JP5437876B2 - 鉄道rcラーメン構造高架橋の構築工程における支持部材の解体撤去方法 - Google Patents

鉄道rcラーメン構造高架橋の構築工程における支持部材の解体撤去方法 Download PDF

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Description

本発明は鉄道RCラーメン構造高架橋の構築工程における支持部材の解体撤去方法に関する。
従来、鉄道RCラーメン構造高架橋の構築方法として特許文献1の図15乃至図17に示すようなものが知られている。
この構築方法では、地中梁から立設され橋脚を構成する柱部の間の地盤全域に枠組式支保工を設け、次いで、枠組式支保工に床版用型枠を取り付け、次いで、床版用型枠内に鉄筋を組み立てる。そして、床版用型枠内にコンクリートを打設し、各柱部に結合された床版を形成する。そして、床版を形成したのち、床版用型枠、枠組式支保工を解体除去する。
特開2008−274637号公報
したがって、従来方法では、柱部の間の地盤全域にわたって、すなわち、床版の下方に位置する地盤の全域にわたって枠組式支保工が必要となるため、次のような工程を予め行う必要がある。
地中梁を埋め戻す工程。
地盤が軟弱な場合にはセメント改良を行う工程。
水平でない地盤を水平に整地する(不陸整正を行う)工程。
地盤を転圧して締め固める工程。
地盤に鉄板あるいはシートパイル、敷板を設置し不同沈下を防止する工程。
したがって、枠組式支保工を設置する地盤に対して行う作業に多大な時間と人手がかかる不利がある。
また、床版の下方に位置する地盤の全域にわたって枠組式支保工が必要となるため、枠組式支保工に要する部品コストが多大なものとなり、さらに枠組式支保工の組み立ておよび解体除去に多大な時間と人手がかかる不利がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、作業効率の向上と作業員の負担軽減を図る上で有利な鉄道RCラーメン構造高架橋の構築方法を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明は、地中に施工された基礎構造部と、前記基礎構造部から立設された橋脚としての複数の柱部と、前記各柱部の上部間に掛け渡されかつ前記各柱部に結合され軌道が敷設される床版とを備え、前記床版の下部は、前記柱部の上方に位置する箇所に下方に膨出形成された膨出部と、前記膨出部以外の箇所に形成された平坦な下面とで構成された鉄道RCラーメン構造高架橋の構築方法であって、橋軸方向における各柱部の両側面に対向させてそれぞれ前記基礎構造部から支持構造体を立設する工程と、前記支持構造体の上部間に、前記床版の前記下面を形成する床版用型枠の箇所を支持するように、橋軸方向と直交する方向に間隔をおき橋軸方向に沿って延在する複数の第1のH型鋼を掛け渡して設置する工程と、前記支持構造体の上部間に、前記床版の前記膨出部の下面を形成する床版用型枠の箇所を支持するように、橋軸方向に間隔をおき橋軸方向と直交する方向に沿って延在する複数の第2のH型鋼を掛け渡して設置する工程と、前記支持構造体に前記第1、第2のH型鋼の上下方向の位置を調整するジャッキを設ける工程と、前記第1のH型鋼および前記第2のH型鋼の上に、前記床版の前記下面を形成する床版用型枠および前記床版の前記膨出部の下面を形成する床版用型枠を支持する第1の支保工および第2の支保工をそれぞれ取り付ける工程と、前記第1、第2の床版用型枠内に鉄筋が組み立てると共に前記床版用型枠内に打設されたコンクリートが固化されることにより前記柱部の上部に結合された前記床版を形成する工程と、前記ジャッキの縮小作動により前記第1、第2のH型鋼、前記第1、第2の床版用型枠、前記第1、第2の支保工を降下させ、前記床版の下面および前記膨出部の下面と、前記第1の床版用型枠および第2の床版用型枠との間にそれぞれ空間を形成する工程と、前記降下させた箇所で、前記第2の床版用型枠と、前記第2の支保工とを解体し該箇所から撤去すると共に、前記第2のH型鋼を撤去する工程と、前記床版と前記降下させた前記第1のH型鋼とを連結することにより前記床版に前記第1のH型鋼を介して前記第1の支保工および前記第1の床版用型枠を吊り下げる工程と、前記支持構造体を解体撤去する工程と、前記支持構造体の撤去後に、前記床版と前記第1のH型鋼との連結を解除し、前記第1のH型鋼、前記第1の床版用型枠、前記第1の支保工を地上に吊り降ろす工程と、前記吊り下げる工程の後に地上において前記第1のH型鋼、前記第1の床版用型枠、前記第1の支保工を解体撤去する工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、基礎構造部から立設された支持構造体の上部間に、または、基礎構造部から立設された柱部の支持ブラケット間に、複数の第1のH型鋼、第2のH型鋼を掛け渡して設置し、これら第1のH型鋼、第2のH型鋼を利用して支保工、床版用型枠を取り付け、鉄筋が組み立てられた床版用型枠内にコンクリートを打設することにより床版を形成するようにした。
そのため、従来の枠組式支保工を用いる方法に比較して、支保工を設置するために地盤に対して行う各種作業が不要となり、また、床版の下方に位置する地盤の全域にわたって支保工を設置する必要が無いため、支保工に要する部品コストを削減でき、枠組式支保工の組み立ておよび解体除去に要する時間と人手を大幅に削減する上でも有利となる。
また、本発明では、複数の第1のH型鋼を床版に連結することにより床版に第1のH型鋼を介して第1の支保工および第1の床版用型枠を吊り下げた後、支持構造体を解体撤去し、次いで、床版と第1のH型鋼との連結を解除し、第1のH型鋼、第1の床版用型枠、第1の支保工を地上に吊り降ろしそれらを解体撤去するようにした。
そのため、高所において第1の床版用型枠、第1の支保工を解体撤去した後、第1のH型鋼を水平方向に抜き出して撤去するといった作業を行う場合に比較して、解体撤去作業の効率化を図ることができ、作業効率の向上と作業員の負担軽減を図る上でより有利となる。
実施の形態における鉄道RCラーメン構造高架橋10の構成を示す正面図である。 図1の平面図である。 図1のA部分に対応する柱部、支持構造体、H型鋼の配置を示す平面図である。 基礎構造部上に配置された敷桁の配置を示す平面図である。 図3のAA線断面図である。 図3のBB線断面図である。 (A1)はジャッキ22が縮小動作した状態を示す鉄道RCラーメン構造高架橋10の正面図、(A2)は(A1)の側面図、(B1)は床版16と受桁30とが鋼棒40を介して連結された状態を示す鉄道RCラーメン構造高架橋10の正面図、(B2)は(B1)の側面図である。 (C1)は支持構造体20が解体撤去される状態を示す鉄道RCラーメン構造高架橋10の正面図、(C2)は(C1)の側面図、(D1)は受桁30、第1のH型鋼34、第1の床版用型枠、第1の支保工が地上へ吊り降ろされている状態を示す鉄道RCラーメン構造高架橋10の正面図、(D2)は(D1)の側面図である。 (E1)は完成状態の鉄道RCラーメン構造高架橋10の正面図、(E2)は(E1)の側面図である。 受桁30、第1のH型鋼34、第1の床版用型枠、第1の支保工が地上へ吊り降ろされる状態を示す鉄道RCラーメン構造高架橋10の拡大正面図である。 受桁30、第1のH型鋼34、第1の床版用型枠、第1の支保工が地上へ吊り降ろされる状態を示す鉄道RCラーメン構造高架橋10の拡大側面図である。
次に本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
まず、本発明の構築方法によって構築された鉄道RCラーメン構造高架橋10の構成について説明し、次いで、鉄道RCラーメン構造高架橋10(以下高架橋10という)の構築方法について説明する。
図1に示すように、高架橋10は、地中梁12と、複数の柱部14と、床版16とを備える。
地中梁12は、図4に示すように、基礎構造部を構成するもので、互いに平行する2つの梁部1202と、この2つの梁部1202を連結する複数の連結部1204とを備える。
2つの梁部1202は、橋軸方向に延在しており、橋軸方向と直交する方向に間隔をおいて設けられている。
連結部1204は、橋軸方向にほぼ等間隔をおいて設けられ、橋軸方向と直交する方向に延在している。
