JP7176351B2 - 光導波路、接着層付き光導波路および電子機器 - Google Patents

光導波路、接着層付き光導波路および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、光導波路、接着層付き光導波路および電子機器に関するものである。
光導波路は、シート状をなしているため、接着剤を介して任意の被着体に貼り付けた状態で用いられることがある。例えば、特許文献1では、接着剤を介して光導波路を基板に接着している。これにより、光配線の表面実装が可能になる。その結果、低背化を図りつつ、光伝送が可能なデバイスを構築することができる。
特開2017-198778号公報
しかしながら、シート状をなす光導波路は、接着面積が大きくなる分、接着面に気泡が残留しやすい。残留した気泡は、気温や気圧の影響を受けて膨張、収縮する。このため、気泡の体積変化に応じて光導波路の内部に応力が発生し、光導波路を伝搬する光信号の伝送効率が低下するという課題がある。
本発明の目的は、被着体に対して密着性よく貼り付けることができ、かつ、貼り付け後の信頼性も高い光導波路および接着層付き光導波路、ならびに、信頼性の高い電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記(1)~(10)の本発明により達成される。
(1) シート状をなし、接着層を介して被着体に接着して用いられる光導波路であって、
光を伝送可能なコア部および側面クラッド部を備えるコア層と、
前記光導波路を厚さ方向に貫通する貫通孔と、
を有し、
前記コア層を厚さ方向から見たとき、前記コア部は、前記貫通孔を囲むように設けられており、
前記コア部の弾性率は、前記側面クラッド部の弾性率より大きいことを特徴とする光導波路。
(2) 前記コア部は、複数設けられており、
複数の前記コア部は、それぞれ前記貫通孔を囲むように設けられている上記(1)に記載の光導波路。
(3) 複数の前記コア部は、前記貫通孔を同心状に囲むように設けられている上記(2)に記載の光導波路。
(4) 前記コア層を厚さ方向から見たとき、前記貫通孔の形状は円形である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の光導波路。
(5) 前記コア層を厚さ方向から見たとき、前記コア部は、円環状をなす円環部を含んでおり、
前記円環部と前記貫通孔の中心との距離は、前記円環部の全周にわたって等しい上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の光導波路。
(6) 前記コア層を厚さ方向から見たとき、前記貫通孔に内接する真円の直径は、1~50mmである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の光導波路。
(7) 前記コア部に光が入射する、または、前記コア部からの光が出射する、光入出射点を有する上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の光導波路。
(8) 前記コア部は、
前記貫通孔を囲むように湾曲している湾曲部と、
前記湾曲部に接続されている直線部と、
を含む上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の光導波路。
(9) 上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の光導波路と、
前記光導波路に接して設けられている接着層と、
を有することを特徴とする接着層付き光導波路。
(10) 上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の光導波路を備えることを特徴とする電子機器。
本発明によれば、被着体に対して密着性よく貼り付けることができ、かつ、貼り付け後の信頼性も高い光導波路および接着層付き光導波路が得られる。
また、本発明によれば、信頼性の高い電子機器が得られる。
第1実施形態に係る光導波路を示す平面図である。 図1に示す光導波路の部分拡大斜視図である。 第1実施形態に係る光導波路の作用を説明するための図であって、光導波路については図1のA-A断面図に対応している図である。 第1実施形態に係る光導波路の作用を説明するための図であって、光導波路については図1のA-A断面図に対応している図である。 図1に示す貫通孔の部分拡大図である。 図1に示す貫通孔の部分拡大図である。 第2実施形態に係る光導波路を示す平面図である。 第3実施形態に係る光導波路を示す平面図である。 第4実施形態に係る光導波路を示す平面図である。 第5実施形態に係る光導波路を示す平面図である。 第6実施形態に係る光導波路を示す平面図である。
以下、本発明の光導波路、接着層付き光導波路および電子機器について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
まず、第1実施形態に係る光導波路について説明する。
図1は、第1実施形態に係る光導波路を示す平面図である。図2は、図1に示す光導波路の部分拡大斜視図である。図3および図4は、それぞれ第1実施形態に係る光導波路の作用を説明するための図であって、光導波路については図1のA-A断面図に対応している図である。なお、図1では、複数の層が積層されてなる光導波路のうち、コア層を透視して図示している。また、以下の説明では、説明の便宜上、図3および図4の下方を「下」、上方を「上」として説明している。また、以下の説明における「平面視」とは、図1に示す面を正視することをいう。
図1に示す光導波路1は、シート状をなしている。光導波路1の平面視形状は、図1の左右方向において互いに対向する一対の短辺と、図1の上下方向において互いに対向する一対の長辺と、を有する長方形をなしている。そして、一対の短辺の一方に光入出射点1aが設けられ、他方に光入出射点1bが設けられており、光入出射点1aと光入出射点1bとの間で光信号を伝送することができるようになっている。これにより、光入出射点1a、1b間において光通信を行うことができる。
