回収用給湯熱交換器6を設けることにより、例えば風呂給湯装置においては、高位発熱量(総発熱量)ベースで熱効率が約90%以上に達し、潜熱回収用給湯熱交換器6が設けられていない通常の風呂給湯装置に比べ、高い熱効率が達成される。そのため、潜熱回収用給湯熱交換器付きの風呂給湯装置は、省エネ化(省エネルギー化)を実現できる風呂給湯装置として注目されている。
なお、前記ドレンは、燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)等を含むため、pH2〜4の強酸性である。そこで、図10に示す風呂給湯装置は、このドレンを温水と混合すると酸性泉として利用できるようにしている。つまり、この例では、ドレンタンク13により貯留したドレンを追い焚き循環路31側に導くドレン導出路16を設け、該ドレン導出路16を介して導かれるドレンを、追い焚き循環路31を介して浴槽30に導き、浴槽湯水と混合して酸性泉とする構成を設けている。
ドレン導出路16には、ドレン導出弁17と、該ドレン導出弁17の下流側に設けられた逆止弁20とが介設されており、ドレン導出弁17を開き、浴槽30に湯が張られた状態で前記循環ポンプ9を駆動させることで、浴槽30から戻り管28を通って往管29側に送り出され、再び浴槽30に循環される湯にドレンを混ぜて浴槽30内の湯水が酸性泉となるように構成されている。
上記風呂給湯装置において、給湯バーナ1および追い焚きバーナ7の燃焼制御と、燃焼ファン5,10の回転制御は、前記各センサの検出信号に基づき、図示されていない制御装置によって、予め与えられたシーケンスプログラムにしたがって行われており、前記の如く、ガス管42から供給されるガスと燃焼ファン5,10により送られる空気とによって給湯バーナ1、追い焚きバーナ7の燃焼がそれぞれ行われ、台所等への給湯や浴槽の湯張り、浴槽湯水の追い焚き等の動作が適宜行われる。
以下に、風呂給湯装置の動作の一例を簡単に説明する。給湯動作は、例えば台所や洗面所等の給湯栓(図示せず)を開くことにより開始されるものであり、制御装置は流量センサ43により給水通路46を通水する最低作動流量以上の流量を検出すると、給湯バーナ1を燃焼し、給湯熱交換器4,6(メインの給湯熱交換器4および潜熱回収用給湯熱交換器6)を通る水を加熱して湯を作成し、その湯を給湯管47を通して給湯先へ供給する。
この給湯機能の動作では、前記制御装置は前記入水温度センサによる入水温と、流量センサ43による給湯量と、前記給湯温度センサによる給湯温(出湯温)との検出情報に基づき、給湯設定温度となるようにガス管42から供給されるガス量を図示されていない比例弁の開弁量によって制御する。給湯動作は給湯先の給湯栓が閉止されることによって終了する。つまり、給湯栓の閉止によって流量センサ43が通水の停止を検出したときに、制御装置は給湯バーナ1へのガス供給を遮断し、給湯バーナ1の燃焼を停止する。
自動湯張り機能の動作は、給湯風呂装置の制御装置に接続されているリモコン装置の自動スイッチをオンすることにより開始するものであり、前記制御装置は、自動スイッチのオン信号を受けて注湯電磁弁27を開く。また、前記給湯機能の動作と同様に、給湯熱交換器4,6を通る水は給湯バーナ1の燃焼加熱により湯となって、その湯が給湯管47から注湯路26に入り、追い焚き循環路31を通して浴槽30へ落とし込まれる。
浴槽30の水位は水位センサ8によって検出され、この検出水位が予め設定された浴槽30の設定水位に達したときに注湯電磁弁27が閉じられ、湯張り動作が終了する。この湯張りの動作においては、制御装置は予め設定された湯張りの設定温度となるように給湯熱交換器4,6の給湯湯温を制御する。
また、通常は、上記自動湯張り機能の動作に引き続き、保温機能の動作が行なわれる。この保温機能の動作は、所定の時間間隔で、循環ポンプ9を短時間起動し、浴槽30の湯を追い焚き循環路31を通して循環し、風呂温度センサ(図示せず)により浴槽30の湯温(風呂温度)を検出する。
風呂の検出温度が風呂の設定温度よりも許容範囲を外れて低下したときには、循環ポンプ9を駆動して浴槽30の湯水を追い焚き循環路31を通して循環しながら、追い焚きバーナ7の燃焼により追い焚き熱交換器12で加熱し、追い焚きを行う。そして、前記風呂温度センサの検出温度が風呂の設定温度に達したときに循環ポンプ9を停止し、追い焚きバーナ7の燃焼を停止する。
このように保温機能の動作(保温動作)は湯張りが終了してから所定の時間(例えば4時間)にわたって行なわれる。保温機能と供に保水機能の動作を行う風呂給湯装置においては、水位センサ8によって浴槽の水位が監視され、浴槽の水位が設定水位から許容範囲を越えて低下したときには注湯電磁弁27が開けられて給湯熱交換器4,6側から設定水位に達する不足分の湯量が補充され、浴槽水位を設定水位に維持する保水動作が行なわれる。
また、追い焚き機能による浴槽湯水の追い焚き動作は、循環ポンプ9が駆動されて浴槽30の湯水が追い焚き循環路31を通して循環されるもので、この循環水が流水スイッチ11で検知されたときに追い焚きバーナ7が燃焼駆動され、追い焚き熱交換器12を通るときに循環湯水を加熱昇温して浴槽湯水の追い焚きを行う動作である。この追い焚き動作は風呂温度センサにより検出される浴槽湯水の検出温度が風呂設定温度に達したときに追い焚きバーナ7の燃焼停止と循環ポンプ9の停止とが行なわれて終了する。
なお、図10に示すように、ドレンを利用して酸性泉を形成する構成の風呂給湯装置においては、上記追い焚き動作時に、必要に応じてドレン導出弁17を開き、浴槽30に湯が張られた状態で前記循環ポンプ9を駆動させることで、前記の如く、浴槽30に循環される湯にドレンを混ぜて浴槽30内の湯水を酸性泉にすることができる。
しかしながら、ドレンは、排ガス中の窒素酸化物等を含む、いわば廃水であり、このようなドレンを浴槽湯水に入れて利用することを嫌がる利用者もいる。
そこで、例えば図11に示すように、前記ドレンタンク13内に、ドレンを中和するためのドレン中和手段14を設け、中和されたドレンを、ドレンタンク13の下部側に設けられたドレン排水管44を介し、例えば該ドレン排水管44に設けられたドレン排水用のポンプ(図示せず)を作動させて器具ケース40の外(例えば風呂給湯装置の下部側)に導出し、外部へ排出する構成のものも適用されている。
なお、例えばドレン中和手段14として、炭酸カルシウム等を粒状にしたものが用いられ、ドレンは、この炭酸カルシウムと反応することで中性を示す硝酸カルシウムとなる。
しかしながら、ドレンをドレン排水管44から器具ケース40の下部側等に流出させて排出する構成においては、ドレン排水用の専用のポンプが必要になることからコストが高くなるし、流出するドレンを家屋の排水口(例えば浴室の排水口)に導くことが必要となるため、ドレンを家屋の排水口に導くための専用の排水管を敷設する必要があり、家屋に排水管を通す穴を開けることも必要になるため、その分だけさらに費用がかかるといった問題があった。
なお、上記専用の排水管を家屋の排水口に導かずに、器具ケース40の下部側に流出させるとすると、排水管敷設費用は安くできるが、液状の排水が器具ケース40の外部に流出されることになるため、特に、例えばマンション等の集合住宅やオフィスビル等のように、風呂給湯装置がベランダ等に配置される場合、利用者は非常に不快な思いをすることになる。
上記のように、潜熱回収用熱交換器6を備えた風呂給湯装置は、ドレンの排出の問題があるために、せっかく高効率で省エネ化が達成可能な風呂給湯装置であるにもかかわらず、買い換え等の際等に適用することが難しかった。
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、潜熱回収用給湯熱交換器を備えていることにより発生するドレンの装置外部への排出の問題を解決でき、容易に設置可能で高効率の風呂給湯装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をもって課題を解決するための手段としている。すなわち、第1の発明は、給湯バーナと、該給湯バーナの燃焼ガス中の顕熱を吸収するメインの給湯熱交換器と、該メインの給湯熱交換器よりも前記燃焼ガスの流れの下流側に配置されて排気潜熱を回収する潜熱回収用給湯熱交換器とを有し、前記潜熱回収用給湯熱交換器を通る水を潜熱回収の熱で予備加熱し、その予備加熱した水を前記メインの給湯熱交換器の入側に供給し、該メインの給湯熱交換器で加熱した湯を送水して一つ以上の給湯先に給湯する機能を有し、浴槽に接続される追い焚き循環路を有して該追い焚き循環路は追い焚き熱交換器を備えるとともに接続路を介して前記メインの給湯熱交換器の出側に連通されている風呂給湯装置であって、前記潜熱回収用給湯熱交換器で発生するドレンを回収するドレン回収手段と、該ドレン回収手段により回収したドレンを貯留するドレン貯留手段と、該ドレン貯留手段に貯留したドレンを前記追い焚き循環路に導くドレン導出路とを有し、前記ドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められた排水基準量以上のときに浴槽湯水が排水されていることをドレン排出実行条件として定め、このドレン排出実行条件が満たされていないときには前記ドレン導出路を通しての前記追い焚き循環路へのドレン導出を行わずに前記ドレン排出実行条件が満たされたときに前記ドレン導出路を通して前記ドレンを追い焚き循環路側に導き該追い焚き循環路を介して浴槽に排出するドレン排出制御手段と、前記ドレン排出実行条件が満たされないまま前記ドレン貯留手段に貯留し続けて貯留したドレンの量が予め定められたドレン貯留上限量に達したときは前記給湯バーナの燃焼を停止するドレン量対応燃焼停止制御手段を設けた構成をもって課題を解決する手段としている。
なお、本発明において、ドレン排水条件における浴槽湯水が排水されている状態とは、既に浴槽湯水が排水されていて浴槽が空の状態であることと、浴槽湯水を排水中であることの両方を含むものである。
