JP7202424B2 - 揚重装置、及びその揚重装置を用いたコンクリート構造物の構築方法 - Google Patents

揚重装置、及びその揚重装置を用いたコンクリート構造物の構築方法 Download PDF

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本発明は、揚重装置、及びその揚重装置を用いたコンクリート構造物の構築方法に関するものである。
ダムの上下流面に傾斜状のコンクリート壁面を構築する際に、コンクリート材料(まだ固まらないコンクリート)の固化のために、型枠が使用される。コンクリート壁面を高さ方向に構築していく際には、型枠をコンクリート壁面に沿って上昇させる必要がある。
特許文献1には、コンクリート壁面を高さ方向に構築する際に、コンクリート打設の工程に追従して、型枠を、クレーンを用いて上昇させてコンクリート既設部分に保持固定する揚重装置が開示されている。
特開2001-20256号公報
特許文献1に記載の揚重装置では、型枠を上昇させるのにクレーンが用いられる。クレーンは型枠内側の作業エリアに設置されるため、コンクリート打設作業に支障がある。また、型枠を上昇させる作業の効率化のために、作業範囲の大きなクレーンを設置すると揚重装置が大掛かりになる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、簡易な構造で作業性に優れた揚重装置を提供することを目的とする。
本発明は、コンクリート構造物を構築する際に階段状の段部を利用して用いられる揚重装置であって、前記階段状の段部のうち第1段部の平坦部に立設する第1支柱と、前記第1段部よりも上の第2段部の平坦部に立設する第2支柱と、前記第1支柱と前記第2支柱とに渡って支持された鋼材に沿って移動し、荷を吊り上げ可能な巻上装置と、を備える。
また、本発明は、揚重装置を用いたコンクリート構造物の構築方法であって、前記揚重装置は、前記階段状の段部のうち第1段部の平坦部に立設する第1支柱と、前記第1段部よりも上の第2段部の平坦部に立設する第2支柱と、前記第1支柱と前記第2支柱とに渡って支持された鋼材に沿って移動し、荷を吊り上げ可能な巻上装置と、を備え、前記荷は、前記コンクリート構造物のコンクリート材料を打設する際に用いる型枠であり、前記巻上装置を用いて型枠を最上層上に搬送する型枠搬送工程と、型枠を用いてコンクリート材料を打設して新たな層を施工する打設工程と、を備える。
また、本発明は、揚重装置を用いたコンクリート構造物の構築方法であって、前記揚重装置は、前記階段状の段部のうち第1段部の平坦部に立設する第1支柱と、前記第1段部よりも上の第2段部の平坦部に立設する第2支柱と、前記第1支柱と前記第2支柱とに渡って支持され、荷を吊り上げ可能な巻上装置と、を備え、前記コンクリート構造物はダムであり、前記荷は、ダムに設けられる止水板であり、記巻上装置を用いて前記止水板を上方へ移設する止水板移設工程を備える。
本発明によれば、階段状の段部のうち第1段部及び第2段部のそれぞれの平坦部に立設する第1支柱及び第2支柱に渡って支持された巻上装置によって荷を吊り上げることができるため、簡易な構造で作業性に優れた揚重装置を実現することができる。
ダムの縦断面図である。 ダムの正面図である。 本発明の第1実施形態に係る揚重装置の正面図である。 本発明の第1実施形態に係る揚重装置の側面図である。 型枠搬送工程を示す図である。 型枠搬送工程を示す図である。 打設工程を示す図である。 揚重装置移設工程を示す図である。 型枠搬送工程を示す図である。 第2走行装置の台車が型枠上に配置された状態の拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る揚重装置を示す図であり、目地板延長工程及び止水板移設工程を行う前の状態を示す。 目地板延長工程及び止水板移設工程を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1~10を参照して、本発明の第1実施形態に係る揚重装置100及び揚重装置100を用いたコンクリート構造物の構築方法について説明する。
揚重装置100は、コンクリート構造物を構築する際に階段状の段部を利用して用いられるものである。本実施形態では、コンクリート構造物がダム101である場合について説明する。揚重装置100は、コンクリート構造物を構築する際に階段状の段部を利用するものであればよく、例えば、コンクリート構造物の側面に形成された階段状の段部を利用するものや、コンクリート構造物の傾斜状の側面に階段状に設置された型枠の段部を利用するものであってもよい。
