JP7195283B2 - T細胞前リンパ球性白血病の処置への使用のためのチノスタムスチン - Google Patents

T細胞前リンパ球性白血病の処置への使用のためのチノスタムスチン Download PDF

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Description

本発明はT細胞前リンパ球性白血病(T-PLL)を処置する方法に関する。
癌は最も生命を脅かす疾患の1つである。癌は、体の一部の細胞がコントロール不能な成長を経験する状態である。アメリカ癌協会からの最新のデータに従うと、2017年にはUSAにおいて癌の169万の新たなケースがあるであろうということが見込まれる。癌は米国における死亡の二番目の最大の原因(心臓疾患のみに次ぐ二番目)であり、2017年には601,000人超の生命を奪うであろう。事実、癌を発生する平均生涯リスクは米国人男性では40.8%、米国人女性では37.5%であるということが見込まれる。ゆえに、米国において、癌は重大な公衆衛生の負担をなしており、大きなコストにあたる。癌の型と癌を発生する集団の相対的割合とは遺伝的素因および食事などの多くの異なる因子に依存して変わるが、これらの数字は他所の世界中のほとんどの国において反映される。
数十年に渡って、外科手術、化学療法、および放射線は種々の癌について確立された処置であった。通常は、患者はそれらの疾患の型および程度に依存してこれらの処置の組み合わせを受ける。だが、外科処置(すなわち患部組織の除去)が不可能であるときには、化学療法が癌患者のための最も重要なオプションである。外科手術は、場合によっては、例えば乳部、結腸、および皮膚のある種の部位に位置する腫瘍を除去することに有効であるものの、それは、背骨などの他の部分に位置する腫瘍の処置にも、血液および造血組織(例えば骨髄)の癌を包含する播種性血液癌の処置にも用いられ得ない。それらは多発性骨髄腫、リンパ腫、および白血病を包含する。放射線治療にはイオン化放射線に対する生体組織の暴露が関わり、暴露された細胞に死または損傷を引き起こす。放射線治療の副作用は急性かつ一時的であり得るが、他のものは不可逆的であり得る。化学療法には細胞複製または細胞代謝の遮断が関わる。これは最も多くの場合には乳、肺、および精巣癌の処置に用いられる。癌のこの処置の無効の主な原因の1つは癌細胞による薬剤抵抗性の発生であり、疾患の再発またはさらには死に至り得る深刻な問題である。それゆえに、より有効な癌処置が必要とされている。
白血病は血液細胞の癌である。白血病は骨髄の造血組織で始まる。それらの癌は固形腫瘍を形成しないが、代わりに、多数の異常な白血球(白血病細胞および白血病芽球細胞)が血液中および骨髄中に増えていく。白血病の4つの主な型がある:急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、急性リンパ性白血病(ALL)、および慢性リンパ性白血病(CLL)。
T細胞前リンパ球性白血病(T-PLL)は、血液学的悪性物のWHO分類では白血病性の末梢性T細胞新生物として認識され、成熟T細胞表現型である。最も頻繁な成熟T細胞白血病にあたるが、それでも、T-PLLは極めて稀な血液学的悪性物であり、日常の業務においては稀少に遭遇される(~0.6/百万の発生率)。T-PLLは非常に不良な予後をもまた有し、T-PLLの患者の全般的な生存中央値は従来の化学療法では大体7ヶ月である。
典型的には、T-PLLの患者は、末梢血中の指数的に上昇していくリンパ球カウントを発症し、肝脾腫があるリンパ節腫脹、および骨髄の関与を伴う。
特徴的に、T-PLLは急速な進行を示し、標準的な多剤化学療法にあまり応答しない。モノクローナル抗CD52抗体アレムツズマブは、再燃を原則とするが、高い寛解率を誘導することが示された唯一の(指向的な)薬剤であった。アレムツズマブは51~95%の範囲の全般的な奏効率を有し、完全奏効を達成した患者においては15~19ヶ月の生存中央値であった。
しかしながら、アレムツズマブは2012年に市場から引き上げられ、現行では、T-PLLの有効なファーストライン処置はない。
ゆえに、T-PLLの有効な化学療法処置の必要がある。
特許文献1では、下の式Iの化合物が開示されている。これは、HDAC経路を強力に阻害するファースト・イン・クラスの二機能性アルキル化・HDACi融合分子である。
Figure 0007195283000001
生物学的アッセイは、式Iの化合物がHDAC酵素を強力に阻害するということを示した(9nMというHDAC1のIC50)。式Iの化合物はチノスタムスチンというINNを有し、当分野においてはEDO-S101としてもまた公知である。これはAK-DAC(ファースト・イン・クラスのアルキル化デアセチラーゼ分子)であり、これは、前臨床研究においては、同時に癌細胞内のDNA鎖へのアクセスを改善すること、それらを破損させること、および損傷修復をブロックすることが示されている。
国際公開第2010/085377号パンフレット
本発明の第1の態様では、T細胞前リンパ球性白血病(T-PLL)の処置への使用のための、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩が提供される。
驚くべきことに、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩はT-PLLの処置に特に有効であるということが見出され、活性データはこの化合物に対する強いインビトロおよびインビボの感受性を示した。それゆえに、T-PLLの新たな有効な処置の必要は本発明によって満たされる。
本発明のさらなる態様では、T-PLLの処置のための医薬の製造のための、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩の使用が提供される。
本発明のさらなる態様では、その必要がある患者のT-PLLを処置する方法が提供され、前記患者にチノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩の有効量を投与することを含む。
本発明のさらなる態様では、T-PLLを処置するための説明書と一緒になったチノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩を含むキットが提供される。
次の特徴は本発明の全ての態様に該当する。