また、第2の発明は、上記第1の発明の構成に加え、前記ドレン量対応燃焼停止制御手段により給湯バーナの燃焼を停止しているときには、ドレンの量がドレン貯留上限値に達したことにより給湯バーナ燃焼が停止していることを表示と音声の少なくとも一方により知らせる燃焼停止理由報知手段が設けられていることを特徴とする。
さらに、第3の発明は、上記第1又は第2の発明の構成に加え、前記ドレン排出制御手段によるドレン排出によってドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められたドレン貯留下限値以下になったときにはドレン量対応燃焼停止制御手段による給湯バーナ燃焼停止を解除する燃焼停止解除手段が設けられていることを特徴とする。
さらに、第4の発明は、給湯バーナと、該給湯バーナの燃焼ガス中の顕熱を吸収するメインの給湯熱交換器と、該メインの給湯熱交換器よりも前記燃焼ガスの流れの下流側に配置されて排気潜熱を回収する潜熱回収用給湯熱交換器とを有し、該潜熱回収用給湯熱交換器の入側には給水通路が接続され、前記潜熱回収用給湯熱交換器の出側には前記メインの給湯熱交換器の入側が接続され、前記潜熱回収用給湯熱交換器を通る水を潜熱回収の熱で予備加熱して前記メインの給湯熱交換器の入側に供給し、該メインの給湯熱交換器で加熱した湯を送水して一つ以上の給湯先に給湯する機能を有し、浴槽に接続される追い焚き循環路を有して該追い焚き循環路は追い焚き熱交換器を備えるとともに接続路を介して前記メインの給湯熱交換器の出側に連通されている風呂給湯装置であって、前記給水通路と前記メインの給湯熱交換器の入側とを連通するバイパス通路と、前記潜熱回収用給湯熱交換器で発生するドレンを回収するドレン回収手段と、該ドレン回収手段により回収したドレンを貯留するドレン貯留手段と、該ドレン貯留手段に貯留したドレンを追い焚き循環路に導くドレン導出路とを有し、前記ドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められた排水基準量以上のときに浴槽湯水が排水されていることをドレン排出実行条件として定め、このドレン排出実行条件が満たされていないときには前記ドレン導出路を通しての前記追い焚き循環路へのドレン導出を行わずに前記ドレン排出実行条件が満たされたときに前記ドレン導出路を通して前記ドレンを追い焚き循環路側に導き該追い焚き循環路を介して浴槽に排出するドレン排出制御手段と、前記ドレン排出実行条件が満たされないまま前記ドレン貯留手段に貯留し続けて貯留したドレンの量が予め定められたドレン貯留上限量に達したときは前記メインの給湯熱交換器に供給する水の経路を前記給水通路から前記潜熱回収用給湯熱交換器を通さずに前記バイパス通路を通して前記メインの給湯熱交換器の入側に供給する経路に切り替えるドレン量対応給水経路切り替え制御手段を設けた構成をもって課題を解決する手段としている。
さらに、第5の発明は、上記第4の発明の構成に加え、前記ドレン量対応給水経路切り替え制御手段は、ドレン排出制御手段によるドレン排出によってドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められたドレン貯留下限値以下になったときには、メインの給湯熱交換器に供給する水の経路を給水通路からバイパス通路を通さずに潜熱回収用給湯熱交換器を通して前記メインの給湯熱交換器の入側に供給する経路に切り替えることを特徴とする。
さらに、第6の発明は、給湯バーナと、該給湯バーナの燃焼ガス中の顕熱を吸収するメインの給湯熱交換器と、該メインの給湯熱交換器よりも前記燃焼ガスの流れの下流側に配置されて排気潜熱を回収する潜熱回収用給湯熱交換器とを有し、該潜熱回収用給湯熱交換器の入側には給水通路が接続され、前記潜熱回収用給湯熱交換器の出側には前記メインの給湯熱交換器の入側が接続され、前記潜熱回収用給湯熱交換器を通る水を潜熱回収の熱で予備加熱して前記メインの給湯熱交換器の入側に供給し、該メインの給湯熱交換器で加熱した湯を送水して一つ以上の給湯先に給湯する機能を有し、浴槽に接続される追い焚き循環路を有して該追い焚き循環路は追い焚き熱交換器を備えるとともに接続路を介して前記メインの給湯熱交換器の出側に連通されている風呂給湯装置であって、前記給水通路と前記メインの給湯熱交換器の入側とを連通するバイパス通路と、前記潜熱回収用給湯熱交換器で発生するドレンを回収するドレン回収手段と、該ドレン回収手段により回収したドレンを貯留するドレン貯留手段と、該ドレン貯留手段に貯留したドレンを追い焚き循環路に導くドレン導出路とを有し、前記ドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められた排水基準量以上のときに浴槽湯水が排水されていることをドレン排出実行条件として定め、このドレン排出実行条件が満たされていないときには前記ドレン導出路を通しての前記追い焚き循環路へのドレン導出を行わずに前記ドレン排出実行条件が満たされたときに前記ドレン導出路を通して前記ドレンを追い焚き循環路側に導き該追い焚き循環路を介して浴槽に排出するドレン排出制御手段と、前記ドレン排出実行条件が満たされないまま前記ドレン貯留手段に貯留し続けて貯留したドレンの量が予め定められたドレン貯留上限量に達したときには、前記潜熱回収用給湯熱交換器を通して前記メインの給湯熱交換器の入側に供給する水の一部を前記バイパス通路に分流し該バイパス通路を通して前記メインの給湯熱交換器の入側に供給する流れを形成することにより前記潜熱回収用給湯熱交換器を通る水の水量を減少させて該潜熱回収用給湯熱交換器にドレンが発生することを抑制するドレン量対応給水分流制御手段を設けたことを特徴とする。
さらに、第7の発明は、上記第6の発明の構成に加え、前記ドレン量対応給水分流制御手段は、ドレン排出制御手段によるドレン排出によってドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められたドレン貯留下限値以下になったときには、バイパス通路を通してメインの給湯熱交換器の入側に供給する流れを停止して給水通路からの水の流れを全て潜熱回収用給湯熱交換器を通して前記メインの給湯熱交換器の入側に供給する流れに戻すことを特徴とする。
さらに、第8の発明は、上記第1乃至第7のいずれか一つの発明の構成に加え、前記浴槽内に湯水があるか否かを判断する浴槽湯水有無判断部と、ドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められたドレン排水基準量に達したときに前記浴槽湯水有無判断部により浴槽内に湯水があると判断されたときには浴槽湯水の排水を促す報知を行う浴槽排水報知手段とが設けられていることを特徴とする。
さらに、第9の発明は、上記第8の発明の構成に加え、前記浴槽内の湯水の水位を検出する水位検出手段を有し、浴槽湯水有無判断部は前記水位検出手段の検出水位に基づいて浴槽内に湯水があるか否かを判断することを特徴とする。
さらに、第10の発明は、上記第1乃至第9のいずれか一つの発明の構成に加え、前記浴槽内の湯水の水位を検出する水位検出手段を有し、ドレン排出制御手段は少なくともドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められた排水基準量以上である間は前記水位検出手段により検出される浴槽水位の取り込みを行い、該浴槽水位の検出値が予め定められたドレン排出開始水位以下のとき又は前記浴槽水位の検出値が小さくなっていって前記ドレン排出開始水位に達したとき又はこの時から予め定められた設定経過時間が経過したときに前記ドレン貯留手段に貯留したドレンの浴槽内への排出を開始することを特徴とする。
さらに、第11の発明は、上記第1乃至第10のいずれか一つの発明の構成に加え、前記追い焚き循環路を通して浴槽内の湯水を循環させる循環ポンプを有し、該循環ポンプの吸込側には前記追い焚き循環路に浴槽からの湯水を導入する戻り管と、ドレン貯留手段から追い焚き循環路にドレンを導くドレン導出路とが切り替え自在に接続され、ドレン排出制御手段はドレン排出実行条件が満たされていないときには前記ドレン導出路と前記循環ポンプの吸込側とを非接続状態とし、前記ドレン排出実行条件が満たされたときに前記ドレン導出路と前記循環ポンプの吸込側とを接続状態として循環ポンプのポンプ駆動によって、前記ドレン導出路を通して前記ドレンを追い焚き循環路側に導くことを特徴とする。
さらに、第12の発明は、上記第11の発明の構成に加え、前記戻り管は追い焚き熱交換器の入側に接続され、該追い焚き熱交換器の出側には該追い焚き熱交換器を通して浴槽に湯水を導く往管が設けられ、前記追い焚き熱交換器を通さずに該往管と前記戻り管とを連通する風呂用バイパス通路が循環ポンプの吐出側に連通する箇所に設けられており、ドレン排出実行動作時に追い焚き循環路側に導かれるドレンを前記追い焚き熱交換器を通さずに前記風呂用バイパス通路を通して前記往管と前記戻り管に導入して浴槽に排出することを特徴とする。
さらに、第13の発明は、上記第1乃至第12のいずれか一つの発明の構成に加え、ドレン貯留手段に貯留するドレンを中和するドレン中和手段が設けられていることを特徴とする。
さらに、第14の発明は、上記第1乃至第13のいずれか一つの発明の構成に加え、前記ドレン排出制御手段によるドレンの排出終了後に、給水源から給水される水を給湯熱交換器を通して加熱してまたは給湯熱交換器を通さずに追い焚き循環路に送水し該追い焚き循環路を介して浴槽に送水することにより前記追い焚き循環路内のドレン通水領域を湯または水で水洗する循環路水洗実行部を有することを特徴とする。
本発明によれば、潜熱回収用給湯熱交換器を有し、該潜熱回収用給湯熱交換器を通る水を潜熱回収の熱で予備加熱し、その予備加熱した水をメインの給湯熱交換器の入側に供給するタイプの風呂給湯装置であるので、高効率の風呂給湯装置とすることができる。
