JP6615555B2 - 給湯システム及び給湯システムの運転方法 - Google Patents

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Description

この発明は、給湯システム及び給湯システムの運転方法に関する。
発明者らは、特許文献1にあるような、給湯熱交換器及び追い焚き暖房熱交換器を用いる給湯システムを開発中である。このようなシステムでは、使用する熱交換器を切り替えたり、また切替弁を用いて湯水の流路を切り替えることで、浴槽やカランなどへの湯の供給,浴槽の湯の追い焚き,浴室の暖房などを行うことができる。またこのシステムでは、浴室の暖房と浴槽の追い焚きを同時に行うことも可能である。この場合は、浴槽湯水を高温(殺菌状態)にして、高温の湯水を暖房に用い、暖房放熱によって温度が低下したものの、まだまだ温度が高い湯を浴槽に供給することで、効率的に浴槽を追い焚きすることができる。
特許文献1の給湯システムは、浴槽水を温める(追い焚きを行う)管路と暖房を行う管路とを三方弁で切り替える。暖房時は、浴槽水がポンプで吸引されて追い焚き暖房熱交換器に送られ、追い焚き暖房熱交換器で加熱,殺菌されてから、暖房管路に送り込まれる。このようになるので、浴槽水に雑菌(たとえばレジオネラ菌)が混入していても、加熱,殺菌されるため、暖房管路内で雑菌が繁殖する恐れがない。
また、浴槽やカランなどへの湯の供給及び浴槽の湯の追い焚きのみを行うシステムもある。このようなシステムにおいて、入浴途中に追い焚きを行うと、雑菌を含む浴槽水がポンプで吸引される。追焚終了後にそのままの状態で放置されると(たとえば使用者が数日間帰省した場合など)、追焚管路内に雑菌が増殖するおそれがある。増殖した雑菌が、自動湯張りで浴槽内に流出すると、使用者は雑菌を含む湯水に入浴することとなるので好ましくない。このような事態を防止すべく、特許文献2のように、圧力センサーによる検出水位が一定以下となって、浴槽の水を抜いた(入浴終了した)ことを検知した場合に、追焚管路を湯水で洗浄することが考えられる。
特許第3620357号公報 特許第2132837号公報
特許文献1の給湯システムにおいても、暖房終了後の入浴途中で追い焚きを行う場合がある。追い焚きを行うと、雑菌を含む浴槽水がポンプで吸引される。追焚終了後に暖房管路内に残る湯が冷めて、暖房管路内が負圧になる場合がある。特許文献1の給湯システムには、浴槽とポンプとの間に三方弁が配置されており、この三方弁の閉止機能が前記負圧に耐えられないと(又は三方弁が故障していると)、追焚管路の、雑菌を含んだ浴槽水が三方弁を通過して暖房管路内に侵入することが懸念される。オーバーフローパイプがある場合には、オーバーフローパイプ経由で暖房管路内に雑菌が入り込むことがある。暖房管路内に雑菌が侵入した後、数日間の帰省から帰ってきてから自動湯張りを行うと、暖房管路内で増殖した雑菌が浴槽に流出するという問題があった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされた。本発明の目的は、万一、湯水の流路を切り替える切替弁に不具合が生じても、その不具合によって使用者の健康を害しない給湯システム及び給湯システムの運転方法を提供することである。
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。また符号を付して説明した構成は適宜代替しても改良してもよい。
第1の発明は、追い焚き暖房熱交換器(22)の下方にバーナー(23)が配置された給湯器(2)と、前記追い焚き暖房熱交換器(22)に接続され、追い焚き暖房熱交換器(22)から出て浴槽(40)に向かう湯水が流れる追い焚き循環往き通路(221,411)と、前記浴槽(40)に接続され、浴槽(40)から出て前記追い焚き暖房熱交換器(22)に向かう湯水が流れる追い焚き循環戻り通路(222,412)と、前記追い焚き循環往き通路(221,411)及び前記追い焚き循環戻り通路(222,412)に湯水を循環させる循環ポンプ(220)と、前記追い焚き循環往き通路(221,411)の途中に配置される風呂往き三方弁(31)と、前記追い焚き循環戻り通路(222,412)の途中に配置される風呂戻り三方弁(32)と、前記風呂往き三方弁(31)に接続され、風呂往き三方弁(31)から出て暖房熱交換器(51)に向かう湯水が流れる暖房往き通路(511)と、前記暖房熱交換器(51)に接続され、暖房熱交換器(51)から出て風呂戻り三方弁(32)に向かう湯水が流れる暖房戻り通路(512,331)と、前記暖房戻り通路(512,331)の途中に設けられる貯留部(33)と、前記循環ポンプ(220)を駆動して、浴槽湯水が前記風呂戻り三方弁(32)にまで至ったことを条件として、上水が安全とされる所定時間よりも短い時間以内に、前記暖房熱交換器(51)、前記暖房往き通路(511)、前記暖房戻り通路(512,331)及び前記貯留部(33)にある水を置換する水置換部(S18)とを有する給湯システムである。
第2の発明は、第1の発明において、前記貯留部(33)は、エアセパレーター(33)であって、一端が前記エアセパレーター(33)の上面に接続され、他端が前記風呂往き三方弁(31)と前記浴槽(40)との間の追い焚き循環往き通路(411)に合流するオーバーフローパイプ(332)をさらに有する給湯システムである。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記貯留部(33)は、膨張タンク(33)である給湯システムである。
の発明は、第1から第3までのいずれかの発明において、前記水置換部(S18)は、前記バーナー(23)を点火することなくエアパージ運転することで、水置換を実行する給湯システムである。
