図2には、本発明に係る風呂給湯装置の一実施例のシステム構成が模式的に示されている。同図において、器具ケース60内には燃焼室2が設けられ、燃焼室2内には給湯側のバーナ1(1a,1b,1c)と、浴槽14内の湯水の追い焚き側のバーナ7が配置されている。これらのバーナ1,7には、それぞれのバーナ1,7に燃料を供給するガス管55が接続されており、このガス管55にはバーナ1,7への燃料供給・停止を制御するための開閉弁51,52,53と、バーナ1への供給燃料量を弁開度でもって制御することができる比例弁54とが介設されている。
また、バーナ1,7の下方側には、これらのバーナ1,7の燃焼の給排気を行う燃焼ファン5が設けられており、燃焼ファン5の回転によって、吸気口(図示せず)を介して外部より吸気する空気をバーナ1,7に送り、この空気と、ガス管55を通って供給されるガスとによってバーナ燃焼を行う。バーナ燃焼により生じた燃焼ガスは、燃焼室2を通って排気口(図示せず)から排気される。
給湯側のバーナ1の上側には、バーナ1の燃焼ガス中の顕熱を回収するメインの給湯熱交換器(一次給湯熱交換器)4と、このメインの給湯熱交換器4よりも前記燃焼ガスの流れの下流側に設けられて、燃焼ガスの顕熱および潜熱を回収する潜熱回収用給湯熱交換器(二次給湯熱交換器)6とが設けられている。メインの給湯熱交換器4は、複数の板状のフィン3を有して形成されている。
潜熱回収用給湯熱交換器6の入り口側には、給水源から水を導くための給水管8が接続されており、潜熱回収用給湯熱交換器6の出口側にメインの給湯熱交換器4の入り口側が接続されている。また、メインの給湯熱交換器4の出口側には給湯管9が接続されており、メインの給湯熱交換器4と潜熱回収用給湯熱交換器6とを備えた給湯側回路が形成されている。この給湯側回路は、潜熱回収用給湯熱交換器6を通る水を潜熱回収の熱で予備加熱し、その予備加熱した水をメインの給湯熱交換器4の入水口に供給し、該メインの給湯熱交換器4で加熱した湯を送水して給湯路9から給湯先に給湯する給湯機能を有しており、潜熱回収用給湯熱交換器6を設けることによって効率の良い加熱ができる。
なお、給水管8には、該給水管8から供給されて潜熱回収用給湯熱交換器6側へ流れ込む水の流量を検出する流量センサ(フローセンサ)10と、水量制御弁11,56と、潜熱回収用給湯熱交換器6へ流れ込む水の入水温度を検出する入水サーミスタ(図示せず)とが設けられている。また、給湯管9には流れ出る湯の温度を検出することができる出湯サーミスタ(図示せず)が設けられており、給湯管9と給水管8とは、管路12と水量制御弁11とを介して接続されている。
また、前記追い焚き側のバーナ7の上側には、浴槽湯水の追い焚きを行う追い焚き熱交換器13が設けられおり、この追い焚き熱交換器13は浴槽14に接続される追い焚き循環路15に設けられている。なお、この例では、追い焚き熱交換器13も、バーナ7の燃焼ガスの顕熱を回収するメインの熱交換器13aと燃焼ガス中の顕熱および潜熱を回収する潜熱回収用熱交換器13bとを有しており、メインの熱交換器13aは複数の板状のフィン3を有して形成されている。
追い焚き循環路15は、浴槽14へと続く往管16(16a,16b)と、浴槽14からの戻り管17と、管路18,19,20,21を有して形成されている。なお、これらの管路18,19,20,21および往管16や戻り管17の器具ケース60内側は例えば金属管やゴム管によって形成され、器具ケース60から外部の浴槽内14に至る管路は、例えば架橋ポリエチレン管により形成されている。管路21の一端側は追い焚き熱交換器13に接続されており、管路21の他端側は浴槽湯水を循環させる循環ポンプ23の吐出口側に接続されている。管路21には、浴槽14の水位を水圧によって検出する圧力センサの水位センサ25と、管路21を水が流れたことを検出したときにオンとなる流水スイッチ26と、浴槽湯水の温度を検出する風呂温度センサ(図示せず)がそれぞれ設けられている。
循環ポンプ23の吸込口側には管路20が接続されており、管路20の他端側には、四方弁により形成された四方切替弁22が接続されている。この四方切替弁22には、追い焚き循環路15の管路18,19の一端側と管路28の一端側も接続されている。管路18,19の他端側には戻り管17が接続されており、管路28の他端側には、ドレン回路切替弁30を介し、接続路としての注湯路27の一端側が接続されている。注湯路27には注湯電磁弁29が設けられており、注湯路27の他端側は前記給湯路9に接続されている。この構成により、前記給湯側回路の出湯側に注湯路27を介して追い焚き循環路15が接続されている。
