JP5277076B2 - 貯湯式給湯システム - Google Patents
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Description
特許文献2では、混合後の湯の温度が設定温度よりも上昇すると、混合ユニットによる冷水の混合率を増大させる。
そこで、貯湯槽から温水を出湯する出湯経路に開閉手段を設け、設定温度以上の湯が給湯される場合には、開閉手段を閉じて貯湯槽から高温の温水が送り出されることを防止する技術が開発されている。
しかしながら、開閉手段が故障し、閉じるべき時に閉じない故障が生じていれば、開閉手段を利用する技術でも不測の事態の発生を防止しきれない。
上記の診断をするためには、開閉手段に閉じる指令を指示することによって、貯湯槽から高温の温水が送り出されなくなるのか、あるいは送り出され続けるのかを判別すればよい。しかしながら、貯湯槽から高温の温水を送り出しているのは、例えばユーザーがシャワー等のために湯を必要としているから出湯しているのであり、診断のために開閉手段をむやみと閉じることはできない。そのようなことをすれば、ユーザーに不快感を与えてしまう。
現在の技術では、開閉手段に閉じる指令を指示することによって開閉手段が実際に閉じるのか閉じないのかを診断することができない。
本研究者は、給湯運転をしているうち、浴槽に湯を供給している場合に限っては給湯温度が重要でなく、冷水を供給してもユーザーに不都合を与えないことに着目した。例えば湯張り運転のために浴槽に湯を供給することがある。この場合、設定量だけの湯が浴槽に貯まると追焚き運転を実行して浴槽の湯を設定温度に上昇させる。浴槽に湯を供給している間の湯温はさほど重要でない。あるいは、湯張り経路の洗浄のために湯張り経路に湯を給湯することがある。この場合も湯温がさほど重要でない。
本発明の貯湯式給湯システムでは、第1開閉手段に閉じる指令を指示している状態で、第1開閉手段の下流で水温を検知する。開閉手段が指令に応じて実際に閉じていれば低温が検知されるはずであり、閉じない故障が発生していれば高温が検知されるはずである。検知手段で検知する温度から、第1開閉手段に閉じる指令を指示することによって第1開閉手段が閉じるのか、あるいは閉じない故障が起こっているのかを診断できる。浴槽に湯を送るというタイミングを選んで診断するために、ユーザーに不都合を与えることもない。また浴槽に湯を送る運転は適宜な間隔で実行されるために、適宜な間隔で第1開閉手段を診断することもできる。
(特徴1)貯湯槽300に廃熱回収経路700が接続されており、発電に伴って発生した熱で加熱した水を貯湯槽300に貯えておく。
(特徴2)貯湯槽に補助加熱経路73が接続されており、発電熱で加熱した温水が不足する場合に、補助熱源84で加熱した水を貯湯槽に貯えておく。
(特徴3)湯張り運転の度に、開閉手段の診断処理を実行する。
補助加熱経路73には、上流から下流に向けて、循環入口サーミスタ76、循環ポンプ78、循環水量センサ80、循環水量サーボ82、補助熱源84、循環出口サーミスタ72、電磁弁98が介装されている。補助熱源84は、補助加熱経路73を通過する水を加熱する熱源の一例である。
給湯栓430が開けられると、供給口100、混合ユニット200、混合用冷水経路92、給湯栓430の順に市水が送り出される。給水量センサ16が2.7リットル/min以上を検出するとタンク電磁弁30が開弁し、貯湯槽300の上部から出湯経路94に温水が送りだされ、混合ユニット200から混合用冷水経路92に冷水が送り出され、それらの総量に等しいだけの市水が給水量センサ16を流れる。コントローラ800は、給水量センサ16の検出流量に基づいて、給湯運転を開始するか否かを判断する。
タンクサーミスタ56は、貯湯槽300から送り出された温水の温度を検出する。給湯サーミスタ32は、出湯経路94からの温水と混合用冷水経路92からの冷水とを混合して得られた湯の温度を検出する。タンクサーミスタ56と給湯サーミスタ32の検出信号は、コントローラ800に出力される。出湯経路94からの温水と混合用冷水経路92からの冷水の混合比は、混合ユニット200の開度によって調整される。混合ユニット200の開度を調整することによって、混合後の湯の温度を設定温度に等しい温度に調温することができる。混合ユニット200の開度は、給水サーミスタ14の検出温度と、タンクサーミスタ56の検出温度と、給湯サーミスタ32の検出温度に基づいて、コントローラ800によって調整される。
