JP6449637B2 - 建物の構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、フロアクライミング式タワークレーンおよびこれを用いた建物の構築方法に関する。
フロアクライミング式タワークレーンは、建物の内部に設置され、架台が所定の階において建物の躯体に固定され、架台から立設されたマストが各階の床スラブに形成されるマスト通過用開口を貫通して上方に延在し、躯体の階数が所定の階数増えるに従って架台を前記躯体に固定する前記階を上層階に変更(盛り替え)するものである(例えば、特許文献1参照)。
このようなフロアクライミング式タワークレーンを用いて行う高層建物の構築方法(フロアクライミング工法)では、架台が固定されている階よりも下層階で、マスト通過用開口を塞いで床スラブに復旧することが行われる。従来、この復旧作業は、先行揚重してマスト通過用開口の近傍に仮置きしておいた鉄筋等の資材を用いてコンクリートを現場打ちすることで行われている。
マスト通過用開口を塞く復旧工法として、床スラブと同じ厚さのプレキャスト床版をマスト通過用開口に敷き込み、マスト通過用開口の周囲の床スラブとプレキャスト床版との間にできる間隙において両者から延出している鉄筋の接合を行い、その後に間隙にコンクリートを打ち込んで間隙を塞ぐ工法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2005−272116号公報 特開平6−173378号公報
プレキャスト床版を用いてマスト通過用開口を塞く復旧工法では、タワークレーンの真下においてマスト通過用開口を塞ぐようにプレキャスト床版を敷き込むことが行われるが、タワークレーンの真下におけるプレキャスト床版の揚重は、タワークレーンによって行うことはできない。このため、特許文献2にはプレキャスト床版の具体的な設置方法は開示されていないが、従来の方法を応用して、各階のマスト通過用開口の周囲の床スラブ上にプレキャスト床版を先行揚重し、マスト通過用開口の復旧工程時に、プレキャスト床版を横移動させてマスト通過用開口に敷き込む作業を作業者の手作業によって行うことが考えられる。しかしながら、この作業は作業者の負担が大きく、効率よくマスト通過用開口の復旧を行うことが難しい。
本発明が解決しようとする課題は、フロアクライミング式タワークレーンを用いて行う建物の構築において、マスト通過用開口を塞ぐ復旧工程を、作業者の負担を軽減して効率よく行えるようにすることである。
本発明によるフロアクライミング式タワークレーンは、建物(1)の内部に設置され、架台(20)が所定の階において建物(1)の躯体(2)に固定され、前記架台(20)から立設されたマスト(11)が各階の床スラブ(6)に形成されるマスト通過用開口(8)を貫通して上方に延在し、躯体(2)の階数が所定の階数増えるに従って前記架台(20)を前記躯体(2)に固定する前記階を上層階に変更するフロアクライミング式タワークレーン(10)であって、前記架台(20)の下部にホイスト式クレーン(41)が設置されている。ここで、ホイスト式クレーンとは、巻上機として電気ホイストまたは電気チェーンブロックを備え、水平移動可能のものを意味する。
この構成によれば、ホイスト式クレーン(41)によって、フロアクライミング式タワークレーン(10)の真下位置での施工になるマスト通過用開口(8)を塞ぐ復旧工程での資材の揚重を、ホイスト式クレーン(41)によって行うことができる。このことにより、各階のマスト通過用開口(8)を塞ぐ復旧工程を、作業者の負担を軽減して効率よく行えるようになる。
本発明によるフロアクライミング式タワークレーンは、好ましくは、前記架台(20)の下部には水平に延在する案内レール(40)が取り付けられており、前記ホイスト式クレーン(41)が前記案内レール(40)に走行可能に係合している。
この構成によれば、ホイスト式クレーン(41)が横行できるので、ホイスト式クレーン(41)の揚重作業領域が広くなり、各階のマスト通過用開口(8)を塞ぐ復旧工程を作業性よく行えるようになる。
