JP2017090838A - 光配線部品、光コネクターおよび電子機器 - Google Patents

光配線部品、光コネクターおよび電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】環境温度が変化したときでも光導波路における伝送効率の低下を抑制し得る光配線部品、環境温度が変化したときでも載置された光導波路における伝送効率の低下を抑制し得る光コネクター、および、信頼性の高い電子機器を提供すること。
【解決手段】光配線部品10は、光導波路1と光コネクター5と接着剤6とを有し、光コネクター5は、外面として対向面52(第1外面)と非対向面53(第2外面)とを含むコネクター本体51と、対向面52と非対向面53とを貫通し、内面として、上面501と、接着剤6を介して光導波路1が載置されている下面502(第1内面)と、側面503(第2内面)と、側面504(第3内面)と、を含む貫通孔50(貫通部)と、下面502を含む平面の一部を凹没させてなる凹部であって、下面502の法線方向からの平面視において光導波路1からはみ出すように設けられている溝505と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、光配線部品、光コネクターおよび電子機器に関するものである。
光導波路では、コア部の一端から導入された光が、クラッド部との境界で反射しながら他端に搬送される。光導波路の入射側には半導体レーザー等の発光素子が配置され、出射側にはフォトダイオード等の受光素子が配置される。発光素子から入射された光は光導波路を伝搬し、受光素子により受光され、受光した光の明滅パターンまたはその強弱パターンに基づいて通信を行う。
ところで、光導波路は一般に短距離の光通信を担うのに対し、長距離の光通信には光ファイバーが用いられる。したがって、これらを接続することにより、ローカルネットワークと基幹系ネットワークとを接続することが可能になる。
光導波路と光ファイバーとの接続には、例えば、光導波路の端面と光ファイバーの端面とを突き合わされた状態で保持する形態が採用される(例えば、特許文献1参照)。この保持には互いに嵌合可能な結合機構が用いられる。具体的には、光導波路の端部を保持する第1フェルールと光ファイバーの端部を保持する第2フェルールとの間が、アライメントピンと嵌合穴とを嵌合させることにより結合される。
ここで、特許文献1に記載された光導波路は帯状をなしており、下面が基板上に接着されている。また、第1フェルールは光配線収容溝を有しており、この光配線収容溝に光導波路が収容した状態で、基板上に第1フェルールが固定されている。これにより光導波路の端部は、上面および両側面が第1フェルールで覆われ、下面が基板で覆われた状態になる。その上で、光導波路と光配線収容溝との隙間に接着剤が充填され、第1フェルールが固定されている。
特開2011−75688号公報
しかしながら、光導波路の側面が接着剤で覆われると、例えば環境温度が変化したときに、光導波路と接着剤の熱膨張差に伴って、光導波路に応力が集中するおそれがある。この応力集中は、光導波路の伝送効率の低下を招く。
本発明の目的は、環境温度が変化したときでも光導波路における伝送効率の低下を抑制し得る光配線部品、環境温度が変化したときでも載置された光導波路における伝送効率の低下を抑制し得る光コネクター、および、信頼性の高い電子機器を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(9)の本発明により達成される。
(1) 光導波路と、前記光導波路に装着されている光コネクターと、前記光導波路と前記光コネクターとを接着する接着剤と、を有し、
前記光コネクターは、
外面として第1外面と第2外面とを含むコネクター本体と、
前記第1外面と前記第2外面とを貫通し、内面として、前記接着剤を介して光導波路が載置されている第1内面と、前記第1内面の一端側に設けられている第2内面と、前記第1内面の他端側に設けられている第3内面と、を含む貫通部と、
前記第1内面を含む平面の一部を凹没させてなる凹部であって、前記第1内面の法線方向からの平面視において、少なくとも一部が前記光導波路からはみ出すように設けられている凹部と、
を備えることを特徴とする光配線部品。
(2) 前記凹部は、前記第1内面と前記第2内面との間、および、前記第1内面と前記第3内面との間、の少なくとも一方に設けられている上記(1)に記載の光配線部品。