湯張り経路35には、湯張り弁34と湯張り水量センサ36が介装されている。湯張り水量センサ36は、湯張り経路35を通過する湯の流量を検出する。湯張り水量センサ36の検出信号はコントローラ800に出力される。湯張り弁34は、リモコン600のスイッチの操作もしくは浴槽420内の温水の水位によって開閉する。湯張り弁34の開閉はコントローラ800によって制御される。湯張り弁34が開かれると、設定温度に調温された湯が、風呂循環経路37,39の両者から浴槽420に供給される。所定量の湯が浴槽420に供給されると湯張り弁34は閉じられる。湯張り弁34は湯張り経路35を開閉する第2開閉手段の一例である。
発電熱回収運転の概略について説明する。図示しない発電ユニットで発電運転が行われると、循環経路701内を高温の熱媒体が循環し、廃熱回収用熱交換器703に高温の熱媒体が流入する。廃熱回収ポンプ704が駆動され、貯湯槽300の底部から冷水が吸いだされ、廃熱回収用熱交換器703で加熱された温水が貯湯槽300の頂部へ戻される。改質器を加熱した余熱と発電熱で加熱された温水が、貯湯槽300の上部から順に蓄えられていく。廃熱を温水に変えて貯湯しておくことができる。
発電熱回収運転で加熱された温水が貯湯槽300に貯められている間は、その温水を利用して後記の給湯運転を実行する。貯湯槽300に貯められている温水量が不足してくると、補助熱源84を運転し、補助熱源84で加熱された温水を貯湯槽300の上部に戻す。これを補助加熱運転という。
貯湯槽300の上部にはタンク上部サーミスタ63が設けられており、その検出温度がリモコン600で設定されている設定温度に所定温度巾を加えた温度を下回ると、補助熱源84で燃焼を開始し循環ポンプ78を駆動する。この場合、電磁弁98を開け、電磁弁86と電磁弁74を閉じる。補助熱源84で加熱された温水を貯湯槽300の上部に貯えることができる。タンク上部サーミスタ63の検出温度が所定温度にまで上昇すると補助加熱運転を終了する。
補助加熱運転は、後記する給湯運転および/または暖房運転等と同時に実行することもある。
給湯運転の概略について説明する。給湯栓430が開かれて供給口100、混合ユニット200、混合用冷水経路92、給湯栓430の順に市水が送り出される。給水量センサ16の検出水量が2.7リットル/min以上となると、給湯要求がなされたものと判断して、タンク電磁弁30が開かれ、貯湯槽300の上部から出湯経路94に高温の温水が出湯される。給湯サーミスタ32の検出温度が給湯設定温度となるように、混合ユニット200の開度が調整される。これによって、貯湯槽300の上部から出湯経路94に送り出された温水が冷水と混合されて給湯設定温度に調温され、調温された湯が給湯経路31を経て給湯栓430に供給される。
タンク上部サーミスタ63の検出温度が高い間は、補助加熱運転を実行しない。給湯運転の実行中にタンク上部サーミスタ63の検出温度が低下すると、前記した補助加熱運転を開始する。この場合、給湯運転と補助加熱運転が同時に実行される。
風呂の湯張り運転の概略について説明する。リモコン600のスイッチ操作等によって風呂の湯張り要求がなされると、湯張り弁34が開かれる。その後は、給湯運転と同様にして、湯張り設定温度の湯が、給湯経路31と湯張り経路35、風呂循環経路37,39を経て、浴槽420内に供給される。所定量の温水が浴槽420に供給されると風呂湯張り運転が終了する。
風呂の追焚き運転の概略について説明する。風呂追焚き運転は、風呂湯張り運転に引き続いて実施される。あるいは浴槽420の温度が低下した場合にも実施される。風呂の追焚き要求があると、循環ポンプ78を駆動し、電磁弁98を閉じ、電磁弁86と74のうちの一方を開ける。これによって、貯湯槽300の上部に貯められている温水が暖房用熱交換器64を流れ、暖房媒体循環経路67を流れる熱媒体が加熱され、追焚き経路69を流れる熱媒体が加熱される。同時に、風呂循環ポンプ38が駆動され、浴槽420内の温水が、風呂用熱交換器40を通過して、浴槽420へ戻される。浴槽420から吸い出された温水は、風呂用熱交換器40で加熱されて、浴槽420へ戻される。風呂循環サーミスタ26の検出温度が追焚き設定温度となると、風呂追焚き運転を終了する。
