JP6893136B2 - 既存構造物の解体システム - Google Patents

既存構造物の解体システム Download PDF

Info

Publication number
JP6893136B2
JP6893136B2 JP2017135255A JP2017135255A JP6893136B2 JP 6893136 B2 JP6893136 B2 JP 6893136B2 JP 2017135255 A JP2017135255 A JP 2017135255A JP 2017135255 A JP2017135255 A JP 2017135255A JP 6893136 B2 JP6893136 B2 JP 6893136B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crane
support
installation floor
floor
crane installation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017135255A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019015152A (ja
Inventor
英樹 市原
英樹 市原
清志 矢島
清志 矢島
誠 萱嶋
誠 萱嶋
裕介 野口
裕介 野口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taisei Corp filed Critical Taisei Corp
Priority to JP2017135255A priority Critical patent/JP6893136B2/ja
Publication of JP2019015152A publication Critical patent/JP2019015152A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6893136B2 publication Critical patent/JP6893136B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Working Measures On Existing Buildindgs (AREA)

Description

本発明は、既存構造物を解体する解体システムに関する。
従来より、設備や躯体の老朽化を理由として、既存建物の解体が行われるが、この既存建物を解体する方法としては、以下のような方法がある。
例えば、地表面から既存建物に沿ってマストを設置し、このマストにタワークレーンを取り付けて、このタワークレーンにより解体材を荷下ろしする方法がある。この場合、マストを既存建物の構造体に仮固定しておき、建物の解体に伴って、リフトダウンさせる(特許文献1参照)。
しかしながら、地表面から既存建物に沿ってタワークレーンを用いた場合では、地表面から最上階まで大型のマストを構築する必要があるため、解体工事が大掛かりとなって、施工費用が増大する、という問題があった。
この問題を解決するため、以下の特許文献2のような解体方法が提案されている。すなわち、既存建物の屋上階の既存床の一部を含んでクレーン設置床とし、このクレーン設置床上にクレーンを設置するとともに、このクレーン設置床を既存柱である支持柱に仮支持させる。そして、クレーンを用いて既存建物を解体しながら、クレーン設置床を支持柱に沿って下降させる。
特開2010−255374号公報 特開2016−17291号公報
しかしながら、既存床の一部を利用してクレーン設置床を構築するため、大掛かりな補強が必要であり、施工費用が増大する、という問題があった。
本発明は、施工費用を低減できる既存構造物の解体システムを提供することを目的とする。
請求項1に記載の既存構造物の解体システムは、既存構造物(例えば、後述の既存建物1)を解体する解体システム(例えば、後述の解体システム2)であって、既存構造物の所定のフロアの上に構築されたクレーン設置床(例えば、後述のクレーン設置床20)と、当該クレーン設置床を支持する既存柱である支持柱(例えば、後述の支持柱11A)と、前記クレーン設置床上に設置されたクレーン(例えば、後述のクレーン21)と、前記クレーン設置床を前記支持柱に沿って下降させる昇降装置(例えば、後述の昇降装置22)と、前記クレーン設置床に設けられて前記支持柱の継手部の上面に係止可能な係止装置(例えば、後述の係止装置23)と、を備え、当該係止装置は、前記クレーン設置床の下面に沿って移動可能な一対のかんぬき梁(例えば、後述のかんぬき梁70)と、当該一対のかんぬき梁同士を接近あるいは離間させる方向に移動する開閉機構(例えば、後述の開閉機構71A、71B)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、解体システムを、支持柱、クレーン設置床、クレーン、昇降装置、および係止装置を含んで構成し、クレーンで既存構造物を解体しながら、昇降装置によりクレーン設置床を支持柱に沿って下降させた。よって、従来のようにクレーン設置床に既存床の一部を利用しないので、大掛かりな補強が不要となり、施工費用を削減できる。
