(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態における貯湯式給湯装置を図1および図2に基づいて説明する。図1は貯湯式給湯装置の全体構成を示す模式図であり、図2は給湯制御装置40による追い焚き運転の制御処理を示すフローチャートである。
本実施形態の貯湯式給湯装置は、一般家庭用として使用されるものであり、貯湯タンク10内に貯えられた給湯用流体である給湯用水を熱源として、台所、洗面所、浴室などへの給湯機能の他に、お湯張りされた浴槽2内の浴水を追い焚きする機能を備えている。
貯湯式給湯装置は、図1に示すように、大別するとタンクユニット1、ヒートポンプサイクルからなるヒートポンプユニット20、給湯制御装置40から構成している。そして、タンクユニット1は、貯湯タンク10を備えるとともに、給湯機能と追い焚き機能のための貯湯タンク10に接続される各種の流路から構成している。
まず、給湯機能として、貯湯タンク10、ヒートポンプユニット20、およびタンクユニット1の各種流路のうち、貯湯タンク10の下部から吸い込んだ水道水をヒートポンプユニット20に循環させて貯湯タンク10の上部に送る水回路を形成する流体加熱用流路26、貯湯タンク10に水道水を給水する給水用流路となる給水用配管11、貯湯タンク10内の給湯用水を出湯する給湯用流路となる給湯用配管17、17aから構成している。
貯湯タンク10は、耐食性に優れた金属製(例えば、ステンレス製)のタンクであり、外周部に図示しない断熱材が配置されており、高温の給湯用水を長時間に渡って保温することができる。また、貯湯タンク10は縦長形状であり、その底面には導入口10aが設けられ、この導入口10aに、貯湯タンク10内に水道水を導入する給水用配管11が接続されている。
給水用配管11の上端には、導入される水道水の水圧が所定圧となるように調節するとともに、断水などにおける湯の逆流を防止する図示しない減圧逆止弁が設けられている。さらに、給水用配管11には給水サーミスタ51が設けられており、給水用配管11内の温度情報を後述する給湯制御装置40に出力するようになっている。
なお、導入口10aに接続される給水用配管11には、中途に分岐点を設けて、後述する流体加熱用流路26と、後述する給湯用、お湯張り用混合弁15、15aの一方の入口側とに繋がれている。
一方、貯湯タンク10の最上部には導出口10bが設けられ、この導出口10bには貯湯タンク10内に貯えられた給湯用水のうち、高温の給湯用水を導出するための高温取り出し管12が接続されている。
そして、この高温取り出し管12の経路途中には、図示しない逃がし弁が設けられた排出配管を接続しており、貯湯タンク10内の圧力が所定圧以上に上昇した場合には、貯湯タンク10内の給湯用水を外部に排出して、貯湯タンク10などにダメージを与えないようになっている。
また、図中に示す13は、貯湯タンク10内に貯えられた給湯用水のうち、高温の給湯用水よりも湯温の低い中温の給湯用水を取り出すための中温取り出し管であり、貯湯タンク10縦方向の略中央部に形成された導出口10cから中温の湯を取り出すようにしている。
そして、高温取り出し管12と中温取り出し管13との下流側合流部位に、流量調節弁である高中温混合弁14が設けられている。この高中温混合弁14は、その下流側に設けられた給湯用、お湯張り用混合弁15、15aに流通させる給湯水の湯温を調節する温度調節弁であり、それぞれの開口面積比を調節することで、高温取り出し管12から取り出した高温の湯と中温取り出し管13から取り出した中温の湯との混合比を調節するようにしている。
そして、高中温混合弁14は、後述する給湯制御装置40に電気的に接続されており、後述する貯湯サーミスタ55a、55c、湯温サーミスタ52より検出される温度情報に基づいて制御される。因みに、湯温サーミスタ52で検出された温度情報が所定温度(設定温度+2℃程度)となるように、中温取り出し管13から取り出した中温の湯を積極的に混合させるようにして所定温度に温度調節されるようにしている。
この湯温サーミスタ52は、この高中温混合弁14の出口側に設けられ、高中温混合弁14で混合された給湯水の湯温を検出している。また、高中温混合弁14の出口側には、給湯用流路である給湯用配管17とその給湯用配管17から分岐した給湯用配管17aとが接続されている。
一方の給湯用配管17は、下流端の図示しない給湯水栓、シャワー水栓等へ設定温度に温度調節された給湯水の湯を導く配管であって、その流路の中途に流量調節弁である給湯用混合弁15、給湯サーミスタ53および流量カウンタ54が設けられている。
他方の給湯用配管17aは、下流端が後述する浴水加熱用流路60の往き管62に繋がれ、浴槽2内にお湯張り、さし湯などを行うときに、設定温度に温度調節された給湯水の湯を導く配管であって、その流路の中途にお湯張り用混合弁15a、お湯張り用給湯サーミスタ53a、お湯張り用開閉弁57、お湯張り用流量カウンタ54a、逆止弁59が設けられている。
ここで、給湯用混合弁15、お湯張り用混合弁15aは、それぞれ給湯用配管17、17aの末端で出湯する給湯水の湯温を調節する温度調節弁であり、それぞれの開口面積比(高中温混合弁14で温度調節された給湯用水側の開度と給水用配管11に連通する水側の開度の比率)を調節することで出湯する湯温を設定温度に調節する。
また、給湯用混合弁15、お湯張り用混合弁15aは、後述する給湯制御装置40に電気的に接続されており、給水サーミスタ51、湯温サーミスタ52、給湯サーミスタ53、お湯張り用給湯サーミスタ53aより検出される温度情報に基づいて制御される。
