JP7200988B2 - 中空糸膜の製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、中空糸膜及び中空糸膜の製造方法に関する。
本出願は、2018年5月15日出願の日本出願第2018-093642号に基づく優先権を主張し、前記日本出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
中空糸膜の製造方法としては、多孔性を有するチューブ状の支持体を形成し、支持体の外周に、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とし、多孔性を有する帯状体を螺旋状に巻き付けて濾過層を形成し、熱処理により支持体と濾過層とを焼結して一体化する方法が知られている(特開2010-110686号公報参照)。
特開2010-110686号公報
本開示の一態様に係る中空糸膜は、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とし、多孔性を有するチューブ状の支持体層と、上記支持体層の外周面に積層され、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とし、多孔性を有する濾過層とを備え、上記濾過層の気孔の、上記支持体層の周方向の長さに対する上記支持体層の長手方向の長さの比の平均値が2.0以上20以下である。
本開示の別の態様に係る中空糸膜の製造方法は、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とする粉末の円筒状圧縮成形体を押し出し成形によりチューブ状体を成形する工程と、上記チューブ状体を加熱しつつ長さ方向に1次延伸する工程と、上記1次延伸された上記チューブ状体の外周に、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とし、多孔性を有する帯状体をその両縁部が重なり合うよう螺旋状に巻き付ける工程と、加熱により上記チューブ状体と帯状体とを焼結する工程と、上記チューブ状体を焼結された上記帯状体と共に加熱しつつ長さ方向に2次延伸する工程とを備える。
図1は、本開示の一実施形態の中空糸膜を示す模式的断面図である。 図2は、本開示の一実施形態の中空糸膜の製造方法の手順を示すフローチャートである。 図3は、図2の巻き付け工程を示す模式図である。
[本開示が解決しようとする課題]
例えば排水処理等では、濾過膜を用いて液体を濾過する濾過装置を使用することがある。このような濾過装置を小型化するために、濾過膜を細いチューブ状に成形した中空糸膜が用いられている。より詳しくは、複数の中空糸膜を一方向に引き揃えて保持することによって、容積当たりの膜面積を大きくすることができる。
特許文献1に開示される方法により中空糸膜を製造する場合、濾過層を形成する帯状体の価格が製造コストを上昇させる要因となる。使用する帯状体の厚さを小さくすることによって材料費を低減することは可能であるが、帯状体の厚さを小さくすると、支持体に正確に巻き付けることができず、アウトプットが減少したり、歩留まりが低下したりするおそれがある。
そこで、本開示が解決しようとする課題は、比較的安価な中空糸膜及び比較的安価な中空糸膜を製造することができる中空糸膜の製造方法を提供することである。
[本開示の効果]
本開示の一態様に係る中空糸膜及び本開示の別の態様に係る中空糸膜の製造方法によって製造される中空糸膜は、比較的安価である。
[本開示の実施形態の説明]
本開示の一態様に係る中空糸膜は、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とし、多孔性を有するチューブ状の支持体層と、上記支持体層の外周面に積層され、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とし、多孔性を有する濾過層とを備え、上記濾過層の気孔の、上記支持体層の周方向の長さに対する上記支持体層の長手方向の長さの比の平均値が2.0以上20以下である。
