JP2005127648A - 温水機器 - Google Patents

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敏宏 小林
Nobuyoshi Yokoyama
信義 横山
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Abstract

【課題】 安価にドレン排水の処理を行うことのできる高効率の温水機器を提供することを目的とする。
【解決手段】 バーナ22燃焼時に副熱交換器19で発生したドレンを、ドレン貯留器101に一時的に貯留する。
水位センサーWSで検出する浴槽水の水位が一定または増加の場合には、ドレン通路102に備えられたドレン用電磁弁DVは閉弁状態を保つ。
一方、水位センサーWSで検出する浴槽水の水位が居て維持関係属して減少している場合には、浴槽水排水中であると判断し、ドレン用電磁弁DVを開弁状態とする。これにより、浴槽水排水に連動して、ドレン貯留器101と浴槽水排水通路70とは連通状態となる。
このように、浴槽水排水とドレン排出とを同時に行うため、簡単にドレンを浴槽水排水で希釈することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃焼排気により通水を加熱する熱交換器を備えた温水機器に関する。
従来より温水機器の分野においては、給水管、給湯管が接続される熱交換器と、この熱交換器を加熱するバーナと、バーナに燃焼用空気を供給するファンとを備えた温水機器が知られている。
このような温水機器は、バーナにおける燃焼の燃焼排気熱でもって、熱交換器において通水を加熱し、給湯管より温水を供給するように構成される。
こうした温水機器の中には、特許文献1、2に示すように、燃焼排気熱の回収効率(以下、熱効率という)を向上させるために、燃焼排気熱の顕熱のみならず、燃焼排気中の水蒸気を凝縮させることにより潜熱をも回収する潜熱回収型温水機器がある。
潜熱回収型温水機器は、一般に燃焼排気流路の上流側に主に顕熱の回収を目的とする主熱交換器と、下流側に主に潜熱の回収を目的とする副熱交換器とを設ける。
このような潜熱回収型温水機器は、主熱交換器で回収できなかった燃焼排気柱の潜熱についても副熱交換器で回収するため、燃焼排気中のほとんどの熱エネルギーが回収できる。
ところで、このような潜熱回収型温水機器は、潜熱回収の過程で発生した凝縮水(以下、ドレンという)が、燃焼排気中の硫黄酸化物(SOx)や、窒素酸化物(NOx)と反のして酸性(pH3程度)になる。
そのため、ドレンは下水等の一般排水通路に排出する前に、特許文献1西召すように中和処理を行うか、特許文献2に示すように生活排水で希釈するなどの処理を行わなければならない。
特開2002−195645 特開2002−048413
しかしながら、特許文献1に示すように、ドレン中和処理を行う場合には、中和装置を設けなければならないために、著しくコスト高になるとともに温水機器本体の大型化を招いていた。さらに、中和装置において用いられる中和剤は、一定期間ごとに交換する必要があり、使用者の負担となっていた。
また、特許文献2に示すように、生活排水でドレンを希釈する場合には、生活排水が所定量流れていることを検知して、ドレンを生活排水通路に流す構成としなくてはならない。
この場合には、排水流量を検知するための専用装置を、わざわざ生活排水通路に設けなくてはならず、コスト高を招いていた。
本発明はかかる課題を解決し、中和器を不要とする安価な高効率温水機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明請求項1記載の温水機器は、燃焼室内で燃料を燃焼するバーナと、
上記バーナの燃焼排気熱により伝熱管内の通水を加熱する熱交換器と、
上記熱交換器で発生したドレンを一時的に貯留するドレン貯留部と、
上記ドレン貯留部と浴槽水排水通路とを接続するドレン通路と、
上記浴槽水の排水に連動して上記ドレン貯留部のドレンを上記浴槽水排水通路に排出するドレン排出手段と
を備えたことを要旨とする。
また、上記課題を解決する本発明請求項2記載の温水機器は、上記請求項1記載の温水機器において、上記ドレン排出手段は、上記浴槽水の排水時に、上記ドレン通路と上記浴槽水排水通路との接続部において生じる負圧により、上記ドレン貯留槽に貯留したドレンを上記浴槽排水通路中に吸入することを要旨とする。