給湯サーミスタ53は給湯用配管17内の温度情報を、流量カウンタ54は給湯用配管17内の流量情報を、お湯張り用給湯サーミスタ53aは給湯用配管17a内の温度情報を、お湯張り用流量カウンタ54aは給湯用配管17a内の流量情報を後述する給湯制御装置40に出力する。
なお、高中温混合弁14、給湯用混合弁15、およびお湯張り用混合弁15aは、それぞれの出口側に設けられた湯温サーミスタ52、給湯サーミスタ53、もしくはお湯張り用給湯サーミスタ53aで検出される給湯水の湯温に基づいてフィードバック制御を行うようにしている。
なお、流量カウンタ54、54aがそれぞれの給湯用配管17、17a内の水の流れを検出したときは、それぞれの給湯用配管17、17aの末端(給湯水栓、シャワー水栓、もしくはお湯張り用開閉弁57)が開弁されて給湯用水を出湯している状態である。
また、お湯張り用開閉弁57は、給湯用配管17aの流路を開閉する電磁弁であり、浴槽2内に浴水をお湯張り、さし湯などを行うときに後述する給湯制御装置40により制御される。また、逆止弁59は浴水加熱用流路60内の浴水が給湯用配管17a内に流通させないための弁である。ここで、給湯用配管17aを請求項では湯張り流路と称している。
次に、貯湯タンク10の下部には、貯湯タンク10内の最下部の水を吸入するための吸入口10dが設けられ、貯湯タンク10の上方には、貯湯タンク10内の最上部に湯を吐出する吐出口10eが設けられている。そして、吸入口10dと吐出口10eとは流体加熱用流路26で接続されており、給湯用循環ポンプ27が設けられるとともに、この流体加熱用流路26の一部はヒートポンプユニット20内に配置されている。
給湯水循環ポンプ27は、貯湯タンク10の下部に設けられた吸入口10dから低温の給湯用水を取り出して給湯水通路22bに通水させて貯湯タンク10の上部に設けられた吐出口10eに戻すように水流を発生させるポンプである。
給湯水循環ポンプ27は、内蔵するモータの回転数に応じて流量を調節することができ、給湯制御装置40により制御される。なお、符号56は、水冷媒熱交換器22から流出する給湯用水の沸き上げ温度を検出する沸き上げ温度センサであり、この沸き上げ温度サーミスタ52の検出信号が給湯制御装置40に入力され、この検出信号に基づいて給湯水循環ポンプ27の回転数が制御される。
言い換えると、ヒートポンプユニット20を作動させて沸き上げ運転を行う時は、水冷媒熱交換器22から流出する給湯用水の沸き上げ温度が目標沸き上げ温度となるように流体加熱用流路26内を流通する流量を給湯水循環ポンプ27の回転数により制御している。ここで、符号59aは逆止弁である。
そして、流体加熱用流路26のヒートポンプユニット20内に配置された部分には、後述する水冷媒熱交換器22が設けられており、吸入口10dから吸入した貯湯タンク10下部の水道水を高温冷媒との熱交換により加熱して、吐出口10eから貯湯タンク10内に戻すことにより貯湯タンク10内の給湯用水を沸き上げることができる。
次に、ヒートポンプユニット20は、給湯用流体として給湯用水を加熱し高温(本実施形態では、約90℃)の温水を生成する超臨界ヒートポンプサイクルである。この超臨界ヒートポンプサイクルとは、高圧側の冷媒圧力が冷媒の臨界圧力以上となるヒートポンプサイクルを言い、例えば、二酸化炭素、エチレン、エタン、酸化窒素などを冷媒とするヒートポンプサイクルである。
図中に示す符号21は冷媒(本実施形態では二酸化炭素)を吸入圧縮する圧縮機であり、この圧縮機21は、冷媒を吸入圧縮する圧縮機構(図示せず)および圧縮機構を駆動する電動モータ(図示せず)が一体となった電動圧縮機である。
22は圧縮機21から吐出する冷媒と給湯用水とを熱交換する放熱器である水冷媒熱交換器であり、この水冷媒熱交換器22は、冷媒通路22aに流れる冷媒流れと給湯水通路22bに流れる給湯水流れとが対向するように構成された対向流型の熱交換器である。
23は水冷媒熱交換器22から流出する冷媒を減圧する減圧器である電気式膨張弁であり、24は、電気式膨張弁23(以下、膨張弁23と称する)から流出する冷媒を蒸発させて大気中の熱を冷媒に吸収させるとともに、後述するアキュムレータ25(圧縮機21の吸入側)に向けて冷媒を流出する空気熱交換器である。
25は、空気熱交換器24から流出する冷媒を気相冷媒と液相冷媒とに分離して気相冷媒を圧縮機21の吸入側に流出するとともに、ヒートポンプサイクル中の余剰冷媒を蓄えるアキュムレータである。
24aは空気熱交換器24に空気(外気)を送風するとともにその送風量を調節することができる送風機であり、この送風機24a、圧縮機21および膨張弁23は、図示しない各センサから検出される圧力情報、温度情報に基づいて給湯制御装置40により制御されている。
また、ヒートポンプユニット20は後述する給湯制御装置40からの制御信号により作動するとともに、作動状態を給湯制御装置40に出力するようになっている。なお、貯湯タンク10の外壁面には、貯湯量、蓄熱量および貯湯温度を検出するための複数(本例では6つ)の貯湯サーミスタ55a〜55fが縦方向(貯湯タンク10の高さ方向)にほぼ等間隔に配置され、貯湯タンク10内に満たされた湯もしくは水の各水位レベルでの温度情報を後述する給湯制御装置40に出力するようになっている。