本発明によるフロアクライミング式タワークレーンは、好ましくは、前記案内レール(40)は互いに平行に延在する形態で2本設けられており、当該2本の案内レール(40)の各々に前記ホイスト式クレーン(41)が設けられている。
この構成によれば、横行可能な2個のホイスト式クレーン(41)によって揚重を行えるから、各階のマスト通過用開口(8)を塞ぐ復旧工程を作業性よく行えるようになる。また、2個のホイスト式クレーンで共吊りすることにより、延在方向以外にも資材を移動することができる。
本発明による建物の構築方法は、建物(1)の内部に設置され、架台(20)が所定の階において建物(1)の躯体(2)に固定されるフロアクライミング式のタワークレーン(10)を用いた建物の構築方法であって、前記タワークレーン(10)によって揚重を行い、前記タワークレーン(10)のマスト(11)が通過するマスト通過用開口(8)を有する各階の床スラブ(6)を形成し、前記躯体(2)を所定階数構築する工程と、前記躯体(2)を所定階数構築した後に、前記架台(20)を前記躯体(2)に固定する前記階を上層階に変更する工程と、前記架台(20)の下部に設置したホイスト式クレーン(41)によって揚重を行い、前記架台(20)が固定された階よりも下層階の前記マスト通過用開口(8)を塞ぐ工程とを含む。
この構築方法によれば、フロアクライミング式タワークレーン(10)の真下位置での施工になるマスト通過用開口(8)を塞ぐ復旧工程での資材の揚重を、ホイスト式クレーン(41)によって行うから、各階のマスト通過用開口(8)を塞ぐ復旧工程を、作業者の負担を軽減して効率よく行えるようになる。
本発明による建物の構築方法は、好ましくは、前記マスト通過用開口(8)を塞ぐ工程が、以下の工程を含む。
1.N階の前記マスト通過用開口(8)を塞ぐ複数枚のコンクリート板(50)をN−1階の床スラブ(6)上に仮置きする工程。
2.少なくとも1枚の前記コンクリート板(50)が通過できる通過領域(A)を残して前記N階の前記マスト通過用開口(8)の真下に位置する前記N−1階の床スラブ(6)上に第1の支保工(56)を構築する工程。
3.前記N−1階に置かれている前記コンクリート板(50)を前記通過領域(A)の真下位置に横移動させる工程。
4.横移動させた前記コンクリート板(50)の一部を前記ホイスト式クレーン(41)によって前記通過領域(A)を通過させて揚重し、前記マスト通過用開口(8)の一部を塞ぐように当該コンクリート板(50)を前記第1の支保工(56)上に敷き込む工程。
5.横移動させた残りの前記コンクリート板(50)を前記ホイスト式クレーン(41)によって前記通過領域(A)を通過させて揚重し、敷き込みが完了した前記コンクリート板(50)上に載置する工程。
6.載置完了後に前記通過領域(A)の真下位置の前記N−1階の床スラブ上に第2の支保工(57)を構築する工程。
7.敷き込みが完了した前記コンクリート板(50)上に載置されている前記コンクリート板(50)を前記ホイスト式クレーン(41)によって揚重し、前記マスト通過用開口(8)の残りを塞ぐように前記第2の支保工(57)上に当該コンクリート板(50)を敷き込む工程。
8.前記コンクリート板(50)の全てを前記床スラブ(6)に固定する工程。
この構築方法によれば、マスト通過用開口(8)を塞ぐコンクリート板(50)の揚重をホイスト式クレーン(41)によって行うから、各階のマスト通過用開口(80)を塞ぐ復旧工程を、作業者の負担を軽減して効率よく行えるようになる。
本発明による建物の構築方法は、好ましくは、前記コンクリート板は、ハーフプレキャスト床版(50)であり、当該ハーフプレキャスト床版(50)が前記床スラブ(6)に配置された鉄筋(60、61)と継手をなす側の端面(51A)は前記マスト通過用開口(8)を画定する前記床スラブ(6)の端面(6A)に実質的に隙間なく接合し、前記ハーフプレキャスト床版(50)には前記床スラブ(6)に配置された鉄筋(60、61)と重ね継手をなす鉄筋(52、59)が配筋されており、前記コンクリート板を前記床スラブ(6)に固定する工程は、前記ハーフプレキャスト床版(50)の上部にコンクリート打ちを行い、マスト通過用開口部分の床スラブを完成させる工程を含んでいる。