また、上記課題を解決する本発明請求項3記載の温水機器は、燃焼室内で燃料を燃焼するバーナと、
上記バーナの燃焼排気熱により伝熱管内の通水を加熱する熱交換器と、
上記熱交換器で発生したドレンを一時的に貯留するドレン貯留部と、
上記ドレン貯留部と浴槽水の追焚循環通路とを接続するドレン通路と、
上記浴槽水の排水に連動して上記ドレン貯留部のドレンを上記浴槽水追焚循環通路に排出するドレン排出手段と
を備えたことを要旨とする。
上記構成を有する本発明の請求項1記載の温水機器は、ドレン貯留部が熱交換器で発生したドレンを一時的に貯留する。そして、ドレン排出手段が、浴槽水の排水に連動して、ドレンを浴槽水の排水通路に排出する。
そのため、ドレンは排水する浴槽水により、確実に希釈された後に一般排水通路に排出される。
ドレンの酸性度はpH3程度であり、希釈して下水等の一般排水路に排出可能な安全レベルにまで酸性度を下げるためには、大量の希釈水が必要となる。
一方、浴槽水の一回の排水量は約200L程度であり、このような大量の水でドレンを希釈することにより、ドレンの酸性度を十分下げることができる。
この結果、ドレン排出量の少ない温水機器においては中和装置を不要とすることができる。また、ドレン排出量の多い温水機器においても、中和装置を小規模なものとすることができるとともに、中和剤の交換回数を減少させることができる。
これにより、安価でメンテナンス負担の少ない高効率の温水機器を提供することができる。
上記構成を有する本発明の請求項2記載の温水機器は、浴槽水の排水時には、排水する浴槽水の流れによって、浴槽水排水通路とドレン通路との接続部が負圧になり、ドレンを吸引して浴槽水排水通路に排出する。
そのため、ドレンを浴槽水排水に連動して浴槽水排水通路に排出するための特別な装置を設けなくてもよい。
これにより、安価で確実に、ドレンは浴槽排水により希釈される。
上記構成を有する本発明の請求項3記載の温水機器は、ドレン貯留部が熱交換器で発生したドレンを一時的に貯留する。そして、ドレン排出手段が、浴槽水の排水に連動して、ドレンを浴槽水の追焚循環通路に排出する。
そのため、ドレンは排水する浴槽水により、希釈された後に一般排水通路に排出される。
また、温水機器本体内の追焚循環通路にドレンを排出する構造とするために、ドレン排出のための外部配管工事を行う必要がなく施工者の負担を増加させない。
さらに、ドレン混入後の浴槽排水は、通常使用時に比べて酸性度が高くなり、殺菌効果を有するため、追焚循環通路および浴槽内の殺菌を同時に行うことができる。
以上説明した本発明の構成、作用を一層明らかにするために、以下、本発明の温水機器における好適な実施形態について説明する。
本実施例の温水機器の1例としての風呂付給湯器は、図1に示すように、器具ケーシング12内に燃焼室20が設けられ、その下方に設けられた給気ファン36により燃焼用空気が給気口30から取入れられるように構成される。
燃焼室20は、給湯用燃焼室20aと、風呂追焚用燃焼室20bとからなり、どちらも給気ファン36から燃焼用空気が供給される。
給湯用燃焼室20a内には、燃料ガスと給気ファン36からの燃焼用空気との混合ガスを燃焼する給湯用バーナ22Hと、給湯用バーナ22Hからの燃焼排気の殆どの顕熱を回収する主熱交換器18とが設けられる。
また、主熱交換器18の上方側方には、主熱交換器18で回収しきれなかった顕熱のほかに潜熱を回収する副熱交換器19が設けられる。
副熱交換器19の下方には、副熱交換器19において発生したドレンを受けるドレン受け200が備えられる。このドレン受け200は、副熱交換器19で発生したドレンを後述するドレン排出部100に案内するための複数のバーリング孔200aを備える。
副熱交換器19の側方には、副熱交換器19で熱交換後の燃焼排気を燃焼室20外へ排出する給湯用排気口44Hが形成される。
この給湯用排気口44Hは器具ケーシング12に開口した器具排気口に臨んでいる。
風呂追焚用燃焼室20bには、燃料ガスと給気ファン36からの燃焼用空気との混合ガスを燃焼する追焚用バーナ22Bと、追焚用バーナ22Bからの燃焼熱を回収する追焚用熱交換器17とが設けられる。
そして、追焚用熱交換器17の側方には、追焚用熱交換器17で熱交換後の燃焼排気を燃焼室20外へ排出する追焚用排気口44Bが形成される。この追焚用排気口44Bについても、給湯用排気口44Hと同様に器具ケーシング12に開口した器具排気口に臨んでいる。
