JP2013195462A - 光導波路及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下部クラッド層、光信号伝達用コアパターン及び上部クラッド層が順に積層され、かつ該光信号伝達用コアパターンに光信号取り出し部が形成されてなる光導波路であって、該光信号伝達用コアパターンと併設されたガイド用コアパターンを有し、該ガイド用コアパターンが位置合わせ用ガイド孔を形成し、該位置合わせ用ガイド孔が光導波路の少なくとも一方の面側に露出している光導波路及びその製造方法。
【選択図】図1
Description
このような光導波路に、受発光素子、光ファイバコネクタ、他の光導波路等の独立した光学部材を繋ぎ、コアパターン内を伝搬した光信号を接続する場合、コアパターンと当該光学部材の光軸を合致させ、光の伝送ロスを抑える必要がある。
しかしながら、コア径が数十μm程度である光導波路においては、ドリル加工の位置合わせ精度では、確実に光軸を合致させることができず、さらに高精度な位置合わせ方法が求められている。
すなわち、本発明は、
(1)下部クラッド層、光信号伝達用コアパターン及び上部クラッド層が順に積層されてなる光導波路であって、該光信号伝達用コアパターンと併設されたガイド用コアパターンを有し、該ガイド用コアパターンが位置合わせ用ガイド孔を形成し、該位置合わせ用ガイド孔が光導波路の少なくとも一方の面側に露出している光導波路。
(2)前記光信号伝達用コアパターン上に光路変換ミラーを有する(1)に記載の光導波路。
(3)前記上部クラッド層が開口部を有し、該上部クラッド層開口部の内側に前記位置合わせ用ガイド孔を有する(1)又は(2)に記載の光導波路。
(4)前記下部クラッド層が開口部を有し、該下部クラッド層開口部の内側に前記位置合わせ用ガイド孔を有する(1)〜(3)のいずれかに記載の光導波路。
(5)さらに基板を有し、該基板上に前記下部クラッド層、光信号伝達用コアパターン及びガイド用コアパターン、並びに上部クラッド層が順に積層されている(1)〜(4)のいずれかに記載の光導波路。
(6)前記基板が開口部を有し、該基板開口部の内側に前記位置合わせ用ガイド孔を有する(5)に記載の光導波路。
(7)前記基板開口部の内側に前記下部クラッド層開口部を有する(6)に記載の光導波路。
(8)前記上部クラッド層上に、さらに蓋材層を有する(1)〜(7)のいずれかに記載の光導波路。
(9)基板上に下部クラッド層を形成する第1工程、少なくとも該下部クラッド層上にコア形成用樹脂層を積層し、露光現像によって光信号伝達用コアパターン及びガイド用コアパターンを一括形成する第2工程、及び少なくとも該光信号伝達用コアパターン上に上部クラッド層を形成する第3工程を有する(1)〜(8)のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
(10)前記第3工程において、光信号伝達用コアパターン及びガイド用コアパターン上にクラッド層形成用樹脂層を積層し、前記位置合わせ用ガイド孔が露出するように前記上部クラッド層開口部を形成する(9)に記載の光導波路の製造方法。
(11)前記第1工程において、基板上にクラッド層形成用樹脂層を積層し、露光現像によって開口部を有する下部クラッド層を形成し、かつ、前記第2工程において、該下部クラッド層開口部の内側に前記位置合わせ用ガイド孔を有するガイド用コアパターンを形成する(9)又は(10)に記載の光導波路の製造方法。
(12)前記基板が開口部を有し、前記第2工程において、第1工程で得られた基板と下部クラッド層との積層体の両面にそれぞれコア層形成用樹脂層を積層し、下部クラッド層側から露光し、現像することによって前記光信号伝達用コアパターン及びガイド用コアパターンを一括形成する(9)〜(11)のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
を提供するものである。
単一の遮光マスクを用いて光信号伝達用コアパターン3とガイド用コアパターン6を同時に形成することにより、光信号伝達用コアパターン3(光信号取り出し部)と位置合わせ用ガイド孔6aとの間の位置ずれが抑制される。
図1〜6は本発明の光導波路の一態様及びその製造方法を示すが、この態様においては、上部クラッド層4に上部クラッド層開口部4aが開口していることで、位置合わせ用ガイド孔6a及びこれを形成するガイド用コアパターン6の一部が上部クラッド層4側に露出している。上部クラッド層開口部4aは、ガイド用コアパターン6の全体が露出するように形成してもよい。