前記潜熱回収用給湯熱交換器6の下側には、該潜熱回収用給湯熱交換器6で発生するドレンを回収するドレン回収手段31と、該ドレン回収手段31により回収したドレンを貯留するドレン貯留手段としてのドレンタンク32とが設けられている。ドレン回収手段31とドレンタンク32とはドレン管33を介して接続されており、ドレンタンク32には、ドレンタンク32内に貯留されるドレンの水位を検出するドレン水位検出電極34が設けられている。なお、ドレンは、燃焼ガス中の窒素酸化物(NOx)等を含むため、酸性であるので、ドレンタンク31には、ドレン排水(ドレン)を中和するための、例えば炭酸カルシウム等のドレン中和手段35が設けられている。
ドレンタンク32の下部側には、ドレンタンク32により貯留したドレンを追い焚き循環路15側に導くドレン導出路36が接続され、ドレン導出路36には逆止弁37が設けられている。ドレン導出路36は前記ドレン回路切替弁30を介して前記管路28と注湯路27とに接続されている。また、ドレンタンク32には管路59の一端側が接続されており、管路59の他端側は排水口に接続されている。管路59は、万が一、ドレンがオーバーフローした際に、そのドレンを排水口に導くための管路である。
前記追い焚き循環路15の往管16には、ドレン排水切替ユニット37が介設されており、ドレン排水切替ユニット37には、追い焚き循環路15側に導かれたドレンを該追い焚き循環路15から分岐して浴室に排水するドレン排水路38が接続されている。ドレン排水切替ユニット37内には、ドレン排水路38と往管16a,16bとの接続部にドレン排水切替弁39が設けられている。
本実施例の風呂給湯装置において、台所等への給湯機能、浴槽14への湯張り、足し湯、足し水、浴槽湯水の追い焚き、ドレン排水機能、ドレン洗浄機能等の動作が予め与えられたシーケンスプログラムにしたがって行われるようになっている。図1には、その制御構成が示されており、制御装置40内に、ドレン排水洗浄制御手段41、流量可変制御手段44、残水有無判断手段45、ドレン洗浄水選択制御手段46、通水動作判断手段47、注湯水・追い焚き制御手段42が設けられている。
なお、制御装置40には、図示されていない給湯機能動作の制御手段が設けられており、まず、この給湯機能動作の制御手段の制御に基づく給湯機能動作例について簡単に説明する。給湯動作は、例えば台所や洗面所等の給湯栓(図示せず)を開くことにより開始されるものであり、図2に示したフローセンサ10により給水管8を通水する最低作動流量以上の流量を検出すると、給湯機能動作の制御手段が給湯側のバーナ1を燃焼させ、給湯熱交換器4,6(メインの給湯熱交換器4および潜熱回収用給湯熱交換器6)を通る水を加熱して湯を作成し、その湯を給湯管9を通して、図2の矢印のように出湯し、給湯先へ供給する。
この給湯機能の動作では、前記給湯機能動作の制御手段は前記入水温度センサにより検出される入水温と、フローセンサ10により検出される給湯量と、前記給湯温度センサにより検出される給湯温(出湯温)との検出情報に基づき、給湯設定温度となるようにガス管55から供給されるガス量を比例弁54の開弁量によって制御する。給湯動作は給湯先の給湯栓が閉止されることによって終了する。つまり、給湯栓の閉止によってフローセンサ10が通水の停止を検出したときに、制御装置は給湯側のバーナ1へのガス供給を遮断し、給湯側のバーナ1の燃焼を停止する。
注湯水・追い焚き制御手段42は、自動湯張り機能の動作、足し水機能の動作、追い焚き単独動作の制御を行うものであり、自動湯張り機能の動作は、追い焚き循環路15を通して予め定められる設定水量の湯を浴槽14に湯張りする湯張り動作に加え、保温動作、保水動作を含む。なお、自動湯張り動作は前記湯張り動作のみとすることもできる。自動湯張り機能の動作は、利用者等がリモコン装置50の自動スイッチをオンすることにより開始するものであり、図1に示すように、リモコン装置50から自動スイッチのオン信号が注湯水・追い焚き制御手段42に加えられると、注湯水・追い焚き制御手段42は、自動湯張り開始信号を残水有無判断手段45に加える。
残水有無判断手段45は、注湯水・追い焚き制御手段42による自動湯張りの開始信号を受けて自動湯張り動作の開始時に循環ポンプ23を駆動し、浴槽14内に残水があるか否かを、水位センサ25の検出水位や流水スイッチ26のオン信号の有無に基づいて判断し、判断結果を注湯水・追い焚き制御手段42とドレン洗浄水選択制御手段46とに加える。