この風呂付給湯器の通水路は、給湯用通水路と追焚用通水路と両通水路を連通する連通路とからなる。
給湯用通水路は、上流から順に、給水管14、副熱交換器19に設けられる副伝熱管19a、主熱交換器18に設けられる主伝熱管18a、および洗面所等の一般給湯路に接続されている給湯管16から構成される。
給水管14には、給水流量を感知する流量センサSQ1と、給水温度を感知するサーミスタTh4と、水量を制御する水量制御モータWMとが設けられる。
副伝熱管19aは、ステンレスで形成され、主熱交換器18を通過した燃焼排気の排気熱を回収するとともに発生したドレンをドレン受け200へと案内する多数のフィン19bを備える。
主伝熱管18aは、燃焼熱を吸収をする多数の熱回収フィン18bを備える。
給湯管には、給湯サーミスタTh3が設けられる。
追焚用通水路は、上流から、追焚戻り管62、追焚用熱交換器17に設けられる追焚用伝熱管17a、および追焚往き管63とから構成される。
追焚戻り管62には、浴槽Bの水位を感知する水位センサWS、電磁弁SV2、循環ポンプ50、流水スイッチ51、およびサーミスタTh1が設けられる。
追焚用伝熱管17aには、燃焼排気の排気熱を回収する多数のフィン17bが備えられる。
追焚往き管63には、出湯サーミスタTh2が備えられる。
なお、この追焚戻り管62と追焚往き管63とは、器具ケーシング12外部において、追焚配管(ペアチューブ)61と接続される。この追焚戻り管62と追焚往き管63と追焚配管61とで追焚循環通路60が形成される。
連通路は、給湯管16と追焚戻り管62とを接続する自動給湯管CTと、自動給湯管CTに設けられる落とし込み用電磁弁SV1、落とし込み水量センサSQ2、逆止弁CV1とから構成される。
次に、ドレン排出部100について説明する。
ドレン排出部100は、ドレンを一時的に貯留するドレン貯留器101と、ドレン受け200より落下したドレンをドレン貯留器101に案内するドレン案内板103と、ドレン貯留器101と浴槽水排水通路70とを接続するドレン通路102と、ドレン通路102を開閉するドレン用電磁弁DVとから構成される。
ドレン案内板103は、ドレン受け200の下方に設置されて、10°程度の傾斜を形成する。
ドレン貯留器101はステンレスにより形成され、上方に大きく開口した椀形状をなす。また、このドレン貯留器101は、下方においてドレン通路102と接続している。
ドレン通路102は、塩化ビニルパイプにより形成され、下方において浴槽水排水通路70と接続される。
ドレン用電磁弁DVは、図示しないコントローラに接続され、後述する浴槽水排水に連動した開弁制御が行われる。
コントローラ(図示せず)は、上述したセンサー類およびアクチュエータ類と接続され、給湯動作および追焚動作制御を行う。
以下、コントローラの行う制御について簡単に説明をする。
まず、給湯作動について説明する。
図示しない給湯栓を開くことにより、給水管14に水が流れる。
そして、水量センサSQからの信号により、図示しないコントローラが通水状態であることを感知すると制御動作を行い、給気ファン36がDCモータ48の駆動により回転し始める。
所定のプリパージが完了すると、給湯用バーナ22にガスが供給され、点火が行われる。
点火動作が終了すると、比例制御が開始される。
出湯サーミスタTh3で検出される湯温と設定温度との差があると、図示しないコントローラでそれを判断し、図示しないガス比例弁でガス量を連続的に変化させて出湯サーミスタTh3の検出温度を一定に保つ。
また、ガス量の変化に応じて、図示しないコントローラから給気ファン36のDCモータ48に信号が送られ、給気ファン36の回転数も変えられ、常にガス量と給気量との関係が一定に保たれるように制御される。
次に、風呂の湯張り動作について説明をする。
台所または浴室に備えられた図示しないリモコンにおいて、湯はり操作がなされると、落とし込み用電磁弁SV1が開弁し、給湯バーナ22Hが燃焼を開始する。湯は、給湯管16から接続管CTを経由して、浴槽Bに供給される。
この間、定期的に電磁弁SV2を閉止して、水位センサーWSにより水圧を検出する。そして、水位センサーWSで検出する水位が、設定値と等しくなれば、給湯バーナ22Hの燃焼が停止し、湯張り動作が完了する。