当該中空糸膜は、上記支持体層の外周面に上記濾過層が積層され、上記濾過層の気孔の、上記支持体層の周方向の長さに対する上記支持体層の長手方向の長さの比の平均値が2.0以上20以下であることによって、上記支持体層を形成するチューブ状の材料の外周面に上記濾過層を形成するシート状の材料を積層した後にこの積層体を長手方向に延伸することで形成することができる。上記濾過層を形成するシート状の材料を、上記支持体層を形成するチューブ状の材料と共に延伸することで、最終的に得られる濾過層の厚さをより小さくすることができるため、当該中空糸膜は、上記濾過層を形成するシート状の材料の使用量を抑制して比較的安価に製造することができる。
当該中空糸膜において、上記濾過層の平均厚さが1μm以上20μm以下であることが好ましい。上記濾過層の平均厚さが上記範囲内であることによって、比較的高価な濾過層形成材料の使用量が少ないため、当該中空糸膜は、より安価に製造することができる。
当該中空糸膜は、IPAバブルポイントが40kPa以上200kPa以下であり、差圧0.1MPa、膜長さ10cmでの単位膜面積あたりIPA流量が35mL/(min・cm)以上55mL/(min・cm)以下であることが好ましい。IPAバブルポイント及び上記IPA流量がそれぞれ上記範囲内であることによって、当該中空糸膜は十分な濾過能力を有する。
本開示の別の態様に係る中空糸膜の製造方法は、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とする粉末の円筒状圧縮成形体を押し出し成形によりチューブ状体を成形する工程と、上記チューブ状体を加熱しつつ長さ方向に1次延伸する工程と、上記1次延伸された上記チューブ状体の外周に、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とし、多孔性を有する帯状体をその両縁部が重なり合うよう螺旋状に巻き付ける工程と、加熱により上記チューブ状体と上記帯状体とを焼結する工程と、上記チューブ状体を焼結された上記帯状体と共に加熱しつつ長さ方向に2次延伸する工程とを備える。
当該中空糸膜の製造方法は、上記巻き付ける工程及び焼結する工程の後に、上記チューブ状体を焼結された上記帯状体と共に加熱しつつ長さ方向に2次延伸する工程を備えるので、上記帯状体を上記チューブ状体の長手方向に延伸して、厚さが小さい濾過層を形成することができる。このため、当該中空糸膜の製造方法は、上記帯状体の使用量を低減して比較的安価に中空糸膜を製造することができる。
当該中空糸膜の製造方法において、上記帯状体を上記チューブ状体に巻き付けるときに、上記帯状体の平均厚さが5μm以上60μm以下であることが好ましい。上記帯状体を上記チューブ状体に巻き付けるときに、上記帯状体の平均厚さが上記範囲内であることによって、上記帯状体の使用量を抑制しつつ、上記帯状体を正確に巻き付けることができるため、中空糸膜をより安価に製造することができる。
ここで、「主成分」とは、最も質量含有量の多い成分であり、好ましくは50質量%以上含有する成分である。「濾過層の気孔の、支持体層の周方向の長さに対する支持体層の長手方向の長さの比の平均値」は、顕微鏡観察画像において10以上の気孔について、支持体層の周方向の長さ及び支持体層の長手方向の長さを測定して算出される比の平均値を意味する。「IPAバブルポイント」とは、イソプロピルアルコールを用い、ASTM-F316-86に準拠して測定される値である。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の各実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
[中空糸膜]
図1に示す本開示の一実施形態に係る中空糸膜は、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略すことがある)を主成分とし、多孔性を有するチューブ状の支持体層1と、支持体層の外周面に積層され、PTFEを主成分とし、多孔性を有する濾過層2とを備える。
当該中空糸膜のIPAバブルポイントの下限としては、40kPaが好ましく、80kPaがより好ましい。当該中空糸膜のIPAバブルポイントの上限としては、200kPaが好ましく、160kPaがより好ましい。当該中空糸膜のIPAバブルポイントが上記下限に満たない場合、固形物の通過を阻止する能力が不十分となるおそれがある。当該中空糸膜のIPAバブルポイントが上記上限を超える場合、当該中空糸膜が目詰まりしやすくなるおそれがある。