まず、図1及び2を参照して、ダム101について説明する。図1はダム101の縦断面図であり、図2はダム101の上流側の正面図(図1において、ダム101を左側から見た図)である。
ダム101は、図1に示すように、断面が台形状の台形ダムである。ダム101は、図2に示すように、左右の側面のそれぞれが岩盤102,103に岩着される。
ダム101は、コンクリート材料の打設によりコクリート層を下から上へ積層させることによって構築される。コンクリート層の1層の高さhは、75cm~100cm程度である。コンクリート層が積層されてコンクリート構造物が構築される。
図1及び2では、簡易的に6層のコンクリート層からなるダム101を示している。コンクリート層は上層ほど上下流方向の幅が小さく形成される。したがって、ダム101の上流側及び下流側の側面には、階段上の段部が形成される。第1層1は、端部に形成される壁部1aと、上面に形成される平坦部1bと、を有し、第2層2は、端部に形成される壁部2aと、上面に形成される平坦部2bと、を有する。第1層1の平坦部1bと第2層2の壁部2aとによって1段目の段部9aが形成され、第2層2の平坦部2bと第3層3の壁部3aによって2段目の段部9bが形成される。同様に、ダム101の上流側及び下流側の側面には、3~5段目の段部9c,9d,9eが形成される。
本実施形態では、コンクリート材料は、ダムサイト付近で採取された現地発生材に、水及びセメントを混合して製造されるCSG(Cemented Sand and Gravel)材が用いられる。しかし、コンクリート材料はCSG材に限定されない。
次に、図3及び4を参照して、揚重装置100について説明する。図1は揚重装置100の正面図であり、図4は揚重装置100の側面図である。図4では、揚重装置100がダム101の側面に形成された段部に設置されている状態を示す。
揚重装置100は、コンクリート材料を打設する際に用いる型枠10(図4参照)を吊り上げて搬送するために使用される。このように、本実施形態では、揚重装置100による揚重作業の対象となる荷は、型枠10である。
揚重装置100は、フレーム20と、フレーム20に支持されるレール部材30と、レール部材30に沿って移動可能なトロリ40と、トロリ40の移動に伴って移動し、型枠10を吊り上げ可能な巻上装置50と、を備える。
まず、フレーム20について説明する。フレーム20は、鉛直方向に立設し互いに平行な一対の第1支柱21(21a,21b)と、鉛直方向に立設し互いに平行な一対の第2支柱22(22a,22b)と、を有する。一対の第1支柱21a,21bの間隔と一対の第2支柱22a,22bの間隔とは同じである。また、第1支柱21aと第2支柱22aの間隔と第1支柱21bと第2支柱22bの間隔も同じである。図4からわかるように、第2支柱22は、第1支柱21よりも長さが短い。
第1支柱21aと第1支柱21bは、両者に渡って水平に設けられた第1桁材23(図3参照)によって連結される。
第1支柱21aと第2支柱22aは、両者に渡って水平に設けられた第1架材24(図4参照)によって連結される。第1架材24は、第1支柱21aの中程と第2支柱22aの下端部との間に渡って設けられる。第1支柱21aと第1架材24の間には、筋交材25が架け渡される。同様に、第1支柱21bと第2支柱22bは、同様に、両者に渡って水平に設けられた架材(図示せず)によって連結される。第1支柱21bとその架材の間には、筋交材(図示せず)が架け渡される。
第1支柱21aの上端部と第2支柱22aの上端部との間には、第2架材26aが水平に架け渡され、第1支柱21bの上端部と第2支柱22bの上端部との間には、第2架材26bが水平に架け渡される。また、第2架材26aと第2架材26bとの間には、一対の第2桁材27が架け渡される。
フレーム20を構成する第1支柱21、第2支柱22、第1桁材23、第1架材24、筋交材25、第2架材26a,26b、及び第2桁材27は、H型鋼で形成される。
