JP6967383B2 - 既存構造物の解体方法 - Google Patents

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Description

本発明は、既存構造物の解体方法に関する。
従来より、設備や躯体の老朽化を理由として、既存建物の解体が行われるが、この既存建物を解体する方法としては、以下のような方法がある。
例えば、地表面から既存建物に沿ってマストを設置し、このマストにタワークレーンを取り付けて、このタワークレーンにより解体材を荷下ろしする方法がある。この場合、マストを既存建物の構造体に仮固定しておき、建物の解体に伴って、リフトダウンさせる(特許文献1参照)。
しかしながら、地表面から既存建物に沿ってタワークレーンを用いた場合では、地表面から最上階まで大型のマストを構築する必要があるため、解体工事が大掛かりとなって、施工費用が増大する、という問題があった。
この問題を解決するため、以下の特許文献2のような解体方法が提案されている。すなわち、既存建物の屋上階の既存床の一部を含んでクレーン設置床とし、このクレーン設置床上にクレーンを設置するとともに、このクレーン設置床を既存柱である支持柱に仮支持させる。そして、クレーンを用いて既存建物を解体しながら、クレーン設置床を支持柱に沿って下降させる。
特開2010−255374号公報 特開2016−17291号公報
しかしながら、既存床の一部を利用してクレーン設置床を構築するため、大掛かりな補強が必要であり、施工費用が増大する、という問題があった。
本発明は、施工費用を低減できる既存構造物の解体方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の既存構造物の解体方法は、既存構造物(例えば、後述の既存建物1)を解体する解体方法であって、当該既存構造物の所定の既存柱を支持柱(例えば、後述の支持柱11A)とし、当該支持柱に仮支持させて前記既存構造物の所定のフロア上にクレーン設置床(例えば、後述のクレーン設置床20)を構築し、前記クレーン設置床上にクレーン(例えば、後述のクレーン21)を設置する第1工程(例えば、後述のステップS1)と、前記クレーンを用いて、少なくとも前記支持柱を残して前記所定のフロアから1層分を解体する第2工程(例えば、後述のステップS2)と、前記支持柱による前記クレーン設置床の仮支持を解除し、前記クレーン設置床を前記支持柱に沿って1層分下降させて、その後、当該前記クレーン設置床を前記支持柱に再度仮支持させる第3工程(例えば、後述のステップS3〜S5)と、前記支持柱の上部を撤去する第4工程(例えば、後述のステップS7〜S8)と、前記第2工程から第4工程までを繰り返す第5工程(例えば、後述のステップS9)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、既存構造物の一部の既存柱を支持柱とし、この支持柱に仮支持させてクレーンが設置されたクレーン設置床を構築し、クレーンで既存構造物を解体しながら、クレーン設置床を支持柱に沿って下降させた。よって、従来のようにクレーン設置床に既存床の一部を利用しないので、大掛かりな補強が不要となり、施工費用を削減できる。
請求項2に記載の既存構造物の解体方法は、前記第3工程では、前記クレーン設置床を下降させる昇降装置(例えば、後述の昇降装置22の反力部材41)を前記支持柱の頂部に仮固定しておき、前記支持柱による仮支持を解除した後、当該昇降装置により前記クレーン設置床を前記支持柱に沿って下降させ、前記第4工程では、当該昇降装置を前記支持柱から取り外して、当該支持柱以外の既存柱の頂部に仮置きし、この状態で、当該支持柱の上部を撤去し、その後、当該支持柱の頂部に前記昇降装置を再度仮固定することを特徴とする。
この発明によれば、支持柱の上部を解体する際に、昇降装置を一旦吊り上げて、既存柱の頂部に仮置きした。よって、昇降装置を安定した姿勢で仮置きできるので、支持柱の解体作業を円滑に実施でき、工期を短縮できる。
本発明によれば、大掛かりな補強が不要となり、施工費用を削減できる。