ここで、クレーンで既存構造物を解体している期間、係止装置によりクレーン設置床を支持柱に支持させておく。
具体的には、開閉機構を駆動して一対のかんぬき梁同士を接近させ、この一対のかんぬき梁を支持柱の継手部の上に位置させる。この状態で、昇降装置によりクレーン設置床を下降させると、かんぬき梁が支持柱の継手部の上面に係止し、このかんぬき梁の上にクレーン設置床が係止する。これにより、クレーン設置床が支持柱に支持される。
一方、支持柱によるクレーン設置床の支持を解除する場合、以下のようになる。すなわち、すなわち、昇降装置によりクレーン設置床を少し上昇させて、この状態で、開閉機構を駆動して、一対のかんぬき梁同士を離間させる。これにより、一対のかんぬき梁が支持柱の継手部の上から退避する。
このように、係止装置を設けることで、クレーン設置床を確実に支持柱に支持させることができ、既存構造物の解体作業の安全性を確保できる。また、一対のかんぬき梁同士の距離を適宜調整することで、支持柱のサイズが変化しても、支持柱の継手部にかんぬき部材を係止することができる。
請求項2に記載の既存構造物の解体システムは、前記開閉機構は、前記かんぬき梁を下から支持する支持部(例えば、後述の支持部72)と、当該支持部を略水平に移動する移動機構(例えば、後述の移動機構73)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、支持部によりかんぬき梁を下から支持したので、かんぬき梁の多少の上下移動が可能となる。よって、かんぬき梁の上にクレーン設置床を係止させた状態からかんぬき梁を移動する場合に、かんぬき梁の上面とクレーン設置床の下面とが接触しないので、かんぬき梁を円滑に移動できる。
請求項3に記載の既存構造物の解体システムは、前記クレーン設置床に支持されて前記支持柱の側面に当接可能な振れ止め装置(例えば、後述の振れ止め装置24)をさらに備え、当該振れ止め装置は、クレーン設置床に水平方向に相対移動可能に設けられた支持部材(例えば、後述の第1支持部材80、第2支持部材81)と、当該支持部材に螺合されて前記支持柱の側面に対して略垂直に延びるボルト(例えば、後述のボルト82)と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、支持部材およびボルトを含む振れ止め装置を設けたので、支持部材をクレーン設置床に対して水平移動し、この支持部材に螺合されたボルトを進退させて支持柱の側面に当接させることで、クレーン設置床の水平方向の揺れを防止できる。
請求項4に記載の既存構造物の解体システムは、前記クレーン設置床には、複数のボルト挿通孔(例えば、後述のボルト挿通孔55)が略水平方向に並んで形成され、前記支持部材は、前記複数のボルト挿通孔に選択的にボルト固定されることを特徴とする。
この発明によれば、支持部材を、クレーン設置床の複数のボルト挿通孔に選択的にボルト固定することで、クレーン設置床に対する水平方向の相対位置を適宜調整できるから、支持柱のサイズが変化しても、クレーン設置床の水平方向の揺れを防止できる。
請求項5に記載の既存構造物の解体システムは、前記振れ止め装置には、前記支持柱の側面から所定間隔離れて滑り材が設けられることを特徴とする。
この発明によれば、振れ止め装置に滑り材を設けたので、昇降装置によりクレーン設置床を支持柱に沿って下降させる際に、滑り材の表面に支持柱を摺動させることで、クレーン設置床の円滑な移動を確保できる。
本発明によれば、大掛かりな補強が不要となり、施工費用を削減できる。