図1aは、増大していく濃度のHDAC阻害剤SAHA(ボリノスタット)、ベンダムスチン、SAHA+ベンダムスチン、およびEDO-S101に対する暴露後の、コントロールに対して相対的なHH細胞生存能のプロットを示している。図1bは、HH細胞におけるSAHA(ボリノスタット)、ベンダムスチン、SAHA+ベンダムスチン、およびEDO-S101の用量反応曲線を示している。 図2は患者T-PLLサンプルのウエスタンブロット分析を示しており、SAHA(ボリノスタット)、ベンダムスチン、SAHA+ベンダムスチン、およびEDO-S101の、T-PLLに対応する種々のマーカーに対する効果を示している。 図3aは、48h処置後の懸濁培養のT-PLL生細胞の相対数を示す用量反応曲線であり、SAHA(ボリノスタット)、ベンダムスチン、SAHA+ベンダムスチン、およびEDO-S101を比較している。 図3bは、増大していく濃度のSAHA(ボリノスタット)、ベンダムスチン、SAHA+ベンダムスチン、およびEDO-S101の初代T-PLL細胞に対する効果を、ヒト骨髄間質細胞株NKtertの共培養ありまたはなしで示している。 図3cは、増大していく濃度のSAHA(ボリノスタット)、ベンダムスチン、SAHA+ベンダムスチン、およびEDO-S101のNKtert細胞生存能に対する効果を示している。 図3dでは、細胞を、ベンダムスチン、ボリノスタット、ベンダムスチンおよびボリノスタットの等モル組み合わせ、またはEDO-S101のどれかによって、0.1、1、5、または10μMの濃度のどれかで処置し、48時間に渡ってインキュベーションし、MTTアッセイを用いて細胞生存能を算定した。 図4aはCD2-MTCP1p13マウスの移入モデルの結果を示しており、フルダラビン、ベンダムスチン、およびEDO-S101を検討している。 図4bはCD2-MTCP1p13マウスの移入モデルの結果を示しており、フルダラビン、ベンダムスチン、およびEDO-S101を検討している。 図4cはCD2-MTCP1p13マウスの移入モデルの結果を示しており、フルダラビン、ベンダムスチン、およびEDO-S101を検討している。 図5はΔJAK1マウスの移入モデルの結果を示しており、フルダラビン、ベンダムスチン、およびEDO-S101を検討している。
本願においてはいくつもの一般的な用語および言い回しが用いられ、これらは次の通り解釈されるべきである。
式Iの化合物はチノスタムスチンというINNを有し、当分野においてはEDO-S101としてもまた公知である。IUPAC名称は7-(5-(ビス(2-クロロエチル)アミノ)-1-メチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)-N-ヒドロキシヘプタンアミドである。
Figure 0007195283000002
「患者」は、ヒト、非ヒト哺乳動物(例えばイヌ、ネコ、ウサギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、シカ、および同類)、および非哺乳動物(例えば鳥および同類)を包含する。
「医薬的に許容される塩」は、上で定義されている通り、医薬的に許容されかつ所望の薬理学的活性を持っている本発明の化合物の塩を意味する。かかる塩は、無機酸によってまたは有機酸によって形成される酸付加塩を包含する。医薬的に許容される塩は塩基付加塩をもまた包含し、これらは、存在する酸性プロトンが無機または有機塩基と反応することが能うときに形成され得る。一般的には、例えば、かかる塩は、これらの化合物の遊離の酸または塩基形態を化学量論量の適宜の塩基または酸と水中もしくは有機溶媒中または2つの混合物中で反応させることによって調製される。一般的には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルのような非水系媒体が好ましい。酸付加塩の例は、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、重硫酸、スルファミン酸、硝酸、リン酸などの鉱酸付加塩、ならびに例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、サリチル酸、トシル酸、乳酸、ナフタレンスルホン酸(naphthalenesulphonae)、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、およびp-トルエンスルホン酸などの有機酸付加塩を包含する。アルカリ付加塩の例は、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、およびアンモニウム塩などの無機塩、ならびに例えばエチレンジアミン、エタノールアミン、N,N-ジアルキレンエタノールアミン、トリエタノールアミン、および塩基性アミノ酸塩などの有機アルカリ塩を包含する。
本発明において、チノスタムスチンの医薬的に許容される塩は、好ましくは、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、重硫酸、スルファミン酸、硝酸、リン酸、クエン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、グルタミン酸、グルクロン酸、グルタル酸、リンゴ酸、マレイン酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、トシル酸、マンデル酸、サリチル酸、乳酸、p-トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、または酢酸塩であり得る。
チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩は驚くべき有効性をT-PLLに示すということが発見された。特に、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩はT-PLLの処置に有用であるということが発見された。
T細胞前リンパ球性白血病またはT-PLLは白血病性の末梢性T細胞新生物であり、成熟T細胞表現型である(E.カンポ(Campo)ら,Blood,第117巻,2011年,p.5019-32)。最も頻繁な成熟T細胞白血病にあたるが、それでも、T-PLLは極めて稀な血液学的悪性物であり、日常の業務においては稀少に遭遇される(~0.6/百万の発生率)。T-PLLは非常に不良な予後をもまた有し、T-PLLの患者の全般的な生存中央値は従来の化学療法では大体7ヶ月である。
典型的には、T-PLLの患者は、末梢血中の指数的に上昇していくリンパ球カウントを発症し、肝脾腫があるリンパ節腫脹、および骨髄の関与を伴う。