図7〜13は本発明の光導波路の別の態様及びその製造方法を示すが、この態様においては、上部クラッド層4に上部クラッド層開口部4aが開口していることで、位置合わせ用ガイド孔6a及びこれを形成するガイド用コアパターン6の一部が上部クラッド層4側に露出しているとともに、下部クラッド層2に下部クラッド層開口部2aが開口し、かつ、基板1に基板開口部1aが開口していることで、位置合わせ用ガイド孔6a及びこれを形成するガイド用コアパターン6の一部が基板1のコア形成面側とは反対の面(以下、「裏面」と表現することがある。)側にも露出している。
図14の(i)〜(iv)は、それぞれ異なる態様を示すが、全ての態様において上部クラッド層4に上部クラッド層開口部4aが開口している。但し、(iii)においては上部クラッド層4上にさらに蓋材層7が積層されているため、位置合わせ用ガイド孔6aは上部クラッド層4側に露出していない。一方、(ii)〜(iv)のそれぞれにおいて、下部クラッド層2に下部クラッド層開口部2aが開口し、かつ、(iii)及び(iv)では基板1に基板開口部1aが開口しているため、位置合わせ用ガイド孔6aが裏面側に露出している。
このように、位置合わせ用ガイド孔6aは、コア形成面側に露出していてもよく、裏面側に露出していてもよく、コア形成面側及び裏面側の両方に露出していてもよい。
本発明の光導波路に用い得る基板1の材質としては、特に制限はなく、例えば、ガラスエポキシ樹脂基板、セラミック基板、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、金属基板、樹脂層付き基板、金属層付き基板、プラスチックフィルム、樹脂層付きプラスチックフィルム、金属層付きプラスチックフィルム、電気配線板などが挙げられるが、後述するように、基板1と下部クラッド層2との積層体の両面にそれぞれコア形成用樹脂層を積層し、露光現像して下部クラッド層縁部2bの両面を覆うようにガイド用コアパターン6を形成する場合、コア形成用樹脂層を光硬化するための活性光線に対して遮光効果があることが好ましい。
例えば、コア形成用樹脂層を光硬化するための活性光線が紫外光であれば、金属基板や紫外光を透過しないプラスチック基板やガラスエポキシ樹脂基板などが好適に挙げられる。下部クラッド層2と接着力が少ない基板1を用いる際には、接着層付きの基板1を用いても良い。この接着層は、必要に応じて設けられる基板開口部1aにかからないように基板1に設置すれば良い。
基板1の厚みは、5μm〜1mmであることが好ましく、10μm〜100μmであることがさらに好ましい。基板1の厚みが5μm以上であると、基板1の剛性の点で好ましく、1mm以下であると、光路変換ミラー5にて反射された光信号が広がる前に受光素子や光ファイバ等で受光できるため好ましい。
基板1は、所望に応じて基板開口部1aを有していてもよい(図13、図14(iii)及び(iv)参照)。
基板開口部1aとしては、基板1に穴があけられていれば良く、例えば、ドリル加工や、レーザ加工によって好適に形成することができる。また、基板開口部1aの側面に各種金属を蒸着、スパッタ、めっき等によって形成した金属層付きスルーホールであっても良い。
基板開口部1aの開口形状としては、特に限定はなく、例えば円状、楕円状、三角形や四角形等の多角形状等の開口部が挙げられる。また、基板開口部1aの立体形状は、側壁が垂直に形成された柱状でも、テーパ状に形成された錐台形状であっても良い。
基板開口部1aの大きさや配置としては、その内側に位置合わせ用ガイド孔6aが設けられるものであれば、位置合わせ用ガイド孔6aに光ファイバコネクタ等の光学部材の位置合わせ用ガイド部材を嵌合することで位置合わせが可能となる。ここで、基板開口部1aの内側に位置合わせ用ガイド孔6aを有するとは、基板開口部1aの基板平面(基板1を有しない態様においては下部クラッド層2平面と平行な面)に対する垂直投影領域の内側に、位置合わせ用ガイド孔6aの垂直投影領域が存在することを示す。
本発明における下部クラッド層2及び上部クラッド層4は、例えば、クラッド層形成用樹脂層を積層し、露光現像することで形成することができる。クラッド層形成用樹脂は、複数の成分を含む組成物であってもよい。
本発明で用いるクラッド層形成用樹脂としては、光信号伝達用コアパターン3より低屈折率で、光又は熱により硬化する樹脂であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂や感光性樹脂を好適に使用することができる。クラッド層形成用樹脂は、下部クラッド層2及び上部クラッド層4において、該樹脂が含有する成分が同一であっても異なっていてもよく、該樹脂の屈折率が同一であっても異なっていてもよい。
