JP2009122162A - 光基板の製造方法及び光基板、光集積回路、光インターコネクタ、光合分波器 - Google Patents

光基板の製造方法及び光基板、光集積回路、光インターコネクタ、光合分波器 Download PDF

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Abstract

【課題】光導波路を用いた光基板の製造において、光学素子と光導波路の光学的接続を高精度、かつ簡便に得ることができる量産に適した光基板及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】光透過性を有する基材と、光導波路とを有する光基板であって、光導波路が、その光導波路の両側面に突出した縁部を有し、前記基材上には該縁部を下部から支持するガイドが前記光導波路に対して平行に設けられていることを特徴とする光基板、さらには前記ガイドによって支持された光導波路の一方の端部が、光学素子の下面に接して接合されていることを特徴とする光基板とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、光通信、光情報処理に用いられる光集積回路、光インターコネクタあるいは光合分波器等に利用される光基板の製造方法に関する。
近年の高度情報化の進展に伴い、情報通信に用いられるルータやサーバ等の情報処理装置の高性能化はめざましく進んでおり、これら機器においては、通信信号の更なる高速化が求められている。この高速化においては、電子回路や電気回路における電気配線の通信品質が性能向上に影響を与えるために、通信速度を高速化する上でこの障害が無視できなくなってきている。
そのため、処理信号の高速化や電気ノイズの低減を始めとして、高速通信の障害となる課題解決に向けた有望な技術として、光配線を用いた技術が注目を集めている。特に、光配線を用いた大容量光インターコネクションを実現するために、光配線の高密度化や低損失接続が重要であり、高性能かつ価格低減に向けての様々な技術検討が行われている。この光インターコネクションを実現する具体的な方法として、光導波路を用いる方法が検討されている。この光導波路は、光透過性を有する材料からなる第一クラッド層を形成し、その上層に第一クラッド層よりも屈折率値の小さい光透過性を有する材料からなるコア層のパターンを形成する。更に、このコア層のパターン上にコア層のパターンより屈折率値の大きい光透過性を有する材料層を第二クラッド材料層として被覆形成し、光導波路が得られている。
これら光導波路は様々な検討が進められており、各種検討によって価格や加工簡便性の面から高分子材料が有利であると注目されてきており、活発な開発が進められている。この光導波路の形成方法の一例としては、光透過性を有する感光性高分子材料を適用してフォトリソグラフィを繰り返して光導波路の所望のコアパターンを形成する方法や、光導波路の所望コアパターンが形成された成型用型を用いて加圧成型して加熱硬化する方法などがある。しかし、これらの工法で形成される光導波路は実装上の取扱いにおいて外部からの力に対する耐性が低いため、光導波路端面が欠損しやすいという問題点がある。
一方、光導波路の実装、光学的接続において様々な製造方法の検討がなされている。例えば、特許文献1に示されたように、光導波路のコア部分の端面形状を凸型形状または凹型形状として光学的接合を容易にするといった構造が検討されている。しかしながら、この方法はコア部分が特に凸型形状の場合、光学的接続を行うために微細なコア部分を受光素子と接続する必要があるため、コア部分の形状を維持して接合を簡便に行なうためには、高い位置精度が必要となる。
また、特許文献2では、光学素子、半田金属材料層を形成した端子部が設けられた光電気素子体と、この光電気素子体に対応して前記光学素子、半田金属材料層が形成された端子部、前記端子部に対応した光導波路と端子部、電気配線が設けられた光電気配線基板を備えた光電気複合基板装置を、対向する所望位置に合わせ、前記光電気素子体または、前記光電気複合装置の端子部を光硬化型樹脂で被覆、硬化して光電気素子体と光電気複合基板装置の位置を固定した後、半田金属材料を加熱溶融して端子部を固定する製造方法が検討されている。これら端子部の接続は、半田金属材料層の加熱溶融による端子部間の接続を行っているが、接合において生じる位置ずれを半田金属の溶融による、セルフアライメントの作用を利用して矯正しているが、このその精度は±50μmであるため、光学的接続を高精度かつ簡便に行なうことは難しくなる。
