以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明を適用する第1実施形態を以下に説明する。第1実施形態に係る給湯装置1の構成について図1〜図3を参照して説明する。
給湯装置1は、水を加熱するヒートポンプユニット20と、加熱された温水が貯えられるタンク10と、各種配管11〜14と、追焚き用回路40と、風呂熱回収用回路50と、各種運転を制御する制御装置の一例であるタンクECU2と、を備える。タンク10とヒートポンプユニット20は、設置現場において一体化または離間して設置されている。
給湯装置1は、一般家庭用として使用されるものであり、ヒートポンプユニット20によって生成される高温の湯をタンク10内に貯えるとともに、貯えた湯を給湯用の湯として、台所、洗面所等の給湯端末や風呂へ供給するようになっている。さらに、給湯装置1は、給湯機能の他に、浴槽60に貯められた浴槽水によるタンク10内下部の湯水への熱回収を行う風呂熱回収運転機能と、タンク10内上部の高温水によって浴槽水を加熱する追焚き運転機能と、を有する。
タンク10は、給湯に用いる給湯用水を貯える容器であって、耐食性に優れた金属製、例えばステンレス製の容器である。タンク10は、その外周部に図示しない断熱材が配置されており、給湯用の湯を長時間に渡って保温することができるようになっている。
タンク10は略円筒形形状であり、その底面に導入口100が設けられている。この導入口100にはタンク10内に水道水を供給する導入用流路としての導入管110が接続されている。この導入管110には、給水サーミスタ18及び流量カウンタ(図示せず)が設けられている。給水サーミスタ18は導入管110内の温度を検出するための電気信号をタンクECU2に出力し、流量カウンタは導入管110内の流量を検出するための電気信号をタンクECU2に出力する。
また、導入口100の上流側には、導入管110を流れてくる水道水の水圧を所定圧に減圧するとともに、断水等における湯の逆流を防止する減圧逆止弁(図示せず)が設けられている。また、導入管110には、上流側の部位から分岐する給水管11が接続されている。給水管11の下流端は、給湯用混合弁15及び湯張り用混合弁16に繋がれている。
タンク10の最上部には導出口101が設けられ、この導出口101にはタンク10内に貯えられた給湯用の湯のうち、高温の湯を導出するための給湯用流路としての高温取出管12が接続されている。また、高温取出管12の経路途中には、逃がし弁(図示せず)が配設された排出配管が接続されており、タンク10内の圧力が所定圧以上に上昇した場合には、タンク10内の湯を外部に排出して、タンク10等にダメージを与えないようになっている。
タンク10の外壁面には、給湯用水の貯湯量及び貯湯温度を検出するための貯湯温度検出手段としての複数(本例では7つ)のタンク水温サーミスタ30a〜30gが縦方向(タンク10の高さ方向)にほぼ等間隔に配置されている。タンク水温サーミスタ30a〜30gは、総称してタンク水温サーミスタ30ともいう。タンク水温サーミスタは、高い位置から順に、30a、30b、30c、30d、30e、30f、30gであり、各サーミスタはタンク10内に満たされた給湯用水の各水位レベルでの温度信号をタンクECU2に出力する。特に、タンク水温サーミスタ30gは、タンク10内の最下部に設けられており、タンク底部の水温を検出するタンク下部温度検出手段である。
タンク水温サーミスタ30a〜30gから送信される温度情報に基づいて、タンク10内上方の沸き上げられた温水とタンク内下方の沸き上げられる前の水との温度境界位置を検出することができ、これにより貯湯量が検出できる。例えば、あるタンク水温サーミスタの検出温度が貯湯熱量として使用できる所定温度を超えていた場合は、タンク10内の最上部からそのタンク水温サーミスタの位置までは給湯に使用できる湯が貯まっていることになる。
また、タンク水温サーミスタ30a〜30gのうち、タンク水温サーミスタ30a、30bは、タンク10内の上部に設置されている追焚き用熱交換器41に相当する位置に設けられている。タンク水温サーミスタ30aまたは30bは、追焚き運転時に浴槽水と熱交換されるタンク内上部の高温水の水温を検出する機能を有する。最上部に位置するタンク水温サーミスタ30aは、高温取出管12に吸入される高温の湯の温度であるタンク10内最上部の湯温を検出する出湯サーミスタの機能も有している。
タンク10の下部には、タンク10内の最下部の給湯用水をヒートポンプユニット20側に吸入するための吸入口102が設けられている。タンク10の上部には、ヒートポンプユニット20側から吐出された湯が内部に流入するための吐出口103が設けられている。吸入口102と吐出口103とは加熱用回路21で接続されており、この加熱用回路21の一部はヒートポンプユニット20における水冷媒熱交換器(図示せず)の水側通路となっている。加熱用回路21のうち、ヒートポンプユニット20内を通過した部分は、ヒートポンプユニット20で加熱された高温の湯をタンク10内に流入させる上部流入管として機能する。
