JP6171341B2 - 光導波路用部材、光導波路、光導波路の製造方法および電子機器 - Google Patents

光導波路用部材、光導波路、光導波路の製造方法および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、光導波路用部材、光導波路、光導波路の製造方法および電子機器に関するものである。
近年、情報化の進展とともに、大容量の情報を高速で送受信ことができる広帯域回線(ブロードバンド)の普及が進んでいる。また、これらの広帯域回線に情報を伝送する装置として、ルーター装置、WDM(Wavelength Division Multiplexing)装置等の伝送装置が用いられている。これらの伝送装置内には、LSIのような演算素子、メモリーのような記憶素子等が組み合わされた信号処理基板が多数設置されており、各回線の相互接続を担っている。
各信号処理基板には、演算素子や記憶素子等が電気配線で接続された回路が構築されているが、近年、処理する情報量の増大に伴って、各基板では、より高いスループットで情報を伝送することが要求されている。しかしながら、電気信号の伝送速度を上げると、それに伴って、クロストークや高周波ノイズの発生、電気信号の劣化等の問題が顕在化する。このため、電気配線がボトルネックとなって、信号処理基板のスループットの向上が困難になっている。また、同様の課題は、スーパーコンピューターや大規模サーバー等でも顕在化しつつある。
一方、光搬送波を使用してデータを移送する光通信技術が開発され、近年、この光搬送波を、一地点から他地点に導くための手段として、光導波路が普及しつつある。この光導波路は、線状のコア部と、その周囲を覆うように設けられたクラッド部とを有している。コア部は、光搬送波の光に対して実質的に透明な材料によって構成され、クラッド部は、コア部より屈折率が低い材料によって構成されている。
光導波路では、コア部の一端から導入された光が、クラッド部との境界で反射しながら他端に搬送される。光導波路の入射側には半導体レーザー等の発光素子が配置され、出射側にはフォトダイオード等の受光素子が配置される。発光素子から入射された光は光導波路を伝搬し、受光素子により受光され、受光した光の明滅パターンもしくはその強弱パターンに基づいて通信を行う。
このような光導波路によって信号処理基板内の電気配線が置き換えられると、前述したような電気配線の問題が解消され、信号処理基板のさらなる高スループット化が可能になると期待されている。
電気配線を光導波路に置き換える際には、電気信号と光信号との相互変換を行う必要があることから、発光素子および受光素子を用いて光電変換を行う。すなわち、信号処理基板には、発光素子および受光素子と、これらの間を光学的に接続する光導波路と、を備えた光モジュールが必要となる。
例えば、特許文献1には、プリント基板と、プリント基板上に搭載された発光素子と、プリント基板の下面側に設けられた光導波路と、を有する光インターフェースが開示されている。そして、光導波路と発光素子との間は、プリント基板に形成された、光信号を伝送するための貫通孔であるスルーホールを介して光学的に接続されている。
上述したような光インターフェースにおいては、発光素子の発光部から出射した信号光を光導波路のコア部に入射させるべく、光導波路に形成されたミラーで光路を変換する必要がある。ところが近年、光通信の大容量化および高速化がさらに進んでいることから、ミラーを用いた光路変換における光損失をさらに低減させることが望まれている。
特開2005−294407号公報
本発明の目的は、光路変換における光損失が抑制された光導波路、かかる光導波路を効率よく製造するのに好適な光導波路用部材、前記光導波路を効率よく製造可能な光導波路の製造方法、および前記光導波路を備えた信頼性の高い電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(11)の本発明により達成される。
(1) コア部と、前記コア部の途中または延長線上に設けられ光反射により前記コア部の光路を変換するミラーと、を備える光導波路の製造に用いられる光導波路用部材であって、
コア部が形成されたコア層と、
前記コア層の一方の面側に積層された第1クラッド層と、
前記コア層の他方の面側に積層された第2クラッド層と、
前記第1クラッド層の前記コア層とは反対側に積層された第1保護層と、
前記第2クラッド層の前記コア層とは反対側に積層され、光透過性を有する第2保護層と、
を有し、
前記第1保護層は、一部が欠損してなる保護層欠損部を備えており、
前記第1クラッド層は、前記保護層欠損部に対応する一部が欠損してなるクラッド層欠損部を備えており、
前記コア層のうち前記クラッド層欠損部に対応する一部に前記ミラーとなる凹部が形成されるように用いられることを特徴とする光導波路用部材。
(2) 前記第1保護層および前記第2保護層は、その引張弾性率が前記コア層より高いものである上記(1)に記載の光導波路用部材。
(3) 前記第1保護層および前記第2保護層は、その引張弾性率が前記コア層の引張弾性率の1.1〜3倍である上記(2)に記載の光導波路用部材。
(4) 上記(1)ないし(3)のいずれか1項に記載の光導波路用部材と、
前記コア層の前記保護層欠損部に対応する位置に設けられ、前記コア層の表面を凹没させてなる凹部の内壁面からなるミラーと、を有することを特徴とする光導波路。
(5) 前記凹部の内壁面に成膜された金属膜を有する上記(4)に記載の光導波路。
(6) さらに前記保護層欠損部および前記凹部をそれぞれ充填するよう設けられた充填部を有する上記(5)に記載の光導波路。
(7) 前記凹部は、成形型の転写成形、ダイシング加工およびレーザー加工のうちのいずれかである上記(4)ないし(6)のいずれか1項に記載の光導波路。