当該中空糸膜の差圧0.1MPa、膜長さ10cmでの単位膜面積あたりIPA流量の下限としては、35mL/(min・cm)が好ましく、40mL/(min・cm)がより好ましい。当該中空糸膜の上記単位膜面積あたりIPA流量の上限としては、55mL/(min・cm)が好ましく、50mL/(min・cm)がより好ましい。当該中空糸膜の上記IPA流量が上記下限に満たない場合、当該中空糸膜を使用する濾過装置の処理水量が不十分となるおそれがある。当該中空糸膜の上記IPA流量が上記上限を超える場合、固形物の通過を阻止する能力が不十分となるおそれがある。なお、膜面積は膜外径×円周率×膜長さで算出する。
当該中空糸膜の引張強度の下限としては、50MPaが好ましく、60MPaがより好ましい。当該中空糸膜の引張強度が上記下限に満たない場合、気泡による表面洗浄に対する耐久性が低下するおそれがある。当該中空糸膜の引張破断荷重の上限は一般に150Nである。なお、引張破断荷重とは、JIS-K7161(1994)に準拠し、標線間距離100mm、試験速度100mm/minで引張試験を行った際の最大引張応力を意味する。
当該中空糸膜の平均外径の下限としては、1.5mmが好ましく、2.0mmがより好ましい。当該中空糸膜の平均外径の上限としては、4.0mmが好ましく、3.0mmがより好ましい。当該中空糸膜の平均外径が上記下限に満たない場合、当該中空糸膜の機械的強度が不十分となるおそれや、内腔の断面積が不足して濾過能力が不十分となるおそれがある。当該中空糸膜の平均外径が上記上限を超える場合、当該中空糸膜の合計面積が不足することにより濾過能力が不十分となるおそれがある。
当該中空糸膜の平均内径の下限としては、0.3mmが好ましく、0.5mmがより好ましい。当該中空糸膜の平均内径の上限としては、3mmが好ましく、2mmがより好ましい。当該中空糸膜の平均内径が上記下限に満たない場合、当該中空糸膜内の濾過済液を排出するときの圧損が大きくなるおそれがある。当該中空糸膜の平均内径が上記上限を超える場合、当該中空糸膜の機械的強度及び固形物の通過を阻止する能力が不十分となるおそれがある。
当該中空糸膜の気孔率の下限としては、70%が好ましく、75%がより好ましい。当該中空糸膜の気孔率の上限としては、90%が好ましく、85%がより好ましい。当該中空糸膜の気孔率が上記下限に満たない場合、透水性が不十分となるおそれがある。当該中空糸膜の気孔率が上記上限を超える場合、当該中空糸膜の機械的強度及び耐擦過性が不十分となるおそれがある。なお、気孔率とは、当該中空糸膜の体積に対する気孔の総体積の割合をいい、ASTM-D-792に準拠して当該中空糸膜の密度を測定することで求めることができる。
<支持体層>
支持体層1の主成分は、PTFEである。主成分がPTFEであることによって、当該中空糸膜は、耐薬品性、耐熱性、耐候性、及び不燃性等に優れる。なお、支持体層1は、PTFE以外に、他のポリマー、潤滑剤などの添加剤等が適宜配合されていてもよい。
支持体層1は、PTFEを延伸により多孔質化したものであることが好ましい。PTFEの延伸は、1軸延伸であってもよく、2軸延伸であってもよい。
支持体層1のPTFEの数平均分子量の下限としては、50万が好ましく、200万がより好ましい。支持体層1のPTFEの数平均分子量の上限としては、2000万が好ましい。PTFEの数平均分子量が上記下限に満たない場合、当該中空糸膜の表面が損傷しやすくなるおそれや、当該中空糸膜の機械的強度が低下するおそれがある。PTFEの数平均分子量が上記上限を超える場合、当該中空糸膜の気孔の成形が困難になるおそれがある。
支持体層1としては、例えばPTFEを押出成形して得られるチューブ状体を用いることができる。支持体層1として押出成形チューブ状体を用いることで、支持体層1に機械的強度を持たせることができると共に、容易に多孔質化することができる。
<濾過層>
濾過層2は、帯状体をその両縁部が重なり合うよう支持体層1に螺旋状に巻き付けて形成することができる。
濾過層2における帯状体同士の重複面積率の下限としては、20%が好ましく、25%がより好ましい。濾過層2における帯状体同士の重複面積率の上限としては、40%が好ましく、35%がより好ましい。濾過層2における帯状体同士の重複面積率が上記下限に満たない場合、帯状体間に隙間が形成されないように巻き付けることが難しくなり、当該中空糸膜の生産効率が不十分となるおそれがある。濾過層2における帯状体同士の重複面積率が上記上限を超える場合、当該中空糸膜の濾過能力(流束)が不必要に低下するおそれがある。