患者に投与されるチノスタムスチンまたは医薬的に許容される塩の治療上有効な量は、いずれかの医学的処置に適用可能な妥当なベネフィット/リスク比で、処置される対象に本発明に従う治療効果を授ける量である。治療効果は客観的(すなわち、何らかの試験またはマーカーによって測定可能)または主観的(すなわち、対象が効果の指摘を与えるか、それを感ずる)であり得る。本発明に従うチノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩の有効量は、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩が0.3mg/mから300mg/m患者体表面積または20mg/mから150mg/m患者体表面積の用量範囲で包含されるものであると思われる。
いずれかの具体的な患者についての特定の治療上有効なドーズレベルは、障害の重症度;使用される特定の化合物の活性;使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全体的な健康、性別、および食事;使用される特定の化合物の投与の時間、投与経路、および排泄速度;処置の継続時間;使用される特定の化合物と組み合わせでまたは同時的に用いられる薬剤;ならびに医学分野において周知の同類の因子を包含する種々の因子に依存するであろう。
「転移性癌」.癌は体内に広がる能力を有する。癌細胞は近傍の正常組織に移動することによって局所的に広がり得る。癌は近傍のリンパ節、組織、または器官まで領域的にもまた広がり得る。ゆえに、癌は体の遠隔の一部まで広がり得る。これが起こるときには、これは転移性癌(ステージIV癌としてもまた公知)と呼ばれ、癌細胞が体の他の一部に広がるプロセスは転移と呼ばれる。それゆえに、転移においては、癌細胞はそれらが最初に形成されたところ(原発癌)から抜け出し、血液またはリンパ系を通って進み、体の他の一部において新たな腫瘍(転移性腫瘍)を形成する。
転移性癌細胞は、癌が発見される場所の細胞ではなく原発癌のもののような特徴を有する。これは医師が癌が転移性であるかどうかを見分けることを可能にする。転移性癌は原発癌と同じ名称を与えられる。例えば、肺まで広がった乳癌は肺癌ではなく転移性乳癌と呼ばれる。これは肺癌としてではなくステージIV乳癌として処置される。
転移性T-PLLは、体の新たな位置に転移したT細胞前リンパ球性白血病を言う。癌はステージIVのT-PLL癌として処置される。
「進行した癌」は、治癒可能ではないが処置には応答する癌である。疾患を指向した治療は寿命を延ばすので、なお非常に重要である。末期癌では、治療は疾患の進行性が原因で生存をあまり延ばし得ず、緩和ケアが主な処置オプションである。
チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩の投与形態の好適な例は、限定なしに、経口、外用、非経口、舌下、直腸、膣内、眼内、および鼻腔内を包含する。非経口投与は、皮下注射、静脈、筋肉内、胸骨内注射、または輸液技術を包含する。好ましくは、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩は、非経口的に、最も好ましくは静脈投与される。
好ましくは、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩は、その必要がある患者への0.3mg/mから300mg/m患者体表面積の用量レベルで、その必要がある患者に静脈投与される。
好ましくは、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩は、その必要がある患者への20mg/mから150mg/m患者体表面積の用量レベルで、その必要がある患者に静脈投与される。
本発明の実施形態においては、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩あるいはそれを含む医薬は、好ましくは、各処置サイクルの第1日に、その必要がある患者に投与され得るということが発見された。
チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩は、21日の処置サイクルの第1日に投与され得る。
本発明に従う実施形態において、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩あるいはそれを含む医薬は、60分の輸液時間;または45分の輸液時間;または30分の輸液時間に渡って、その必要がある患者に投与される。
本発明に従う実施形態において、チノスタムスチンまたは医薬的に許容される塩は、20mg/mから150mg/m患者体表面積の用量レベルで、21日の処置サイクルの第1日に、60分の輸液時間に渡って、その必要がある患者に投与される。
本発明の実施形態においては、T-PLLを処置するための説明書と一緒になったチノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩を含むキットが提供される。
説明書は、処置されようとするT-PLLの状態;患者の年齢、体重、全体的な健康、性別、および食事;使用される特定の化合物の投与の時間、投与経路、および排泄速度;処置の継続時間;使用される特定の化合物と組み合わせでまたは同時的に用いられる薬剤;ならびに医学分野において周知の同類の因子などの変数に従って、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩を投与することを指導し得る。
本発明のさらなる実施形態において、前記処置の必要がある患者は、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩によるT-PLLの処置と共に(それに先行して、その間に、またはその後にを包含する)、放射線療法を与えられる。本発明の実施形態において、患者は、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩および放射線療法によって処置される。好ましくは、患者は、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩による処置に先行して放射線療法処置を与えられる。放射線療法は、連続5~10日間の1から5Gy、好ましくは連続5~10日間の2Gyのドーズで与えられ得る。
本発明のさらなる実施形態において、前記処置の必要がある患者は、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩によるT-PLLの処置に先行してまたはその後に、放射線療法を与えられる。好ましくは、患者は、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩による処置に先行して、放射線療法処置を与えられる。放射線療法は、連続5~10日間の1から5Gy、好ましくは連続5~10日間の2Gyのドーズで与えられ得る。