さらに、風呂の追焚操作について説明をする。
また、浴槽Bに水が張られた状態で、浴室に備えられた図示しないリモコンにより追焚操作がなされると、循環ポンプ50が作動を開始する。
これにより追焚戻り管62および追焚往き管63に水が流れ、流水スイッチ51がONする。
この際、サーミスタTh1で検知した温度が設定温度以下であれば、図示しないコントローラが、給気ファン36を駆動した後、追焚用バーナ22Bに燃料ガスを供給し、点火動作を行う。これにより、浴槽水の加熱が開始される。
浴槽水の加熱中は、サーミスタTh1により循環水の温度を常に監視し、循環水の温度が設定温度以上になったことが検出されれば、追焚用バーナ22Bにおける燃焼動作および循環ポンプ50の動作を停止し、追焚動作が完了する。
次に、副熱交換器19で発生したドレンの回収及び排出について説明する。
給湯バーナ22Hの燃焼中には、給湯バーナ22Hからの高温の燃焼排気は、主熱交換器18の各フィン18b間を貫流し熱交換をした後、副熱交換器19に案内され、再度の熱交換を行った後、排気口44aから器具の外部に排出される。
副熱交換器19においては、主熱交換器18を通過した燃焼排気をさらに冷却しドレンを発生させて潜熱を回収するとともに、主熱交換器で回収しきれなかった燃焼排気中の顕熱の回収を行う。
副熱交換器19において発生したドレンは、フィン19bを伝わってドレン受け200に落下した後、バーリング孔200aを伝わって、ドレン案内板103に落下する。そして、ドレン案内板103上のドレンは、傾斜に沿って下降し、ドレン貯留器101に案内され貯留される。
ここで、ドレン貯留器101に貯留したドレンの排出制御ルーチンについて、図11のフローチャートを用いて説明する。
本ルーチンは、機器本体に電源が入っている時に常時行われるもので、まず追焚戻り管62に設けられた水位センサーWSの信号を読みこみ(S1)、検出した水位が継続して下降しているか否かを判断する(S2)。
浴槽水排水時以外、つまり湯張り時や使用者の入浴中には、水位センサーWSが検出する浴槽水の水位は、増加または一定であるか、入浴者の動きに伴って減
少することがあっても一定時間以上継続して減少することはない(S2:NO)。この場合には、ドレン用電磁弁DVを閉弁状態に保つ(S4)。そのため、ドレンはドレン貯留器101に貯留される。
一方、使用者が浴槽Bの排水栓Pを抜いて浴槽水排水を開始すると、水位センサーWSの信号から検出される浴槽水水位は、一定の減少率で低下していく。
コントローラは、こうした一定時間以上継続した水位変化を検出すると(S2:YES)、排水栓Pが抜かれたと判断して、ドレン用電磁弁DVに電流を流し、ドレン用電磁弁DVを開弁状態とする(S3)。この場合には、ドレン貯留器101と浴槽水排水通路70とは連通状態となり、ドレン貯留器101に貯留されたドレンは浴槽水排水通路70に排出される。
そして、浴槽水の排水が完了し、水位センサーWSの検出する水位に変化が無くなると(S2:NO)、コントローラはドレン用電磁弁DVへの通電を停止し、ドレン用電磁弁DVを閉止する(S4)。
このような構成により、浴槽水の排水時に連動して、ドレンは浴槽水排水通路70に排出される。
一般にドレンはpH3以上であり、これを地方自治体の排水基準値のpH5〜9とするためにはドレンを100倍以上に希釈する必要があるが、このように大量の浴槽水でドレンを希釈することで、確実にドレンの酸性度を低くすることができる。
さらに、浴槽水が排出中であるか否かの判断をおこなう水位センサーWSを、浴槽の湯張り時に使用する水位センサーWSと兼用するために、浴槽水排水を感知するための専用の装置を設けなくてもよく、安価である。
ここで、発生したドレンを浴槽水を用いて希釈する安全性について説明する。
ここではドレン発生量を最大とするために、潜熱回収率100%の風呂付給湯器を想定して説明を行う。また、水の蒸発潜熱は597.1kcal/kgとし、水、湯およびドレンの密度は1kg/Lと近似する。
一般にドレンはpH3程度であり、これを地方自治体排水基準地のpH5以上とするためには、ドレンを100倍以上に希釈する必要がある。また、一回の浴槽水排水量は一般に約200Lである。
従って、一回の浴槽水排水によってドレンを希釈する場合には、希釈可能なドレンは、約2.0L以下ということになる。
