JP2000087316A - 床版の構築方法およびその装置 - Google Patents

床版の構築方法およびその装置

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JP2000087316A
JP2000087316A JP10256462A JP25646298A JP2000087316A JP 2000087316 A JP2000087316 A JP 2000087316A JP 10256462 A JP10256462 A JP 10256462A JP 25646298 A JP25646298 A JP 25646298A JP 2000087316 A JP2000087316 A JP 2000087316A
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bridge
wing
floor slab
girder
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JP10256462A
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English (en)
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Tsutomu Kitagawa
勉 北川
Koji Iwata
光司 岩田
Mitsuru Morimoto
満 森本
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Gifu Industry Co Ltd
Original Assignee
Gifu Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安全で効率良く、かつ高精度で床版を構築す
る。 【解決手段】センター型枠18およびウイング型枠22
を介してコンクリート打設することにより床版36を構
築する方法および装置において、ガントリー38に垂下
させた足場40とウイング型枠22の外方下端部とを支
持ジャッキ42を介して連結すると共に、伸縮自在の横
梁44および縦梁48の一端を軸着させ、両梁44,4
8の他端間を伸縮ジャッキ50により連結させてなる移
動固定具52の両梁44,48の軸着部を主桁20の上
隅部に軸支させると共に、縦梁48の下端ローラー46
を主桁20の下縁に着接させることにより、ウイング型
枠22を固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数、例えば3個
以上の橋脚径間に配設させた、少なくとも2個の主桁か
らなる橋桁上にコンクリート製の床版を構築する方法お
よびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】元来、複数橋脚径間を連結する橋桁上に
構築されるコンクリート製の床版は、橋桁両側の主桁間
に位置する中間床版と、橋桁の主桁外方に位置する側部
床版とにより構成され、その構築方法は、橋桁の横桁上
に移動自在に配設させた中間床版型枠および橋桁両側の
主桁に沿って移動自在に配設させた足場上の側部床版型
枠を介して、両型枠内に鉄筋等の補強材を配設させた
後、コンクリート打設を行うのが一般的である。
【0003】また、補強材は、既構築床版上、床版構築
前の橋桁上、あるいは構築部の下方、から型枠内へ移動
させていた。
【0004】また、コンクリート打設時における側部床
版型枠の支持は、移動機構とは別の建枠およびパイプ支
柱によるものであったため、この建枠およびパイプ支柱
は、主桁上に配設させたガントリーの側部に垂下させた
足場上で予め組み立て、主桁および側部床版型枠と固着
し、またガントリー上部よりターンバックル等の吊具に
て側部床版型枠を吊り下げ支持し、コンクリート打設
後、型枠脱型時に、この建枠、パイプ支柱、吊具を解体
し、足場上に移載し、足場が接続されたガントリーを移
動させることにより、次回床版構築個所へ移動させてい
た。
【0005】また、中間床版型枠の下部に位置する横桁
間を移動可能な作業足場は皆無であった。
【0006】また、複数橋脚径間連続床版構築は、橋の
長さ方向の両端から中央に向けて、あるいは橋の長さ方
向の一端から他端に向けて、順次構築していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来は前記の通り、各