(8) ア部が形成されたコア層の一方の面側に前記コア部の位置に対応する一部が欠損してなるクラッド層欠損部を備える第1クラッド層と前記クラッド層欠損部に対応して一部が欠損してなる保護層欠損部を備える第1保護層とを前記コア層側からこの順で積層するとともに、前記コア層の他方の面側に、第2クラッド層と光透過性を有する第2保護層と前記コア層側からこの順で積層し、光導波路用部材を得る工程と、
前記クラッド層欠損部内に対応する前記コア部の途中または延長線上に凹部を形成する加工を施すことにより、光反射により前記コア部の光路を変換するミラーを得る工程と、
を有することを特徴とする光導波路の製造方法。
(9) 成形型の転写成形、ダイシング加工およびレーザー加工のうちのいずれかにより前記凹部を形成する上記(8)に記載の光導波路の製造方法。
(10) クラッド層と保護層とを積層し、仮部材を得る工程と、
前記仮部材の一部を貫通加工して、前記クラッド層の一部が欠損してなるクラッド層欠損部と前記保護層の一部が欠損してなる保護層欠損部とを形成する工程と、
コア部が形成されたコア層の一方の面側に、前記クラッド層欠損部が前記コア部の位置に対応するように前記仮部材を積層し、光導波路用部材を得る工程と、
前記クラッド層欠損部内に対応する前記コア部に凹部を形成する加工を施す工程と、
を有することを特徴とする光導波路の製造方法。
(11) 上記(4)ないし(7)のいずれか1項に記載の光導波路を備えることを特徴とする電子機器。
本発明によれば、光路変換における光損失が抑制され、他の光学部品との間で高品質な光通信を行い得る光導波路が得られ、また、これを効率よく製造することができる。
また、本発明によれば、上記光導波路を効率よく製造するのに好適な光導波路用部材が得られる。
また、本発明によれば、上記光導波路を備えた信頼性の高い電子機器が得られる。
本発明の光導波路の第1実施形態を示す(一部透過して示す)斜視図である。 図1に示す光導波路の縦断面図である。 本発明の光導波路の製造方法の第1実施形態を示す断面図である。 本発明の光導波路の製造方法の第1実施形態を示す断面図である。 本発明の光導波路の第2実施形態を示す断面図である。 本発明の光導波路および本発明の光導波路用部材の第3実施形態を示す(一部透過して示す)斜視図である。 図6に示す光導波路の縦断面図である。 本発明の光導波路および本発明の光導波路用部材の第4実施形態を示す(一部透過して示す)斜視図である。 本発明の光導波路用部材の第5実施形態を示す(一部透過して示す)斜視図である。
以下、本発明の光導波路用部材、光導波路、光導波路の製造方法および電子機器について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
≪第1実施形態≫
<光導波路>
まず、本発明の光導波路の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の光導波路の第1実施形態を示す(一部透過して示す)斜視図、図2は、図1に示す光導波路の縦断面図である。なお、図1、2は、図2の左右方向に延伸している光導波路の一端部のみを図示したものであり、この一端部以外の部位については図示を省略している。
図1に示す光導波路1は、帯状をなしており、その長手方向の一端部と他端部との間で光信号を伝送し、光通信を行う。
図1に示す光導波路1は、下側からクラッド層11(第2クラッド層)、コア層13およびクラッド層12(第1クラッド層)を積層してなる導波部10を備えている。コア層13中には長尺状のコア部14とその側面に隣接して設けられた側面クラッド部15とが形成されている。
また、光導波路1は、導波部10の下面に積層された支持フィルム(第2保護層)2と、導波部10の上面に積層されたカバーフィルム(第1保護層)3と、を備えている。
光導波路1の一端部には、カバーフィルム3とクラッド層12とを貫通するように、これらの一部を欠損させてなる欠損部171が形成されている。この欠損部171は、カバーフィルム3を欠損させてなる保護層欠損部172と、クラッド層12を欠損させてなるクラッド層欠損部173とで構成されている。欠損部171の形状は、光導波路1の平面視において矩形状をなしている。このような欠損部171を設けることにより、コア層13の上面の一部が欠損部171内に露出することとなる。このとき、コア部14の一部が欠損部171内に露出するよう、欠損部171の位置が決められている。
また、コア層13およびクラッド層11には、これらを貫通するよう凹部170が形成されている。この凹部170は、コア部14の長手方向の途中に位置しており、かつ、欠損部171内に開口するよう形成されている。したがって、光導波路1には、図1の上方からカバーフィルム3とクラッド層12とを貫通する欠損部171が形成されており、さらに、この欠損部171の内側においてコア層13とクラッド層11とを貫通する凹部170が形成されている。
凹部170の内面の一部(図2では、右側の傾斜面)は、コア部14の光路を変換するミラー(光路変換部)17である。この内面は平面状であり、コア部14の軸線に対して所定の角度だけ傾斜している。ミラー17によって光路を変換することにより、コア部14と他の光学部品とを光学的に接続することができる。
以下、光導波路1の各部について詳述する。
(コア層)
図1に示すコア層13中に形成されているコア部14は、クラッド部(側面クラッド部15および各クラッド層11、12)で囲まれており、コア部14に光を閉じ込めて伝搬することができる。
コア部14の屈折率は、クラッド部の屈折率より大きければよいが、その差は0.3%以上であるのが好ましく、0.5%以上であるのがより好ましい。一方、上限値は特に設定されないが、好ましくは5.5%程度とされる。屈折率差が前記下限値未満の場合、光を伝搬する効果が低下するおそれがあり、一方、屈折率差が前記上限値を上回る場合、光の伝送効率のそれ以上の向上は期待できない。
なお、前記屈折率差とは、コア部14の屈折率をA、クラッド部の屈折率をBとしたとき、次式で表される。