塗布による場合には、その方法は限定されず、クラッド層形成用樹脂を常法により塗布すれば良い。
また、ラミネートに用いるクラッド層形成用樹脂フィルムは、例えば、クラッド層形成用樹脂を溶媒に溶解して、キャリアフィルムに塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。
下部クラッド層2は、下部クラッド層開口部2aを有していてもよい(図13、図14(i)〜(iv)及び図15参照)。
下部クラッド層開口部2aは、基板1上にクラッド層形成用樹脂層を積層した後に、遮光マスクを用いてパターン化することにより容易に形成することができる。
下部クラッド層開口部2aの開口形状としては、特に限定はなく、例えば円状、楕円状、三角形や四角形等の多角形状等の開口部が挙げられる。また、基板開口部1aの立体形状は、側壁が垂直に形成された柱状でも、テーパ状に形成された錐台形状であっても良い。
下部クラッド層開口部2aの大きさや配置としては、その内側に位置合わせ用ガイド孔6aが設けられるものであれば、位置合わせ用ガイド孔6aに光ファイバコネクタ等の光学部材の位置合わせ用ガイド部材を嵌合することで位置合わせが可能となる。ここで、下部クラッド層開口部2aの内側に位置合わせ用ガイド孔6aを有するとは、下部クラッド層開口部2aの基板平面(基板1を有しない態様においては下部クラッド層2平面と平行な面)に対する垂直投影領域の内側に、位置合わせ用ガイド孔6aの垂直投影領域が存在することを示す。
上部クラッド層4は、上部クラッド層開口部4aを有していてもよい(図1〜15参照)。
上部クラッド層開口部4aの詳細は上述の下部クラッド層開口部2aと同様である。
上部クラッド層開口部4aの大きさや配置としては、その内側に位置合わせ用ガイド孔6aが設けられるものであれば、位置合わせ用ガイド孔6aに光ファイバコネクタ等の光学部材の位置合わせ用ガイド部材を嵌合することで位置合わせが可能となる。ここで、上部クラッド層開口部4aの内側に位置合わせ用ガイド孔6aを有するとは、上部クラッド層開口部4aの基板平面(基板1を有しない態様においては下部クラッド層2平面と平行な面)に対する垂直投影領域の内側に、位置合わせ用ガイド孔6aの垂直投影領域が存在することを示す。
光信号伝達用コアパターン3としては、例えば、コア層形成用樹脂層を積層し、露光現像することで形成することができる。コア層形成用樹脂は、複数の成分を含む組成物であってもよい。
コア層形成用樹脂は、下部クラッド層2及び上部クラッド層4より高屈折率であり、活性光線によりパターン化し得るものを用いることが好ましい。パターン化する前のコア層形成用樹脂層の形成方法は限定されず、例えば、コア層形成用樹脂を溶媒に溶解して塗布するなどして積層してもよく、事前に用意したコア層形成用樹脂フィルムをラミネートしてもよい。
本発明の光導波路は、光信号の送受信を行う光信号取り出し部を有する。光信号取り出し部としては、光信号伝達用コアパターン3を垂直に切断した断面部でも、後述の光路変換ミラー5により基板垂直方向に光路変換した光信号を送受信する基板1上や上部クラッド層4上の領域であってもよく、断面部の場合、位置合わせ用ガイド孔6aから任意の位置に該断面部を設けることにより、例えば、嵌合ピン挿入方向と垂直方向(光信号伝達用コアパターン3延在方向)に受発光部材が設置されるような別体の光学部材との嵌合時に、光信号取り出し部と受発光部材間のギャップを一定にすることができる。
[光路変換ミラー]
光路変換ミラー5は、基板平面に対して平行方向に延在する光信号伝達用コアパターン3を伝搬した光信号を基板1や上部クラッド層4に略垂直な方向に光路変換する構造であれば特に限定はなく、光信号伝達用コアパターン3に45°の切り欠きを設けて形成した空気反射ミラーであっても良いし、切り欠き部に反射金属層を形成した金属反射ミラーであっても良い。
光路変換ミラー5は、図1〜6に示す態様のように、基板1側から、ダイシングソー等を用いて光信号伝達用コアパターン3を切断することにより形成したり、図7〜13に示す態様のように、上部クラッド層4側からダイシングソー等を用いて、光信号伝達用コアパターン3を切断することにより形成することができ、光信号伝達用コアパターン3の進行方向に対して45℃であることが好ましい。