つまり、給湯制御装置40は、貯湯サーミスタ55a〜55fからの温度情報に基づいて、貯湯タンク10内上方の沸き上げられた湯と貯湯タンク10内下方の沸き上げられる前の水との境界位置を検出できるとともに、これにより貯湯量もしくは蓄熱量が検出できるようになっている。
また、これらのサーミスタ55a〜55fうち、貯湯サーミスタ55aは、貯湯タンク10の最上部外壁面に設けられており、高温取り出し管12に吸入される高温の湯の温度である貯湯タンク10内最上部の湯温を検出する出湯サーミスタの機能も有している。また、貯湯サーミスタ55cは前述の中温取り出し管13とほぼ同一の高さに配置されている。これにより、中温取り出し管13から導出される湯温を検出する出湯サーミスタの機能も有している。
そして、追い焚き機能として、貯湯タンク10、ヒートポンプユニット20、追い焚き熱交換器75、およびタンクユニット1の各種流路のうち、追い焚き熱交換器75の二次側と浴槽2とを接続する浴水加熱用流路61、貯湯タンク10と追い焚き熱交換器75の一次側に接続する追い焚き熱源供給流路30、およびヒートポンプユニット20と追い焚き熱交換器75の一次側に接続する沸き上げ流路31から構成している。
追い焚き熱交換器75は、貯湯タンンク10の外部に設置され、その一次側通路75aに流れる給湯用流体と二次側通路75bに流れる浴水とが対向するように構成された対向流型の熱交換器である。
本実施形態では、一次側通路75aに流れる給湯用流体は、貯湯タンク10内に貯えられた給湯用水か、またはヒートポンプユニット20の水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水のいずれか一方が流通するか、もしくは、後述する追い焚き混合弁33により、貯湯タンク10内に貯えられた給湯用水と水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水との混合された給湯用水のいずれが流通するように構成されている。
浴水加熱用流路61は、浴槽2内の浴水を追い焚き用熱交換器75の二次側通路75bに循環するように形成された温水回路であり、浴槽2内の浴水を追い焚き用熱交換器75の二次側通路75bに導く往き管62、追い焚き用熱交換器75で熱交換された浴水を浴槽2内に導く戻り管63および追い焚き用熱交換器75を迂回するバイパス管64から構成される。
また、往き管62には、上流側から順に、水圧スイッチ65、開閉弁66、浴水循環ポンプ67、浴水温サーミスタ68、流水スイッチ69、および追い焚き三方弁70が設けられている。一方の戻り管63には、流路の下流側に追い焚きサーミスタ71が設けられている。
水圧スイッチ65は、浴槽2内にお湯張りされた浴水の湯量、つまり、浴槽2内の水位レベルを求めるための水圧を検出するセンサである。開閉弁66は浴水加熱用流路61を開閉する電磁弁であり、浴水循環ポンプ67は浴槽2内の浴水を追い焚き用熱交換器75に圧送する電動ポンプである。浴水温サーミスタ68は、往き管62を流通する浴水の湯温を検出する水温センサである。
流水スイッチ69は、追い焚き三方弁70側の方向に浴水および後述する給湯用水が流通しているか否かを検出するための流水センサである。追い焚き三方弁70は、浴水を追い焚き用熱交換器75に流通させるか、追い焚き用熱交換器75を迂回するバイパス管64のいずれか一方に流通方向を切り換えるための切換弁である。
追い焚きサーミスタ71は、戻り管63を流通する浴水の湯温を検出する水温センサであり、浴槽2内に戻される浴水温度である。なお、水圧スイッチ65、流水スイッチ69、浴水温サーミスタ68および追い焚きサーミスタ71は、それぞれの容積情報、流水情報および温度情報を後述する給湯制御装置40に出力するようにされ、開閉弁66、浴水循環ポンプ67および追い焚き三方弁70は後述する給湯制御装置40により制御される。
ここで、追い焚き三方弁70は、浴水を追い焚き用熱交換器75に流通させて浴水を加熱させる追い焚きを行うときは、追い焚き三方弁70の流れ方向を追い焚き用熱交換器75側に切り換えることで、浴槽2内の浴水が往き管62、追い焚き用熱交換器75、戻り管63、浴槽2内の順に循環されて、浴水温サーミスタ68により検出された浴水温が目標温度になるまで制御される。
追い焚き熱源供給流路30は、貯湯タンク10内に貯えられた給湯用流体を追い焚き用熱交換器75の一次側通路75aに流通させ、追い焚き用熱交換器75から流出する給湯用流体を貯湯タンク10内に戻す温水回路である。つまり、往き管となる追い焚き用熱交換器75の上流側は、高温取り出し管12の中途を分岐させて貯湯タンク10内の高温の給湯用水を導出するように接続され、その中途に追い焚き混合弁33を設けて追い焚き用熱交換器75の二次側通路75aに接続するように形成している。
そして、戻り管となる追い焚き用熱交換器75の下流側は、その下流端が中温取り出し配管13の導出口10cの下方に戻すように接続されており、その中途に追い焚き一次側循環ポンプ32と逆止弁59aが設けられている。
追い焚き混合弁33は、その下流側に設けられた追い焚き用熱交換器75に流通させる給湯用水の湯温を調節する温度調節弁であり、一方の入口側が水冷媒熱交換器22から流出する給湯用水を流入するように接続され、もう一方の入口側が高温取り出し管12からの貯湯タンク10内の高温の給湯用水を流入するように接続されている。