レール部材30は、一対の第2桁材27の下端面に結合される。このように、レール部材30は、第2架材26a,26b及び第2桁材27を介して、第1支柱21と第2支柱22とに渡って支持される。レール部材30は、互いに平行に設けられる第1レール部材30aと第2レール部材30bとを有する。第1レール部材30a及び第2レール部材30bは、第2支柱22の外側に張り出して設けられる(図4参照)。つまり、ダム101の側面に向かって張り出して設けられる。第1レール部材30a及び第2レール部材30bはH型鋼で形成され、H型鋼の下方のフランジがレール31として機能する。なお、第1レール部材30a及び第2レール部材30bは、第1支柱21の外側に張り出して設けられてもよい。
トロリ40は、第1レール部材30aに沿って移動可能な第1トロリ40aと、第2レール部材30bに沿って移動可能な第2トロリ40bと、を有する。トロリ40は、レール部材30のレール31を挟みレール31上を回転移動する一対のローラ41と、ローラ41を回転駆動する電動モータ42と、を有する。電動モータ42が駆動することにより、ローラ41がレール31上を回転し、トロリ40がレール部材30に沿って移動する。第1トロリ40a及び第2トロリ40bの電動モータ42は同調して作動するため、第1トロリ40a及び第2トロリ40bは、それぞれ第1レール部材30a及び第2レール部材30bに沿って同調して移動する。
巻上装置50は、第1トロリ40aに支持される第1巻上装置50aと、第2トロリ40bに支持される第2巻上装置50bと、を有する。巻上装置50は、型枠10に引っ掛けられるフック51と、先端にフック51が結合されるチェーン52と、チェーン52を巻き上げる電動モータ53と、を有する。フック51を介して型枠10が吊られた状態で、電動モータ53を駆動してチェーン52を巻き上げることによって、型枠10は吊り上げられる。第1巻上装置50a及び第2巻上装置50bの電動モータ53は同調して作動するため、第1巻上装置50a及び第2巻上装置50bに渡って吊られた型枠10は同調して吊り上げられる。
巻上装置50はトロリ40に支持されるため、トロリ40がレール部材30に沿って移動するのに伴って巻上装置50も移動する。したがって、巻上装置50に型枠10が吊られた状態でトロリ40を移動させることによって、型枠10を搬送することができる。
揚重装置100は、トロリ40の移動方向と垂直な方向に揚重装置100自体を移動させる走行装置60も備える。走行装置60は、第1支柱21の下端部に設けられる第1走行装置60aと、第2支柱22の下端部に設けられる第2走行装置60bと、を有する。第1走行装置60aと第2走行装置60bは、同じ構成であるため、第1走行装置60aについて説明する。
第1走行装置60aは、第1支柱21aと第1支柱21bとの間に渡って設けられ第1支柱21a,21bを支持する台車61と、台車61に回転自在に支持される一対の車輪62(62a,62b)と、車輪62aを駆動する電動モータ64と、第1支柱21a,21bの下端部と台車61を連結するための連結部材65と、を有する。電動モータ64が駆動することにより、車輪62aが回転駆動し、台車61が走行する。これにより、揚重装置100自体が移動する。第1走行装置60a及び第2走行装置60bの電動モータ64は同調して作動する。
次に、図5~10を参照して、揚重装置100を用いたダム101の構築方法について説明する。図5~9は、ダム101の構築方法を時系列順に示す図であり、図10は、第2走行装置60bの台車61が型枠10上に配置された状態の拡大図である。なお、図5~9では、揚重装置100を簡略化して示している。
図5では、第1支柱21が図中1段目の段部71の平坦部71aに立設し、第2支柱22が図中4段目の段部74の平坦部74aに立設する。このように、第2支柱22は、第1支柱21よりも上の段部に立設する。また、第1支柱21と第2支柱22は、間に2段空けて立設する。なお、第1支柱21と第2支柱22の間の段数は2段に限られず、1段でもよく、3段以上でもよい。第1支柱21と第2支柱22の間の段数に応じて、第1支柱21と第2支柱22の長さの差が決定される。
第1支柱21を支持する台車61は、平坦部71a上に直接配置されるのに対して、第2支柱22を支持する台車61は、平坦部74aに設置された型枠10上に配置される。このように、第1支柱21は、台車61を介して平坦部71a上に立設し、第2支柱22は、台車61及び型枠10を介して平坦部74aに立設する。