ガイド用コアパターン6は、コア層形成用樹脂層を積層した後に光信号伝達用コアパターン3を形成する際に、同一の遮光マスクを用いてパターン化して得ることができる。このようにして形成されるガイド用コアパターン6は、上述の光信号伝達用コアパターン3と同一材料からなるものとなる。
ガイド用コアパターン6は、位置合わせ用ガイド孔6aを形成し、図1〜6に示す態様のように、光信号伝達用コアパターン3と併設してもよいが、図7〜13に示す態様のように、裏面側に突出するように形成してもよい。
位置合わせ用ガイド孔6aは、光導波路の少なくとも一方の面側に露出しており、光ファイバコネクタ等の凸部を受容して嵌合し得るものであれば特に限定されず、例えば、円形や楕円形のものが挙げられ、また三角形や四角形などの多角形形状のものであってもよい。さらに、位置合わせ用ガイド孔6aは、図1〜6に示す態様のように、光導波路の一方の面(コア形成面側又はその反対側)のみに露出するように形成してもよいが、図7〜13に示す態様のように、光導波路を貫通するスルーホールとすることもできる。
位置合わせ用ガイド孔6aの深さ(あるいは、光導波路の一方の面側の開口部から他方の面の開口部までの距離)は、60μm〜5mmであることが好ましく、200〜500μmであることがより好ましい。
位置合わせ用ガイド孔6aは、コア形成用樹脂層をパターン化する際に光信号伝達用コアパターン3とともに形成することができる。
基板1の裏面に各種光学素子を実装する場合、基板1の裏面に電気配線を設けても良い。
コア形成用樹脂は、用いる光信号に対して透明であり、活性光線によりパターンを形成し得るものであり、電気配線保護層として使用可能であれば、前述の電気配線を保護する電気配線保護層として使用できる。
本発明の光導波路は、さらに蓋材層7を有していてもよい(図14(iii)参照)。
蓋材層7は、好ましくは上部クラッド層4上に設けられ、光導波路の反りを抑制することができる。
蓋材層7の具体例としては、基材と接着剤層からなるものが挙げられ、基材に関しては、上述の基板1と同様のものを用いれば良い。接着剤層に関しては、上部クラッド層4との密着性があるものであれば特に限定はないが、屈曲性の観点から100MPa〜2GPaの引張弾性率であると好ましい。接着剤層の厚みとしては特に限定はないが、屈曲耐性の観点から、5μm〜25μmであれば良く、安定した屈曲性を得るためには、5μm〜15μmであると更に良い。また、基板1よりも低弾性率の材料を用いると更に屈曲耐性が向上するため尚良い。蓋材層7としては、上述の範囲で一般的にフレキシブル電気配線に用いられるカバーレイフィルムを用いることができる。
(第1工程)
第1工程は、図6(a)、図13(b)〜(c)、及び図15(a)〜(b)に示されるように、基板1上に下部クラッド層2を形成する工程であり、クラッド層形成用樹脂層を積層し、必要に応じて露光現像することができる。
基板1上にクラッド層形成用樹脂層を積層する方法については特に制限はないが、クラッド層形成用樹脂がワニス状の場合は、基板1に常法によって塗布すれば良く、クラッド層形成用樹脂がフィルム状の場合は、ロールラミネータ、真空加圧ラミネータ、プレス、真空プレス等の各種方法を用いれば良い。
上記のようにして基板1上に積層されたクラッド層形成用樹脂層は、図6に示すようにそのまま硬化してもよいが、遮光マスクを使用してパターニングし、図14(i)に示すようにパターン化された下部クラッド層2を形成してもよい。クラッド層形成用樹脂層をパターン化する方法は、クラッド層形成用樹脂層の未硬化部を、現像液を用いてエッチングにより除去すればよい。
また、下部クラッド層2は、図6及び図15に示すように基板1の一方の面上にクラッド層形成用樹脂層を積層して形成してもよいが、図13に示すように基板の両面にそれぞれクラッド層形成用樹脂層を積層して、基板1の裏面側に突出した構造としてもよい。この場合、コア形成面側より露光することで、基板1を遮光材とし、基板開口部1aを輪郭とした下部クラッド層縁部2bを形成することができる。
さらに、第1工程においては、図13及び15に示すように、基板1上にクラッド層形成用樹脂層を積層し、露光現像によって、下部クラッド層開口部2aを有する下部クラッド層2を形成することができる。
第2工程は、図6(b)〜(c)、図13(d)〜(e)、及び図15(c)〜(d)に示されるように、少なくとも下部クラッド層2上にコア形成用樹脂層を積層し、露光現像によって光信号伝達用コアパターン3及びガイド用コアパターン6を一括形成する工程である。
基板1上にコア形成用樹脂層を積層する方法は、上述のクラッド層形成用樹脂層を積層する方法と同様にして行うことができる。