の発明は、追い焚き暖房熱交換器(22)の下方にバーナー(23)が配置された給湯器(2)と、前記追い焚き暖房熱交換器(22)に接続され、追い焚き暖房熱交換器(22)から出て浴槽(40)に向かう湯水が流れる追い焚き循環往き通路(221,411)と、前記浴槽(40)に接続され、浴槽(40)から出て前記追い焚き暖房熱交換器(22)に向かう湯水が流れる追い焚き循環戻り通路(222,412)と、前記追い焚き循環往き通路(221,411)及び前記追い焚き循環戻り通路(222,412)に湯水を循環させる循環ポンプ(220)と、前記追い焚き循環往き通路(221,411)の途中に配置される風呂往き三方弁(31)と、前記追い焚き循環戻り通路(222,412)の途中に配置される風呂戻り三方弁(32)と、前記風呂往き三方弁(31)に接続され、風呂往き三方弁(31)から出て暖房熱交換器(51)に向かう湯水が流れる暖房往き通路(511)と、前記暖房熱交換器(51)に接続され、暖房熱交換器(51)から出て風呂戻り三方弁(32)に向かう湯水が流れる暖房戻り通路(512,331)と、前記暖房戻り通路(512,331)の途中に設けられる貯留部(33)とを有する給湯システムの運転方法であって、前記循環ポンプ(220)を駆動して、浴槽湯水が前記風呂戻り三方弁(32)にまで至ったことを条件として、上水が安全とされる所定時間よりも短い時間以内に、前記暖房熱交換器(51)、前記暖房往き通路(511)、前記暖房戻り通路(512,331)及び前記貯留部(33)にある水を置換する水置換工程(S18)を有する給湯システムの運転方法である。
この態様によれば、三方弁の閉止機能が故障により失われても、又は髪の毛等の付着により負圧に耐えられなくなっても、これに起因する雑菌を含む浴槽水が三方弁を通過して暖房管路内に侵入しても、暖房管路内で雑菌が増殖する前に塩素を含む水で洗浄して、増殖した雑菌が浴槽内に流出することを防止することが可能である。
図1は、暖房機能付きの給湯システム1の基本構成を示す図である。 図2は、エアパージ運転について説明する図である。 図3は、湯張り運転について説明する図である。 図4は、追い焚き運転について説明する図である。 図5は、暖房運転について説明する図である。 図6は、浴室の暖房と浴槽の追い焚きの同時運転について説明する図である。 図7は、風呂往き三方弁31・風呂戻り三方弁32の一般的な内部構造を示す図である。 図8は、風呂戻り管412に貯留している、雑菌を含んだ湯水がエアセパレーター33に流れ込む様子を示す図である。 図9は、風呂往き管411に貯留している、雑菌を含んだ湯水が暖房往き管511やオーバーフローパイプ332に流れ込む様子を示す図である。 図10は、入浴終了後、浴槽栓が抜かれ、圧力センサー2131によって水位低下が検知された場合に実行される制御のフローチャートである。 図11は、給湯システムの第2実施形態の制御のフローチャートである。 図12は、給湯システムの応用形態を示す図である。 図13は、第2実施形態の追い焚き運転を説明する図である。 図14は、風呂戻り管412に貯留している、雑菌を含んだ湯水が膨張タンク33に流れ込む様子を示す図である。 図15は、風呂往き管411に貯留している、雑菌を含んだ湯水が暖房往き管511に流れ込む様子を示す図である。 図16は、風呂戻り三方弁32及び風呂往き三方弁31を50%開度として行うエアパージ運転について説明する図である。 図17は、風呂往き三方弁31のみ50%開度として行うエアパージ運転について説明する図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、暖房機能付きの給湯システム1の基本構成を示す図である。
給湯システム1は、主として給湯器2及び温水分岐ユニット3を含む。
給湯器2には、給湯熱交換器21及び追い焚き暖房熱交換器22が上下に配置されて共通のフィン201で一体化されている。その下には、ガスバーナー23が配置されている。ガスバーナー23の下には、燃焼用の空気を供給する燃焼ファンが設けられている。ガスバーナー23は、ガス供給管231から供給された燃料ガスを燃焼して、給湯熱交換器21及び追い焚き暖房熱交換器22を加熱する。
給湯熱交換器21の入口には、入水管211が接続される。入水管211には上水道の水が流れる。上水道の水は、入水管211を通って給湯熱交換器21に供給される。なお入水管211を流れる水の流量は、流量センサー2111で検出される。
給湯熱交換器21の出口には、出湯管212が接続される。出湯管212には給湯熱交換器21で加熱された湯が流れる。給湯熱交換器21で加熱された湯は、出湯管212を通って、カランやシャワーヘッド等の出湯端末60に供給される。出湯管212から湯落とし込み管213が分岐する。この湯落とし込み管213は、追い焚き暖房熱交換器22の入口に接続される湯戻り管222に合流する。湯落とし込み管213には圧力センサー2131が設けられる。給湯熱交換器21の内部には、給湯熱交換器21内の湯の温度(滞留湯温)を検出するための湯温センサー2121が設けられる。給湯熱交換器21の出口には、給湯熱交換器21を通過する湯の温度を検出するための温度センサー2122が設けられる。給湯熱交換器21から出た湯にバイパス管214からの水を混ぜて温度が低下した湯が通る出湯管212には、出湯端末60に送られる湯の温度を検出するための出湯温度センサー2123が設けられる。
追い焚き暖房熱交換器22の出口には、湯往き管221の一端が接続される。湯往き管221の他端は、温水分岐ユニット3の風呂往き三方弁31に接続される。追い焚き暖房熱交換器22の入口には、湯戻り管222の一端が接続される。湯戻り管222の他端は、温水分岐ユニット3の風呂戻り三方弁32に接続される。湯戻り管222には、循環ポンプ220が設けられる。この循環ポンプ220は、湯落とし込み管213の合流箇所よりも追い焚き暖房熱交換器22に近い箇所に設けられている。また湯戻り管222には、風呂水流スイッチ2221及び風呂温度センサー2222も設けられている。風呂水流スイッチ2221及び風呂温度センサー2222は、湯落とし込み管213の合流箇所よりも追い焚き暖房熱交換器22から離れた箇所に設けられている。風呂温度センサー2222は、たとえばサーミスターである。風呂温度センサー2222を使用することで、浴槽40の湯温を検知することができる。
温水分岐ユニット3は、風呂往き三方弁31と、風呂戻り三方弁32とを含む。