注湯水・追い焚き制御手段42は、残水有無判断手段45による判断結果を受けて、浴槽14内に残水があるか無いかに応じて異なるシーケンスプログラムに従い、浴槽14内に湯張りを行う。なお、この湯張り動作用として、様々なシーケンスプログラムを適用することができるものであり、その詳細説明は省略するが、いずれの場合においても、注湯水・追い焚き制御手段42は、注湯電磁弁29を開き、前記給湯機能の動作と同様に、バーナ1の燃焼加熱により給湯熱交換器4,6を通る水を湯として、その湯を給湯管9から注湯路27に通し、追い焚き循環路15を通して浴槽14へ落とし込む動作を行う。
図5には、この湯張り動作時に湯水が通る領域が斜線部分により示されており、湯水の流れが矢印により示されている。図5に示されるように、湯張り動作時にはドレン回路切替弁30を介して注湯路27と管路28とが接続され、四方切替弁22を介し、管路28と管路18とが接続され、管路19と管路20とが接続される態様とし、ドレン排水切替弁39を介して往管16a,16b同士が接続される態様とする(以下、この通水経路を追い焚き循環路通水経路ともいう)。
そして、湯張りが開始されると、浴槽14の水位が水位センサ25によって検出され、この検出水位が予め設定された浴槽の設定水位に達したときに、注湯水・追い焚き制御手段42が注湯電磁弁29を閉じて湯張り動作が終了する。この湯張りの動作においては、注湯水・追い焚き制御手段42は、予め設定された湯張りの設定温度となるように、バーナ1の燃焼制御を行い、給湯熱交換器4,6の給湯湯温を制御する。
なお、注湯路27に流量を検出する流量センサ(フローセンサ)を設け、前記流量センサによって検出された流量が設定流量(予め定められる浴槽14への注湯量)に達したときに、注湯水・追い焚き制御手段42が注湯電磁弁29を閉じて湯張り動作が終了するようにしてもよい。また、湯張りの途中に追焚きを入れて浴槽湯水に投入する熱量と浴槽湯温の上昇程度から浴槽湯量を演算するタイプのものにおいて、その演算結果から求められる浴槽湯量と、設定流量(設定湯量)との差を求め、その差分をさらに湯張りして浴槽湯量が設定流量(設定湯量)に達したときに、前記の如く、湯張り作業が終了するようにしてもよい。
また、通常は、湯張り動作に引き続き、所定の時間(例えば4時間)にわたって保温機能の動作が行なわれる。この保温機能の動作中、注湯水・追い焚き制御手段42は所定の時間間隔で、循環ポンプ23を短時間起動し、浴槽14の湯を、図6の矢印に示すように、追い焚き循環路15を通して循環する(図6の斜線領域、参照)。そして、この際、風呂温度センサ(図示せず)により浴槽14の湯温(風呂温度)を検出し、該検出温度が風呂の設定温度よりも許容範囲を外れて低下したときには、循環ポンプ23を駆動して浴槽14の湯水を追い焚き循環路15を通して循環しながら、追い焚き側のバーナ7の燃焼により追い焚き熱交換器13で加熱し、追い焚き動作を行う。そして、前記風呂温度センサの検出温度が風呂の設定温度に達したときに循環ポンプ23を停止し、追い焚き側のバーナ7の燃焼を停止する。
また、保温機能と共に行う保水機能の動作においては、注湯水・追い焚き制御手段42は、以下のような制御を行う。つまり、水位センサ25によって浴槽14の水位を監視し、浴槽14の水位が設定水位から許容範囲を越えて低下したときには、注湯電磁弁29を開けて、前記湯張り動作時と同様に、給湯回路側から設定水位に達する不足分の湯量を補充し(足し湯動作を行い)、浴槽水位を設定水位に維持する保水機能の動作を行う。
また、浴槽湯水の温度を下げる操作が、リモコン装置50操作によって行われたとき(例えばリモコン装置50の「ぬるゆ」スイッチが操作されたとき)には、注湯水・追い焚き制御手段42は、注湯電磁弁29を開けて、給湯回路側から加熱されていない水を例えば予め定められた設定量だけ浴槽14に注水する足し水機能の動作を制御する。
さらに、リモコン装置50に設けられている追い焚きスイッチが手動により操作されたときにも、その指令が注湯水・追い焚き制御手段42に加えられ、注湯水・追い焚き制御手段42は、前記自動湯張り動作時の追い焚き動作と同様に制御を行う。この制御によって、追い焚き単独動作が行われる。注湯水・追い焚き制御手段42は、これら浴槽14への湯張り、足し湯、足し水、浴槽湯水の追い焚きの動作が行われたときに、その終了信号を通水動作判断手段47に加える。