経口投与を意図されるときに、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩あるいはそれを含む医薬は、固体または液体形態であり得る。ここで、半固体、半液体、懸濁液、およびゲル形態は、本明細書において固体または液体どちらかとして見なされる形態のうちに包含される。
チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩あるいはそれを含む医薬は、製薬分野において周知の方法論を用いて投与のために調製され得る。好適な医薬製剤および担体の例はE.W.マーチン(Martin)による「レミントンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Sciences)」に記載されている。
経口投与のための固体組成物としては、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩は、粉末、顆粒、圧縮錠剤、丸薬、カプセル、チューインガム、ウェハース、または同類の形態に製剤され得る。かかる固体組成物は典型的には1つ以上の不活性な希釈剤または担体を含有する。糖、ポリアルコール、可溶性ポリマー、塩、および脂質などの、担体または希釈剤として普通に用いられるいずれかの不活性な賦形剤は、本発明の組成物に用いられ得る。使用され得る糖およびポリアルコールは、限定なしに、ラクトース、スクロース、マンニトール、およびソルビトールを包含する。ポリオキシエチレン、ポロキサマー、ポリビニルピロリドン、およびデキストランは、使用され得る可溶性ポリマーの例示である。有用な塩は、限定なしに、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、および塩化カルシウムを包含する。使用され得る脂質は、限定なしに、脂肪酸、グリセロール脂肪酸エステル、糖脂質、およびリン脂質を包含する。
加えて、次の1つ以上が存在し得る:結合剤、例えばカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、微結晶セルロース、またはゼラチン;賦形剤、例えばデンプン、ラクトース、またはデキストリン、崩壊剤、例えばアルギン酸、アルギン酸ナトリウム、コーンスターチ、および同類;潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム;滑剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素;甘味料、例えばスクロースまたはサッカリン;香料、例えばペパーミント、サリチル酸メチル、またはオレンジフレーバー;および着色料。
チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩の組成物がカプセル(例えばゼラチンカプセル)の形態であるときには、それは上の型の材料に加えて液体担体、例えばポリエチレングリコール、シクロデキストリン、または脂肪油を含有し得る。
チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩の組成物は、液体、例えばエリキシル、シロップ、溶液、エマルション、または懸濁液の形態であり得る。液体は経口投与にとってまたは注射による送達にとって有用であり得る。経口投与を意図されるときには、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩の組成物は、甘味料、保存料、色素/着色料、およびフレーバーエンハンサーの1つ以上を含み得る。注射による投与のためのチノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩の組成物では、界面活性剤、保存料、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、緩衝剤、安定化剤、および等張化剤の1つ以上もまた包含され得る。
好ましい投与経路は非経口投与であり、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈、皮下、鼻腔内、硬膜外、鼻腔内、脳内、心室内、髄腔内、膣内、または経皮を包含するが、これらに限定されない。好ましい投与モードは医者の裁量に任され、部分的には、医学的状態の部位(例えば癌の部位)に依存するであろう。より好ましい実施形態においては、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩あるいはそれを含む医薬は静脈投与される。
チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩あるいはそれを含む医薬の液体形態は、溶液、懸濁液、または他の同類の形態であり得、次の1つ以上をもまた包含し得る:無菌の希釈剤、例えば注射用の水、食塩水溶液、好ましくは生理食塩水、リンゲル液、等張塩化ナトリウム、不揮発性油、例えば合成モノもしくはジグリセリド(digylceride)、ポリエチレングリコール、グリセリン、または他の溶媒;抗細菌剤、例えばベンジルアルコールまたはメチルパラベン;および張度の調整のための薬剤、例えば塩化ナトリウムまたはデキストロース。非経口の組み合わせまたは組成物は、ガラス、プラスチック、または他の材料から作られたアンプル、ディスポーザブルシリンジ、またはマルチドーズバイアル中に封入され得る。生理食塩水は好ましいアジュバントである。
チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩あるいはそれを含む医薬は、いずれかの便利な経路によって、例えば輸液またはボーラス注射によって、上皮または皮膚粘膜層からの吸収によって、好ましくはボーラスによって投与され得る。
チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩を含む組成物の例は国際公開第2013/040286号に開示されている。
本発明は次の限定しない実施例の考慮によってさらに理解され得る。
次の実施例では、次式Iを有する化合物はEDO-S101と言われる。
Figure 0007195283000003
EDO-S101は国際公開第2010/085377号の実施例6に記載されている通り調製され得る。
材料および方法
EDO-S101およびコントロール化合物
・EDO-S101はEDOムンディファーマによって提供され、国際公開第2010/085377号の実施例6に記載されている通り合成された。
・ベンダムスチンはEDOムンディファーマによって提供された。