屈折率差(%)=|A/B−1|×100
また、コア部14の横断面における幅方向の屈折率分布は、いかなる形状の分布であってもよい。この屈折率分布は、屈折率が不連続的に変化したいわゆるステップインデックス(SI)型の分布であってもよく、屈折率が連続的に変化したいわゆるグレーデッドインデックス(GI)型の分布であってもよい。SI型の分布であれば屈折率分布の形成が容易であり、GI型の分布であれば屈折率の高い領域に信号光が集まる確率が高くなるため伝送効率が向上する。
また、コア部14は、平面視で直線状であっても曲線状であってもよい。さらに、コア部14は途中で分岐または他のコア部と交差していてもよい。
なお、コア部14の横断面形状は特に限定されず、例えば、真円、楕円形、長円形等の円形、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形であってもよいが、四角形(矩形状)であることにより、コア部14を形成し易い利点がある。
また、コア部14の幅および高さ(コア層13の厚さ)は、特に限定されないが、それぞれ1〜200μm程度であるのが好ましく、5〜100μm程度であるのがより好ましく、10〜70μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、光導波路1の伝送効率の低下を抑えつつコア部14の高密度化を図ることができる。
上述したようなコア層13の構成材料(主材料)は、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、PETやPBTのようなポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリサルフォン、ポリエーテル、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂のような各種樹脂材料の他、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスのようなガラス材料等を用いることができる。なお、樹脂材料は、異なる組成のものを組み合わせた複合材料であってもよい。
(クラッド層)
クラッド層11、12の平均厚さは、コア層13の平均厚さの0.05〜1.5倍程度であるのが好ましく、0.1〜1.25倍程度であるのがより好ましい。具体的には、クラッド層11、12の平均厚さは、それぞれ1〜200μm程度であるのが好ましく、3〜100μm程度であるのがより好ましく、5〜60μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、光導波路1が必要以上に厚膜化するのを防止しつつ、クラッド部としての機能が確保される。
また、クラッド層11、12の構成材料としては、例えば、前述したコア層13の構成材料と同様の材料を用いることができるが、特に(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、およびポリオレフィン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましく、(メタ)アクリル系樹脂またはエポキシ系樹脂がより好ましい。
また、光導波路1の横断面の厚さ方向の屈折率分布についても、特に限定されず、例えばSI型、GI型の分布が挙げられる。
光導波路1の幅は、特に限定されないが、2〜100mm程度であるのが好ましく、5〜50mm程度であるのがより好ましい。
また、コア層13中には、複数のコア部14を並列して、あるいは互いに交差するように形成することができる。光導波路1中に形成されるコア部14の数は、特に限定されないが、1〜100本程度であるのが好ましい。なお、コア部14の数が多い場合は、必要に応じて、光導波路1を多層化してもよい。具体的には、図1に示すクラッド層12上に、さらにコア層とクラッド層とを交互に重ねることにより多層化することができる。
また、クラッド層11、12は、必要に応じて設けられればよく、後述する支持フィルム2やカバーフィルム3の屈折率がコア部14の屈折率よりも低いのであれば、省略されてもよい。
(支持フィルムおよびカバーフィルム)
また、図1に示す光導波路1は、最下層として支持フィルム2を、最上層としてカバーフィルム3を、それぞれ備えている。
支持フィルム2およびカバーフィルム3の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド等の各種樹脂材料が挙げられる。
また、支持フィルム2およびカバーフィルム3の平均厚さは、特に限定されないが、5〜500μm程度であるのが好ましく、10〜400μm程度であるのがより好ましい。これにより、支持フィルム2およびカバーフィルム3は、適度な剛性を有するものとなるため、コア層13を確実に支持するとともに、外力や外部環境からコア層13を確実に保護することができる。
なお、クラッド層11と支持フィルム2との間、および、クラッド層12とカバーフィルム3との間は、双方またはいずれか一方の粘着力により接着されていてもよく、あるいは、接着剤、粘着剤、接着シート、粘着シート等の部材を介して、または熱圧着により接着されていてもよい。
また、支持フィルム2およびカバーフィルム3の引張弾性率(ヤング率)は、光導波路1の長さや幅、厚さ等に応じて適宜設定されるが、コア層13の引張弾性率よりも高くなるよう設定される。これにより、支持フィルム2やカバーフィルム3は、その内側に位置するコア層13を確実に保護し得るものとなる。具体的には、支持フィルム2およびカバーフィルム3の引張弾性率は、コア層13の引張弾性率の1.1〜3倍程度であるのが好ましく、1.2〜2.5倍程度であるのがより好ましい。このような範囲に設定することにより、支持フィルム2やカバーフィルム3は、コア層13との形状追従性を損なうことなく、コア層13をより確実に保護することができる。