通水動作判断手段47は、追い焚き循環路15を通して浴槽湯水を循環させる湯水循環動作と、追い焚き循環路15を通して湯水を浴槽14に注水する注水動作の少なくとも一方の追い焚き循環路通水動作が行われたか否かを判断するものである。通水動作判断手段47は、注湯水・追い焚き制御手段42の制御によって、湯張り、足し湯、足し水、追い焚き単独のいずれかの動作が行われたときに、その動作制御の終了信号を受けて前記追い焚き循環路通水動作が行われたと判断し、その判断信号をドレン排水洗浄制御手段41に加える。
ドレン排水洗浄制御手段41は、例えばドレンタンク水位検出電極34の検出信号を受けて、予め定められたドレン排水動作開始条件に達したときに、ドレンタンク32に貯留されたドレンの排水機能の動作を行う。なお、本実施例において、ドレンタンク水位検出電極34は、例えば図3に示すように、4本の電極を有して構成されており、4本の電極のうち、図の右側に配置された長さが最も長い2本の電極がアース電極aと排水停止の基準となる基準水位電極(LL電極)b、その左側に配置されて長さが2番目に長い電極が低水位電極(L電極)c、その左側に配置されて長さが最も短い電極が高水位電極(H電極)dである。
ドレン排水洗浄制御手段41は、ドレンタンク水位検出電極34の検出信号を受け、ドレンタンク32内のドレンが予め定められるドレン排水設定水位以上のときに、つまり、少なくとも低水位電極cによりドレン水位が検出されているときに、ドレンタンク32に貯留されたドレンの排水機能の動作を行う。例えば、低水位電極cによってドレン水位が検出され、高水位電極dで水位を検出されないとき(水位が電極cと電極d間にある場合)には、それに加えて、例えば前記自動湯張り動作が開始されたときに、ドレン排水機能の動作を行うようにし、低水位電極cおよび高水位電極dによってドレン水位が検出されたとき(水位が電極cを越え、さらに電極dを越える場合)には、即座にドレン排水機能の動作を行うようにする。
なお、風呂給湯装置において、電源43がオンされる場合は、風呂給湯装置の電源コードが最初にコンセントに差し込まれたときと、コンセントから抜かれた場合や停電等によってAC100Vが遮断された後の再通電の場合と、AC100Vが遮断されずに、リモコン装置50の運転オフ操作が行われた後の運転オン操作の場合がある。このリモコン装置50の運転オフ操作が行われた後の運転オン操作の場合とは、例えば、ドレン排水機能やドレン洗浄機能の動作の途中で故障が生じて動作が停止してしまったときに出力されたエラー信号が解除された場合である。本実施例では、ドレン排水洗浄制御手段41は、AC100V遮断後の再通電時、あるいは、リモコン装置50の運転オフ操作が行われた後の運転オン操作が行われてからドレン排水機能の動作を開始するまでの間に、通水動作判断手段47から、追い焚き循環路通水動作が行われたかどうかの判断信号が加えられたかどうかを確認する。
そして、AC100Vが遮断された後の再通電の場合(停電等によって、例えば通水動作判断手段47内の追い焚き循環路通水動作が行われたかどうかの判断信号が加えれたか否かが失われている場合や、例えばドレン排水機能やドレン洗浄機能の動作の途中で故障が生じて動作が停止してしまったときに出力されたエラー信号が失われている場合)や、AC100Vが遮断されずに、リモコン装置50の運転オフ操作が行われた後の運転オン操作の場合(例えば、ドレン排水機能やドレン洗浄機能の動作の途中で故障が生じて動作が停止してしまったときに出力されたエラー信号が解除された場合)に、追い焚き循環路通水動作が行われたという判断信号が、通水動作判断手段47からドレン排水洗浄制御手段41に加えられていなかったときには、前記追い焚き循環路通水経路(図5、参照)を通し、給湯側回路側から注湯路27を介して追い焚き循環路15に水を通す呼水動作によって、循環ポンプ23内に水を入れてからドレン排水機能の動作を行う。
例えば、一度、AC100Vの通電停止を経た後の通電再開時(風呂給湯装置の電源コードをコンセントに差し込んだときや、停電からの復帰時の電源43のオン信号がドレン排水洗浄制御手段41に加えられたとき)においては、例えば風呂給湯装置の取り付けにあたって行われた燃焼試験時に発生したドレンの排水途中で電源が止められてしまい(つまり、配管にドレンがある状態のまま)、かつ、循環ポンプ23内の水が凍結防止のために排水された場合がある。そこで、この場合には、注湯水・追い焚き制御手段42によって、追い焚き循環路15を通して浴槽湯水を循環させる湯水循環動作と、追い焚き循環路15を通して湯水を浴槽14に注水する注水動作の少なくとも一方の追い焚き循環路通水動作が行われるときに、ドレン排水洗浄制御手段41は、その動作開始信号を受けて、その動作開始直前に、先ず、呼水動作によって、循環ポンプ23内に水を入れる必要があり、この呼水動作後にドレン排水機能の動作を行うようにしている。