本発明の一実施形態に係る既存構造物の解体方法が適用される既存建物およびこの解体方法に用いられる解体システムの側面図である。 前記実施形態に係る既存建物および解体システムの平面図である。 図1のI−I断面図である。 前記実施形態に係る解体システムのイメージ図(その1)である。 前記実施形態に係る解体システムのイメージ図(その2)である。 図2の破線Aで囲んだ部分の平面図である。 図6のII−II矢視図である。 図6のIII−III矢視図である。 図7および図8のVI−VI断面図である。 図7および図8のV−V断面図である。 図2の破線Aで囲んだ部分のイメージ図である。 前記実施形態に係る解体方法に用いられる解体システムの昇降装置の動作を示す模式図である。 前記実施形態に係る解体システムのストランドジャッキの先端面および滑車の平面図である。 前記実施形態に係る解体システムのボックス部材の異なる2方向の縦断面図である。 前記実施形態に係る解体システムの仮固定ジャッキの動作を示す図である。 前記実施形態に係る解体システムの係止装置の動作を示す模式図(その1)である。 前記実施形態に係る解体システムの係止装置の動作を示す模式図(その2)である。 前記実施形態に係る解体システムの振れ止め装置の平面図である。 前記実施形態に係る解体システムの振れ止め装置の拡大平断面図である。 前記実施形態に係る解体方法により既存建物を解体する手順のフローチャートである。 前記実施形態に係る既存建物の解体手順の説明図(その1)である。 前記実施形態に係る既存建物の解体手順の説明図(その2)である。 前記実施形態に係る既存建物の解体手順の説明図(その3)である。 前記実施形態に係る既存建物の解体手順の説明図(その4)である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る既存構造物の解体方法が適用される既存構造物としての既存建物1およびこの解体方法に用いられる解体システム2の側面図である。図2は、既存建物1および解体システム2の平面図である。図3は、図1のI−I断面図である。図4よび図5は、解体システム2のイメージ図である。
既存建物1は、n(nは自然数)階の建物であり、平面視で長方形状である。以下、この既存建物1の長手方向をX方向とし、このX方向に略直交する短手方向をY方向とする。
既存建物1は、ラーメン構造であり、複数のH形鋼である既存柱11と、複数の鉄骨造の既存梁12と、鉄筋コンクリート造の既存床13と、を備える。ここで、既存柱11の一部を、クレーン設置床20を支持する支持柱11Aとする。
この既存建物1を、以下の仮設構造物である解体システム2を用いて解体する。
解体システム2は、既存建物1の屋上階のコア部3上に構築されたクレーン設置床20と、クレーン設置床20上に設置されたクレーン21と、支持柱11Aに取り付けられてクレーン設置床20を支持柱11Aに沿って下降させる昇降装置22と、クレーン設置床20に設けられて支持柱11Aの継手部14の上面に係止可能な係止装置23と、クレーン設置床20が水平方向に揺れるのを防止する振れ止め装置24と、を備える。
クレーン設置床20は、既存建物1の屋上階中央部に構築されている。このクレーン設置床20は、具体的には、昇降装置22同士を連結する複数のH形鋼である梁部材30と、これら梁部材30の上に載置される覆工板である板状の床部材31と、を備える。
クレーン設置床20の上には、X方向に延びるH形鋼である一対の走行レール32が載置されている。
クレーン21は、走行レール32の上を走行する走行台車33と、この走行台車33に旋回可能に支持されたクレーン本体34と、このクレーン本体34に起伏可能に支持されたジブ35と、このジブ35の先端に吊り下げ支持された図示しないフックと、クレーン本体34に設けられてフックを昇降させる巻上装置36と、を備える。
支持柱11Aは、既存柱11の一部の柱であり、既存建物1のコア部3を構成する2列の既存柱11を2本おきに選択したものである。
支持柱11Aのフランジは、X方向に延びており、支持柱11Aのウエブは、Y方向に延びている。
図6は、図2の破線Aで囲んだ部分の平面図である。図7は、図6のII−II矢視図であり、図8は、図6のIII−III矢視図である。図9は、図7および図8のVI−VI断面図であり、図10は、図7および図8のV−V断面図である。図11は、図2の破線Aで囲んだ部分のイメージ図である。
昇降装置22は、支持柱11Aを囲んでクレーン設置床20の一部となる矩形枠状のフレーム40と、支持柱11Aの上端に取り付けられて略水平に延びる反力部材41と、反力部材41に巻かれて一端側がフレーム40に連結された吊り材42と、フレーム40に設けられて吊り材42の他端側を引っ張る昇降ジャッキとしてのストランドジャッキ43と、を備える。