ヒートポンプユニット20は、冷媒として臨界温度の低い二酸化炭素を使用するヒートポンプサイクルと、加熱用回路21中に設置された給水ポンプ(図示せず)とから構成される加熱装置の一例である。超臨界のヒートポンプサイクルによれば、一般的なヒートポンプサイクルよりも高温、例えば、85℃〜90℃程度の湯をタンク10内に貯えることができる。
ヒートポンプサイクルは、少なくとも電動式の圧縮機、加熱用熱交換器である水冷媒熱交換器、電気式の膨張弁、及び空気熱交換器が配管で環状に接続されることにより形成されている(いずれの部品も図示せず)。さらに、空気熱交換器の近傍には、空気熱交換器に対して強制風を提供する送風機が設けられている。
ヒートポンプユニット20は、タンクECU2と通信可能なヒートポンプECU22からの制御信号に応じて作動するとともに、その作動状態を操作盤(台所リモコン3、浴室リモコン4)に表示するように構成されている。ヒートポンプユニット20は、電力供給契約等に基づいて料金設定が安価である深夜料金時間帯において、深夜電力を利用した圧縮機の回転数制御によって、タンク10内の給湯用水を貯える沸き上げ運転を行う。さらに、ヒートポンプユニット20は、深夜料金時間帯以外の時間帯においても、タンク10内の貯湯熱量が不足してくると沸き上げ運転を行う。また、圧縮機の回転数は、種々の運転条件下において所定の吐出能力が出るようにヒートポンプECU22により制御される。
膨張弁は、水冷媒熱交換器から流出する高圧の冷媒を減圧する減圧手段であり、ヒートポンプECU22によって弁開度が電気的に制御される。空気熱交換器は、膨張弁で減圧された冷媒を送風機によって送風される室外空気との熱交換によって蒸発気化させ、圧縮機にガス冷媒を供給する。送風機は、空気熱交換器の熱交換性能を確保するようにヒートポンプECU22によって回転数が制御される。
水冷媒熱交換器は、圧縮機の吐出口より吐出された高温・高圧の冷媒によって水を加熱して高温の湯にする熱交換器である。水冷媒熱交換器の冷媒側通路は、圧縮機の吐出口より吐出された高圧のガス冷媒と水側通路を流れる給湯用水とを熱交換する冷媒流路管により構成されている。水冷媒熱交換器は、冷媒側通路と水側通路の対向する面とが熱交換可能に密着するように配置された二層構造となっている。水側通路は、冷媒側通路の冷媒入口部から冷媒出口部に至る冷媒流路の全長で冷媒と加熱用回路21を流通する水との熱交換が行われるように構成されている。そして、水側通路の出口部から所定の沸き上げ温度(65℃〜90℃程度)相当の温水を取り出した場合に、規定の熱交換性能を出せるように構成されている。
加熱用回路21の吸入口102と水側通路との間には、ヒートポンプユニット20内に給水ポンプが配設されている。給水ポンプは、内蔵される電動モータによって回転駆動されて、沸き上げ運転時に、タンク10内の給湯用水を吸入口102から吸入し、水側通路内で加熱した後タンク10の吐出口103に還流させるように作動する。給水ポンプは、水側通路の出口側水温が、種々の運転条件下において決定される所定の目標沸き上げ温度となるようにヒートポンプECU22によって回転数が制御される。
高温取出管12と給水管11との下流側合流部位には、給湯用混合弁15が設けられている。給湯用混合弁15は、温度調節弁であって、高温側の通路、低温側の通路のそれぞれの開口面積比(弁開度)を調節して、高温取出管12から取出した高温の湯と、給水管11から供給される給湯水との混合比を調節する。これにより、給湯用混合弁15は、給湯用混合弁15よりも下流側に接続された給湯用配管13に流通させる湯の温度をユーザーが設定する設定温度または設定温度以上に調節する。給湯用混合弁15の弁開度は、タンクECU2によって制御される。
給湯用配管13は、下流端の給湯端末としての給湯水栓(例えばカラン、シャワー等)へ設定温度に温度調節された湯を導く配管である。給湯用配管13の中途には、温度検出手段としての給湯サーミスタ19と流量検出手段としての流量カウンタ130が設けられている。給湯サーミスタ19は、給湯用混合弁15の下流側で給湯用配管13内の水温を検出するための電気信号をタンクECU2に出力する。
風呂用配管14は、給湯用混合弁15よりも上流側で給湯用配管13から分岐する配管であり、浴槽流出配管53に接続されて浴槽60内に湯張り、たし水(たし湯を含む)等を行う時に、風呂設定温度(浴槽水の設定温度)に温度調節された湯水を浴槽60に導く。風呂用配管14の中途には、上流側から順に、湯張り用電磁弁17、逆止弁140、湯張り用流量カウンタ141、逆止弁142が設けられている。湯張り用流量カウンタ141は、風呂用配管14を流下する水量を検出するための電気信号をタンクECU2に出力する。