一方、潜熱回収率100%の給湯器は、燃料ガスとして13Aのガスを用いた場合、総発熱量のうち9.71%を潜熱で回収することになる。
このような給湯器を用いて、浴槽に42℃の湯を200L張る場合には、水道水温5℃とすると、1.2L((200kg)×(42℃−5℃)×(0.0971)/(597.1kcal/kg))のドレンが発生することになり、前記2Lに対し、60%と十分余裕がある。
これにより、一回の浴槽湯張り動作によって発生したドレンを浴槽水によって希釈することにより、その酸性度を安全レベルまで十分下げることができる。
また、発生するドレン量が多い場合には、中和器を別に設ける必要があるが、この場合でも大量の浴槽水であらかじめドレンを希釈するために、従来の高効率温水機器のように大がかりな中和器を設ける必要がなく、安価である。
さらに、中和剤の交換頻度も、ドレンを希釈しないものに比べて少なくてよく、使用者にとってメンテナンス負担が少ない。
次に、実施例2について、図2を用いて説明する。
なお、第1実施例と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。
実施例2の風呂付給湯器1aは、浴槽水の排水時に浴槽水排水通路とドレン通路との接続部に生じる減圧(負圧)作用を利用してドレンを排出するものである。
この風呂付給湯器1aは、浴槽Bの排水口上部に排水アダプタ−400を備える。
排水アダプタ−400は、図3に示すようにアダプター本体410とアダプター栓420とから構成される。
アダプター本体410は、浴槽水排水通路70よりも、ひとまわり小さい筒状体であり、図示されるようにオリフィス部411を備える。このオリフィス部411には、ドレン吸入口412が横方向に設けられる。この本体取付部412には、ドレン通路102が接続される。
また、アダプター本体410は、上面と、浴槽B底面と同じ高さの位置に、それぞれ浴槽水主排水口414および浴槽水副排水口413を備える。
アダプター栓420は、弾力性、耐熱水性、耐塩素性、耐酸性を有するゴム剤により形成され、つまみ部421と止水部422とからなる。
このような構造により、アダプター本体410にアダプター栓420が備えられた状態においては、ドレン吸入口412、浴槽水主排水口414、浴槽水副排水口413のいずれも、アダプター栓420により塞がれている。従って、浴槽水およびドレンのいずれも浴槽水排水通路70に排出されることがない。
一方、図4に示すように、アダプター栓420を取り外して浴槽水の排水を行う場合には、浴槽水主排水口414からの排水の流れによりドレン吸入口412内の水圧が負圧になるベンチュリー効果が現れて、ドレン通路102よりドレンがアダプター本体410内に吸込まれる。吸込まれたドレンは、排水された浴槽水と合流し混合され、浴槽水排水通路70に排出される。
なお、浴槽B内の水位が、アダプター本体410の上面部以下となった場合には、浴槽水は浴槽水主排水口414からの排水はなされないが、浴槽水副排水口413から浴槽が空になるまで十分に排水される。
これにより、複雑な制御および装置を用いることなく、簡単かつ安価にドレンを浴槽排水で希釈し、排出することができる。
また、排水アダプタ−400を浴槽B内に設けるために、浴槽水排水通路70には特別な配管工事が不要である。そのため、施工者の負担を著しく増加させることがない。
なお、実施例2では排水アダプタ−400を浴槽B内に備える構造について説明をしたが、図5に示すように、ベンチュリー効果をもつアダプター本体410aを浴槽Bの排水口下方に設けてもよい。
このアダプター本体410aは、図6に示すように、実施例2のアダプター本体410と同様、筒状体であり、オリフィス部411aを備える。そして、このオリフィス部411aは、横方向にドレン吸入口412aを有する。
このように、アダプター本体410aを浴槽Bの下方に設ける構造とした場合、浴槽B内にドレン通路102を配管しなくてもよく、浴槽内の美観および使い勝手を悪化させない。
また、アダプター本体410の形状についても、オリフィス部411を持つ形状に限定せず、図7、図8に示すような形状としてもよい。
このアダプター本体410bは、浴槽排水口B1よりも大径の大径部411bと絞り部413bとを備える。そして、大径部411bには、ドレン吸入口412bが形成される。