この構築方法によれば、マスト通過用開口(8)の周囲の床スラブ(6)とハーフプレキャスト床版(50)との間に、鉄筋の継手を構成するための間隙を設ける必要がないから、ハーフプレキャスト床版(50)およびマスト通過用開口(8)を画定する床スラブ(6)を型枠として、別途に型枠を作ることなく、所要のコンクリート打ちを的確に行うことができる。
本発明によるフロアクライミング式タワークレーンおよび建物の構築方法によれば、フロアクライミング式タワークレーンの真下位置での施工になるマスト通過用開口を塞ぐ復旧工程での資材の揚重を架台の下部に設置されたホイスト式クレーンによって行うことができるので、マスト通過用開口を塞ぐ復旧工程を、作業者の負担を軽減して効率よく行えるようになる。
フロアクライミング式タワークレーンを用いて構築する建物の概要を示す正面図。 フロアクライミング式タワークレーンの盛り替え手順を示す説明図。 本発明によるフロアクライミング式タワークレーンの一つの実施形態を示す正面図。 本実施形態によるフロアクライミング式タワークレーンの要部の拡大側面図。 同要部の拡大平面図。 本発明による建物の構築方法におけるマスト通過用開口を塞ぐ工程(1)〜(3)を示す説明図。 同工程(4)を示す説明図。 同工程(5)を示す説明図。 同工程(6)を示す説明図。 同工程(7)を示す説明図。 同工程(8)を示す説明図。 ハーフプレキャスト床版およびコンクリート打ちによって塞がれたマスト通過用開口の拡大断面図。
まず、図1を参照してフロアクライミング式タワークレーン(以下、タワークレーンと略称する)10が用いられるフロアクライミング工法による建物1について説明する。建物1は基礎7上に構築された鉄筋コンクリート造の躯体2によって構成されている。躯体2は、前後左右に所定の間隔をおいて配置された複数個の柱3と、隣接する柱3同士を互いに連結する梁4及び耐震壁5と、各階の床スラブ6とを有する。
タワークレーン10は、建物1の内部に設置されるものであり、マスト11と、マスト11に昇降可能に設けられたクレーン本体12とを有する。クレーン本体12には昇降装置(不図示)が設けられている。この昇降装置は、公知のものであり、マスト11が固定されている場合には、マスト11に対してクレーン本体12を昇降移動させ、クレーン本体12が固定されている場合には、クレーン本体12に対してマスト11を昇降移動させる。
タワークレーン10は、建物1の構築当初は、図1に想像線で示されているように、マスト11の基礎部13を基礎7上に固定した状態で使用され、建物1の建設が進んで躯体2の階数が所定の階数増えると、架台20を所定の階において躯体2に固定し、架台20によってマスト11の基礎部13を支持することが行われる。そして、躯体2の階数が所定の階数増える毎に、架台20を躯体2に固定する階を上層階に変更する盛り替えが行われる。各階の床スラブ6には平面視で同一位置にマスト通過用開口8が形成されている。マスト11は架台20より上層階の床スラブ6のマスト通過用開口8を上下に貫通して上方に延在している。マスト通過用開口8は、架台20が上層階に盛り替えられた後に、後施工(復旧工程)によって下層階から順次閉塞される。
つぎに、図2を参照して、タワークレーン10の盛り替え手順について説明する。なお、ここでは、すでにタワークレーン10が架台20によって躯体2に支持されている状態から、さらに上層階へ盛り替える手順を説明する。
図2(A)は、架台20がM階においてマスト通過用開口8の周囲の柱3に固定されている状態を示している。建物1の建設が進むと、図2(B)に示されているように、M階より上層階の躯体2が構築される。この躯体2の構築と並行して、つぎにタワークレーン10を設置する階(L階とする)に別の架台20を設置する。所定の階(ここではL+1階)まで躯体2の構築を終えると、次に、図2(C)に示されているように、最上階であるL+1階の上階、すなわちL+2階に、クレーン本体12を支持するためのベル受け架台15を設定する。そして、マスト11に対してクレーン本体12を前記昇降装置によって降下移動させ、クレーン本体12をベル受け架台15上に固定する。この状態では、クレーン本体12はベル受け架台15によって躯体2に支持される。