型枠内への補強材の配設は、既構築床版上、橋桁上、あ
るいは構築部の下方、から型枠内へ移動させる必要があ
り、このため既構築床版の表面が汚損、あるいは損傷す
る等の問題があった。
【0008】また、コンクリート打設時における側部床
版型枠の支持において、建枠、パイプ支柱等により行っ
ていたため、これら部材は、主桁上に配設させたガント
リーの側部に垂下させた足場上で組み立て、解体、移動
させる必要があり、作業性が良くなく、また装置が大型
となるため、工事費用の高騰、風雨の影響による工期の
遅延、等の要因となっていた。
【0009】また、建枠、パイプ支柱上の型枠は固着機
構を主桁上に形成する必要があったため、この固着機構
は打設したコンクリート製床版を貫通し、あるいは床版
表面に露出するので、補修作業が必要となるばかりか、
主桁および床版の強度低下、外観を損なうことが問題と
なっていた。
【0010】また、側部床版型枠の支持において、ガン
トリーに垂下させた足場を利用するため、側部床版構築
時にこの足場をガントリーと共に別の個所へ移動させて
作業することが不可能であり、作業性が良くないばかり
か、工期が大幅に遅延することが問題となっていた。
【0011】また、複数橋脚径間連続床版構築は、橋の
長さ方向の両端から中央に向けて、あるいは橋の長さ方
向の一端から他端に向けて、構築していたため、隣接す
る各橋脚中間部が、橋脚部より後に構築されるので、各
橋脚間の橋桁がたわみ易く、強度低下の原因となってい
た。
【0012】本発明は、このような欠点に鑑み、安全
で、効率良く、かつ高精度で床版を構築することができ
る方法およびその装置を提供することを目的とするもの
である。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、センター型枠
およびウイング型枠を介してコンクリート打設すること
により床版を構築する方法において、橋桁両側の主桁ま
たは構築床版上に移動自在に配設されたガントリーに垂
下させた足場に、ウイング型枠の外方下端部を支持ジャ
ッキを介して連結すると共に、伸縮自在の横梁の一端
と、下端にローラーを装着させた伸縮自在の縦梁の上端
と、を軸着させ、横梁の他端と、縦梁の下端間を伸縮ジ
ャッキにより連結させてなる移動固定具の横梁をウイン
グ型枠の裏面に固着させ、移動固定具の縦梁の下端ロー
ラーを主桁の下縁に着接させ、ガントリー移動により、
ウイング型枠を橋の前後方向に移動自在とし、センター
型枠およびウイング型枠内にコンクリートを打設する
際、移動固定具の両梁、両梁間を連結させた伸縮ジャッ
キおよびウイング型枠とガントリーの足場間を連結させ
た支持ジャッキをそれぞれ伸縮させることにより、両梁
の軸着部を主桁の上隅部に軸支させると共に、両梁と伸
縮ジャッキにより形成される三角形構造体により、ウイ
ング型枠を固定することを特徴とするもの、またはセン
ター型枠下部に、橋桁の横桁下方で、かつ両側主桁間に
位置する作業足場を、センター型枠裏面の左右両側の前
後に、それぞれ着脱自在かつ前後方向に所定間隔を隔て
て配設した一対の懸架部材群を介して、吊設させてな
り、センター型枠移動に伴う懸架部材の横桁近接時に、
各対の懸架部材の横桁当接側を取外し、各対の他方の懸
架部材により支持して移動させ、取外した側の懸架部材
が横桁を通過した後、この懸架部材を再びセンター型枠
に吊着させ、各対の懸架部材の他方の横桁当接側を取外
し、横桁通過後、再びこの懸架部材をセンター型枠に吊
着して作業足場を移動させることを特徴とするもの、ま
たはガントリーに、床版構築時に使用する鉄筋等の補強
材を移動させるための移動機構を、移動自在かつ昇降自
在に配設させたことを特徴とするもの、またはガントリ
ーを移動させるための橋桁両側の主桁上、あるいは構築
床版上、に配設させるレールを、長尺レール材と、短尺
レール材と、から構成し、長尺レール材の長さ方向の両
端部下辺を外側に膨出させて台形状とし、短尺レール材
の長さ方向の両端部上辺を外側に膨出させて逆台形状と
し、長尺レール材を隣接させて配設させた後、各長尺レ
ール材間に短尺レール材を嵌入させることにより、各レ
ール材を連結させ、移動の際には短尺レール材を先に取
外すことにより解体して移動させることを特徴とするも
の、または複数橋脚径間連続床版構築を、各橋脚中間部
から、橋脚部へ向けて順次行うことにより、各橋脚間の