さらに、特許文献3に示されたように、光導波路を有する光電気配線基板に光素子モジュールが挿入される挿入孔を穿設し、これに前記光素子モジュールの挿入部を前記光電気配線基板の挿入孔に挿入した後、前記光素子モジュールを加熱してモジュール表面の半田を溶融させ、溶融した半田で生じる表面張力を利用して位置合わせを行うことも検討されている。この方法の場合、半田を溶融するための加熱によって、前記光素子モジュール、前記光電気配線板が高温下に曝されるため、前記光素子モジュール、前記光電気配線基板の熱膨張係数等の物性値が同一でない場合には、加熱による歪みが生じて、高精度での位置合わせを行うことが困難となる。
特開2004−86185公報 特開2005−64303公報 特開2007−134446公報
本発明は、以上のような問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の課題とするところは、光導波路を用いた光基板の製造において、光学素子と光導波路の光学的接続を高精度、かつ簡便に得ることができる量産に適した光基板及びその製造方法を提供することにある。
本発明の請求項1に係る発明は、光透過性を有する基材と、光導波路とを有する光基板であって、前記光導波路は、該光導波路の両側面に突出した縁部を有し、前記基材上には該縁部を下部から支持するガイドが前記光導波路に対して平行に設けられていることを特徴とする光基板としたものである。
本発明の請求項2に係る発明は、前記ガイドによって支持された光導波路の一方の端部が、光学素子の下面に接して接合されていることを特徴とする請求項1に記載の光基板としたものである。
本発明の請求項3に記載された発明は、光透過性を有する基材の上に光透過性を有する第一樹脂材料からなる第1クラッド層を形成する工程と、前記第1クラッド層の上に光透過性を有する第二樹脂材料からなるコアパターンを形成する工程と、前記コアパターン上に光透過性を具備する第三樹脂材料からなる第二クラッド層を形成する工程と、により積層体を形成し、次に前記積層体のコアパターン間において矩形状に開口部を形成する工程と、前記開口部間で各光導波路を分断する工程と、により光導波路を形成し、光基板上に形成したガイド上に前記光導波路を挿入し、光学素子と接合することを特徴とする光基板の製造方法としたものである。
本発明の請求項4に記載された発明は、前記コアパターンを形成する工程において、フォトリソグラフィによりコアパターンを形成することを特徴とする請求項3に記載の光基板の製造方法としたものである。
本発明の請求項5に記載された発明は、前記コアパターンを形成する工程において、前記コアパターンに対応する凹形状を有する型を用いたモールド成型又は該型を用いたプレス加工によりコアパターンを形成することを特徴とする請求項3に記載の光基板の製造方法としたものである。
本発明の請求項6に記載された発明は、前記矩形状に開口部を形成する工程において、前記開口部に対応する凸形状を有する型を用いたモールド成型又は該型を用いたプレス加工により前記開口部を形成することを特徴とする請求項3に記載の光基板の製造方法としたものである。
本発明の請求項7に記載された発明は、前記各光導波路を分断する工程において、開口部間の積層体を切削することにより各光導波路を分断することを特徴とする請求項3に記載の光基板の製造方法としたものである。
本発明の請求項8に記載された発明は、請求項1又は2に記載の光基板を少なくとも有することを特徴とする光集積回路としたものである。
本発明の請求項9に記載された発明は、請求項1又は2に記載の光基板を少なくとも有することを特徴とする光インターコネクタとしたものである。
本発明の請求項10に記載された発明は、請求項1又は2に記載の光基板を少なくとも有することを特徴とする光合分波器としたものである。
