JP5598698B2 - 風呂装置 - Google Patents
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Description
そして、追い焚きが必要な場合は、風呂ポンプを駆動させると共に、燃焼装置のバーナに点火する。その結果、浴槽内の湯水が追い焚き用回路を流れ、バーナで加熱された熱交換器を通過して湯水が昇温する。そして、昇温した湯水は、浴槽に戻り、結果的に浴槽内の湯水が昇温する。
即ち、追い焚きの際における湯水の循環流量は、熱交換器における熱交換効率と、浴槽内の湯水を攪拌し均一化させる機能と、入浴者に与える感覚の良否に影響を与える。
即ち、熱交換器における熱交換効率は、湯水と燃焼ガスの温度差と、熱交換器の内壁における湯水の接触機会の頻度に影響を受ける。そして、前記温度差が大きいほど、熱交換効率が上がる。同様に、湯水が熱交換器の内壁に接触する機会が多いほど熱交換効率が上がる。そのため、熱交換効率を上げるという観点からは、追い焚き用回路を流れる循環流量は多いほど好ましい。
浴槽内の湯水を攪拌する効果は、浴槽側に吐出される湯水の量の関数となるから、浴槽内の湯水を攪拌し、均一化させる機能という観点からも、追い焚き用回路を流れる循環流量は多いほど好ましい。
即ち、近年、家庭用燃料として使用するガスは、旧来の石炭などの炭素系燃料に代わって、液化天然ガスや液化石油ガスが主力となっており、主成分がメタン又はプロパンであるために水素成分が多い。そのため、燃焼によって水蒸気が発生する。発生した水蒸気は気体であるが、熱交換などにより温度が低下すると液化してドレンを発生させる。
また、燃焼によって、空気中の窒素と酸素とが反応し、窒素酸化物が生成されるため、熱交換器の一次側に発生したドレンが燃焼ガスに晒されることで、ドレンに窒素酸化物が溶け込み酸性を呈する。
即ち、浴槽内の残湯の温度が低い場合に、追い焚き用回路を流れる循環流量が多いと、燃焼ガスの熱エネルギーを奪い過ぎる状態となり、酸性のドレンが発生して熱交換器を腐食させる。
特許文献1に開示された循環式浴槽制御装置は、浴槽に吐出される湯水の温度を温度センサで検知し、当該温度センサで浴槽に吐出される湯水の温度を常時監視する。そして、浴槽に吐出される湯水の温度が、一定温度以上となるように追い焚き用回路を流れる循環流量をフィードバック制御する。そのため、特許文献1に開示された循環式浴槽制御装置によれば、追い焚き用回路を流れる循環流量が常に適度な流量となる。
また、前記したように、循環流量を減少させると、ドレンの発生を防止することができる反面、熱交換効率が低下するという致命的な欠点が生じるが、この欠点は顕熱回収型の熱交換器に加えて、潜熱回収型の熱交換器を設けることで補うことができる。
追い焚きに際して、上流側温度検知手段の検知温度が前記所定値よりも低い中間値に満たない場合は、前記ポンプを第一目標回転数に制御して循環流路内を通過する湯水の流量をさらに低下して運転し、上流側温度検知手段の検知温度が中間値以上となるまで前記ポンプを第一目標回転数に制御する状態を維持して運転することを特徴とする風呂装置である。
第一目標回転数は、演算によって決定されることが望ましい。
ここで、潜熱とは燃焼ガスが含有する水蒸気が気体状態を維持するために保有する熱である。即ち、前記したように、燃焼ガスは水蒸気を含んでいる。また、水は、大気圧下において、摂氏100度で沸騰するが、液体状態の水から気体状態の水蒸気に相変化するのに相当の熱エネルギーを要する。逆に、水蒸気が水に相変化する場合には、相当の熱エネルギーを放出する。
即ち、潜熱回収型の熱交換器を備えた風呂装置は、水蒸気が水に相変化する際に放出する熱(潜熱)を二次熱交換器で回収することができるものである。