暖房運転の概略について説明する。リモコン600のスイッチの操作によって暖房端末機410の運転要求がなされると、循環ポンプ78を駆動し、電磁弁98を閉じ、電磁弁86と74のうちの一方を開ける。これによって、貯湯槽300の上部に貯められている温水が暖房用熱交換器64を流れ、暖房媒体循環経路67を流れる熱媒体が加熱される。暖房運転時には、暖房端末機410内の暖房熱動弁が開かれ、暖房ポンプ62が駆動される。暖房用熱交換器64で加熱された温水が暖房端末機410に供給されて暖房がおこなわれる。リモコン600のスイッチ操作等によって、暖房運転は終了する。
次に、本実施例におけるタンク電磁弁30が閉じない異常を検出する方法について説明する。本実施例では、貯湯式給湯システム2による浴槽への湯張り運転中に、タンク電磁弁30の異常の診断を行う。図2から図3は、タンク電磁弁30が閉じない異常を検出する技術を追加した湯張り運転のための処理手順をフローチャート化したものである。タンク電磁弁30は、給湯運転時や風呂湯張り運転時に開くためのものであり、異常時には閉じられる。
ステップS4では、タンクサーミスタ56、給湯サーミスタ32、風呂循環サーミスタ26等の値が、コントローラ800に備えられた記憶装置に記憶される。
ステップS6では、混合ユニット200の混合用冷水経路92側の弁の開度が固定される。
ステップS8では、湯張り弁34が開かれ、浴槽420に給湯され始める。
ステップS12では、タンク電磁弁30を閉じる。この処理は本実施例で加えられた処理であり、本来的には不要であるし、好ましくないものである。ステップS8の後に実行するステップS12は、湯張り経路を開閉する第2開閉手段を開けて湯張り経路に水が流れる状態が設定されている期間内に、出湯経路を開閉する第1開閉手段を閉じる手順に相当する。
ステップS14では、タンクサーミスタ56が55℃以上、あるいはステップS4で記憶した給湯サーミスタの値より10℃以上高いか否かを判別する。ステップS12でタンク電磁弁30に閉じる指令を加えているので、タンク電磁弁30が正常であればタンク電磁弁30は閉じている。タンク電磁弁30が閉じていればステップS14の判別結果はYESとならないはずである。にもかかわらず、ステップS14がYESとなれば、タンク電磁弁30に閉じない故障が生じていると判断することができる。この場合には、ステップS16へすすむ。正常時にはステップS20へ進む。ステップS20では、タンク電磁弁30を開ける。以後は通常の湯張り運転に戻る。
ステップS14は、ステップS12で実行した、出湯経路を開閉する第1開閉手段を閉じる手順の実行中に、検知手段で検知される水温が所定の範囲内であるかどうかを判断する手順に相当する。ステップS14では、給湯サーミスタ32又は風呂循環サーミスタ26の検出値であってもよい。検知手段は、第1開閉手段(この場合はタンク電磁弁30)よりも下流の温度を検知するものであればよい。
ステップS14で用いる基準範囲、すなわち、タンク電磁弁30が閉じているのか開いているかの判別に用いる基準範囲は、上記に限られない。タンク電磁弁30が閉じていれば生じないはずの温度を検出できるものであればよい。
ステップS20では、タンク電磁弁30を閉じてから累積した積算水量が設定量を越えるか否かを監視する。設定量は、例えば6リットルである。設定量が少ない程、後記の追焚き時間を短縮する事ができるため、タンク電磁弁30の診断が可能な範囲で設定量は少ない事が好ましい。積算水量が6リットルに達するまで、ステップS12からステップS18までの手順を繰り返す。積算水量が6リットルに達したらステップS21に進む。
ステップS22では、引き続き浴槽220への湯張りを継続する。
ステップS24では、浴槽の湯張り水量が設定した水位になっているかを湯張り水量センサ36によって推定する。浴槽の湯張り水量が、設定水量に達したらステップS26に進む。
ステップS26では、湯張り弁34を閉じ、浴槽220への給水を終了する。
ステップS28では、給水量センサ16が2.0リットル/min以下になるまで待機する。
ステップS30では、風呂循環サーミスタ26の値が、リモコン600に設定した湯張り温度であるか判断を行う。設定した温度より低ければステップS36へ進み、設定した温度に達していればステップS32へ進む。
ステップS36では、浴槽220内の水を風呂循環ポンプ38によって追焚き用循環経路37,39を循環させる。これと連動して、風呂用熱交換器40によって追焚き用循環経路内の水に伝達して昇温する。設定温度に達するまでステップS30からステップS36に進む処理を繰り返し、浴槽内の水を循環して昇温させる。
ステップS32では、浴槽220に設定した水量で、且つ設定した温度の湯が供給された事を判断し、湯張りを終了する。この時、リモコン600に、湯張り操作が終了したことを報知する事が出来る