本発明によれば、光導波路を用いた光基板の製造において、光学素子と光導波路の光学的接続を高精度、かつ簡便に得ることができる量産に適した光基板及びその製造方法が提供される。具体的には、
(1)光導波路がこれを平行に形成された基板上のガイドによって、光導波路側面方向が固定されるため、光導波路の設置が容易になりその位置精度が向上する。
(2)ガイド及び光導波路の縁部によって、光導波路の高さが制御できるために、光学素子との接続が容易となる。
(3)本発明の製造方法では、簡潔なプロセスで一度に複数の上記光基板の製造に適した光導波路を形成することができるため、生産性に優れる。
といった効果を有するものである。
本願発明の光基板の構成の一例を図1に示した。図1(A)は光導波路に平行で基板と垂直な面での断面図、図1(B)は光導波路に直交し、基板と垂直な面での断面図である。電極のパターン等が形成された光電気基板11上に、面発光レーザ(VCSEL)、フォトダイオード等の受発光素子を含む光学素子12が設置され、さらにこの光学素子と光学的に接合されるように光導波路9が設置されている。光導波路は、光導波路と平行に基板11上に形成されたガイド13によって保持されている。また、光導波路の光学素子接合側の端面は、光学素子との光学的接続のためにミラー構造となっている。端面界面での全反射あるいは金属膜を形成しての反射等、公知の手法を用いることができる。
図1(B)に示すように、光導波路の両側面に突出した縁部(庇部分)が形成され、ガイド13によって保持されている。本発明における光導波路の一般的な形態としては、矩形状の光導波路断面に、矩形状の突出した縁部が光導波路の両側面上端に形成されているものであるが、これに限られない。図から明らかなように、光導波路の延伸方向に直交する方向での光導波路の設置位置は、ガイドによって固定されるため、製造時の挿入が容易であり、位置精度を向上させることができる。また光学素子12との関係では、ガイド及び光導波路両側面の突出した縁部により光導波路の高さが制御可能であるため、光学素子の下面と、光導波路の接続位置の高さを容易に一致させることができることから、光学素子の受発光面と光導波路の接合が容易となる。
次に本発明の光基板の製造方法について説明する。まず、光透過性を有する基材を用意する。この基材は光導波路の保護層、支持体となるため、表面が平滑なガラス基板、表面が平滑な樹脂フィルム材料等を用いることができる。特に表面が平滑な樹脂フィルム材料として、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミドなどが好適である。
次に、基材の表面上に光透過性を有する第一クラッド層を形成する。この第一クラッド層は基材の表面全体に形成する。第一クラッド層としては、主に液体材料を用いることができ、用いる材料の選択によりフィルム状基材等の固体材料を用いることができる。第一クラッド層材料が液体である場合、ロールコート法及びダイコート法、ディップコート法、スピンコート法等が好適である。ロールコート法は、一定膜厚の第一クラッド層材料を塗布ロールに形成した後、その塗布ロールを基材上に接触させて塗布ロール上の材料を支持体に転移、塗布する方法である。ダイコート法は、基材との間に塗布膜厚となる一定間隔を保持した金属ヘッド(ダイ)から、塗布する材料を突出させて基材上に塗膜を形成する方法である。
また、ディップコート法は、第一クラッド層材料に支持体を浸漬して一定速度で引き上げて支持体上に塗膜を形成する方法である。また、スピンコート法は、液体材料を支持体上に滴下して一定回転数で支持体を回転して支持体上に一定膜厚の塗膜を形成する方法である。また、第一クラッド材料として、予め液体材料をフィルム状基材に塗布して形成した材料を用いる場合には、基材上に該フィルム基材をラミネート(貼り合わせ)することにより、第一クラッド層を形成することが可能である。第一クラッドを基材上に形成した後、必要に応じて塗膜の硬化を行なう。硬化の方法としては、紫外線による硬化、熱による硬化などが適用でき、材料の硬化形態によりその手段を選択できる。なお、第一クラッドとしては、一般に用いられる高分子材料を用いることができる。また、コア層及び第二クラッド材料層についても同様である。