柱部14は、地中梁12から立設されており、本実施の形態では、図4に示すように、梁部1202と連結部1204とが交差する地中梁12の箇所から立設されている。
したがって、橋軸方向において各柱部14はほぼ等間隔をおいて立設されている。
本実施の形態では、柱部14は断面矩形状を呈している。
地中梁12および柱部14は、鉄筋を組み立てた型枠内にコンクリートを打設し、コンクリートを固化させるなど従来公知のさまざまな構築方法によって構築されるものである。
図6に示すように、床版16は、各柱部14の上部間に掛け渡されかつ各柱部14に結合されている。
床版16の上面には、幅方向に間隔をおいて、梁部1602が膨出形成され、この梁部1602は床版16の長さ方向の全長にわたって延在している。これら梁部1602の上面にそれぞれ軌道が敷設される。
図1に示すように、床版16の下部は、柱部14の上方に位置する箇所に下方に膨出形成された膨出部1604と、膨出部1604以外の箇所に形成された平坦な下面1606とで構成されている。
なお、図1、図5、図6において符号1608は床版16の幅方向の両側から立設され床版16の長さ方向の全長にわたって延在する防音壁を示す。
次に、高架橋10の構築方法について説明する。
以下では、地中梁12および複数の柱部14の構築が完了しているものとして説明する。
図1、図4に示すように、橋軸方向における各柱部14の両側面に対向させてそれぞれ基礎構造部12から支持構造体20を立設させる。なお、本実施の形態では、図1に示すように、両側面の支持構造体20間を、さらに別の支持構造体21で連結し支持構造体20を補強している。
本実施の形態では、支持構造体20は、敷桁2002と、支柱2004とを含んで構成されたピン結合構造である。
図1、図4に示すように、敷桁2002は、橋軸方向における各柱部14の両側で、橋軸方向と直交する方向に沿って2つの梁部1202の間に掛け渡されたH型鋼で構成されている。
支柱2004は、橋軸方向と直交する方向に間隔をおいた敷桁2002の箇所から複数立設され、複数の支柱2004相互は、水平材や斜材で連結されている。
支柱2004としては、パイプ支柱、鋼製支柱、四角支柱、ベント材など従来公知の部材が使用可能である。
次いで、図5、図6に示すように、各支持構造体20にジャッキ22を取り付ける。本実施の形態では、各支持構造体20の上端部にジャッキ22を取り付ける。このジャッキ22は、後述する第1のH型鋼34、第2のH型鋼36の上下方向の位置を調整するものであり、また、解体作業時に第1のH型鋼34、第2のH型鋼36を降下させるものである。
なお、ジャッキ22を取り付ける箇所は支持構造体20の上端部に限定されるものではなく、支持構造体20の中間部あるいは下端部であってもよく、要するに第1のH型鋼34、第2のH型鋼36の上下方向の位置を調整できればよい。
これにより、支持構造体20と第1のH型鋼34、第2のH型鋼36との間にそれぞれジャッキ22が設けられることになる。なお、ジャッキ22が支持構造体20の上端部に取り付けられた状態でジャッキ22の高さ調整を予め行っておく。
このようなジャッキ22として、従来公知のさまざまなジャッキが使用可能である。
次いで、図5に示すように、支持構造体20の上部間に、図示しない第1の床版用型枠が床版16の下面1606を形成する箇所を支持するように、橋軸方向と直交する方向に間隔をおき橋軸方向に沿って延在する複数の第1のH型鋼34を掛け渡して設置する。言い換えると、膨出部1604に干渉しない箇所において、橋軸方向と直交する方向に間隔をおき橋軸方向に沿って延在する複数の第1のH型鋼34を支持構造体20の上部間に掛け渡して設置する。
本実施の形態では、図3、図5に示すように、各ジャッキ22の上部に橋軸方向と平行に延在する複数の枕桁26を橋軸方向と直交する方向に間隔をおいて掛け渡す。
次いで、各枕桁26の上に高さ位置調整用のスペーサ部材28をそれぞれ取り付ける。
次いで、各スペーサ部材28の上に橋軸方向と直交する方向に沿って延在する複数の受桁30を橋軸方向に間隔をおいて掛け渡す。