つまり、それぞれの開口面積比を調節することで、高温取り出し管12から取り出した高温の給湯用水と水冷媒熱交換器22で沸き上げされた給湯用水との混合比を調節するようにしている。そして、この追い焚き混合弁33は、後述する給湯制御装置40に電気的に接続されており、その開口比は、貯湯サーミスタ55a、沸き上げ温度サーミスタ52、および後述する追い焚き入口サーミスタ58より検出される温度情報に基づいて制御される。
追い焚き一次側循環ポンプ32は、内蔵するモータの回転数に応じて流量を調節することができ、給湯制御装置40により制御される。なお、符号58は、追い焚き用熱交換器75の一次側通路75aに流入する給湯用水の湯温を検出する追い焚き入口サーミスタ58であり、この追い焚き入口サーミスタ58の検出信号が給湯制御装置40に入力され、この検出信号に基づいて追い焚き一次側循環ポンプ32の回転数が制御される。
言い換えると、浴水を追い焚きするときに、追い焚き用熱交換器75に流入する湯温が所定温度となるように追い焚き熱源供給流路30を流通する流量を給湯水循環ポンプ27の回転数により制御している。
沸き上げ流路31は、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水を追い焚き用熱交換器75の一次側通路75aに流通させて水冷媒熱交換器22の入口側に戻すように形成された温水回路である。具体的には、上記流体加熱用流路26の水冷媒熱交換器22と吐出口10eとの間に分岐点26aを設け、その分岐点26aと上記追い焚き熱源供給流路30に設けられた追い焚き混合弁33の一方の入口側とを接続する。
また、上記追い焚き熱源供給流路30の追い焚き用熱交換器75の下流側に分岐点30aを設けるとともに、上記流体加熱用流路26の吸入口10dと給湯水循環ポンプ27との間に分岐点26bを設ける。そして、その分岐点26bと分岐点30aとを接続する。
これにより、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水が追い焚き混合弁33を介して追い焚き用熱交換器75に流入させ、追い焚き用熱交換器75を流出した給湯用水が給湯水循環ポンプ27に流入させることができる。言い換えると、沸き上げ流路31の往き管および戻し管は、ともに、上記流体加熱用流路26および上記追い焚き熱源供給流路30の一部と共用して形成している。
次に、給湯制御装置40は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵のROM(図示せず)には、予め設定された制御プログラムが設けられており、各サーミスタ51、52、53、53a、55a〜55f、56、58、68、71からの温度情報、各流量カウンタ54、54aからの流量情報および操作盤41に設けられた操作スイッチからの操作信号等に基づいて、ヒートポンプユニット20、各混合弁14、15、15a、33、各開閉弁57、66、三方弁70、および循環ポンプ27、32、67などのアクチュエータ類を制御するように構成されている。
なお、操作盤41には、操作スイッチとして、電源スイッチ、給湯設定温度スイッチ、湯張りスイッチ、湯張り設定温度スイッチ、追い焚きスイッチ、追い焚き設定温度スイッチなどが設けられている。なお、操作盤41は、複数に分かれており浴室内や台所等の湯を使用する場所の近傍に設置され、操作盤41以外は、屋外等の適所に設置されている。
そして、以上の構成によるこの種の貯湯式給湯装置は、給湯機能、および追い焚き機能を発揮するため所定の貯湯量が貯湯タンク10内に貯えられている。例えば、一日の区切り時刻(例えば、深夜時間帯となる23:00)に達すると、前日の23時から当日の23時までの単位時間(例えば、1日)内に給湯用配管17、17aから消費した給湯用水の熱量、および追い焚きによる消費した熱量を求めて、その使用した熱量相当分の貯湯量を電力料金の安い時間帯に沸き上げるように設定している。
なお、電力料金の安い時間帯においては、貯湯タンク10内の湯切れを防止するために、例えば、貯湯量が最低貯湯量未満に達したときにヒートポンプユニット20の沸き上げ運転を行うように設定されている。
言い換えると、一日に消費する使用熱量相当分の貯湯量を電力料金の安い時間帯に沸き上げ運転を行って、貯えられた給湯用水を消費するようにしている。具体的には、給湯水栓を開弁することにより、貯湯タンク10内に貯えられた高温の給湯用水と給水用配管11からの水との混合によって設定温度の給湯用水を給湯水栓から出湯することで貯湯タンク10内に貯えられた高温、および中温の給湯用水が消費されることになる。
これにより、高温取り出し管12と中温取り出し管13とから高温および中温の給湯用水が給湯水栓から出湯されることで給水用配管11から水道水が給水されることで貯湯タンク10内の貯湯量が低下してくるが、貯湯量が最低貯湯量以上であれば電力料金の安い時間帯に達するまではヒートポンプユニット20の沸き上げ運転は行わない。
ところで、浴槽2内にお湯張りされた浴水を所望する目標温度に昇温もしくは保温する追い焚き運転を行うときは、最低貯湯量近傍に達する前の概して貯湯量が低下した状態のときに遭遇する場合が多い。
そこで、本発明では、最低貯湯量近傍による蓄熱量の範囲内で、即追い焚き運転行うように構成したものであり、具体的には、図2に示すようなフローチャートに基づいて追い焚き運転を行うことにより、浴水の追い焚きの即効性が良好となるとともに追い焚き時間の短縮が図れるようにしている。
以下、図2に示すフローチャートに基づいて追い焚き運転の作動を説明する。まず、操作盤41に設けられた追い焚きスイッチ(図示せず)をオンすることで追い焚き運転が開始される。ステップ410にて、追い焚き三方弁70をバイパス管64側に流通する流通方向に切り換え、開閉弁66を開弁するとともに、浴水循環ポンプ67を作動させる。
