JP2007199215A - 光導波路基板及びその製造方法 - Google Patents

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敬司 清水
Toru Fujii
徹 藤居
Toshihiko Suzuki
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Kazutoshi Tanida
和敏 谷田
Shigemi Otsu
茂実 大津
Hidekazu Akutsu
英一 圷
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Abstract

【課題】 低コストで作製でき、かつ、実装コストも削減できる位置決め構造を備えた光導波路基板及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 本光導波路基板は、下部クラッド200上にコア101および複数のガイド穴構造102を備える。コア101は高分子材料で形成される。ガイド穴構造102は、その底面103に一致する下部クラッドの厚み方向の第1の位置決め面と、ガイド穴構造の穴内側面104に一致する下部クラッドの面方向の第2の位置決め面とを有する。ガイド穴構造102に対応する位置にガイド穴構造102の穴断面より大きな開口部301を有する上部クラッド300をコア101及びガイド穴構造102の上部に備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光導波路基板及びその製造方法に関し、特に、他の電気基板や光基板と組み合わせて光電混載ボードとして使用するに適した光導波路基板及びその製造方法に関する。
光伝搬性能の高い光電混載ボードを作製するためには、光導波路基板と電気実装用基板とを各々最適な専用のプロセスで作製するのが望ましい。そのため、それぞれ、光導波路基板と電気実装用基板とを作製した後、作製した光導波路基板と電気実装用基板を組み合わる、すなわち、実装作業が必要となる。光導波路基板の電気実装用基板への精密な位置決めや実装には、アクティブアライメント又はパッシブアライメントなどが適用可能ではあるが、これらは、コストアップの要因となることから、機械的な位置決め構造によるものが望ましい。
この種の実装技術に関する従来技術としては、以下の例が挙げられる。まず、特許文献1によれば、ガイド構造や45度ミラー形状を一体化した成形体を作製し、導波路コアやレンズ部分を後の加工で取り付けるものが知られている。しかしながら、この技術では、光導波路の要求精度を満たす成形精度を実現するのが難しく、また、複雑な形状の成形体上に導波路を取り付ける加工が面倒である。
また、特許文献2によれば、光導波路のコア及びガイドを同一材料で同時形成したものが知られている。この光導波路では、コアと同一高さのコア材料をそのままガイドとして用いる構造であるため、ガイドとしての機械強度に難がある。また、ガイドを保護する構造とはなっておらず、そのため、工程によっては傷付く可能性もある。
さらに、特許文献3は、光導波路のコア用の溝及びその位置決め用凸部を、クラッド部材で、スタンパ法によって同時に形成する方法を開示している。しかしながら、クラッド材料をそのまま位置決め用凸部とするため、その機械強度に難がある。
また、特許文献4には、光導波路のコアおよび位置決め用のパターン溝をプレス成形し、2つの光学部材を組み合わせた後に、コアに樹脂を充填する構造が開示されている。しかしながら、完成した光導波路部品を更に他の部品と組み立てる場合を想定したとき、面外方向に対して位置決め用の基準を作製することが難しい。
さらに、特許文献5には、光導波路基板の両端にガイド用溝が形成されているものが開示されている。しかしながら、溝それ自体は導波路コアとは別工程により作成されることから、工数が増加してしまい、かつ、コア位置との整合を取る必要があり手間がかかる。
また、特許文献6には、石英の導波路であり、コアと同時にガイドを形成し、更に、埋め込み構造を作製した後、フッ酸処理でガイドを露出させる方法が提案されている。しかしながら、その工程は面倒である。
特開2005−234455号公報 特開2005−165181号公報 特開2004−37776号公報 特開2000−28839号公報 特開平8−248269号公報 特開平6−281826号公報