次に、その第一クラッド層の上面に光透過性を有する第二樹脂材料からなる所望のコアパターンを形成する。この所望コアパターンは第一クラッド層上に選択的に形成されるもので、様々な手段を選択することが可能である。例えば、第一クラッド層上に第二樹脂材料を塗布し、塗膜表面を乾燥させた後、フォトリソグラフィを用いてコアパターンを形成する方法、つまり、フォトマスクに形成された所望パターンを紫外線照射により露光した後、現像によって所望コアパターンを形成する方法を用いることができる(図2(A)〜(D))。または、紫外線照射に代わって、設計データに基づく所望パターンをレーザ光線によってパターン描画(露光)した後、現像により所望のコアパターンを形成することもできる。または、所望コアパターンが溝状に形成された型を用いて、所望コアパターンを形成(モールド成型)することもできる。型に形成された所望コアパターンの溝に第二樹脂材料を充填した後、第一クラッド層が形成された基材に重ね合わせ、型の溝内部の第二樹脂材料を硬化させた後、型を第一クラッド層面から剥離(離型)して第二樹脂材料からなる所望コアパターンを形成させる方法である。型内の第二樹脂材料の硬化は、第二樹脂材料の硬化条件により、高温加熱による硬化、紫外線による硬化等を適宜選択することができる。またあるいは、第二樹脂層を塗布した後、同様の形状の型の凹部を所定の位置に合わせ、加圧してコアパターンを形成(プレス加工)することもできる(図3(C)、(D))。この場合も第二樹脂材料の硬化条件により、高温加熱による硬化、紫外線による硬化等を適宜選択することができる。
その後、第二樹脂材料層からなる所望コアパターンに対して、光透過性を有する第三樹脂材料を塗布して、塗膜を乾燥、硬化させて所望コアパターンを被覆することで、第二クラッド層を形成し、一体化された積層体からなる光基板が形成される(図2(E))。この所望コアパターンを被覆した後の第三樹脂材料の硬化は、第三樹脂材料の硬化条件によって、加熱による硬化、紫外線による硬化等を適宜選択することができる。
さらに、この積層体の厚さ方向に所望光基板パターンを切り分けるために設ける所定幅の矩形状の開口部(第一切断線領域)を、前記積層体のコアパターン間の所望コアパターンと平行となる位置に設け、前記所望コアパターンを被覆した第二クラッド層面から前記積層体の第一クラッド層の厚さ未満の位置まで形成し、さらに開口部間で積層体を切断(切削)することにより、積層体を個々の所望の光基板に分断し、図1(B)に示したように光導波路9の突出した縁部に相当する矩形状の段差形状の部分を形成する。第一切断線領域及び第二切断線領域の形成は、硬化して積層形成された積層体を、ダイシングソーなどの切断手段を用いて所望の形状、サイズに切断することにより、所望の光基板を形成することができる。切削においては、光基板断面の縁部を矩形状の段差形状とするため、開口部の幅を広く設け、その第一切断線領域部分に第二切断線領域を設けることにより所望の光基板に切断することができる。この切断線領域は切断手段にダイシングソーを用いる場合、第一切断線領域を加工するダイシングブレードの刃厚よりも第二切断線領域を加工するダイシングブレードの刃厚が薄いダイシンブブレードを適用する。これにより、同一の加工座標位置で加工した場合、切り分けられた光基板の縁部に矩形状の段差が形成される。
また、前記積層体に形成する矩形状の開口部の形成方法としては、第三樹脂材料で第二樹脂材料からなる所望コアパターンを被覆する工程と同時に形成することもできる。例えば、第二樹脂材料によって形成された所望コアパターン上に第三樹脂材料を被覆形成した後、開口部領域に対応するように凸型に形成された型を用いて第三樹脂材料を第二樹脂材料からなる所望コアパターン間に型の凸部が一致するように被覆して第三樹脂材料のパターンを接着し、第二クラッド層及び第二クラッド層の開口部を形成することができる。開口部間に第二切断線領域を設けて積層体を所望の光基板に切り分けることにより、その区分された前記光基板断面の縁部が矩形状の段差形状の部分を設けることができる。またあるいは、コアパターン上に第三樹脂材料を塗布した後に、同様の形状の型の凸部をコアパターン間中央に一致させて加圧して形成(プレス加工)することもできる。これらの場合もコアパターン形成時と同様に、第三樹脂材料の硬化条件により、高温加熱による硬化、紫外線による硬化等を適宜選択することができる。