また、本発明は、ドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められた排水基準量以上のときに浴槽湯水が排水されていることをドレン排出実行条件として定め、このドレン排出実行条件が満たされたときに、ドレン排出制御手段が、ドレン導出路を通してドレンを追い焚き循環路側に導き、該追い焚き循環路を介して浴槽に排出するので、ドレンを家屋の排水口に導くための配管を設ける必要がなく、もちろん、ベランダ等に液状の排水をそのまま流出させることにより、利用者に非常に不快な思いを与えることもない。
そのため、例えば風呂給湯装置の買い換えを行う際にも、ドレンを排水するための配管を設ける必要がなく、高効率の風呂給湯装置である本発明の風呂給湯装置を容易に適用することができ、省エネ化を達成できる。
さらに、本発明は、ドレンを追い焚き循環路を介して(追い焚き循環路に通して)浴槽に排出するので、例えば酸性度が強いドレンを中和せずに追い焚き循環路に導いて追い焚き循環路に通せば、追い焚き循環路を酸性度が強いドレンで殺菌等することができ、追い焚き循環路内を衛生上好ましい状態で維持でき、衛生上好ましい快適な状態で、利用者が快適に入浴できるようにすることができる。また、ドレンの中和を行わなければ、中和剤等の中和手段を不要とすることができ、コストの節約もできる。
さらに、本発明において、前記ドレン排出実行条件が満たされないまま、ドレン貯留手段に貯留し続けて貯留したドレンの量が予め定められたドレン貯留上限量に達したときは前記給湯バーナの燃焼を停止するドレン量対応燃焼停止制御手段を設けた構成によれば、給湯バーナ燃焼を停止することにより、それ以降のドレンの発生を抑制できるので、ドレン貯留手段に貯留するドレンの量がドレン貯留上限量を越えてしまい、ドレンがあふれてしまうようなことを防止できる。
また、上記ドレン量対応燃焼停止制御手段を設けた構成によれば、給湯バーナ燃焼停止により、利用者の注意を促すことができるので、利用者が浴槽湯水の排水動作を行えば、ドレン排出実行条件を満たすことができ、ドレン排出制御手段が、ドレン導出路を通してドレンを追い焚き循環路に導き、浴槽に排出できる。
さらに、ドレン量対応燃焼停止制御手段を有する本発明において、ドレン量対応燃焼停止制御手段により給湯バーナの燃焼を停止しているときには、ドレンの量がドレン貯留上限値に達したことにより給湯バーナ燃焼が停止していることを表示と音声の少なくとも一方により知らせる燃焼停止理由報知手段が設けられているものにおいては、利用者に給湯バーナ燃焼が停止している理由を報知できるので、利用者のドレン排出に対する注意をより一層確実に促すことができる。
そのため、燃焼停止理由報知手段の報知に基づき、利用者が浴槽湯水の排水動作を行えば、ドレン排出実行条件を満たすようにすることができ、ドレン排出制御手段がドレン導出路を通してドレンを追い焚き循環路に導き、浴槽に排出できる。
さらに、上記ドレン量対応燃焼停止制御手段を有する本発明において、ドレン排出制御手段によるドレン排出によってドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められたドレン貯留下限値以下になったときにはドレン量対応燃焼停止制御手段による給湯バーナ燃焼停止を解除する燃焼停止解除手段が設けられている構成によれば、上記のようにして、利用者が浴槽湯水の排水動作を行い、それに伴い、ドレン排出制御手段によるドレン排出が行われて、ドレン貯留手段に貯留したドレンの量がドレン貯留下限値以下になったときには、ドレン量対応燃焼停止制御手段による給湯バーナ燃焼停止を解除するので、必要に応じた給湯バーナ燃焼を再開でき、使い勝手のよい風呂給湯装置を実現できる。
さらに、本発明において、給水通路とメインの給湯熱交換器の入側とを連通するバイパス通路を有し、前記ドレン排出実行条件が満たされないまま前記ドレン貯留手段に貯留し続けて貯留したドレンの量が予め定められたドレン貯留上限量に達したときは、前記給水通路から前記メインの給湯熱交換器に供給する水の経路を、前記潜熱回収用給湯熱交換器を通さずに前記バイパス通路を通して前記メインの給湯熱交換器の入側に供給する経路に切り替えるドレン量対応給水経路切り替え制御手段を設けた構成によれば、ドレン量対応給水経路切り替え制御手段によってメインの給湯熱交換器への給水経路を切り替えた以降のドレンの発生を防止できるので、ドレン貯留手段に貯留するドレンの量がドレン貯留上限量を越えてしまい、ドレンがあふれてしまうようなことを防止できる。
また、この構成の本発明においては、ドレン貯留手段に貯留するドレンの量がドレン貯留上限量に達した後も、給湯バーナ燃焼を継続することができる。なお、この場合、潜熱回収用給湯熱交換器側に水を通さずにメインの給湯熱交換器のみでの給湯運転となるため、熱効率は少し低下することになるが、給湯バーナ燃焼を継続利用できることから、ドレンの排水に関する従来の課題を解決でき、かつ、利用者にとって使い勝手のよい風呂給湯装置を実現できる。
さらに、ドレン量対応給水経路切り替え制御手段を有する構成において、ドレン排出制御手段によるドレン排出によってドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められたドレン貯留下限値以下になったときには給水通路からメインの給湯熱交換器に供給する水の経路を、バイパス通路を通さずに潜熱回収用給湯熱交換器を通して前記メインの給湯熱交換器の入側に供給する経路に切り替える構成によれば、ドレン排出制御手段によるドレン排出により、ドレンの量がドレン貯留下限値以下になったときには潜熱回収用給湯熱交換器を用いた給湯運転を再開できるので、より熱効率の高い給湯運転を行うことができる。
さらに、本発明において、給水通路とメインの給湯熱交換器の入側とを連通するバイパス通路を有し、前記ドレン排出実行条件が満たされないまま前記ドレン貯留手段に貯留し続けて貯留したドレンの量が予め定められたドレン貯留上限量に達したときには、前記潜熱回収用給湯熱交換器を通して前記メインの給湯熱交換器の入側に供給する水の一部を前記バイパス通路に分流し該バイパス通路を通して前記メインの給湯熱交換器の入側に供給する流れを形成することにより前記潜熱回収用給湯熱交換器を通る水の水量を減少させて該潜熱回収用給湯熱交換器にドレンが発生することを抑制するドレン量対応給水分流制御手段を設けた構成によれば、ドレン量対応給湯分流制御手段によって給湯経路を切り替えることにより、それ以降のドレンの発生を抑制(防止またはドレン発生量を小さく)できるので、ドレン貯留手段に貯留するドレンの量がドレン貯留上限量を越えてしまい、ドレンがあふれてしまうようなことを防止できる。
また、この構成の本発明においては、ドレン貯留手段に貯留するドレンの量がドレン貯留上限量に達した後も、給湯バーナ燃焼を継続することができるし、潜熱回収用給湯熱交換器側にも、ドレンの発生を抑制できる程度の水を流すことにより、潜熱回収用給湯熱交換器内に滞留した水の沸騰を抑制できる。
さらに、ドレン量対応給水分流制御手段を有する構成において、ドレン排出制御手段によるドレン排出によってドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められたドレン貯留下限値以下になったときには、バイパス通路を通してメインの給湯熱交換器の入側に供給する流れを停止して給水通路からの水の流れを全て潜熱回収用給湯熱交換器を通して前記メインの給湯熱交換器の入側に供給する流れに戻すものにおいては、ドレンの量がドレン貯留下限値以下になったときには、メインの給湯熱交換器への給水の流れを元に戻して潜熱回収用給湯熱交換器を用いた給湯運転を行うので、より熱効率の高い給湯運転を行うことができる。
さらに、本発明において、浴槽内に湯水があるか否かを判断する浴槽湯水有無判断部と、ドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められたドレン排水基準量に達したときに前記浴槽湯水有無判断部により浴槽内に湯水があると判断されたときには浴槽湯水の排水を促す報知を行う浴槽排水報知手段とが設けられている構成によれば、ドレンの量がドレン排水基準量に達したときに、浴槽排水報知手段によって、利用者に、確実に浴槽湯水の排水を促すことができる。
さらに、浴槽湯水有無判断部を有する本発明において、浴槽内の湯水の水位を検出する水位検出手段を有し、浴槽湯水有無判断部は前記水位検出手段の検出水位に基づいて浴槽内に湯水があるか否かを判断する構成によれば、例えば浴槽への湯張り等にも適用できる水位検出手段の検出水位に基づいて浴槽湯水の有無を判断することができるので、その分だけ装置構成を簡略化できる。
さらに、浴槽内の湯水の水位を検出する水位検出手段を有し、ドレン排出制御手段は少なくともドレン貯留手段に貯留したドレンの量が予め定められた排水基準量以上である間は前記水位検出手段により検出される浴槽水位の取り込みを行い、該浴槽水位の検出値が予め定められたドレン排出開始水位以下のとき又は前記浴槽水位の検出値が小さくなっていって予め定められたドレン排出開始水位に達したとき又はこの時から予め定められた設定経過時間が経過したときに前記ドレン貯留手段に貯留したドレンの浴槽内への排水を開始する構成によれば、水位検出手段の検出水位に基づいてドレン排水開始タイミングを計ることができるので、その分だけ装置構成を簡略化できるし、さらに、以下の効果も発揮できる。
つまり、ドレンの量が排水基準量以上であるときに、ドレン排出制御手段は浴槽水位の検出値に基づいて排水動作を実行することができるので、例えばドレン排出開始水位を浴槽湯水が無い状態における水位(一般には、追い焚き循環路の浴槽への接続部)と決定すれば、浴槽水位の検出値がドレン排出開始水位以下のときにドレンの浴槽側への排出を開始することにより、浴槽が空の状態の時にドレンを排水することができる。