本発明の一実施形態に係る既存構造物の解体システムおよびこの解体システムが適用される既存建物の側面図である。 前記実施形態に係る解体システムおよび既存建物の平面図である。 図1のI−I断面図である。 前記実施形態に係る解体システムのイメージ図(その1)である。 前記実施形態に係る解体システムのイメージ図(その2)である。 図2の破線Aで囲んだ部分の平面図である。 図6のII−II矢視図である。 図6のIII−III矢視図である。 図7および図8のVI−VI断面図である。 図7および図8のV−V断面図である。 図2の破線Aで囲んだ部分のイメージ図である。 前記実施形態に係る解体方法に用いられる解体システムの昇降装置の動作を示す模式図である。 前記実施形態に係る解体システムのストランドジャッキの先端面および滑車の平面図である。 前記実施形態に係る解体システムのボックス部材の異なる2方向の縦断面図である。 前記実施形態に係る解体システムの仮固定ジャッキの動作を示す図である。 前記実施形態に係る解体システムの係止装置の動作を示す模式図(その1)である。 前記実施形態に係る解体システムの係止装置の動作を示す模式図(その2)である。 前記実施形態に係る解体システムの振れ止め装置の平面図である。 前記実施形態に係る解体システムの振れ止め装置の拡大平断面図である。 前記実施形態に係る解体方法により既存建物を解体する手順のフローチャートである。 前記実施形態に係る既存建物の解体手順の説明図(その1)である。 前記実施形態に係る既存建物の解体手順の説明図(その2)である。 前記実施形態に係る既存建物の解体手順の説明図(その3)である。 前記実施形態に係る既存建物の解体手順の説明図(その4)である。
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る既存構造物の解体システム2およびこの解体システム2が適用される既存構造物としての既存建物1の側面図である。図2は、解体システム2および既存建物1の平面図である。図3は、図1のI−I断面図である。図4よび図5は、解体システム2のイメージ図である。
既存建物1は、n(nは自然数)階の建物であり、平面視で長方形状である。以下、この既存建物1の長手方向をX方向とし、このX方向に略直交する短手方向をY方向とする。
既存建物1は、ラーメン構造であり、複数のH形鋼である既存柱11と、複数の鉄骨造の既存梁12と、鉄筋コンクリート造の既存床13と、を備える。ここで、既存柱11の一部を、クレーン設置床20を支持する支持柱11Aとする。
この既存建物1を、以下の仮設構造物である解体システム2を用いて解体する。
解体システム2は、既存建物1の屋上階のコア部3上に構築されたクレーン設置床20と、クレーン設置床20上に設置されたクレーン21と、支持柱11Aに取り付けられてクレーン設置床20を支持柱11Aに沿って下降させる昇降装置22と、クレーン設置床20に設けられて支持柱11Aの継手部14の上面に係止可能な係止装置23と、クレーン設置床20が水平方向に揺れるのを防止する振れ止め装置24と、を備える。
クレーン設置床20は、既存建物1の屋上階中央部に構築されている。このクレーン設置床20は、具体的には、昇降装置22同士を連結する複数のH形鋼である梁部材30と、これら梁部材30の上に載置される覆工板である板状の床部材31と、を備える。
クレーン設置床20の上には、X方向に延びるH形鋼である一対の走行レール32が載置されている。
クレーン21は、走行レール32の上を走行する走行台車33と、この走行台車33に旋回可能に支持されたクレーン本体34と、このクレーン本体34に起伏可能に支持されたジブ35と、このジブ35の先端に吊り下げ支持された図示しないフックと、クレーン本体34に設けられてフックを昇降させる巻上装置36と、を備える。
支持柱11Aは、既存柱11の一部の柱であり、既存建物1のコア部3を構成する2列の既存柱11を2本おきに選択したものである。
支持柱11Aのフランジは、X方向に延びており、支持柱11Aのウエブは、Y方向に延びている。
図6は、図2の破線Aで囲んだ部分の平面図である。図7は、図6のII−II矢視図であり、図8は、図6のIII−III矢視図である。図9は、図7および図8のVI−VI断面図であり、図10は、図7および図8のV−V断面図である。図11は、図2の破線Aで囲んだ部分のイメージ図である。
昇降装置22は、支持柱11Aを囲んでクレーン設置床20の一部となる矩形枠状のフレーム40と、支持柱11Aの上端に取り付けられて略水平に延びる反力部材41と、反力部材41に巻かれて一端側がフレーム40に連結された吊り材42と、フレーム40に設けられて吊り材42の他端側を引っ張る昇降ジャッキとしてのストランドジャッキ43と、を備える。
フレーム40は、矩形枠状の基部50と、基部50に回動可能に設けられた門型状のジャッキ支持部51と、基部50の支持柱11Aを挟んでジャッキ支持部51の反対側の位置に回動可能に設けられた門型状の吊り材支持部52と、を備える。
基部50は、略平行にX方向に延びるH形鋼からなる一対の梁部材53Aと、この梁部材53A同士を連結して略平行にY方向に延びるH形鋼からなる一対の梁部材53Bと、を備える。クレーン設置床20の梁部材30は、昇降装置22のフレーム40同士を連結しており、これら昇降装置22の梁部材53A、53B同士の接合部には、クレーン設置床20の梁部材30が連結されている。