一方、AC100Vが遮断されずに、リモコン装置50の運転オフ操作が行われた後の運転オン操作の場合に、その電源43のオンからドレン排水機能の動作を開始するまでの間に、前記追い焚き循環路通水動作が行われたという判断信号が、通水動作判断手段47からドレン排水洗浄制御手段41に加えられていたときには、呼水動作は行わなくてもよい。
このようにすることで、本実施例では、たとえマンションの施工から引き渡しに至る間や、寒冷地で凍結の可能性がある場合等に、循環ポンプ23の水抜きをして風呂給湯装置の電源43をオフにした状態とし、その状態のときに前記ドレン排水動作開始条件に達したとしても、循環ポンプ23に水を入れてから支障なくドレン排水機能の動作を行える。なお、前記追い焚き循環路通水動作が行われたという判断信号が、通水動作判断手段47からドレン排水洗浄制御手段41に加えられていたときには、呼水動作は行わなくてもよい。
そして、ドレン排水洗浄制御手段41は、図3に示すようなドレン排水経路によってドレンタンク32内のドレンを排水する。なお、図3の斜線部分には、ドレン排水機能の動作時にドレンが通る領域が示されており、その斜線部分の流れを示す矢印によりドレンの流れが示されている。また、図3において、矢印Dは、潜熱回収用給湯熱交換器4で発生したドレンがドレンタンク32の下側まで達し、ドレン導出路38に導出されるまでの流れを示す。ドレン排水機能の動作を行う際、ドレン排水洗浄制御手段41は、四方切替弁22、ドレン排水切替弁39、ドレン回路切替弁30を、いずれも、図5に示した湯張り運転時の位置から切り替えることによりドレン排水経路として、ドレンを追い焚き循環路15を介して浴室に排出する。
具体的には、まず、ドレン排水洗浄制御手段41は、四方切替弁22を介して管路20と管路28とが接続されるように、四方切替弁22を切り替える。この切り替えにより、管路18,19と戻り管17とは循環ポンプ23から切り離される。次に、ドレン排水洗浄制御手段41はドレン排水切替弁39を切り替え、ドレン排水切替弁39を介して往管16aとドレン排水路38とが接続されるようにする。次に、ドレン排水洗浄制御手段41はドレン回路切替弁30を切り替え、ドレン回路切替弁30を介してドレン導出路36と管路28とが接続されるようにする。この状態で循環ポンプ23を駆動し、ドレンを、ドレン導出路36、管路28、追い焚き循環路15の管路21、追い焚き熱交換器13、往管16aに順に通し、ドレン排水路38を介して浴室に排出する。そして、ドレンタンク水位検出電極34の基準水位電極bによりドレン水位が検出されなくなったところで、ドレン排水機能の動作を終了(停止)する。
また、ドレン排水洗浄制御手段41は、ドレン排水機能によるドレン排水後にドレン洗浄機能の動作を行う。このドレン洗浄機能の動作は、図4の斜線部分に示す経路によって行われるものであり、ドレン回路切替弁30を切り替え、ドレン回路切替弁30を介して注湯路27と管路28とが接続されるようにして、ドレン洗浄経路とする。その状態で注湯電磁弁29を開き、給湯側回路側から注湯路27を介して追い焚き循環路15に通される水によって追い焚き循環路15のうちのドレンの通水路を洗浄する。
ドレン洗浄水選択手段46は、ドレン排水洗浄制御手段41の制御によって行うドレン洗浄機能の動作時に、追い焚き循環路15に通す水を加熱した水にするか加熱しない水にするかを選択する手段である。ドレン洗浄水選択手段46は、前記残水有無判断手段45によって自動湯張り動作の開始時に浴槽14内に残水がないと判断されたときに、ドレン排水洗浄制御手段41によってドレン排水機能の動作が行われたときには、ドレン排水洗浄制御手段41に水洗浄の指令を加え、ドレン排水機能によるドレン排水後に、ドレン排水洗浄制御手段41が追い焚き循環路15に加熱されていない水を通してドレン洗浄機能の動作を行うようにする。