一方、基板上のガイドの形成方法としては、公知の加工方法、設置方法を用いることができる。具体例としては、感光性ソルダーレジストを所定位置に所望膜厚になるように印刷またはラミネートした後、必要パターン形状を露光、現像の後、加熱硬化してガイドを形成する方法や、必要高さの段差部分と差込用ピンが成型されたスペーサを基板の所望位置に形成された貫通孔に挿入、固定してガイドとして配置する方法を用いることができる。
前記ガイド及び光導波路を形成後、ガイドに沿って光導波路を光基板に水平に挿入し、光導波路の延伸方向での光学素子との位置合わせをし、接着剤等で光学素子と光導波路の位置を固定する。
前述のように、上記の工程で作成された光導波路の縁部が矩形状の段差形状となっているため、光学素子と光基板を接合においては、光学素子が置載された光電気基板上の光基板接合部に設けられるガイド部等に沿って光基板を挿入して、位置合わせをすることで、光基板表面と光電気基板表面を接触させることなく、正確な光学素子との接合位置が設定できる。そして、最後に積層形成して硬化された積層体における所望パターンと垂直となる方向については、ダイシングソーなどの切断手段を用いて所望の形状、サイズに切断加工することにより、光基板を形成することができる。特に積層方向と直角に断面を形成するだけでなく、積層方向に対して傾斜角度を設けて切断することで、コア層を伝搬する光を屈折させるミラーを形成することも可能である。
以上説明したように、本発明の製造方法は、積層体となる光基板の断面の縁部が矩形状の段差を有するように形成する。従って、光学素子と光基板の接合において、光学素子が置載された光電気基板上の光基板接合部に設けられるガイド等に沿って光基板を挿入して位置決めをすることで、ガイド以外に光基板表面と光電気基板表面が直接接触することがないため、正確な光学素子との接合位置が設定可能な光基板を製造することができる。また、上述した製造方法では、光基板表面の損傷がない光基板を提供することができ、さらに、かかる光基板を使用することで、光伝送損失の少ない光集積回路、光インターコネクタ、光合分波器を提供することができる。
以下に、本発明の実施例について図を用いながら詳細に説明する。本明細書においては、同一部材については同一の符号を付す。図2(A)〜(G)は、本発明の実施例1に係る光基板の基材、第一クラッド層、第二樹脂材料からなるコアパターン、第二クラッド層形成を示す断面図である。
(ガイドの形成)
4層から成る光電気基板の回路パターンが形成されたプリント配線板表面に光導波路のガイドとして、感光性ソルダーレジストを膜厚120μmとなるように、スクリーン印刷する工程及び温風オーブンで80℃、20分間乾燥させる工程を繰り返した後、幅1mm長さ3mmのパターンが4.6mmの間隔で対に形成されているフォトマスクを用いて、露光量800mJ/cmでフォトマスクパターンをUV露光し、液温30℃、濃度1重量部の炭酸水素ナトリウム水溶液で現像してパターン形成した後、170℃、1時間加熱硬化することにより光導波路と受発光素子との接合用ガイドを形成した。
(光導波路の形成)
本発明の実施例1に係る光基板の製造方法について説明する。支持体に厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて、その支持体1上に前記第1クラッド層2を形成するため、屈折率1.55の感光性エポキシ樹脂材料をダイコータで25μm塗布した後、平行光紫外線照射装置を用いて、露光量500mJ/cmで平行光紫外線を照射して、支持体1上に第1クラッド層2を密着形成した(図2(A)参照)。
次に、前記クラッド層上に幅50μm、高さ50μmのストライプ状のコアパターン8を形成するため、第一クラッド層2と同様にダイコータを用いて屈折率1.53の感光性エポキシ樹脂材料を50μm塗布した後、温度80℃の温風オーブンの中で塗膜表面を乾燥させた(図2(B)参照)。そして、線幅50μm、長さ100mm、ピッチ250μmの光導波路パターンが4ch形成されたフォトマスクを用いて、露光量500mJ/cmの平行光紫外線を平行光紫外線照射装置で照射し(図2(C)参照)、パターン露光した。その後、γ−ブチロラクトンを現像液として、30秒浸漬の後、2−プロパノールで20秒リンス洗浄を行って所望コアパターン8を得た(図2(D)参照)。