・ボリノスタット(SAHA)(カタログ参照番号SML0061-5mg)およびフルダラビンはシグマ・アルドリッチから購入した。
細胞培養
1%L-グルタミン(200mM;シグマ・アルドリッチ)、10%ウシ胎児血清(FBS)(シグマ・アルドリッチ)、およびペニシリン/ストレプトマイシン(100U/0.1M;PAA)を補ったRPMI-1640培地(シグマ・アルドリッチ)を、初代T-PLL細胞、健康なCD3+T細胞、HH細胞の懸濁培養において、およびNKtert細胞との共培養実験において、インビトロ実験作業のために用いた。全ての細胞培養実験について、細胞懸濁液は1.0×10細胞/mL(初代T-PLL細胞)および2.5×10細胞/mL(HH細胞)の密度で維持した。
細胞は、37℃および5%COにおいて90%湿度でHERAcellインキュベータ(サーモサイエンティフィック・ヘレウス)によって培養した。CD4+成熟T細胞白血病HH細胞はセザリー症候群の患者から元々単離された(シュタルクバウム(Starkebaum)ら,1991年)。NKtert(ヒト骨髄間質細胞[BMSC])は2011年に理研細胞バンクから購入した。購入ままの元々の細胞ストックに由来し、かつ液体窒素による長期保存前に2から3代増殖させた細胞のみを用いた。細胞培養は第10代(培養されること4から6週)の後に終えた。融解後には、特徴的な成長挙動の評価とフローサイトメトリーとによって細胞を確認した。細胞は標準的なPCRプロトコールを用いてマイコプラズマの存在について日常的に検査した(プライマー:for1:5’-acaccatgggagytggtaat-3’(配列番号1)、rev1:5’-cttcwtcgattycagacccaaggcat-3’(配列番号2)、for2:5’-gtgsggmtggatcacctcct-3’(配列番号3)、rev2:5’-gcatccaccawawacyctt-3’(配列番号4))。
健康なCD3+T細胞は健康なヒトドナーから単離された。
共培養実験では、ヒト骨髄間質細胞(BMSC)NKtert細胞(理研BRC,日本国)を1.5×10細胞/ウェルの濃度で播種し(96ウェルプレート)、37℃において5%COでインキュベーションした。24時間後に、凡そ60~80%コンフルエンシーのNKtert細胞を0.02mg/mLマイトマイシンCによって3時間に渡ってRPMI-1460中で処置し、それからPBS(ライフテクノロジーズ)によって2回洗浄した。別の24時間後に、4×10個のT-PLL細胞をウェルあたり追加し(フィーダー細胞の支持ありおよびなし)、指摘されている化合物によって48時間に渡って処置した。
インビトロの薬剤処置および細胞生存能
EDO-S101(EDOムンディファーマ)およびボリノスタット(SAHA;SML0061-5mg,シグマ・アルドリッチ)をDMSO中に溶解した。アルキル化剤ベンダムスチン(ムンディファーマ)はメタノール中に溶解した。細胞を指摘されている濃度および時間で各化合物(単数または複数)によって処置した。ドーズ決定は発表されている範囲およびIC50/LD50タイトレーションに基づいた。アネキシンV(AnxV)および7AADの二重染色を用いて、フローサイトメトリーによって細胞のアポトーシスを決定した。
部分的には、それらの高レベルのゲノム不均一性および不安定な表現型が原因で、ヒト初代T-PLL細胞は標準的なラボ細胞培養条件における培養操作には不適である。HH細胞は高度に化学療法抵抗性の皮膚リンパ腫に由来し、ラボ条件における培養操作にとって好適である。HH細胞はT-PLL細胞と同等の表現型を見せ、ゆえに、T-PLL細胞の代用細胞株としてインビトロ実験に頻繁に用いられる。ゆえに、EDO-S101のインビトロ検証のためにはHH細胞を選択した。
ネズミモデル
DBA2xC57B6JF1マウスを全ての実験においてレシピエントとして用いた。CD2-MTCP1p13のtgマウスに由来する移植可能な白血病/リンパ腫細胞(グリッティ(Gritti)ら,Blood,1998年,第92巻,p.268-73;血液、脾臓、および骨髄)を、バックグラウンドをマッチさせたマウスに腹腔内注射した(均一のコホートの作出を容易にするため)。CD2-MTCP1p13マウスからの1×10個の細胞を同系レシピエントに腹腔内注射した(n=26)。移植後の第10日に始めて、一様な分布の白血病性血中白血球(WBC)のマウスを選択し、4つの処置群にランダムに割り付けた。それから、各群を、基剤コントロール(DMSO)、フルダラビン(34mg/kg,第10、15、17、21日)、ベンダムスチン(60mg/kgで第10日、20mg/kgで第15、17、21日)、およびEDO-S101(50mg/kgで第10日、20mg/kgで第15、17、21日)のどれかによって、指摘されている日に指摘されているドーズで処置した。
ΔJAK1マウスに由来する移植可能な白血病/リンパ腫細胞(ハインリッヒ(Heinrich)ら,モレキュラー・セラピー(Molecular Therapy),2013年,第21巻,p.1160-8;JAK1を活性化させる挿入変異導入に基づく節内性/脾臓成熟T細胞リンパ腫)を、バックグラウンドをマッチさせたマウスに静脈注射した(均一のコホートの作出を容易にするため)。2.5×10個の細胞をRag1欠損マウスに静脈内移植した。それから、同等の白血球カウントのレシピエントをランダムに4つの処置群に分けた。それから、各処置群を、18mg/kgのベンダムスチン、フルダラビン、EDO-S101、または基剤コントロールのどれかによって第7、10、13、17、22日に処置した(DMSO)。
患者サンプル
WHO基準に従って診断されたT-PLL患者の末梢血(PB)からT-PLL細胞を単離した(S.H.スワードロウ(Swerdlow)ら,Blood,2016年,第127巻,p.2375-90;ヘルリンク(Herling)ら,Blood,2004年,第104巻,p.328-335)。診断は臨床的特徴、イムノフェノタイピング(フローサイトメトリーおよび組織化学;TCL1A/MTCP1発現を包含する)、FISH/核型、および分子的研究(TCRモノクローナル性)に基づいた。ヒト腫瘍サンプルは、ヘルシンキ宣言に従うインフォームドコンセント書面を踏襲して施設内審査委員会(IRB)認可プロトコールによって得た。収集および使用はケルン大学病院の倫理委員会によって研究目的で認可された(#11-319)。患者コホートは、単剤アレムツズマブまたはフルダラビン-ミトキサントロン-シクロホスファミド(FMC)プラスアレムツズマブ化学免疫療法のどれかによる均一のフロントライン処置(87%のケース)に基づいて、TPLL120(NCT00278213)およびTPLL2(NCT01186640,未発表)前向き臨床試験の一部として選択されるか、またはドイツCLL研究グループの全国T-PLLレジストリに包含される通りであった(IRB#12-146)。診断時に、患者は62才の年齢中央値を有し、女性よりも1.5倍多くの男性を包含した。FISH分析は標準的なプロトコールを用いた(Vysis,アボット)。