ステップS44では、給湯サーミスタ32、風呂循環サーミスタ26等の値が、コントローラ800に備えられた記憶装置に記憶される。
ステップS46では、混合ユニット200の混合用冷水経路92側の弁の開度が固定される。
ステップS48では、湯張り弁34が開かれ、風呂循環経路37,39の両者から浴槽420に給湯され始める。これによって、風呂循環経路37,39の配管が洗浄される。
ステップS52では、タンク電磁弁30を閉じる。この処理は本実施例で加えられた処理であり、本来的には不要である。
ステップS56では、タンクサーミスタ56の検出温度が55℃以上、あるいはステップS44で記憶したタンクサーミスタ56の値より10℃以上高いか否かを判別する。ステップS52でタンク電磁弁30に閉じる指令を加えているので、タンク電磁弁30が正常であればタンク電磁弁30は閉じている。タンク電磁弁30が閉じていればステップS56の判別結果はYESとならないはずである。にもかかわらず、ステップS56がYESとなれば、タンク電磁弁30に閉じない故障が生じていると判断することができる。この場合には、ステップS58へ進む。タンク電磁弁30の正常時にはステップS64へ進む。
ステップS64では、タンク電磁弁30を閉じてから累積した積算水量が設定水量に達するか否かを監視する。設定水量は、例えば5リットルである。積算水量が設定水量だけ流れたらステップS66に進む。
ステップS66では、湯張り弁34を閉じ、洗浄運転を終了する。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は、複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12 減圧弁
14 給水サーミスタ
16 給水量センサ
18 給水量サーボ
20 風呂水位センサ
22 風呂水量スイッチ
26 風呂循環サーミスタ
30 タンク電磁弁
31 給湯経路
32 給湯サーミスタ
34 湯張り弁
35 湯張り経路
36 湯張り水量センサ
37 風呂循環経路
38 風呂ポンプ
39 風呂循環経路
40 風呂用熱交換器
56 タンクサーミスタ
57 暖房用循環経路
58 暖房用熱交換器出口サーミスタ
59 経路
60 シスターン
61 経路
62 暖房ポンプ
63 タンク上部サーミスタ
64 暖房用熱交換器
66 暖房サーミスタ
67 暖房媒体循環経路
68 暖房追焚き熱動弁
69 追焚き経路
70 シスターン給水弁
71 シスターン給水経路
72 循環出口サーミスタ
73 補助加熱経路
74 電磁弁
76 循環入口サーミスタ
78 循環ポンプ
80 循環水量センサ
82 循環水量サーボ
84 バーナ
86 電磁弁
88 シスターン排水弁
90 市水の供給経路
92 混合用冷水経路
94 出湯経路
96 給水経路
98 電磁弁
100 供給口
200 混合ユニット
300 貯湯槽
400 熱負荷
410 暖房端末機(暖房放熱器など)
420 浴槽
430 給湯栓
500 貯湯ユニット
600 リモコン
700 廃熱回収経路
701 循環経路
702 発電ユニット
703 廃熱回収用熱交換器
704 廃熱回収ポンプ
800 コントロ−ラ
Claims (2)
- 貯湯槽と、
貯湯槽へ水を送り込む第1給水経路と、
両端が貯湯槽に接続されている循環経路と、
循環経路に配置されている循環ポンプと、
循環経路を通過する水を加熱する熱源と、
貯湯槽から水を送り出す出湯経路と、
出湯経路からの水と第2給水経路からの水を混合する混合手段と、
混合手段で混合した水を浴槽へ送る湯張り経路と、
出湯経路を開閉する第1開閉手段と、
湯張り経路を開閉する第2開閉手段と、
第1開閉手段の下流で水温を検知する検知手段と、
第1開閉手段と第2開閉手段を制御する制御手段とを備えており、
前記制御手段に、第2開閉手段を開けて湯張り経路に水が流れる状態が設定されている期間内に第1開閉手段を閉じる手順と、第1開閉手段を閉じる手順の実行中に検知手段で検知される水温が所定の範囲内であるかどうかを判断する手順が設定されていることを特徴とする貯湯式給湯システム。 - 前記の第1開閉手段を閉じる手順を、浴槽に水を貯めるために第2開閉手段を開けている期間内と、湯張り経路の洗浄のために第2開閉手段を開けている期間内のいずれかに実行することを特徴とする請求項1の貯湯式給湯システム。
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