また、ドレン排出開始水位を例えば追い焚き循環路の浴槽への接続部と決定し、浴槽水位の検出値が小さくなっていって前記ドレン排出開始水位に達したときに、ドレンの浴槽内への排出を開始することにより、浴槽湯水の排水中に、一部の浴槽湯水と共にドレンを排水することができる。この場合、排水される浴槽湯水によってドレンを希釈しながら排水することになるため、例えば浴槽が人工大理石等、酸に弱い材質の物により形成されていて、かつ、中和しない状態の酸性が強いドレンを中和せずに状態で浴槽内に排水したとしても、浴槽湯水による希釈によってドレンの酸性度が弱められるので、浴槽底面にわずかに残るドレンによって浴槽が腐食するといったおそれもなく、より安心性を高めることができる。
なお、浴槽水位の検出値が小さくなっていって前記ドレン排出開始水位に達したときから設定経過時間が経過したときに、ドレンの浴槽内への排出を開始する構成とすれば、設定経過時間を、浴槽湯水が全て排水されてしまう時間より短めに設定することにより、浴槽湯水の排水中に、一部の浴槽湯水と共にドレンを排水することができるし、設定経過時間を、浴槽湯水が全て排水されてしまう時間以上に長めに設定することにより、浴槽湯水が全て排水されて浴槽が空の状態となってからドレンを排水することができる。
さらに、本発明において、追い焚き循環路を通して浴槽内の湯水を循環させる循環ポンプの吸込側に、追い焚き循環路に浴槽からの湯水を導入する戻り管とドレン導出路とが切り替え自在に接続され、ドレン排出制御手段はドレン排出実行条件が満たされていないときには前記ドレン導出路と前記循環ポンプの吸込側とを非接続状態とし、前記ドレン排出実行条件が満たされたときに前記ドレン導出路と前記循環ポンプの吸込側とを接続状態として循環ポンプのポンプ駆動によって、前記ドレン導出路を通して前記ドレンを追い焚き循環路側に導く構成によれば、ドレン導出路と循環ポンプの吸込側との接続切り替えと循環ポンプの駆動とによって、ドレンを的確に、追い焚き循環路を介して浴槽に排出することができる。
さらに、本発明において、戻り管は追い焚き熱交換器の入側に接続され、該追い焚き熱交換器の出側には該追い焚き熱交換器を通して浴槽に湯水を導く往管が設けられ、前記追い焚き熱交換器を通さずに該往管と前記戻り管とを連通する風呂用バイパス通路が循環ポンプの吐出側に連通する箇所に設けられており、ドレン排出実行動作時に追い焚き循環路側に導かれるドレンを前記追い焚き熱交換器を通さずに前記風呂用バイパス通路を通して前記往管と前記戻り管に導入して浴槽に排出する構成によれば、酸性度が高いドレンを中和せずに排出する場合でも、追い焚き熱交換器を通さずにドレンを排出することによって、一般に銅を含む金属により形成された追い焚き熱交換器の腐食等を防げる。
さらに、本発明において、ドレン貯留手段に貯留するドレンを中和するドレン中和手段が設けられている構成によれば、ドレンを中和してから、追い焚き循環路を介して浴槽内に排出するので、一般に銅を含む金属により形成された追い焚き熱交換器の腐食等を防げるし、例えば浴槽が人工大理石等、酸に弱い材質の物により形成されていたとしても、浴槽底面にわずかに残るドレンによって浴槽が腐食するといったことを防げる。
さらに、本発明において、ドレン排出制御手段によるドレンの排出終了後に、給水源から給水される水を給湯熱交換器を通して加熱してまたは給湯熱交換器を通さずに追い焚き循環路に送水し該追い焚き循環路を介して浴槽に送水することにより前記追い焚き循環路内のドレン通水領域を湯または水で水洗する循環路水洗実行部を有する構成によれば、追い焚き循環路内のドレン通水領域を水洗することにより、追い焚き循環路内や浴槽底面にドレンが残存することを防ぐことができる。
したがって、たとえ酸性度が高いドレンを中和せずに追い焚き循環路を介して浴槽に排出したとしても、残存するドレンを洗い流すことができる。特に、給水源から給水される水を給湯熱交換器を通して湯とし、追い焚き循環路を介して浴槽に送水すれば、ドレンの洗浄効果はより一層良好となる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略又は簡略化する。
図2には、本発明に係る風呂給湯装置の一実施形態例の構成が模式的に示されている。本実施形態例の風呂給湯装置は、図10に示した従来例と同様に、台所等への給湯や浴槽への湯張り(湯張りのための給湯)と、浴槽内の湯水の追い焚き機能とを備えた風呂給湯装置である。
また、ドレンタンク13により貯留したドレンを追い焚き循環路31側に導くドレン導出路16を設け、該ドレン導出路16を介して導かれるドレンを、追い焚き循環路31を介して浴槽30に排出するドレン排出制御構成を設けている。
なお、本実施形態例では、潜熱回収用給湯熱交換器6は、図11に示した風呂給湯装置と同様に、フィンを有していない構成としており、また、ドレンタンク13に貯留するドレンを中和するドレン中和手段14をドレンタンク13の上側に設けており、このドレン中和手段14によって中和したドレンをドレンタンク13に貯留する構成と成している。
本実施形態例の第1の特徴は、ドレンタンク13に貯留したドレンの量が予め定められた排水基準量以上のときに浴槽湯水が排水されていることをドレン排出実行条件として定め、このドレン排出実行条件が満たされたときに前記ドレン導出路16を通して、ドレンを追い焚き循環路31側に導き該追い焚き循環路31を介して浴槽30に排出するようにしたことである。
つまり、本実施形態例の風呂給湯装置は、浴槽湯水が排水されている時、すなわち、浴槽湯水が既に排水されていて、浴槽30内が空の状態の時、または、浴槽湯水が排水されている状態(排水中)のときに、追い焚き循環路31を介して浴槽30に適宜排出することによって、ドレンを浴槽30内に入れて利用することを嫌がる利用者でも快く風呂給湯装置を利用することができ、かつ、ドレンを例えば専用のポンプと管路によってベランダ等に流出し、専用配管を用いてドレンを排水する場合に生じるドレンの排水管等の敷設費用の問題や、ベランダ等に液状のドレンをそのまま流出させた場合の利用者に与える不快感の問題も防ぐことができる、利用しやすく、かつ、高効率の風呂給湯装置である。
また、本実施形態例の風呂給湯装置の第2の特徴は、上記ドレン排出実行条件が満たされない状態が継続することにより、ドレンタンク13内のドレンがあふれてしまうといった問題が生じないように、特徴的なドレン量対応燃焼制御構成も備えていることである。
以下、上記ドレン排水制御構成とドレン量対応燃焼制御構成について詳細に説明する。これらの構成は、図1に示すブロック構成を有し、風呂給湯装置の制御装置23内に設けられた、時計機構33、浴槽排水報知手段34、浴槽湯水有無判断部35、燃焼停止理由報知手段36、ドレン量対応燃焼停止制御手段37、燃焼停止解除手段32、ドレン液量検出手段2、ドレン排出制御手段38、循環路水洗実行部39、燃焼制御部41を有している。また、制御装置23は、水位センサ8、流水検出センサ11、循環ポンプ9、ドレン導出弁17、三方弁(三方電磁弁)21、注湯電磁弁27、電磁比例弁53、リモコンの表示部77に接続されている。
ドレン液量検出手段2は、ドレンタンク13内のドレン量を検出するものであり、本実施形態例では、ドレンタンク13の上部側に設けられたドレン液量検出電極2a,2b,2c(図2参照)を有している。
ドレンタンク13の容量は、例えば3.5リットルであり、ドレンタンク13内に貯留されたドレン量が、予め定められたドレン貯留下限値(例えばドレンタンク13の容量の5%)を越えるとドレン液量検出電極2aがドレンを検知し、予め定められたドレン排水基準量(例えばドレンタンク13の容量の50%)に達するとドレン液量検出電極2bがドレンを検知し、予め定められたドレン貯留上限値(例えばドレンタンク13の容量の90%)に達するとドレン液量検出電極2cがドレンを検知するように構成されている。
なお、1日に、例えば60MJ(インプット、14.3Gcal)を給湯で使用すると、(60MJ÷4.2÷25)×0.95(熱効率)≒543(リットル・25deg
up)となり、給水温度が15℃の水を40℃に加温して543リットルのお湯を使えることになる。そして、このとき、例えば湿度が100%であれば、ドレンは1.4リットル発生することになる。したがって、3.5リットルの容量をもつドレンタンク13内には、上記条件において、2日分のドレンを貯留できる。また、湿度が低ければドレンの発生量は小さく、例えば、湿度100%のときの半分程度のこともあるので、湿度が低ければ、さらに、ドレンを貯留できる時間は多くなる。
ドレン液量検出手段2は、上記各ドレン検出電極2a,2b,2cによってドレンタンク13内のドレン水の量を検出し、例えば、検出した値が予め定められたドレン排水基準量に達したとき(ドレン検出電極2aによるドレン検出に加えて、ドレン検出電極2bによるドレン検出が行われたとき)には、この検出信号を浴槽排水報知手段34とドレン排出制御手段38に加える。
また、ドレン液量検出手段2は、検出した値が上記ドレン排水基準量を越え、さらに、予め定められたドレン貯留上限値以上に達したとき(ドレン検出電極2a,2bによるドレン検出に加えて、ドレン検出電極2cによるドレン検出が行われたとき)には、この検出信号をドレン量対応燃焼停止制御手段37に加える。
また、ドレン液量検出手段2は、検出した値が予め定められたドレン貯留下限値以下に達したとき(ドレン検出電極2aによるドレン検出が行われないようになったとき、つまり、ドレン検出電極2a,2b,2cによるドレン検出がいずれも行われないようになったとき)には、この検出信号を燃焼停止解除手段32とドレン排出制御手段38に加える。