そして、主桁としての複数の第1のH型鋼34を、橋軸方向と直交する方向に間隔をおいて各受桁30の上に掛け渡し、各第1のH型鋼34を橋軸方向に延在させる。
次いで、図6に示すように、支持構造体20の上部間に、図示しない第2の床版用型枠が床版16の膨出部1604の下面を形成する箇所を支持するように、橋軸方向に間隔をおき橋軸方向と直交する方向に沿って延在する複数の第2のH型鋼36を掛け渡して設置する。
本実施の形態では、図3、図6に示すように、各ジャッキ22の上部に橋軸方向と平行に延在する複数の枕桁26を橋軸方向と直交する方向に間隔をおいて掛け渡す。
次いで、主桁としての複数の第2のH型鋼36を、橋軸方向に間隔をおいて各枕桁26の上に掛け渡し、各第2のH型鋼36を橋軸方向と直交する方向に延在させる。
次いで、第1のH型鋼34および第2のH型鋼36の上に第1の支保工38および図示しない第2の支保工をそれぞれ取り付ける。第1支保工38はベニヤ板材3802、根太材3804(図1参照)など従来公知の部材を用いて構成される。第2の支保工も第1支保工38と同様の従来公知の部材を用いて構成される。
次いで、第1の支保工38および第2の支保工に前記の第1の床版用型枠および第2の床版用型枠をそれぞれ取り付ける。
次いで、前記第1、第2の床版用型枠内に鉄筋を組み立てると共に床版用型枠内にコンクリートを打設し、養生することによりコンクリートを固化させ、これにより柱部14の上部に結合された床版16を形成する。
次に、コンクリートが固化したのち支持構造体20、第1、第2のH型鋼34、36、第1、第2の床版用型枠、第1、第2の支保工を解体撤去する。
以下、解体撤去の工程について詳細に説明する。
まず、図7(A1)、(A2)に示すように、各ジャッキ22の縮小作動により第1、第2のH型鋼34、36、第1、第2の床版用型枠、第1、第2の支保工を降下させ、床版16の下面1606および膨出部1604の下面と、第1の床版用型枠および第2の床版用型枠との間にそれぞれ空間を形成する。
次に、図7(B1)、(B2)に示すように、床版16と降下させた第1のH型鋼34とを連結することにより床版16に第1のH型鋼34を介して第1の支保工および第1の床版用型枠を吊り下げる。
本実施の形態では、各受桁30について、橋軸方向と直交する方向に間隔をおいた受桁30の2箇所と、該2箇所と対向する床版16の2箇所とを鋼棒40を用いて連結する。
より詳細には、鋼棒40の外周には雄ねじが形成されており、このような鋼棒40として、PC鋼棒、異形PC鋼棒、ゲビンデなど従来公知のさまざまな鋼棒が使用可能である。
図10、図11に示すように、橋軸方向と直交する方向に間隔をおいた受桁30の2箇所に連結部材3002がそれぞれ設けられ、連結部材3002に連結上下方向に貫通する不図示の受桁側挿通孔がそれぞれ形成されている。
前記受桁側挿通孔に対向する床版16の2箇所に、上下方向に貫通する不図示の床版側挿通孔がそれぞれ形成されている。
鋼棒40は、前記床版側挿通孔と受桁側挿通孔とにわたって挿通されている。
床版16の上面に位置する鋼棒40の箇所に前記床版側挿通孔よりも大径の上側ナットが螺合され、上側ナットは床版16の上面に係合している。
前記受桁側挿通孔の下方に位置する鋼棒40の箇所に前記受桁側挿通孔よりも大径の下側ナットが螺合され、下側ナットは受桁側挿通孔の周囲の連結部材3002の部分に係合している。
これにより、床版16と受桁30とが鋼棒40を介して連結される。
ここで、第1のH型鋼34は受桁30に掛け渡されていることから、床版16と第1のH型鋼34とは鋼棒40を介して連結され、したがって、床版16に第1のH型鋼34を介して第1の支保工および第1の床版用型枠が吊り下げられることになる。
また、上記の第1の支保工および第1の床版用型枠を吊り下げる作業と併行して次の作業を行う。すなわち、図7(A1)、(A2)に示すように、第2の床版用型枠、第2の支保工を降下させた箇所で、第2の床版用型枠と、第2の支保工とを解体し該箇所から撤去すると共に、第2のH型鋼36を撤去する。本実施の形態では、第2のH型鋼36と共に、ジャッキ22および第2のH型鋼36の間に介在する枕桁26を撤去する。