風呂用配管14と給水管11の下流側との合流部位には、湯張り用混合弁16が設けられている。湯張り用混合弁16は、温度調節弁であって、高温側の通路、低温側の通路のそれぞれの開口面積比(弁開度)を調節して、高温取出管12から取出した高温の湯と、給水管11から供給される低温の水との混合比を調節する。これにより、湯張り用混合弁16は、浴槽60に供給する湯の温度をユーザーが設定する風呂設定温度に調節する。湯張り用混合弁16の弁開度は、タンクECU2によって制御される。湯張り用電磁弁17は風呂用配管14の通路を開閉する弁であり、浴槽60内への湯張り、差し湯、たし湯等を行う時にタンクECU2により制御される。
浴槽60の側壁には、吐出口61および吸入口62を有するアダプタが設けられている。浴槽60には、吐出口61から流出した浴槽60内の浴槽水が通る浴槽流出配管53と、再び浴槽水が吸入口62から浴槽60内に戻るときに通る浴槽流入配管52と、が設けられている。浴槽流出配管53の下流端と浴槽流入配管52の上流端には、タンク10内の下部に設置される風呂熱回収用熱交換器51が接続されている。風呂熱回収用熱交換器51、浴槽流出配管53、浴槽流入配管52、及び浴槽60は、風呂熱回収用回路50を構成する。
浴槽60の吐出口61と風呂熱回収用熱交換器51との間にある浴槽流出配管53には、浴槽60から近い順に、風呂用ポンプ63、水位センサ64、フロースイッチ65、及び湯張りサーミスタ66が設けられている。風呂用ポンプ63は、浴槽60内の浴槽水を風呂熱回収用熱交換器51側に圧送して、再び浴槽60に戻すように循環させる電動ポンプであり、タンクECU2によってその作動が制御される。また、風呂用ポンプ63は、浴槽60内の浴槽水を追焚き用熱交換器41側に圧送して、再び浴槽60に戻すように循環させる電動ポンプでもある。フロースイッチ65は、浴槽流出配管53内に湯水が流通しているか否かを検出するための流水センサである。
水位センサ64は、浴槽60内に湯張りされた浴槽水の湯量、言い換えれば浴槽60内の水位レベルを求めるための水圧を検出するセンサであり、水圧信号をタンクECU2に出力する。つまり、タンクECU2は、当該水圧信号に基づいて浴槽60内の水量を求めることができる。湯張りサーミスタ66は、浴槽60内に湯張りを行うとき、浴槽60の湯を循環させるとき、浴槽60から風呂熱回収用熱交換器51へ流出するとき等に、浴槽水温を検出し、検出した浴槽水温の信号をタンクECU2に出力する。
風呂熱回収用熱交換器51と浴槽60の吸入口62との間にある浴槽流入配管52には、追焚きサーミスタ67が設けられている。追焚きサーミスタ67は、風呂熱回収用熱交換器51から浴槽60へ流入する温度を検出する温度検出手段であり、検出した温度信号をタンクECU2に出力する。また、追焚きサーミスタ67は、追焚き用熱交換器41から浴槽60に向けて流出する浴槽水の温度も検出することができる。
風呂熱回収用熱交換器51は、浴槽水の熱をタンク10内の下部の低温水領域に回収して浴槽水によって低温水領域に熱を貯えるための風呂熱回収手段である。浴槽流入配管52には、追焚き用熱交換器41に通じるバイパス配管42が接続されている。さらに、浴槽流出配管53とバイパス配管42とは、配管の途中で連絡配管44を介して繋がっている。
バイパス配管42は、浴槽60を流出して浴槽流出配管53を流れてきた浴槽水が、連絡配管44を経由した後、風呂熱回収用熱交換器51を通らないで追焚き用熱交換器41に向かって流れ、さらに浴槽流入配管52に流入するまでに通る配管である。浴槽流出配管53、連絡配管44、バイパス配管42、追焚き用熱交換器41、浴槽流入配管52、及び浴槽60は、追焚き用回路40を構成する。
風呂熱回収用熱交換器51よりも下流に位置する部位の浴槽流入配管52には、熱回収三方弁54が設けられている。熱回収三方弁54は、浴槽流入配管52における風呂熱回収用熱交換器51側の通路と、浴槽流入配管52における浴槽60側の通路と、バイパス配管42における追焚き用熱交換器41側の通路とのうち、いずれか2つの通路を選択して連通させる切換弁である。熱回収三方弁54は、これら3つの通路の接続部に設けられ、実施する運転(風呂熱回収運転、追焚き運転)に応じて、所定の2つの通路を接続するように、タンクECU2によってその作動が制御される。
追焚き用熱交換器41よりも上流に位置する部位のバイパス配管42には、風呂三方弁43が設けられている。風呂三方弁43は、連絡配管44の通路と、バイパス配管42における追焚き用熱交換器41側の通路と、バイパス配管42における浴槽流入配管52側の通路とのうち、いずれか2つの通路を選択して連通させる切換弁である。風呂三方弁43は、これら3つの通路の接続部に設けられ、実施する運転(風呂熱回収運転、追焚き運転)に応じて、所定の2つの通路を接続するように、タンクECU2によってその作動が制御される。