その後、図2(D)に示されているように、M階におけるマスト11の基礎部13と架台20との連結を切り外し、クレーン本体12の前記昇降装置によってクレーン本体12に対してマスト11を上昇移動させ、マスト11の基礎部13をL階に設置されている架台20に連結する。そして、マスト11に対してクレーン本体12を前記昇降装置によって上昇移動させてマスト11の上端部にクレーン本体12を位置させ、ベル受け架台15を撤去する(図2(A)と同等の状態)。これにより、タワークレーン10の盛り替えが完了する。このような手順を繰り返すことにより、タワークレーン10が建物1の構築に合わせて上層階へとクライミングしていく。なお、マスト11の上昇後、M階の架台20は、解体・撤去され、次回の盛り替えに再使用される。
つぎに、本発明によるタワークレーン10の一つの実施形態を、図3〜図5を参照して説明する。
架台20は、マスト通過用開口8の周囲に存在する4本の柱3A〜3Dに各々取付ボルト21によって着脱可能に固定された下桁受ブラケット22、23、24、25を有する。下桁受ブラケット22と23とは平面視が矩形のマスト通過用開口8の隅部にあって互いに隣接する柱3Aと3Bとに固定されている。下桁受ブラケット24と25とはマスト通過用開口8の外方にある一つ飛ばしの柱3Cと3Dとに固定されている。
下桁受ブラケット22および23にはH形鋼等による第1下桁26の両端部がアンカボルト(不図示)によって着脱可能に固定されている。第1下桁26は、下桁受ブラケット22と23との間に、マスト通過用開口8の一つの辺部に沿って水平に掛け渡されている。下桁受ブラケット24および25にはH形鋼による第2下桁27の両端部がアンカボルト(不図示)によって着脱可能に固定されている。第2下桁27は、下桁受ブラケット24と25との間に、マスト通過用開口8のもう一つの辺部に沿って水平に掛け渡されている。第1下桁26と第2下桁27とは互い平行に延在している。第2下桁27は、第1下桁26に比してスパンが長いので、所要の曲げ剛性を確保すべく第1下桁26より断面寸法(高さ)が大きい(図4参照)。
第1下桁26および第2下桁27上にはH形鋼等による第1上桁29および第2上桁30の各々の両端部がアンカボルト28によって着脱可能に固定されている。第1上桁29と第2上桁30とは、第1下桁26および第2下桁27の延在方向に所定の間隔をおいて互いに平行に、且つ水平に延在し、第1下桁26と第2下桁27とに間に掛け渡されている。
第1上桁29および第2上桁30上にはクロスビーム組立体31が取り付けられている。クロスビーム組立体31は、第1上桁29および第2上桁30に各々アンカボルト32によって着脱可能に固定された合計4個の対角線上配置の短尺ビーム材による基部部材33と、各端部を着脱可能な枢軸34によって基部部材33に連結され、マスト通過用開口8の略中央に位置する平面視でX形状のクロスビーム部材35とを有する。クロスビーム部材35上には四角柱によるマスト11の基礎部13が取り付けられている。基礎部13
は平面視で正方形をなし、その各辺と各基部部材33とがリンク部材36によって連結されている。
第1上桁29および第2上桁30の下方には、これらの下底部より垂下されたハンガーバー37およびトラスメンバ38、39によって2本の案内レール40が吊り下げ装着されている。2本の案内レール40は、I形鋼等によって構成され、第1上桁29と第2上桁30との間に掛け渡されて互いに平行に、且つ水平に延在している。2本の案内レール40の各々には電動走行式のホイスト式クレーン41が案内レール40の延在方向に走行(横行)可能に係合している。ホイスト式クレーン41は、電気チェーンブロックからなる巻上機本体42と、巻上機本体42より吊り下がったチェーン43と、チェーン43の先端に取り付けられたフック44とを有する。
ホイスト式クレーン41は架台20の下方にあり、チェーン43は各階のマスト通過用開口8を通過して下方に延在しており、フック44はチェーン43の繰り出しによって架台20の真下位置の床スラブ6上に到達可能になっている。