支持フィルム2およびカバーフィルム3の引張弾性率は、1000〜20000MPa程度であるのが好ましく、1500〜15000MPa程度であるのがより好ましく、2000〜10000MPa程度であるのがさらに好ましい。支持フィルム2およびカバーフィルム3の引張弾性率を前記範囲内に設定することにより、支持フィルム2やカバーフィルム3は、その内側に位置するクラッド層11、12やコア層13をより確実に保護し得るものとなる。すなわち、引張弾性率が前記下限値を下回ると、光導波路1の長さや幅、厚さ等によっては、支持フィルム2やカバーフィルム3の剛性が低下し、外力からコア層13等を十分に保護することができなくなるおそれがある。一方、引張弾性率が前記上限値を上回ると、光導波路1の長さや幅、厚さ等によっては、支持フィルム2やカバーフィルム3の形状追従性が低下し、クラッド層11、12との間に剥離が生じ易くなるおそれがあり、また、光導波路1の可撓性が損なわれるおそれがある。
なお、支持フィルム2およびカバーフィルム3の引張弾性率は、JIS K 7127に規定された方法に準拠して測定され、測定温度は25℃とする。
また、支持フィルム2は、必要に応じて設けられればよく、クラッド層11がコア層13を保護するのに十分な機械的特性を備えている場合には、省略されてもよいが、コア層13を確実に保護するという観点から、カバーフィルム3のみでなく、光導波路1は支持フィルム2も備えているのが好ましい。
(欠損部および凹部)
カバーフィルム3には保護層欠損部172が、クラッド層12にはクラッド層欠損部173が、それぞれ形成されている。保護層欠損部172とクラッド層欠損部173とで構成される欠損部171により、コア層13の上面を露出させることができる。
凹部170は、このようにして露出させたコア層13の上面に開口するよう形成されている。すなわち、コア層13の上面のうち、コア部14に対応する位置を凹没させ、凹部170が形成されている。これにより、凹部170が備える2つの傾斜面は、それぞれコア部14を斜めに横切るように位置し、このうち図2の右側の傾斜面については、コア部14と空気(大気)との屈折率差に基づき、コア部14の光路を変換するミラー17として機能する。したがって、図2に示す光導波路1の右側から左側に向かって光が進行するとき、その光はミラー17により下方に反射される。よって、ミラー17の下方に他の光学部品を配置することにより、コア部14と他の光学部品とを光学的に接続することができる。
また、凹部170が欠損部171の内側に形成されているため、ミラー17の近傍では、コア層13およびコア層13に形成されたコア部14の側面のうち、欠損部171の内側に位置する部分が露出した状態になる。このようにコア部14が露出することにより、コア部14の側面には、コア部14の屈折率と空気(大気)との屈折率差が形成されることとなる。したがって、ミラー17の近傍におけるコア部14の界面には、比較的大きな屈折率差が形成されることとなり、コア部14のこの部位における伝送効率の向上が図られる。その結果、ミラー17を介して他の光学部品と光結合する際の結合効率を高めることができる。すなわち、光路変換における光損失が抑制され、他の光学部品との間で高品質な光通信を行い得る光導波路1が得られる。
光導波路1を平面視したとき、凹部170の開口は、欠損部171の開口の内側に位置しているのが好ましい。具体的には、欠損部171の開口と凹部170の開口との離間距離は、光導波路1の長さや幅、厚さ等に応じて適宜設定されるが、コア部14の軸線に平行な方向における離間距離L1(図1参照)が、0.02〜50mm程度であるのが好ましく、0.1〜30mm程度であるのがより好ましい。また、コア部14の軸線に直交する方向における離間距離L2(図1参照)は、0.02〜30mm程度であるのが好ましく、0.1〜20mm程度であるのがより好ましい。離間距離を前記範囲内に設定することによって、カバーフィルム3による保護機能を著しく損なうことなく、ミラー17の近傍における伝送効率の向上が十分に図られ、ミラー17を介した他の光学部品との光結合効率をより高めることができる。
また、欠損部171を設けることにより、凹部170を形成する際に凹部170の近傍に発生する応力が局所的に集中しないよう緩和することができる。すなわち、欠損部171を設けない場合、凹部170を形成した際に、加工歪み等が蓄積することによる応力集中が発生し易いが、欠損部171を設けることにより、凹部170の近傍の剛直性が低下し、応力が集中し難くなる。その結果、応力集中に伴う伝送効率の低下を抑制することができる。
欠損部171の開口の形状は、特に限定されず、図1に示す矩形以外に、三角形、五角形等の多角形、真円、楕円、長円のような円形、菱形、平行四辺形、台形等の形状であってもよい。
また、凹部170の開口の形状についても、特に限定されず、上述した欠損部171の開口と同様の形状であってもよいが、ミラー17として機能する傾斜面については、平面であるのが好ましいので、それに応じて開口の形状も設定される。
なお、欠損部171の開口の中心と凹部170の開口の中心とは、互いにずれていてもよいが、一致しているのが好ましい。これにより、コア部14周辺の形状バランスが比較的均一になり、意図しない変形等が生じるのを防止することができる。
また、ミラー17の傾斜角度は、コア部14の光路を変換し得る角度であれば特に限定されないが、好ましくはコア部14の軸線となす角度が10〜85°程度とされ、より好ましくは30〜60°程度とされる。
また、凹部170の深さは、本実施形態に限定されず、コア部14を斜めに横切る傾斜面を形成し得る深さであれば、コア層13の途中までの深さであってもよく、コア層13のみを貫通する深さであってもよく、クラッド層11の途中までの深さであってもよく、支持フィルム2に達する深さであってもよい。
<光導波路の製造方法>
次に、本発明の光導波路の製造方法の第1実施形態について説明する。