フレーム40は、矩形枠状の基部50と、基部50に回動可能に設けられた門型状のジャッキ支持部51と、基部50の支持柱11Aを挟んでジャッキ支持部51の反対側の位置に回動可能に設けられた門型状の吊り材支持部52と、を備える。
基部50は、略平行にX方向に延びるH形鋼からなる一対の梁部材53Aと、この梁部材53A同士を連結して略平行にY方向に延びるH形鋼からなる一対の梁部材53Bと、を備える。クレーン設置床20の梁部材30は、昇降装置22のフレーム40同士を連結しており、これら昇降装置22の梁部材53A、53B同士の接合部には、クレーン設置床20の梁部材30が連結されている。
一方の梁部材53Aの上面には、ジャッキ支持部51が回動可能に支持されており、他方の梁部材53Aの上面には、吊り材支持部52が回動可能に支持されている。
ストランドジャッキ43は、ジャッキ支持部51に上向きに固定されている。
これら一対の梁部材53Aの下部には、この梁部材53Aの長さ方向に延びる挿通孔54が形成されている。この挿通孔54の下面には、複数のボルト挿通孔55が梁部材53Aの長さ方向に並んで形成されている(図18参照)。
反力部材41は、支持柱11Aの上端に被せられて上端が塞がれた矩形筒状のボックス部材60と、ボックス部材60の上に設けられて略水平に延びる反力梁61と、ボックス部材60の内壁面に設けられてH形鋼である支持柱11Aのフランジの外面に当接可能な仮固定ジャッキ(ユニブロック)62(図14参照)と、を備える。
反力梁61は、互いに略平行な一対の水平部材63と、この一対の水平部材63の両端側同士の間に回転自在に支持された一対の滑車64と、を備える。
吊り材42は、一対の滑車64に巻かれており、一端側が吊り材支持部52に連結され、他端側がジャッキ支持部51に固定されたストランドジャッキ43に連結されている。
以上の昇降装置22では、図12(a)に示すように、ストランドジャッキ43が吊り材42を引っ張ると、クレーン設置床20が支持柱11Aに対して上昇する。一方、図12(b)に示すように、ストランドジャッキ43が吊り材42を送り出すと、クレーン設置床20が支持柱11Aに対して下降する。
図13(a)は、ストランドジャッキ43の先端面(上端面)の平面図である。図13(b)は、滑車64の平面図である。
ストランドジャッキ43は、先端面が円形であり、例えば7本のストランドを引っ張ることが可能である。本実施形態では、図13(a)に示すように、7本のストランドのうち、ストランドジャッキ43の先端面の中心を通る一直線上に並ぶ3本のストランドのみを、吊り材42として用いる。
滑車64は、直径が同一のプーリ65を3枚重ねて構成されており、ストランドジャッキ43の3本のストランドとしての吊り材42が巻かれている。
図14は、ボックス部材60の異なる2方向の縦断面図である。図15は、仮固定ジャッキ62の動作を示す図である。
仮固定ジャッキ62は、ねじ66を回転させることで伸縮し、水平方向の長さ寸法lを変更可能となっている。この仮固定ジャッキ62では、ねじ66は、仮固定ジャッキ62の長さ方向の中央に位置する構造である。
ボックス部材60の側面には、水平方向に延びる長孔67が形成されており、ねじ66はこの長孔67を貫通して外部に突出している。上述のように、ねじ66が仮固定ジャッキ62の長さ方向中央に位置するため、長孔67を水平方向に延びる形状とすることで、仮固定ジャッキ62の長さ寸法の変化に対応可能となっている。
ねじ66の先端には、円盤状のハンドル68が設けられている。このハンドル68には、チェーン69が巻かれて下方に垂れ下がっている。よって、ボックス部材60の下方からチェーン69を引っ張ってねじ66を回転させることで、仮固定ジャッキ62の長さ寸法を適宜調整できる。これにより、仮固定ジャッキ62が支持柱11Aのフランジの外面に当接し、ボックス部材60を支持柱11Aに仮固定できるようになっている。
図16および図17は、係止装置23の動作を示す模式図である。
図7〜図10にも示すように、係止装置23は、一対のかんぬき梁70と、この一対のかんぬき梁70同士を接近あるいは離間させる方向に略水平に移動する一対の開閉機構71A、71Bと、を備える。