一方、残水有無判断手段45によって、自動湯張り動作の開始時に浴槽14内に残水があると判断されたときと、自動湯張り動作の開始時以外のタイミングでドレン排水洗浄制御手段41がドレン排水機能の動作を行ったときには、ドレン排水洗浄制御手段41に湯洗浄の指令を加え、該ドレン排水機能によるドレン排水後に、ドレン排水洗浄制御手段41が給湯側回路で加熱された水を追い焚き循環路15に通してドレン洗浄機能の動作を行うようにする。なお、このように、ドレン排水洗浄制御手段41が加熱された水を追い焚き循環路15に通すときには、例えば注湯水・追い焚き制御手段42に指令を加え、給湯側回路で(例えば風呂設定温度に)水を加熱して、その加熱された水をドレン洗浄に用いるようにする。
以下、この点について詳述する。通常、日常的なドレン排水機能と、それに続くドレン洗浄機能動作は、前記の如く、低水位電極cによってドレン水位が検出され、かつ、残水なしで(浴槽の残り湯が無い場合で)自動湯張り動作が開始されたときに行われるので、このときのドレン洗浄機能の動作時には、加熱しない水を用いることで、水を加熱するための熱エネルギーの無駄を省くことができる。また、この場合、自動湯張り動作が開始される前に加熱しない水を用いて洗浄するが、直後に自動湯張り動作が開始されるので、風呂の設定温度で加熱した水で給湯側回路の配管内が満たされる。
その一方で、万が一、低水位電極cおよび高水位電極dによってドレン水位が検出されたとき(すなわち、異常に給湯使用量が多い場合)や、前回のドレン排水機能のドレン排出動作の終了時から予め定められるドレン排水用設定時間(例えば72時間)経過したとき、例えば、長期不在時には、ドレン洗浄機能の動作時に風呂の設定温度に加熱した水を用いることにより、給湯側回路の配管内を湯で満たし、万が一、直後にシャワーを浴びても湯が出やすい状況としている。
なお、このように、ドレン洗浄機能の動作時に風呂の設定温度に加熱した水を用い、給湯側回路の配管内を湯で満たすのには、以下の理由がある。すなわち、例えば利用者が給湯温度(給湯設定温度)を60℃に設定し、その湯を給湯栓から出湯させる場合は、利用者が意図しての出湯使用であるので、配管内が60℃の湯で満たされていることを利用者が認識可能である。しかし、ドレン排水機能、ドレン洗浄機能動作は利用者が意図しての使用でない(例えばリモコン装置50の操作ボタンを押したりする操作により、利用者がこれらの動作を行わせたいタイミングで行うものではない)ので、その動作タイミングを利用者が認識不可能である。
したがって、給湯設定温度が60℃といった高温に設定されていた状態で、ドレン洗浄機能の動作時に給湯設定温度に加熱した水が用いられ、その給湯設定温度の湯で配管内が満たされると、夏場等にリモコン装置50の運転をオフして冷水シャワーを利用しようとしたとき等に、高温の湯がシャワーから出湯されて危険が伴う場合がある。そこで、前記の如く、加熱した水でドレン洗浄機能の動作を行う場合には、入浴に快適な温度(全身が直接接しても快適な温度であるので、シャワー等肌に直接接しても快適と思われる温度)として設定してある風呂の設定温度に水を加熱してドレン洗浄機能の動作を行い、その風呂設定温度に加熱した湯で給湯側回路の配管内を満たすことで、直後にシャワーを浴びても快適と思われる温度の湯が出やすい状況としている。
流量可変制御手段44は、追い焚き循環路15を通して湯水を浴槽14に注水する注水動作時に追い焚き循環路15に通す水の流量(例えば24リットル/分)よりも、ドレン洗浄機能の動作時に追い焚き循環路15に通す水の流量を小さい流量に変える手段である。具体的には、流量可変制御手段44は、ドレン排水洗浄制御手段41によってドレン洗浄機能の動作を行う際に流量制御の指令を加え、ドレン排水洗浄制御手段41に水量制御弁56を制御させ、ドレン排水洗浄制御手段41によるドレン洗浄機能の動作時に追い焚き循環路15に通水する水の流量が例えば9リットル/分となるようにする。ドレン排水洗浄制御手段41は、この流量で例えば合計6リットルの水を注水する。本実施例では、このようにドレン洗浄機能の動作時の通水流量を小さくすることで、ドレン洗浄時に流れる水の音(排水音)を小さくできる。