浴槽湯水有無判断部35は、浴槽30内が空か否かを判断するものである。浴槽湯水有無判断部35は、図示されていないメモリ部を有しており、このメモリ部に、予め定められた湯水有無判断基準水位の値が湯水有無判断設定基準水位として与えられ、格納されている。この値は特に限定されるものではないが、本実施形態例では、水位センサ8により検出できる水位の最低値である、追い焚き循環路31の浴槽30への接続部(循環金具の配設部)の上端の水位としている。
浴槽湯水有無判断部35は、水位センサ8により検出される浴槽水位を、例えば時々刻々または、定期的に、あるいは指令を受けたときに取り込み、この水位が前記湯水有無判断設定基準水位以下であったときに、浴槽30内が空の状態であると判断してもよいし、前記循環ポンプ9を作動させてみて前記流水検出センサ11が通水の非検出信号を出力していることが確認されたときに浴槽内が空の状態であると判断してもよい。
いずれの場合も、浴槽湯水有無の判断を的確に行え、かつ、既存のセンサを用いて浴槽湯水有無の判断を行うので、装置構成を簡略化できる。浴槽湯水有無判断部35は、浴槽湯水有無の判断結果を浴槽排水報知手段34に加える。
浴槽排水報知手段34は、ドレンタンク13内に貯留したドレンの量が予め定められたドレン排水基準量に達した時に、前記浴槽湯水有無判断部35により浴槽30内に湯水があると判断されたときには浴槽湯水の排水を促す報知を行う。
つまり、浴槽排水報知手段34は、ドレン液量検出手段2から、ドレンタンク13内のドレンが前記ドレン排水基準量に達したことを検出した検出信号が加えられたときに、浴槽湯水有無判断部35による判断信号を取り込み、浴槽湯水有無判断部35が、浴槽30内に湯水があると判断した場合には、浴槽湯水の排水を促す報知を行う。なお、この報知の仕方は、表示、音声、振動等、様々な方法を適用できるものであり、適宜設定されるものであり、ここでは、表示部77に表示して報知する例が示されている。
ドレン排出制御手段38は、ドレンタンク13内に貯留したドレンを排出するドレン排出制御を行うものであり、上記ドレン排出実行条件が満たされていないときには前記ドレン導出路16を通しての追い焚き循環路31へのドレン導出を行わずに、前記ドレン排出実行条件が満たされたときに、ドレン導出路16を通して、ドレンを追い焚き循環路31側に導き、該追い焚き循環路31を介して浴槽30に排出する。
ドレン排出制御手段38は、少なくともドレンタンク13に貯留したドレンの量が前記排水基準量以上である間は、水位センサ8により検出される浴槽水位の取り込みを行い、該浴槽水位の検出値が予め定められたドレン排出開始水位以下のとき、または、前記浴槽水位の検出値が小さくなっていって予め定められたドレン排出開始水位に達したとき、あるいは、この時から予め定められた時間が経過したときに、ドレンタンク13内に貯留したドレンの浴槽30内への排出を開始する。
このドレン排出開始タイミングは、例えばドレン排出開始タイミング設定手段を設ける等して適宜設定することができるものであり、必要に応じて可変できる構成としてもよいし、いずれかのタイミングを固定的に設定してもよい。
例えば、1つの態様例として、上記ドレン排出開始水位を、浴槽湯水が無い状態における水位(つまり、前記湯水有無判断設定基準水位)と決定し、ドレン排出開始タイミングを、浴槽水位の検出値がドレン排出開始水位以下のとき、または、浴槽水位の検出値が小さくなっていって前記ドレン排出開始水位に達したときから予め定められた設定経過時間が経過したときとする。
本実施形態例では、この形態例を適用しており、ドレン排出制御手段38は、ドレンタンク13内のドレン量がドレン排出基準値以上となったときに(ドレン液量検出手段2からドレンタンク13内のドレンが前記ドレン排水基準量に達したことを検出した検出信号が加えられたときに)、浴槽30内が空の状態と判断されるとき、つまり、浴槽水位がドレン排出開始水位(前記湯水有無判断設定基準水位)以下であれば、ドレンを、ドレン導出路16と追い焚き循環路31とを通して浴槽30内に排出する。
一方、ドレンタンク13内のドレン量がドレン排出基準値以上となったときに、浴槽30内に湯水が張られていたときには、水位センサ8による浴槽30の検出水位が例えば図3のP2となり、前記ドレン排出開始水位(ここでは図3の水位P1)を越えることになるので、ドレンの排出は行わないが、前記浴槽排水報知手段34の報知に基づき、利用者が浴槽30の排水を行った場合には、浴槽30内の湯水が徐々に排水されていき、それに伴い、浴槽水位が小さくなり、水位センサ8による浴槽30の検出水位も小さくなっていく。そして、浴槽水位が前記ドレン排出開始水位になり、その後、このドレン排出開始水位の湯水が排水されて浴槽30内が空になる。
そこで、ドレン排出開始水位の湯水が排水されて浴槽30内が空になるまでの時間(例えば図3のT1)、または、この時間より少し多めの時間を設定経過時間として設定し、この設定経過時間がたったときに(時計機構33により測定される時間が設定経過時間となったときに)、ドレン排出制御手段38は、ドレン導出路16と追い焚き循環路31を通してのドレンの排出を開始する。そうすると、浴槽30内が空になってからドレンの排出が行われることになる。
なお、浴槽水位が小さくなっていき、ドレン排出開始水位になったときにドレンの排出を開始する、または、前記設定経過時間をドレン排出開始水位の湯水が排水されて浴槽30内が空になる間での時間よりも短めに設定して、この設定経過時間が経過したときにドレン排出を開始すると、ドレンは、追い焚き循環路31の接続部の取り付け位置の下部側に残っていた浴槽湯水と共に、浴槽湯水に希釈されて排水される。
このように、ドレンを浴槽湯水により希釈して排水するようにすると、例えば浴槽が人工大理石等、酸に弱い材質の物により形成されているような場合に、たとえ中和しない状態の酸性が強いドレンを中和せずに状態で浴槽30内に排水したとしても、浴槽湯水による希釈によってドレンの酸性度が弱められるので、浴槽底面にわずかに残るドレンによって浴槽30が腐食するといったおそれもなく、より安心性を高めることができる。
本実施形態例は、ドレン排出制御手段38の制御によって、ドレンを追い焚き循環路31を介して浴槽30へ排出するために、以下の構成を有している。つまり、図2に示すように、前記循環ポンプ9の吸込側24には、追い焚き循環路31に浴槽30からの湯水を導入する戻り管28と、前記ドレンタンク13から追い焚き循環路31にドレンを導く前記ドレン導出路16とが、三方弁21の切り替えにより切り替え自在に接続されている。
そして、ドレン排出制御手段38は、ドレン排出実行を行わない時には、電磁弁により形成されたドレン導出弁17を閉状態とし、さらに、三方弁21を操作することにより、ドレン導出路16と循環ポンプ9の吸込側24とを非接続状態とする。このようにすると、循環ポンプ9の駆動によって、従来例における追い焚き動作と同様に、追い焚き動作が可能となる。
また、ドレン排出制御手段38は、前記ドレン排出時には、ドレン導出弁17を開き、さらに、三方弁21を操作することにより、ドレン導出路16と循環ポンプ9の吸込側24とを接続状態とし、この状態で、循環ポンプ9のポンプ駆動によって、前記ドレン導出路16を通して前記ドレンを追い焚き循環路31側に導き、このドレンを、浴槽30に排出する。
本実施形態例は、このようにして、ドレン導出路16と循環ポンプ9の吸込側との接続切り替えと循環ポンプ9の駆動とによって、ドレンを的確に、追い焚き循環路を介して浴槽30に排出でき、的確なドレン排水を実行できる。
ドレン排出制御手段38は、ドレン排出実行によって前記ドレン検出液量が前記ドレン貯留下限値以下になったとき、または、このときから予め設定された時間が経過したときにドレン排出を停止する。なお、ドレンタンク13内のドレンが全て排出される前に循環ポンプ9を停止させ、水封が維持されるように(循環ポンプ9内に空気が混入しないように)する。
循環路水洗実行部39は、ドレン排出制御手段38によるドレンの排出終了後に、給水源から給水される水を給湯熱交換器4,6を通して湯とし、または給湯熱交換器4,6を通さずに水のまま、追い焚き循環路12を介して浴槽30に送水することにより、追い焚き循環路内31のドレン通水領域を水洗する。
つまり、循環路水洗実行部39は、ドレン排出制御手段38によるドレンの排出終了後に、注湯電磁弁27を開いて、給水通路46からの水を、注湯路26から追い焚き循環路31側に導き、循環ポンプ9を介し、戻り管28と往管29から浴槽30に送水する。
循環路水洗実行部39により浴槽30に送水する水は、電磁比例弁53を調整し、給水源から給水される水をそのまま(給水バイパス路52を介して)送水してもよいが、本実施形態例では、循環路水洗実行部39が燃焼制御部41に指令を与え、給水源から給水される水を給湯熱交換器4,6によって加熱して湯として同様に注湯路26から追い焚き循環路31を介して浴槽30に送水する。このように、湯を追い焚き循環路31を介して浴槽30に送水すれば、ドレンの洗浄効果はより一層良好となる。
また、循環路水洗実行部39により浴槽30に送水する水は、例えば予めその量を設定しておいて設定水洗流量とし、流量センサ43の検出流量に基づいて、この設定水洗流量の水を送水してもよいし、送水時間を予め設定しておいて、その送水時間(例えば30秒)だけ送水を行うようにしてもよい。
本実施形態例の風呂給湯装置は、上記のように、ドレン排出制御手段38を設けてドレンを追い焚き循環路31を介して適宜排出し、かつ、ドレン排出後の水洗も行うようにしているが、例えば、ドレンタンク13内のドレン量がドレン排出基準値に達し、浴槽排水報知手段34によって、利用者に浴槽湯水の排水を促しても利用者が浴槽湯水の排水を行わず、ドレンタンク13内のドレン量がさらに増え続けたときのために、図1に示したように、ドレン量対応燃焼停止制御手段37を設けている。