図3、4は、それぞれ本発明の光導波路の製造方法の第1実施形態を示す断面図である。なお、図3、4は、図1、2に示す光導波路1を製造する方法について示したものであり、図1、2と同様、光導波路1の一部については図示が省略されている。
図1に示す光導波路1を製造する方法は、[1]クラッド層12とカバーフィルム3とを積層してなる仮部材100を得る工程と、[2]前記仮部材100の一部を貫通加工して欠損部171を形成する工程と、[3]クラッド層12と接するように仮部材100とコア層13とを積層する工程と、[4]クラッド層11および支持フィルム2を積層し、光導波路用部材1000を得る工程と、[5]欠損部171内に対応するコア部14に凹部170を形成する工程と、を有する。以下、各工程について順次説明する。
[1]
まず、支持基板101上に、カバーフィルム3とクラッド層12をこの順で積層する。これにより、図3(a)に示す仮部材100を得る。
支持基板101は、仮部材100を支持し得る剛性を持つ基板であれば、いかなるものでもよい。支持基板101の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、ステンレス鋼のような各種金属材料、アルミナ、ジルコニアのような各種セラミックス材料、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートのような各種樹脂材料、石英ガラスのような各種ガラス材料等が挙げられる。
また、支持基板101上に仮部材100を形成した後、仮部材100を容易に剥離し得るよう、支持基板101の表面に剥離容易性を付与するようにしてもよい。剥離容易性を付与する方法としては、例えば、支持基板101の表面を改質する表面処理を施す方法、支持基板101の表面に離型層を成膜する方法等が挙げられる。離型層の構成材料としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂等が挙げられる。
カバーフィルム3は、原材料を支持基板101上に塗布し、硬化(固化)させることにより形成されたものであってもよく、別途作製したもの(フィルム)を支持基板101上に載置したものであってもよい。
また、クラッド層12も、原材料をカバーフィルム3上に塗布し、硬化(固化)させることにより形成されたものであってもよく、別途作製したもの(フィルム)をカバーフィルム3上に載置したものであってもよい。
[2]
次に、仮部材100の一部について、貫通させる加工を施す。これにより、クラッド層12にはクラッド層欠損部173を、カバーフィルム3には保護層欠損部172をそれぞれ形成し、図3(b)に示す欠損部171を形成する。
欠損部171の形成方法は、特に限定されないが、例えば、型抜き法、ダイシング法、インプリント法、レーザー加工法、電子線加工法等が挙げられる。
なお、仮部材100を形成した後、欠損部171を形成するのではなく、例えば、保護層欠損部172が形成されたカバーフィルム3とクラッド層欠損部173が形成されたクラッド層12を積層して欠損部171が形成された仮部材100を得るようにしてもよい。
[3]
次に、欠損部171が形成された仮部材100に対し、コア層13を積層する。コア層13は、仮部材100のクラッド層12と接するよう積層される。
コア層13については、原材料をクラッド層12上に塗布し、硬化(固化)させることにより形成するようにしてもよく、別途作製したもの(フィルム)をクラッド層12上に載置するようにしてもよい。
図3(c)では、支持基板102上にコア層13を形成した後、コア層13とクラッド層12とが接するように支持基板102と仮部材100とを重ねる。その後、コア層13から支持基板102を剥離することにより、図3(d)に示すように、下からカバーフィルム3とクラッド層12とコア層13をこの順で積層してなる積層体1100が得られる。
なお、支持基板102としては、前述した支持基板101と同様のものを用いることができる。
[4]
一方、支持基板103上に、支持フィルム2とクラッド層11をこの順で積層する(図4(e)参照)。これにより、積層体1200を得る。
次いで、得られた積層体1200を、クラッド層11とコア層13とが接するように、積層体1100と重ねる。これにより、図4(f)に示す光導波路用部材(本発明の光導波路用部材)1000が得られる。
このような光導波路用部材1000は、支持フィルム2と、クラッド層11と、コア層13と、クラッド層12と、カバーフィルム3とが、この順で積層されてなる積層体であり、クラッド層12とカバーフィルム3とを貫通するよう形成された欠損部171を備えている。
なお、支持基板103としては、前述した支持基板101と同様のものを用いることができる。
また、光導波路用部材1000の製造方法は、上記の方法に限定されず、例えば支持フィルム2、クラッド層11、コア層13、クラッド層12およびカバーフィルム3をこの順で積層した後、カバーフィルム3の一部とクラッド層12の一部とをハーフカットで除去することにより、光導波路用部材1000を得るようにしてもよい。
[5]
次いで、欠損部171内において露出しているコア層13に対し、図4(f)に示すように、成形型5を押圧する。これにより、コア層13およびクラッド層11には、成形型5の凸部51の形状が転写されることとなり、図4(g)に示す凹部170が形成される。
成形型5を押圧するときのコア層13およびクラッド層11の温度は、コア層13やクラッド層11が軟化し、かつ硬化(固化)しない温度であれば特に限定されないが、一例として30〜250℃程度であるのが好ましく、40〜180℃程度であるのがより好ましい。
また、成形型5を押圧するときの押圧力は、特に限定されないが、0.1〜20MPa程度であるのが好ましく、0.3〜10MPa程度であるのがより好ましい。