また、本実施例において、注水動作時に追い焚き循環路15に水を通す際には、往管16と戻り管17の両側から注水を行うが、追い焚き循環路15を通してドレン洗浄を行う際には、追い焚き循環路15のうち往管16側のみを用いて通水を行い、戻り管17側には通水を行わない片側通水である。そのため、往管16と戻り管17の両方を通して浴槽14に落とし込む注水動作時と同じ流量の水を往管16側にのみ通水してドレン洗浄を行うと、その水が通るときの水圧が前記注水動作時よりも高くなる。そして、高い水圧が循環ポンプ23に加えられると、例えば樹脂製循環ポンプ23等が水圧に耐えられない等、悪影響が及ぶおそれがあるが、前記のようにドレン洗浄機能の動作時の通水流量を注水動作時の流量よりも小さくすることによって、追い焚き循環路15を通る水の水圧を小さくでき、循環ポンプ23に過大な圧力がかかることを防ぐことができる。なお、前記ドレン排水機能の動作時にドレンを排水する流量はポンプにより加圧しているので、ドレン洗浄機能の動作時に流す水の流量と同様に小さい。
ドレン排水洗浄制御手段41は、ドレン洗浄機能の動作終了後に、ドレン排水切替弁39を切り替え、図5に示したように、ドレン排水切替弁39を介して往管16a,16b同士が接続されるようにし、四方切替弁22を切り替え、四方切替弁22を介して、管路28と管路18とが接続され、管路19と管路20とが接続される態様(追い焚き循環路通水経路)とする。
なお、ドレン排水機能の途中で動作が停止した場合には、追い焚き循環路通水動作が開始された時に、その動作開始に先立ち、ドレン排水機能の動作とそれに続いての前記ドレン洗浄機能の動作を行うようにしてもよい。ドレン洗浄機能の途中で動作が停止した場合には、追い焚き循環路通水動作が開始された時に、その動作開始に先立ちドレン洗浄機能の動作を行うようにしてもよい。
また、ドレン排水洗浄制御手段41によるドレン排水機能の動作時やドレン洗浄機能の動作時に、その動作中であることを記憶する記憶部を制御装置40(制御装置の基板)に設けてもよい。そして、この記憶部に記憶された情報に基づき、ドレン排水機能の動作の途中で故障が生じて動作が停止してしまったとき(このドレン排水機能動作途中の記憶があるとき)には、その故障による停止時に出力されたエラー信号が解除されたときに、あるいは、その後の追い焚き循環路通水動作開始時に、ドレン排水機能の動作とそれに続いての前記ドレン洗浄機能の動作を行うようにし、ドレン洗浄機能の動作の途中で故障が生じて動作が停止してしまった前記記憶があるときには、その故障による停止時に出力されたエラー信号が解除されたときに、あるいは、その後の追い焚き循環路通水動作開始直前に、呼水動作を兼ねた前記ドレン洗浄機能の動作を行うようにしてもよい。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものでなく、適宜設定されるものである。例えば、本発明は、図1に示した制御構成のうち、少なくともドレン排水洗浄制御手段41と、残水有無判断手段45、ドレン洗浄水選択制御手段46を有して、ドレン排水機能の動作タイミングに応じて、ドレン洗浄機能の動作時に通水する水を加熱した水にするか加熱していない水にするかを選択制御できるようにすればよく、流量可変制御手段44、通水動作判断手段47は省略することもできる。
また、前記実施例では、ドレン排水洗浄制御手段41は、ドレンタンク水位検出電極34の検出信号に基づいて、ドレン排水機能の動作を開始するようにしたが、ドレン排水洗浄制御手段41は、前回のドレン排水機能のドレン排出動作の終了時から予め定められるドレン排水用設定時間(例えば72時間)経過したときに、ドレン排水機能のドレン排出動作を行うようにしてもよいし、このようにドレン排水用設定時間が経過する毎にドレン排水機能の動作を行う機能と、ドレンタンク水位検出電極34の検出信号に基づいてドレン排水機能の動作を開始する機能の両方を設けてもよい。
さらに、ドレン排水機能のドレン排出動作時に、追い焚き循環路15に通されるドレンを追い焚き熱交換器13によって例えば60℃以上に加熱して熱殺菌を行いながらドレンを排水するようにしてもよい。また、通常、ドレン排水路38の出口側(浴室の排水口側)には、排水トラップが設けられるが、この排水トラップ内に、ドレン洗浄機能の動作時に流れ込んだ水が溜まったままであると、細菌が繁殖する可能性がある。そこで、ドレン排水洗浄制御手段41は、ドレン洗浄機能の動作を行った後に、さらに、予め定められる設定水量の水を、追い焚き循環路15のうちのドレンの通水路に通す追加通水を行うことによって、前記ドレン洗浄機能の動作時に前記排水トラップ内に流れこんだ水を前記追加通水の水で入れ替える構成としてもよい。