橋桁のたわみを抑制させることを特徴とするものであ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る床版構築装置は、橋
脚12上部間に配設された橋桁14の幅方向の横桁16
上を橋の前後方向に移動自在で、かつ昇降自在に配設さ
れたセンター型枠18と、橋桁14の長さ方向両側の主
桁20に沿って橋の前後方向に移動自在で、かつ昇降自
在で、センター型枠18の両側に配設されたウイング型
枠22とからなるものであり、図1〜図8に示すよう
に、以下にその構成を詳述する。
【0015】本例において、橋桁14は鋼製素材により
成形され、隣接する2個の橋脚12(径)間または3個
以上の橋脚12(径)間に配設させるものであり、また
主桁20は橋桁14の長さ方向の両側に2個配設させた
ものである。
【0016】センター型枠18は、横桁16上に移動自
在に敷設されたビーム24上に、昇降自在に設けられて
いる。
【0017】本例において、センター型枠18の移動
は、ワイヤー26の一端を主桁20あるいは横桁16に
止着させ、ワイヤー26の他端をビーム24に装着され
たウインチ28に固着させ、ウインチ28を巻上げ、ビ
ーム24を横桁16に対して摺動させることにより行
う。
【0018】センター型枠18の昇降手段は、ビーム2
4に設置された昇降ジャッキ30である。
【0019】センター型枠18下部に、橋桁14の横桁
16下方で、かつ両側主桁20間に位置する作業足場3
2が、センター型枠18の裏面の左右両側の前後4個所
にそれぞれ着脱自在かつ前後方向に所定間隔を隔てて配
設した一対の懸架部材34(34a,34b)群を介し
て、支持されている。
【0020】ウイング型枠22が、橋桁14両側の主桁
20または構築床版36上に移動自在に配設されたガン
トリー38に垂下させた足場40に、昇降移動自在、か
つ着脱自在に設けられている。
【0021】ウイング型枠22の昇降移動手段をさらに
詳述すると、図1、図3および図4に示すように、足場
40とウイング型枠22の外方下端部を支持ジャッキ4
2を介して連結すると共に、伸縮自在の横梁44の一端
と、下端にローラー46を装着させた伸縮自在の縦梁4
8の上端と、を軸着させ、横梁44の他端と、縦梁48
の下端間を伸縮ジャッキ50により連結させてなる移動
固定具52の横梁44をウイング型枠22の裏面に固着
させ、移動固定具52の縦梁48の下端ローラー46を
主桁20の下縁に着接させ、ガントリー38移動によ
り、ウイング型枠22を橋の前後方向に移動自在として
ある。
【0022】床版構築時にウイング型枠22を支持、固
定する際、支持ジャッキ42、両梁44,48および伸
縮ジャッキ50を伸縮させることにより、両梁44,4
8の軸着部(図3において左側)を主桁20の上隅部に
軸支させ、両梁44,48、伸縮ジャッキ50により三
角形構造体を形成し、ウイング型枠22を三点支持す
る。
【0023】ガントリー38に、床版構築時に使用する
鉄筋等の補強材54を移動させるための移動機構56
を、移動自在かつ昇降自在に配設させてある。
【0024】本例において、移動機構56は電動トロリ
ーおよび電動チェーンブロックである。
【0025】また、ガントリー38を移動させるための
橋桁14両側の主桁20または構築床版36上に配設さ
せるレールは、長尺レール材58と、短尺レール材60
と、から構成され、長尺レール材58の長さ方向の両端
部下辺を外側に膨出させて台形状とし、短尺レール材6
0の長さ方向の両端部上辺を外側に膨出させて逆台形状
とし、長尺レール材58を隣接させて配設させた後、各
長尺レール材58間に短尺レール材60を嵌入させるこ
とにより、各レール材58,60を連結させる。
【0026】また、レール移動の際には、長尺レール材
58および短尺レール材60は共に台形状であるため、
各レール材58,60の連結面が垂直平面ではなく、傾
斜面となり、短尺レール材60を先に取外すことにより
容易に解体して移動させることが可能となる。
【0027】なお、図中62はセンター型枠18を支持
するための支持ジャッキ、64はガントリー38の駆動
ローラー、66はセンター型枠18の位置調整機構、6
8は作業足場32のセンター型枠18からの落下防止の
ために着脱自在に装着されたチェーン等の安全具、70
はガントリー38に移動、昇降自在に懸架させたコンク
リート打設表面をならすためのフィニッシャー、72は