次に、図8(C1)、(C2)に示すように、床版16に第1のH型鋼34を介して第1の支保工および第1の床版用型枠が吊り下げられた状態で、支持構造体20を解体撤去する。本実施の形態では、支持構造体20と共にジャッキ22、枕桁26、スペーサ28を解体撤去する。
この場合、支持構造体20は、第1のH型鋼34、第1の支保工および第1の床版用型枠から切り離されているため、支持構造体20の解体撤去作業を容易に行うことができ、作業効率の向上と作業者の負担の軽減を図る上で有利となる。
次に、図8(D1)、(D2)に示すように、支持構造体20の撤去後に、床版16と第1のH型鋼34との連結を解除し、第1のH型鋼34、第1の床版用型枠、第1の支保工を地上に吊り降ろす。
すなわち、本実施の形態では、チェーンブロック44を用いて、第1のH型鋼34、第1の床版用型枠、第1の支保工を地上に吊り降ろす。
図9、図10に示すように、チェーンブロック44は、本体44Aと、本体44Aに設けられた上フック44Bと、本体44Aによって巻き上げられるチェーン44Cと、チェーン44Cに設けられた下フック44Dとを備えている。
このようなチェーンブロック44として、電動式あるいは手動式のさまざまなチェーンブロック、あるいは、レバー式巻き上げ機(レバーブロック)など従来公知のさまざまな巻き上げ機が使用可能である。
床版16の上面で各鋼棒40の周囲にフレーム44が設置され、チェーンブロック44は、上フック44Bを介してフレーム44に吊り下げられることでフレーム44に支持されている。
床版16と第1のH型鋼34との連結の解除は、下フック44Dに、鋼棒40の上端を不図示の連結部材を介して連結した後、鋼棒40に螺合されている上側ナットを床版16から離間する方向に移動させることによりなされる。
第1のH型鋼34、第1の床版用型枠、第1の支保工を地上に吊り降ろす作業は次のようになされる。
すなわち、チェーン44Cを繰り出す方向にチェーンブロック44を操作することにより、受桁30、第1のH型鋼34、第1の床版用型枠、第1の支保工を地上に吊り降ろす。
なお、チェーンブロック44の揚程、言い換えると、チェーンブロック44Cの移動量は、受桁30、第1のH型鋼34、第1の床版用型枠、第1の支保工と地面との間の距離よりも短いことが多い。
この場合は、図10、図11に示すように、予めチェーンブロック44の揚程よりも短い全長の鋼棒40を複数本用意しておき、カプラ41を介して鋼棒40同士を継ぎ足しつつ、受桁30、第1のH型鋼34、第1の床版用型枠、第1の支保工を地上に吊り降ろせばよい。
次に、地上に吊り降ろした受桁30、第1のH型鋼34、第1の床版用型枠、第1の支保工を地上において解体撤去する。また、床版16の橋軸方向と直交する方向の両側に防音壁1608を設ける。
これにより、図9(E1)、(E2)に示すように、鉄道RCラーメン構造高架橋10が完成する。
なお、地中梁12の埋め戻しは、地中梁12および複数の柱部14の構築が完了したのちに行ってもよく、あるいは、床版16の構築途中に行ってもよく、あるいは、床版16の構築が完了したのちに行ってもよい。
また、本実施の形態では、基礎構造部が地中梁12で構成されている場合について説明したが、基礎構造部が柱部14の下部に結合され地中に埋設されるフーチングを含んで構成されていてもよい。あるいは、柱部14の下部が基礎構造部に埋設され、基礎構造部に埋設された柱部14の下部が基礎構造部の一部を構成していてもよい。
以上説明したように本実施の形態によれば、地中梁12から立設された支持構造体20の上部間に複数の第1のH型鋼34、第2のH型鋼36を掛け渡して設置し、これら第1のH型鋼34、第2のH型鋼36を利用して第1、第2の支保工、第1、第2の床版用型枠を取り付け、鉄筋が組み立てられた床版用型枠内にコンクリートを打設することにより床版16を形成するようにした。
そのため、従来の枠組式支保工を用いる方法に比較して、支保工を設置するために地盤に対して行う各種作業が不要となり、時間と人手を大幅に削減する上で有利となる。