本実施形態に係る光導波路1は、図2の下側から、下側保護層17、クラッド層11、コア層13、クラッド層12、および上側保護層18がこの順で積層された積層体である。このうち、コア層13中には、図1に示す光入出射点1aから光入出射点1bにかけて延在する長尺状の4本のコア部14と、コア部14の側面に隣接して設けられた側面クラッド部15と、が形成されている。
一方、図1に示す光導波路1は、側面クラッド部15の位置において光導波路1を厚さ方向に貫通する貫通孔19を有している。
このような光導波路1は、図3に示すように、接着層2を介して任意の被着体9に接着するように用いられる。光導波路1を被着体9に接着するには、まず、図3に示すように、光導波路1の下面に接着層2を設ける。その後、接着層2と被着体9とが接するように、光導波路1と被着体9とを貼り合わせて接着する。ところがその際、接着層2と被着体9との間に空気を巻き込むことがある。このようにして巻き込まれた空気は、図4に示すような気泡8として接着層2と被着体9との間に残存する。
かかる課題に対し、本実施形態では、光導波路1に貫通孔19を設けている。この貫通孔19は、光導波路1を厚さ方向に貫通している。このため、この貫通孔19を介して気泡8を効率よく除去することができる。また、仮に気泡8が残存していると、気温や気圧の変化に応じて気泡8が膨張したり破裂したりするおそれがあるところ、本実施形態によればかかる懸念も解消することができる。
したがって、図1に示す光導波路1は、被着体9に対して密着性よく貼り付けることができ、かつ、貼り付け後の信頼性も高いものとなる。
以下、光導波路1の各部についてさらに詳述する。
-コア層-
図1に示すコア層13中に形成されているコア部14は、図2に示すように、その側面が、側面クラッド部15およびクラッド層11、12で囲まれている。そして、コア部14の屈折率は、側面クラッド部15やクラッド層11、12の屈折率よりも高くなっている。これにより、コア部14に光を閉じ込めて伝搬させることができる。
コア層13において、コア部14の光路に直交する面内における屈折率分布は、いかなる分布であってもよく、例えば屈折率が不連続的に変化したいわゆるステップインデックス(SI)型の分布であってもよく、屈折率が連続的に変化したいわゆるグレーデッドインデックス(GI)型の分布であってもよい。
また、コア部14の光路に直交する面によるコア部14の断面形状は、特に限定されず、真円、楕円形、長円形等の円形、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形、その他の異形状であってもよい。
コア層13の平均厚さは、特に限定されないが、1~200μm程度であるのが好ましく、5~100μm程度であるのがより好ましく、10~70μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、光導波路1の伝送効率の低下を抑えつつ光導波路1の薄型化を図ることができる。
コア層13の構成材料(主材料)としては、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリブチレンテレフタレート(PBT)のようなポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリサルフォン、ポリエーテル、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂のような各種樹脂材料等が挙げられる。なお、樹脂材料には、異なる組成のものを組み合わせた複合材料も用いられる。
-クラッド層-
クラッド層11、12の平均厚さは、それぞれ1~200μm程度であるのが好ましく、3~100μm程度であるのがより好ましく、5~60μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、光導波路1が必要以上に厚膜化するのを防止しつつ、クラッド層11、12としての機能が確保される。
また、クラッド層11、12の構成材料(主材料)としては、例えば、前述したコア層13の構成材料と同様の材料を用いることができる。
また、クラッド層11、12は、必要に応じて設けられればよく、省略されてもよい。このとき、例えばコア層13が外気(空気)に曝されていれば、その外気がクラッド層11、12として機能する。
-保護層-
図2に示す光導波路1では、クラッド層11の下面に下側保護層17が設けられ、クラッド層12の上面に上側保護層18が設けられている。このような下側保護層17および上側保護層18を設けることにより、コア層13やクラッド層11、12を保護し、外部環境等に起因したコア部14の伝送効率の低下を抑制することができる。
下側保護層17および上側保護層18の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド等の各種樹脂を含む材料が挙げられる。
下側保護層17および上側保護層18の平均厚さは、特に限定されないが、5~500μm程度であるのが好ましく、10~400μm程度であるのがより好ましい。
また、下側保護層17および上側保護層18は、互いに同じ構成であっても互いに異なる構成であってもよい。なお、下側保護層17および上側保護層18は、それぞれ必要に応じて設けられればよく、少なくとも一方が省略されていてもよい。
また、以上のような各層の積層体である光導波路1は、可撓性を有していることが好ましい。このような可撓性があれば、被着体9の表面が曲面であったり、不連続面であったりした場合でも、その表面に追従するように光導波路1を接着することができる。これにより、光導波路1の密着性をより高めることができ、貼り付け後に剥がれ等の不具合が発生しにくくなる。
-貫通孔-