第2工程においては、光信号伝達用コアパターン3は下部クラッド層2上に形成され、ガイド用コアパターン6は、図6に示すように下部クラッド層2上に形成してもよく、図15に示すように基板1及び下部クラッド層2上に形成してもよく、さらに、図13に示すように、第1工程で得られた基板1と下部クラッド層2との積層体の両面にそれぞれコア層形成用樹脂層を積層し、下部クラッド層2側から露光し、現像することによって、基板1の裏面側に突出した構造としてもよい。
また、第1工程において下部クラッド層2に下部クラッド層開口部2aを設けた場合、続く第2工程においては、その内側に位置合わせ用ガイド孔6aが配置されるようにガイド用コアパターン6を形成することが好ましい。
第3工程は、図6(d)〜(e)、図13(f)〜(g)、及び図15(e)〜(f)に示されるように、少なくとも光信号伝達用コアパターン3上に上部クラッド層を形成する工程である。
基板1上にクラッド層形成用樹脂層を積層する方法は、上述の第1工程と同様にして行うことができる。
第3工程においては、図6、13及び15に示すように、光信号伝達用コアパターン3及びガイド用コアパターン6上にクラッド層形成用樹脂層を積層し、位置合わせ用ガイド孔6aが露出するように上部クラッド層開口部4aを形成することもできる。
第4工程は、必要に応じて設けられる光信号伝達用コアパターン3に光路変換ミラー5を形成する工程である。
光路変換ミラー5を形成する方法は特に限定されず、公知の方法を適用することができる。例えば、光信号伝達用コアパターン3形成面側から、ダイシングソー等を用いて、光信号伝達用コアパターン3を切削することにより形成することができる。形成する光路変換ミラー5の角度は、約45°であることが好ましい。
また、光路変換ミラー5に蒸着装置を用いて、金等の金属を蒸着し、反射金属層を備えたミラーとしても良い。第4工程は、前述の第3工程中に行っても良い。
実施例1
<クラッド層形成用樹脂フィルムの作製>
[(A)(メタ)アクリルポリマー(ベースポリマー)の作製]
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部及び乳酸メチル23質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃に上昇させ、メチルメタクリレート47質量部、ブチルアクリレート33質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16質量部、メタクリル酸14質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部、及び乳酸メチル23質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(A)(メタ)アクリルポリマーの溶液(固形分45質量%)を得た。
(A)(メタ)アクリルポリマーの重量平均分子量(標準ポリスチレン換算)をGPC(東ソー(株)製「SD−8022」、「DP−8020」、及び「RI−8020」)を用いて測定した結果、3.9×104であった。なお、カラムは日立化成工業(株)製「Gelpack GL−A150−S」及び「Gelpack GL−A160−S」を使用した。
[酸価の測定]
(A)(メタ)アクリルポリマーの酸価を測定した結果、79mgKOH/gであった。なお、酸価は(A)(メタ)アクリルポリマー溶液を中和するのに要した0.1mol/L水酸化カリウム水溶液量から算出した。このとき、指示薬として添加したフェノールフタレインが無色からピンク色に変色した点を中和点とした。
ベースポリマーとして、前記(A)(メタ)アクリルポリマー溶液(固形分45質量%)84質量部(固形分38質量部)、(B)光硬化成分として、ポリエステル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製「U−200AX」)33質量部、及びポリプロピレングリコール骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製「UA−4200」)15質量部、(C)熱硬化成分として、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体をメチルエチルケトンオキシムで保護した多官能ブロックイソシアネート溶液(固形分75質量%)(住化バイエルウレタン(株)製「スミジュールBL3175」)20質量部(固形分15質量部)、(D)光重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製「イルガキュア2959」)1質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・ジャパン(株)製「イルガキュア819」)1質量部、及び希釈用有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23質量部を攪拌しながら混合した。孔径2μmのポリフロンフィルタ(アドバンテック東洋(株)製「PF020」)を用いて加圧濾過後、減圧脱泡し、クラッド層形成用樹脂ワニスを得た。