また、従来の枠組式支保工を用いる方法に比較して、床版の下方に位置する地盤の全域にわたって支保工を設置する必要が無いため、支保工に要する部品コストを削減でき、枠組式支保工の組み立ておよび解体除去に要する時間と人手を大幅に削減する上でも有利となる。
したがって、作業効率の向上と作業員の負担軽減を図る上で有利となる。
また、本実施の形態によれば、複数の第1のH型鋼34を床版16に連結することにより床版16に第1のH型鋼34を介して第1の支保工および第1の床版用型枠を吊り下げた後、支持構造体20を解体撤去し、次いで、床版16と第1のH型鋼34との連結を解除し、第1のH型鋼34、第1の床版用型枠、第1の支保工を地上に吊り降ろしそれらを解体撤去するようにした。
そのため、高所において第1の床版用型枠、第1の支保工を解体撤去した後、第1のH型鋼34をクレーンなどを用いて水平方向に抜き出して撤去するといった作業を行う場合に比較して、解体撤去作業の効率化を図る上で有利となる。
したがって、作業効率の向上と作業員の負担軽減を図る上でより有利となることは無論のこと、高所作業を減らすことができるため、作業者の負担を軽減する上でも有利となる。
なお、本実施の形態では、床版16と降下させた第1のH型鋼34とを鋼棒40を用いて連結する場合について説明したが、鋼棒40に代えてワイヤーやチェーン、あるいは、PC鋼棒、PCより線、FRP材、一般鋼材等を用いてもよい。
しかしながら、本実施の形態のように雄ねじが形成された鋼棒40を用いると、鋼棒40と床版16との係合、鋼棒40と連結部材3002との係合を上側ナット、下側ナットなどのような既存の部材を用いて簡単に行えるため、作業性の向上を図る上で有利となる。
また、本実施の形態では、チェーンブロック44を用いて、第1のH型鋼34、第1の床版用型枠、第1の支保工を地上に吊り降ろす場合について説明したが、チェーンブロック44に代えてセンターホールジャッキを用いてもよい。
この場合は、鋼棒40に螺合したナットを介して鋼棒40をセンターホールジャッキのラムに係合させた状態でセンターホールジャッキをジャッキダウンすることにより、所定距離分第1のH型鋼34、第1の床版用型枠、第1の支保工を地上に吊り降ろす。
次いで、センターホールジャッキのラムとナットとの係合位置を前記所定距離分上方に移動させたのち、センターホールジャッキをジャッキダウンするといった操作を繰り返せばよい。
しかしながら、前記の所定距離(センターホールジャッキが一度にジャッキダウンすることができる距離)は例えば200mm程度であることから、数m以上の距離にわたって第1のH型鋼34、第1の床版用型枠、第1の支保工を降下させる場合には、上述した操作の回数が多くなり、作業時間も長くなる。
そのため、第1のH型鋼34、第1の床版用型枠、第1の支保工を床版16に連結された位置から地上までの距離が大きい場合には、本実施の形態のようにメートル単位の揚程を有するチェーンブロック44を用いることが作業効率の向上と作業員の負担軽減を図る上でより有利となる。
また、チェーンブロック44に代えて巻き取り機能を有するクレーンやウインチなどの装置を用いてもよい。
例えば、次のような方法が考えられる。
1)4台のクレーンまたはウインチで吊り降ろす方法。
2)2箇所用の吊り治具を用いて2台のクレーンまたはウインチで吊り降ろす方法。
この場合、機械設備が大型化するためコスト高となるものの、施工期間は実施の形態に比較して短縮することができる。
10……鉄道RCラーメン構造高架橋
12……地中梁
14……柱部
16……床版
1602……梁部
1604……膨出部
1606……下面
20……支持構造体
22……ジャッキ
34……第1のH型鋼
36……第2のH型鋼
38……第1の支保工
40……鋼棒
44……チェーンブロック

Claims (7)

  1. 地中に施工された基礎構造部と、前記基礎構造部から立設された橋脚としての複数の柱部と、前記各柱部の上部間に掛け渡されかつ前記各柱部に結合され軌道が敷設される床版とを備え、
    前記床版の下部は、前記柱部の上方に位置する箇所に下方に膨出形成された膨出部と、前記膨出部以外の箇所に形成された平坦な下面とで構成された鉄道RCラーメン構造高架橋の構築方法であって、