図1に示す光導波路1は、前述したように、その厚さ方向に貫通する貫通孔19を有している。この貫通孔19は、前述したように、接着層2を介して光導波路1と被着体9とを貼り合わせて接着する際、接着層2と被着体9との間に残存した気泡8を排出するための経路となる。したがって、このような貫通孔19を設けることにより、光導波路1を被着体9に貼り付ける際の密着性を高めることができる。
また、仮に気泡8が残存していると、例えば貼り付けられた光導波路1が気温や気圧の変化に曝されたとき、気泡8が膨張したり破裂したりする不具合が発生するおそれがあるところ、かかる不具合を解消または減少させることができる。その結果、被着体9が過酷な環境下に置かれた場合であっても、光導波路1の密着性が低下しにくくなり、光導波路1が接着された状態を長期にわたって安定的に維持することができる。
一方、このような貫通孔19を設けることにより、光導波路1の機械的強度が低下するという懸念がある。すなわち、貫通孔19は、光導波路1における亀裂の起点になるおそれがある。また、光導波路1を被着体9に貼り付けた際、貫通孔10の周辺の平坦性が低下し、接着体の厚さの均一性が低下するおそれがある。
そこで、本実施形態では、コア層13を厚さ方向から見たとき、貫通孔19を囲むようにコア部14を配置している。その上で、コア部14の弾性率を、側面クラッド部15の弾性率よりも高くなるように設定している。このようにして弾性率が高いコア部14を配置することにより、貫通孔19の周囲が、相対的に弾性率が大きいコア部14によって補強されることとなる。これにより、貫通孔19が光導波路1における亀裂の起点になる確率を下げることができる。その結果、被着体9に対して密着性よく貼り付けることができ、かつ、貼り付け後も亀裂や剥がれ等の不具合を発生させにくい、信頼性の高い光導波路1が得られる。また、貼り付け後の厚さの均一性を高めることができるので、寸法精度の高い接着体を実現することができる。
なお、「貫通孔19を囲むようにコア部14を配置する」とは、以下の2つの要件を満たすようにコア部14を配置した状態をいう。
第1の要件は、貫通孔19とコア部14との距離が、貫通孔19の内径dの10倍以下であるという要件である。
第2の要件は、貫通孔19の縁の長さの半分以上にわたって、第1の要件を満たすコア部14が存在しているという要件である。
以下、これら2つの要件について説明する。
図5および図6は、それぞれ図1に示す貫通孔19の部分拡大図である。なお、図5および図6では、説明の便宜のため、図1に示す4本のコア部14のうち、1本のみを図示している。また、図5に示す貫通孔19の内径dとは、貫通孔19に内接する仮想の内接円の直径のことをいう。なお、図5および図6では、貫通孔19の平面視形状がほぼ真円であるため、貫通孔19に内接する仮想の内接円は、貫通孔19の縁とほぼ一致している。さらに、コア部14と貫通孔19との距離L1(図5参照)とは、貫通孔19の縁に直交する仮想直線VL(図6参照)上における、貫通孔19の縁からコア部14までの最短距離のことをいう。
そして、第1の要件では、貫通孔19からの距離L1が、貫通孔19の内径dの10倍以下(10d以下)である、という位置関係を満たすコア部14が存在していることが必要とされる。すなわち、貫通孔19の内径dを基準長さとすると、貫通孔19の縁からこの基準長さの10倍以下という比較的近い距離に、コア部14が存在していることが求められる。これにより、相対的に弾性率が高いコア部14による貫通孔19の補強効果が、必要かつ十分に発揮されることとなる。その結果、貫通孔19を起点とした亀裂等が発生する確率を十分に下げることができる。
一方、第2の要件では、貫通孔19の縁の長さの半分以上にわたって、第1の要件を満たすコア部14が存在していることが必要とされる。すなわち、第2の要件では、貫通孔19の縁の全長(全周)の半分以上において、その縁に直交する仮想直線VL上に第1の要件を満たすコア部14が存在している状態を指している。換言すれば、第2の要件では、貫通孔19の全周をコア部14が囲んでいる必要はなく、少なくとも全周の半分以上がコア部14で囲まれていればよい。図6では、貫通孔19の縁に直交する仮想的な直線VLを8本引いている。このようにして引くことのできる直線VLの本数は、理論的には無限であるが、図6では、説明の便宜上、等間隔に8本のみ引いている。
また、図5および図6では、説明の便宜のため、貫通孔19からの距離が貫通孔19の内径dの10倍以下である範囲内にドットを付し、この領域を「貫通孔周辺領域191」とする。
図6では、この貫通孔周辺領域191が、前述した8本の直線VLによって8つに分割されている。そして、図6に示すコア部14は、8つに分割された貫通孔周辺領域191、すなわち8つの分割領域のうち、5つ分にわたって配置されている。これら5つの分割領域の縁に2本ずつ位置する直線VLには、いずれにもコア部14が交差しているため、そのような条件を満たせば、その分割領域にコア部14が配置されているとみなす。換言すれば、各分割領域の外縁を構成する2本の直線VLのうち、コア部14が交差している本数が1本以下である場合、その分割領域にはコア部14が配置されていないとみなす。
このような考え方に基づくと、図6では、第1の要件を満たすコア部14が、貫通孔19の縁の半分以上、すなわち8分の5にわたって存在しているとみなすことができる。これにより、図6では、貫通孔19に比較的近い領域に対し、相対的に弾性率が大きいコア部14が配置され、それによる貫通孔周辺領域191の補強効果が、必要かつ十分に発揮されることとなる。その結果、貫通孔19を起点とした亀裂等が発生する確率を十分に下げることができる。
以上のように、本実施形態に係る光導波路1は、コア部14および側面クラッド部15を備えるコア層13と、側面クラッド部15を厚さ方向に貫通する貫通孔19と、を有し、コア層13を厚さ方向から見たとき、図1に示すように、コア部14が貫通孔19を囲むように設けられている。また、光導波路1は、コア部14の弾性率は、側面クラッド部15の弾性率より大きいという第3の要件も満たしている。そして、このような光導波路1は、シート状をなしており、接着層2(接着剤)を介して被着体9に接着して用いられる。