一方の梁部材53Aの上面には、ジャッキ支持部51が回動可能に支持されており、他方の梁部材53Aの上面には、吊り材支持部52が回動可能に支持されている。
ストランドジャッキ43は、ジャッキ支持部51に上向きに固定されている。
一対の梁部材53Aの下部には、この梁部材53Aの長さ方向に延びる挿通孔54が形成されている。この挿通孔54の下面には、複数のボルト挿通孔55が梁部材53Aの長さ方向に並んで形成されている(図18参照)。
反力部材41は、支持柱11Aの上端に被せられて上端が塞がれた矩形筒状のボックス部材60と、ボックス部材60の上に設けられて略水平に延びる反力梁61と、ボックス部材60の内壁面に設けられてH形鋼である支持柱11Aのフランジの外面に当接可能な仮固定ジャッキ(ユニブロック)62(図14参照)と、を備える。
反力梁61は、互いに略平行な一対の水平部材63と、この一対の水平部材63の両端側同士の間に回転自在に支持された一対の滑車64と、を備える。
吊り材42は、一対の滑車64に巻かれており、一端側が吊り材支持部52に連結され、他端側がジャッキ支持部51に固定されたストランドジャッキ43に連結されている。
以上の昇降装置22では、図12(a)に示すように、ストランドジャッキ43が吊り材42を引っ張ると、クレーン設置床20が支持柱11Aに対して上昇する。一方、図12(b)に示すように、ストランドジャッキ43が吊り材42を送り出すと、クレーン設置床20が支持柱11Aに対して下降する。
図13(a)は、ストランドジャッキ43の先端面(上端面)の平面図である。図13(b)は、滑車64の平面図である。
ストランドジャッキ43は、先端面が円形であり、例えば7本のストランドを引っ張ることが可能である。本実施形態では、図13(a)に示すように、7本のストランドのうち、ストランドジャッキ43の先端面の中心を通る一直線上に並ぶ3本のストランドのみを、吊り材42として用いる。
滑車64は、直径が同一のプーリ65を3枚重ねて構成されており、ストランドジャッキ43の3本のストランドとしての吊り材42が巻かれている。
図14は、ボックス部材60の異なる2方向の縦断面図である。図15は、仮固定ジャッキ62の動作を示す図である。
仮固定ジャッキ62は、ねじ66を回転させることで伸縮し、水平方向の長さ寸法lを変更可能となっている。この仮固定ジャッキ62では、ねじ66は、仮固定ジャッキ62の長さ方向の中央に位置する構造である。
ボックス部材60の側面には、水平方向に延びる長孔67が形成されており、ねじ66はこの長孔67を貫通して外部に突出している。上述のように、ねじ66が仮固定ジャッキ62の長さ方向中央に位置するため、長孔67を水平方向に延びる形状とすることで、仮固定ジャッキ62の長さ寸法の変化に対応可能となっている。
ねじ66の先端には、円盤状のハンドル68が設けられている。このハンドル68にはチェーン69が巻かれて下方に垂れ下がっている。よって、ボックス部材60の下方からチェーン69を引っ張ってねじ66を回転させることで、仮固定ジャッキ62の長さ寸法を適宜調整できる。これにより、仮固定ジャッキ62が支持柱11Aのフランジの外面に当接し、ボックス部材60を支持柱11Aに仮固定できるようになっている。
図16および図17は、係止装置23の動作を示す模式図である。
図7〜図10にも示すように、係止装置23は、一対のかんぬき梁70と、この一対のかんぬき梁70同士を接近あるいは離間させる方向に略水平に移動する一対の開閉機構71A、71Bと、を備える。
支持柱11Aの互いに背中合わせの側面には、一対の継手部14が側方に延びており、係止装置23は、この一対の継手部14の上面に一対のかんぬき梁70を載せて係止させる。
開閉機構71Aは、基部50の一方の梁部材53B上に設けられており、一対のかんぬき梁70の一端側を下から支持する一対の支持部72と、この一対の支持部72を略水平に移動する移動機構73と、を備える。
支持部72は、かんぬき梁70の底面を下から支持する水平片721と、この水平片721の両端から鉛直方向に延びてかんぬき梁70の両側面に当接する一対の鉛直片722と、を備える。
図16および図17に示すように、支持部72の水平片721の上面から梁部材53Bの下面までの距離をhは、かんぬき梁70の高さ寸法hよりも僅かに高くなっている。
移動機構73は、モータ74と、モータ74から水平方向に離れた位置に回転自在に設けられた滑車75と、これらモータ74と滑車75との間に巻き回されたチェーン76と、を備える。一方の支持部72は、チェーン76の上側の部分に固定され、他方の支持部72は、チェーン76の下側の部分に固定されている。また、ねじ77を回転させることで、滑車75がモータ74に対して接近あるいは離隔し、これにより、チェーン76の張力を調整可能となっている。