(3) 前記光導波路は、長尺状をなしており、
前記凹部は、少なくとも一部が前記光導波路の幅方向の外側にはみ出すように設けられている上記(1)または(2)に記載の光配線部品。
(4) 前記貫通部は、前記第1外面と前記第2外面の双方に開口している以外では、前記コネクター本体の内部に閉じられている上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の光配線部品。
(5) 前記凹部は、前記第1外面と前記第2外面との間を貫通するよう構成されている上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の光配線部品。
(6) 前記接着剤は、前記第1内面と前記光導波路との間に介在するとともに、前記凹部内に溜まっている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の光配線部品。
(7) 前記光導波路は、互いに表裏の関係にある2つの主面を有するシート状をなしており、
前記2つの主面のうち、一方の主面は、前記接着剤を介して前記第1内面に接着されており、他方の主面は、前記貫通部の内面と離間している上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の光配線部品。
(8) 外面として第1外面と第2外面とを含むコネクター本体と、
前記第1外面と前記第2外面とを貫通し、内面として、光導波路を載置可能な第1内面と、前記第1内面の一端側に設けられている第2内面と、前記第1内面の他端側に設けられている第3内面と、を含む貫通部と、
前記第1内面を含む平面の一部を凹没させてなる凹部であって、前記第1内面と前記第2内面との間、および、前記第1内面と前記第3内面との間、の少なくとも一方に設けられている凹部と、
を備えることを特徴とする光コネクター。
(9) 上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の光配線部品を備えることを特徴とする電子機器。
本発明によれば、環境温度が変化したときでも光導波路における伝送効率の低下を抑制し得る光配線部品が得られる。
また、本発明によれば、光導波路が載置された場合に、環境温度が変化したときでも載置された光導波路における伝送効率の低下を抑制し得る光コネクターが得られる。
また、本発明によれば、信頼性が高い電子機器が得られる。
本発明の光配線部品の実施形態を示す斜視図である。 図1に示す光配線部品のうち他の光学部品に対向する面の正面図および図1のA−A線断面図である。 図2のB−B線断面図である。 図2(a)の部分拡大図である。 図1に示す光配線部品に含まれる光コネクターのみを示す斜視図である。 図5に示す光コネクターのうち他の光学部品に対向する面の正面図および図5のC−C線断面図である。 図6のD−D線断面図である。 図1〜4に示す光配線部品および光コネクターの第1変形例を示す図である。 図1〜4に示す光配線部品および光コネクターの第2変形例を示す図(分解図)である。 図3に示す光配線部品に含まれる光導波路の一部を示す部分拡大斜視図である。
以下、本発明の光配線部品、光コネクターおよび電子機器について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<光配線部品>
まず、本発明の光配線部品の実施形態について説明する。
図1は、本発明の光配線部品の実施形態を示す斜視図であり、図2は、図1に示す光配線部品のうち他の光学部品に対向する面の正面図および図1のA−A線断面図であり、図3は、図2のB−B線断面図であり、図4は、図2(a)の部分拡大図である。また、図5は、図1に示す光配線部品に含まれる光コネクターのみを示す斜視図であり、図6は、図5に示す光コネクターのうち他の光学部品に対向する面の正面図および図5のC−C線断面図であり、図7は、図6のD−D線断面図である。なお、以下の説明では、説明の便宜上、図2、5の上方を「上」、下方を「下」という。
図1に示す光配線部品10は、光導波路1と、光導波路1の端部に設けられた光コネクター5と、を有している。
図1に示す光導波路1は、長尺状をなし、かつ幅よりも厚さが小さい横断面形状を有する帯状をなしている。この光導波路1では、長手方向の一端と他端との間で光信号を伝送することができる。