このような光導波路1によれば、貫通孔19の周囲を、比較的近い距離においてコア部14で補強することができる。このため、貫通孔19が光導波路1における亀裂の起点になる確率を下げることができる。その結果、被着体9に対して密着性よく貼り付けることができ、かつ、貼り付け後も亀裂や剥がれ等の不具合を発生させにくい、信頼性の高い光導波路1が得られる。また、補強により、貫通孔19が存在することに伴う光導波路1の歪みが抑制されるため、貼り付け後の厚さの均一性を高めることができる。
なお、コア部14の弾性率および側面クラッド部15の弾性率は、それぞれ50℃で求められた値である。また、これらの弾性率は、それぞれ以下のような測定方法により測定される。
まず、コア部14の構成材料および側面クラッド部15の構成材料により、試験片を作製する。試験片のサイズは、縦20mm、横5mm、厚さ0.04mmとする。そして、この試験片を動的粘弾性測定装置にセットし、測定温度20から200℃、引っ張りモード、周波数10Hz、自動静荷重の各条件で貯蔵弾性率E’を測定する。その上で50℃における測定結果をコア部14の弾性率および側面クラッド部15の弾性率とする。
なお、コア部14の弾性率は、側面クラッド部15の弾性率より大きければよいが、双方の差は好ましくは0.05GPa以上とされ、より好ましくは0.10GPa以上1.0GPa以下とされる。弾性率の差を前記範囲内に設定することにより、光導波路1の可撓性を損なうことなく、貫通孔周辺領域191を十分に補強することができる。一方、側面クラッド部15は、平面視においてコア層13の大部分を占める。コア層13における側面クラッド部15の占有率は、面積比で例えば95%以上である。このため、側面クラッド部15の弾性率よりもコア部14の弾性率を前記範囲内の程度、大きくしたとしても、光導波路1全体の可撓性は低下しにくい。
なお、側面クラッド部15の弾性率は、特に限定されないが、光導波路1の機械的強度と可撓性とを考慮すると、0.05GPa以上1.5GPa以下であるのが好ましく、0.10GPa以上1.0GPa以下であるのがより好ましく、0.10GPa以上0.6GPa以下であるのがさらに好ましい。これにより、光導波路1の機械的強度と可撓性とをより高度に両立させることができる。
また、貫通孔19とコア部14との距離L1は、前述したように、貫通孔19の内径dの10倍以下であることが求められるが、好ましくは2倍以下とされ、より好ましくは1倍以下とされ、さらに好ましくは0.5倍以下とされる。これにより、貫通孔周辺領域191をより確実に補強することができる。
一方、距離L1が上記のような範囲内にあるコア部14については、前述したように、貫通孔19の縁の長さの半分以上にわたって存在していることが求められるが、好ましくは60%以上にわたって存在し、より好ましくは70%以上にわたって存在する。これにより、貫通孔周辺領域191をより確実に補強することができる。
また、本実施形態に係る光導波路1には、図1に示すように、4本のコア部14が設けられている。そして、この4本のコア部14は、それぞれ互いに並列な関係を満たすように設けられており、それぞれ貫通孔19を囲むように設けられている。
このようにして複数のコア部14が貫通孔19を囲んでいることにより、貫通孔19の補強効果がより増強される。すなわち、貫通孔周辺領域191のうち、より広い面積がコア部14によって補強される。その結果、貫通孔19を起点とした亀裂等が発生したり、光導波路1を被着体9に貼り付けた際、接着体の厚さの均一性が低下したりする確率をさらに下げることができる。
なお、光導波路1に形成されるコア部14の数は、光導波路1に求められるチャンネル数や通信容量、通信速度等に応じて適宜設定され、特に限定されないが、1~3本であってもよく、5本以上であってもよい。
また、コア部14同士は、途中で交差していてもよいし、1本のコア部14から複数のコア部14が分岐していてもよい。なお、図1に示す光導波路1では、複数のコア部14が並列していることにより、互いに独立した光通信を行うことができる。
また、本実施形態に係る光導波路1では、4本のコア部14が、貫通孔19を同心状に囲むように設けられている。具体的には、図1に示す貫通孔19の平面視形状は真円であり、コア部14は、その貫通孔19の縁と平行に湾曲している部分を含んでいる。図1では、コア部14のうち、貫通孔19の縁と平行に湾曲している部分を「湾曲部141」としている。図1に示す4本のコア部14は、それぞれ湾曲部141を含んでいる。これらの湾曲部141は、互いに同一の貫通孔19を同心状に囲んでいる。すなわち、これらの湾曲部141は、互いに同一の点を中心とし、互いに半径が異なる弧に沿っており、図1では、それらの弧の中心が、いずれも貫通孔19の中心と一致している。その結果、貫通孔19から所定の距離の範囲(図5の貫通孔周辺領域191)内では、図1に示すように、貫通孔19から離れるにつれて、コア部14と側面クラッド部15とが一定のパターンで交互に配置されることになる。すなわち、この範囲内には、弾性率の高い部分と低い部分とが一定のパターンで交互に配置された領域が形成されることとなる。このような領域は、貫通孔19を起点とした亀裂の発生や貫通孔19に伴う歪みの発生をより確実に抑制するように作用する。このため、特に信頼性の高い光導波路1が得られる。
また、図1に示す光導波路1は、2つの貫通孔19を有している。そして、各貫通孔19について、それぞれ湾曲部141が設けられており、湾曲部141同士が接続されている。これにより、図1に示す湾曲部141は、S字状の線形を有している。
一方、湾曲部141の一端には、直線部143が接続されている。そして、この直線部143は、光入出射点1aまで延びている。また、湾曲部141の他端にも、直線部143が接続されている。そして、この直線部143も、光入出射点1bまで延びている。