開閉機構71Bは、基部50の他方の梁部材53B上に設けられており、一対のかんぬき梁70の他端側を下から支持する一対の支持部72と、この一対の支持部72を略水平に移動する移動機構73と、を備える。これら開閉機構71Bの支持部72および移動機構73は、開閉機構71Aの支持部72および移動機構73と同様の構成である。
係止装置23では、以下のようにして、クレーン設置床20を支持柱11Aから側方に突出した継手部14の上面に係止する。
すなわち、開閉機構71A、71Bのモータ74を駆動して、チェーン76を図16中矢印方向に回転させることで、支持部72に支持された一対のかんぬき梁70同士を接近させ、一対のかんぬき梁70を支持柱11Aの継手部14の上に位置させる。
この状態で、昇降装置22によりクレーン設置床20を下降させると、かんぬき梁70が支持柱11Aの継手部14の上面に係止し、このかんぬき梁70にクレーン設置床20の梁部材53Aが係止する(図7および図8参照)。これにより、クレーン設置床20が支持柱11Aに支持される。
このとき、かんぬき梁70は支持部72に対して上方に相対移動するが、支持部72の一対の鉛直片がかんぬき梁70の両側面に当接しているので、かんぬき梁70が上方に移動しても、このかんぬき梁70の脱落を防止できる。
一方、係止装置23では、以下のようにして、クレーン設置床20の継手部14の係止状態を解除する。
すなわち、昇降装置22によりクレーン設置床20を少し上昇させて、かんぬき梁70を支持部72に対して下方に相対移動させ、支持部72の水平片721の上に載せる。これにより、かんぬき梁70の上面と梁部材53Bの下面との間には、隙間が形成される。
この状態で、開閉機構71A、71Bのモータ74を駆動して、チェーン76を図17中矢印方向に回転させることで、支持部72に支持された一対のかんぬき梁70同士を離間させる。一対のかんぬき梁70を支持柱11Aの継手部14の上から退避させる。これにより、かんぬき梁70と梁部材53Bとが接触することなく、かんぬき梁70を円滑に水平移動できる。
図18は、振れ止め装置24の平面図である。図19は、振れ止め装置24の拡大平断面図である。
振れ止め装置24は、クレーン設置床20に支持されて支持柱11Aの側面のフランジ面に当接して押さえるものである。
この振れ止め装置24は、クレーン設置床20の梁部材53A間にX方向に水平移動可能に架設されてY方向に延びる一対の第1支持部材80と、各第1支持部材80に一対ずつY方向に水平移動可能に設けられた第2支持部材81と、各第2支持部材81に螺合されて第2支持部材からのY方向の突出寸法を調整可能なボルト82と、各第2支持部材81に設けられて表面が円滑な滑り材83と、を備える。
第1支持部材80は、一対の梁部材53A間に支持柱11AをX方向から挟んで架設されている。この第1支持部材80の両端側は、梁部材53Aの挿通孔54に挿通され、複数のボルト挿通孔55に選択的にボルト固定されている。これにより、第1支持部材80を梁部材53AのX方向の任意の位置に仮固定可能となっている。
第2支持部材81は、各第1支持部材80に支持柱11AをY方向から挟んだ位置に設けられている。第1支持部材80には、複数のボルト挿通孔84が第2支持部材81の長さ方向に並んで形成されている。この第2支持部材81は、複数のボルト挿通孔84に選択的にボルト固定されている。これにより、第2支持部材81を第1支持部材80のY方向の任意の位置に仮固定可能となっている。
滑り材83は、支持柱11Aのフランジの端縁の近傍に位置している。クレーン設置床20を下降させる際に、この滑り材83が支持柱11Aに摺動することで、クレーン設置床20の円滑な昇降を確保する。
振れ止め装置24では、ボルト82を回転させて前進させ、このボルト82の頭部を支持柱11Aのフランジ面に当接させることにより、クレーン設置床20のY方向の振れ止めを行う。一方、ボルト82を回転させて後退させることで、クレーン設置床20のY方向の振れ止めを解除できる。
また、図19に示すように、滑り材83と支持柱11Aのフランジの端縁との間にくさび85を打ち込むことで、クレーン設置床20のX方向の振れ止めを行う。一方、くさび85を取り外すことで、クレーン設置床20のX方向の振れ止めを解除できる。
以下、既存建物1を解体する手順について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1では、図1に示すように、既存建物1の屋上階に解体システム2を構築する。