ウエスタンブロット分析
T-PLL細胞をT-PLL患者の末梢血(PB)から単離した。T-PLL細胞を懸濁培養し、ベンダムスチン(1μM)、ボリノスタット(1μM)、EDO-S101(1μM)、またはボリノスタット/ベンダムスチン(1μM)の等モル組み合わせのどれかによって、36時間に渡って、指摘されている濃度で処置した。この時間後に、細胞を収穫およびリシスし、細胞ライセートをソニケーションし、遠心していずれかの細胞破片を除去し、上清を収集した。各細胞ライセート溶液(上清)の蛋白質濃度を決定し、標準的な方法を用いてウエスタンブロットを行った。
用いた抗体は、acヒストン3(シグマ・アルドリッチ)、ホスホATMセリン1981(シグマ・アルドリッチ)、ATM(シグマ・アルドリッチ)、ホスホKAP-1セリン824(シグマ・アルドリッチ)、KAP-1(シグマ・アルドリッチ)、ホスホp53セリン15(シグマ・アルドリッチ)、アセチルp53(シグマ・アルドリッチ)、p53(シグマ・アルドリッチ)、PARP(シグマ・アルドリッチ)、切断型PARP(シグマ・アルドリッチ)、およびβ-アクチン(シグマ・アルドリッチ)であった。
実施例1 - 細胞生存能
ベンダムスチンおよびボリノスタット(SAHA)と比較してEDO-S101の細胞障害性を評価するために、HH細胞をEDO-S101、ベンダムスチン、ボリノスタット、または等モルのベンダムスチン/ボリノスタット組み合わせのどれかによって48時間の期間に渡って処置した。指摘されている化合物の0.1μM、1μM、2.5μM、5μM、または10μM溶液のどれかによって、細胞を処置した(図1a)。
処置後に、アポトーシスマーカーアネキシンVおよび7AADによって細胞を染色することによって細胞死を評価し、アポトーシス細胞の数をフローサイトメトリーによって定量した。アネキシンVはアポトーシス細胞を特異的に標的化および識別する。7AADは後期アポトーシスまたは壊死細胞のマーカーである。アネキシンVおよび7AAD陰性細胞の数を各サンプルについてカウントした。各実験を指摘されている回数だけ繰り返し、アポトーシス陰性細胞の平均数をプロットし、無処置のコントロールサンプルに対して相対的に正規化した(図1a)。各処置の用量反応曲線(図1b)を爾後にプロットし、各処置のLD50(半数致死量)を決定した。
ベンダムスチンおよびボリノスタット(vorinotstat)の等モル組み合わせ(LD50:1.1μM)ならびにEDO-S101(LD50:1.5μM)は、48時間の処置後にHH細胞死誘導に顕著な効力を実証した。ベンダムスチン/ボリノスタット組み合わせおよびEDO-S101両方は低いマイクロモーラー範囲のLD50値を見せた。さらにその上、EDO-S101およびベンダムスチン(bedamustine)/ボリノスタット組み合わせ処置両方は、単剤としてのボリノスタット(LD50:2.7μM)およびベンダムスチン(LD50:8.0μM)と比較して向上した細胞障害性を実証した。
実施例2 - 患者T-PLLサンプルのウエスタンブロット分析
T-PLL細胞(L1238が変異したATM,片アレルATM喪失,コピー数=1.41)をT-PLL患者の末梢血(PB)から単離し、懸濁培養し、1μMのベンダムスチン(図2,レーン2)、ボリノスタット(レーン3)、EDO-S101(レーン5)、またはボリノスタット/ベンダムスチンの等モル組み合わせ(レーン4)のどれかによって36時間に渡って処置した。この時間後に、細胞を収穫し、リシスし、蛋白質発現レベルをウエスタンブロット分析によって決定した。
図2は、負のコントロール(レーン1)と比較して、各処置の細胞ライセートのウエスタンブロットを示している。β-アクチンの染色を、実行した各ウエスタンブロットについてローディングコントロールとして用いた(それぞれ行aからkおよび行lからo)。
HDAC阻害剤は、ヒストンの脱アセチル化または他の蛋白質の脱アセチル化を促進する蛋白質を標的化する。ヒストンのアセチル化および脱アセチル化はDNA複製および修復に関係している翻訳後修飾であり、ゆえに、ヒストンのアセチル化状態は細胞複製経路に重大である。ゆえに、HDAC活性の阻害はDNA損傷応答の誘導につながる。これらの実験に用いられたHDAC阻害剤はボリノスタットおよび融合分子EDO-S101を包含する。
DNAアルキル化剤はDNAに結合することによって正常なDNA複製経路が機能することを妨げ、ゆえに複製ストレスを引き起こす。引き起こされた損傷を修復しようとする中で、細胞はいわゆるDNA損傷応答(DDR)において一連の蛋白質をリクルートする。DDRにおいてリクルートされる蛋白質の多くは、損傷および複製ストレスのバイオマーカーとして用いられ得る。かかるバイオマーカーは、増大した発現レベルのγH2AX、リン酸化ATM(pATM)、リン酸化Kap1(pKap1)、およびp53の安定化を包含する。この例に用いられたDNAアルキル化剤はベンダムスチンおよび融合分子EDO-S101(これはHDAC阻害剤でもまたある)を包含する。
図2を参照すると、ベンダムスチン、ボリノスタット、またはそれらの組み合わせによる処置と比較して、EDO-S101による患者から単離されたT-PLL細胞サンプルの処置は、DDRの最も大きな誘導に至ったということが明瞭である。EDO-S101によって処置された細胞では、γH2AX(行l)、pATM(行b)、およびpKAP1(行d)のレベルの最も大きい増大が判明した。これらの全てはDNA損傷応答に大いに関係している。DDRの誘導と整合して、Kap1の発現レベル(行e)はpKap1のレベルと相関していた。これらの結果は、EDO-101がボリノスタットおよびベンダムスチンと比較して最も強力なDNAアルキル化活性を見せるということと、さらにその上、EDO-S101はボリノスタットおよびベンダムスチンの組み合わせの効力を上回るということとを指摘している。
DDRの誘導は、p53の安定化(行h)ならびにp53の爾後のリン酸化(行f)およびアセチル化(アセチルp53;行g)をもまた引き起こす。図2を参照すると、ベンダムスチン、ボリノスタット、またはそれらの組み合わせと比較して、EDO-S101による細胞の処置はアセチルp53(行g)およびp-p53(行f)の最も多大な蓄積をもたらした。これらの結果は、EDO-S101がDNA損傷の最も強力な誘導因子であることをさらに支持している。