橋桁14とレールとの間に介入させたパッキン材、74
はコンクリート、76は縦梁48の主桁20側に配設さ
せたガイドローラー、78は足場40と主桁20下部間
に装着した固定ガイドを示す。
【0028】本発明に係る床版構築装置を使用してコン
クリート製床版を構築する方法を以下に詳述する。
【0029】まず、センター型枠18およびウイング型
枠22を橋桁14の床版構築位置(各橋脚12の径間
(中間)部、図5の符号1)まで移動させる(作業工程
1)。
【0030】この際、センター型枠18はウインチ28
により横桁16あるいは主桁20に止着させたワイヤー
26を巻き上げることにより移動させ、ウイング型枠2
2はガントリー38の駆動ローラー64の駆動により移
動させる。
【0031】また、センター型枠18に懸架部材34を
介して吊設した作業足場32は橋桁14を通過させる必
要があるため、懸架部材34の横桁16近接時に、各対
の懸架部材34の横桁当接(移動に支障がある)側34
aを取外し、各対の他方の懸架部材34bにより四点支
持して移動させ、取外した側の懸架部材34aが横桁1
6を通過した後、この懸架部材34aを再びセンター型
枠18に吊着させ、各対の懸架部材34の他方の横桁当
接側34bを取外し、移動させて横桁16通過後、再び
この懸架部材34bをセンター型枠18に吊着して作業
足場32を移動させる(図6参照)。
【0032】従って、作業足場32が常時センター型枠
18下方に吊設させて形成されるため、作業効率を向上
させることができる。
【0033】また、各ウイング型枠22は、移動固定具
52を構成する横梁44、縦梁48、伸縮ジャッキ50
および支持ジャッキ42をそれぞれ伸縮させることによ
り位置調整することができ、構築床版の両端側の長さが
相違する場合にも容易に調整することができる。
【0034】次に、センター型枠18を昇降ジャッキ3
0を介して所定位置まで上昇させると共に、ウイング型
枠22を移動固定具52を介して所定位置まで上昇させ
る(作業工程2:図1〜図3参照)。
【0035】この際、既構築床版の端部と、センター型
枠18およびウイング型枠22との端部とが重なり合う
ように、両型枠18,22を移動させ、センター型枠1
8は位置調整機構66により、ウイング型枠22は移動
固定具52により、それぞれ位置調整する。
【0036】次に、センター型枠18およびウイング型
枠22内に、鉄筋等の補強材54を、ガントリー38に
装着された移動機構56を介して配設する(作業工程
3)。
【0037】この際、補強材54は予め橋の両端の地上
側から搬入し、橋桁14両側の主桁20上、または既構
築床版上、に敷設されたレール(長尺レール材58およ
び短尺レール材60)上を、ガントリー38を、駆動ロ
ーラー64を介して移動させることにより、移動機構5
6に補強材54を支持させ、所定位置まで移動させる。
【0038】次に、センター型枠18を支持ジャッキ6
2を介して支持、固定すると共に、両ウイング型枠22
を、移動固定具52の両梁44,48の軸着部を主桁2
0の上隅部に軸支させると共に、両梁44,48間の伸
縮ジャッキ50を伸長させることにより、支持、固定す
る(作業工程4)。
【0039】この際、両ウイング型枠22を支持、固定
する移動固定具52は、横梁44、縦梁48、伸縮ジャ
ッキ50、支持ジャッキ42がそれぞれ伸縮自在である
ため、床版36のウイング側の長さに対応させて、両梁
44,48、両ジャッキ50,42の長さを調整するこ
とにより、容易に変更することができ、作業性が良い。
【0040】また、ウイング型枠22の移動固定具52
による支持固定時に、ウイング型枠22と足場40との
間を連結させた支持ジャッキ42を取外すことにより、
ガントリー38を足場40と共に別の作業個所へ移動さ
せることができ、作業性が良い。
【0041】また、ウイング型枠22の支持、固定にお
いて、両梁44,48および伸縮ジャッキ50は、主桁
20に何ら固定機構を形成させる必要がなく、また打設
したコンクリート製床版を貫通し、あるいは床版表面に
露出することもないので、補修作業が皆無となり、主桁
20および床版36の強度が低下することがなく、外観
を損なうこともない。
【0042】また、センター型枠18に懸架部材34を
介して吊設した作業足場32は、各対の懸架部材34の
横桁当接側34a,34bをそれぞれ取外し、吊着する
ことにより、橋桁14の横桁16を通過させることがで