図10に示すように、型枠10は、互いに平行な一対の鉛直板10a,10bと、互いに平行な一対の水平板10c,10dと、からなる鋼材である。水平板10c,10dは、一対の鉛直板10a,10bの間に渡って形成される。鉛直板10a,10bと水平板10cとで囲まれた空間内に、台車61が配置される。台車61は一対の鉛直板10a,10bにガイドされて水平板10c上を走行する。
<型枠搬送工程>
図5中最上層(第5層)上に新たなコンクリート層(第6層)を施工するにあたり、その準備として揚重装置100のトロリ40及び巻上装置50を用いて第5層上に型枠10を搬送する。具体的には、電動モータ42を駆動することにより、図中2段目の段部72の平坦部72aに設置された型枠10を巻上装置50で吊り上げると共に、電動モータ53を駆動することにより、トロリ40をレール部材30に沿って移動させ、第5層上に型枠10を搬送する。
1つの型枠10の搬送が終了したら、図6に示すように、走行装置60を用いて揚重装置100を、1つの型枠10の長さ分だけスライド移動させる。具体的には、第1走行装置60a及び第2走行装置60bの電動モータ64を駆動することにより、第1支柱21を支持する台車61を、段部71の平坦部71a上を走行させると共に、第2支柱22を支持する台車61を、段部74の平坦部74aに設置された型枠10上を走行させる。第1走行装置60a及び第2走行装置60bの台車61は、段部72の平坦部72aに設置された型枠10に対向した位置で停止する。そして、再びトロリ40及び巻上装置50を用いて、型枠10を第5層上に搬送する。なお、図6では、説明の便宜上、段部72の平坦部72a上の型枠10及び第5層上の型枠10以外の型枠の図示は省略している。
このように、トロリ40及び巻上装置50を用いた型枠10の搬送と、走行装置60を用いた揚重装置100のスライド移動と、を交互に行うことによって、段部72の平坦部72aに設置されたす全ての型枠10を最上層上に搬送する。型枠搬送工程は、ダム101の上流側及び下流側の双方の側面において行われる。
なお、図10に示すように、第2支柱22を支持する台車61には、軸67aを中心に回転自在な一対のローラ67が設けられる。したがって、台車61が型枠10上を走行する際には、一対のローラ67のそれぞれが鉛直板10a,10bの内壁に当接して回転するため、台車61は型枠10上を安定して走行することができる。
<打設工程>
次に、図7に示すように、最上層上に搬送された型枠10を用いてコンクリート材料を打設し、最上層上に新たなコンクリート層(図7では第6層)を施工する。コンクリート材料を打設した後は、上面を振動ローラで締め固める。新たなコンクリート層が施工されることによって、ダム101の側面には新たな段部(図7では5段目の段部75)が形成される。
<揚重装置移設工程>
次に、図8に示すように、揚重装置100自体を上段へ移設する。具体的には、揚重装置100は、第1支柱21が1段上の段部72の平坦部72aに立設し、第2支柱22が1段上の新たに形成された段部75の平坦部75aに立設するように移設される。第1支柱21が移設される段部72は、型枠搬送工程にて型枠10が搬送された後であるため、第1支柱21は台車61を介して段部72の平坦部72aに立設する。一方、第2支柱22が移設される段部75には、第6層を施工するために用いられた型枠10が残置されているため、第2支柱22は台車61及び型枠10を介して段部75の平坦部75aに立設する。揚重装置100の移設は、クレーン(図示せず)を用いて行われる。
揚重装置100の移設が完了した後、型枠搬送工程に戻り、図9に示すように、図中最上層(第6層)上に新たなコンクリート層(第7層)を施工するにあたり、揚重装置100を用いて段部73の平坦部73aに設置された型枠10を第6層上に搬送する。
以上のように各工程を繰り返すことにより、複数のコンクリート層を有するダム101が構築され、ダム101の上流側及び下流側の側面には階段上の段部が形成される。
以上の第1実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
ダム101のコンクリート層を施行する際に用いられる型枠10は、ダム101の階段状の側面のうちの第1段部及び第1段部よりも上の第2段部のそれぞれに渡って設置された揚重装置100を用いて上段側へと搬送される。このように、本実施形態では、型枠10を上段へ搬送するのにクレーンが用いられない。したがって、コンクリート材料を打設する型枠10の内側の作業エリアに型枠搬送用のクレーンを設ける必要がなく、また、型枠10の内側の作業エリアでクレーン作業をする必要がないため、コンクリート打設作業を効率良く行うことができる。また、揚重装置100は走行装置60によって段部上をスライド移動するため、広い作業領域をカバーすることができる。