DNA損傷が大規模でありDNAが修復され得ないところでは、p53経路は細胞のアポトーシスを誘導することを担う。1つのかかる経路はPARPの切断を特徴とする。図2に見られ得る通り、ベンダムスチン、ボリノスタット、またはそれらの組み合わせと比較して、EDO-S101による細胞の処置は切断型PARPの最も多大な増大を引き起こした(cPARP;行j)。これらのデータは、EDO-S101による処置が最も大規模で修復不可能なDNA損傷をT-PLL細胞に引き起こし、細胞のアポトーシスを促進したということを指摘している。さらにその上、これらのデータは、EDO-S101による患者からのT-PLL細胞の処置が、間質細胞によって授けられる細胞のアポトーシスからの保護効果に有効に打ち勝つということを指摘している。
図2を参照すると、ボリノスタットまたはボリノスタットおよびベンダムスチンの組み合わせと比較して、EDO-S101によるT-PLL細胞の処置はヒストン3のアセチル化の最も大きい増大をもたらした(acヒストン3)。これらのデータは、T-PLL細胞においては、EDO-S101がボリノスタット単独またはベンダムスチンとの組み合わせのボリノスタットよりも有効なHDAC阻害剤であるということを指摘している。
結論として、図2は、EDO-S101が細胞の最も強いDNA損傷応答を誘導するということを指摘している。これは、ベンダムスチンまたはボリノスタットと比較して、DNAアルキル化剤としておよびまたHDAC阻害剤としてのその向上した効力に帰せられ得る。さらにその上、EDO-S101によって誘導されるDNA損傷および高アセチル化は、ボリノスタットおよびベンダムスチンの組み合わせによって誘導されるものを上回るということが明瞭である(例えば、pATM、アセチルp53、pKAP1、γH2AX、およびacヒストン3の比較的高値のレベルを見よ)。結果として、ボリノスタットおよびベンダムスチンの組み合わせによって処置されたものと比較して、EDO-S101処置された細胞ではアポトーシスが強く誘導される(cPARPの高値のレベルを見よ)。
実施例3 - T-PLLにおける、EDO-S101処置された細胞のアポトーシスと間質細胞によって媒介される保護に対する抵抗性との誘導
EDO-S101によって処置された細胞のアポトーシスをさらに評価するために、初代ヒトT-PLL細胞を、ボリノスタット、ベンダムスチン、EDO-S101、またはボリノスタットおよびベンダムスチンの等モル組み合わせのどれかによって、0.01μM、0.1μM、1μM、5μM、または10μMの濃度で処置し、48時間に渡ってインキュベーションした。処置後に、アポトーシスマーカーアネキシンVおよび7AADによって細胞を染色することによって細胞死を評価し、アポトーシス細胞の数をフローサイトメトリーによって定量した。各実験を指摘されている回数だけ繰り返し、アポトーシス陰性細胞の平均数をプロットし、無処置のコントロールサンプルに対して相対的に正規化した。各処置の用量反応曲線(図3a)を爾後にプロットし、各処置のLD50(半数致死量)を決定した。
各処置のLC50値をボリノスタット(20.4μM)、ベンダムスチン(7.3μM)、EDO-S101(1.0μM)、またはボリノスタットおよびベンダムスチンの等モル組み合わせ(4.4μM)について計算した。同等の実験条件において、EDO-S101のLC50値はHH細胞(1.5μM)(図1b)よりも初代ヒトT-PLL細胞において低い(1.0μM)(図3a)ことが発見され、T-PLL細胞に対する向上した有効性を指摘した。さらにその上、ボリノスタットおよびベンダムスチンの組み合わせ(4.4μM)と比較して、EDO-S101(1.0μM)はT-PLL細胞に対する効力の凡そ4倍の増大を見せた。
健康なCD3+T細胞におけるEDO-S101のLC50は4.4μMであることが決定され、EDO-S101が実験条件においては健康なCD3+T細胞と比較してT-PLL細胞に対して凡そ4倍強力であるということを指摘した。この結果は、EDO-S101が健康なT細胞よりもT-PLL細胞に対する選択性を有するということを実証した。
NKtert骨髄間質細胞は変異T細胞を薬剤の効果およびアポトーシスから保護することが公知である。NKtert細胞によって初代ヒトT-PLL細胞に授けられる保護を評価するために、NKtert細胞およびT-PLL細胞をEDO-S101による処置のために共培養した。NKtert細胞の共培養あり(図3b)およびなし(図3c)の初代T-PLL細胞を、増大していく濃度(0.1、1、または10μM)のボリノスタット、ベンダムスチン、ボリノスタットおよびベンダムスチンの等モル組み合わせ、またはEDO-S101によって処置し、48時間に渡ってインキュベーションした。
処置後に、アポトーシスマーカーアネキシンVおよび7AADによって細胞を染色することによって細胞死を評価し、アポトーシス細胞の数をフローサイトメトリーによって定量した。各実験を指摘されている回数だけ繰り返し、アポトーシス陰性細胞の平均数を、無処置のコントロールサンプルに対して相対的な比としてプロットした(図3b、図3c)。
図3bを参照すると、左側のグラフのコントロールサンプルΦ(ラテン文字の大文字O(アルファベットのOと/の組合せ)を、以下このように書く)は通常のT-PLL細胞について1に正規化されている。図3cから見られ得る通り、T-PLL/NKtert共培養細胞のコントロールサンプルΦは1よりも多大であり、単独培養と比較して、NKtert細胞の存在下におけるT-PLL細胞の向上した生存を指摘している。
図3bおよび3cを参照すると、T-PLL細胞およびT-PLL/NKtert共培養細胞両方はEDO-S101による処置に対して感受性であった。10μMのEDO-S101によって処置されたときには、T-PLL細胞および共培養T-PLL/NKtert細胞両方において大規模なアポトーシスが観察され、95%よりも多大な凡その細胞死カウントであった。これらのデータは、EDO-S101によるT-PLL細胞の処置が、NKtert細胞によって授けられる保護に打ち勝ったということを指摘している。さらにその上、ベンダムスチン、ボリノスタット、またはベンダムスチンおよびボリノスタットの等モル組み合わせのどれかによって処置されたT-PLL細胞は、共培養T-PLL細胞のNKtert関連の保護に打ち勝つことにおいてEDO-S101ほど有効ではなかった。これらのデータは、EDO-S101によるヒトT-PLL細胞の処置が、細胞のアポトーシスの鍵の指標cPARPの最も向上したレベルに至ったという観察によってさらに支持される(図2)。