欠損部171内に露出しているコア層13に対して成形型5の凸部51を押圧すると、凸部51の圧入に伴ってコア層13やクラッド層11を構成する材料が押し退けられたり、圧縮されたりすることとなる。その結果、コア層13とクラッド層11に凹部170が形成される。
図4(f)に示す光導波路用部材1000では、凹部170を形成しようとする位置に欠損部171が形成されている。この欠損部171は、前述したように、カバーフィルム3とクラッド層12とを貫通するよう形成されている。したがって、成形型5の凸部51は、これらのカバーフィルム3やクラッド層12を通過し、その内側にあるコア層13に直接当接する。その結果、凸部51によって押し退けられたり、圧縮されたりする容積を最小限に抑えることができ、コア層13(コア部14)に形成される凹部170の寸法精度を高めることができる。
これに対し、凹部170を形成しようとする位置に欠損部171が形成されていない場合、成形型5の凸部51は、まず、カバーフィルム3を突き破り、続いてクラッド層12を突き破る必要がある。そして、ようやくコア層13に当接することができる。ところが、カバーフィルム3は、クラッド層12やコア層13を保護する目的で設けられているものであるため、外力や外部環境に対する耐久性を確保すべく、機械的強度(例えば引張弾性率等)の高いものになっている。このため、かかるカバーフィルム3に凸部51を圧入させた際、カバーフィルム3を簡単には突き破ることができず、カバーフィルム3が凸部51とともに凹部170内に引き込まれてしまう。その結果、形成される凹部170の形状が鈍ってしまい、必要な寸法精度が得られない。そればかりか、カバーフィルム3が凹部170内に引き込まれることにより、凹部170の内壁面がカバーフィルム3で覆われてしまうおそれもある。
したがって、上述したように、凹部170を形成しようとする位置にあらかじめ欠損部171を設けておくことにより、凹部170の形成に伴う不具合の発生を抑制して、寸法精度の高い凹部170を形成することができる。その結果、ミラー17によって光を設計通りの反射角度で反射させることができ、コア部14と他の光学部品との光結合効率をより高めることができる。
また、欠損部171が形成されていない場合、その分だけ、凸部51の圧入に伴って押し退けられたり、圧縮されたりする材料の容積が増大することとなる。このため、押し退けられた材料によってコア部14が著しく変形したり、凹部170周辺に著しい残留応力が発生する。その結果、コア部14の伝送効率が低下する。
これに対し、凹部170をあらかじめ設けておくことにより、前述したように押し退けられたり、圧縮されたりする容積を最小限に抑えることができるので、コア部14の変形や凹部170周辺における残留応力を抑制することができる。
また、カバーフィルム3に保護層欠損部172を形成するだけでなく、クラッド層12にもクラッド層欠損部173を形成することにより、上記効果がより顕著なものとなる。すなわち、クラッド層12にクラッド層欠損部173を設けることにより、成形型5の凸部51を、コア部14が形成されているコア層13に直接圧入することができるようになるため、クラッド層欠損部173を設けない場合に比べて、凹部170の寸法精度をより高めることができる。
なお、凹部170の形成方法は、上述したような成形型5を転写するインプリント法に限定されず、例えば、ダイシング法、レーザー加工法、電子線加工法等であってもよいが、好ましくはインプリント法、ダイシング法およびレーザー加工法のうちのいずれかが用いられる。このような加工法で凹部170を形成する場合であっても、欠損部171をあらかじめ設けておくことにより、凹部170の形成に伴う不具合の発生を抑制して、寸法精度の高い凹部170を形成することができる。すなわち、カバーフィルム3は、前述したように機械的強度の高いものであるため、上記のような加工法で形成するに際しても加工性に劣る。このため、カバーフィルム3の加工に要するエネルギーが大きくなり、それによって加工誤差が拡大したり、過熱による変質等が生じるおそれがある。したがって、あらかじめ欠損部171を設けておくことによって、凹部170を形成する際には、カバーフィルム3を加工することなくコア層13を直接加工することができ、高い加工性が得られる。よって、寸法精度の高い凹部170が得られる。なお、上述したような加工法によれば、凹部170を特に精密に加工することができる。
以上のようにして、図4(h)に示す光導波路1が得られる。得られた光導波路1は、ミラー17での光路変換における光損失が抑制され、他の光学部品との間で高品質な光通信を行い得るものとなる。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の光導波路の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の光導波路の第2実施形態を示す断面図である。なお、図5は、長尺状に延伸している光導波路の一端部のみを図示したものであり、この一端部以外の部位については図示を省略している。
以下、第2実施形態について説明するが、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の構成については、図5において同一符号を付してある。
第2実施形態に係る光導波路1は、欠損部171および凹部170の内壁面に金属膜18が成膜されている以外、第1実施形態に係る光導波路1と同様である。
図5(a)に示す光導波路1は、上述したように、欠損部171および凹部170の内壁面に連続して成膜された金属膜18を備えている。このような金属膜18を設けることにより、金属特有の光沢によって、ミラー17の反射率をより高めることができる。その結果、他の光学部品との結合効率の高い光導波路1が得られる。金属膜18の構成材料としては、例えば、アルミニウム、鉄、クロム、ニッケル、銅、亜鉛、銀、白金、金、鉛等が挙げられる。