濾過層2の材質としては、支持体層1の材質と同様とすることができる。また、濾過層2は、PTFEを延伸により多孔質化したものであることが好ましく、均一な気孔を形成するために多軸に延伸されたものであることがより好ましい。
濾過層2の気孔は、支持体層1の長手方向の長さが支持体層1の周方向の長さよりも大きい。濾過層2の気孔の支持体層1の周方向の長さに対する支持体層1の長手方向の長さの比の平均値の下限としては、2.0であり、3.0が好ましく、5.0がより好ましい。濾過層2の気孔の支持体層1の周方向の長さに対する支持体層1の長手方向の長さの比の平均値の上限としては、20であり、15が好ましく、10がより好ましい。濾過層2の気孔の支持体層1の周方向の長さに対する支持体層1の長手方向の長さの比の平均値が上記下限に満たない場合、濾過層2の厚さを小さくすることができないことで比較的高価な濾過層2を形成する材料の使用量が多くなり、当該中空糸膜の製造コストを十分に低減できないおそれがある。濾過層2の気孔の支持体層1の周方向の長さに対する支持体層1の長手方向の長さの比の平均値が上記上限を超える場合、当該中空糸膜の固形物の通過を阻止する能力が不十分となるおそれがある。
濾過層2の平均厚さの下限としては、1μmが好ましく、2μmがより好ましい。濾過層2の平均厚さの上限としては、20μm以下が好ましく、10μmがより好ましい。濾過層2の平均厚さが上記下限に満たない場合、当該中空糸膜の固形物の通過を阻止する能力が不十分となるおそれがある。濾過層2の平均厚さが上記上限を超える場合、当該中空糸膜の製造コストを十分に低減できないおそれがある。
[製造方法]
当該中空糸膜は、それ自体が本開示の別の実施形態である当該中空糸膜の製造方法によって製造することができる。
当該中空糸膜の製造方法は、図2に示すように、PTFEを主成分とする粉末を圧縮成形により円筒状の1次成形体に成形する工程<ステップS1:1次成形体成形工程>と、上記1次成形体を押出成形によりチューブ状体Tに成形する工程<ステップS2:チューブ状体成形工程>と、上記チューブ状体Tを加熱しつつ長さ方向に1次延伸する工程<ステップS3:1次延伸工程>と、上記チューブ状体Tの外周に、PTFEを主成分とし、多孔性を有する帯状体をその両縁部が重なり合うよう螺旋状に巻き付ける工程<ステップS4:巻き付け工程>と、加熱により上記チューブ状体Tと帯状体とを焼結する工程<ステップS5:焼結工程>と、チューブ状体Tを焼結された上記帯状体と共に加熱しつつ長さ方向に2次延伸する工程と<ステップS6:2次延伸工程>とを備える。
<1次成形体成形工程>
ステップS1の1次成形体成形工程では、PTFEを主成分とする材料の原料粉末に液体潤滑剤を配合した原料を圧縮成形する。
原料粉末の見掛け密度の下限としては、2.18g/mLが好ましく、2.20g/mLがより好ましい。原料粉末の見掛け密度の上限としては、2.25g/mLが好ましく、2.23g/mLがより好ましい。原料粉末の見掛け密度が上記下限に満たない場合、緻密な1次成形体を形成することができず、当該中空糸膜の支持体層1を安定して形成することができないおそれがある。原料粉末の見掛け密度が上記上限を超える場合、圧縮成形で圧力が過度に上昇しやすく、1次成形体を安定して形成することができないおそれがある。なお、「見掛け密度」とは、JIS-K6891(1995)に準拠して測定される値である。
原料粉末に配合される液体潤滑剤としては、従来からペースト押出法で用いられている各種潤滑剤を使用することができ、例えば、ナフサ、ホワイトオイル等の石油系溶剤、ウンデカン等の炭化水素油、トルオール、キシロール等の芳香族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類、シリコーンオイル、フルオロクロロカーボンオイル、これらの溶剤にポリイソブチレン、ポリイソプレンなどのポリマーを溶かした溶液、これらの2つ以上の混合物、表面活性剤を含む水又は水溶水などが挙げられる。液体潤滑剤としては、均一に混合することが容易となることから、単一成分のものを使用することが好ましい。
液体潤滑剤の配合量の下限としては、原料粉末100質量部に対して20質量部が好ましく、22質量部がより好ましい。液体潤滑剤の配合量の上限としては、原料粉末100質量部に対して28質量部が好ましく、25質量部がより好ましい。液体潤滑剤の配合量が上記下限に満たない場合、潤滑性が不足して次のチューブ状体成形工程での押出成形が困難となるおそれがある。液体潤滑剤の配合量が上記上限を超える場合、後の延伸工程でチューブ状体Tが断裂しやすくなるおそれがある。