これにより、浴槽2内の浴水が往き管62、バイパス管64、戻り管63の順に浴水加熱用流路61内を循環する。そして、ステップ420にて、浴水加熱用流路61内を循環する現在の浴水温Tbを浴水温サーミスタ68により読み込む。また、このときに、操作盤41からの操作情報として追い焚き設定温度を目標温度として読み込む。
そして、ステップ430にて、浴槽2内の浴水を追い焚きするための追い焚き必要熱量Q0を算出する。ここでは、例えば、水圧スイッチ65で検出される現在の浴水の容積情報と、現在の浴水温Tbを目標温度まで昇温するのに必要な熱量Q0を求める。
そして、ステップ440にて、貯湯サーミスタ55a〜55fからの温度情報により、貯湯タンク10内の貯湯量、貯湯温度から蓄熱量Q1を算出する。そして、ステップ450にて、浴水温Tbが設定温度−所定値α(例えば、2℃)以上か否かを判定する。
ここでは、浴水温Tbを監視しており、その浴水温Tbが設定温度−所定値α以上であればステップ460に移行し、浴水温Tbが設定温度−所定値α未満であればステップ470に移行する。
そして、ステップ460にて、蓄熱量Q1と追い焚き必要熱量Q0とを比較し、蓄熱量Q1が追い焚き必要熱量Q0より大きいか否かを判定する。ここで、蓄熱量Q1が追い焚き必要熱量Q0より大きければ、ステップ480乃至ステップ510の追い焚き運転を行い、蓄熱量Q1が追い焚き必要熱量Q0より小さければ、ステップ520乃至ステップ630の追い焚き運転を行う。
一方、ステップ450にて浴水温Tbが低下しているときは、ステップ470にて、蓄熱量Q1が所定値Xよりも大きいか否かを判定する。ここで、蓄熱量Q1が所定値Xよりも大きければ、ステップ640乃至ステップ730の追い焚き運転を行い、蓄熱量Q1が所定値Xよりも小さければ、ステップ520乃至ステップ630の追い焚き運転を行う。
つまり、浴水温Tbが設定温度よりもさほど低下していないときは、そのときの蓄熱量Q1に応じて異なる追い焚き運転を行う。また、浴水温Tbが設定温度よりも大幅に低下しているときには、そのときの蓄熱量Q1に応じて異なる追い焚き運転を行う。
具体的には、追い炊き運転を行うときに、浴水温がさほど低下しておらず、かつ貯湯タンク10内に蓄熱量Q1が充分ある場合には、ステップ480乃至ステップ510による貯湯タンク内10に貯えられた給湯用水を追い焚き熱交換器75に流通させて浴水を昇温させる追い焚き運転を行う。
また、浴水温Tbが設定温度よりも大幅に低下し、かつ貯湯タンク10内に蓄熱量Q1が所定値未満の場合には、ステップ520乃至ステップ630によるヒートポンプユニット20を作動させて沸き上げ運転を行い、その沸き上げ温度が安定するまでの間には、浴槽2内に高温のさし湯を行うことで浴水を昇温させる。
そして、ヒートポンプユニット20の沸き上げ温度が安定したときに、水冷媒熱交換器22で沸き上げた沸き上げ温度の給湯用水を追い焚き熱交換器75に流通させて浴水を昇温させる追い焚き運転を行う。
さらに、浴水温Tbが設定温度よりも大幅に低下し、かつ貯湯タンク10内に蓄熱量Q1が所定値以上の場合には、ステップ640乃至ステップ730によるヒートポンプユニット20を作動させて沸き上げ運転を行い、その沸き上げ温度が安定するまでの間には、貯湯タンク内10に貯えられた給湯用水を用いて追い焚き熱交換器75に流通させて浴水を昇温させる。
そして、ヒートポンプユニット20の沸き上げ温度が安定したときに、追い焚き熱交換器75に流入する給湯用水の湯温を所定値γとなるように貯湯タンク10内の高温の給湯用水と水冷媒熱交換器22で沸き上げた沸き上げ温度の給湯用水とを混合させる。そして、所定値γとなった給湯用水を追い焚き熱交換器75に流通させて浴水の追い焚きを行う。
なお、浴水温がさほど低下しておらず、かつ貯湯タンク10内に蓄熱量Q1が不足する場合には、上記ステップ520乃至ステップ630による追い焚き運転を行う。以下、それぞれの追い焚き運転のより具体的な制御処理について説明する。
まず、ステップ480乃至ステップ510の追い焚き運転は、ステップ480にて、追い焚き三方弁70を追い焚き熱交換器75側に流通するように流通方向を切り換えるとともに、追い焚き一次側循環ポンプ32を作動させる。なお、このときの追い焚き混合弁33は、高温取り出し管12側からの給湯用水が追い焚き熱交換器75に100%流通する混合比に制御している。
これにより、追い焚き熱源供給流路30内に貯湯タンク10内に貯えられた給湯用水が流通する。つまり、貯湯タンク10内に貯えられた給湯用水が追い焚き熱交換器75の一次側通路75aに流通されて二次側通路75bを流通する浴水が昇温される。
ここで、追い焚き一次側循環ポンプ32は、追い焚き熱交換器75の一次側通路75aに流通する流量を、二次側通路75bを流通する浴水温が目標温度となる流量になる回転数に制御される。そして、ステップ490にて、浴水温Tbを監視し、その浴水温Tbが目標温度に達したか否かを判定する。ここで、浴水温Tbが目標温度未満であれば、そのまま待機する。
また、浴水温Tbが目標温度以上に達すれば、ステップ500にて、浴水循環ポンプ67を停止させ、ステップ510にて、追い焚き三方弁70をバイパス管64側に流通するように流通方向を切り換える。そして、追い焚き一次側循環ポンプ32を停止する。以上の制御処理により、貯湯タンク10内に貯えられた給湯用水を追い焚き熱交換器75に流通させて浴槽2内の浴水を目標温度に即、追い焚きすることができる。