以上に述べた従来技術に係る光導波路の構造やその製造方法において、特に、位置決めのための穴構造をコアと同時にパターン形成するものでは、コアの上面に上部クラッドをスピンコートにより作製しようとした場合、当該穴構造が埋まってしまう。そのため、穴構造を埋めないためには、パターン露光工程を、上部クラッド作製時に繰り返す必要があり、これでは工数が増大してしまう。また、最後に位置決め穴を作製した光導波路基板は、穴の位置決め基準となる部分(例えば、ピン等)が外側に露出しているため、基板をダイシングテープに貼り付けたりする際、接触により傷付く可能性もある。
特に、この種の光導波路基板では、その光導波路をコアパターンで作製した後、例えば、その端面をダイシングソーなどによって加工する後処理などが必要なため、この位置決め構造は、凸部ではなく、穴などの凹部構造が望ましい。
従って本発明の目的は、上述した従来技術の問題点を解決し、低コストで作製でき、かつ実装コストも削減できる位置決め構造を備えた光導波路基板及びその製造方法を提供することにある。
上記目的は、下部クラッド上にコアおよび複数のガイド穴構造を備え、少なくとも前記コアが高分子材料で形成された光導波路基板であって、前記ガイド穴構造は、前記ガイド穴構造の底面に一致する前記下部クラッドの厚み方向の第1の位置決め面と、前記ガイド穴構造の穴内側面に一致する前記下部クラッドの面方向の第2の位置決め面とを有し、前記ガイド穴構造に対応する位置に前記ガイド穴構造の穴断面より大きな開口部を形成した保護穴構造を有する上部クラッドを前記コア及び前記ガイド穴構造の上部に備えた光導波路基板により、達成される。
ここで、前記ガイド穴構造は円筒形であることが好ましい。また、前記ガイド穴構造の厚みは前記コアの厚みより大きいこと、また前記ガイド穴構造を形成する材質は、前記コアを形成する材質より硬いことが好ましい。さらに、前記ガイド穴構造に挿入された位置決め用凸部構造を備えることができる。前記位置決め用凸部構造は、前記ガイド穴構造に挿入された位置決めピンとすることができる。前記位置決め用凸部構造を形成する材質は、前記コアを形成する材質より硬いことが好ましい。
本発明に係る光導波路基板の製造方法は、下部クラッド上にコアパターン及びガイド穴パターンを同時に形成し、予め保護穴を開けた上部クラッドを、前記保護穴が前記ガイド穴パターンに対応する位置に配置されるように、クラッド用接着剤で前記下部クラッド及びコアパターン上に接着するものである。
ここで、前記下部クラッド上にコアパターン及びガイド穴パターンを形成する工程は、前記コア用凸部及び前記ガイド穴用凸部が形成された原盤に鋳型形成用樹脂層を形成した後、前記樹脂層を剥離して前記コア用凸部及び前記ガイド穴用凸部に対応する凹部を有する樹脂層を形成し、さらに前記樹脂層の凹部に連絡する連絡穴を形成して鋳型を作製する工程と、前記鋳型の凹部を覆うように前記下部クラッドを密着させる工程と、前記鋳型に形成された前記連絡穴を介して前記凹部に樹脂を充填する工程と、前記凹部に充填した樹脂を硬化させ、前記鋳型を前記下部クラッドから剥離する工程と、を含むことができる。
前記樹脂は、紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂とすることができる。前記上部クラッドの保護穴は、打ち抜き加工、精密カッター加工、又は、レーザ加工により作成することができる。さらに、前記ガイド穴パターンで形成されたガイド穴内に前記保護穴を介して位置決めピンを挿入し、前記保護穴内に収まる量の接着剤で固定することができる。
本発明によれば、低コストで作製でき、かつ実装コストも削減できる位置決め構造を備えた光導波路基板及びその製造方法を得ることができる。即ち、本発明の光導波路基板の構造では、2段階のガイド穴構造をもち、ガイド穴が保護されているため、その後に行なわれるダイシングなどの加工も容易となり、更に、ダイシング加工後に、当該ガイド穴にガイドピンを立て接着剤により固定することも、保護穴を利用することにより安全かつ高い位置精度で行なうことが出来る。また、本発明での製法で上記基板を作製することによれば、精密なパターン露光を必要とせずに作製できるため、低コストで製造でき、更には、導波路コアとガイド穴構造についても、それぞれ、異なる厚みや材料により、容易に選択できる。結果として、ガイド穴構造つき導波路が低コストで作製でき、実装コストも削減できるという優れた効果を有する。