ドレン量対応燃焼停止制御手段37は、前記ドレン排出実行条件が満たされないまま、ドレンタンク13内に貯留し続けて貯留したドレンの量が前記ドレン貯留上限量に達したとき(ドレンの量が前記ドレン貯留上限量に達したことを検知した検出信号がドレン液量検出手段2から加えられたとき)は、燃焼制御部41に指令を加えて、給湯バーナ1の燃焼を停止する。
燃焼停止理由報知手段36は、ドレン量対応燃焼停止制御手段37の指令により、燃焼制御部41が給湯バーナ1の燃焼を停止しているときには、ドレンの量がドレン貯留上限値に達したことにより給湯バーナ燃焼が停止していることを表示と音声の少なくとも一方により知らせる。
燃焼停止解除手段32は、ドレン排出制御手段38によるドレン排出によってドレンタンク13内に貯留したドレンの量が前記ドレン貯留下限値以下になったときには、ドレン量対応燃焼停止制御手段による給湯バーナ燃焼停止を解除する。
本実施形態例は以上のように構成されており、本実施形態例も従来例と同様に、給湯、自動湯張り、保温、追い焚き等の動作を行い、また、潜熱回収用熱交換器6で発生するドレンは中和されてドレンタンク13に貯留されていくが、このドレンタンク13内のドレン量が排水基準量に達したときに、浴槽湯水有無判断部35により浴槽30に湯水があると判断されたときには、浴槽排水報知手段34が浴槽湯水の排水を促す。
そして、この報知に基づき、浴槽湯水の排水が行われたとき、あるいは、前記ドレンタンク13内のドレン量が排水基準量に達したときに、浴槽湯水が既に排水されている状態のときには、ドレン排出制御手段38はドレン排出実行条件が満たされたと判断し、ドレン導出弁17を開き、三方弁21を操作して、ドレンタンク13内のドレンを、追い焚き循環路31を通して浴槽30内に排出する。
また、ドレンタンク13内のドレン量が排水基準量に達したときに、浴槽30内に湯水が張られており、浴槽排水報知手段34が浴槽湯水の排水を促したにもかかわらず、浴槽湯水の排水が行われない状態が継続し、ドレン排出実行条件が満たされない状態が継続して、ドレンタンク13内のドレン量がドレン貯留上限量に達したときには、ドレン量対応燃焼停止制御手段37が燃焼制御部41に給湯バーナ1の燃焼を停止する指令を加え、燃焼制御部41が給湯バーナ1の燃焼を停止する。
なお、このとき、燃焼停止理由報知手段36は、ドレンの量がドレン貯留上限値に達したことにより給湯バーナ燃焼が停止していることを利用者に報知する。そして、例えば、給湯バーナ1の燃焼停止と、この燃焼停止理由の報知とによって、利用者が浴槽湯水の排水を行い、ドレン排出実行条件が満たされると、ドレン排出制御手段38は、ドレンタンク13内のドレンを前記の如く追い焚き循環路31を通して浴槽30内に排出し、この排出によって、ドレンタンク13内に貯留したドレンの量が前記ドレン貯留下限値以下になったときには、燃焼停止解除手段32がドレン量対応燃焼停止制御手段による給湯バーナ燃焼停止を解除する。
本実施形態例によれば、上記のように、ドレンタンク13に貯留したドレンの量が予め定められた排水基準量以上のときに浴槽湯水が排水されていることをドレン排出実行条件として定め、このドレン排出実行条件が満たされたときに、ドレン排出制御手段38が、ドレン導出路16を通してドレンを追い焚き循環路31側に導き、該追い焚き循環路31を介して浴槽30に排出するので、浴槽湯水にドレンを混合して用いることを嫌がる利用者にとって快適に利用できる。
また、本実施形態例は、潜熱回収用給湯熱交換器6を備えた高効率の風呂給湯装置であり、かつ、上記のように、ドレンの排水は、ドレン導出路16を通してドレンを追い焚き循環路側31に導き、ドレンを追い焚き循環路31を介して浴槽30に排出して行うので、ドレンを家屋の排水口に導くための配管を設ける必要が無く、ドレン排水用の配管設置のための特別な工事は不要である。
したがって、例えば風呂給湯装置の買い換えを行う際にも簡単に、安価で適用することができるし、ベランダ等に液状のドレンをそのまま流出させることにより、利用者に非常に不快な思いを与えることもない。
さらに、本実施形態例によれば、浴槽30内に湯水があるか否かを判断する浴槽湯水有無判断部35を有し、ドレンタンク13に貯留したドレンの量が前記ドレン排水基準量に達したときに、浴槽湯水有無判断部35により浴槽内に湯水があると判断されたときには、浴槽排水報知手段34が浴槽湯水の排水を促す報知を行うので、ドレンの量がドレン排水基準量に達したときに、利用者に、確実に浴槽湯水の排水を促すことができる。
さらに、本実施形態例によれば、前記ドレン排出実行条件が満たされないまま、ドレンタンク13に貯留し続けて、貯留したドレンの量が、前記ドレン貯留上限量に達したときは、給湯バーナ1の燃焼を停止するドレン量対応燃焼停止制御手段37を設けているので、給湯バーナ1の燃焼を停止することにより、それ以降のドレンの発生を抑制できる。したがって、ドレンタンク13に貯留するドレンの量がドレン貯留上限量を越えてしまい、ドレンがあふれてしまうようなことを防止できる。
そして、給湯バーナ1の燃焼停止により、利用者の注意を促すことができ、さらには、ドレン量対応燃焼停止制御手段37により給湯バーナ1の燃焼を停止しているときには、ドレンの量がドレン貯留上限値に達したことにより給湯バーナ1の燃焼が停止していることを燃焼停止理由報知手段36により知らせるので、利用者に給湯バーナ燃焼が停止している理由を報知できると共に、利用者のドレン排出に対する注意をより一層確実に促すことができる。
そのため、燃焼停止理由報知手段36の報知に基づき、利用者が浴槽湯水の排水動作を行い、ドレン排出実行条件を満たすようにすれば、ドレン排出制御手段38がドレン導出路16を通してドレンを追い焚き循環路31に導き、浴槽30に排出できる。
さらに、本実施形態例によれば、ドレン排出制御手段38によるドレン排出によって、ドレンタンク13に貯留したドレンの量が前記ドレン貯留下限値以下になったときには、燃焼停止解除手段32が、ドレン量対応燃焼停止制御手段37による給湯バーナ1の燃焼停止を解除するので、利用者が浴槽湯水の排水動作を行い、それに伴い、ドレン排出制御手段38によるドレン排出が行われて、ドレンタンク13に貯留したドレンの量がドレン貯留下限値以下になったときにはドレン量対応燃焼停止制御手段による給湯バーナ燃焼停止を解除するので、必要に応じた給湯バーナ1の燃焼を再開でき、使い勝手のよい風呂給湯装置を実現できる。
さらに、本実施形態例によれば、ドレンタンク13に貯留するドレンを中和するドレン中和手段14が設けられているので、ドレンを中和してから、追い焚き循環路31を介して浴槽30内に排出するので、一般に銅を含む金属により形成された追い焚き熱交換器31の腐食等を防げるし、例えば浴槽が人工大理石等、酸に弱い材質の物により形成されていても、浴槽底面にわずかに残るドレンによって浴槽が腐食するといったことも防げる。
さらに、本実施形態例によれば、ドレン排出制御手段38によるドレンの排出終了後に、循環路水洗実行部39が、給水源から給水される水を給湯熱交換器4,6を通して加熱して追い焚き循環路31に送水し、該追い焚き循環路31を介して浴槽30に送水することにより、追い焚き循環路31内のドレン通水領域を湯で(場合によっては水で)水洗するので、追い焚き循環路31内のドレン通水領域を水洗することにより、追い焚き循環路31内や浴槽底面にドレンが残存することを防ぐことができる。
したがって、たとえ本実施形態例に設けたドレン中和手段14を設けず、酸性度が高いドレンを中和せずに追い焚き循環路31を介して浴槽30に排出したとしても、残存するドレンを洗い流すことができる。特に、給水源から給水される水を給湯熱交換器4,6を通して湯とし、追い焚き循環路31を介して浴槽30に送水することにより、ドレンの洗浄効果はより一層良好となる。
次に、本発明に係る風呂給湯装置の第2実施形態例について説明する。第2実施形態例は上記第1実施形態例とほぼ同様に構成されており、その重複説明は省略する。
第2実施形態例は、図4に示すシステム構成を有し、第1実施形態例に設けたドレン中和手段14を省略している。また、第2実施形態例では、追い焚き循環路31の戻り管28と前記往管29とを、追い焚き熱交換器12を通さずに連通する風呂用バイパス通路22を、循環ポンプ9の吐出側25に連通する箇所に設けており、追い焚き循環路31に導かれたドレンを、追い焚き熱交換器12を通さずに風呂用バイパス通路22と戻り管28と往管29を通して浴槽30に排出する構成としている。
第2実施形態例において、風呂用バイパス通路22にはバイパス電磁弁18を介設し、流水検出センサ11と追い焚き熱交換器12との間の管路には電磁弁19を設けており、図1の実線と破線とで示す制御構成を有している。
ドレン排出制御手段38は、ドレン排出を行わない時には、ドレン導出弁17を閉状態としてドレン導出路16と循環ポンプ9の吸込側24とを非接続状態とする。また、このとき、電磁弁18は閉状態とし、電磁弁19は開状態とし、三方弁21を調整して戻り管28とバイパス通路22とを非接続状態とする。このようにすると、循環ポンプ9の駆動によって、従来例における追い焚き動作と同様に、追い焚き動作が可能となる。
また、ドレン排出制御手段38は、ドレン排出実行動作時には、ドレン導出弁17を開き、ドレン導出路16と循環ポンプ9の吸込側24とを接続状態とし、電磁弁19を閉じ、バイパス電磁弁18を開状態とし、三方弁21を調整して戻り管28とバイパス通路22とを接続状態とする。この状態で、循環ポンプ9のポンプ駆動によって、前記ドレン導出路16を通して前記ドレンを追い焚き循環路31側に導く。
なお、バイパス電磁弁18と電磁弁19とを設ける代わりに、図4のAに示す位置に、三方電磁弁を設けて、上記戻り管28とバイパス通路22との接続と非接続とを切り替えるようにしてもよい。また、循環ポンプ9を駆動開始してから、ドレン導出弁17を開いてドレン導出路16と循環ポンプ9の吸込側24とを接続状態としてもよい。