次に、ステップ520乃至ステップ630の追い焚き運転は、まず、ステップ520にて、浴水循環ポンプ67を停止させるとともに開閉弁66を閉弁するとともに、追い焚き三方弁70をバイパス管64側に流れ方向を切り換える。そして、ステップ530にて、ヒートポンプユニット20を作動させる。このときは、給湯水循環ポンプ27は停止状態を維持する。
これにより、ヒートポンプユニット20では、冷凍サイクル側のみが作動することにより水冷媒熱交換器22に高圧冷媒が流通することで、水冷媒熱交換器22全体が急速に加熱されることになる。そして、ステップ540にて、浴槽2内に高温さし湯による注湯を行う。具体的には、給湯用配管17aから浴水加熱用流路61を介して浴槽2内に所定量の高温のさし湯(例えば、60℃の湯を30リットル程度)を行う。
より具体的には、給湯用配管17aに設けられたお湯張り用開閉弁57開弁し、高中温混合弁14、お湯張り混合弁15aを制御して、60℃の湯を30リットル戻り管63の下流端から浴槽2内に注湯する。なお、このときに、流量カウンタ34aは給湯用配管17aを通過する注湯量の測定を開始する。
これにより、貯湯タンク10内に貯えられた高温の給湯用水と中温の給湯用水とが高中温混合弁14で混合されて給湯用配管17aに出湯する。そして、お湯張り混合弁15aにより60℃の湯となって浴水加熱用流路61を介して浴槽2内に注湯される。
そして、さし湯注湯開始後、ステップ550にて、浴水の水位が浴槽上限で止まっていないか否かを判定する。所謂、浴槽2からの越流れ(溢れ)を監視している。具体的には、水圧スイッチ65で検出された水位レベルの変化を監視して所定時間の間に変化がなければ越流れ(溢れ)と判定している。
ここで、越流れがなければ、ステップ560にて、注湯量が所定量に達したか否かを判定する。注湯量が所定量に達していなければ達するまで待機する。ここで、注湯量が所定量に達すれば、ステップ570にて、高温のさし湯を停止する。これにより、浴槽2内の浴水に所定量の高温のさし湯が混合されることで浴水が昇温する。
そして、ステップ580にて、沸き上げ温度サーミスタ52で検出された沸き上げ温度が所定値βに達したか否かを判定する。なお、ヒートポンプユニット20の運転開始直後は、冷媒が充分な高圧に至らず、かつ水冷媒熱交換器22全体が冷えているので給湯用水を加熱する加熱能力が充分ではない。
従って、ここでは、給湯水循環ポンプ27を停止させた状態で水冷媒熱交換器22の流出側に伝熱された温度を沸き上げ温度サーミスタ52で検出するようにしている。ステップ580で、沸き上げ温度が所定値βに達するまで待機し、沸き上げ温度が所定値βに達すれば、ステップ590にて、追い焚き三方弁70を追い焚き熱交換器75側に流通する流通方向に切り換え、開閉弁66を開弁するとともに、浴水循環ポンプ67を作動させる。
なお、この所定値βは、追い焚き熱交換器75の一次側通路75aに流入する湯温であって、貯湯タンク内の給湯用水を沸き上げる時の目標沸き上げ温度よりも低い温度(例えば、60℃程度)で良い。つまり、追い焚き熱交換器75の二次側通路75bを流出する浴水温が目標温度になる程度の湯温でよい。
そして、ステップ600にて、追い焚き混合弁33の混合比をヒートポンプユニット20側が100%となるように制御するとともに、給湯水循環ポンプ27を作動させる。これにより、追い焚き熱交換器75の一次側通路75aには、水冷媒熱交換器22で所定値βの沸き上げ温度に沸き上げられた給湯用水が流通する。
そして、二次側通路75bを流通する浴水が昇温される。そして、ステップ610にて、浴水温Tbを監視し、その浴水温Tbが目標温度に達したか否かを判定する。ここで、浴水温Tbが目標温度未満であれば、そのまま待機している。
そして、浴水温Tbが目標温度以上であれば、ステップ620にて、ヒートポンプユニット20を停止させるとともに、給湯水循環ポンプ27を停止させる。また、ステップ630にて、浴水循環ポンプ67を停止させる。
以上の制御処理により、ヒートポンプユニット20の加熱能力が安定するまでの運転開始直後のときには、高温のさし湯により浴水が昇温できるとともに、追い焚き運転開始直後に即、浴水を追い焚きすることができる。
また、ヒートポンプユニット20の加熱能力が安定したときには、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水を追い焚き熱交換器75に流通させて浴水を目標温度に加熱することができる。なお、このときには、ヒートポンプユニット20の沸き上げ温度を高めに設定することなく沸き上げ運転を行うことができる。
なお、このときは、水冷媒熱交換器22で所定値βに沸き上げられた給湯用水が追い焚き熱交換器75を流通して水冷媒熱交換器22に戻されるため、貯湯タンク10内の高温の給湯用水に混ざることはない。つまり、貯湯タンク10内の上部にある高温の給湯用水を所定値βに沸き上げられた給湯用水で冷やすことはない。
次に、ステップ640乃至ステップ730の追い焚き運転は、ステップ640にて、ヒートポンプユニット20を作動させる。このときは、給湯水循環ポンプ27は停止状態を維持する。そして、所定時間経過(例えば、2〜3分程度)後に給湯水循環ポンプ27を作動させる。