なお、本願の各図では、光配線部品10のうち、光導波路1の一端近傍のみを図示しており、その他の部位の図示は省略している。光配線部品10のうち、光導波路1の一端近傍以外の構成は、特に限定されないが、例えば一端近傍と同様の構成とすることができる。また、本明細書では、図2(b)における光導波路1の左端部を「先端部101」、左端の端面を「先端面102」ともいう。
このような光導波路1は、図2(b)に示すように、クラッド層11、コア層13およびクラッド層12が下方からこの順で積層された積層体を備えている。また、コア層13には、図3に示すように、並列に設けられた8本の長尺状のコア部14と、各コア部14の側面に隣接する側面クラッド部15と、が形成されている。なお、図3では、光導波路1のコア層13を透視して図示している。
これらのコア部14が、光導波路1において光信号を伝送する伝送路として機能する。各コア部14の先端面102は、各コア部14を他の光学部品に対して光結合可能な光入出射面となる。
光導波路1の先端部101には、図1に示すように、この先端部101を覆うようにして光コネクター5が設けられている。すなわち、光コネクター5は、コネクター本体51と、コネクター本体51に形成された貫通孔50(貫通部)と、を備えており、この貫通孔50内に光導波路1の先端部101が挿入されている。
図2(b)および図5(b)におけるこの光コネクター5の左端面は、光配線部品10を他の光学部品と光接続するときにこの光学部品に対向する面となる。本明細書では、図2(b)および図5(b)における光コネクター5の左端面を「対向面52」といい、図2(b)および図5(b)における光コネクター5の右端面を「非対向面53」という。換言すれば、光コネクター5は、コネクター本体51と、コネクター本体51に設けられた対向面52と、コネクター本体51に設けられた非対向面53と、コネクター本体51に形成された貫通孔50と、を備えている。
貫通孔50は、コネクター本体51の対向面52(第1外面)と、非対向面53(第2外面)と、を貫通するように形成されている。また、貫通孔50は、その長手方向に直交する方向に沿って切断されたとき、長方形をなす切断面を有するように構成されている。
貫通孔50の内面のうち、図2の下方に位置する部分を「下面502」とすると、下面502は、光導波路1を載置する載置面となる。この下面502には、接着剤6を介して光導波路1が接着されている。
また、光導波路1は、その先端面102が、光コネクター5の対向面52と同一面内に位置するように配置されている。これにより、光コネクター5の対向面52を他の光学部品と接触させたとき、光導波路1の先端面102も同時に他の光学部品と接触させることができる。その結果、先端面102が他の光学部品によって大きく傷つくのを防止しつつ、先端面102と他の光学部品とを適度な力で接触させることができる。
なお、光コネクター5に対する光導波路1の位置は、上記の位置に限定されない。すなわち、先端面102が、光コネクター5の対向面52を含む面から突出(非対向面53側とは反対側に突出)していてもよく、反対に、対向面52を含む面から後退して(非対向面53側にずれて)いてもよい。
以下、光配線部品10の構成についてさらに詳述する。
(光コネクター)
光コネクター5は、前述したように、コネクター本体51と、コネクター本体51に形成された貫通孔50と、を備えている。
光導波路1は、前述したように、接着剤6を介して下面502に接着されている。これにより、光導波路1は、貫通孔50に挿入された状態で固定される。その結果、光導波路1を外力や環境変化等から保護することができるので、光配線部品10と他の光学部品との光結合効率の低下をより確実に抑制することができる。
貫通孔50は、コネクター本体51を貫通するように形成された空洞(孔)であり、光コネクター5の対向面52(第1外面)内および非対向面53(第2外面)内にそれぞれ開口している。すなわち、貫通孔50は、対向面52と非対向面53とを繋ぐように貫通している。
また、貫通孔50は、対向面52と非対向面53の双方に開口している一方、コネクター本体51のそれ以外の外面には開口しておらず、コネクター本体51の内部に閉じられている。このような貫通孔50によれば、外力や環境変化等から光導波路1を特に良好に保護することができる。その結果、とりわけ耐候性に優れた光配線部品10が得られる。
貫通孔50の横断面形状(開口同士を結ぶ線と直交する方向での切断面形状)は、前述したような長方形に限定されず、正方形であってもよく、平行四辺形、六角形、八角形、長円形のようなその他の形状であってもよい。