案内レール40上には、ホイスト式クレーン41の制御ボックス45と無線親機46とが取り付けられている。ホイスト式クレーン41は、無線親機46と作業者が携帯している無線子機47との無線通信によって操作される。
本発明による建物の構築方法は、タワークレーン10によって躯体2を構築するための資材の揚重を行い、タワークレーン10のマスト11が通過するマスト通過用開口8を有する各階の床スラブ6を形成し、躯体2を所定階数構築する工程と、躯体2を所定階数構築した後に、架台20を躯体2に固定する階を上層階に変更する工程と、架台20の下部に設置したホイスト式クレーン41によってマスト通過用開口8を塞ぐ資材の揚重を行い、架台20が固定された階よりも下層階のマスト通過用開口8を塞ぐ工程(復旧工程)とを含んでいる。
マスト通過用開口8を塞ぐ復旧工程は、以下の工程(1)〜(8)を含む。工程(1)〜(8)を、図6〜図11を参照して説明する。
(1)図6に示されているように、N階のマスト通過用開口8を塞ぐ複数枚のコンクリート板や鉄筋等の資材を、N階を構築する前に予めタワークレーン10によってN−1階の床スラブ6上に仮置きする。本実施形態では、コンクリート板としてハーフプレキャスト床版50が使用される。
ハーフプレキャスト床版50は、薄い矩形のコンクリート製のプレキャスト版51と、プレキャスト版51内に配筋された複数本の下鉄筋52(図12参照)と、プレキャスト版51上にタイル状に成形されたボイド53とによって構成されており、全体の厚さ(高さ)が床スラブ6の厚さの1/2に近い厚さになっている。ハーフプレキャスト床版50は、例えば、マスト通過用開口8に近い床スラブ6上に配置された空気圧浮上式のエアーキャスタ55上に、マスト通過用開口8を塞ぐのに必要な複数枚数、予め積載されている。
(2)少なくとも1枚のハーフプレキャスト床版50が通過できる通過領域Aを残してN階のマスト通過用開口8の真下に位置するN−1階の床スラブ6上に第1の支保工56を構築する。本実施形態では、第1の支保工56はマスト通過用開口8の1/2に相当する領域に構築されており、通過領域Aはマスト通過用開口8の1/2の大きさになっている。
(3)N−1階において、エアーキャスタ55上に積載されている複数枚のハーフプレキャスト床版50を、エアーキャスタ55によって通過領域Aの真下位置に横移動させる。
(4)横移動させた複数枚のハーフプレキャスト床版50の1/2の枚数を2個のホイスト式クレーン41によってN階の通過領域Aを通過させて揚重し、図7に示されているように、2個のホイスト式クレーン41を用いてマスト通過用開口8の1/2を塞ぐようにハーフプレキャスト床版50を第1の支保工上に敷き込む。この工程での揚重は、2個のホイスト式クレーン41の各々の巻上機本体42の横行およびフック44の昇降によって行われる。
(5)図8に示されているように、横移動させた残り1/2のハーフプレキャスト床版50を2個のホイスト式クレーン41によって通過領域Aを通過させて揚重し、第1の支保工56上に敷き込みが完了したハーフプレキャスト床版50上に載置する。この工程での揚重も、2個のホイスト式クレーン41の各々の巻上機本体42の横行およびフック44の昇降によって行われる。
(6)図9に示されているように、(5)の工程による載置完了後に、通過領域Aの真下位置のN−1階の床スラブ6上に第2の支保工57を構築する。
(7)図10に示されているように、第1の支保工56上の敷き込みが完了したハーフプレキャスト床版50上に載置されている未敷き込みのハーフプレキャスト床版50を2個のホイスト式クレーンに41よって揚重し、マスト通過用開口8の残り1/2を塞ぐように、ハーフプレキャスト床版50を第2の支保工57上に敷き込む。この工程での揚重も、2個のホイスト式クレーン41の各々の巻上機本体42の横行およびフック44の昇降によって行われる。