第2実施形態例は、以上のように構成されており、第2実施形態例も上記第1実施形態例とほぼ同様の動作により、同様の効果を奏することができる。
また、第2実施形態例では、ドレン排出実行動作時に、追い焚き循環路31側に導かれるドレンを追い焚き熱交換器12を通さずに風呂用バイパス通路22を通して往管29と戻り管28に導入して浴槽30に排出するので、ドレン中和手段14を省略して酸性度が高いドレンを中和せずに排出しても、追い焚き熱交換器12を通さずにドレンを排出することによって、一般に銅を含む金属により形成された追い焚き熱交換器12の腐食等を防げる。
なお、例えば浴槽30と風呂給湯装置(器具)を接続する追い焚き循環路31は、ポリエチレン管等の非金属管で形成されることが殆どであり、熱交換器以外の器具内配管はプラスチックコーティングして酸性のドレンによる腐食等から保護することができるが、熱交換器はコーティングすることができない。また、未中和のドレンは加熱されることにより、その腐食性が高まるが、熱交換器は予熱(後沸きとほぼ同じ)によって、ドレンによる腐食が高まるので、上記のように、追い焚き熱交換器12だけでも未中和のドレンを通さないようにできると、ドレンによる腐食等を防ぐ効果が高まる。
そして、酸性度が強いドレンを中和せずに追い焚き循環路31に導いて追い焚き循環路31に通すことにより、追い焚き循環路を酸性度が強いドレンで殺菌等することができ、追い焚き循環路31内を衛生上好ましい状態で維持でき、衛生上好ましい快適な状態で、利用者が快適に入浴できるようにすることができる。
次に、本発明に係る風呂給湯装置の第3実施形態例について説明する。第3実施形態例は上記第1実施形態例とほぼ同様のシステム構成を有しているが、第3実施形態例は、図6に示すように、給水通路46とメインの給湯熱交換器4の入側とを連通するバイパス通路(給湯側バイパス通路)70と、給水通路46の水を、このバイパス通路70を通してメインの給湯熱交換器4に導く経路と潜熱回収用給湯熱交換器6を通してメインの給湯熱交換器4に導く経路とを切り替える切り替え弁71とを有している。
また、第3実施形態例は、図5に示す制御構成を有しており、上記第1、第2実施形態例に設けたドレン量対応燃焼停止制御手段37の代わりに、ドレン量対応給水経路切り替え制御手段45を設けており、ドレンタンク13内のドレン量に対応させた燃焼停止制御を行う代わりに、ドレンタンク13内のドレン量に対応させて、メインの給湯熱交換器4への給水経路を切り替える構成としている。なお、第3実施形態例は、ドレンタンク13内のドレン量に対応させた燃焼停止制御を行わないので、第1実施形態例に設けた燃焼停止解除手段32と燃焼停止理由報知手段36も省略している。
ドレン量対応給水経路切り替え制御手段45は、ドレン排出実行条件が満たされないまま、ドレンタンク13に貯留し続けて貯留したドレンの量が前記ドレン貯留上限量に達したときは、切り替え弁71を制御して、メインの給湯熱交換器4に供給する水の経路を、給水通路46から、潜熱回収用給湯熱交換器6を通さずにバイパス通路70を通してメインの給湯熱交換器4の入側に供給する経路に切り替える。
また、ドレン量対応給水経路切り替え制御手段45は、ドレン排出制御手段38によるドレン排出によって、ドレンタンク13に貯留したドレンの量が前記ドレン貯留下限値以下になったときには、切り替え弁71を制御して、メインの給湯熱交換器4に供給する水の経路を、給水通路46から、バイパス通路70を通さずに、潜熱回収用給湯熱交換器6を通してメインの給湯熱交換器4の入側に供給する経路に切り替える。
第3実施形態例は、上記第1実施形態例とほぼ同様の動作を行うが、ドレンタンク13に貯留したドレンの量が上記ドレン貯留上限値に達したときには、ドレン量対応給水経路切り替え制御手段45が、切り替え弁71を操作し、給水通路46からメインの給湯熱交換器4に供給する水の経路を、潜熱回収用給湯熱交換器6を通さずに、バイパス通路70を通してメインの給湯熱交換器4の入側に供給する経路に切り替える。
また、ドレン量対応給水経路切り替え制御手段45は、ドレン排出制御手段38によるドレン排出によって、ドレンタンク13に貯留したドレンの量が前記ドレン貯留下限値以下になったときには、切り替え弁71を制御して給水通路46からメインの給湯熱交換器4に供給する水の経路を、バイパス通路70を通さずに、潜熱回収用給湯熱交換器6を通してメインの給湯熱交換器4の入側に供給する経路に切り替える。
第3実施形態例によれば、ドレン排出実行条件が満たされないままドレンタンク13に貯留し続けて貯留したドレンの量が前記ドレン貯留上限量に達したときは、ドレン量対応給水経路切り替え制御手段45が、給水通路46から、潜熱回収用給湯熱交換器6を通さずに、バイパス通路70を通してメインの給湯熱交換器4の入側に供給する経路に給湯経路を切り替えることにより、それ以降のドレンの発生を抑制できるので、ドレンタンク13に貯留するドレンの量がドレン貯留上限量を越えてしまい、ドレンがあふれてしまうようなことを防止できる。
また、第3実施形態例によれば、ドレンタンク13に貯留するドレンの量がドレン貯留上限量に達した後も、給湯バーナ1の燃焼を継続することができる。なお、この場合、潜熱回収用給湯熱交換器6側に水を通さずにメインの給湯熱交換器4のみでの給湯運転となるため、熱効率は少し低下することになるが、給湯バーナ1の燃焼を継続利用できることから、ドレンの排水に関する従来の課題を解決でき、かつ、利用者にとってより使い勝手のよい風呂給湯装置を実現できる。
また、第3実施形態例によれば、ドレン排出制御手段38によるドレン排出により、ドレンタンク13内のドレンの量がドレン貯留下限値以下になったときには、潜熱回収用給湯熱交換器6を用いた給湯運転を再開できるので、より熱効率の高い給湯運転を行うことができる。
次に、本発明に係る風呂給湯装置の第4実施形態例について説明する。第4実施形態例は、図8に示すシステム構成を有して、上記第3実施形態例とほぼ同様に構成されているが、第4実施形態例では、第3実施形態例に設けた切り替え弁71の代わりに、分流制御弁74を設け、また、潜熱回収用給湯熱交換器6の出側にサーミスタ等の温度検出センサ73を設けている。また、第4実施形態例は、図7の制御構成に示されるように、分流制御弁74を制御する特徴的なドレン量対応給水分流制御手段72を設けている。
このドレン量対応給水分流制御手段72は、ドレンタンク13に貯留したドレンの量が上記ドレン貯留上限値に達したときに、分流制御弁74を制御し、潜熱回収用給湯熱交換器6を通してメインの給湯熱交換器4の入側に供給する水の一部をバイパス通路70に分流し、該バイパス通路70を通してメインの給湯熱交換器4の入側に供給する流れを形成することにより、潜熱回収用給湯熱交換器6を通る水の水量を減少させて該潜熱回収用給湯熱交換器6にドレンが発生することを抑制するものである。
つまり、第4実施形態例は、貯留したドレンの量が予め定められたドレン貯留上限量に達したときに、第3実施形態例のように、メインの給湯熱交換器4に供給する水の経路を完全に切り替えてしまうのではなく、ドレン量対応給水分流制御手段72による分流制御弁74の制御によって、潜熱回収用給湯熱交換器6を通してメインの給湯熱交換器4の入側に供給する水の一部をバイパス通路70に分流し、潜熱回収用給湯熱交換器6を通る水の水量を減少させて該潜熱回収用給湯熱交換器6にドレンが発生することを抑制することを特徴とする。
上記第3実施形態例では、ドレンタンク13に貯留したドレンの量がドレン貯留上限値に達した場合に、メインの給湯熱交換器4に供給する水の経路を完全に切り替えて、潜熱回収用給湯熱交換器6を全く通さずにバイパス通路70を介してメインの給湯熱交換器4に給湯するが、例えば入浴者のシャワー等の給湯使用時に、潜熱回収用給湯熱交換器6に水を全く通さないでメインの給湯熱交換器4に水を通して給湯側のバーナ1の燃焼を行うと、次のような問題が生じる可能性がある。
つまり、バーナ1の排気ガスは250℃〜300℃程度あり、その熱が、メインの給湯熱交換器4によって、ある程度奪われて潜熱回収用給湯熱交換器6の配設領域に達するが、それでも、この排気ガスの温度は100℃以上あるため、潜熱回収用給湯熱交換器6内に水を流さないと、潜熱回収用給湯熱交換器6内に滞留した水が沸騰してしまう。そして、この沸騰により生じた気泡がメインの給湯熱交換器4側に流れる水に入ってしまったり、潜熱回収用給湯熱交換器6内の水が沸騰により蒸発して水中のカルシウムなどが析出し、潜熱回収用給湯熱交換器6の内側に付着してしまったりするおそれがある。
そこで、第4実施形態例では、潜熱回収用給湯熱交換器6にドレンが生じない、あるいは、ドレンが生じてもその量が少なくなるように、通常よりは少なめの水を流すことにより、上記のような問題が発生することを防止している。
なお、ドレン量対応給水分流制御手段72の制御形態は様々に形成できるものである。例えば、給水通路46から供給される水の流れを10としたときに、その流れのうち、潜熱回収用給湯熱交換器6側へ導く割合(例えばAとする)と、バイパス通路70側へ導く割合(例えばBとする)を分流制御弁74によって、A:B=1:9とする等、予め定められた適宜の設定分配比に調整する。
この制御形態例の場合、例えば、図9に示すように、潜熱回収用給湯熱交換器6の入側と分流制御弁74との間に介設される管路76とバイパス通路70の管との径比を、各管路に流れる水の分配比に対応させて適宜設定する(例えば分配比を1:9にする場合、径比を1:3とする)。そして、ドレンタンク13内のドレンがドレン貯留上限値に達する前は、図9(a)に示すように、分流制御弁74の制御によって、給水通路46からの水を全て管路76側に導き、ドレンタンク13内のドレンがドレン貯留上限値に達した以降は、図9(b)に示すように、分流制御弁74を切り替え、給水通路46からの水を管路76側とバイパス通路70側とに分流して導くようにする。