きるため、センター型枠18下方に作業足場32を常時
形成することができ、作業性の向上を図ることができ
る。
【0043】次に、センター型枠18および両ウイング
型枠22内にコンクリート74を打設する(作業工程
5)。
【0044】次に、センター型枠18および両ウイング
型枠22内に打設したコンクリート表面をフィニッシャ
ー70によりならす(作業工程6:図7参照)。
【0045】このフィニッシャー70の移動は、既構築
床版上または橋桁14の主桁20上に配設させたレール
(長尺レール材58および短尺レール材60)を利用す
ることが望ましいが、ガントリー38の補強材54の移
動機構56と同様の電動トロリーおよび電動チェーンブ
ロックによるものでもよい。
【0046】その後、このセンター型枠18および両ウ
イング型枠22を脱型させることにより、床版36が構
築される。
【0047】その後、センター型枠18および両ウイン
グ型枠22を、次回床版構築位置(図5の符号2)へ移
動させ、床版36を構築する。
【0048】この際、ウイング型枠22を支持、固定す
るための移動固定具52は、両梁44,48の軸着部と
主桁20の上隅部との軸支を解除し、両梁44,48、
伸縮ジャッキ50を縮短させると共に、ウイング型枠2
2の外方下端部と足場40との間に支持ジャッキ42を
連結させることにより、両梁44,48および伸縮ジャ
ッキ50はウイング型枠22に吊持された状態で、ウイ
ング型枠22と共に移動可能となるため、従来行ってい
た建枠、パイプ支柱、吊具等のウイング型枠用固定具の
組み立て、解体、移動、固定作業が皆無となり、作業性
が良い。
【0049】また、ガントリー38は、台形状の長尺レ
ール材58と短尺レール材60とから構成されるレール
を介して移動させるので、各レール材58,60の連結
面が垂直平面ではなく、傾斜面となるため、ガントリー
38移動に伴う各レール材58,60の分解、連結が容
易となり、ガントリー38の移動レーンを容易に確保す
ることができ、ガントリー38の移動を極めて容易に行
うことができる(図8参照)。
【0050】このように、床版構築を、各橋脚12径間
(中間)部から、橋脚12部へ向けて順次行う(図5の
符号1〜9の順序で床版を構築する)ことにより、両端
を支持させた梁の中央部に重量物を載置させた後、梁の
両端支持部に重量物を載置させた際に奏する梁のたわみ
を抑制するという作用を利用して、各橋脚12間の橋桁
14のたわみを抑制させることができる。
【0051】この作業を順次繰り返し行うことにより、
橋桁14上にコンクリート製床版36を構築することが
できる。
【0052】また、図9および図10に本発明の別の例
が示してある。
【0053】本例は、橋桁12両側の主桁20間の距離
が長い橋桁14上、あるいは主桁20が3個以上配設さ
れた橋桁14上、に床版を構築するものであり、横桁1
6上、あるいは3個以上配設された主桁20により区画
される各横桁16上に、1センター型枠18を並設させ
た他は前記例と同様であるため、説明は省略する。
【0054】なお、本例において、橋桁14は鋼製素材
により成形したものであるが、コンクリート素材、その
他の素材により成形することは自明のことである。
【0055】また、センター型枠18の移動手段および
昇降手段は、ビーム24、ワイヤー26、ウインチ28
および昇降ジャッキ30によるものであるが、他の移動
可能な移動機構および昇降可能な昇降機構であればよ
い。
【0056】また、作業足場32を吊設する懸架部材3
4の個数、ウイング型枠22を支持、固定する移動固定
具52の個数を、状況に応じて変更することは自由であ
る。
【0057】また、ガントリー38を昇降自在とし、高
さ調整可能とすることは自明のことである。
【0058】
【発明の効果】本発明に係る床版構築方法およびその装
置によれば、ガントリーに垂下させた足場とウイング型
枠の外方下端部とを支持ジャッキを介して連結すると共
に、伸縮自在の横梁および縦梁の一端を軸着させ、両梁
の他端間を伸縮ジャッキにより連結させてなる移動固定
具の両梁の軸着部を主桁の上隅部に軸支させると共に、
縦梁の下端ローラーを主桁の下縁に着接させることによ
り、ウイング型枠を支持、固定するため、支持、固定
後、支持ジャッキを取外し、ウイング型枠をガントリー
と分離させることができるので、ガントリーを別の作業
個所へ移動させて作業することができ、作業性が極めて
良い。