風呂往き三方弁31のひとつの接続口には、上述のように湯往き管221が接続される。風呂往き三方弁31の別の接続口には風呂往き管411の一端が接続される。風呂往き管411の他端は、浴槽40の循環金具41に接続される。風呂往き三方弁31の残りの接続口には、暖房往き管511の一端が接続される。暖房往き管511の他端は、暖房ユニット50の暖房熱交換器51の入口に接続されるとともに、暖房熱交換器51の入口と出口はバイパスされる。暖房熱交換器51を含む温水分岐ユニット3は、浴室内(例えば浴槽と浴槽のエプロン間)に設置される。
風呂戻り三方弁32のひとつの接続口には、上述のように湯戻り管222が接続される。風呂戻り三方弁32の別の接続口には風呂戻り管412の一端が接続される。風呂戻り管412の他端は、浴槽40の循環金具41に接続される。風呂戻り三方弁32の残りの接続口には、エアセパレーター接続管331の一端が接続される。エアセパレーター接続管331の他端は、エアセパレーター33の底面に接続される。エアセパレーター33は、湯を貯める空間を有している。暖房熱交換器51の出口に接続される暖房戻り管512の他端が、エアセパレーター33の底面に接続される。
このようになっているので、湯往き管221及び風呂往き管411が連通するように風呂往き三方弁31を切り替えて、風呂戻り管412及び湯戻り管222が連通するように風呂戻り三方弁32を切り替えた状態で、循環ポンプ220が作動すると、給湯器2で加熱された湯が浴槽40を循環する。
湯往き管221及び暖房往き管511が連通するように風呂往き三方弁31を切り替えるとともに、エアセパレーター接続管331及び湯戻り管222が連通するように風呂戻り三方弁32を切り替えた状態で、循環ポンプ220が作動すると、給湯器2で加熱された湯が暖房ユニット50の暖房熱交換器51及びエアセパレーター33を循環する。
なおエアセパレーター33の上面には、オーバーフローパイプ332の一端が接続されている。オーバーフローパイプ332の他端は、風呂往き管411に合流する。
図中、200は給湯器2のコントローラー、300は温水分岐ユニット3のコントローラー、52は暖房ユニット50の室温検知センサーである。
給湯器コントローラー200にはリモコン(不図示)が接続され、リモコンが操作されて給湯温度や風呂温度が設定される。カランやシャワーヘッド等の出湯端末60の栓が開かれると、出湯温度センサー2123によって検出される出湯温度が、給湯設定温度となるように、ガスバーナー23の燃焼が調整されて給湯熱交換器21が加熱される。また、風呂の追い焚き燃焼時には、風呂温度センサー2222によって検出される風呂温度が、風呂設定温度となるように、ガスバーナー23の燃焼が調整されて、追い焚き暖房熱交換器22が加熱される。
続いて以下では具体的な運転シーンに沿った給湯システム1の運転についてさらに詳しく説明する。
リモコンが操作されて入浴予定時刻として18時がセットされ、風呂自動運転スイッチ(湯張り運転、追い焚き運転、自動保温運転)と浴室暖房スイッチとがセットされた場合を例に挙げて、給湯システム1の作動について説明する。なお入浴予定時刻(18時)の前に浴室の暖房も完了させる。
この場合は、入浴予定時刻(18時)の30分前にシステムが作動を開始する。最初にエアパージ運転を実行する。エアパージ運転では、図2に示されるように、追い焚き暖房熱交換器22と暖房端末26とが連通するように風呂往き三方弁31を切り替えるとともに、追い焚き暖房熱交換器22とエアセパレーター33とが連通するように風呂戻り三方弁32を切り替える。この状態で、上水道の水を供給すると、水は入水管211を流れて給湯熱交換器21で加熱され、出湯管212→湯落とし込み管213と流れた後、湯戻り管222で2つの流れに分流する。なお図中、湯水温度の概略をドットの濃淡で表現した。ドットが濃いところは湯水温度が高く、ドットが淡いところは湯水温度が低い。図2中は2つの流れが判りやすいように濃淡を付けているが、エアパージ運転中は暖房ファンを運転しないので、ほぼ同じ温度となっている。
分流したひとつの流れは、湯戻り管222→追い焚き暖房熱交換器22、という流れであり、追い焚き暖房熱交換器22でさらに加熱されて、湯往き管221→風呂往き三方弁31→暖房往き管511→暖房熱交換器51→暖房戻り管512、と流れてエアセパレーター33に到達する。分流したもうひとつ流れは、湯戻り管222→風呂戻り三方弁32→エアセパレーター33、という流れである。このように、湯戻り管222で2つに分流した流れは、エアセパレーター33で合流する。
そして、エアセパレーター33から、オーバーフローパイプ332→風呂往き管411→循環金具41、と流れて浴槽40に到達する。このように湯が流れることで、配管中の空気がパージされる。なお仕様にもよるが、2〜3リットル程度の湯水が流れれば、エアパージが完了する。給水圧によって湯水が毎分2リットル程度流れれば、このエアパージは、約1分程度で完了する。
エアパージが完了したら、浴槽40が所望の湯量になるまで、湯張り運転を実行する。この場合は、図3に示されるように、追い焚き暖房熱交換器22と浴槽40とが連通するように風呂往き三方弁31及び風呂戻り三方弁32を切り替える。この状態で上水道の水を供給すると、水は入水管211を流れて給湯熱交換器21で加熱されて出湯管212→湯落とし込み管213と流れた後、湯戻り管222で2つの流れに分流する。
ひとつの流れは、湯戻り管222→追い焚き暖房熱交換器22、という流れであり、追い焚き暖房熱交換器22でさらに加熱されて、湯往き管221→風呂往き三方弁31→風呂往き管411→循環金具41と流れて浴槽40に到達する。もうひとつ流れは、湯戻り管222→風呂戻り三方弁32→風呂戻り管412→循環金具41(浴槽40)という流れである。このように、給湯熱交換器21で加熱された湯は、途中で2系統に分流して浴槽40に供給される。この湯張り運転は、浴槽40が所望の湯量になるまで行われる。なお浴槽40の湯量Qは、圧力センサー2131で検出された水圧PをPQ線図に適合することで求められる。