(8)図11に示されているように、敷き込みが完了した全てのハーフプレキャスト床版50の上部にコンクリート打ちを行ってハーフプレキャスト床版50の上部にコンクリート層58を盛り、コンクリート層58の上面を床スラブ6の上面と面一にしてハーフプレキャスト床版50をマスト通過用開口8の周りの床スラブ6に固定する。第1の支保工56および第2の支保工57は、コンクリート層58の硬化後に撤去する。
上述したように、タワークレーン10の真下位置での施工になるマスト通過用開口8を塞ぐ復旧工程でのハーフプレキャスト床版50の揚重を、架台20の下部に設置されたホイスト式クレーン41によって行うことができるので、当該復旧工程が作業者の負担を軽減して効率よく行われるようになる。
ホイスト式クレーン41は、案内レール40の延在方向に横行できるので、ホイスト式クレーン41の揚重作業領域が広くなり、各階のマスト通過用開口8を塞ぐ復旧工程が作業性よく行われるようになる。しかも、横行可能な2個のホイスト式クレーン41によって揚重を行えるから、大型のハーフプレキャスト床版50の揚重も可能になり、各階のマスト通過用開口8を塞ぐ復旧工程が、より一層作業性よく行われるようになるうえ、2個のホイスト式クレーン41により共吊りすることにより、揚重資材を横行方向以外に移動することもできる。
つぎに、ハーフプレキャスト床版50を用いてマスト通過用開口8を塞ぐ構造の詳細を、図12を参照して説明する。
ハーフプレキャスト床版50のプレキャスト版51が床スラブ6に配置された下鉄筋60および上鉄筋61と継手をなす側の端面51Aはマスト通過用開口8を画定する床スラブ6の端面6Aに実質的に隙間なく接合している。ハーフプレキャスト床版50がマスト通過用開口8に敷き込まれたのちに、ハーフプレキャスト床版50のボイド53上に段取り筋(不図示)を介して複数本の上鉄筋59を配筋する。ここで、「実質的に隙間なく」とは、スラブ型枠が必要ななるほどの隙間がないことを意味し、施工誤差や製造誤差を考慮してスラブ型枠が必要にならない程度(目地材で塞げる程度)に小さな隙間を設定することを排除するものではない。
床スラブ6に配筋されている下鉄筋60および上鉄筋61は、端面6Aよりマスト通過用開口8内に延出しており、ハーフプレキャスト床版50の敷き込みが完了するまでは、敷き込みの邪魔にならないように、下側あるいは上側に曲げられており、敷き込みが完了後に図12示されているように、水平に伸ばされ、下鉄筋52および上鉄筋59と各々重ね継手B、Cをなす。重ね継手B、Cは、上下に間隙が存在するあき重ね継手であるが、重ね継手Cについては、上鉄筋59と61とが密着した重ね継手とすることができる。
重ね継手B、Cを完成させた後に、ハーフプレキャスト床版50上に現場でのコンクリート打ちを行い、コンクリート層58を形成する。このコンクリート打ちは、ハーフプレキャスト床版50およびマスト通過用開口8を画定する床スラブ6を型枠として、型枠内の全体にコンクリートが行きわたり、床スラブ6の上面の同じ高さまで行われる。型枠内にコンクリート打ちされたコンクリート、つまりコンクリート層58が硬化した後は、マスト通過用開口8の部分は、ハーフプレキャスト床版50とコンクリート層58とによる床スラブによって閉塞される。
ハーフプレキャスト床版50を用いた復旧工法では、床スラブと同じ厚さのプレキャスト床版を用いた復旧工法のように、マスト通過用開口8の周囲の床スラブ6とハーフプレキャスト床版50との間に、鉄筋の継手を構成するための間隙を設ける必要がないから、ハーフプレキャスト床版50およびマスト通過用開口8を画定する床スラブ6を型枠として、別途に型枠を作ることなく、所要のコンクリート打ちを的確に行うことができる。このことによってもマスト通過用開口8の復旧工程が、作業性よく、高効率で行われるようになる。
なお、上述のホイスト式クレーン41による揚重作業はクレーン本体12による揚重作業と並行して行うことができる。つまり、クレーン本体12とホイスト式クレーン41とを同時に稼働させ、工期の短縮を図ることができる。