追焚き用熱交換器41は、風呂三方弁43及び熱回収三方弁54による連通通路の切換えと風呂用ポンプ63の作動とによって、追焚き用回路40を循環する浴槽水を、タンク10内の上部の高温水によって加熱することで追焚きする追焚き用熱交換手段である。風呂熱回収用熱交換器51は、風呂三方弁43及び熱回収三方弁54による連通通路の切換えと、風呂用ポンプ63の作動とによって、風呂熱回収用回路50を循環する浴槽水の熱量を、タンク10内下部の低温水に受熱させて、風呂熱を回収する熱交換器である。
風呂熱回収運転の際には、タンクECU2は、風呂三方弁43を制御して図1のX1方向の通路を接続し、熱回収三方弁54を制御して図1のY1方向の通路を接続する。このとき、風呂三方弁43は、連絡配管44の通路とバイパス配管42における追焚き用熱交換器41側の通路とを連通する。熱回収三方弁54は、浴槽流入配管52における風呂熱回収用熱交換器51側の通路と浴槽流入配管52における浴槽60側の通路とを連通する。
追焚き運転の際には、タンクECU2は、熱回収三方弁54を制御して図1のX2方向の通路を接続し、風呂三方弁43を制御して図1のY1方向の通路を接続する。このとき、熱回収三方弁54は、バイパス配管42における追焚き用熱交換器41側の通路と浴槽流入配管52における浴槽60側の通路とを連通する。風呂三方弁43は、連絡配管44の通路とバイパス配管42における追焚き用熱交換器41側の通路とを連通する。
また、浴槽60内の浴槽水温度を検出する際には、タンクECU2は、風呂三方弁43を制御して図1のY2方向の通路を接続し、熱回収三方弁54を制御して図1のX2方向の通路を接続する。このとき、風呂三方弁43は、連絡配管44の通路とバイパス配管42における浴槽流入配管52側の通路とを連通する。熱回収三方弁54は、浴槽流入配管52における風呂熱回収用熱交換器51側の通路と、バイパス配管42における追焚き用熱交換器41側の通路とを連通する。
風呂熱回収運転、追焚き運転に関する自動制御は、主にタンクECU2による各部作動の制御により、実行される。タンクECU2は、マイクロコンピュータを主体として構成される。例えば、風呂熱回収運転、追焚き運転を自動で制御する制御装置は、タンクECU2、ヒートポンプECU22、またはこれらのECUを統合するシステムECUによって構成してもよい。
タンクECU2に内蔵されるRAM、ROM等の記憶装置には、給湯運転、風呂熱回収運転、追焚き運転等に関する制御プログラムが記憶されている。タンクECU2には、各サーミスタ30、18、19、66、67からの温度信号、水位センサ64からの水位信号、各流量カウンタ130、141等からの流量信号、フロースイッチ65からの流水信号、各操作盤からの入力信号等が入力される。タンクECU2は、これらの信号と制御プログラムとに基づいて、各混合弁15、16、各三方弁43、54、湯張り用電磁弁17、風呂用ポンプ63を制御し、ヒートポンプECU22は、ヒートポンプユニット20を制御するように構成される。
台所リモコン3、浴室リモコン4を含む操作盤には、風呂自動運転スイッチ、給湯設定温度スイッチ、湯張りスイッチ、湯張り設定温度スイッチ、湯張り設定湯量スイッチ、追焚きスイッチ、追焚き設定温度スイッチ、風呂熱回収スイッチ等が設けられている。風呂自動運転スイッチが操作されることにより風呂自動運転が設定されると、タンクECU2は、浴槽水の温度を風呂設定温度に、浴槽水量を設定湯量に維持するように、必要に応じて追焚き運転、風呂熱回収運転、湯張り、たし水等を実行する。
(沸き上げ運転)
タンクECU2は、ヒートポンプECU22を介して、深夜料金時間帯には安価な深夜電力を用いてヒートポンプユニット20による沸き上げ運転を指示する。この沸き上げ運転では、タンク10内の下部側の給湯水を加熱用回路21に循環させ、ヒートポンプユニット20で加熱し、沸き上げた高温の湯を吐出口103からタンク10の上部側に貯める。沸き上げ運転は、必要な熱量がタンク10に貯まれば終了する。
(給湯運転、湯張り運転)
昼間の台所や洗面所での湯の使用時、また風呂への湯張り時には、タンクECU2は、ユーザーによって操作盤の給湯設定温度スイッチ及び湯張り設定温度スイッチから入力設定される設定温度と適合する湯を、タンク10の給湯用水を用いて出湯する。この給湯運転、湯張り運転では、給湯用混合弁15及び湯張り用混合弁16の弁開度を調節して、タンク10の導出口101から取出される高温の湯と給水管11から供給される給湯水とを混合して温度調節した湯として供給する。