次に、第一クラッド層2と同一の感光性エポキシ材料を第二クラッド層として、前記コアパターン上にダイコータを用いて塗布した。塗布は、前記コアパターン上への25μm塗膜形成されるように設定して行ない、塗布後は平行光紫外線照射装置を用いて、露光量500mJ/cmで平行光紫外線を照射して、支持体1上に第1クラッド層2を密着形成した(図2(E)参照)。
次に、積層体としての光基板の厚さ方向に所望光基板パターンを切り分けるため、まず、開口部領域をダイシングソーで切削加工した。ここでダイシングブレードは、刃厚60μmのブレードを適用し、第二クラッド層が上面となる位置で上面から75μmの深さの切断線領域を加工した。このとき、開口部は第一クラッド層と第二クラッド層の境界位置で止まっており、積層体を完全に分断していない。
次に、分断位置が開口部の幅の中心位置に重複するように、ダイシングブレードの刃厚25μmのブレードを適用し、開口部が形成された面上に深さ125μm加工し、各光導波路を分断した。これらの工程を得た後、長さ100mmとなるようにダイシングソーで切断することにより、幅50μm、高さ50μmのコアパターンが250μmピッチで入射、出射されるように100μm厚の支持体上に厚さ100μmの光基板が形成され、その挿入損失は3.0dBであった(図2(F)参照)。
次に、本発明の実施例2に係る光基板の製造方法について説明する。図3(A)〜(G)は、本発明の実施例2に係る光基板の基材、第一クラッド層、第二樹脂材料からなるコアパターン、第二クラッド層形成、そして光基板を実装した光電気基板を示す断面図である。基板上のガイドについては、実施例1と同様の工程で作製した。
(光導波路の形成)
上述した実施例1と同様に、支持体に厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いて、その支持体1上に前記第1クラッド層2を形成するため、屈折率1.55の感光性エポキシ樹脂材料をダイコータで25μm塗布した後、平行光紫外線照射装置を用いて、露光量500mJ/cmで平行光紫外線を照射して、支持体1上に第1クラッド層2を密着形成した(図3(A)参照)。
次に、前記クラッド層上に幅50μm、高さ50μmのストライプ状のコアパターン8を形成するため、第一クラッド層2と同様にダイコータを用いて屈折率1.53の感光性エポキシ樹脂材料を50μm塗布した後、温度80℃の温風オーブンの中で塗膜表面を乾燥させた(図3(B)参照)。そして、線幅50μm、長さ100mm、ピッチ250μmの光導波路パターン4chが深さ50μmで形成された型を用いて、第一クラッド層2に0.3MPaの圧力で加圧接着し、その状態で120℃に加熱し30分間保持した。その後、型を第一クラッド層2から剥離して、所望コアパターンを得た((図3(C)及び(D)参照)。
次に、第一クラッド層2と同一の感光性エポキシ材料を第二クラッド層として、第一クラッド層、コアパターン上に被覆させた後、第一切断線領域が高さ75μm、幅60μmの凸型に形成された型を用いて、第一切断線領域がコアパターンと平行になるように所定の位置に合わせてから0.3MPaの圧力で加圧接着し、その状態で120℃に加熱し30分間保持した。その後、型を第一クラッド層2から剥離して、矩形状の開口部が形成された積層体を得た(図3(E)参照)。
次に、前記積層体に形成された開口部間に開口部の幅の中心位置と重複するように、ダイシングブレードの刃厚25μmのブレードを適用し、開口部が形成された面上に深さ125μm加工し、各光導波路を分断した。これらの工程を得た後、長さ100mmで、光導波路の端部角度が45度となるようにダイシングソーでミラー加工して切断することにより、コア幅50μm、高さ50μmのパターンが250μmピッチで入射、出射される、厚さ100μmの光基板が100μm厚の支持体上に形成された。その挿入損失は3.0dBであった(図3(F)参照)。