支持柱11Aの互いに背中合わせの側面には、一対の継手部14が側方に延びており、係止装置23は、この一対の継手部14の上面に一対のかんぬき梁70を載せて係止させる。
開閉機構71Aは、基部50の一方の梁部材53B上に設けられており、一対のかんぬき梁70の一端側を下から支持する一対の支持部72と、この一対の支持部72を略水平に移動する移動機構73と、を備える。
支持部72は、かんぬき梁70の底面を下から支持する水平片721と、この水平片721の両端から鉛直方向に延びてかんぬき梁70の両側面に当接する一対の鉛直片722と、を備える。
図16および図17に示すように、支持部72の水平片721の上面から梁部材53Bの下面までの距離をhは、かんぬき梁70の高さ寸法hよりも僅かに高くなっている。これにより、かんぬき梁70を梁部材53Aに干渉することなく水平移動できる。
移動機構73は、モータ74と、モータ74から水平方向に離れた位置に回転自在に設けられた滑車75と、これらモータ74と滑車75との間に巻き回されたチェーン76と、を備える。一方の支持部72は、チェーン76の上側の部分に固定され、他方の支持部72は、チェーン76の下側の部分に固定されている。また、ねじ77を回転させることで、滑車75がモータ74に対して接近あるいは離隔し、これにより、チェーン76の張力を調整可能となっている。
開閉機構71Bは、基部50の他方の梁部材53B上に設けられており、一対のかんぬき梁70の他端側を下から支持する一対の支持部72と、この一対の支持部72を略水平に移動する移動機構73と、を備える。これら開閉機構71Bの支持部72および移動機構73は、開閉機構71Aの支持部72および移動機構73と同様の構成である。
係止装置23では、以下のようにして、クレーン設置床20を支持柱11Aから側方に突出した継手部14の上面に係止する。
すなわち、開閉機構71A、71Bのモータ74を駆動して、チェーン76を図16中矢印方向に回転させることで、支持部72に支持された一対のかんぬき梁70同士を接近させ、一対のかんぬき梁70を支持柱11Aの継手部14の上に位置させる。
この状態で、昇降装置22によりクレーン設置床20を下降させると、かんぬき梁70が支持柱11Aの継手部14の上面に係止し、このかんぬき梁70にクレーン設置床20の梁部材53Aが係止する(図7および図8参照)。これにより、クレーン設置床20が支持柱11Aに支持される。
このとき、かんぬき梁70は支持部72に対して上方に相対移動するが、支持部72の一対の鉛直片がかんぬき梁70の両側面に当接しているので、かんぬき梁70が上方に移動しても、このかんぬき梁70の脱落を防止できる。
一方、係止装置23では、以下のようにして、クレーン設置床20の継手部14の係止状態を解除する。
すなわち、昇降装置22によりクレーン設置床20を少し上昇させて、かんぬき梁70を支持部72に対して下方に相対移動させ、支持部72の水平片721の上に載せる。これにより、かんぬき梁70の上面と梁部材53Bの下面との間には、隙間が形成される。
この状態で、開閉機構71A、71Bのモータ74を駆動して、チェーン76を図17中矢印方向に回転させることで、支持部72に支持された一対のかんぬき梁70同士を離間させる。一対のかんぬき梁70を支持柱11Aの継手部14の上から退避させる。これにより、かんぬき梁70と梁部材53Bとが接触することなく、かんぬき梁70を円滑に水平移動できる。
図18は、振れ止め装置24の平面図である。図19は、振れ止め装置24の拡大平断面図である。
振れ止め装置24は、クレーン設置床20に支持されて支持柱11Aの側面のフランジ面に当接して押さえるものである。
この振れ止め装置24は、クレーン設置床20の梁部材53A間にX方向に水平移動可能に架設されてY方向に延びる一対の第1支持部材80と、各第1支持部材80に一対ずつY方向に水平移動可能に設けられた第2支持部材81と、各第2支持部材81に螺合されて第2支持部材からのY方向の突出寸法を調整可能なボルト82と、各第2支持部材81に設けられて表面が円滑な滑り材83と、を備える。
第1支持部材80は、一対の梁部材53A間に支持柱11AをX方向から挟んで架設されている。この第1支持部材80の両端側は、梁部材53Aの挿通孔54に挿通され、複数のボルト挿通孔55に選択的にボルト固定されている。これにより、第1支持部材80を梁部材53AのX方向の任意の位置に仮固定可能となっている。