湯張りが完了したら、湯温が適温になるまで追い焚き運転が実行される。この場合は、図4に示されるように、風呂往き三方弁31及び風呂戻り三方弁32が、追い焚き暖房熱交換器22と浴槽40とを連通させた状態で循環ポンプ220を作動させる。すると、浴槽40の湯水が、循環金具41→風呂戻り管412→風呂戻り三方弁32→湯戻り管222→追い焚き暖房熱交換器22→湯往き管221→風呂往き三方弁31→風呂往き管411→循環金具41→浴槽40、と循環し、追い焚き暖房熱交換器22で加熱される。なおこの場合、給湯せずに追い焚きのみするが、ガスバーナー23の熱が給湯熱交換器21にも伝達するので、給湯熱交換器21内の湯水が沸騰するおそれがある。給湯熱交換器21の湯が沸騰した状態で出湯端末60の栓が開けられると、沸騰した湯が出湯端末60から流出することとなり危険である。そこでこの場合は、給湯熱交換器21に設けられた湯温センサー2121の検出温度を見ながらガスバーナー23をオンオフして燃焼・停止を繰り返すことで、給湯熱交換器21内で湯水が沸騰することを防止しながら追い焚きする。入浴予定時刻(18時)の15分程度前までには湯が適温になって追い焚きが完了する。
セットされている入浴予定時刻の10分程度前になったら、暖房運転が開始される。この場合は、図5に示されるように、風呂往き三方弁31を切り替えて、追い焚き暖房熱交換器22と暖房熱交換器51とを連通させるとともに、風呂戻り三方弁32を切り替えて、追い焚き暖房熱交換器22とエアセパレーター33とを連通させる。この状態で循環ポンプ220を作動させる。すると、追い焚き暖房熱交換器22で加熱されて70℃程度になった湯が、湯往き管221→風呂往き三方弁31→暖房往き管511、と流れて暖房熱交換器51に達する。暖房熱交換器51で、湯の熱が放熱されて、浴室内を暖めることとなる。暖房熱交換器51を通った湯は、60℃程度まで温度が下がり、暖房戻り管512→エアセパレーター33→エアセパレーター接続管331→風呂戻り三方弁32→湯戻り管222、と流れて、再び、追い焚き暖房熱交換器22を流れて加熱される。
この暖房運転では、暖房管路(暖房往き管511,暖房熱交換器51,暖房戻り管512,エアセパレーター33,エアセパレーター接続管331)内が60℃以上の湯水で満たされ、殺菌されつつ暖房する。入浴予定時刻(18時)までには浴室が適温になって暖房運転が完了する。
その後、時間が経過すると、浴槽湯水の温度が低下する。そこで、風呂往き三方弁31及び風呂戻り三方弁32が、追い焚き暖房熱交換器22と浴槽40とを連通させた状態(図4の状態)にしておく。そして所定時間毎に循環ポンプ220を作動させる。すると、浴槽40の湯水が、循環金具41→風呂戻り管412→風呂戻り三方弁32→湯戻り管222→追い焚き暖房熱交換器22→湯往き管221→風呂往き三方弁31→風呂往き管411→循環金具41→浴槽40、と循環する。この循環する湯水の温度を湯戻り管222の風呂温度センサー2222で検出し、リモコンの設定温度以下ならば追い焚きを行い、リモコンの設定温度の所定の範囲内であれば追い焚きを行わずに循環ポンプ220を停止させる。このようにすることで、浴槽湯水の保温をはかる(自動保温)。
複数人が交替で入浴する場合に、浴室の温度が低下するなどして、浴室の暖房と浴槽の追い焚きを同時に行うシーンがある。この場合は、図6に示されるように、風呂往き三方弁31を切り替えて、追い焚き暖房熱交換器22と暖房熱交換器51とを連通させるとともに、風呂戻り三方弁32を切り替えて、追い焚き暖房熱交換器22と浴槽40とを連通させる。この状態で循環ポンプ220を作動させる。すると、浴槽40の湯水が、循環金具41→風呂戻り管412→風呂戻り三方弁32→湯戻り管222→追い焚き暖房熱交換器22、と流れて、追い焚き暖房熱交換器22で加熱されて70℃程度になる。そしてその湯が、湯往き管221→風呂往き三方弁31→暖房往き管511、と流れて暖房熱交換器51に達する。暖房熱交換器51で、湯の熱が放熱されて、浴室内を暖める。暖房熱交換器51を通った湯は、60℃程度まで温度が下がるものの、まだまだ温度が高い。その湯が、暖房戻り管512→エアセパレーター33→オーバーフローパイプ332→風呂往き管411→循環金具41、と流れて再び浴槽40に到達する。このように、追い焚き暖房熱交換器22で加熱されて70℃程度になった湯は、暖房熱交換器51で放熱して浴室内を暖める。そして、60℃程度まで温度が下がるもののまだまだ温度が高い湯が浴槽に供給されることで、効率的に浴槽を追い焚きすることが可能である。
また、暖房運転を終了してから、湯温が低下して、再び、追い焚きを行うシーンもある。この場合は、図4に示されるように、風呂往き三方弁31及び風呂戻り三方弁32が、追い焚き暖房熱交換器22と浴槽40とを連通させた状態にする。そして循環ポンプ220を作動させる。
このように、暖房運転終了後、入浴に伴い浴槽の追い焚きや、浴室の暖房と浴槽の追い焚きを同時に行うシーンがある。そして、追焚終了後に暖房管路内に残る湯が冷め、暖房管路内が負圧になると、風呂戻り三方弁32の閉止機能が前記負圧に耐えられず(又は三方弁の故障により)、雑菌と雑菌増殖に有利に働く有機物を含む浴槽水が、三方弁を通過して暖房管路内に侵入し、雑菌が暖房管路内で繁殖するおそれがある。一般的に清水(市水、上水)でも100時間程度を超えると、暖房管路内の雑菌量が、浴槽に混入した時に好ましくない程度まで繁殖してしまう。浴槽水は清水と異なり雑菌繁殖を促進する有機物を多量に含むので、例えば100時間以下の72時間程度で何らかの対応を取ることが好ましい。
ここで、三方弁の予想される故障原因について説明する。
図7に風呂往き三方弁31・風呂戻り三方弁32の一般的な内部構造を示す。風呂往き三方弁31・風呂戻り三方弁32の内部流路には、楕円形ステンレス板に2つのゴムが被せられたバタフライバルブVがある。バタフライバルブVは、2ヶ所(図中×印部)でシャフトSFTにスポット溶接されている。シャフトSFTの先端にはギヤGが固設されている。ギヤGは、モーターMによって駆動される。ギヤGの回転角度(バタフライバルブVの開度)は、角度位置センサーSによって検出される。バタフライバルブVは、モーターMによって角度が変更される。バタフライバルブVは、楕円形ステンレス板に被せられたゴム部分を、管路端部に押しつけたり解放したりすることで流路を開閉することで、流路を択一的に切り替える。