1次成形体の平均外径の下限としては、50mmが好ましく、60mmがより好ましい。1次成形体の平均外径の上限としては、120mmが好ましく、100mmがより好ましい。1次成形体の平均外径が上記下限に満たない場合、チューブ状体Tの形成効率が不必要に低下するおそれがある。1次成形体の平均外径が上記上限を超える場合、次のチューブ状体成形工程で所望の小さい径を有するチューブ状体Tを形成することができないおそれがある。
1次成形体の平均内径の下限としては、15mmが好ましく、20mmがより好ましい。1次成形体の平均内径の上限としては、35mmが好ましく、30mmがより好ましい。1次成形体の平均内径が上記下限に満たない場合、次のチューブ状体形成工程でチューブ状体Tに成形することが困難となるおそれがある。1次成形体の平均内径が上記上限を超える場合、チューブ状体Tの形成効率が不必要に低下するおそれがある。
1次成形体の軸方向の長さとしては、次のチューブ状体成形工程で使用する押出成形機のシリンダーのストロークの範囲内で選択すればよい。
1次成形体成形工程における成形圧力としては、例えば2MPa以上5MPa以下とすることができる。
<チューブ状体成形工程>
ステップS2のチューブ状体成形工程では、円形の開口を有するダイと、ダイの開口の中心に配置されるコアピンとを取り付けた押出成形機によって1次成形体を押出成形してチューブ状に成形する。押出成形は、PTFEの融点より低い温度で行われ、一般的には常温で行われる。
また、押出成形工程では、ダイから押し出されるチューブ状体Tを加熱して、液体潤滑剤を揮発させることが好ましい。液体潤滑剤を除去することによって次の延伸工程でのチューブ状体Tの延伸を安定して行うことができる。
押出成形において、リダクションレート(1次成形体の断面積とダイとコアピンとの隙間の面積との比率)が大きい程、PTFEの分子鎖がチューブ状体Tの長手方向に配向し、チューブ状体Tの長手方向の強度が増大する一方、周方向の強度が低下する。
押出成形におけるリダクションレートの下限としては、600が好ましく、700がより好ましい。押出成形におけるリダクションレートの上限としては、1200が好ましく、1100がより好ましい。押出成形におけるリダクションレートが上記下限に満たない場合、チューブ状体Tの形成効率が不十分となるおそれや、チューブ状体Tの長手方向の強度が不十分となって次の延伸工程でチューブ状体Tが断裂しやすくなるおそれがある。押出成形におけるリダクションレートが上記上限を超える場合、チューブ状体Tの周方向の強度が低下して得られる当該中空糸膜の強度が不十分となるおそれがある。
押出成形で用いるダイの内径(開口径)の下限としては、2.2mmが好ましく、2.3mmがより好ましい。押出成形で用いるダイの内径の上限としては、8mmが好ましく、6mmがより好ましい。押出成形で用いるダイの内径が上記下限に満たない場合、チューブ状体Tの形成効率が不十分となるおそれがある。押出成形で用いるダイの内径が上記上限を超える場合、得られる当該中空糸膜の外径を十分に小さくできないおそれや、次の延伸工程でチューブ状体Tが断裂しやすくなるおそれがある。
押出成形で用いるコアピンの外径の下限としては、1.2mmが好ましく、1.3mmがより好ましい。押出成形で用いるコアピンの外径の上限としては、3.0mmが好ましく、2.5mmがより好ましい。押出成形で用いるコアピンの外径が上記下限に満たない場合、得られる当該中空糸膜の内径が小さくなり過ぎて濾過能力が不十分となるおそれがある。押出成形で用いるコアピンの外径が上記上限を超える場合、得られる当該中空糸膜の外径を十分に小さくできないおそれがある。
押出成形における1次成形体の押し込み速度(ラム速度)の下限としては、15mm/minが好ましく、18mm/minがより好ましい。押出成形における1次成形体の押し込み速度の上限としては、25mm/minが好ましく22mm/minがより好ましい。押出成形における1次成形体の押し込み速度が上記下限に満たない場合、チューブ状体Tひいては当該中空糸膜の製造効率が不十分となるおそれがある。押出成形における1次成形体の押し込み速度が上記上限を超える場合、形成されるチューブ状体Tの品質が不安定になるおそれがある。
<1次延伸工程>