上記で得られたクラッド層形成用樹脂ワニスを、支持フィルムであるPETフィルム(東洋紡績(株)製「コスモシャインA4100」、厚み50μm)の非処理面上に、塗工機(マルチコーターTM−MC、(株)ヒラノテクシード製)を用いて塗布し、100℃で20分乾燥後、保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製「ピューレックスA31」、厚み25μm)を貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。
このとき、クラッド層形成用樹脂ワニスより形成される樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、その膜厚については後述する。
(A)ベースポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成(株)製)26質量部、(B)光重合性化合物として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名:A−BPEF、新中村化学工業(株)製)36質量部、及びビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:EA−1020、新中村化学工業(株)製)36質量部、(C)光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を用いたこと以外は上述のクラッド層形成用樹脂ワニスの調合と同様の方法及び条件でコア層形成用樹脂ワニスを調合した。その後、上記と同様の方法及び条件で加圧濾過さらに減圧脱泡した。
上記で得られたコア層形成用樹脂ワニスを、支持フィルムであるPETフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績(株)製、厚さ:16μm)の非処理面上に、上記製造例と同様な方法で塗布乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム(株)、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、コア層形成用樹脂フィルムを得た。
このとき、コア層形成用樹脂ワニスより形成される樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、その膜厚については後述する。
[下部クラッド層の形成]
基板1として150mm×150mmのポリイミドフィルム(ポリイミド;ユーピレックスRN(宇部日東化成(株)製)、厚み;25μm)を用い、その一方の面上に、上記で得られた15μm厚みのクラッド層形成用樹脂フィルムの保護フィルムを剥離した後に、真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度110℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、ラミネートした。続いて、紫外線露光機((株)オーク製作所製、EXM−1172)を用いて、クラッド層形成用樹脂フィルムの支持フィルム側から紫外線(波長365nm)を3.0J/cm2で照射し、支持フィルムを剥離後、170℃で1時間加熱乾燥及び硬化し、下部クラッド層2を形成した(図6(a)参照)。
次いで、上記で形成した下部クラッド層2上に、上記で得られた50μm厚みのコア層形成用樹脂フィルムを、保護フィルムを剥離した後に、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント(株)製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件でラミネートし、次いで上記の真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度70℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着した(図6(b)参照)。