金属膜18の平均厚さは、特に限定されないが、0.1〜500μm程度であるのが好ましく、0.5〜300μm程度であるのがより好ましい。これにより、十分な反射率を有するとともに、剥がれ難い金属膜18が得られる。
金属膜18の成膜方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法のような物理蒸着法、CVD法のような化学蒸着法、めっき法、熱転写法、金属箔転写法、印刷法、塗布法等が挙げられる。このうち、蒸着法では、マスクを介して蒸着することにより、凹部170の傾斜面に対して選択的に成膜することができる。また、熱転写法、金属箔転写法、印刷法、塗布法のような方法では、処理装置や部材を傾斜面に接触させる必要があるが、凹部170を形成しようとする位置に欠損部171が設けられていることにより、これらの処理装置や部材を傾斜面に接触させ易いので、金属膜18の成膜を効率よく行うことができるという利点がある。
なお、金属膜18は、少なくともミラー17を覆うように成膜されていれば、その他の部位については成膜を省略することができる。
また、図5(b)に示す光導波路1は、欠損部171および凹部170を充填するように設けられた充填部19を備えている。このような充填部19を設けることにより、上述した図5(a)に示す光導波路1と同様の作用、効果が得られるとともに、金属膜18と空気(大気)とが接触し、酸化することによる劣化を抑制することができる。その結果、ミラー17における反射率を、長期にわたって良好に維持することができる。加えて、充填部19によって凹部170が補強されるため、例えば凹部170による光導波路1の機械的強度の低下を補うことができる。
充填部19の構成材料としては、例えば、前述したコア層13の構成材料と同様のものが用いられるが、好ましくは樹脂材料が挙げられる。
また、充填部19の構成材料には、熱膨張率等の関係から、コア層13と同じものが好ましく用いられる。
≪第3実施形態≫
次に、本発明の光導波路および本発明の光導波路用部材の第3実施形態について説明する。
図6は、本発明の光導波路および本発明の光導波路用部材の第3実施形態を示す(一部透過して示す)斜視図、図7は、図6に示す光導波路の縦断面図である。なお、図6、7は、図7の左右方向に延伸している光導波路の一端部のみを図示したものであり、この一端部以外の部位については図示を省略している。
以下、第3実施形態について説明するが、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の事項については、図6、7において同一符号を付してある。
第3実施形態に係る光導波路1は、クラッド層欠損部173を省略した以外、第1実施形態と同様である。
図6に示す光導波路1では、上述したように、クラッド層欠損部173が省略され、保護層欠損部172のみで欠損部171が構成されている。また、欠損部171内にはクラッド層12が露出しており、凹部170は、図7に示すように、クラッド層12、コア層13およびクラッド層11を貫通するよう形成されている。
このような光導波路1においても、保護層欠損部172からなる欠損部171を備えているので、第1実施形態と同様の作用、効果が得られる。すなわち、ミラー17の近傍における伝送効率の高い光導波路1が得られる。また、凹部170を形成する際に、欠損部171があらかじめ設けられているため、寸法精度の高い凹部170を形成することができる。
≪第4実施形態≫
次に、本発明の光導波路および本発明の光導波路用部材の第4実施形態について説明する。
図8は、本発明の光導波路および本発明の光導波路用部材の第4実施形態を示す(一部透過して示す)斜視図である。なお、図8は、長尺状に延伸している光導波路の一端部のみを図示したものであり、この一端部以外の部位については図示を省略している。
以下、第4実施形態について説明するが、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の事項については、図8において同一符号を付してある。
第4実施形態に係る光導波路1では、コア部14が光導波路1の長手方向の一端部まで延伸せず、途中で途切れている。欠損部171は、コア部14が途切れている部位が露出する位置に設けられている。そして、凹部170は、コア部14の延長線上に形成されている。これにより、ミラー17は、コア部14の延長線を斜めに横切るように位置することとなるが、この場合もミラー17は、コア部14の光路を変換する光路変換部として機能する。
かかる第4実施形態も、第1実施形態と同様の作用、効果を奏する。
≪第5実施形態≫
次に、本発明の光導波路用部材の第5実施形態について説明する。
図9は、本発明の光導波路用部材の第5実施形態を示す(一部透過して示す)斜視図である。なお、図9は、長尺状に延伸している光導波路用部材の一端部のみを図示したものであり、この一端部以外の部位については図示を省略している。
以下、第5実施形態について説明するが、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した第1実施形態と同様の事項については、図9において同一符号を付してある。
第5実施形態に係る光導波路用部材1000は、コア層13に並列する2本のコア部14が形成されている以外、第1実施形態と同様である。
図9に示す光導波路用部材1000には、上述したように、コア層13に2本のコア部14が形成されており、また、これらのコア部14の双方が露出するような大きさの欠損部171が形成されている。
このような光導波路用部材1000においては、欠損部171内に露出したコア層13に対し、2本のコア部14の双方を横切る大きさの凹部を形成することにより、2つのミラー17を一括して形成することができるので、ミラー17の形成効率が高められる。
なお、コア層13に形成させるコア部14の数は、特に限定されず、3本以上であってもよい。また、欠損部171から露出するコア部14の数も3本以上であってもよく、コア部14の数によっては1つの光導波路用部材1000に複数の欠損部171を設けるようにしてもよい。