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係る光導波路基板の一実施形態を示す図で、(a)は光導波路基板の平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)はガイド穴構造部分の拡大平面図である。また、図2(a)は本発明に係る光導波路基板の一実施形態を示す平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。
図示のように、本発明に係る光導波路基板100は、同一の面内に形成された複数本の光導波路を構成する導波路コア(コアパターン)101、位置決めガイド穴構造(ガイド穴パターン)102、および下部基板(下部クラッド)200を備えている。ここで、少なくとも導波路コア101は、高分子材料で形成されている。下部基板200の主要部は、例えば、シリコンウエハー、プリント基板、更には、ガラス板や透明フィルム等、様々な材料により形成することができ、その上面、即ち、導波路コア101と接する面の近傍には、少なくとも5μmの厚さで、光導波路のクラッドを形成するための透過率及び屈折率を備えた層(クラッド)が設けられている。このクラッドは、下部基板200の表面にクラッド用樹脂をスピンコートして形成してもよいが、例えば、下部基板200自体をガラス板や透明フィルムなどにより構成する場合には、当該下部基板自体にクラッド機能を兼備させることも可能である。
ガイド穴構造102は、上記導波路コア101と同時にパターン形成されることから、必然的に、このガイド穴構造102の底面103は、光導波路を形成するコア101と下部基板(下部クラッド)200との間の、厚み方向における境界面と一致することとなる。即ち、この境界面(即ち、底面103)が、下部クラッドの厚み方向の位置決め面(第1の位置決め面)となる。
また、ガイド穴構造102と導波路コア101との同時パターン形成においては、導波路のコアパターンとガイド穴パターンとの位置関係が、例えば、フォトマスクや成形鋳型によって規定されることになる。そのため、このガイド穴構造102の穴内側面104が、光導波路基板100の面方向(下部クラッド200の面方向)における位置決めの基準(第2の位置決め面)を形成する。
本発明に係る光導波路基板100では、前記ガイド穴構造102の上部には、当該ガイド穴構造の内径(穴断面)よりも大きな開口部301を備えた保護膜(上部クラッド)300が形成されている。この保護膜(上部クラッド)300は、後にも説明するクラッド用接着剤350を介して、下部基板(下部クラッド)200の表面全体に施されており、上記導波路コア101のクラッド(即ち、上部クラッド)としても機能することとなる。この構造によれば、位置決めを行う上で重要となる基準面、即ち、上記ガイド穴構造102の穴内側面104及び当該面がその上部の面と直角を成す角部が、保護膜300によって、外部からの異物の侵入を阻止し、外部から傷付けられる可能性を低減する。このことは、光導波路基板100の製造に際し、特に、コアパターン形成後の後加工が必要な場合に重要となる。
上記ガイド穴構造102の形状としては、図示のように、円筒形であることが望ましい。これは、このガイド穴構造102を利用して位置決めを行う際に、その相手となる位置決めピンの形状が、特に、円筒形状の場合に最も精度が出し易いことによる。そして、上述した構造のガイド穴構造102を、基板表面上に複数設けることによって、当該光導波路基板100を、その回転方向を固定して、一意に、位置決めすることが可能になる。
上記の例では、導波路コア101とガイド穴構造102とを同時に形成するプロセスのため、これらガイド穴構造と導波路コアの厚み、更には、その材質が同一である場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されず、ガイド穴構造102の厚みを前記コア101よりも厚くし、もって、位置決めピンの接触に耐えるように、その機械的強度を増大することも可能である。又は、光学性能上の都合から、例えば、シングルモードに対応した厚みが10μmの導波路コアのように、極端に薄い導波路コア101の場合には、ガイド穴構造の位置決め機能に支障をきたす恐れがある。このような場合には、その製造プロセスに工夫を加えることによって、導波路コア101とガイド穴構造102の厚みを、更には、その材料を変えることによって、光学性能と位置決め性能を両立させることも可能である。