【0059】また、床版構築後、ウイング型枠を移動固
定具と共に、ガントリーの足場側へ移動させることによ
り、移動固定具はウイング型枠に吊持された状態で、ウ
イング型枠と共に移動可能となるので、従来行っていた
ウイング型枠の固定具である建枠、パイプ支柱、吊具等
の組み立て、解体、移動、固定作業が皆無となり、作業
性が向上する。
【0060】また、ウイング型枠の支持、固定におい
て、横梁、縦梁、伸縮ジャッキおよび支持ジャッキから
なる移動固定具は、コンクリート打設した床版に何ら固
定機構を形成させることなく、主桁に支持、固定するこ
とができるため、主桁および床版の強度を低下させるこ
とがなく、また外観を損なうこともない。
【0061】また、ウイング型枠の移動固定具である横
梁、縦梁、伸縮ジャッキおよび支持ジャッキはそれぞれ
伸縮自在であるため、床版のウイング側の長さに対応さ
せて、両梁および両ジャッキの長さを調整することによ
り、容易に変更することができ、作業性が良い。
【0062】また、センター型枠下部に作業足場を、セ
ンター型枠裏面の左右両側の前後に、それぞれ着脱自在
かつ前後方向に所定間隔を隔てて配設した一対の懸架部
材群を介して吊設させることにより、懸架部材の横桁近
接時に、各対の懸架部材の横桁当接側を取外し、各対の
他方の懸架部材により支持して移動させ、取外した側の
懸架部材が横桁を通過した後、この懸架部材を再びセン
ター型枠に吊着させ、各対の懸架部材の他方の横桁当接
側を取外し、移動させて横桁通過後、再びこの懸架部材
をセンター型枠に吊着して作業足場を移動させることに
より、作業足場が常時センター型枠下方に形成されるた
め、作業効率を向上させることができる。
【0063】また、橋桁両側の主桁または構築床版上に
移動自在に配設されたガントリーに、床版構築時に使用
する鉄筋等の補強材を移動させるための移動機構を、移
動自在かつ昇降自在に配設させることにより、床版構築
時に各型枠内に配設する補強材の移動を容易に行うこと
ができる。
【0064】また、ガントリーを移動させるための橋桁
両側の主桁上に配設させるレールを、台形状の長尺レー
ル材と、短尺レール材と、から構成することにより、各
レール材の連結面が垂直平面ではなく、傾斜面となるた
め、ガントリー移動に伴う各レール材の分解、連結が容
易となり、ガントリーの移動レーンを容易に確保するこ
とができ、ガントリー移動を極めて容易に行うことがで
きる。
【0065】また、複数橋脚径間連続床版構築を、各橋
脚中間部から、橋脚部へ向けて順次行うことにより、両
端を支持させた梁の中央部に重量物を載置させた後、梁
の両端支持部に重量物を載置させた際に奏する梁のたわ
みを抑制するという作用を利用して、各橋脚間の橋桁の
たわみを抑制させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る床版構築装置の正面図。
【図2】同、側面図。
【図3】ウイング型枠の支持、固定機構を示す要部拡大
正面図。
【図4】同、脱型時を示す要部拡大正面図。
【図5】床版構築順序を示す簡略正面図。
【図6】作業足場の移動手順を示す側面図。
【図7】フィニッシャーの作業手順を示す側面図。
【図8】レールの分解、移動手順を示す側面図。
【図9】本発明に係る別の床版構築装置の正面図。
【図10】同、側面図。
【符号の説明】
12 橋脚 14 橋桁 16 横桁 18 センター型枠 20 主桁 22 ウイング型枠 32 作業足場 34 懸架部材 36 床版 38 ガントリー 40 足場 42 支持ジャッキ 44 横梁 46 ローラー 48 縦梁 50 伸縮ジャッキ 52 移動固定具 54 補強材 56 移動機構 58 長尺レール材 60 短尺レール材 74 コンクリート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森本 満 岐阜県本巣郡真正町十四条144番地 岐阜 工業株式会社内 Fターム(参考) 2D059 AA14 CC04 CC09 DD09 DD17 GG55

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 橋脚(12)上部間に配設された橋桁(14)の
    幅方向の横桁(16)上を橋の前後方向に移動自在で、かつ
    昇降自在に配設されたセンター型枠(18)、および橋桁(1
    4)の長さ方向両側の主桁(20)に沿って橋の前後方向に移