また、本発明の風呂装置は、追い焚きに際して、上流側温度検知手段の検知温度が所定値以上の場合は、循環流路内を通過する湯水の流量を定常流量に維持して運転するが、追い焚きに際して、上流側温度検知手段の検知温度が所定温度に満たない場合は、循環流路内を通過する湯水の流量を定常流量よりも低下して運転し、一定条件を満足するまで定常流量より低下した流量を維持して運転する。これにより、一次熱交換器にドレンが発生することを阻止できる。従って、本発明によると、一次熱交換器が傷むことはない。また、本発明では、循環流量は、一定条件を満足するまで低下された流量が維持されるため、安定した状態で追い焚き運転を実行することができる。
そこで、本発明によれば、設定値に至らない温度であって、追い焚きを維持する必要があるが、浴槽側に送られる湯水の温度が過度に上昇する懸念がある場合には、循環流量の固定を解除する。
なお、顕熱回収型の熱交換器は、フィン付の銅管で形成されており、潜熱回収型の熱交換器はステンレス製の裸管で形成されている。即ち、潜熱回収型の熱交換器10b,11bは、顕熱回収型の熱交換器10a,11aよりも耐腐食性に優れた材料により構成されている。
また、缶体8の外側であって、電磁弁14の燃料ガスの流れ方向上流側には、ガス比例弁15が設けられており、各バーナ12に供給する燃料ガスの量を制御することができる。
また、給湯用回路20には、給湯用熱交換器11よりも湯水の流れ方向下流側で、バイパス流路27と給湯栓28の間に、後述する追い焚き回路21と連通した落とし込み流路23の一端が接続されている。なお、給湯用回路20上で給湯用熱交換器11の前後には、給湯用熱交換器11に導入される湯水の温度と、給湯用熱交換器11に加熱された湯水の温度を検知する温度センサが設けられている。
風呂ポンプ32は、浴槽5を含む循環回路18に水流を発生させ、浴槽5内の湯水を熱源機2に導入し、追い焚き用熱交換器10を経て浴槽5側に送り出すものである。また、本実施形態で採用される風呂ポンプ32は、公知の渦巻きポンプであり、図示しない駆動用モータを備えている。そして、この風呂ポンプ32は、前記駆動用モータの回転数を制御することで、追い焚き用回路21内における湯水の送水量を増減させることができる。即ち、本実施形態では、インバータ制御されるモータ又は直流モータが採用されている。
なお、浴槽5の内側において、湯水吐出口45は、浴槽5の壁面38に沿って下向きに開口している。
そして、給湯栓28が閉側に操作されると、給水部25からの入水量が一定量を下回るため、燃焼装置7の作動を停止して給湯運転を終了する。
追い焚き運転は、リモコン34に設けられた図示しない追い焚きスイッチがオン操作されて人為的に実行させる場合と、浴槽5内の湯水が設定温度を下回ったことを条件に自動的に実行する場合の2通りある。本実施形態の風呂装置1では、いずれの場合においても、追い焚き運転が実行されると、追い焚き用回路(循環流路)21の風呂ポンプ32が起動される。これにより、循環流路21に水流が生じるため、風呂水流スイッチ35が湯水の流れを検知する。そして、風呂水流スイッチ35が水流を検知することを条件に、燃焼装置7が作動されて湯水が加熱されて、湯水吐出口45から浴槽5に吐出される。
なお、この追い焚き運転は、戻り側温度センサ36が検知する湯水の温度が、前記設定温度を維持するように行われるものである。即ち、追い焚き運転は、戻り側温度センサ36の検知温度が前記設定温度より低い温度であれば実行され、戻り側温度センサ36の検知温度が前記設定温度以上であれば実行されないあるいは実行中であれば停止される。
そこで、本実施形態では、この問題を解消するために、追い焚き運転が実行されて、戻り側温度センサ36の検知温度が所定値(本実施形態では摂氏30度に設定されている)を満たない場合に、循環流路21を流れる循環流量を低下させる制御を実行する。
追い焚き運転が実行されると、図4のタイムチャートに示すように、風呂ポンプ32が最大の回転数で起動される。そして、戻り側温度センサ36の検知温度が所定値(摂氏30度)より低いか否かが確認される(図3のSTEP1)。このとき、戻り側温度センサ36が所定値以上であれば、STEP7に進み、風呂ポンプ32の回転数を最大に維持して、循環流路21内の流量が定常流量に制御される。