図3(a)は、本発明に係る光導波路基板の他の実施形態を示す平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。図3には、前記ガイド穴構造102に位置決めピン400を挿入した例が示されている。図4に示すように、前記ガイド穴構造102に位置決めピン400を挿入した後、接着剤410を上記保護膜(上部クラッド)300の開口部301に注入して、これらを固定する構造とすることも出来る。このように作製した光導波路基板100は、例えば、図5に示すように上下逆さにし、上述したガイド穴構造をもつ別の基板(例えば、電気回路実装基板)100’に対し、当該位置決めピン400をそのガイド穴構造に挿入することにより、容易に位置決めして組み合わせる(実装する)ことが可能になる。又は、別の基板100’に形成された貫通孔(ビア)内に挿入することによっても、同様に、容易に位置決めして組み合わせる(実装する)ことが可能になる。
また、図6に示すように、別の基板100’に取り付けた位置決めピン400を、光導波路基板100のガイド穴構造102に挿入することによっても、上記と同様に、容易に位置決めして組み合わせる(実装する)ことが可能になる。
続いて、上記光導波路基板の製造方法に関し、以下に詳細に説明する。本方法では、本発明者等が例えば特開2004−069742号公報等にて提案した、シリコーンゴム鋳型を用いた導波路コア部分の複製法を用いると、さらに効果的である。すなわち、導波路コアおよびガイド穴構造を同時に精密に作製する工程においては、通常は高価なパターン露光装置および現像工程を必要とするが、本方法では、導波路コアおよびガイド穴構造に対応した凹部をもつシリコーンゴム鋳型をクラッドとなる基板もしくはフィルムに密着させ、導波路コア及びガイド穴構造に相当する部分に、紫外線硬化樹脂もしくは熱硬化樹脂を充填し、樹脂を硬化した後にシリコーンゴム鋳型を剥がすことによって、高価なパターン露光装置および現像工程を用いずに精密なパターン形成が可能である。
本発明になる光導波路基板の製造方法では、図7に示すように、まず、導波路コアおよびガイド穴構造に相当する凹部を備えたシリコーンゴム鋳型を用意する(ステップ71)。このシリコーンゴム鋳型は、導波路コア用凸部及び複数のガイド穴用凸部が形成された原盤に、鋳型形成用樹脂材料の層を形成した後、原盤から剥離して型を取って形成されるものであり、例えば、シリコン基板上に作製された導波路コア用凸部及びガイド穴用凸部の厚膜レジストパターンを、その凸部に対応する凹部を形成するよう、鋳型形成用樹脂材料であるシリコーンゴムへ転写することにより得られる。その後、形成した導波路コア及びガイド穴構造の凹部が外部に露出するように、即ち凹部に樹脂を充填できるように、その両端部に凹部に連絡する連絡穴を開けて作製される。即ち、図8に示すように、シリコーンゴム鋳型600は、ガイド穴構造を形成する凹部601と、その両端部に凹部601と連絡する樹脂充填用の連絡穴602、602’とを有する。このシリコーンゴム鋳型の材料としては、例えば、ポリジメチルシロキサンを利用することが出来る。また、このシリコーンゴム鋳型600に樹脂を注入する場合には、一方の連絡穴602を樹脂の注入口として用い、他方の連絡穴602’を、例えば減圧により吸引するための吸引口として利用する。上記シリコーンゴム鋳型において、導波路コアとガイド穴構造に相当する凹部に連結される樹脂注入口(連絡穴)を共用にしてもよい。また、これら各々について別々の凹部及び連絡穴を形成することによって、それぞれ、最適な樹脂を注入することが可能となり、好適な導波路コア101とガイド穴構造102を形成することが可能となる。
続いて、上記で用意したシリコーンゴム鋳型を密着性が良好なクラッド用フィルム基材を密着させる(ステップ72)。この工程では、下部基板の表面に形成した下部クラッド200の上面に鋳型を密着し、上記樹脂充填用の連絡穴602から紫外線硬化性樹脂(又は熱硬化性樹脂)を毛細管現象によりにより侵入させ、他方の連絡穴602’では吸引などを行なって、紫外線硬化樹脂(又は熱硬化性樹脂)を樹脂注入口から凹部の内部に注入・充填する(ステップ73)。
更に、凹部内に充填した紫外線硬化性樹脂(又は熱硬化性樹脂)に対して紫外線を照射して(又は熱を付与して)、注入した樹脂を硬化する(ステップ74)。その後、鋳型を、硬化したクラッド用フィルム基材(下部クラッド200)から剥離して、コアとガイド穴構造を形成する(ステップ75)。
この時、上記シリコーンゴム鋳型において、導波路コア101とガイド穴構造102に相当する凹部の高さを変えることによって、例えば、導波路コアを光ファイバーや受発光素子のサイズに適合した高さとし、かつ、ガイド穴構造102はコア高さに拘束されず、深い穴にする(ガイド穴高>コア高)ことによって、上述したようにその機械的強度を増大すると共に、位置決めピン400との接合を正確に行うことが可能になる。このように、導波路コアとガイド穴構造の高さを変えても、プロセスは同時に行えるため、工程が増えることは無い。