(風呂自動運転、追焚き運転、風呂熱回収運転)
タンクECU2は、浴槽60内の浴槽水の温度低下に対しては、湯張り運転後の風呂保温設定時間範囲(ユーザーが設定する時間であり、例えば4時間)において、浴槽水温度を設定温度に保持する風呂自動運転を実施する。すなわち、タンクECU2は、熱回収三方弁54、風呂三方弁43を制御し、風呂用ポンプ63を作動させ、浴槽60、浴槽流出配管53、連絡配管44、バイパス配管42、及び浴槽流入配管52を循環する浴槽水の流れを形成する。
そして、湯張りサーミスタ66及び追焚きサーミスタ67の少なくとも一方が検出する浴槽水温度が設定温度より低い場合には、タンクECU2は、追焚き運転を実行する。追焚き運転では、タンクECU2は、風呂三方弁43を制御して図1のY1方向の通路を接続し、熱回収三方弁54を制御して図1のX2方向の通路を接続するとともに、風呂用ポンプ63を継続作動させる。これにより、浴槽水は、追焚き用回路40を循環して追焚き用熱交換器41によって加熱される。タンクECU2は、追焚きサーミスタ67が検出する温度が設定温度になると、風呂用ポンプ63を停止させ、追焚き運転を終了する。なお、追焚き運転は、風呂自動運転が設定されているときだけでなく、ユーザーによって操作盤の追焚きスイッチが操作されて運転要求が入力された場合にも実行される。
また、湯張りサーミスタ66及び追焚きサーミスタ67の少なくとも一方が検出する浴槽水温度が設定温度より高い場合には、タンクECU2は、風呂熱回収運転を実行する。風呂熱回収運転では、タンクECU2は、風呂三方弁43を制御して図1のY1方向の通路を接続し、熱回収三方弁54を制御して図1のX1方向の通路を接続するとともに、風呂用ポンプ63を継続作動させる。なお、風呂熱回収運転は、風呂自動運転が設定されているときだけでなく、ユーザーによって操作盤の風呂熱回収スイッチが操作されて運転要求が入力された場合にも実行される。
次に、給湯装置1の風呂自動運転における風呂温調制御の処理手順について図3のフローチャートを参照して説明する。
タンクECU2は、風呂自動運転が設定されている場合に、図3のフローチャートを開始して、以下の風呂温調制御を実行する。また、風呂温調制御は、風呂自動運転の設定が解除された場合には強制的に終了する。
タンクECU2は、ステップ10でフロースイッチ65の検出信号を取得する。このとき、タンクECU2は、風呂三方弁43を制御して図1のY2方向の通路を接続し、熱回収三方弁54を制御して図1のX2方向の通路を接続し、風呂用ポンプ63を駆動する。これにより、浴槽の中に残湯がある場合には、浴槽水が浴槽流出配管53、連絡配管44、風呂三方弁43、バイパス配管42、浴槽流入配管52、浴槽60を循環するようになる。タンクECU2は、この状態でフロースイッチ65の検出信号を取得する。
そしてステップ20で、当該取得した検出信号に基づいて、浴槽60に残湯があるか否かを判定する。ステップ20で、残湯がないと判定すると、風呂自動運転が設定されている間は、ステップ10に戻り、以降の各処理を継続する。
ステップ20で、残湯があると判定すると、タンクECU2は、ステップ30で、湯張りサーミスタ66等によって検出される浴槽水の温度が風呂設定温度よりも低いか否かを判定する。ステップ30で浴槽水の温度が風呂設定温度よりも低いと判定すると、浴槽水温度を風呂設定温度に近づけるために、上記の追焚き運転を実行する。
そして、タンクECU2は、ステップ50で、熱回収三方弁54を制御して図1のX2方向の通路を接続し、風呂三方弁43を制御して図1のY1方向の通路を接続する。さらにステップ51で、風呂用ポンプ63を駆動する。これにより、バイパス配管42における追焚き用熱交換器41側の通路と浴槽流入配管52における浴槽60側の通路とが連通し、連絡配管44の通路とバイパス配管42における追焚き用熱交換器41側の通路とが連通する。そして、浴槽水が追焚き用回路40を循環し、浴槽水は、追焚き用熱交換器41でタンク10内上部の高温水から受熱して温度上昇し、浴槽60に戻ってくる。この追焚き運転により、浴槽60に貯められた水温は上昇し、風呂設定温度に近づく。
この追焚き運転は、ステップ52で、浴槽水の温度が風呂設定温度以上であると判定するまで継続する。浴槽水の温度が風呂設定温度よりも低い間は、ステップ50、51、52(風呂昇温制御)を継続する。そして、タンクECU2は、ステップ52で浴槽水の温度が風呂設定温度以上であると判定すると、ステップ53で、風呂用ポンプ63の運転を停止して追焚き運転を終了する処理を実行し、ステップ10に戻る。風呂自動運転が設定されている間は、以降の各処理を継続する。
一方、ステップ30で浴槽水の温度が風呂設定温度以上であると判定すると、浴槽水の温度がユーザーの要求する温度以上であり、浴槽水の熱量を有効に活用するために、上記の風呂熱回収運転を実行する。