そして、ステップ650にて、追い焚き混合弁33の混合比を高温取り出し管12側が100%となるように制御する。そして、ステップ660にて、追い焚き三方弁70を追い焚き熱交換器75側に流通するように流通方向を切り換えるとともに、追い焚き一次側循環ポンプ32を作動させる。これにより、貯湯タンク10内の高温の給湯用水が追い焚き熱交換器75の一次側通路75aに流通され、追い焚き熱交換器75を流出した給湯用水が貯湯タンク10に戻される。
これにより、追い焚き熱交換器75の二次側通路75bを流通する浴水が昇温される。なお、このときに、追い焚き入口サーミスタ58で検出された追い焚き熱交換器75に流入する湯温は、ステップ670にて、監視されており、追い焚き一次側循環ポンプ32の回転数を制御して、追い焚き熱交換器75に流入する湯温が所定値γとなる流量を維持するように制御される。
上記ステップ640で作動されたヒートポンプユニット20では、所定時間経過(例えば、2〜3分程度)すると、水冷媒熱交換器22の加熱能力が安定状態に達しているので、ステップ680にて、追い焚き混合弁33の混合比を制御するとともに、給湯水循環ポンプ27を作動させる。
なお、このときの追い焚き混合弁33の混合比は、ステップ690にて、監視されており、追い焚き入口サーミスタ58で検出された追い焚き熱交換器75に流入する湯温が所定値γとなる混合比を維持するように制御される。つまり、追い焚き混合弁33は、貯湯タンク内の湯温と水冷媒熱交換器22で沸き上げられた湯温との混合により、追い焚き熱交換器75に流入する湯温が所定値γとなるように制御している。
そして、ステップ700にて、浴水温Tbを監視し、その浴水温Tbが目標温度に達したか否かを判定する。ここで、浴水温Tbが目標温度未満であれば、そのまま待機している。そして、浴水温Tbが目標温度以上であれば、ステップ710にて、ヒートポンプユニット20を停止させるとともに、給湯水循環ポンプ27を停止させる。
さらに、ステップ720にて、浴水循環ポンプ67を停止させ、ステップ730にて、追い焚き三方弁70をバイパス管64側に流通するように流通方向を切り換える。そして、追い焚き一次側循環ポンプ32を停止する。
以上の制御処理により、ヒートポンプユニット20の加熱能力が安定するまでの運転開始直後のときには、貯湯タンク10内の給湯用水を追い焚き熱交換器75に流通させて浴水が昇温できるとともに、追い焚き運転開始直後に即、浴水を追い焚きすることができる。
また、ヒートポンプユニット20の加熱能力が安定したときには、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水と貯湯タンク10内の給湯用水との混合流体を追い焚き熱交換器75に流通させて浴水を目標温度に加熱することができる。なお、このときには、ヒートポンプユニット20の沸き上げ温度を高めに設定することなく低めの所定値βの沸き上げ運転を行うことができる。
なお、本実施形態では、本発明の追い焚き運転を浴槽2内の浴水を目標温度に昇温させるために適用させたが、これに限らず、本発明を浴槽2内の浴水を目標温度に保温させる保温運転に適用しても良い。
以上の第1実施形態による貯湯式給湯装置によれば、貯湯タンク10内の給湯用水と給水用配管11からの水とを混合させて浴水加熱用流路61に導く給湯用配管17aと、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水を追い焚き用熱交換器75に流通させ、その追い焚き用熱交換器75で熱交換された給湯用水を水冷媒熱交換器22に戻す沸き上げ流路31とを設けている。
そして、浴水温Tbが設定温度よりも大幅に低下し、かつ貯湯タンク10内に蓄熱量Q1が所定値以上有するときの追い焚き運転の場合には、その追い焚き運転の初期状態のときにおいて、ヒートポンプユニット20を作動させたときに、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水の沸き上げ温度が所定値以上に達するまでは、貯湯タンク10内の給湯用水を給湯用配管17aから浴水加熱用流路61を通して浴槽2内に高温のさし湯を行って浴水を昇温させる。
そして、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水の沸き上げ温度が所定値以上に達したときに、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水を沸き上げ流路31内に流通させて浴水の追い焚きを行うように構成した。
これによれば、ヒートポンプユニット20の加熱能力が安定するまでの運転開始直後のときに、貯湯タンク10内の給湯用水で高温さし湯を行うことで、追い焚き運転開始直後に即、浴水を加熱することができる。つまり、追い焚きの即効性が良好である。
また、ヒートポンプユニット20の加熱能力が安定したときに、追い焚き用熱交換器75により浴水を加熱することができる。従って、高温さし湯と併せて浴水を昇温することで追い焚き時間の短縮が図れる。
さらに、このときに、追い焚き用熱交換器75から流出される熱交換後の給湯用水は、貯湯タンク10内に戻ることがないため貯湯タンク10内に中温の給湯用流体が増加することはない。貯湯タンク10内の蓄熱量を低減させることなく追い焚き運転ができる。
なお、高温のさし湯を行うときは、浴槽2内から越流しないさし湯量となるように構成している。これによれば、さし湯を行うときは浴槽から浴水が溢れることはない。