ステップS3の1次延伸工程では、チューブ状体Tを加熱しつつ長手方向に延伸する。1次延伸は、ダイから押し出されるチューブ状体Tを加熱しつつダイから押し出される速度より速い速度で巻き取ることによって行ってもよい。これにより、チューブ状体T中の液体潤滑剤を揮発させると共に、チューブ状体Tを多孔質化することができる。
1次延伸工程におけるチューブ状体Tの延伸率の下限としては、50%が好ましく、100%がより好ましい。1次延伸工程におけるチューブ状体Tの延伸率の上限としては、300%が好ましく、250%がより好ましい。1次延伸工程におけるチューブ状体Tの延伸率が上記下限に満たない場合、当該中空糸膜の径及び厚さを十分に小さくすることができないおそれや、後述する2次延伸工程における延伸率が大きくなることで当該中空糸膜の固形物の通過を阻止する能力が不十分となるおそれがある。1次延伸工程におけるチューブ状体Tの延伸率が上記上限を超える場合、チューブ状体Tが断裂するおそれがある。
1次延伸工程における加熱温度の下限としては、200℃が好ましく、220℃がより好ましい。1次延伸工程における加熱温度の上限としては、300℃が好ましく、280℃がより好ましい。1次延伸工程における加熱温度が上記下限に満たない場合、チューブ状体Tの延伸速度を十分に大きくできないおそれがある。1次延伸工程における加熱温度が上記上限を超える場合、温度のばらつきによりPTFEの融点を超えてチューブ状体Tを断裂させるおそれがある。
1次延伸工程では、延伸したチューブ状体T(支持体層1)をPTFEの融点以上の温度に加熱することにより、延伸により繊維状になった材料を溶融して繊維径を大きくしてもよい。これにより、支持体層1の寸法安定性及び引張強度を向上することができる。この場合の加熱温度としては、350℃以上700℃以下とすることができ、加熱時間としては例えば1分以上20分以下とすることができる。
<巻き付け工程>
ステップS4の巻き付け工程では、図3に示すように、支持体層1の外周面に、PTFEを主成分とし、多孔性を有する帯状体Rを螺旋状に巻き付ける。帯状体Rは濾過層2を形成する。
帯状体Rとしては、PTFEを主成分とする中実のシートを2軸延伸することにより多孔質化したものが好適に用いられる。
帯状体Rの巻き付け時における平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10μmがより好ましい。帯状体Rの巻き付け時における平均厚さの上限としては、60μmが好ましく、50μmがより好ましい。帯状体Rの巻き付け時における平均厚さが上記下限に満たない場合、当該中空糸膜の固形物の通過を阻止する能力が不十分となるおそれがある。帯状体Rの巻き付け時における平均厚さが上記上限を超える場合、帯状体Rの使用量が多くなることで当該中空糸膜の製造コストを十分に抑制できないおそれがある。
帯状体Rの巻き付け時の気孔率の下限としては、40%が好ましく、50%がより好ましい。帯状体Rの巻き付け時の気孔率の上限としては、90%が好ましく、80%がより好ましい。帯状体Rの巻き付け時の気孔率が上記下限に満たない場合、透水性が低下し、当該中空糸膜の濾過能力が不十分となるおそれがある。帯状体Rの巻き付け時の気孔率が上記上限を超える場合、当該中空糸膜の機械的強度及び耐擦過性が不十分となるおそれがある。
帯状体Rの巻き付け時の気孔の平均径の下限としては、0.01μmが好ましい。帯状体Rの巻き付け時の気孔の平均径の上限としては、0.45μmが好ましく、0.1μmがより好ましい。帯状体Rの巻き付け時の気孔の平均径が上記下限に満たない場合、透水性が低下するおそれがある。帯状体Rの巻き付け時の気孔の平均径が上記上限を超える場合、被処理水に含まれる固形物が当該中空糸膜を通過することを阻止できないおそれがある。
チューブ状体Tに巻き付ける帯状体Rの平均幅の下限としては、6.0mmが好ましく、6.5mmが好ましい。チューブ状体Tに巻き付ける帯状体Rの平均幅の上限としては、13mmが好ましく、12mmがより好ましい。チューブ状体Tに巻き付ける帯状体Rの平均幅が上記下限に満たない場合、帯状体Rが重なり合う領域の面積が大きくなることで、得られる当該中空糸膜の濾過能力が不必要に小さくなるおそれがある。チューブ状体Tに巻き付ける帯状体Rの平均幅が上記上限を超える場合、チューブ状体Tの周方向に対して帯状体Rを巻き付ける角度が大きくなることで帯状体の巻き付けが容易でなくなるおそれがある。