そして、タンクECU2は、ステップ40で、熱回収三方弁54を制御して図1のX1方向の通路を接続し、風呂三方弁43を制御して図1のY1方向の通路を接続する。さらにステップ41で、風呂用ポンプ63を駆動する。これにより、連絡配管44の通路とバイパス配管42における追焚き用熱交換器41側の通路とが連通し、浴槽流入配管52における風呂熱回収用熱交換器51側の通路と浴槽流入配管52における浴槽60側の通路とが連通する。そして、浴槽水が風呂熱回収用回路50を循環し、浴槽水は、風呂熱回収用熱交換器51で、タンク10内下部の低温水に対して放熱し、当該低温水を温度上昇させ、浴槽60に戻ってくる。この風呂熱回収運転により、浴槽水の温度は低下し、タンク10内下部に位置する水に浴槽水の熱量が移動して蓄えられる。
風呂熱回収運転中に、ステップ42で、浴槽水の温度が、タンク水温サーミスタ30gによって検出されるタンク底部の水温よりも高いか否かを判定する。ステップ42で、タンク底部の水温が浴槽水の温度以上であると判定すると、風呂熱回収ができないため、ステップ44で、風呂用ポンプ63の運転を停止して風呂熱回収運転を終了する処理を実行し、ステップ10に戻る。風呂自動運転が設定されている間は、以降の各処理を継続する。
一方、ステップ42でタンク底部の水温が浴槽水の温度未満であると判定すると、風呂熱回収運転を、ステップ43で浴槽水の温度が風呂設定温度よりも低いと判定するまで継続する。浴槽水の温度が風呂設定温度以上である間は、ステップ40、41、42、43(風呂降温制御)を継続する。そして、タンクECU2は、ステップ43で浴槽水の温度が風呂設定温度よりも低いと判定すると、これ以上風呂熱回収運転を継続してしまうとユーザーの望む風呂設定温度が確保できない。このため、ステップ44で風呂用ポンプ63の運転を停止して風呂熱回収運転を終了する処理を実行し、ステップ10に戻り、風呂自動運転が設定されている間は、以降の各処理を継続する。
このように風呂自動運転の風呂温調制御によれば、ステップ30の判定結果に応じて、浴槽水の温度を昇温させる追焚き運転と、浴槽水の温度を降温させてタンク10に給湯用熱量として回収する風呂熱回収運転とを自動的に選択する制御を実施できる。なお、ステップ30、43、52での判定には、「風呂設定温度」を用いているが、例えば、風呂設定温度に対して所定温度の幅(当該幅はゼロでもよい)をもたせた「風呂目標温度」を採用するようにしてもよい。この風呂目標温度を採用することにより、風呂温調制御の過程で、浴槽水の温度が風呂設定温度よりも低下してしまう事態を抑制できる。したがって、入浴中のユーザーに対して、温度低下による不便さを与えにくい給湯装置1を提供できる。
次に、第1実施形態の給湯装置1がもたらす作用効果について説明する。給湯装置1は、追焚き用熱交換器41と、風呂熱回収用熱交換器51と、湯張りサーミスタ66で検出された浴槽水の検出温度を風呂目標温度に近づける風呂自動運転を制御する制御装置(タンクECU2)と、を備える。制御装置は、風呂自動運転の実施中に、風呂目標温度と浴槽水の検出温度とに応じて、追焚き運転と風呂熱回収運転とのいずれかを選択して実行し、浴槽水の検出温度を風呂目標温度に近づけるように制御する。
この制御によれば、浴槽水の温度が風呂目標温度(あるいは風呂設定温度)に達していないときには追焚き運転を実施する。また、浴槽水の温度が風呂目標温度(あるいは風呂設定温度)を超えているときには風呂熱回収運転を実施する。このように、追焚き運転と風呂熱回収運転とが連携した制御により、ユーザーの意思に関係なく自動で運転が選択されるため、ユーザーの快適性を確保する風呂自動運転を実現できる。換言すれば、ユーザーの好みによる運転の選択でなく、ユーザーの望む風呂目標温度(例えば、風呂設定温度)を基準にして、風呂目標温度を満たしつつ、浴槽水の熱量を給湯用熱量として有効活用できる制御を実現できるのである。
また、制御装置(タンクECU2)は、風呂目標温度(あるいは風呂設定温度)が浴槽水の検出温度よりも高い場合は、追焚き運転を実行する(ステップ50、51、52)。制御装置は、風呂目標温度(あるいは風呂設定温度)が浴槽水の検出温度よりも低い場合は、風呂熱回収運転を実行し(ステップ40、41)、さらに風呂目標温度が浴槽水の検出温度よりも高くなると風呂熱回収運転を終了する(ステップ43、44)。
この制御によれば、浴槽水の温度と風呂目標瀬底温度との大小に応じて、追焚き運転と風呂熱回収運転のいずれかを実施する。そして、浴槽60の湯温が風呂目標温度を下回らないように、風呂熱回収運転を継続するため、ユーザーの快適性を損なうことなく、風呂の余分な熱量をタンクに蓄えて後の給湯のために有効活用する制御を提供できる。