以上、本発明を、その好適な実施形態について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施形態により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。たとえば、ホイスト式クレーン41として、電気チェーンブロックの代わりにホイストを巻上機本体42に用いたホイストクレーンを用いてもよい。また、ハーフプレキャスト床版50に代えて床スラブと同じ厚さのプレキャスト床版を用いることもできる。架台20は、上述した実施形態のものに限られることはなく、躯体2に取り外し可能に固定され、マスト11の基礎部13を支持するものであればよく、また、柱3に代えて耐震壁5に取り外し可能に固定されるものであってもよい。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
1 建物
2 躯体
3 柱
3A 柱
3C 柱
4 梁
5 耐震壁
6 床スラブ
6A 端面
7 基礎
8 マスト通過用開口
10 フロアクライミング式タワークレーン
11 マスト
12 クレーン本体
13 基礎部
20 架台
40 案内レール
41 ホイスト式クレーン
50 ハーフプレキャスト床版
51A 端面
52 下鉄筋
55 エアーキャスタ
56 第1の支保工
57 第2の支保工
58 コンクリート層
59 上鉄筋
60 下鉄筋
61 上鉄筋
A 通過領域
B 継手
C 継手

Claims (2)

  1. 建物の内部に設置され、架台が所定の階において建物の躯体に固定されるフロアクライミング式のタワークレーンを用いた建物の構築方法であって、
    前記タワークレーンによって揚重を行い、前記タワークレーンのマストが通過するマスト通過用開口を有する各階の床スラブを形成し、前記躯体を所定階数構築する工程と、
    前記躯体を所定階数構築した後に、前記架台を前記躯体に固定する前記階を上層階に変更する工程と、
    前記架台の下部に設置したホイスト式クレーンによって揚重を行い、前記架台が固定された階よりも下層階の前記マスト通過用開口を塞ぐ工程とを含み、
    前記マスト通過用開口を塞ぐ工程が、以下の工程(1)〜(8)を含むことを特徴とする建物の構築方法。
    (1)N階の前記マスト通過用開口を塞ぐ複数枚のコンクリート板をN−1階の床スラブ上に仮置きする工程。
    (2)少なくとも1枚の前記コンクリート板が通過できる通過領域を残して前記N階の前記マスト通過用開口の真下に位置する前記N−1階の床スラブ上に第1の支保工を構築する工程。
    (3)前記N−1階に置かれている前記コンクリート板を前記通過領域の真下位置に横移動させる工程。
    (4)横移動させた前記コンクリート板の一部を前記ホイスト式クレーンによって前記通過領域を通過させて揚重し、前記マスト通過用開口の一部を塞ぐように当該コンクリート板を前記第1の支保工上に敷き込む工程。
    (5)横移動させた残りの前記コンクリート板を前記ホイスト式クレーンによって前記通過領域を通過させて揚重し、敷き込みが完了した前記コンクリート板上に載置する工程。
    (6)載置完了後に前記通過領域の真下位置の前記N−1階の床スラブ上に第2の支保工を構築する工程。
    (7)敷き込みが完了した前記コンクリート板上に載置されている前記コンクリート板を前記ホイスト式クレーンによって揚重し、前記マスト通過用開口の残りを塞ぐように当該コンクリート板を前記第2の支保工上に敷き込む工程。
    (8)前記コンクリート板の全てを前記床スラブに固定する工程。
  2. 前記コンクリート板は、ハーフプレキャスト床版であり、当該ハーフプレキャスト床版が前記床スラブに配置された鉄筋と継手をなす側の端面は前記マスト通過用開口を画定する前記床スラブの端面に実質的に隙間なく接合し、前記ハーフプレキャスト床版には前記床スラブに配置された鉄筋と重ね継手をなす鉄筋が配筋されており、
    前記コンクリート板を前記床スラブに固定する工程は、前記ハーフプレキャスト床版の上部にコンクリート打ちを行い、マスト通過用開口部分の床スラブを完成させる工程を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の建物の構築方法。
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