このような光導波路1によれば、複数の貫通孔19が設けられているため、接着層2と被着体9との間に残存した気泡8をより効率よく排出することができる。
また、コア層13を厚さ方向から見たとき、図1に示す貫通孔19の形状は円形である。このように貫通孔19の形状が円形であることにより、貫通孔19の縁が、より亀裂の起点になりにくくなる。すなわち、貫通孔周辺領域191に応力が発生したとき、貫通孔19の形状が円形になっていると、その応力が一部に集中しにくくなる。その結果、亀裂や歪み等の発生が抑えられ、光導波路1の信頼性をより高めることができる。
なお、本明細書における円形とは、真円、楕円、長円といった形状や、これらの形状に準じた形状のことをいう。図1に示す貫通孔19は、ほぼ真円をなしている。この場合、応力が特に集中しにくくなる。
なお、図5に示す貫通孔19の内径dは、前述したように、貫通孔19に内接する仮想の真円、すなわち内接円の直径のことをいうが、かかる内径dは、1~50mmであるのが好ましく、2~40mmであるのがより好ましく、3~30mmであるのがさらに好ましい。
内径dを前記範囲内に収めることにより、貫通孔19の縁における応力の集中を抑えつつ、貫通孔19を介した気泡8の排出をより確実に行わせることができる。また、このような内径dの貫通孔19は、光導波路1に良好な可撓性を与え、被着体9の表面に対する光導波路1の密着性をより高めるように作用する。その結果、貼り付け後に剥がれ等の不具合を発生させにくい光導波路1を実現することができる。
なお、内径dが前記下限値を下回ると、接着層2に用いられる接着剤の物性によっては、貫通孔19が塞がれてしまい、気泡8を十分に除去することができないおそれがある。また、貫通孔19の縁において応力が集中しやすくなるおそれがある。一方、内径dが前記上限値を上回ると、貫通孔19自体の面積が大きくなりすぎるため、光導波路1の機械的強度が低下するおそれがある。また、光導波路1におけるコア部14の配置の自由度が低下するおそれがある。
また、図3に示すように、接着層2を介して被着体9に光導波路1を接着するとき、あらかじめ光導波路1側に接着層2を設けておくようにしてもよい。すなわち、図3に示す光導波路1と、光導波路1に接して設けられている接着層2と、により、接着層付き光導波路3(実施形態に係る接着層付き光導波路)を構築することができる。
このような接着層付き光導波路3は、接着層2が接着力を有しているため、任意の物体に貼り付けることができる。このため、接着層2を形成する工程を経ることなく、必要なタイミングで迅速に、被着体9に対して光導波路1を容易に貼りつけることができる。したがって、接着層付き光導波路3は、取り扱い性が良好という点で有用である。
接着層2を構成する接着剤としては、例えば、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤の他、ポリエステル系、変性オレフィン系の各種ホットメルト接着剤等が挙げられる。
また、接着層2は、被着体9に接触させた状態で硬化し、それに基づいて接着力を発現させる。したがって、接着層付き光導波路3における接着層2は、硬化する前の状態(未硬化状態)にある。未硬化状態にある接着層2は、液状であっても、固体状であってもよい。また、接着層2は、熱硬化性であっても、光硬化性であってもよい。
なお、接着層2は、光導波路1の下面の全面に設けられているのが好ましいが、設けられていない部分があってもよい。また、後者の場合、接着層付き光導波路3を被着体9に貼り付けた際、荷重を加えることによって接着層2を押し広げることにより、結果的に光導波路1の下面全体に広がることを前提にしていてもよい。
また、硬化後の接着層2の厚さは、特に限定されないが、例えば、1~100μmであるのが好ましく、5~60μmであるのがより好ましい。
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態に係る光導波路について説明する。
図7は、第2実施形態に係る光導波路を示す平面図である。なお、図7では、複数の層が積層されてなる光導波路のうち、コア層を透視して図示している。
以下、第2実施形態について説明するが、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図7において第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明したのと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2実施形態は、光導波路1Aのコア部14の線形が異なる以外、第1実施形態と同様である。
コア層13を厚さ方向から見たとき、図7に示すコア部14は、円環状に設けられている部分、すなわち円環部142を含んでいる。この円環部142は、貫通孔19を囲む閉じた円環を描くような線形を有している。具体的には、図7に示すコア層13には、同心状に設けられた4つの円環部142が形成されている。
そして、貫通孔19の中心Oと円環部142との距離L2は、円環部142の全周にわたって等しくなっている。これは、4つの円環部142のいずれにおいても同様である。このような円環部142を設けることにより、貫通孔19の周辺を均一に補強することができる。これにより、コア部14を設けることによって、かえって貫通孔19の周辺に応力が集中してしまうのを抑制することができる。その結果、貫通孔19を起点とした亀裂の発生をより確実に抑制することができる。
なお、貫通孔19の中心とは、貫通孔19に内接する仮想の内接円の中心である。図7では、貫通孔19の平面視形状がほぼ真円であるため、貫通孔19に内接する仮想の内接円の中心は、貫通孔19の中心とほぼ一致している。
また、図7に示すコア部14は、円環部142の円環の接線方向に延びる直線部143をさらに含んでいる。すなわち、4つの円環部142から、それぞれの接線方向に直線部143が分岐している。直線部143は、円環部142から分岐した後、光導波路1の端面に位置する光入射点1cまで延びている。