チューブ状体Tの周方向に対して帯状体Rを巻き付ける角度の下限としては、60°が好ましく、65°がより好ましい。チューブ状体Tの周方向に対して帯状体Rを巻き付ける角度の上限としては、80°が好ましく、75°がより好ましい。チューブ状体Tの周方向に対して帯状体Rを巻き付ける角度が上記下限に満たない場合、帯状体Rが重なり合う領域の面積が大きくなることで、得られる当該中空糸膜の濾過能力が不必要に小さくなるおそれがある。チューブ状体Tの周方向に対して帯状体Rを巻き付ける角度が上記上限を超える場合、帯状体の巻き付けが容易でなくなるおそれがある。
巻き付け工程では、チューブ状体Tに帯状体Rを巻き付ける前に、チューブ状体Tの外周面を粗面化して微細の凹凸を形成することが好ましい。チューブ状体Tの外周面を粗面化することによって、帯状体Rがチューブ状体Tに対して位置ずれすることを防止できると共に、帯状体Rに張力を付与しつつチューブ状体Tに巻き付けることができる。これにより、チューブ状体Tと帯状体Rにより形成される濾過層2との密着性を向上することができる。
<焼結工程>
ステップS5の焼結工程では、チューブ状体Tの外周面に帯状体Rを巻き付けたものをPTFEの融点以上の温度に加熱することによって、帯状体Rの重複している側縁同士を接着して連続する層を形成すると共に、この層をチューブ状体Tと一体化させる。
焼結工程における加熱温度としては、例えば300℃以上700℃以下とすることができ、加熱時間としては例えば1分以上20分以下とすることができる。
<2次延伸工程>
ステップS6の2次延伸工程では、チューブ状体Tを焼結された帯状体Rと共に加熱しつつ長さ方向に2次延伸することによって、チューブ状体T及び帯状体Rを縮径させた当該中空糸膜を得る。
2次延伸工程におけるチューブ状体T及び帯状体Rの延伸率の下限としては、50%が好ましく、100%がより好ましい。2次延伸工程におけるチューブ状体T及び帯状体Rの延伸率の上限としては、300%が好ましく、250%がより好ましい。2次延伸工程におけるチューブ状体T及び帯状体Rの延伸率が上記下限に満たない場合、帯状体Rの使用量を抑制することができないことにより当該中空糸膜の製造コストを十分に低減できないおそれがある。2次延伸工程におけるチューブ状体T及び帯状体Rの延伸率が上記上限を超える場合、当該中空糸膜の固形物の通過を阻止する能力が不十分となるおそれがある。
2次延伸工程においても、1次延伸工程と同様に、延伸したチューブ状体T及び帯状体R(当該中空糸膜)をPTFEの融点以上の温度に加熱することにより、延伸により繊維状になった材料を溶融して繊維径を大きくしてもよい。加熱条件は、1次延伸工程における延伸後の加熱条件と同様とすることができる。
<利点>
当該中空糸膜は、支持体層1の外周面に濾過層2が積層され、濾過層2の気孔の支持体層1の周方向の長さに対する支持体層1の長手方向の長さの比の平均値が上記範囲内であることによって、支持体層1を形成するチューブ状の材料外周面に濾過層2を形成するシート状の材料を積層した後にこの積層体を長手方向に延伸することで形成することができる。濾過層2を形成するシート状の材料を、支持体層1を形成するチューブ状の材料と共に延伸することで、最終的に得られる濾過層2の厚さをより小さくすることができるため、当該中空糸膜は、濾過層2を形成するシート状の材料の使用量を抑制して比較的安価に製造することができる。
当該中空糸膜の製造方法は、巻き付け工程及び焼結工程の後に、チューブ状体Tを及び帯状体Rを加熱しつつ長さ方向に延伸する2次延伸工程を備えるので、帯状体Rを延伸して、厚さが小さい濾過層2を形成することができる。このため、当該中空糸膜の製造方法は、帯状体Rの使用量を低減して比較的安価に中空糸膜を製造することができる。
[その他の実施形態]
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
以下、実施例に基づき本開示を詳述するが、実施例の記載に基づいて本開示が限定的に解釈されるものではない。
<試作例1>
PTFEを主成分とする原料粉末として、ダイキン社の「ポリフロンPTFE-F」を用い、液体潤滑剤として原料粉末100質量部に対して23.5質量部のナフサを混合したものを圧縮成形により外径90mm、内径23.6mm、長さ900mmの中空円柱状の1次成形体を形成し、1次成形体を口径3.5mmのダイ及び外径1.7mmのコアピンをセットした押出成形機により押出成形してチューブ状体を形成した。