すなわち、既存建物1の屋上階にクレーン設置床20、クレーン21、昇降装置22、係止装置23、振れ止め装置24を構築する。
ここで、クレーン設置床20を構築する部分について、所定の既存柱11の上に仮設柱15を取り付けて、この既存柱11のうち支持柱11Aについて、昇降装置22の反力部材41を仮設柱15の頂部に取り付ける。このとき、反力部材41の仮固定ジャッキ62を駆動して、反力部材41を支持柱11Aに仮固定する。
また、係止装置23のかんぬき梁70を、仮設ピース16を介して、屋上階床レベルの支持柱11Aの継手部14上に載置することで、クレーン設置床20を支持柱11Aに仮支持させる。
また、振れ止め装置24のボルト82でクレーン設置床20のY方向の振れ止めを行うとともに、振れ止め装置24のくさび85を取り付けて、クレーン設置床20のX方向の振れ止めを行う。
ステップS2では、図21に示すように、クレーン21を用いて、支持柱11Aおよびこの支持柱11Aに隣接する既存柱11を残して、既存建物1を屋上階から2層分解体する。このとき、支持柱11Aの継手部14を残すようにする。
なお、後述のステップS9においてステップS2を繰り返す場合には、既存建物1を2層分ではなく1層分解体するものとする。
ステップS3では、支持柱11Aによるクレーン設置床20の仮支持を解除する。
すなわち、支持柱11Aによるクレーン設置床20の振れ止めを解除する。具体的には、振れ止め装置24のボルト82を後退させるとともに、振れ止め装置24のくさび85を取り外す。
次に、ストランドジャッキ43により吊り材42に張力を導入して、クレーン設置床20少し上方に持ち上げて地切りする。この状態で、係止装置23の開閉機構71A、71Bを駆動して、一対のかんぬき梁70を支持柱11Aの継手部14の上から退避させる。
ステップS4では、図22に示すように、ストランドジャッキ43を駆動して、クレーン設置床20を支持柱11Aに沿って1層分下降させる。このとき、振れ止め装置24の滑り材83でクレーン設置床20の下降をガイドする。
ステップS5では、クレーン設置床20を支持柱11Aに再度仮支持させる。
すなわち、係止装置23の開閉機構71A、71Bを駆動して、一対のかんぬき梁70を支持柱11Aの継手部14の上に位置させる。次に、ストランドジャッキ43によりクレーン設置床20を下降させて、かんぬき梁70を支持柱11Aの継手部14の上面に係止させる。次に、振れ止め装置24のボルト82でクレーン設置床20のY方向の振れ止めを行うとともに、振れ止め装置24のくさび85を取り付けて、クレーン設置床20のX方向の振れ止めを行う。
ステップS6では、図23に示すように、既存柱11の上部を切断して撤去し、昇降装置22の反力部材41を支持柱11Aから取り外して、他の既存柱11の頂部に仮置きする。
すなわち、クレーン設置床20上からチェーン69を引っ張ることで、反力部材41の仮固定ジャッキ62を駆動して、反力部材41の仮固定を解除する。次に、反力部材41をクレーン21で吊り上げて、この支持柱11Aに隣接する既存柱11の頂部に仮置きする。
ステップS7は、支持柱11Aの上部を切断して撤去する。このようにして、支持柱11Aを含む全ての既存柱11の上部を撤去する。
ステップS8は、図24に示すように、他の既存柱11の頂部に仮置きした反力部材41を、支持柱11Aの頂部に再度仮固定する。
すなわち、仮置きした反力部材41をクレーン21で吊り上げて、支持柱11Aの頂部に再度配置する。次に、クレーン設置床20上からチェーン69を引っ張ることで、反力部材41の仮固定ジャッキ62を駆動して、反力部材41を支持柱11Aに仮固定する。
ステップS9は、ステップS2からステップS8までを繰り返す。
本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1)解体システム2を、支持柱11A、クレーン設置床20、クレーン21、昇降装置22、および係止装置23を含んで構成し、クレーン21で既存建物1を解体しながら、昇降装置22によりクレーン設置床20を支持柱11Aに沿って下降させた。よって、従来のようにクレーン設置床に既存床の一部を利用しないので、大掛かりな補強が不要となり、施工費用を削減できる。
ここで、クレーン121で既存建物1を解体している期間、係止装置23によりクレーン設置床20を支持柱11Aに係止して支持させておくことで、既存建物1の解体作業の安全性を確保できる。また、係止装置23の一対のかんぬき梁70同士の距離を適宜調整することで、支持柱11Aのサイズが変化しても、支持柱11Aの継手部14にかんぬき梁70を確実に係止することができる。