第2支持部材81は、各第1支持部材80に支持柱11AをY方向から挟んだ位置に設けられている。第1支持部材80には、複数のボルト挿通孔84が第2支持部材81の長さ方向に並んで形成されている。この第2支持部材81は、複数のボルト挿通孔84に選択的にボルト固定されている。これにより、第2支持部材81を第1支持部材80のY方向の任意の位置に仮固定可能となっている。
滑り材83は、支持柱11Aのフランジの端縁の近傍に位置している。クレーン設置床20を下降させる際に、この滑り材83が支持柱11Aに摺動することで、クレーン設置床20の円滑な昇降を確保する。
振れ止め装置24では、ボルト82を回転させて前進させ、このボルト82の頭部を支持柱11Aのフランジ面に当接させることにより、クレーン設置床20のY方向の振れ止めを行う。一方、ボルト82を回転させて後退させることで、クレーン設置床20のY方向の振れ止めを解除できる。
また、図19に示すように、滑り材83と支持柱11Aのフランジの端縁との間にくさび85を打ち込むことで、クレーン設置床20のX方向の振れ止めを行う。一方、くさび85を取り外すことで、クレーン設置床20のX方向の振れ止めを解除できる。
以下、既存建物1を解体する手順について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1では、図1に示すように、既存建物1の屋上階に解体システム2を構築する。
すなわち、既存建物1の屋上階にクレーン設置床20、クレーン21、昇降装置22、係止装置23、振れ止め装置24を構築する。
ここで、クレーン設置床20を構築する部分について、所定の既存柱11の上に仮設柱15を取り付けて、この既存柱11のうち支持柱11Aについて、昇降装置22の反力部材41を仮設柱15の頂部に取り付ける。このとき、反力部材41の仮固定ジャッキ62を駆動して、反力部材41を支持柱11Aに仮固定する。
また、係止装置23のかんぬき梁70を、仮設ピース16を介して、屋上階床レベルの支持柱11Aの継手部14上に載置することで、クレーン設置床20を支持柱11Aに仮支持させる。
また、振れ止め装置24のボルト82でクレーン設置床20のY方向の振れ止めを行うとともに、振れ止め装置24のくさび85を取り付けて、クレーン設置床20のX方向の振れ止めを行う。
ステップS2では、図21に示すように、クレーン21を用いて、支持柱11Aおよびこの支持柱11Aに隣接する既存柱11を残して、既存建物1を屋上階から2層分解体する。このとき、支持柱11Aの継手部14を残すようにする。
なお、後述のステップS9においてステップS2を繰り返す場合には、既存建物1を2層分ではなく1層分解体するものとする。
ステップS3では、支持柱11Aによるクレーン設置床20の仮支持を解除する。
すなわち、支持柱11Aによるクレーン設置床20の振れ止めを解除する。具体的には、振れ止め装置24のボルト82を後退させるとともに、振れ止め装置24のくさび85を取り外す。
次に、ストランドジャッキ43により吊り材42に張力を導入して、クレーン設置床20少し上方に持ち上げて地切りする。この状態で、係止装置23の開閉機構71A、71Bを駆動して、一対のかんぬき梁70を支持柱11Aの継手部14の上から退避させる。
ステップS4では、図22に示すように、ストランドジャッキ43を駆動して、クレーン設置床20を支持柱11Aに沿って1層分下降させる。このとき、振れ止め装置24の滑り材83でクレーン設置床20の下降をガイドする。
ステップS5では、クレーン設置床20を支持柱11Aに再度仮支持させる。
すなわち、係止装置23の開閉機構71A、71Bを駆動して、一対のかんぬき梁70を支持柱11Aの継手部14の上に位置させる。次に、ストランドジャッキ43によりクレーン設置床20を下降させて、かんぬき梁70を支持柱11Aの継手部14の上面に係止させる。次に、振れ止め装置24のボルト82でクレーン設置床20のY方向の振れ止めを行うとともに、振れ止め装置24のくさび85を取り付けて、クレーン設置床20のX方向の振れ止めを行う。
ステップS6では、図23に示すように、既存柱11の上部を切断して撤去し、昇降装置22の反力部材41を支持柱11Aから取り外して、他の既存柱11の頂部に仮置きする。