その後、支持フィルムであるPETフィルムを剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=8/2、質量比)を用いてエッチングした。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥し、光信号伝達用コアパターン3及びガイド用コアパターン6を形成した(図6(c)参照)。
得られたコアパターン上から、上記で得られた55μm厚みのクラッド層形成用樹脂フィルムを、保護フィルムを剥離した後に、真空加圧式ラミネータ((株)名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度110℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着して、ラミネートした(図6(d)参照)。
続いて、上部クラッド層開口部4aを有する上部クラッド層4を形成するネガ型フォトマスクと、上記紫外線露光機を用いて、クラッド層形成用樹脂フィルムの支持フィルム側から紫外線(波長365nm)を3.0J/cm2で照射し、支持フィルムを剥離後、80℃で5分間露光後加熱を行い、現像、洗浄を行って上部クラッド層開口部4aを有する上部クラッド層4を形成した(図6(e)参照)。
得られた光導波路の基板1側からダイシングソー(DAC552、(株)ディスコ社製)を用いて45°の光路変換ミラー5を形成した。
これにより、位置合わせ用ガイド孔6aを有するミラー付き光導波路を得た。
光ファイバA(GI50、NA=0.2)を用いて850nmの光信号を光導波路に入射し、光信号伝達用コアパターン3を透過して光路変換ミラー5から出力された光信号を、2つの位置あわせ用ガイド孔6aを基準とした所定の位置において光ファイバB(GI50、NA=0.2)を用いて受光した時の光損失(A)を測定した。このとき、基板1表面と光ファイバBとの距離は30μmとした。次いで、光路変換ミラー5を上記のダイシングソーを用いて切断し、ミラーなしの光導波路を得た。次いで、上記の光ファイバA及び光ファイバBを用い、光信号伝達用コアパターン3と同軸方向の入射部側に光ファイバAを、出射部側に光ファイバBを調芯し、光損失(B)を測定した。
以上より、位置合わせ用ガイド孔6aと光信号伝達用コアパターン3との位置ずれによる光損失(C)を以下の式に従って算出した。
(式)(C)=(A)−(B)
得られたミラー付き光導波路における位置ずれによる光損失は0.12dBであった。
以下に述べる変更点を除き、実施例1と同様にしてミラー付き光導波路を作製した。
基板1としてドリル加工にて直径650μmの開口部を2箇所形成した基板開口部1aを有するものを用い、その両面に上記で得られた15μm厚みのクラッド層形成用樹脂フィルムの樹脂層を積層した(図13(b)参照)。
次いで、下部クラッド層開口部2a及び下部クラッド層縁部2bを有する下部クラッド層2を形成するネガ型フォトマスクと、上記紫外線露光機を用いて、上記で得られた積層体の一方の面のクラッド層形成用樹脂フィルムの支持フィルム側から紫外線(波長365nm)を0.8J/cm2で照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行い、現像、洗浄を行って下部クラッド層2を形成した(図13(c)参照)。
さらに、上記で得られた積層体の両面に、上記で得られた50μm厚みのコア層形成用樹脂フィルムを積層した(図13(d)参照)。
続いて、光信号伝達用コアパターン3及びガイド用コアパターン6を形成するネガ型フォトマスクと、上記紫外線露光機とを用いて、支持フィルム側から紫外線(波長365nm)を0.8J/cm2で照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行い、現像、洗浄を行って光信号伝達用コアパターン3及びガイド用コアパターン6を形成した(図13(e)参照)。
上部クラッド層4の形成は実施例1と同様にして行った。
得られたミラー付き光導波路における位置ずれによる光損失は0.10dBであった。
以下に述べる変更点を除き、実施例1と同様にしてミラー付き光導波路を作製した。