このような構成により、図7に示すように、浴槽排水口B1にアダプター栓420が備えられた状態においては、ドレン吸入口412、浴槽排水口B1のいずれも、アダプター栓420により塞がれている。従って、浴槽水およびドレンのいずれも、浴槽水排水通路70に排出されることがない。
一方、図8に示すように、アダプター栓420を取り外して浴槽水の排水を行う場合には、浴槽排水口B1からの排水の流れによりドレン吸入口412b内の水圧が負圧になり、ドレン通路102よりドレンがアダプター本体410b内に吸込まれる。吸込まれたドレンは、絞り部413bにおいて浴槽水と合流し混合され、浴槽水排水通路70に排出される。
次に、実施例3の風呂付給湯器について、図9を用いて説明する。
なお、第1実施例と異なる部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号を付してその説明を省略する。
実施例3の風呂付給湯器1bは、実施例1の風呂付給湯器1のドレン通路102が浴槽水排水通路70に接続されていたのに対し、ドレン通路102を追焚循環通路60に接続するものである。
この風呂付給湯器1bの追焚戻り管62は、循環ポンプ50の下流においてドレン吸入口62aを備える。そして、このドレン吸入口62aにおいて、ドレン通路102と接続される。
なお、追焚戻り管62は、耐食性のあるステンレスで形成されている。
実施例3のドレン排出制御ルーチンは、実施例1と同様に図11のフローチャートで示される。
機器本体に電源が入っている時には、コントローラは常に水位センサーWSの信号を読みこみ(S1)、検出した水位が継続して下降しているか否かを判断する(S2)。
浴槽水排水時以外、つまり湯張り時や使用者の入浴中には、水位センサーWSが検出する浴槽水の水位は、増加または一定であるか、入浴者の動きに伴って減
少することがあっても一定時間以上継続して減少することはない(S2:NO)。この場合には、ドレン用電磁弁DVを閉弁状態に保つため(S4)、ドレン通路102上部に備えられたドレン貯留器101と追焚戻り管62とは連通していない。つまり、ドレン貯留器101に貯留されたドレンが、追焚戻り管62に流れ出すことがない。
一方、使用者が浴槽Bの排水栓Pを抜いて浴槽水排水を開始すると、水位センサーWSの信号から検出される浴槽水水位は、一定の減少率で低下していく。コントローラは、こうした一定時間以上継続した水位変化を検出すると(S2:YES)、排水栓Pが抜かれたと判断して、ドレン用電磁弁DVに電流を流し、ドレン用電磁弁DVを開弁状態とする(S3)。
この場合には、ドレン貯留器101と追焚戻り管62とは連通され、ドレンは追焚戻り管62を経て、浴槽Bに落とし込まれた後、浴槽水により希釈されて排出される。
なお、このドレン排出中は、電磁弁SV2は常に開弁状態である。
このように、ドレン通路102と追焚戻り管62とを器具ケーシング12内で接続することにより、施工者は、浴槽水排水通路70等にドレン排出用の接続工事を別途行う必要がない。つまり、温水機器本体内でドレン通路の接続を行うことにより、ドレンを排出しない温水機器と同様の施工方法で、器具が設置できるのである。
また、ドレン通路102も短くてすみ、一層安価に提供できる。
さらに、ドレンは一旦浴槽B内に排出されるために、浴槽B内の大量の浴槽水において確実に希釈される。
加えて、ドレン吸入口62aよりも下流側の追焚戻り管62、および浴槽Bは、浴槽水排水時には、ドレンにより酸性となるために、殺菌効果も期待できる。
また、図10に示すように浴槽Bがドレン貯留器101よりも高い位置にある場合や、追焚循環通路60内にドレンが残留する場合には、循環ポンプ50の駆動力を利用して、ドレン貯留器101中のドレンを強制的に浴槽B内へ排出することができる。
この風呂付給湯器1bでは、浴槽水排水時には、ドレン用電磁弁DVを開弁状態にするとともに、電磁弁SV2を閉弁し、循環ポンプ50を回転させる。
これにより、ドレン吸入口62aは減圧され、ドレン貯留器101に貯留したドレンは追焚戻り管62に吸入される。追焚戻り管62に吸入されたドレンは、その後、追焚往き管63、浴槽Bを経て排出される。
このような構成により、浴槽Bをドレン貯留器101よりも高い位置に設置する場合等であっても、ドレン排出専用のポンプを設けることなく、浴槽水循環用の循環ポンプ50を利用して、ドレン貯留器101に貯留したドレンを排出することができる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、こうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる形態で実施しうることはもちろんである。