ここで、本実施形態では、次式に基づいて、風呂ポンプ32の目標回転数を決定する。
即ち、目標回転数=現在の回転数×{(往き側温度センサ37の検知温度−戻り側温度センサ36の検知温度)/(往き側温度センサ37の目標検知温度−戻り側温度センサ36の検知温度)}である。
そして、風呂ポンプ32は、この演算により決定された第一目標回転数に制御されると、一定条件を満足するまで、この決定された目標回転数で駆動する。即ち、本実施形態では、風呂ポンプ32の回転数が第一目標回転数に制御されて、戻り側温度センサ36の検知温度が中間値に達するまで、その回転数が維持される。これにより、追い焚き用熱交換器10から吐出される湯水の温度(往き側温度センサ37で検知される湯水の温度)が、定常流量で流れる場合より短時間で昇温する。
また、本実施形態では、一旦、目標回転数が決定されて、戻り側温度センサ36が中間値を検知するまでは、往き側温度センサ37の検知温度が何度を示そうと、循環流路21を流れる循環流量は戻り側温度センサ36の検知温度のみに左右される制御とされている。そのため、目標回転数で制御されている間は、循環流路21内の循環流量は成り行き流量である。
また、本実施形態では、風呂ポンプ32の回転数を、往き側温度センサ37の検知温度をフィードバックすることなく制御するため、循環流量が安定し、円滑に追い焚きを実行することが可能である。
また、中間値を複数設け、さらに細かく風呂ポンプ32の回転数を制御する構成であっても構わない。
5 浴槽
7 燃焼装置
10a 一次追い焚き熱交換器(追い焚き用熱交換器)
10b 二次追い焚き熱交換器(追い焚き用熱交換器)
11a 一次給湯熱交換器(給湯用熱交換器)
11b 二次給湯熱交換器(給湯用熱交換器)
21 循環流路(追い焚き用回路)
24 ドレン排出系統
32 風呂ポンプ
36 戻り側温度センサ(戻り側温度検知手段)
37 往き側温度センサ(往き側温度検知手段)
Claims (3)
- 燃焼装置が発生する燃焼ガスによって加熱される熱交換器と、浴槽と前記熱交換器との間を湯水が循環する循環流路と、前記循環流路内に湯水を通過させるポンプと、前記熱交換器に対して湯水の流れ方向上流側に配された上流側温度検知手段とを有し、浴槽内の湯水を上流側温度検知手段の検知温度が設定温度に達するまで加熱する追い焚き機能を備えた風呂装置であって、
前記熱交換器は、主に燃焼ガスの顕熱を回収する一次熱交換器と、前記一次熱交換器よりも燃焼ガスの流れ方向下流側にあって主に燃焼ガスの潜熱を回収する二次熱交換器とで構成され、
追い焚きに際して、上流側温度検知手段の検知温度が所定値以上の場合は、循環流路内を通過する湯水の流量を定常流量に維持して運転し、
追い焚きに際して、上流側温度検知手段の検知温度が所定値に満たない場合は、前記ポンプを第二目標回転数に制御して循環流路内を通過する湯水の流量を定常流量よりも低下して運転し、上流側温度検知手段の検知温度が所定値以上となるまで前記ポンプを第二目標回転数に制御する状態を維持し、
追い焚きに際して、上流側温度検知手段の検知温度が前記所定値よりも低い中間値に満たない場合は、前記ポンプを第一目標回転数に制御して循環流路内を通過する湯水の流量をさらに低下して運転し、上流側温度検知手段の検知温度が中間値以上となるまで前記ポンプを第一目標回転数に制御する状態を維持して運転することを特徴とする風呂装置。 - 第一目標回転数は、演算によって決定されることを特徴とする請求項1に記載の風呂装置。
- 二次熱交換器側には、熱交換により発生するドレンを排出するドレン排出系統が備えられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の風呂装置。
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