ところで、ステッピングモーターを用いることで、上述したような角度位置センサーSを使用しない場合がある。この場合、ステッピングモーターの脱調(ステッピングモーターに通電しても回動しないために、バタフライバルブの実際の角度が、演算によって求められる角度に対してズレる現象)によって、バタフライバルブの角度が予定角度と異なる場合がある。厳密には故障ではないかもしれないが、脱調状態(中間開度で停止した状態)で暖房運転を行うと、風呂の湯温が高くなり過ぎたり、浴室の暖房の効きが悪いなどの不具合が生じる。また、角度位置センサーを用いたとしても、角度位置センサーにリード線をハンダ付けする際に用いる塩化亜鉛等のハンダペーストが、角度位置センサーの検出面上にある銅箔を腐食させ、角度位置センサーの接触部分の接触不良によってバタフライバルブの角度を誤検出する場合がある。前記の2つのパターンでは、いきなり本来の100%開度が70%開度のように急変し、不具合を生じる。ところで、2つのゴムをかぶせたバタフライバルブは、切り替える管路端部にゴム部分を押しつけることで閉止している。このとき、バタフライバルブとシャフト間を固定しているスポット溶接部分には、スポット溶接が剥がれる方向に力が加わる。スポット溶接時の溶接電流が適切でなかった場合には、金属疲労により溶接が剥がれ、本来の100%開度が85%開度となり、さらに剥がれて70%開度のようにゆっくり異常が進行する場合がある。このようにいきなり開度に異常が生じる故障とゆっくり進行する故障がある。次に故障時の湯水の流れについて説明する。
次に、図8を参照して、雑菌と雑菌増殖に有利に働く有機物を含む浴槽水が、三方弁を通過して暖房管路内に侵入することについて説明する。
先に説明したように、入浴予定時刻(18時)の30分前にエアパージ運転が実行される。このエアパージ運転によって暖房管路内には新鮮な湯が充満することとなる。エアパージが完了したら湯張り運転が実行される。浴槽40が所望の湯量になったら、湯温が適温になるまで追い焚き運転が実行される。そして、入浴予定時刻の10分程度前になったら、暖房運転が開始される。エアパージ運転によって暖房管路内は新鮮な湯で充満しており雑菌(たとえばレジオネラ菌,大腸菌)はいないが、暖房運転することで暖房管路内が熱殺菌される。なお、この暖房運転は必須ではない、なぜならば利用者の選択(たとえば夏場で暖房が不必要な状況)によって行われないためである。
その後、時間が経過したら循環ポンプ220を駆動して風呂温度センサー2222で浴槽の湯温を検出する。湯温がリモコンの設定温度以下ならば追い焚き運転を行う。また複数人が交替で入浴する場合に浴室の暖房運転も同時に行うこともある。このような運転を行うと、図4に示されるように、浴槽40の湯水が、循環金具41→風呂戻り管412→風呂戻り三方弁32→湯戻り管222、と流れ、風呂戻り管412から湯戻り管222までは、雑菌を含んだ湯水で満たされる。この湯水が追い焚き暖房熱交換器22で加熱されることで熱殺菌されて、湯往き管221→風呂往き三方弁31→風呂往き管411、と流れるので、湯往き管221から風呂往き管411までは、熱殺菌された湯水で満たされる。このように、冬場、暖房運転終了後に行われる、入浴に伴う浴槽の追い焚き運転や、浴室の暖房運転と浴槽の追い焚き運転の同時実行によって、風呂戻り管412から湯戻り管222までは、雑菌を含んだ湯水で満たされることとなる。なお、循環ポンプ220を駆動して風呂温度センサー2222で浴槽の湯温を検出したが、湯温がリモコンの設定温度の所定の範囲内であれば追い焚きを行わずに循環ポンプ220を停止させる。この場合は、循環ポンプ220を駆動することで、浴槽40の湯水が、循環金具41→風呂戻り管412→風呂戻り三方弁32→湯戻り管222→暖房熱交換器22→湯往き管221→風呂往き三方弁31→風呂往き管411、と流れ、循環ポンプ220を停止することで、この経路に雑菌を含んだ湯水が満たされることとなる。
入浴終了後、浴槽栓が抜かれ、圧力センサー2131によって水位低下が検知されると、配管内の湯を洗い流す配管洗浄が行なわれる。この配管洗浄は、バーナー23が燃焼した状態で行われる。これによって、湯張り時(図3)と同様の流れが生じて、湯戻り管222→追い焚き暖房熱交換器22→湯往き管221→風呂往き三方弁31→風呂往き管411、という経路と、湯戻り管222→風呂戻り三方弁32→風呂戻り管412、という経路との内部が新鮮な湯で満たされ、雑菌(たとえばレジオネラ菌、大腸菌)がいなくなる。
しかしながら、浴槽栓が抜かれる前に、暖房管路内が冷えると(特に冬場は暖房管路内が冷えやすい)、図8に示されるように、風呂戻り管412に貯留している、雑菌を含んだ湯水がエアセパレーター33に流れ込むことがある。すなわち、暖房管路内が冷えると暖房管路内が負圧になる。このとき、風呂戻り三方弁32の閉まりが不十分の場合には、暖房管路内の負圧によって、風呂戻り管412に貯留している湯水がエアセパレーター33に流れ込む。
また循環ポンプ220を駆動して風呂温度センサー2222で浴槽の湯温を検出したが、湯温がリモコンの設定温度の所定の範囲内(マイナス0.5℃以内)であれば追い焚きを行わずに循環ポンプ220を停止させる。この場合は、循環ポンプ220を駆動することで、浴槽40の湯水が、循環金具41→風呂戻り管412→風呂戻り三方弁32→湯戻り管222→暖房熱交換器22→湯往き管221→風呂往き三方弁31→風呂往き管411、と流れ、循環ポンプ220を停止することで、この経路に雑菌を含んだ湯水が満たされることとなる。そして、図9に示されるように、風呂往き管411に貯留している、雑菌を含んだ湯水が暖房往き管511やオーバーフローパイプ332に流れ込むことがある。すなわち、暖房管路内が冷えると暖房管路内が負圧になる。このとき、風呂往き三方弁31の閉まりが不十分の場合には、暖房管路内の負圧によって、風呂往き管411に貯留している湯水が暖房往き管511やオーバーフローパイプ332に流れ込む。
このようにして、雑菌と雑菌増殖に有利に働く有機物を含む浴槽水が、三方弁を通過して暖房管路内に侵入することとなる。
そして何ら工夫がなければ、浴槽栓が抜かれて圧力センサー2131によって水位低下が検知された場合に、配管内の湯を洗い流す配管洗浄が行なわれる。この配管洗浄は、バーナー23が燃焼した状態で行われる。これによって、湯張り時(図3)と同様の流れが生じて、湯戻り管222→追い焚き暖房熱交換器22→湯往き管221→風呂往き三方弁31→風呂往き管411、という経路と、湯戻り管222→風呂戻り三方弁32→風呂戻り管412、という経路との内部には新鮮な湯で満たされて雑菌(たとえばレジオネラ菌、大腸菌)がいなくなるものの、暖房管路には雑菌が残留してしまう。前回のエアパージ運転から72時間程度が経過すると、暖房管路に残留した雑菌が繁殖し、次回のエアパージ運転によってその雑菌が浴槽40に流れ込む事態が発生する。