上述したように、導波路コア101とガイド穴構造102を形成する凹部に連結される樹脂注入口を、各々、別々に設けることによれば、導波路コアに対しては伝搬損失が少ない樹脂を、他方、ガイド穴構造に対しては機械強度が大きくかつ収縮率の小さい樹脂を選択して注入することができる。このように、充填する樹脂をそれぞれに変えても、プロセスは同時に行えるため、工程時間が増えることは無い。より具体的には、導波路コアとしては紫外線硬化型のエポキシ樹脂やアクリル樹脂を、他方、ガイド穴構造に対しては、SiOなどの微粒子を分散した紫外線硬化型のエポキシ樹脂などを、好適に用いることが可能となる。
このようにして導波路コア101及びガイド穴構造102を形成後、更に、ガイド穴構造の内径より一回り大きな保護穴(上記図1の開口部301)が予め開けられた上部保護フィルム(上部クラッド300)を用意し、そして、当該保護穴の内側にガイド穴構造の内径が入るような位置に、両者を位置決めし、クラッド用接着剤(即ち、導波路クラッドに適した屈折率と透過率をもつ樹脂接着剤)によって接着(貼り付け)する。なお、その後、例えば、ダイシングにより端面を形成することにより光導波路基板100を完成する(ステップ76)。
以上の工程において、上部保護フィルム(上部クラッド300)に予め形成された保護穴(開口部301)の寸法は、形成されるガイド穴構造102との位置合わせが容易に可能となるように、上記図1に示すように、ガイド穴構造102の外径Dと内径dの中間の大きさに形成されていることが好ましい。また、ガイド穴構造102の外径Dは、光導波路基板100の大きさの許す範囲内において、任意に設定できるため、この位置合わせは容易に出来ることとなる。また、保護穴(開口部301)の寸法をガイド穴構造102の外径Dと内径dとの中間の大きさにすることによれば、上記導波路クラッドを形成する工程において、上部保護フィルム300を接着するために接着剤を塗布する際、ガイド穴構造102の内側には接着剤が入らないようにすることも容易である。なお、このとき使用する保護フィルムとしては、例えば、商品名ARTON(JSR社製)などのファンクショナルノルボルネン樹脂が、好適に用いられる。
また、上記の保護フィルム300上に開けられる保護穴(開口部301)自体は、上述した構造から、その寸法精度はそれ程高くなくてもよいので、例えば、トムソン刃を用いた打ち抜き加工などにより、簡単に、予め加工しておくことが可能である。または、レーザ加工や超音波カッターなども好適に用いられる。
ここまでの工程を経て作製された光導波路基板には、上記図1やその説明からも明らかなように、基板100からの出っ張り部分(凸部)がないため、光導波路の端面形成などの後加工時に固定することは容易である。例えば、高分子光導波路の端面形成の際に最もよく用いられるダイシングソーによる切削加工では、ダイシングテープに基板を押さえ付けて密着させる必要があるが、上述した本発明の光導波路基板では、上記の位置決め構造が、この時点では凸部となっていないことから、端面形成などの後工程での加工が容易となる。
以上のように、本発明になる光導波路基板100は、上述したガイド穴構造102のみでも十分な位置決め機能を有するが、さらに、必要な後工程が終了した時点で、最後に、ガイド穴構造102に位置決めピン400を挿入することにより(上記図3を参照)、実際の位置決め作業がより容易になる。この時、本発明の穴構造では、ガイド穴構造102の穴内にぴったり収まるように位置決めピン400を挿入した後、保護穴部分に接着剤410を投入することによれば、極めて高い精度で位置決めピン400を光導波路基板100と一体化して形成することが可能になる。この時、接着剤410は、上記保護フィルム(上部クラッド300)の保護穴(開口部301)部分からはみ出ない量だけ投入することにより、他の基板に対する位置決めを容易に行うことができるようになる。この接着剤としては、例えば、紫外線硬化型のエポキシ樹脂やアクリル樹脂などを好適に用いることが可能である。
次に、上記光導波路基板100について、以下に実施例を示し、より詳細な具体例を説明する。しかしながら、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。