なお、例えば、ドレン洗浄を行う配管(往管16側のみ)は、例えば架橋ポリエチレン管10A(内径9.8mm)を用いて形成され、その長さは例えば最長25mなので、その容量は1.88+α(0.49×0.49×π×2500÷1000=1.88であり、αは器具内水管の容量等)リットルである。そこで、追い焚き循環路15のうちのドレンの通水路の洗浄ということのみを考えると、1.88+αリットルの水の注水を行えば十分であるが、以下の理由により、往管16側の容量(1.88+αリットル)よりも4リットル程多い6リットルの注水を行うようにしている。
つまり、ドレンタンク32内で雑菌が繁殖する可能性があるので、ドレン排水路38(例えば架橋ポリエチレン管7A(内径7mm)最長2.5mの管路であり、その容量は例えば0.1リットル)の置換(洗浄)を行い、また、排水先である浴室の排水トラップの容量は例えば0.5リットル(例えば逆ワン排水トラップ本体喫水面部内径113mm下端内径107mm平均内径110mm、排水トラップ中の配水管外径55mm、封水深(配水管上端からワンの下端)50mm、ワンの下端から排水トラップ下端間距離20mmの場合の内容量は{π(110/2)2−π(110/2)2}×(50+20)=約0.5リットル)であるので、この排水トラップ内の通水によるほぼ全換水(例えばトラップ容量の8倍の4リットル通水で例えば換水率約99.9%以上となる)までできるように、合計6リットルの水を注水する。なお、排水トラップには上記逆ワン排水トラップ以外にも合流トラップ等が知られているが、内部の容量自体にあまり差異がない。従って、トラップ形式が変わっても、前記流量で浴室にあるトラップ内の換水はできるものと考えられる。
さらに、前記4リットルの通水は次のような役目をも合わせもつ。すなわち、前記1.88+αリットルの水の注水のみで置換は十分であるが、例えば取り付けにあたって給湯動作等を行って正常な動作が行われることを確認する竣工検査から、入居後のドレン洗浄までに期間を要する場合がる。このような場合には、置換のみでは洗浄できないこびり付きが生じる場合がある。特に本願潜熱回収用給湯熱交換器6は排気出口に近いがゆえに、排気出口より、周囲のホコリ、土埃、粉塵等が入ってくることがあり、このような入り込みがあると、こびり付きはいっそう強くなる。4リットル通水の役目は、前記ホルムアルデヒドを含むこびり付き解消に十分な量として設定されている。
さらに、風呂給湯装置のシステム構成の詳細は、特に限定されるものでなく、例えば、保温機能や保水機能、ぬる湯機能、追い焚き機能は備えていない装置としてもよいし、暖房機能や、太陽熱の集熱機能等の他の機能を備えていてもよい。
さらに、風呂給湯装置の電源コードをコンセントに差し込んだときや停電からの復帰時の電源43のオン信号がドレン排水洗浄制御手段41に加えられた時に、速やかにドレン排水洗浄制御手段41は切替弁等を制御してドレン洗浄経路を形成し、注湯水・追い焚き制御手段42による追い焚き循環路通水動作開始時までドレン洗浄経路形成状態で待機するようにしてもよい。このようにすると、ドレンが浴槽14に出てしまう可能性をなくせるし、速やかに追い焚き循環路通水動作に先立つ呼水動作を行うことができる。
また、ドレン排水用設定時間経過に達する直前に給湯の使用があった場合(例えば72時間というようなドレン排水用設定時間に達する例えば8分前のような所定時間前から、ドレン排水用設定時間に達する間、すなわち例えば72時間の8分前から72時間に達する間、に給湯使用があった場合)には、給湯使用終了から例えば8分というような所定時間経過までの間、前記ドレン排水動作の強制作動を遅延させてもよい(排水と、それに続く洗浄の両方を遅延)。また、ドレン排水機能の動作は前記ドレン排水用設定時間経過で行うが、このドレン排水機能の動作に続くドレン洗浄機能の動作は、給湯使用終了から例えば8分というような所定時間経過までの間、遅延させてもよい(洗浄のみ遅延)。さらに、ドレン排水機能の動作とそれに続くドレン洗浄機能の動作の両方を、遅延させずに行うが、ドレン洗浄機能の動作時に用いるドレン洗浄水の温度を前記風呂設定温度ではなく、リモコン装置50に設定された給湯設定温度としてもよい(ドレン排水用設定時間経過で排水と、それに続く洗浄は遅延なく行うが、洗浄は給湯設定温度)。これらのいずれかの動作を行うことにより、給湯使用終了から例えば8分というような所定時間経過時に、ドレン排水用設定時間となっても、給湯使用時には給湯設定温度で速やかに出湯ができる。
さらに、本発明の風呂給湯装置は、例えば前記実施例で設けたガス燃焼を行うバーナの代わりに、石油燃焼用のバーナを設けてもよい。