このような光導波路1Aでは、光入射点1cから光が入射すると、直線部143を介して光を円環部142に導入する。そして、光を円環部142において周回させることにより、伝搬損失を利用して徐々に光を減衰させることができる。したがって、このような光導波路1Aは、例えば光終端器としての利用が可能である。
また、図7に示す光導波路1Aは、円環部142および直線部143がそれぞれコア層13に形成されている。これに伴い、円環部142と直線部143とが同一面内において交差している。このように立体交差をさせることなく、同一面内において交差していても、交差部における光の交錯が起きにくいため、光導波路1Aは、より薄型の光終端器として有用である。
以上のような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態に係る光導波路について説明する。
図8は、第3実施形態に係る光導波路を示す平面図である。なお、図8では、複数の層が積層されてなる光導波路のうち、コア層を透視して図示している。
以下、第3実施形態について説明するが、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図8において第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明したのと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第3実施形態は、光導波路1Bのコア部14の線形が異なる以外、第1実施形態と同様である。
コア層13を厚さ方向から見たとき、図8に示すコア部14は、第1実施形態に係る湾曲部141および直線部143に加え、湾曲部141と貫通孔19との間に設けられている部分、すなわち貫通孔周縁部144を含んでいる。この貫通孔周縁部144は、貫通孔19に隣接し、貫通孔19を囲む閉じた円環を描くような線形を有している。具体的には、図8に示すコア層13には、貫通孔19と同心状に設けられた2つの貫通孔周縁部144が形成されている。
このような貫通孔周縁部144を設けることにより、貫通孔19の周辺を特に強固に補強することができる。すなわち、貫通孔19から亀裂が進展する場合、その亀裂の起点は貫通孔19の縁であることから、その縁が補強されることによって、貫通孔19を起点とした亀裂の発生をより確実に抑制することができる。
なお、前述した湾曲部141とそれに連続する直線部143とで構成された部分は、光入出射点1aと光入出射点1bとの間を光学的に接続している。このため、この部分は、これらの2点間で光を伝送するための導光路として機能する。
一方、貫通孔周縁部144は、光入出射点を有しない。このため、貫通孔周縁部144は、貫通孔19の周辺を補強する機能を有するものの、導光路としての機能を有さない。このため、貫通孔周縁部144の幅については、光の伝送効率を考慮することなく、機械的特性を優先して設定することが可能である。
一例として、貫通孔周縁部144の幅は、湾曲部141の幅より狭くても、湾曲部141の幅と等しくてもよいが、湾曲部141の幅の1.1倍以上であるのが好ましく、1.5倍以上100倍以下であるのがより好ましい。これにより、貫通孔19の周辺を特に強固に補強することができるとともに、貫通孔周縁部144が占める面積が大きくなりすぎるのを防止することができる。
なお、湾曲部141の幅および貫通孔周縁部144の幅とは、それぞれの長軸と直交する方向における長さのことをいう。
また、貫通孔周縁部144は、貫通孔19に露出しているのが好ましい。これにより、貫通孔19には、相対的に弾性率が大きい材料が露出することになるため、貫通孔19の縁を確実に補強して、貫通孔19が亀裂の起点になる確率をさらに下げることができる。
なお、以上のような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
≪第4実施形態≫
次に、第4実施形態に係る光導波路について説明する。
図9は、第4実施形態に係る光導波路を示す平面図である。なお、図9では、複数の層が積層されてなる光導波路のうち、コア層を透視して図示している。
以下、第4実施形態について説明するが、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図9において第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明したのと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第4実施形態は、光導波路1Cのコア部14の線形が異なる以外、第1実施形態と同様である。
コア層13を厚さ方向から見たとき、図9に示すコア部14は、第1実施形態に係る湾曲部141および直線部143に加え、湾曲部141および直線部143と並行し、かつ、これらを挟むように設けられた一対の部分、すなわち一対の並行部145を含んでいる。具体的には、図9に示すコア層13には、図1と同様の互いに並列する4本の湾曲部141および直線部143が形成されているが、図9には、さらに、これらの4本の湾曲部141および直線部143が並ぶ方向の両側(外側)にそれぞれ並行部145が設けられている。
このような並行部145を設けることにより、湾曲部141および直線部143が並ぶ方向の両側が補強される。このため、この方向の外側から湾曲部141および直線部143に向かって亀裂が進展する場合でも、並行部145によってその進展を阻止することができる。すなわち、並行部145は、湾曲部141および直線部143を亀裂等から保護する機能を有している。その結果、本実施形態に係る光導波路1Cによれば、湾曲部141および直線部143における導光路としての機能が損なわれる確率を低下させることができる。
したがって、並行部145は、導光路としての機能を有していてもよいが、この機能を有していなくてもよい。このため、後者の場合、並行部145の幅については、光の伝送効率を考慮することなく、機械的特性を優先して設定することが可能である。