(2)支持部72によりかんぬき梁70を下から支持したので、かんぬき梁70の多少の上下移動が可能となる。よって、かんぬき梁70の上にクレーン設置床20を係止させた状態からかんぬき梁70を水平移動する場合に、かんぬき梁70の上面とクレーン設置床20の梁部材53Bの下面とが接触しないので、かんぬき梁70を円滑に水平移動できる。
(3)第1支持部材80、第2支持部材81およびボルト82を含む振れ止め装置24を設けたので、第1支持部材80および第2支持部材81をクレーン設置床20に対して水平方向に相対移動し、この第2支持部材81に螺合されたボルト82を進退させて支持柱11Aのフランジ面に当接させることで、クレーン設置床20の水平方向の揺れを防止できる。
(4)第1支持部材80を、梁部材53Aの複数のボルト挿通孔55に選択的にボルト固定することで、クレーン設置床20に対する水平方向の相対位置を適宜調整できるから、支持柱11Aのサイズが変化しても、クレーン設置床20の水平方向の揺れを防止できる。
(5)振れ止め装置24に滑り材83を設けたので、昇降装置22によりクレーン設置床20を支持柱11Aに沿って下降させる際に、滑り材83の表面に支持柱11Aを摺動させることで、クレーン設置床20の円滑な移動を確保できる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
1…既存建物(既存構造物) 2…解体システム 3…コア部
11…既存柱 11A…支持柱 12…既存梁 13…既存床
14…支持柱の継手部 15…仮設柱 16…仮設ピース
20…クレーン設置床 21…クレーン 22…昇降装置 23…係止装置
24…振れ止め装置
30…梁部材 31…床部材 32…走行レール 33…走行台車
34…クレーン本体 35…ジブ 36…巻上装置
40…フレーム 41…反力部材 42…吊り材 43…ストランドジャッキ
50…基部 51…ジャッキ支持部 52…吊り材支持部 53A、53B…梁部材
54…挿通孔 55…ボルト挿通孔
60…ボックス部材 61…反力梁 62…仮固定ジャッキ 63…水平部材
64…滑車 65…プーリ 66…ねじ 67…長孔 68…ハンドル
69…チェーン
70…かんぬき梁 71A、71B…開閉機構 72…支持部 73…移動機構
74…モータ 75…滑車 76…チェーン 721…水平片 722…鉛直片
80…第1支持部材 81…第2支持部材 82…ボルト 83…滑り材
84…ボルト挿通孔 85…くさび

Claims (5)

  1. 既存構造物を解体する解体システムであって、
    既存構造物の所定のフロアの上に構築されたクレーン設置床と、当該クレーン設置床を支持する既存柱である支持柱と、前記クレーン設置床上に設置されたクレーンと、前記クレーン設置床を前記支持柱に沿って下降させる昇降装置と、
    前記クレーン設置床に設けられて前記支持柱の継手部の上面に係止可能な係止装置と、を備え、
    当該係止装置は、前記クレーン設置床の下面に沿って移動可能な一対のかんぬき梁と、当該一対のかんぬき梁同士を接近あるいは離間させる方向に移動する開閉機構と、を備えることを特徴とする既存構造物の解体システム。
  2. 前記開閉機構は、前記かんぬき梁を下から支持する支持部と、当該支持部を略水平に移動する移動機構と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の既存構造物の解体システム。
  3. 前記クレーン設置床に支持されて前記支持柱の側面に当接可能な振れ止め装置をさらに備え、
    当該振れ止め装置は、クレーン設置床に水平方向に相対移動可能に設けられた支持部材と、当該支持部材に螺合されて前記支持柱の側面に対して略垂直に延びるボルトと、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の解体システム。
  4. 前記クレーン設置床には、複数のボルト挿通孔が略水平方向に並んで形成され、
    前記支持部材は、前記複数のボルト挿通孔に選択的にボルト固定されることを特徴とする請求項3に記載の既存構造物の解体システム。
  5. 前記振れ止め装置には、前記支持柱の側面から所定間隔離れて滑り材が設けられることを特徴とする請求項3または4に記載の既存構造物の解体システム。
JP2017135255A 2017-07-11 2017-07-11 既存構造物の解体システム Active JP6893136B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017135255A JP6893136B2 (ja) 2017-07-11 2017-07-11 既存構造物の解体システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017135255A JP6893136B2 (ja) 2017-07-11 2017-07-11 既存構造物の解体システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019015152A JP2019015152A (ja) 2019-01-31