そこで、この第1実施形態では、入浴終了後、浴槽栓が抜かれ、圧力センサー2131によって水位低下が検知された場合に、以下の制御を実行するようにした。以下では、図10のフローチャートに沿って具体的な内容を説明する。なおこのフローチャートは、所定の微小時間サイクルで繰り返し実行される。
ステップS11において、コントローラーは、圧力センサー2131の検出信号が基準値よりも小さくなるまでは処理をスキップし、小さくなったらステップS12へ処理を移行する。
ステップS12において、コントローラーは、タイマーが作動しているか否かを判定する。コントローラーは、判定結果が否であればステップS13へ処理を移行し、判定結果が肯であればステップS16へ処理を移行する。なおタイマーは最初停止している。
ステップS13において、バーナー23を燃焼してエアパージ運転を実行する。
ステップS14において、タイマーを起動する。
ステップS15において、配管洗浄運転を実行する。
ステップS16において、コントローラーは、タイマーが72時間を経過するまではステップS17以降の処理をスキップし、72時間を経過したらステップS17へ処理を移行する。
ステップS17において、バーナー23を燃焼しないでエアパージ運転を実行する。
ステップS18において、タイマーをリセットする。
次に、コントローラーの処理を説明する。なお以下では、上述のフローチャートとの対応が分かりやすくなるように、フローチャートのステップ番号を適宜記載する。
入浴終了後、浴槽栓が抜かれ、圧力センサー2131によって水位低下が検知されたときは(S11でYes)、風呂往き三方弁31及び風呂戻り三方弁32を、図4に示される追焚状態から図2に示されるエアパージ運転状態に切り替えてバーナー23を燃焼してエアパージ運転を行う(S13)。これによってエアセパレーター33をはじめとする暖房管路の内部の湯水が置換される。そして72時間タイマーを起動する(S14:72時間タイマーの起点)。
次サイクル以降は、タイマーが作動しているので、ステップS12→S15、と処理される。そして、風呂往き三方弁31及び風呂戻り三方弁32を湯張り時(図3)の状態にして、バーナー23が燃焼した状態で配管洗浄を行なう(S16)。これによって、湯戻り管222→追い焚き暖房熱交換器22→湯往き管221→風呂往き三方弁31→風呂往き管411、という流れと、湯戻り管222→風呂戻り三方弁32→風呂戻り管412、という流れが生じて、配管が洗浄される。
次サイクル以降は、配管が洗浄済みであるので、ステップS15→S17、と処理されて、72時間が経過したら(通常はリモコンOFFの状態で)、ステップS17→S18、と処理されて、風呂往き三方弁31及び風呂戻り三方弁32を、図2で示すエアパージ運転状態に切り替え、バーナー23を燃焼しない状態でエアパージ運転を行う(S18)。これによって、塩素を含む冷水でエアセパレーター33をはじめとする暖房管路内の水を置換する。そして、72時間タイマーをリセットする(S19)。
次サイクル以降は、タイマーが作動しているとともに配管が洗浄済みであるので、ステップS12→S15→S17、と処理されて、72時間が経過したら(通常はリモコンOFFの状態で)、ステップS17→S18、と処理されて、バーナー23を燃焼しない状態でエアパージ運転を行う(S18)、という処理を繰り返す。
このように、本実施形態によれば、通常状態として三方弁を追焚位置とし、入浴終了時に行う浴槽排水動作を圧力センサー2131で検出し、検出水位が一定以下となった場合には、追焚管路を給湯の湯水で洗浄して、72時間が経過するまで待機する。そして72時間が経過したならば、三方弁をエアパージ位置として湯落とし込み管213から水を流し、塩素を含む水で暖房管路内を満たし雑菌の繁殖を防止する。そして、所定量の水を流し終えたあとは、三方弁を追焚管路位置に戻して待機し、この動作を72時間毎に繰り返すようにしている。
このようにすることで、次回エアパージ運転や、次回暖房運転時に暖房管路で増殖した雑菌が浴槽に混入するのを防止することができる。
また上述したように、追い焚きを伴わないで循環ポンプ220を駆動させた場合には、風呂戻り三方弁32のみならず風呂往き三方弁31の浴槽側も雑菌が含まれる湯水で満たされる。したがって、暖房管路への雑菌侵入経路として風呂往き三方弁31もある。換言すれば、追い焚き(燃焼)するか否かにかかわらず、循環ポンプ220を駆動させると、まず浴槽湯水が風呂戻り三方弁32にまで至り、その後、風呂往き三方弁31にも至る。したがって、少なくとも浴槽湯水が風呂戻り三方弁32にまで達していれば、その後暖房管路内の湯水の膨張、収縮により浴槽湯水が暖房管路内に侵入する恐れがあるので、槽湯水が風呂戻り三方弁32にまで至ったことを条件として、上水において100時間程度と言われる安全基準より短い期間の72時間程度で暖房管路内の水の置換を行うことで、次回エアパージ運転や、次回暖房運転時に暖房管路で増殖した雑菌が浴槽に混入するのを防止することができる。
なお浴槽湯水が風呂戻り三方弁32にまで至ったことは、循環ポンプ220を駆動させた時間で把握できる。たとえば、浴槽〜風呂戻り三方弁32間距離(配管容量)と、風呂戻り三方弁32〜風呂温度センサー2222間距離(配管容量)と、循環ポンプ220を駆動して浴槽の湯温を検出するまでの時間が分かれば逆算できるので、次回以降はこの逆算時間を用いるようにすれば良い。
また前記距離(配管容量)関係が不明の場合には、風呂温度センサー2222が湯温を検出したことをもって浴槽湯水が風呂戻り三方弁32にまで至ったと判断するようにしても良い。
さらに、風呂自動運転スイッチ(湯張り運転、追い焚き運転、自動保温運転)がセットされた場合には、追い焚き運転にて燃焼するか否かは別として浴槽湯水の温度を見るために、循環ポンプ220駆動により風呂温度センサー2222にまで浴槽湯水が至るので(入浴の如何にかかわらず、浴槽に湯水を入れれば、浴槽湯水に雑菌が入るので)、風呂自動運転スイッチがセットされたことをもって浴槽湯水が風呂戻り三方弁32にまで至る状況(循環ポンプを駆動して、浴槽湯水が風呂戻り三方弁にまで至る状況)と判断するようにしても良い。