一例として、並行部145の幅は、湾曲部141の幅より狭くても、湾曲部141の幅と等しくてもよいが、湾曲部141の幅の1.1倍以上であるのが好ましく、1.5倍以上100倍以下であるのがより好ましい。これにより、湾曲部141および直線部143の両側を特に強固に補強することができるとともに、並行部145が占める面積が大きくなりすぎるのを防止することができる。
なお、湾曲部141の幅および並行部145の幅とは、それぞれの長軸と直交する方向における長さのことをいう。
また、以上のような第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
≪第5実施形態≫
次に、第5実施形態に係る光導波路について説明する。
図10は、第5実施形態に係る光導波路を示す平面図である。なお、図10では、複数の層が積層されてなる光導波路のうち、コア層を透視して図示している。
以下、第5実施形態について説明するが、第3、第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図10において第3、第4実施形態と同様の構成部分については、先に説明したのと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第5実施形態は、光導波路1Dのコア部14の線形が異なる以外、第3、第4実施形態と同様である。すなわち、本実施形態に係る光導波路1Dは、第3実施形態が備える貫通孔周縁部144と第4実施形態が備える並行部145の双方を備えている。
コア層13を厚さ方向から見たとき、図10に示すコア部14は、第1実施形態に係る湾曲部141および直線部143に加え、貫通孔周縁部144および並行部145を含んでいる。これにより、光導波路1Dでは、貫通孔19の周辺を特に強固に補強することができるとともに、湾曲部141および直線部143に向かって亀裂が進展するのを阻止することができる。したがって、光導波路1Dは、特に信頼性の高いものとなる。
なお、以上のような第5実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
≪第6実施形態≫
次に、第6実施形態に係る光導波路について説明する。
図11は、第6実施形態に係る光導波路を示す平面図である。なお、図11では、複数の層が積層されてなる光導波路のうち、コア層を透視して図示している。
以下、第6実施形態について説明するが、第2~第5実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図11において第2~第5実施形態と同様の構成部分については、先に説明したのと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第6実施形態は、光導波路1Eのコア部14の線形が異なる以外、第2実施形態と同様である。
コア層13を厚さ方向から見たとき、図11に示すコア部14は、第2実施形態に係る円環部142および直線部143に加え、貫通孔19に隣接し、貫通孔19を囲む閉じた円環を描くような線形を有する貫通孔周縁部144と、円環部142および直線部143と並行し、かつ、これらを挟むように設けられた一対の並行部145と、を含んでいる。これにより、光導波路1Eでは、貫通孔19の周辺を特に強固に補強することができるとともに、円環部142および直線部143に向かって亀裂が進展するのを阻止することができる。したがって、光導波路1Eは、特に信頼性の高いものとなる。
なお、以上のような第6実施形態においても、第2実施形態と同様の効果が得られる。また、図11において、貫通孔周縁部144および並行部145のうち、いずれか一方が省略されていてもよい。
<電子機器>
上述したような光導波路1、1A、1B、1C、1D、1Eは、被着体9に対して密着性よく貼り付けることができ、かつ、貼り付け後も亀裂や剥がれ等の不具合を発生させにくい、信頼性の高い光導波路1が得られる。このため、かかる光導波路1、1A、1B、1C、1D、1Eを備えることにより、信頼性の高い電子機器を実現することができる。
本発明の電子機器としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、ゲーム機、ルーター装置、WDM装置、パソコン、テレビ、サーバー、スーパーコンピューター等の情報通信機器類や、医療用機器、センサー機器の他、車両、航空機、船舶の計器類、自動車制御機器、航空機制御機器、鉄道車両制御機器、船舶制御機器、宇宙船制御機器、ロケット制御機器のような移動体制御機器類、発電所、製油所、製鉄所、化学コンビナートのようなプラントを制御するプラント制御機器類等が挙げられる。
以上、本発明の光導波路、接着層付き光導波路および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、接着層付き光導波路は、接着層を覆うカバー層をさらに有していてもよい。このカバー層は、接着層付き光導波路を被着体に接着する直前に剥がされることで、清浄な接着面を容易に形成することができる。その結果、異物の巻き込みを抑えることができ、より密着性の高い接着を行うことができる。
また、コア部の線形は、特に限定されず、例えば図1においては貫通孔を全周にわたって囲む線形であってもよいし、貫通孔を囲まないコア部を含んでいてもよい。
また、光導波路に設けられる貫通孔の数は、特に限定されず、1個であっても、3個以上であってもよい。
また、貫通孔の形状は、円形以外の形状であってもよい。
また、光導波路の平面視形状は、前記実施形態における長方形に限定されず、任意の形状が採用される。一例として、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形、平行四辺形、菱形のような多角形、真円、楕円、長円のような円形等が挙げられる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.光導波路とガラス板との接着体の製造