JP6893136B2 true JP6893136B2 (ja) 2021-06-23

Family

ID=65356378

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017135255A Active JP6893136B2 (ja) 2017-07-11 2017-07-11 既存構造物の解体システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6893136B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1122200A (ja) * 1997-07-03 1999-01-26 Ohbayashi Corp 多層階建物の工事用昇降屋根の支持部盛替え装置
JP5237895B2 (ja) * 2009-07-10 2013-07-17 鹿島建設株式会社 飛散防止装置
JP6391135B2 (ja) * 2014-07-16 2018-09-19 大成建設株式会社 仮設柱の設置方法
JP6474151B2 (ja) * 2015-02-06 2019-02-27 大成建設株式会社 解体システムおよび解体方法
JP6508958B2 (ja) * 2015-02-06 2019-05-08 大成建設株式会社 解体システムおよび解体方法
JP6508959B2 (ja) * 2015-02-09 2019-05-08 大成建設株式会社 解体システムおよび解体方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019015152A (ja) 2019-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6893188B2 (ja) 既存構造物の解体システムおよび解体方法
CN108532768B (zh) 装配式建筑的施工装置及其施工法与盒子建筑
JP6132143B2 (ja) 建物解体システム
JP6503716B2 (ja) 解体システム及び解体方法
JP6920118B2 (ja) 既存構造物の解体システム
JP6508958B2 (ja) 解体システムおよび解体方法
JP5421143B2 (ja) 天井クレーンの設置装置
JP6967383B2 (ja) 既存構造物の解体方法
JP2014001561A (ja) 解体方法、解体補助装置
JP6893136B2 (ja) 既存構造物の解体システム
JPH11147690A (ja) 低空頭鉄筋建込装置
JP6438931B2 (ja) 仮設支柱、仮設支柱の設置構造、および屋根架構の構築方法
JP2017031676A (ja) 既存建屋の耐震補強工法及び補強装置
JP6508959B2 (ja) 解体システムおよび解体方法
JP6449637B2 (ja) 建物の構築方法
JP5894851B2 (ja) 工事用昇降機のマストの支持機構、工事用昇降機、及び、工事用昇降機のマストの延伸方法
JP2008063873A (ja) 天井の搬送機構及び施工方法
JP5948828B2 (ja) 建物解体工事用の貨物リフトの組立に用いられる吊上装置、建物解体工事用の貨物リフト、及びその組立方法
JP5614636B2 (ja) 台車システム
JPH05113026A (ja) 仮設足場構造体
JP6257317B2 (ja) 構造物構築方法および構造物解体方法
JP2023023264A (ja) クレーン昇降システム、構造物の構築方法、および構造物の解体方法
KR101306590B1 (ko) 프로파일 안내 걸림 장치
CN117963677B (zh) 一种超高层施工电梯空中原位托换平台结构及其施工方法
JP2023087604A (ja) クレーン昇降システム、構造物の構築方法、および構造物の解体方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200623

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6893136

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150