さらに、揚重装置100は、第1段部及び第2段部のそれぞれの平坦部に立設する第1支柱21及び第2支柱22に渡って支持されたレール部材30に沿って型枠10を搬送するものであり、簡易な構造である。
以上のように、本実施形態によれば、簡易な構造で作業性に優れた揚重装置100を実現することができる。
また、型枠搬送工程では、第2支柱22が立設する段部よりも下の段部に設置された型枠10を最上層上に搬送する。このように、型枠搬送工程では、第1支柱21と第2支柱22の間の段部に設置された型枠10を最上層上に搬送する。つまり、下のコンクリート層を施工する際に用いた型枠10が再利用される。換言すれば、型枠10は最上層上に搬送されるまでは、下のコンクリート層に残置される。したがって、下のコンクリート層の養生期間を確保することができる。下のコンクリート層の養生期間をより長くするためには、第1支柱21と第2支柱22の間の段数を多くするとよい。
<第2実施形態>
次に、図11及び12を参照して、本発明の第2実施形態に係る揚重装置200及び揚重装置200を用いたコンクリート構造物の構築方法について説明する。
以下では、上記第1実施形態と異なる点について説明し、上記第1実施形態と同様の構成には、図面中に同一の符号を付して説明を省略する。
ダム101には、コンクリートの収縮によって生ずるクラックを防止するための目地板80、及び目地板80に沿う漏水を防止するための止水板90が設けられる。目地版80と止水板90はダム101のコンクリート構造物の上流側と下流側の側面近くに埋設されるものである。
揚重装置200は、第1実施形態と同様に型枠10の搬送に用いられると共に、目地板80及び止水板90の搬送にも用いられる点で、第1実施形態に係る揚重装置100と異なる。このように、本実施形態では、揚重装置200による揚重作業の対象となる荷は、型枠10に加えて目地板80及び止水板90である。揚重装置200の構成は、第1実施形態に係る揚重装置100の構成と同じである。
目地板80は鉄板であり、ダム101の幅方向(図2の左右方向)に所定間隔毎、例えば15m毎に設けられる。
止水板90は、伸縮性のある材料で形成され、目地板80の間に挟まれて設けられる。止水板90は、ダム101の上流側及び下流側のそれぞれの側面から1~2mの範囲に設けられる。
目地板80及び止水板90は、ダム101の底部から頂部に渡って設けられる。
図11及び12を参照して、揚重装置200を用いたダム101の構築方法について説明する。図11及び12では、揚重装置200を簡略化して示している。
図11は、図5に示す型枠搬送工程の前の状態を示す図である。図11に示すように、第5層の施工が完了した時点では、目地板80は、第5層の上面から上端側が露出している。止水板90は、隣り合う目地板80に挟まれて第5層の上面から露出している。止水板90は、ロール状に巻かれた状態で支持枠95に支持されている。図11はダム101の上流側を示す図であり、ダム101の上流側には2つの止水板90が設けられる。なお、ダム101の下流側には1つの止水板90が設けられる。
第5層上に新たなコンクリート層(第6層)を施工する前に、目地板80を上方へ延長させ(目地板延長工程)、かつロール状の止水板90を上方へ移設する(止水板移設工程)必要がある。これらの工程に揚重装置200が用いられる。
図12は、目地板延長工程及び止水板移設工程を示す図である。目地板延長工程及び止水板移設工程は、揚重装置200を用いて行われる。具体的には、トロリ40及び巻上装置50を用いて目地板80を搬送し、第5層の上面から上端側が露出している既設の目地板80に搬送した目地板80を連結する(目地板延長工程)。また、支持枠95を上方に増設した後、トロリ40及び巻上装置50を用いてロール状の止水板90を上方へ吊り上げ、上方の支持枠95に支持させる(止水板移設工程)。
目地板80及び止水板90はダム101の幅方向(図2の左右方向)に所定間隔毎に設けられるため、目地版延長工程及び止水板移設工程は走行装置60を用いて段部上において揚重装置200を順次所定間隔スライド移動させて行われる。具体的には、楊重装置200の第2の支柱22を支持する台車61が型枠10上を走行することによって、揚重装置200はスライド移動する。1つの段部において、目地版延長工程及び止水板移設工程が完了した後、第1実施形態の揚重装置移設工程と同様に、クレーン(図示せず)を用いて揚重装置200自体を上段へ移設する。