暖房運転時における雑菌の浴槽への混入は、追焚や浴室室温の上昇により暖房管路内の湯水が膨張し、しっかり閉まっていない(故障や髪の毛が絡みついてしっかり閉まっていない等)場合には、風呂戻り三方弁32や、風呂往き三方弁31から追焚管路に雑菌を含む湯水が漏れ出るために起きる。
夏場には、浴槽水の熱や浴室の熱を受けて暖房管路内の圧力が上昇するので、同じことが起きるので、前記対策は夏でも必要である。
(第2実施形態)
図11は、給湯システムの第2実施形態の制御のフローチャートである。なお以下では前述と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
次に第2実施形態について説明する。第1実施形態では、入浴終了時に行う浴槽排水動作を圧力センサー2131で検出したら、バーナー23を燃焼してエアパージ運転を実行することで、エアセパレーター33をはじめとする暖房管路の内部の湯水を置換した。これに対して、この第2実施形態では、暖房管路の内部の湯水の置換する動作を省略している。その他の動作は、第1実施形態と共通である。
このようにしても、次回エアパージ運転や、次回暖房運転時に暖房管路で増殖した雑菌が浴槽に混入するのを防止することができる。なぜならば、エアセパレーター33内の雑菌は72時間以内はその増殖量が少なく、浴槽に混入しても支障がないためである。なお72時間タイマーの起点は、前回のエアパージ運転であり、たとえば入浴予定時刻(18時)の30分前にエアパージ運転である。
(応用形態)
図12は、給湯システムの応用形態を示す図である。
上述のシステムでは、オーバーフローパイプ332があるものを例示して説明した。このようなシステムでは、負圧発生時に、オーバーフローパイプ332を経由して暖房管路内に雑菌が入り込むことがある。しかし、オーバーフローパイプ332がないシステムでも三方弁で切り替えるシステムでは、三方弁の故障により、雑菌を含む浴槽水が三方弁を通過して暖房管路内に侵入するので同様の事態が発生する。このように暖房回路中で雑菌が増殖し、このあとに自動湯張りを行うと、暖房管路内で増殖した雑菌が、自動湯張りで浴槽内に流出すると健康を害する事態になり、危険であるが、第1実施形態及び第2実施形態の技術は、図12に示すようなオーバーフローパイプ332がなく、エアセパレーター33の代わりに膨張タンク33を用いたシステムにも応用できる。
はじめに、オーバーフローパイプ332がなく、エアセパレーター33の代わりに膨張タンク33を用いたシステムでも、雑菌と雑菌増殖に有利に働く有機物を含む浴槽水が、三方弁を通過して暖房管路内に侵入することについて説明する。
追い焚き運転では、図13に示されるように、風呂往き三方弁31及び風呂戻り三方弁32が、追い焚き暖房熱交換器22と浴槽40とを連通させた状態で循環ポンプ220を作動させる。すると、浴槽40の湯水が、循環金具41→風呂戻り管412→風呂戻り三方弁32→湯戻り管222→追い焚き暖房熱交換器22→湯往き管221→風呂往き三方弁31→風呂往き管411→循環金具41→浴槽40、と循環し、追い焚き暖房熱交換器22で加熱される。
浴槽栓が抜かれる前に、暖房管路内が冷えると(特に冬場は暖房管路内が冷えやすい)、図14に示されるように、風呂戻り管412に貯留している、雑菌を含んだ湯水がエアセパレーター33に流れ込むことがある。すなわち、暖房管路内が冷えると暖房管路内が負圧になる。このとき、風呂戻り三方弁32の閉まりが不十分の場合には、暖房管路内の負圧によって、風呂戻り管412に貯留している湯水が膨張タンク33に流れ込む。
また循環ポンプ220を駆動して風呂温度センサー2222で浴槽の湯温を検出したが、湯温がリモコンの設定温度の所定の範囲内であれば追い焚きを行わずに循環ポンプ220を停止させる。この場合は、循環ポンプ220を駆動することで、浴槽40の湯水が、循環金具41→風呂戻り管412→風呂戻り三方弁32→湯戻り管222→暖房熱交換器22→湯往き管221→風呂往き三方弁31→風呂往き管411、と流れ、循環ポンプ220を停止することで、この経路に雑菌を含んだ湯水が満たされることとなる。そして、図15に示されるように、風呂往き管411に貯留している、雑菌を含んだ湯水が暖房往き管511に流れ込むことがある。すなわち、暖房管路内が冷えると暖房管路内が負圧になる。このとき、風呂往き三方弁31の閉まりが不十分の場合には、暖房管路内の負圧によって、風呂往き管411に貯留している湯水が暖房往き管511に流れ込む。
このように、オーバーフローパイプ332がなく、エアセパレーター33の代わりに膨張タンク33を用いたシステムでも、雑菌と雑菌増殖に有利に働く有機物を含む浴槽水が、三方弁を通過して暖房管路内に侵入するのである。
このようなシステムでも、図10や図11に示したフローチャートを実行することで、次回エアパージ運転や、次回暖房運転時に暖房管路で増殖した雑菌が浴槽に混入するのを防止することができる。
なおこのようなシステムでは、エアパージ運転は、たとえば、風呂戻り三方弁32及び風呂往き三方弁31を50%開度として行う。このようにしてエアパージ運転を実行すると、図16に示されるように、湯落とし込み管213から風呂戻り三方弁32へ送られた湯は、膨張タンク接続管331と風呂戻り管412とに分かれる。膨張タンク接続管331に分かれた湯は、膨張タンク33→暖房戻り管512→暖房熱交換器51→暖房往き管511、と流れて風呂往き三方弁31に到達し、湯往き管221を流れる湯と合流して、浴槽40へ至る。オーバーフローパイプ332がなく、エアセパレーター33の代わりに膨張タンク33を用いたシステムでは、このようにエアパージ運転するので、図10や図11に示したフローチャートを実行することで、次回エアパージ運転や、次回暖房運転時に暖房管路で増殖した雑菌が浴槽に混入するのを防止することができる。