    動自在で、かつ昇降自在に配設された両ウイング型枠(2
    2),(22)、を介してコンクリート打設することにより床
    版(36)を構築する方法において、橋桁(14)両側の主桁(2
    0)または構築床版(36)上に移動自在に配設されたガント
    リー(38)に垂下させた足場(40)に、ウイング型枠(22)の
    外方下端部を支持ジャッキ(42)を介して連結すると共
    に、伸縮自在の横梁(44)の一端と、下端にローラー(46)
    を装着させた伸縮自在の縦梁(48)の上端と、を軸着さ
    せ、横梁(44)の他端と、縦梁(48)の下端間を伸縮ジャッ
    キ(50)により連結させてなる移動固定具(52)の横梁(44)
    をウイング型枠(22)の裏面に固着させ、移動固定具(52)
    の縦梁(48)の下端ローラー(46)を主桁(20)の下縁に着接
    させ、ガントリー(38)移動により、ウイング型枠(22)を
    橋の前後方向に移動自在とし、センター型枠(18)および
    ウイング型枠(22)内にコンクリート(74)を打設する際、
    移動固定具(52)の両梁(44),(48)、両梁(44),(48)間を
    連結させた伸縮ジャッキ(50)およびウイング型枠(22)と
    ガントリー(38)の足場(40)間を連結させた支持ジャッキ
    (42)をそれぞれ伸縮させることにより、両梁(44),(48)
    の軸着部を主桁(20)の上隅部に軸支させると共に、両梁
    (44),(48)と伸縮ジャッキ(50)により形成される三角形
    構造体により、ウイング型枠(22)を固定することを特徴
    とする床版の構築方法。
  2. 【請求項2】 センター型枠(18)下部に、橋桁(14)の横
    桁(16)下方で、かつ両側主桁(20)間に位置する作業足場
    (32)を、センター型枠(18)裏面の左右両側の前後に、そ
    れぞれ着脱自在かつ前後方向に所定間隔を隔てて配設し
    た一対の懸架部材(34)群を介して、吊設させてなり、セ
    ンター型枠(18)移動に伴う懸架部材(34)の横桁(16)近接
    時に、各対の懸架部材(34)の横桁当接側(34a) を取外
    し、各対の他方の懸架部材(34b) により支持して移動さ
    せ、取外した懸架部材(34a) が横桁(16)を通過した後、
    この懸架部材(34a) を再びセンター型枠(18)に吊着さ
    せ、各対の懸架部材(34)の他方の横桁当接側(34b) を取
    外し、横桁(16)通過後、再びこの懸架部材(34b) をセン
    ター型枠(18)に吊着して作業足場(32)を移動させること
    を特徴とする請求項1記載の床版の構築方法。
  3. 【請求項3】 ガントリー(38)に、床版構築時に使用す
    る鉄筋等の補強材(54)を移動させるための移動機構(56)
    を、移動自在かつ昇降自在に配設させたことを特徴とす
    る請求項1または請求項2記載の床版の構築方法。
  4. 【請求項4】 ガントリー(38)を移動させるための橋桁
    (14)両側の主桁(20)または構築床版(36)上に配設させる
    レールを、長尺レール材(58)と、短尺レール材(60)と、
    から構成し、長尺レール材(58)の長さ方向の両端部下辺
    を外側に膨出させて台形状とし、短尺レール材(60)の長
    さ方向の両端部上辺を外側に膨出させて逆台形状とし、
    長尺レール材(58)を隣接させて配設させた後、各長尺レ
    ール材(58)間に短尺レール材(60)を嵌入させることによ
    り、各レール材(58),(60)を連結させ、移動の際には短
    尺レール材(60)を先に取外すことにより解体して移動さ
    せることを特徴とする請求項3記載の床版の構築方法。
  5. 【請求項5】 複数橋脚径間連続床版構築を、各橋脚(1
    2)中間部から、橋脚(12)部へ向けて順次行うことによ
    り、各橋脚(12)間の橋桁(14)のたわみを抑制させること
    を特徴とする請求項1、請求項2、請求項3または請求
    項4記載の床版の構築方法。
  6. 【請求項6】 橋脚(12)上部間に配設された橋桁(14)の
    幅方向の横桁(16)上を橋の前後方向に移動自在で、かつ
    昇降自在に配設されたセンター型枠(18)、および橋桁(1