また、制御装置は、風呂熱回収運転の実施中に、風呂目標温度が浴槽水の検出温度よりも高くなるか、浴槽水の検出温度よりもタンク10内の下部の給湯用水の検出温度が高くなるかのいずれかが成立した場合、風呂熱回収運転を終了する(ステップ42、43、44)。
この制御によれば、風呂熱回収運転が選択、実行された場合に、その終了タイミングを上記の2つの条件のいずれかが成立したときに設定できる。したがって、ユーザーのフィリングを損なわず、かつ省エネルギー面にも優れた適切なタイミングで、風呂熱回収運転を終了する制御を提供できる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、風呂自動運転における風呂温調制御について、第1実施形態と異なる実施形態を説明する。第2実施形態の風呂温調制御は、ステップ30で浴槽水の温度が風呂設定温度(前述の風呂目標温度も含む)以上であると判定した場合に実施する風呂降温制御が第1実施形態のものと相違する。
図4のフローチャートにおいて、第1実施形態で説明した図3のフローチャートと同様の処理を実行するステップには同一のステップ番号を付している。以下、第2実施形態について、第1実施形態と異なる実施形態についてのみ説明する。
給湯装置1の風呂自動運転における風呂温調制御の処理手順について図4及び図5のフローチャートを参照して説明する。図5のフローチャートは、風呂降温制御のサブルーチンの処理手順を示す。タンクECU2は、風呂自動運転が設定されている場合に、図4のフローチャートを開始して、以下の風呂温調制御を実行する。また、風呂温調制御は、風呂自動運転の設定が解除された場合には強制的に終了する。
タンクECU2は、図4に示すステップ30で、湯張りサーミスタ66等によって検出される浴槽水の温度が風呂設定温度以上であると判定すると、浴槽水の熱量を有効に活用するために、ステップ60の風呂降温制御ルーチンを実行する。
以下、風呂降温制御ルーチンについて説明する。タンクECU2は、図5に示すステップ610で、熱回収三方弁54を制御して図1のX1方向の通路を接続し、風呂三方弁43を制御して図1のY1方向の通路を接続する。さらにステップ620で、風呂用ポンプ63を駆動する。これにより、連絡配管44の通路とバイパス配管42における追焚き用熱交換器41側の通路とが連通し、浴槽流入配管52における風呂熱回収用熱交換器51側の通路と浴槽流入配管52における浴槽60側の通路とが連通する。そして、浴槽水が風呂熱回収用回路50を循環し、浴槽水は、風呂熱回収用熱交換器51で、タンク10内下部の低温水に対して放熱し、当該低温水を温度上昇させ、浴槽60に戻ってくる。この風呂熱回収運転により、浴槽水の温度は低下し、タンク10内下部に位置する水に浴槽水の熱量が移動して蓄えられる。
タンクECU2は、この風呂熱回収運転中に、ステップ630で浴槽60に貯められている熱量を算出する。この浴槽内熱量は、浴槽60の水量、水温を用いて算出することができる。タンクECU2は、水位センサ64によって検出される電気信号を取得して浴槽の水量を算出し、湯張りサーミスタ66が検出する電気信号を取得して水温を算出する。
次に、風呂熱回収運転中に、ステップ640で、浴槽60の水温がタンク水温サーミスタ30gによって検出されるタンク底部の水温よりも高いか否かを判定する。ステップ640で、タンク底部の水温が浴槽60の水温未満であると判定すると、風呂熱回収運転を、ステップ650で浴槽60の水温が風呂設定温度よりも低いと判定するまで継続する。
浴槽水の温度が風呂設定温度以上である間は、ステップ610、620、630、640(風呂熱回収運転)を継続する。そして、タンクECU2は、ステップ650で浴槽水の温度が風呂設定温度よりも低いと判定すると、これ以上風呂熱回収運転を継続してしまうとユーザーの望む風呂設定温度が確保できない。このため、ステップ670で風呂用ポンプ63の運転を停止して風呂熱回収運転を終了する処理を実行し、ステップ10に戻り、風呂自動運転が設定されている間は、以降の各処理を継続する。
一方、ステップ640でタンク底部の水温が浴槽60の水温以上であると判定すると、風呂熱回収は実施できない。そして、タンクECU2は、ステップ660で風呂用ポンプ63の運転を停止して浴槽水の循環を停止した後、ステップ661で、先のステップ630で算出した浴槽内熱量が目標浴槽内熱量以上であるか否かを判定する。タンクECU2は、入力されている設定湯量(浴槽60に貯める湯量として設定された値)と風呂設定温度とを用いて目標浴槽内熱量を算出できる。設定湯量は、例えば、湯張り設定湯量スイッチの操作によって設定された値や、風呂自動運転の設定時に予め設定されている値である。