一つの実施形態として、第1実施形態に係る型枠搬送用の揚重装置100と本第2実施形態に係る目地版延長工程及び止水板移設工程用の揚重装置200とは、図1,2に示すダム101の同じ段部の離間した位置に配置される。この場合には、揚重装置200は走行方向に対して揚重装置100に先行して配置することが好ましい。つまり、目地板延長工程及び止水板移設工程の後、第1実施形態で説明した型枠搬送工程(図5,6)及び打設工程(図7)が行われる。このように、揚重装置200を走行方向に対して揚重装置100に先行して配置することによって、下のコンクリート層に設置される型枠10の残置時間を長くすることができるため、下のコンクリート層の養生期間を確保することができる。
なお、目地板延長工程及び止水板移設工程と、型枠搬送工程とは、1つの揚重装置を用いて行ってもよい。この場合には、1つの段部において、まず地板延長工程及び止水板移設工程を連続して行い、その後、型枠搬送工程を連続して行うことが好ましい。これにより、下のコンクリート層に設置される型枠10の残置時間を長くすることができるため、下のコンクリート層の養生期間を確保することができる。
目地板80の搬送作業は、作業性を考慮して揚重装置200を用いずに作業者が行ってもよい。一方、止水板90は、止水性の観点からダム101の底部から頂部に渡って連続して形成されるのが好ましい。したがって、ロール状の止水板90はかなりの重量となるため、止水板90の移設作業は揚重装置200を用いるのは必須となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
100,200 揚重装置
101 ダム
10 型枠
21 第1支柱
22 第2支柱
30 レール部材
40 トロリ
50 巻上装置
60 走行装置
61 台車
71~75 段部
80 目地板
90 止水板

Claims (7)

  1. コンクリート構造物を構築する際に階段状の段部を利用して用いられる揚重装置であって、
    前記階段状の段部のうち第1段部の平坦部に立設する第1支柱と、
    前記第1段部よりも上の第2段部の平坦部に立設する第2支柱と、
    前記第1支柱と前記第2支柱とに渡って支持された鋼材に沿って移動し、荷を吊り上げ可能な巻上装置と、
    を備える揚重装置。
  2. 前記第1支柱と前記第2支柱とに渡って支持され、前記第2支柱の外側に張り出す鋼材をさらに備え、
    前記巻上装置は、前記鋼材に支持される、請求項1に記載の揚重装置。
  3. 前記第1支柱及び前記第2支柱の下端部に設けられる走行装置をさらに備え、
    前記走行装置は、前記第1段部の前記平坦部上及び前記第2段部の前記平坦部上でそれぞれ前記第1支柱及び前記第2支柱を支持する台車を有する、請求項1又は2に記載の揚重装置。
  4. 前記コンクリート構造物はダムであり、
    前記荷は、前記コンクリート構造物のコンクリート材料を打設する際に用いる型枠、または、前記ダムに設けられる止水板である、請求項1から3のいずれか一つに記載の揚重装置。
  5. 請求項1に記載の揚重装置を用いたコンクリート構造物の構築方法であって、
    前記揚重装置が前記第1段部の前記平坦部及び第2段部の前記平坦部を走行する走行工程を備える、コンクリート構造物の構築方法。
  6. 請求項1に記載の揚重装置を用いたコンクリート構造物の構築方法であって、
    前記荷は、前記コンクリート構造物のコンクリート材料を打設する際に用いる型枠であり、
    前記巻上装置を用いて型枠を最上層上に搬送する型枠搬送工程と、
    型枠を用いてコンクリート材料を打設して新たな層を施工する打設工程と、
    を備えるコンクリート構造物の構築方法。
  7. 請求項1に記載の揚重装置を用いたダムのコンクリート構造物の構築方法であって、
    前記コンクリート構造物はダムであり、
    前記荷は、ダムに設けられる止水板であり、
    前記巻上装置を用いて前記止水板を上方へ移設する止水板移設工程を備えるコンクリート構造物の構築方法。
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