まず、コア径が120μmの導波路コアに相当する複数の凹部溝、及び外径1.5mm、内径0.7mm、高さ0.12mmのガイド穴構造に相当する複数の凹部溝を形成したポリジメチルシロキサン製のシリコーンゴム鋳型を用意した。この鋳型は、上述したように、シリコン基板上に作製された厚膜レジストパターンを転写した後、導波路コア及びガイド穴構造に樹脂が充填できるように、その両端に穴を開けて作製されたものである。その後、この鋳型の凹部溝を形成した面を、厚み188μmのアートンフィルム上に密着させ、樹脂充填穴(口)より紫外線硬化型のエポキシ樹脂(JSR製)を充填する。即ち、この樹脂を、毛細管浸透現象及び減圧により、導波路コアおよびガイド穴構造に相当する凹部溝部分に充填した。その後、強度50mw/cmの紫外線を5分間照射することによって、重合硬化させた。そして、上記紫外線の照射を完了後、上記シリコーンゴム鋳型を基板より剥離することにより、導波路コアパターン及び位置決めされたガイド穴構造を備えた基板が作製された。
一方、別途トムソン刃で1mm径の保護穴を複数開けた、厚み188μmのアートンフィルムを、上部保護フィルムとして用意する。そして、この上部保護フィルムの保護穴が前記ガイド穴構造の位置と一致するように配置し、かつ、ガイド穴以外の部分には導波路クラッドとなる紫外線硬化エポキシ樹脂(JSR製)を挟み込んで、全体の厚みが0.6mmになるように調整した。そして、強度50mw/cmの紫外線を、更に、5分間照射することによってクラッド用硬化樹脂を重合硬化し、埋め込み型の光導波路を作製した。その後、更に、ダイシングソーに前記埋め込み型光導波路を固定して、導波路コアの両端および全体外形を精密切断し、もって、上記のガイド穴構造を持った光導波路基板100を完成させた。
なお、このようにして完成した光導波路基板100には、直径0.7mmの位置決めピン400を、そのガイド穴構造102に挿入・固定することにより、位置決め誤差2.5μm以内の精度で、他の基板との位置決めを行うことが出来た。
また、上記の実施例1において、コア径を50μmとし、更に、ガイド穴構造の高さを0.2mmとした。この時のシリコーンゴム鋳型の原盤となる厚膜レジストパターンは、厚みの異なるパターンを形成する2つの工程が必要となったが、上記実施例1と同様の位置精度でシリコーンゴム鋳型を製造することが出来た。以下、上記の実施例1と同様の工程を経て、導波路コア径50μmの光導波路基板を作製した。その結果、上記実施例1と同様に、直径0.7mmの位置決めピン400、そのガイド穴構造102に挿入・固定することにより、位置決め誤差2μm以内の精度で、他の基板との位置決めを行うことが出来た。
更に、上記の実施例2において、導波路コアに対する樹脂充填穴と、ガイド穴構造に対する樹脂充填穴とを別々に形成し、両者の樹脂が交り合わないようにした。このようにして、ガイド穴構造に対して平均粒子径50nmのSiOを分散した紫外線硬化型エポキシ樹脂を充填、硬化した。その結果、ガイド穴構造の機械強度が向上し、例えば、上記実施例1と同様に直径0.7mmの位置決めピン400、そのガイド穴構造102に挿入・固定することにより、他の基板と位置決めしたところ、その誤差は1.5μm程度となった。
上記の実施例2又は3において作製した光導波路基板のガイド穴に、直径0.7mmの位置決めピン400を差込み、更に、保護穴から飛び出さない量の紫外線硬化樹脂を用いて紫外線照射することにより位置決めピンを固定した。このようにして作製された光導波路基板100は、直径0.7mmの位置決め穴を持った他の基板に対し、誤差2μm程度の精度で位置決めを行うことが可能であった。
本発明に係る光導波路基板の一実施形態を示す図で、(a)は光導波路基板の平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)はガイド穴構造部分の拡大平面図である。 (a)は本発明に係る光導波路基板の一実施形態を示す平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。 (a)は本発明に係る光導波路基板の他の実施形態を示す平面図、(b)は(a)のB−B断面図である。 本発明に係る光導波路基板におけるガイド穴にピンを挿入した構造の他の例を示す図である。 本発明に係る光導波路基板を他の基板に位置決め実装した形態を示す図である。 本発明に係る光導波路基板を他の基板に位置決め実装した他の形態を示す図である。 本発明に係る光導波路基板の製造方法を示す工程図である。 本発明に係る光導波路基板の導波路コアとガイド穴構造を形成するためのシリコーンゴム鋳型の一例を示す図である。