そうすると、各管路に流れる水の分配比は、前記径比に応じた分配比(設定分配比)となり、例えば潜熱回収用給湯熱交換器6側にも設定分配比に応じた少量の水が流れるので、設定分配比を適切な値に設定することにより、潜熱回収用給湯熱交換器6にドレンが発生することを抑制するし、潜熱回収用給湯熱交換器6に滞留した水が沸騰することによる問題を防ぐことができる。
なお、このドレン発生抑制により、ドレンが全く発生しないようにできることが望ましいが、たとえドレンが発生しても、給水通路46から供給される水の流れを全て潜熱回収用給湯熱交換器6側に導く場合に比べ、ドレンの発生量を小さくでき、ドレンタンク13内にドレンが溜まるスピードを遅くできるので、利用者がシャワー等の給湯を終了し、浴槽湯水を排水するまでに、ドレンタンク13内のドレンがドレン貯留上限値を越えてしまうことを防ぐことができる。
また、別の例として、分流制御弁74は、ドレン量対応給水分流制御手段72による制御により、潜熱回収用給湯熱交換器6側に導く水の割合とバイパス通路70側に導く水の割合(分配比)を自在に変えられる構成とし、ドレン量対応給水分流制御手段72が、潜熱回収用給湯熱交換器6側のドレン発生状況に応じて、前記分配比を適宜可変する構成を適用することもできる。
第4実施形態例では、この制御形態例を適用しており、ドレン量対応給水分流制御手段72は、潜熱回収用給湯熱交換器6の出側に設けた温度検出センサ73によって検出される検出温度と、燃焼ガスの空気比に対応させて予め与えられたドレン発生対応温度(潜熱回収用給湯熱交換器6の表面にドレンが発生しないための潜熱回収用給湯熱交換器6の表面温度)と分配比との関係データとに応じ、温度検出センサ73による検出温度が、ドレン発生対応温度近傍で、かつ、ドレン発生対応温度以上になるように、時々刻々、または、予め定められた時間間隔毎に前記分配比を制御する。
上記ドレン発生対応温度は、飽和蒸気圧と飽和温度との関係により求めることができるものであり、例えば13Aガスの燃焼を、濃淡燃焼のバーナのように、空気比1.6で行う場合、49.33℃、セラミックバーナを用いた全一次燃焼のように、空気比1.2で燃焼を行う場合、54.87℃となる。なお、濃淡燃焼バーナは、周知の如く、燃料ガスの空気に対する比を小さく設定して空気と燃料ガスとを混合した低濃度予混合ガスを燃焼する淡バーナと、燃料ガスの空気に対する比を大きく設定して空気と燃料ガスとを混合した高濃度の予混合ガスを燃焼する濃バーナとを交互に配置して燃焼させるバーナである。
また、潜熱回収用給湯熱交換器6の入側においては、例えば15℃〜25℃程度の温度の水が潜熱回収用給湯熱交換器6に入ってくるので、たとえその水の量が少ないとはいっても、潜熱回収用給湯熱交換器6の出側の温度に基づいて分配比の制御を行った場合に、潜熱回収用給湯熱交換器6の入側に多少のドレンが生じる可能性がある。しかしながら、水管の中が15℃〜20℃であっても、水管表面を例えば100℃〜200℃の排気が通過しているので、水管表面温度はすぐにドレン発生対応温度に近づくので、その量は、給水通路46側からの水を全て潜熱回収用給湯熱交換器6側に導くときに比べて僅かである。つまり、フィンを有していない潜熱回収給湯熱交換器6であっても潜熱回収給湯熱交換器6の入側を排気入口側に配置するとドレン発生に有利になる。
また、例えば潜熱回収用給湯熱交換器6の入側を排気出口側に配置し、フィンを有する潜熱回収用給湯熱交換器6を適用すると、温度検出センサ78がドレン発生対応温度であっても、それに対応するフィンはドレン発生対応温度以上なので、排気ガスの熱がフィンを介して潜熱回収用給湯熱交換器6の表面に伝わり、潜熱回収用給湯熱交換器6の入側の表面温度が上昇するので、潜熱回収用給湯熱交換器6の入側においてもドレンが発生することを抑制できる。
上記のようにして、分流制御弁74を制御して、潜熱回収用給湯熱交換器6側に導く水の割合とバイパス通路70側に導く水の割合である分配比を制御すると、給水通路46側から給水される水の水圧や温度等が変化しても、分配比を適宜、きめ細かく制御できるので、潜熱回収用給湯熱交換器6にドレンが発生することを抑制でき、かつ、潜熱回収用給湯熱交換器6内の水の沸騰に伴う問題も防止できる。
なお、温度検出センサ73は、潜熱回収用給湯熱交換器6の出側のみならず、その途中部に設けてもよいし、複数設けてもよく、各温度検出センサの検出温度に基づく制御データをドレン量対応給水分流制御手段72に与えておくことにより、同様に、適切な分配比の制御を行えるようにすることができる。
また、例えば潜熱回収用給湯熱交換器6の腐食防止のためにドレン発生の有無を検出する電極等を潜熱回収用給湯熱交換器6の配設領域に設けた給湯装置が提案されているが、このような装置の場合は、その電極の信号をドレン量対応給水分流制御手段72が受けて、ドレンの発生の有無を検出して前記分配比を制御するようにしてもよい。
なお、第4実施形態例において、ドレン量対給水分流制御手段72は、ドレン排出制御手段38によるドレン排出によって、ドレンタンク13に貯留したドレンの量が前記ドレン貯留下限値以下になったときには、分流制御弁74を制御して(通常の状態に戻して)給水通路46からの水を、バイパス通路70を通さずに、潜熱回収用給湯熱交換器6を通してメインの給湯熱交換器4の入側に供給するようにする。そうすると、通常通りの効率のよい燃焼運転が再開できる。
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な態様を採り得る。例えば、上記第2実施形態例のように、追い焚き循環路31とドレン導出路16と風呂用バイパス通路22の接続構成を設けた風呂給湯装置において、上記第3実施形態例と同様に給湯側バイパス通路70と切り替え弁71と、図5の実線および破線に示す制御構成を設けた風呂給湯装置や、上記第4実施形態例と同様に給湯側バイパス通路70と分流制御弁74と、図7の実線および破線に示す制御構成を設けた風呂給湯装置を構成してもよい。
また、上記各実施形態例では、潜熱回収用熱交換器6はフィン3を有していない構成としたが、図10に示した風呂給湯装置のように、潜熱回収用熱交換器6を、フィン3を有する構成としてもよい。
さらに、上記各実施形態例では、ドレンタンク13の上部側に設けられたドレン液量検出電極2a,2b,2cを設けてドレン液量検出手段2を形成したが、ドレン液量検出手段2の構成は特に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。
さらに、上記各実施形態例では、ドレンタンク13の上部側に、ドレンタンク13とは別個にドレン中和手段14を設けたが、ドレン中和手段14はドレンタンク13内に設けることもできるものであり、また、ドレン中和手段14の詳細な構成は適宜設定されるものである。
さらに、上記各実施形態例では、循環路水洗実行部39を設け、ドレンの浴槽30内への排水後に、給水源から給水される水を注湯路26から追い焚き循環路31側に導き、循環ポンプ9を介し、バイパス通路22を通して、戻り管28と往管29から浴槽30に送水したが、循環路水洗実行部39は省略することもできる。
さらに、上記各実施形態例では、浴槽湯水有無判断部35を設け、ドレンタンク13に貯留したドレンの量がドレン排水基準量に達したときに、前記浴槽湯水有無判断部35により浴槽30内に湯水があると判断されたときには、浴槽排水報知手段34が浴槽湯水の排水を促す報知を行うようにしたが、浴槽湯水有無判断部35や浴槽排水報知手段34は省略することもできる。
ただし、浴槽排水報知手段34による報知によって、利用者が浴槽湯水の排水を行うようにすることで、ドレン排出実行条件が満たされ、ドレン排出制御手段38によって、ドレンを追い焚き循環路31側に導き、追い焚き循環路31を介して浴槽30に排出することができるようになるので、浴槽排水報知手段34や浴槽湯水有無判断部35を設けることが好ましい。
さらに、上記第1、第2実施形態例では、燃焼停止理由報知手段36を設け、ドレン量対応燃焼停止制御手段37の指令により、燃焼制御部41が給湯バーナ1の燃焼を停止しているときには、ドレンの量がドレン貯留上限値に達したことにより給湯バーナ燃焼が停止していることを表示と音声の少なくとも一方により知らせるようにしたが、燃焼停止理由報知手段36は省略することもできる。
さらに、本発明の風呂給湯装置は、給湯と風呂の追い焚き以外の、例えば暖房機能も有する装置としてもよい。この場合、給湯バーナ1と追い焚きバーナ7の他に暖房用のバーナを設ける構成としてもよいし、上記各実施形態例に設けた追い焚きバーナを設けずに、暖房機能を発揮するための暖房用バーナを設け、追い焚き熱交換器12は、暖房用バーナにより加熱された湯と追い焚き循環路31を通る水との熱交換を行うタイプの熱交換器としてもよい。
さらに、上記説明は、いずれも、ドレン排出制御手段38によるドレン排出実行動作は、ドレン導出路16を通してドレンを追い焚き循環路31側に導き、該追い焚き循環路31を介して浴槽30に排出するものとしたが、例えば図4の破線に示すように、追い焚き循環路31の往管29に三方電磁弁65を介して連通する排水通路66を設け、前記ドレンを追い焚き循環路31を介して排水通路66に導き、浴室に排水してもよい。
さらに、上記実施形態例は、いずれも追い焚き循環路31を有する風呂給湯装置としたが、追い焚き循環路31を設けずに、給湯熱交換器4,6で加熱した湯を浴槽30に差し湯するタイプの風呂給湯装置としてもよい。この場合、ドレン導出路16を注湯通路に切り替え自在に接続し、ドレン排出制御手段38によるドレン排出実行動作を行わないときは、ドレン導出路16と注湯通路とを非接続状態にし、ドレン排出実行動作時には、ドレン導出路16と注湯通路とを接続状態にして、注湯通路を介してドレンを浴槽30に排出すればよい。
さらに、上記実施形態例では、ガス燃焼式の風呂給湯装置としたが、風呂給湯装置は石油燃焼式の風呂給湯装置としてもよい。