また、浴水温Tbが設定温度よりも大幅に低下し、かつ貯湯タンク10内に蓄熱量Q1が所定値未満のときにおける追い焚き運転を行う場合には、追い焚き運転の初期状態のときにおいて、ヒートポンプユニット20を作動させたときに、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水の沸き上げ温度が所定値以上に達するまでは、貯湯タンク10内の給湯用水を追い焚き用熱交換器75に流通させて浴水を昇温させる。
そして、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水の沸き上げ温度が所定値以上に達したときに、追い焚き用熱交換器75に流入する給湯用水の湯温に応じて、追い焚き混合弁33で調節された給湯用水を沸き上げ流路31内に流通させて浴水の追い焚きを行うように構成した。
これによれば、ヒートポンプユニット20の加熱能力が安定するまでの運転開始直後のときに、貯湯タンク10内の給湯用水で浴水を追い焚きすることかできるとともに、追い焚き運転開始直後に即、浴水を加熱することができる。つまり、追い焚きの即効性が良好である。
また、ヒートポンプユニット20の加熱能力が安定したときに、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水と貯湯タンク10内の給湯用水とを混合することができるため、ヒートポンプユニット20の沸き上げ温度を高めに設定することなく沸き上げ運転を行うことができる。
また、ヒートポンプユニット20を作動させたときに、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水の沸き上げ温度が所定値以上に達するまでは、給湯用循環ポンプ27が停止していることにより、水冷媒熱交換器22に低温の給湯用水が流通しないので沸き上げ温度の昇温が加速される。これにより、沸き上げ温度が所定値以上に達するまでの時間が短縮される。これにより、追い焚き時間のより短縮が図れる。
さらに、現在の浴水温Tbが所望する目標温度以上のときに実施する追い焚き運転は、貯湯タンク10内の給湯用水を追い焚き用熱交換器75に流通させて浴水を昇温させている。これによれば、電力料金の安い時間帯以外にヒートポンプユニット20を作動させることなく、貯湯タンク10内の蓄熱量の範囲内で追い焚きを行うことができる。これにより、省動力化が図れる。
(第2実施形態)
以上の第1実施形態では、沸き上げ流路31に追い焚き混合弁33を設け、追い焚き運転のときに、追い焚き用熱交換器75に流入する給湯用水の湯温に応じて、貯湯タンク10内の給湯用水と水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水と混合するように構成したが、これに限らず、追い焚き混合弁33の代わりに追い焚き切換弁を沸き上げ流路31に設け、追い焚き運転のときに、貯湯タンク10内の給湯用水もしくは水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水のいずれか一方が追い焚き用熱交換器75に流入するように構成しても良い。
これによれば、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水が追い焚き用熱交換器75に流通されているときは、追い焚き用熱交換器75から流出される熱交換後の給湯用水は、貯湯タンク10内に戻ることがないため貯湯タンク10内に中温の給湯用流体が増加することはない。従って、貯湯タンク10内の蓄熱量を低減させることなく追い焚き運転ができる。
(第3実施形態)
以上の実施形態では、ヒートポンプユニット20を作動させたときに、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水が所定値以上に達するまでは、給湯水循環ポンプ27を停止状態で維持するように構成したが、これに限らず、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水が貯湯タンク10を迂回するように流体加熱用流路26を形成しても良い。
具体的には、図3に示すように、流体加熱用流路26において、水冷媒熱交換器22の流出側と貯湯タンク10の吐水口10eとの間に切換弁28を設けるとともに、その切換弁28の一方の流出側と接続する貯湯タンク10を迂回するバイパス流路29を形成する。そして、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水が所定値以上に達するまでは、水冷媒熱交換器22で沸き上げられた給湯用水がバイパス流路29を通って水冷媒熱交換器22の流入側に戻るように構成する。
これによれば、沸き上げ温度の昇温が短時間で加速されるとともに、ヒートポンプユニット20の運転開始直後の不安定な沸き上げ温度の給湯用水が貯湯タンク10内の上部に混ざることがないので追い焚きのための加熱熱量を低減することができる。
(他の実施形態)
以上の実施形態では、追い焚き運転のときに、ステップ670、ステップ690にて、追い焚き用熱交換器75に流入する湯温を、所定値γ以上となるように制御するように構成したが、これに限らず、現在の浴水温Tbに応じて所定値γが変化するように構成しても良い。例えば、現在の浴水温Tbが昇温したときには、その温度分だけ所定値γを上昇させるようにする。
これによれば、浴水温Tbに応じてヒートポンプユニット20の沸き上げ温度を設定することができる。つまり、追い焚き必要加熱能力に応じたヒートポンプユニット20の加熱能力を確保することができる。