得られたチューブ状体を延伸率100%で1次延伸したものに、PTFEを主成分とし、厚さ25μm、気孔率65%の帯状体を螺旋状に巻き付けて330℃で焼結した。そして、焼結により一体化したチューブ状体及び帯状体を延伸率300%で2次延伸して、熱処理により繊維を大径化することにより、中空糸膜の試作品1を得た。濾過層の気孔の、支持体層の周方向の長さに対する支持体層の長手方向の長さの比の平均値は7.0であった。
<試作例2>
2次延伸の延伸率を200%とした点を除いて、試作例1と同様の条件で中空糸膜の試作品2を得た。濾過層の気孔の、支持体層の周方向の長さに対する支持体層の長手方向の長さの比の平均値は4.0であった。
<試作例3>
試作例1と同様にチューブ状体を延伸率100%で1次延伸したものをさらに延伸率300%で2次延伸して熱処理したチューブ状体に試作例1で使用したものと同じ帯状体を螺旋状に巻き付け、330℃で加熱により焼結することにより、中空糸膜の試作品3を得た。濾過層の気孔の、支持体層の周方向の長さに対する支持体層の長手方向の長さの比の平均値は1.5であった。
<評価>
中空糸膜の試作品1~3について、IPAバブルポイントとIPA流量とを測定した。
IPAバブルポイントは、試験液としてイソプロピルアルコールを用い、ASTM-F316-86に準拠して測定した。
IPA流量は、差圧を0.1MPa、膜長さを10cmに設定して中空糸膜を透過するイソプロピルアルコールの流量を測定した。
IPAバブルポイント及びIPA流量の測定結果を、濾過層の気孔の、支持体層の周方向の長さに対する支持体層の長手方向の長さの比と合わせて次の表1に示す。
Figure 0007200988000001
2次延伸した試作品1,2は、焼結後に2次延伸していない試作品3と比べてIPA流量が大きく、濾過能力が高い。また、2次延伸の延伸率が300%である試作品1のIPAバブルポイントは、焼結後に2次延伸していない試作品3と比べて僅かに小さい。したがって、試作品1の固形物を阻止する能力が試作品3よりも僅かに劣っていると考えられる。2次延伸の延伸率が200%である試作品2のIPAバブルポイントは、焼結後に2次延伸していない試作品3と同じである。したがって、試作品2の2次延伸により固形物を阻止する能力が試作品3よりも低下していないと評価することができる。
1 支持体層
2 濾過層
R 帯状体
T チューブ状体
S1 1次成形体成形工程
S2 チューブ状体成形工程
S3 1次延伸工程
S4 巻き付け工程
S5 焼結工程
S6 2次延伸工程

Claims (4)

  1. ポリテトラフルオロエチレンを主成分とし、多孔性を有するチューブ状の支持体層と、
    上記支持体層の外周面に積層され、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とし、多孔性を有する濾過層と
    を備え、
    上記濾過層の気孔の、上記支持体層の周方向の長さに対する上記支持体層の長手方向の長さの比の平均値が5.0以上10以下であり、
    IPAバブルポイントが40kPa以上200kPa以下である中空糸膜を製造する方法であって、
    ポリテトラフルオロエチレンを主成分とする粉末の円筒状圧縮成形体を押し出し成形によりチューブ状体を成形する工程と、
    上記チューブ状体を加熱しつつ長さ方向に1次延伸する工程と、
    上記1次延伸された上記チューブ状体の外周に、ポリテトラフルオロエチレンを主成分とし、多孔性を有する帯状体をその両縁部が重なり合うよう螺旋状に巻き付ける工程と、
    加熱により上記チューブ状体と上記帯状体とを焼結する工程と、
    上記チューブ状体を焼結された上記帯状体と共に加熱しつつ長さ方向に2次延伸する工程と
    を備える中空糸膜の製造方法。
  2. 上記帯状体を上記チューブ状体に巻き付けるときに、上記帯状体の平均厚さが5μm以上60μm以下である請求項に記載の中空糸膜の製造方法。
  3. 上記濾過層の平均厚さが1μm以上20μm以下である請求項1又は請求項2に記載の中空糸膜の製造方法。
  4. 差圧0.1MPa、膜長さ10cmでの単位膜面積あたりIPA流量が35mL/(min・cm )以上55mL/(min・cm )以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の中空糸膜の製造方法。
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