ステップ661で浴槽内熱量が目標浴槽内熱量に達していないと判定すると、ステップ10に戻り、風呂自動運転が設定されている間は、以降の各処理を継続する。ステップ661で浴槽内熱量が目標浴槽内熱量以上であると判定すると、浴槽水の温度を風呂設定温度に近づけるために、タンクECU2は、ステップ662で、たし水を実施するときの浴槽60内に補充する水量を算出する。この補充水量は、ステップ630で算出された浴槽内熱量に対して目標浴槽内熱量にするために、すなわち風呂設定温度まで浴槽水の温度を降温させるために、浴槽60に供給する必要のある水量として算出される。
そして、タンクECU2は、ステップ663で、湯張り用混合弁16及び湯張り用電磁弁17を制御して、算出した補充水量分の注水を浴槽60内に行う。次にステップ664で、注水処理を行った後の浴槽60の水温が、風呂設定温度以下であるか否かを判定する。ステップ664で、浴槽60の水温がまだ風呂設定温度よりも高いと判定すると、ステップ10に戻り、風呂自動運転が設定されている間は、以降の各処理を継続する。
ステップ664で、浴槽60の水温が風呂設定温度以下であると判定すると、タンクECU2は、ステップ665で湯張り用混合弁16及び湯張り用電磁弁17を制御して注水処理を終了し、ステップ10に戻り、引き続き以降の各処理を継続する。
このように風呂自動運転の風呂降温制御によれば、ステップ640の判定結果に応じて、浴槽60内の熱量とタンク10内の熱量との関係から風呂熱回収運転ができない状況でも、浴槽水の温度をユーザーが望む温度に合わせることができる。
第2実施形態によれば、制御装置(タンクECU2)は、浴槽60に貯められた浴槽内熱量を算出する浴槽内熱量手段(ステップ630)を有する。制御装置は、さらに、算出された浴槽内熱量を風呂目標温度に適合する目標浴槽内熱量にするために、浴槽60に供給する必要のある補充水量を算出する補充水量算出手段(ステップ662)を有する。制御装置は、風呂自動運転の実施中に、風呂目標温度が浴槽水の検出温度よりも低く、かつ、タンク10内の下部の給湯用水の検出温度が浴槽水の検出温度よりも高い場合には、補充水量算出手段によって算出された補充水量の水を浴槽60に供給する。
浴槽水の温度が風呂目標温度または風呂設定温度よりも高い場合でも、浴槽水の熱量が不足しており、タンク10内の下部の給湯用水温度よりも低いと、風呂熱回収運転ができない。そこで、上記の制御によれば、風呂熱回収運転ができない場合に限り、算出した補充水量のたし水を浴槽60内に供給することにより、浴槽水の温度を風呂設定温度に近づけることができる。したがって、浴槽水の温度が風呂設定温度に達していないときには追焚き運転を実施し、浴槽水の温度が風呂設定温度を超えていて風呂熱回収運転ができないときには、例外的にたし水を実施してユーザーの快適性を確保する風呂自動運転を実現できる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
上記実施形態では、風呂熱回収運転及び追焚き運転の自動制御を実行する制御装置は、タンクECU2であるが、本発明はこの形態に限定されるものではない。例えば、風呂自動運転において風呂熱回収運転、追焚き運転を制御する制御装置は、タンクECU2、ヒートポンプECU22、またはこれらのECUを統合するシステムECUによって構成してもよい。
上記実施形態では、給湯装置に含まれる給湯用水を加熱する加熱装置として、ヒートポンプユニット20を採用した例を示しているが、本発明はこの形態に限定されるものではない。例えば、給湯装置は、高温水をタンク内に貯えるために、タンクと加熱装置との間で給湯用水を循環させるウォータポンプ等の電気機器を有する装置、電気ヒータで水を直接加熱する電気給湯機、ガスや灯油を燃料として湯を沸き上げる給湯装置等であってもよい。
上記実施形態では、追焚き用熱交換器41、風呂熱回収用熱交換器51は、タンク10内に配置される通路により構成されているが、本発明はこの形態に限定されるものではない。例えば、本発明に係る追焚き用熱交換器41は、タンク10の外部に設置されて、循環させたタンク10内上部の高温水と熱交換することにより、浴槽水を加熱する熱交換器であってもよい。また、風呂熱回収用熱交換器51は、タンク10の外部に設置されて、循環させたタンク10内下部の低温水と熱交換することにより、浴槽水の熱量をタンク10内部に回収する熱交換器であってもよい。
上記実施形態では、ヒートポンプユニット20は、水を沸き上げて生成した給湯用水を直接タンク10に供給するが、本発明に係る加熱装置は、このような形態に限定されない。例えば、ヒートポンプユニット20は、何らかの流体を沸き上げ、その流体をタンク10に直接供給するのではなく、流体の熱量をタンク10に貯えられる給湯用水に対して熱交換器等を介して与える形態でもよい。
また、ヒートポンプユニット20のヒートポンプサイクルを流れる作動冷媒は、二酸化炭素に限定されるものではなく、フロン等の他の冷媒であってもよい。