    4)の長さ方向両側の主桁(20)に沿って橋の前後方向に移
    動自在で、かつ昇降自在に配設されたウイング型枠(2
    2)、を介してコンクリート打設することにより床版(36)
    を構築する装置において、橋桁(14)両側の主桁(20)また
    は構築床版(36)上に移動自在に配設されたガントリー(3
    8)に垂下させた足場(40)に、ウイング型枠(22)の外方下
    端部を支持ジャッキ(42)を介して連結すると共に、伸縮
    自在の横梁(44)の一端と、下端にローラー(46)を装着さ
    せた伸縮自在の縦梁(48)の上端と、を軸着させ、横梁(4
    4)の他端と、縦梁(48)の下端間を伸縮ジャッキ(50)によ
    り連結させてなる移動固定具(52)の横梁(44)をウイング
    型枠(22)の裏面に固着させ、移動固定具(52)の縦梁(48)
    の下端ローラー(46)を主桁(20)の下縁に着接させ、ガン
    トリー(38)移動により、ウイング型枠(22)を橋の前後方
    向に移動自在とし、センター型枠(18)およびウイング型
    枠(22)内にコンクリート(74)を打設する際、移動固定具
    (52)の両梁(44),(48)、両梁(44),(48)間を連結させた
    伸縮ジャッキ(50)およびウイング型枠(22)とガントリー
    (38)の足場(40)間を連結させた支持ジャッキ(42)をそれ
    ぞれ伸縮させることにより、両梁(44),(48)の軸着部を
    主桁(20)の上隅部に軸支させると共に、両梁(44),(48)
    と伸縮ジャッキ(50)により形成される三角形構造体によ
    り、ウイング型枠(22)を固定することを特徴とする床版
    の構築装置。
  7. 【請求項7】 センター型枠(18)下部に、橋桁(14)の横
    桁(16)下方で、かつ両側主桁(20)間に位置する作業足場
    (32)を、センター型枠(18)裏面の左右両側の前後に、そ
    れぞれ着脱自在かつ前後方向に所定間隔を隔てて配設し
    た一対の懸架部材(34)群を介して、吊設させてなり、セ
    ンター型枠(18)移動に伴う懸架部材(34)の横桁(16)近接
    時に、各対の懸架部材(34)の横桁当接側(34a) を取外
    し、各対の他方の懸架部材(34b) により支持して移動さ
    せ、取外した側の懸架部材(34a) が横桁(14)を通過した
    後、この懸架部材(34a) を再びセンター型枠(18)に吊着
    させ、各対の懸架部材(34)の他方の横桁当接側(34b) を
    取外し、横桁(16)通過後、再びこの懸架部材(34b) をセ
    ンター型枠(18)に吊着して作業足場(32)を移動させるこ
    とを特徴とする請求項6記載の床版の構築装置。
  8. 【請求項8】 ガントリー(38)に、床版構築時に使用す
    る鉄筋等の補強材(54)を移動させるための移動機構(56)
    を、移動自在かつ昇降自在に配設させたことを特徴とす
    る請求項6または請求項7記載の床版の構築装置。
  9. 【請求項9】 ガントリー(38)を移動させるための橋桁
    (14)両側の主桁(20)または構築床版(36)上に配設させる
    レールを、長尺レール材(58)と、短尺レール材(60)と、
    から構成し、長尺レール材(58)の長さ方向の両端部下辺
    を外側に膨出させて台形状とし、短尺レール材(60)の長
    さ方向の両端部上辺を外側に膨出させて逆台形状とし、
    長尺レール材(58)を隣接させて配設させた後、各長尺レ
    ール材(58)間に短尺レール材(60)を嵌入させることによ
    り、各レール材(58),(60)を連結させ、移動の際には短
    尺レール材(60)を先に取外すことにより解体して移動さ
    せることを特徴とする請求項8記載の床版の構築装置。
  10. 【請求項10】 複数橋脚径間連続床版構築を、各橋脚
    (12)中間部から、橋脚(12)部へ向けて順次行うことによ
    り、各橋脚(12)間の橋桁(14)のたわみを抑制させること
    を特徴とする請求項6、請求項7、請求項8または請求
    項9記載の床版の構築装置。
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