基板1としてドリル加工にて直径650μmの開口部を2箇所形成した基板開口部1aを有し、かつその一方の面に剥離フィルム8を有するものを用い、剥離フィルム8の反対側の面に上記で得られた15μm厚みのクラッド層形成用樹脂フィルムの樹脂層を積層した(図15(a)参照)。
次いで、下部クラッド層開口部2a及び下部クラッド層縁部2bを有する下部クラッド層2を形成するネガ型フォトマスクと、上記紫外線露光機を用いて、クラッド層形成用樹脂フィルムの支持フィルム側から紫外線(波長365nm)を0.8J/cm2で照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行い、現像、洗浄を行って下部クラッド層2を形成した(図15(b)参照)。
さらに、上記下部クラッド層2上に、上記で得られた50μm厚みのコア層形成用樹脂フィルムを積層した(図15(c)参照)。
続いて、光信号伝達用コアパターン3及びガイド用コアパターン6を形成するネガ型フォトマスクと、上記紫外線露光機とを用いて、支持フィルム側から紫外線(波長365nm)を0.8J/cm2で照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行い、現像、洗浄を行って光信号伝達用コアパターン3及びガイド用コアパターン6を形成した(図15(d)参照)。
上部クラッド層4の形成は実施例1と同様にして行った。
得られたミラー付き光導波路における位置ずれによる光損失は0.15dBであった。
1a.基板開口部
2.下部クラッド層
2a.下部クラッド層開口部
2b.下部クラッド層縁部
3.光信号伝達用コアパターン
4.上部クラッド層
4a.上部クラッド層開口部
5.光路変換ミラー
6.ガイド用コアパターン
6a.位置合わせ用ガイド孔
7.蓋材層
8.剥離フィルム
Claims (12)
- 下部クラッド層、光信号伝達用コアパターン及び上部クラッド層が順に積層されてなる光導波路であって、該光信号伝達用コアパターンと併設されたガイド用コアパターンを有し、該ガイド用コアパターンが位置合わせ用ガイド孔を形成し、該位置合わせ用ガイド孔が光導波路の少なくとも一方の面側に露出している光導波路。
- 前記光信号伝達用コアパターン上に光路変換ミラーを有する請求項1に記載の光導波路。
- 前記上部クラッド層が開口部を有し、該上部クラッド層開口部の内側に前記位置合わせ用ガイド孔を有する請求項1又は2に記載の光導波路。
- 前記下部クラッド層が開口部を有し、該下部クラッド層開口部の内側に前記位置合わせ用ガイド孔を有する請求項1〜3のいずれかに記載の光導波路。
- さらに基板を有し、該基板上に前記下部クラッド層、光信号伝達用コアパターン及びガイド用コアパターン、並びに上部クラッド層が順に積層されている請求項1〜4のいずれかに記載の光導波路。
- 前記基板が開口部を有し、該基板開口部の内側に前記位置合わせ用ガイド孔を有する請求項5に記載の光導波路。
- 前記基板開口部の内側に前記下部クラッド層開口部を有する請求項6に記載の光導波路。
- 前記上部クラッド層上に、さらに蓋材層を有する請求項1〜7のいずれかに記載の光導波路。
- 基板上に下部クラッド層を形成する第1工程、少なくとも該下部クラッド層上にコア形成用樹脂層を積層し、露光現像によって光信号伝達用コアパターン及びガイド用コアパターンを一括形成する第2工程、及び少なくとも該光信号伝達用コアパターン上に上部クラッド層を形成する第3工程を有する請求項1〜8のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
- 前記第3工程において、光信号伝達用コアパターン及びガイド用コアパターン上にクラッド層形成用樹脂層を積層し、前記位置合わせ用ガイド孔が露出するように前記上部クラッド層開口部を形成する請求項9に記載の光導波路の製造方法。
- 前記第1工程において、基板上にクラッド層形成用樹脂層を積層し、露光現像によって開口部を有する下部クラッド層を形成し、かつ、前記第2工程において、該下部クラッド層開口部の内側に前記位置合わせ用ガイド孔を有するガイド用コアパターンを形成する請求項9又は10に記載の光導波路の製造方法。
- 前記基板が開口部を有し、前記第2工程において、第1工程で得られた基板と下部クラッド層との積層体の両面にそれぞれコア層形成用樹脂層を積層し、下部クラッド層側から露光し、現像することによって前記光信号伝達用コアパターン及びガイド用コアパターンを一括形成する請求項9〜11のいずれかに記載の光導波路の製造方法。
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