    橋軸方向における各柱部の両側面に対向させてそれぞれ前記基礎構造部から支持構造体を立設する工程と、
    前記支持構造体の上部間に、前記床版の前記下面を形成する床版用型枠の箇所を支持するように、橋軸方向と直交する方向に間隔をおき橋軸方向に沿って延在する複数の第1のH型鋼を掛け渡して設置する工程と、
    前記支持構造体の上部間に、前記床版の前記膨出部の下面を形成する床版用型枠の箇所を支持するように、橋軸方向に間隔をおき橋軸方向と直交する方向に沿って延在する複数の第2のH型鋼を掛け渡して設置する工程と、
    前記支持構造体に前記第1、第2のH型鋼の上下方向の位置を調整するジャッキを設ける工程と、
    前記第1のH型鋼および前記第2のH型鋼の上に、前記床版の前記下面を形成する床版用型枠および前記床版の前記膨出部の下面を形成する床版用型枠を支持する第1の支保工および第2の支保工をそれぞれ取り付ける工程と、
    前記第1、第2の床版用型枠内に鉄筋が組み立てると共に前記床版用型枠内に打設されたコンクリートが固化されることにより前記柱部の上部に結合された前記床版を形成する工程と、
    前記ジャッキの縮小作動により前記第1、第2のH型鋼、前記第1、第2の床版用型枠、前記第1、第2の支保工を降下させ、前記床版の下面および前記膨出部の下面と、前記第1の床版用型枠および第2の床版用型枠との間にそれぞれ空間を形成する工程と、
    前記降下させた箇所で、前記第2の床版用型枠と、前記第2の支保工とを解体し該箇所から撤去すると共に、前記第2のH型鋼を撤去する工程と、
    前記床版と前記降下させた前記第1のH型鋼とを連結することにより前記床版に前記第1のH型鋼を介して前記第1の支保工および前記第1の床版用型枠を吊り下げる工程と、
    前記吊り下げる工程の後に前記支持構造体を解体撤去する工程と、
    前記支持構造体の撤去後に、前記床版と前記第1のH型鋼との連結を解除し、前記第1のH型鋼、前記第1の床版用型枠、前記第1の支保工を地上に吊り降ろす工程と、
    地上において前記第1のH型鋼、前記第1の床版用型枠、前記第1の支保工を解体撤去する工程と、
    を含むことを特徴とする鉄道RCラーメン構造高架橋の構築方法。
  2. 前記床版と前記降下させた前記第1のH型鋼との連結は、雄ねじが形成された鋼棒を介してなされる、
    ことを特徴とする請求項1記載の鉄道RCラーメン構造高架橋の構築方法。
  3. 前記第1のH型鋼、前記第1の床版用型枠、前記第1の支保工の地上への吊り降ろしは、前記床版に設置されたチェーンブロックを用いてなされる、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の鉄道RCラーメン構造高架橋の構築方法。
  4. 前記第1のH型鋼、前記第1の床版用型枠、前記第1の支保工の地上への吊り降ろしは、前記床版に設置されたセンターホールジャッキを用いてなされる、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の鉄道RCラーメン構造高架橋の構築方法。
  5. 前記第1のH型鋼、前記第1の床版用型枠、前記第1の支保工の地上への吊り降ろしは、前記床版に設置された巻き上げ機能を有する装置を用いてなされる、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の鉄道RCラーメン構造高架橋の構築方法。
  6. 前記床版は橋軸方向に延在する梁部が前記橋軸方向と直交する方向に間隔をおいて前記床版の上面に複数形成されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載の鉄道RCラーメン構造高架橋の構築方法。
  7. 前記基礎構造部は、前記床版の延在方向に沿って延在し地中に埋設される地中梁である、
    ことを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載の鉄道RCラーメン構造高架橋の構築方法。
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