すなわち、クレーン設置床20上からチェーン69を引っ張ることで、反力部材41の仮固定ジャッキ62を駆動して、反力部材41の仮固定を解除する。次に、反力部材41をクレーン21で吊り上げて、この支持柱11Aに隣接する既存柱11の頂部に仮置きする。
ステップS7は、支持柱11Aの上部を切断して撤去する。このようにして、支持柱11Aを含む全ての既存柱11の上部を撤去する。
ステップS8は、図24に示すように、他の既存柱11の頂部に仮置きした反力部材41を、支持柱11Aの頂部に再度仮固定する。
すなわち、仮置きした反力部材41をクレーン21で吊り上げて、支持柱11Aの頂部に再度配置する。次に、クレーン設置床20上からチェーン69を引っ張ることで、反力部材41の仮固定ジャッキ62を駆動して、反力部材41を支持柱11Aに仮固定する。また、振れ止め装置24のボルト82でクレーン設置床20のY方向の振れ止めを行うとともに、振れ止め装置24のくさび85を取り付けて、クレーン設置床20のX方向の振れ止めを行う。
ステップS9は、ステップS2からステップS8までを繰り返す。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)既存建物1の一部の既存柱11を支持柱11Aとし、この支持柱11Aに仮支持させてクレーン21が設置されたクレーン設置床20を構築し、クレーン21で既存建物1を解体しながら、クレーン設置床を下降させた。よって、従来のようにクレーン設置床に既存床の一部を利用しないので、大掛かりな補強が不要となり、施工費用を削減できる。
(2)支持柱11Aの上部を解体する際に、昇降装置22の反力部材41を一旦吊り上げて、支持柱11Aに隣接する既存柱11の頂部に仮置きした。よって、昇降装置22の反力部材41を安定した姿勢で仮置きできるので、支持柱11Aの解体作業を円滑に実施でき、工期を短縮できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
1…既存建物(既存構造物) 2…解体システム 3…コア部
11…既存柱 11A…支持柱 12…既存梁 13…既存床
14…支持柱の継手部 15…仮設柱 16…仮設ピース
20…クレーン設置床 21…クレーン 22…昇降装置 23…係止装置
24…振れ止め装置
30…梁部材 31…床部材 32…走行レール 33…走行台車
34…クレーン本体 35…ジブ 36…巻上装置
40…フレーム 41…反力部材 42…吊り材 43…ストランドジャッキ
50…基部 51…ジャッキ支持部 52…吊り材支持部 53A、53B…梁部材
54…挿通孔 55…ボルト挿通孔
60…ボックス部材 61…反力梁 62…仮固定ジャッキ 63…水平部材
64…滑車 65…プーリ 66…ねじ 67…長孔 68…ハンドル
69…チェーン
70…かんぬき梁 71A、71B…開閉機構 72…支持部 73…移動機構
74…モータ 75…滑車 76…チェーン 721…水平片 722…鉛直片
80…第1支持部材 81…第2支持部材 82…ボルト 83…滑り材
84…ボルト挿通孔 85…くさび

Claims (1)

  1. 既存構造物を解体する解体方法であって、
    当該既存構造物の所定の既存柱を支持柱とし、当該支持柱に仮支持させて前記既存構造物の所定のフロア上にクレーン設置床を構築し、前記クレーン設置床上にクレーンを設置する第1工程と、
    前記クレーンを用いて、少なくとも前記支持柱を残して前記所定のフロアから1層分を解体する第2工程と、
    前記支持柱による前記クレーン設置床の仮支持を解除し、前記クレーン設置床を前記支持柱に沿って1層分下降させて、その後、当該前記クレーン設置床を前記支持柱に再度仮支持させる第3工程と、
    前記支持柱の上部を撤去する第4工程と、
    前記第2工程から第4工程までを繰り返す第5工程と、を備え
    前記第3工程では、前記クレーン設置床を下降させる昇降装置を前記支持柱の頂部に仮固定しておき、前記支持柱による仮支持を解除した後、当該昇降装置により前記クレーン設置床を前記支持柱に沿って下降させ、
    前記第4工程では、当該昇降装置を前記支持柱から取り外して、当該支持柱以外の既存柱の頂部に仮置きし、この状態で、当該支持柱の上部を撤去し、その後、当該支持柱の頂部に前記昇降装置を再度仮固定することを特徴とする既存構造物の解体方法。
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