(実施例1)
まず、図1、5、6に示す光導波路を用意した。この光導波路の寸法等は、以下の通りである。
・長辺の長さ :200mm
・短辺の長さ :100mm
・貫通孔の内径d :5mm
・貫通孔とコア部との距離L1 :1本のコア部が内径dの5倍
・貫通孔の縁をコア部が囲む割合 :63%
・コア部の弾性率(50℃) :0.60GPa
・側面クラッド部の弾性率(50℃) :0.20GPa
・コア部の幅 :40μm
・コア部のピッチ :250μm
次に、この光導波路をガラス板に接着剤を介して貼り付けた。接着剤にはエポキシ接着剤を用いた。
以上のようにして光導波路とガラス板との接着体を得た。
(実施例2~9)
製造条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして接着体を得た。
(比較例1~5)
製造条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして接着体を得た。なお、比較例5については、光導波路の貫通孔を省略した。
2.光導波路および接着体の評価結果
2.1 接着体における気泡の残留の評価結果
まず、接着体について、ガラス板側から目視で観察した。そして、気泡の有無を確認し、気泡があった場合には、その面積を計測した。
次に、接着体について、それぞれの気泡の面積を合計した。そして、比較例5の接着体における気泡の面積の合計を1としたとき、各実施例および各比較例の接着体における気泡の面積の合計の相対値を算出した。
算出結果を表1に示す。
2.2 接着体における厚さの均一性の評価結果
次に、接着体について、光導波路の上面の平坦性を測定した。そして、得られた測定結果を以下の評価基準に照らして、接着体の厚さの均一性を評価した。
<光導波路の上面の平坦性の評価基準>
A:光導波路の上面の平坦性が高い
B:光導波路の上面の平坦性がやや高い
C:光導波路の上面の平坦性が低い
以上の評価結果を表1に示す。
2.3 光導波路における可撓性の評価結果
次に、光導波路を手で曲げ、可撓性を評価した。なお、評価においては、以下の評価基準を用いた。
<可撓性の評価基準>
A:目的とする形状に容易に曲げられる
B:目的とする形状に曲げられるが、抵抗が大きい
C:目的とする形状に曲げることができない
以上の評価結果を表1に示す。
Figure 0007176351000001
表1に示すように、各実施例の接着体では、各比較例の接着体に比べて、気泡の残留が少なかった。また、各実施例の接着体では、各比較例の接着体に比べて、光導波路の上面の平坦性が高かったことから、接着体の厚さの均一性が高いことが認められた。さらに、各実施例の光導波路では、十分な可撓性が確保されていた。
1 光導波路
1A 光導波路
1B 光導波路
1C 光導波路
1D 光導波路
1E 光導波路
1a 光入出射点
1b 光入出射点
1c 光入射点
2 接着層
3 接着層付き光導波路
8 気泡
9 被着体
11 クラッド層
12 クラッド層
13 コア層
14 コア部
15 側面クラッド部
17 下側保護層
18 上側保護層
19 貫通孔
141 湾曲部
142 円環部
143 直線部
144 貫通孔周縁部
145 並行部
191 貫通孔周辺領域
L1 距離
L2 距離
O 中心
VL 仮想直線
d 内径

Claims (10)

  1. シート状をなし、接着層を介して被着体に接着して用いられる光導波路であって、
    光を伝送可能なコア部および側面クラッド部を備えるコア層と、
    前記光導波路を厚さ方向に貫通する貫通孔と、
    を有し、
    前記コア層を厚さ方向から見たとき、前記コア部は、前記貫通孔を囲むように設けられており、
    前記コア部の弾性率は、前記側面クラッド部の弾性率より大きいことを特徴とする光導波路。
  2. 前記コア部は、複数設けられており、
    複数の前記コア部は、それぞれ前記貫通孔を囲むように設けられている請求項1に記載の光導波路。
  3. 複数の前記コア部は、前記貫通孔を同心状に囲むように設けられている請求項2に記載の光導波路。
  4. 前記コア層を厚さ方向から見たとき、前記貫通孔の形状は円形である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光導波路。
  5. 前記コア層を厚さ方向から見たとき、前記コア部は、円環状をなす円環部を含んでおり、
    前記円環部と前記貫通孔の中心との距離は、前記円環部の全周にわたって等しい請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光導波路。
  6. 前記コア層を厚さ方向から見たとき、前記貫通孔に内接する真円の直径は、1~50mmである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光導波路。
  7. 前記コア部に光が入射する、または、前記コア部からの光が出射する、光入出射点を有する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光導波路。
  8. 前記コア部は、
    前記貫通孔を囲むように湾曲している湾曲部と、
    前記湾曲部に接続されている直線部と、
    を含む請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光導波路。
  9. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の光導波路と、
    前記光導波路に接して設けられている接着層と、
    を有することを特徴とする接着層付き光導波路。
  10. 請求項1ないしのいずれか1項に記載の光導波路を備えることを特徴とする電子機器。
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