オーバーフローパイプ332がなく、エアセパレーター33の代わりに膨張タンク33を用いたシステムでは、以下のようにエアパージ運転を行う場合もある。すなわち、風呂戻り三方弁32及び風呂往き三方弁31の両方を50%開度にするのではなく、風呂往き三方弁31のみ50%開度とする方法である。このようにしてエアパージ運転を実行すると、図17に示されるように、湯落とし込み管213から風呂戻り三方弁32へ送られた湯は、全量が膨張タンク接続管331に流れる。そして、膨張タンク33→暖房戻り管512→暖房熱交換器51→暖房往き管511、と流れて風呂往き三方弁31に到達し、湯往き管221を流れる湯と合流して、浴槽40へ至る。このようにエアパージ運転しても、図10や図11に示したフローチャートを実行することで、次回エアパージ運転や、次回暖房運転時に暖房管路で増殖した雑菌が浴槽に混入するのを防止することができる。
このように、エアパージ運転には種々の手法があるが、特に限定されるものではない。
また、給湯熱交換器21と追い焚き暖房熱交換器22を一つの缶体とした一缶二水を用いたもので説明を行ったが、二缶二水であってもかまわない。
風呂自動運転スイッチと浴室暖房スイッチとがセットされされた例について述べたが、給湯システム1の図示されない外気温サーミスターや、暖房ユニット50の室温検知センサー52を用いて、浴室暖房は、風呂自動運転スイッチを選択したら、その動作を自動で判断するようにしても良い。
72時間タイマーの初回起点は、室温検知センサー52が温度降下を捉えて入浴が終了した時点としても良いし、圧力センサー2131で最終水位低下(入浴終了による水位低下後、所定時間の入浴がないことを排水)を捉えた時点であってもかまわない。
72時間タイマーは室温検知センサー52の検出する温度に応じて可変設定(浴室の温度が低いほど暖房管路内雑菌繁殖温度が低く、長時間でも雑菌が繁殖しにくいと判断して長めにタイマーを設定)とされるようにしてもかまわない。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
たとえば、バーナーに送る燃料はガスではなく、石油であってもよい。
上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
1 給湯システム
2 給湯器
21 給湯熱交換器
22 追い焚き暖房熱交換器
201 フィン
23 バーナー(ガスバーナー)
221 湯往き管(追い焚き循環往き通路)
222 湯戻り管(追い焚き循環戻り通路)
2222 戻り湯温センサー
3 温水分岐ユニット
31 風呂往き三方弁
32 風呂戻り三方弁
33 エアセパレーター/膨張タンク(貯留部)
331 エアセパレーター接続管(暖房戻り通路)
332 オーバーフローパイプ
40 浴槽
411 風呂往き管(追い焚き循環往き通路)
412 風呂戻り管(追い焚き循環戻り通路)
51 暖房熱交換器
511 暖房往き管(暖房往き通路)
512 暖房戻り管(暖房戻り通路)
S18 水置換部/水置換工程

Claims (5)

  1. 追い焚き暖房熱交換器の下方にバーナーが配置された給湯器と、
    前記追い焚き暖房熱交換器に接続され、追い焚き暖房熱交換器から出て浴槽に向かう湯水が流れる追い焚き循環往き通路と、
    前記浴槽に接続され、浴槽から出て前記追い焚き暖房熱交換器に向かう湯水が流れる追い焚き循環戻り通路と、
    前記追い焚き循環往き通路及び前記追い焚き循環戻り通路に湯水を循環させる循環ポンプと、
    前記追い焚き循環往き通路の途中に配置される風呂往き三方弁と、
    前記追い焚き循環戻り通路の途中に配置される風呂戻り三方弁と、
    前記風呂往き三方弁に接続され、風呂往き三方弁から出て暖房熱交換器に向かう湯水が流れる暖房往き通路と、
    前記暖房熱交換器に接続され、暖房熱交換器から出て風呂戻り三方弁に向かう湯水が流れる暖房戻り通路と、
    前記暖房戻り通路の途中に設けられる貯留部と、
    前記循環ポンプを駆動して、浴槽湯水が前記風呂戻り三方弁にまで至ったことを条件として、上水が安全とされる所定時間よりも短い時間以内に、前記暖房熱交換器、前記暖房往き通路、前記暖房戻り通路及び前記貯留部にある水を置換する水置換部と、
    を有する給湯システム。
  2. 請求項1に記載の給湯システムにおいて、
    前記貯留部は、エアセパレーターであって、
    一端が前記エアセパレーターの上面に接続され、他端が前記風呂往き三方弁と前記浴槽との間の追い焚き循環往き通路に合流するオーバーフローパイプをさらに有する、
    給湯システム。
  3. 請求項1に記載の給湯システムにおいて、
    前記貯留部は、膨張タンクである、
    給湯システム。
  4. 請求項1から請求項までのいずれか1項に記載の給湯システムにおいて、
    前記水置換部は、前記バーナーを点火することなくエアパージ運転することで、水置換を実行する、
    給湯システム。
  5. 追い焚き暖房熱交換器の下方にバーナーが配置された給湯器と、
    前記追い焚き暖房熱交換器に接続され、追い焚き暖房熱交換器から出て浴槽に向かう湯水が流れる追い焚き循環往き通路と、
    前記浴槽に接続され、浴槽から出て前記追い焚き暖房熱交換器に向かう湯水が流れる追い焚き循環戻り通路と、
    前記追い焚き循環往き通路及び前記追い焚き循環戻り通路に湯水を循環させる循環ポンプと、
    前記追い焚き循環往き通路の途中に配置される風呂往き三方弁と、
    前記追い焚き循環戻り通路の途中に配置される風呂戻り三方弁と、
    前記風呂往き三方弁に接続され、風呂往き三方弁から出て暖房熱交換器に向かう湯水が流れる暖房往き通路と、
    前記暖房熱交換器に接続され、暖房熱交換器から出て風呂戻り三方弁に向かう湯水が流れる暖房戻り通路と、
    前記暖房戻り通路の途中に設けられる貯留部と、
    を有する給湯システムの運転方法であって、
    前記循環ポンプを駆動して、浴槽湯水が前記風呂戻り三方弁にまで至ったことを条件として、上水が安全とされる所定時間よりも短い時間以内に、前記暖房熱交換器、前記暖房往き通路、前記暖房戻り通路及び前記貯留部にある水を置換する水置換工程を有する、
    給湯システムの運転方法。
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