図3cに示されている共培養T-PLL/NKtert細胞実験においては、EDO-S101がNKtert細胞の生存能に影響し得るという仮説を立てた。そのため、NKtert骨髄間質細胞(BMSC)フィーダー細胞単独の細胞生存能に対する効果をもまた検討した。細胞を、ベンダムスチン、ボリノスタット、ベンダムスチンおよびボリノスタットの等モル組み合わせ、またはEDO-S101のどれかによって、0.1、1、5、または10μMの濃度のどれかで処置し、48時間に渡ってインキュベーションし、MTTアッセイを用いて細胞生存能を算定した(図3d)。図3dに見られ得る通り、EDO-S101、ボリノスタット、またはボリノスタットおよびベンダムスチンの等モル組み合わせによって処置されたNKtert細胞の生存能の縮減は、検討された濃度において大まかには同等であった。ベンダムスチン処置は、NKtert細胞の生存能に対して著しい濃度依存的効果を有さなかった。重要なことに、EDO-S101およびボリノスタットによって10μMで処置された細胞の生存能は同等であり、EDO-S101によるT-PLL/NKtert共培養細胞の処置によって誘導される細胞死(図3c)が、NKtert細胞の縮減された生存能の結果ではないという確信を提供した(図3d)。
実施例4 - EDO-S101による処置後の白血病性血中白血球(WBC)カウントのインビボ分析
先に記載されている通り、CD2-MTCP1マウスに由来する白血病細胞をマウスに注射した(図4a)。
CD2-MTCP1細胞は侵攻性の移植可能な亜株であり、T-PLL様モデルとしてインビボ分析にとって好適である。腹腔内注射によるCD2-MTCP1細胞の移植後の第10日に、同等の白血病性血中白血球(WBC)カウントのマウスをランダムに4つの群に分けた。移植後に、各群に、フルダラビン(34mg/kg)、ベンダムスチン(第10日,60mg/kg;第15~21日,20mg/kg)、またはEDO-S101(第10日,50mg/kg;第15~21日,20mg/kg)のどれかを、指摘されているドーズで第10日、第15日、第17日、第19日、および第21日に静脈投与した。血液のサンプルを定期的な間隔で取り(移植後の第9日および第14日)、マウスは移植の22日後に屠殺した(図4a)。
比較化合物としてフルダラビンを実験のために選択した。白血病およびリンパ腫の処置のためのFDA認可された化学療法である。フルダラビンはプリン誘導体であり、DNAの複製に干渉する。これは世界保健機関の必須医薬品リストにある。
取られた血液サンプルを白血病性血中白血球レベル(WBC)について分析し、各群の平均細胞カウントを決定した。第14日および第9日におけるWBCカウントの比較では、コントロールサンプルおよびフルダラビンと比較して、ベンダムスチンおよびEDO-S101がWBC細胞の増大を有意に遅らせるということが判明した(図4b)。これらのデータは、EDO-S101およびベンダムスチンがレシピエントマウスの疾患進行の開始を遅らせているということを指摘した。
移植後の第22日におけるマウスの屠殺後に、各マウスの死後脾臓重量を決定した(図4c)。フルダラビンまたはコントロールによって処置されたコホートと比較して、ベンダムスチンまたはEDO-S101によって処置されたマウスコホートの縮減された平均脾臓重量は、図4bにおいて先に論じられた発見を裏付けている。ゆえに、フルダラビン処置またはコントロールコホートと比較して、EDO-S101または単剤ベンダムスチンによって処置されたコホートでは、腫瘍所見はより進行していないことが示された。
実施例5 - EDO-S101による処置後の白血病性血中白血球(WBC)カウントのインビボ分析
先に記載されている通りΔJAK1マウスに由来する白血病/リンパ腫細胞をマウスに注射した(図5)。ΔJAK1は成熟T細胞リンパ腫のモデルである。移植後に、マウスをランダムに4つの群に分けた。各群に、フルダラビン(18mg/kg)、ベンダムスチン(18mg/kg)、またはEDO-S101(18mg/kg)のどれかを、指摘されているドーズで第7日、第10日、第13日、第17日、および第22日に静脈投与した。各コホートのパーセンテージ生存を時間の関数としてプロットした(図5)。EDO-S101によって処置されたマウスの全般的な生存(平均生存26日)は、コントロールマウス(平均生存19日)、ベンダムスチン(平均生存18日)、またはフルダラビン(平均生存19日)と比較して有意に延ばされることが発見された。これらのデータは、EDO-S101による処置がT細胞リンパ腫のマウスの全般的な生存に対して正の効果を有し、ベンダムスチンまたはフルダラビンと比較して8日ほども平均生存時間を増大させるということを指摘している。

Claims (9)

  1. 処置の必要がある患者のT細胞前リンパ球性白血病(T-PLL)の処置への使用のための、チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物。
  2. T-PLLが転移性である、請求項1に記載の組成物。
  3. T-PLLが進行している、請求項1または2に記載の組成物。
  4. チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩が、患者体表面積1m当たり0.3mgから300mg、または患者体表面積1m当たり20mgから150mgの用量で患者に静脈投与される、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩が、処置サイクルの第1日にまたは21日の処置サイクルの第1日に患者に静脈投与される、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩が、60分の輸液時間;または45分の輸液時間;または30分の輸液時間に渡って患者に静脈投与される、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. チノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩が、患者体表面積1m当たり20mgから150mgの用量で、21日の処置サイクルの第1日に、60分の輸液時間に渡って患者に静脈投与される、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 患者がチノスタムスチンまたはその医薬的に許容される塩および放射線療法によって処置される、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 前記放射線療法処置が、連続5~10日間で1から5Gy、好ましくは連続5~10日間で2Gyの放射線量で患者に与えられる、請求項8に記載の組成物。
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