次に、得られた光基板を、光学素子である面発光レーザ(VCSEL)、フォトダイオード等を置載した光電気基板の光電気接合部の凸状のガイドに、光電気基板に対して水平になるように載せ、面発光レーザの発光部分と光基板のコアの入射部分の位置合わせを行ない、位置合わせされた状態で接着材を用いてその位置を固定した。ここでの位置合わせは、ガイド部を利用して行なうことで、光基板と光伝記基板に間隔が設けられて接触がないため、光基板表面に損傷はなく、位置合わせは簡便に行うことができた。そして、面発光レーザが発光するよう信号を送信すると光基板のコアパターンを通じて非接合部の端部ミラーを反射して信号の出射が確認された。
本発明の一実施形態に係る製造法によれば、光電気基板と光基板の接合において、損傷しにくい光基板を製造することができ、光通信、光情報処理に用いられる光集積回路、光インターコネクタあるいは光合分波器等を高い良品率での量産化が可能となり、安価に利用することが期待できる。
本発明の光基板の一例を示す断面図である。 本発明の実施例1に係る光基板の形成工程における断面図である。 本発明の実施例2に係る光基板の形成工程における断面図である。
符号の説明
1:支持体
2:第一クラッド層
3:コア層
4:フォトマスク
5:第二クラッド層
6:第一切断線領域
7:第二切断線領域
8:ダイシングブレード
9:光基板
10:型
11:光電気基板
12:光学素子(VCSEL)
13:ガイド
14:コア
15:クラッド

Claims (11)

  1. 光透過性を有する基材と、光導波路とを有する光基板であって、
    前記光導波路は、該光導波路の両側面に突出した縁部を有し、前記基材上には該縁部を下部から支持するガイドが前記光導波路に対して平行に設けられていることを特徴とする光基板。
  2. 前記ガイドによって支持された光導波路の一方の端部が、光学素子の下面に接して接合されていることを特徴とする請求項1に記載の光基板。
  3. 光透過性を有する基材の上に光透過性を有する第一樹脂材料からなる第1クラッド層を形成する工程と、
    前記第1クラッド層の上に光透過性を有する第二樹脂材料からなるコアパターンを形成する工程と、前記コアパターン上に光透過性を具備する第三樹脂材料からなる第二クラッド層を形成する工程と、
    により積層体を形成し、
    次に前記積層体のコアパターン間において矩形状に開口部を形成する工程と、
    前記開口部間で各光導波路を分断する工程と、
    により光導波路を形成し、
    光基板上に形成したガイド上に前記光導波路を挿入し、光学素子と接合することを特徴とする光基板の製造方法。
  4. 前記コアパターンを形成する工程において、フォトリソグラフィによりコアパターンを形成することを特徴とする請求項3に記載の光基板の製造方法。
  5. 前記コアパターンを形成する工程において、前記コアパターンに対応する凹形状を有する型を用いたモールド成型又は該型を用いたプレス加工によりコアパターンを形成することを特徴とする請求項3に記載の光基板の製造方法。
  6. 前記矩形状に開口部を形成する工程において、前記開口部に対応する凸形状を有する型を用いたモールド成型又は該型を用いたプレス加工により前記開口部を形成することを特徴とする請求項3に記載の光基板の製造方法。
  7. 前記矩形状に開口部を形成する工程において、前記コアパターン間の積層体を切削することにより前記開口部を形成することを特徴とする請求項3に記載の光基板の製造方法。
  8. 前記各光導波路を分断する工程において、開口部間の積層体を切削することにより各光導波路を分断することを特徴とする請求項3に記載の光基板の製造方法。
  9. 請求項1又は2に記載の光基板を少なくとも有することを特徴とする光集積回路。
  10. 請求項1又は2に記載の光基板を少なくとも有することを特徴とする光インターコネクタ。
  11. 請求項1又は2に記載の光基板を少なくとも有することを特徴とする光合分波器。
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