<電子機器>
上述したような本発明の光導波路は、光伝送効率に優れたものである。このため、本発明の光導波路を備えることにより、2点間で高品質の光通信を行い得る信頼性の高い電子機器が得られる。
本発明の光導波路を備える電子機器としては、例えば、携帯電話、ゲーム機、ルーター装置、WDM装置、パソコン、テレビ、ホーム・サーバー等の電子機器類が挙げられる。これらの電子機器では、いずれも、例えばLSI等の演算装置とRAM等の記憶装置との間で、大容量のデータを高速に伝送する必要がある。したがって、このような電子機器が本発明の光導波路を備えることにより、電気配線に特有なノイズ、信号劣化等の不具合が解消され、その性能の飛躍的な向上が期待できる。
さらに、光導波路部分では、電気配線に比べて発熱量が大幅に削減される。このため、冷却に要する電力を削減することができ、電子機器全体の消費電力を削減することができる。
また、本発明の光導波路は、伝送損失およびパルス信号の鈍りが小さく、多チャンネル化および高密度化しても混信が生じ難い。このため、高密度かつ小面積でも信頼性の高い光導波路が得られ、この光導波路を搭載することで、電子機器の信頼性向上および小型化が図られる。
以上、本発明の光導波路用部材、光導波路、光導波路の製造方法および電子機器について各実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。
例えば、支持フィルムは省略されてもよく、また、欠損部はクラッド層の層厚の途中まで形成されていてもよい。
また、カバーフィルムに形成される保護層欠損部とクラッド層に形成されるクラッド層欠損部とは、その形成領域が互いに一致していなくてもよい。
1 光導波路
10 導波部
11、12 クラッド層
13 コア層
14 コア部
15 側面クラッド部
17 ミラー
170 凹部
171 欠損部
172 保護層欠損部
173 クラッド層欠損部
18 金属膜
19 充填部
2 支持フィルム
3 カバーフィルム
5 成形型
51 凸部
100 仮部材
101、102、103 支持基板
1000 光導波路用部材
1100、1200 積層体

Claims (11)

  1. コア部と、前記コア部の途中または延長線上に設けられ光反射により前記コア部の光路を変換するミラーと、を備える光導波路の製造に用いられる光導波路用部材であって、
    コア部が形成されたコア層と、
    前記コア層の一方の面側に積層された第1クラッド層と、
    前記コア層の他方の面側に積層された第2クラッド層と、
    前記第1クラッド層の前記コア層とは反対側に積層された第1保護層と、
    前記第2クラッド層の前記コア層とは反対側に積層され、光透過性を有する第2保護層と、
    を有し、
    前記第1保護層は、一部が欠損してなる保護層欠損部を備えており、
    前記第1クラッド層は、前記保護層欠損部に対応する一部が欠損してなるクラッド層欠損部を備えており、
    前記コア層のうち前記クラッド層欠損部に対応する一部に前記ミラーとなる凹部が形成されるように用いられることを特徴とする光導波路用部材。
  2. 前記第1保護層および前記第2保護層は、その引張弾性率が前記コア層より高いものである請求項1に記載の光導波路用部材。
  3. 前記第1保護層および前記第2保護層は、その引張弾性率が前記コア層の引張弾性率の1.1〜3倍である請求項2に記載の光導波路用部材。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光導波路用部材と、
    前記コア層の前記保護層欠損部に対応する位置に設けられ、前記コア層の表面を凹没させてなる凹部の内壁面からなるミラーと、を有することを特徴とする光導波路。
  5. 前記凹部の内壁面に成膜された金属膜を有する請求項4に記載の光導波路。
  6. さらに前記保護層欠損部および前記凹部をそれぞれ充填するよう設けられた充填部を有する請求項5に記載の光導波路。
  7. 前記凹部は、成形型の転写成形痕、ダイシング加工痕およびレーザー加工痕のうちのいずれかである請求項4ないし6のいずれか1項に記載の光導波路。
  8. コア部が形成されたコア層の一方の面側に、前記コア部の位置に対応する一部が欠損してなるクラッド層欠損部を備える第1クラッド層と前記クラッド層欠損部に対応して一部が欠損してなる保護層欠損部を備える第1保護層とを前記コア層側からこの順で積層するとともに、前記コア層の他方の面側に、第2クラッド層と光透過性を有する第2保護層とを前記コア層側からこの順で積層し、光導波路用部材を得る工程と、
    前記クラッド層欠損部内に対応する前記コア部の途中または延長線上に凹部を形成する加工を施すことにより、光反射により前記コア部の光路を変換するミラーを得る工程と、
    を有することを特徴とする光導波路の製造方法。
  9. 成形型の転写成形、ダイシング加工およびレーザー加工のうちのいずれかにより前記凹部を形成する請求項8に記載の光導波路の製造方法。
  10. クラッド層と保護層とを積層し、仮部材を得る工程と、
    前記仮部材の一部を貫通加工して、前記クラッド層の一部が欠損してなるクラッド層欠損部と前記保護層の一部が欠損してなる保護層欠損部とを形成する工程と、
    コア部が形成されたコア層の一方の面側に、前記クラッド層欠損部が前記コア部の位置に対応するように前記仮部材を積層し、光導波路用部材を得る工程と、
    前記クラッド層欠損部内に対応する前記コア部に凹部を形成する加工を施す工程と、
    を有することを特徴とする光導波路の製造方法。
  11. 請求項4ないし7のいずれか1項に記載の光導波路を備えることを特徴とする電子機器。
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