符号の説明
100…光導波路基板
101…コア(コアパターン)
102…位置決めガイド穴構造(ガイド穴パターン)
103…ガイド穴構造底面(第1の位置決め面)
104…穴内側面(第2の位置決め面)
200…下部基板(下部クラッド)
300…保護膜(上部クラッド)
301…開口部
350…クラッド用接着剤
400…位置決めピン
410…接着剤

Claims (12)

  1. 下部クラッド上にコアおよび複数のガイド穴構造を備え、少なくとも前記コアが高分子材料で形成された光導波路基板であって、前記ガイド穴構造は、前記ガイド穴構造の底面に一致する前記下部クラッドの厚み方向の第1の位置決め面と、前記ガイド穴構造の穴内側面に一致する前記下部クラッドの面方向の第2の位置決め面とを有し、前記ガイド穴構造に対応する位置に前記ガイド穴構造の穴断面より大きな開口部を形成した保護穴構造を有する上部クラッドを前記コア及び前記ガイド穴構造の上部に備えたことを特徴とする光導波路基板。
  2. 前記ガイド穴構造が円筒形であることを特徴とする請求項1に記載の光導波路基板。
  3. 前記ガイド穴構造の厚みが前記コアの厚みより大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路基板。
  4. 前記ガイド穴構造を形成する材質が、前記コアを形成する材質より硬いことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光導波路基板。
  5. 前記ガイド穴構造に挿入された位置決め用凸部構造を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光導波路基板。
  6. 前記位置決め用凸部構造が、前記ガイド穴構造に挿入された位置決めピンであることを特徴とする請求項5に記載の光導波路基板。
  7. 前記位置決め用凸部構造を形成する材質が、前記コアを形成する材質より硬いこと特徴とする請求項5又は6に記載の光導波路基板光導波路基板。
  8. 下部クラッド上にコアパターン及びガイド穴パターンを同時に形成し、予め保護穴を開けた上部クラッドを、前記保護穴が前記ガイド穴パターンに対応する位置に配置されるように、クラッド用接着剤で前記下部クラッド及びコアパターン上に接着することを特徴とする光導波路基板の製造方法。
  9. 前記下部クラッド上にコアパターン及びガイド穴パターンを形成する工程が、
    前記コア用凸部及び前記ガイド穴用凸部が形成された原盤に鋳型形成用樹脂層を形成した後、前記樹脂層を剥離して前記コア用凸部及び前記ガイド穴用凸部に対応する凹部を有する樹脂層を形成し、さらに前記樹脂層の凹部に連絡する連絡穴を形成して鋳型を作製する工程と、
    前記鋳型の凹部を覆うように前記下部クラッドを密着させる工程と、
    前記鋳型に形成された前記連絡穴を介して前記凹部に樹脂を充填する工程と、
    前記凹部に充填した樹脂を硬化させ、前記鋳型を前記下部クラッドから剥離する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項8に記載の光導波路基板の製造方法。
  10. 前記樹脂が、紫外線硬化性樹脂又は熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項9に記載の光導波路基板の製造方法。
  11. 前記上部クラッドの保護穴が、打ち抜き加工、精密カッター加工、又は、レーザ加工により作成されることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の光導波路基板の製造方法。
  12. 前記ガイド穴パターンで形成されたガイド穴内に前記保護穴を介して位置決めピンを挿入し、前記保護穴内に収まる量の接着剤で固定したことを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載の光導波路基板の製造方法。
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JP2013195462A (ja) * 2012-03-15 2013-09-30 Hitachi Chemical Co Ltd 光導波路及びその製造方法

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