例えば、実施例においては、主に顕熱の回収を行う主熱交換器と主に潜熱の回収を行う副熱交換器との両方を備える給湯器について説明をしたが、一つの熱交換器で顕熱と潜熱との両方を回収する構造としてもよい。また、給湯側熱交換器において発生したドレンだけでなく、風呂追焚側熱交換器で発生したドレンを回収する構成としてもよい。
また、実施例1、3において、浴槽水を排水しているか否かの判断を水位センサーを用いて行うものについて説明したが、水位センサーを用いるものに限定しない。例えば、浴槽に設けられた排水口にスイッチを設け、排水栓が抜かれた状態になった時に、コントローラに排水中である旨の信号を送るような構成としてもよい。また、自動排水栓のあるものについては、その排水信号を入力する構成としてもよい。
さらに、実施例2の排水アダプタ−の構造は、浴槽水排水時にドレン吸入口が減圧する構造のものであればよく、その構造に限定しない。
本発明は、風呂付給湯器への適用に限定せず、給湯単機能の温水機器や、風呂追焚単機能の温水機器や、暖房機能付温水機器に適用してもよい。
また、ファンを備えた強制給排気式の温水機器への適用のみならず、自然燃焼式の温水機器に適用してもよい。
本発明実施例1の風呂付給湯器を示した説明図である。 本発明実施例2の風呂付給湯器を示した説明図である。 本発明実施例2の風呂付給湯器の排水アダプタ−を示した説明図である。 本発明実施例2の風呂付給湯器のアダプター本体を示した説明図である。 本発明実施例2の風呂付給湯器の排水アダプタ−を示した説明図である。 本発明実施例2の風呂付給湯器のアダプター本体を示した説明図である。 本発明実施例2の風呂付給湯器の排水アダプターを示した説明図である。 本発明実施例2の風呂付給湯器のアダプター本体を示した説明図である。 本発明実施例3の風呂付給湯器を示した説明図である。 本発明実施例3の風呂付給湯器を示した説明図である。 本発明実施例の風呂付給湯器のドレン排出制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 風呂付給湯器
B 浴槽
C コントローラ
P 排水栓
12 器具ケーシング
14 追焚戻り管
16 追焚往き管
18 主熱交換器
19 副熱交換器
20 燃焼室
22 バーナ
36 給気ファン
50 循環ポンプ
51 流水スイッチ
60 追焚循環通路
61 追焚配管
CV 開閉弁
DV ドレン用電磁弁
WS 水位センサー
70 浴槽水排水通路
100 ドレン排出部
101 ドレン貯留器
102 ドレン通路
200 ドレン受け
18a 主伝熱管
19a 副伝熱管
20a 給湯用燃焼室
20b 風呂追焚用燃焼室
SV1 落とし込み用電磁弁
SV2 電磁弁
Th1 温水サーミスタ

Claims (3)

  1. 燃焼室内で燃料を燃焼するバーナと、
    上記バーナの燃焼排気熱により伝熱管内の通水を加熱する熱交換器と、
    上記熱交換器で発生したドレンを一時的に貯留するドレン貯留部と、
    上記ドレン貯留部と浴槽水排水通路とを接続するドレン通路と、
    上記浴槽水の排水に連動して上記ドレン貯留部のドレンを上記浴槽水排水通路に排出するドレン排出手段と
    を備えたことを特徴とする温水機器。
  2. 上記ドレン排出手段は、上記浴槽水の排水時に、上記ドレン通路と上記浴槽水排水通路との接続部において生じる負圧により、上記ドレン貯留槽に貯留したドレンを上記浴槽排水通路中に吸入することを特徴とする請求項1記載の温水機器。
  3. 燃焼室内で燃料を燃焼するバーナと、
    上記バーナの燃焼排気熱により伝熱管内の通水を加熱する熱交換器と、
    上記熱交換器で発生したドレンを一時的に貯留するドレン貯留部と、
    上記ドレン貯留部と浴槽水の追焚循環通路とを接続するドレン通路と、
    上記浴槽水の排水に連動して上記ドレン貯留部のドレンを上記浴槽水追焚循環通路に排出するドレン排出手段と
    を備えたことを特徴とする温水機器。
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