また、光導波路1の幅(コア部14の長手方向に直交する方向における長さ)をWとしたとき、貫通孔50の幅W1は、光導波路1の幅Wと同じであってもよいが、光導波路1の幅Wより広く設定されるのが好ましい。これにより、光導波路1の幅方向に空間を伴わせることができる。すなわち、光導波路1の先端部101の側面と貫通孔50の内面との間に隙間を設けることができる。その結果、この空間に接着剤6のはみ出しを許容することができるので、あふれ出た接着剤6が先端面102に回り込むのを防止することができる。
この場合、光導波路1の幅Wに対する貫通孔50の幅W1の比率は、特に限定されないが、1.01W〜3W程度であるのが好ましく、1.1W〜2W程度であるのがより好ましい。これにより、上述した効果をより高めることができる。
また、貫通孔50の内面のうち、図2(b)の上方に位置する部分を「上面501」とすると、光導波路1は、空間を隔てて上面501と離間している。
換言すると、光導波路1は前述したように帯状をなしているので、互いに対向する(表裏の関係にある)2つの主面を備えている。したがって、2つの主面のうち、一方の主面が接着剤6を介して貫通孔50の下面502に接着されているのに対し、他方の主面は貫通孔50の上面501との間に空間を隔てている。
このような状態では、仮に、光配線部品10が置かれた環境の変化によって、接着剤6や光導波路1に体積変化が生じた場合でも、光導波路1と上面501との間の空間によって、その体積変化を吸収することができる。このため、体積変化に伴って大きな応力が発生するのを防止し、応力集中に伴う光導波路1の伝送効率の低下等を防止することができる。
光導波路1と貫通孔50の上面501との距離L1は、光導波路1の平均厚さの1〜1500%程度であるのが好ましく、3〜1000%程度であるのがより好ましい。距離L1を前記範囲内に設定することにより、仮に光導波路1が膨張したとしても、距離L1の空間によってその体積変化を十分に吸収することができる。その結果、応力集中に伴う光導波路1の伝送効率の低下等を防止することができる。
なお、光導波路1と貫通孔50の上面501との間は、必ずしも離間していなくてもよく、例えば接着剤等を用いないで光導波路1と上面501とが接触していてもよい。
また、光コネクター5は、各種コネクター規格に準拠した部位を含んでいてもよい。かかるコネクター規格としては、例えば小型(Mini)MTコネクター、JIS C 5981に規定されたMTコネクター、16MTコネクター、2次元配列型MTコネクター、MPOコネクター、MPXコネクター等が挙げられる。
本実施形態に係る光コネクター5のコネクター本体51には、図1、5に示すように、2つのガイド孔511が形成されている。このガイド孔511は、コネクター本体51のうち、対向面52(第1外面)内および非対向面53(第2外面)内にそれぞれ開口している。すなわち、2つのガイド孔511は、それぞれ第1外面と第2外面とを繋ぐように貫通している。
これらのガイド孔511には、光配線部品10を他の光学部品と接続する際、図示しないガイドピンが挿入される。これにより、光配線部品10と他の光学部品とを位置合わせする際に、互いの位置をより正確に合わせることができ、かつ、両者を互いに固定することができる。すなわち、ガイド孔511は、光配線部品10を他の光学部品と接続するための接続機構として機能する。
なお、ガイド孔511は、コネクター本体51を貫通せず、非対向面53を含む平面内に開口していなくてもよい。
また、上記接続機構に代えて、爪による係止を利用した係止機構や接着剤等を用いるようにしてもよい。
また、貫通孔50の形状は、図示した形状に限定されない。例えば、図2に示す光コネクター5では、上面501と下面502との距離は一定であるが、貫通孔50の形状はこれに限定されず、例えば、対向面52側から非対向面53側に向かうにつれて徐々に距離が大きくなるような形状であってもよい。
コネクター本体51の構成材料としては、例えば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、オレフィン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂のような各種樹脂材料、ステンレス鋼、アルミニウム合金のような各種金属材料等が挙げられる。
ここで、このような貫通孔50の下面502には、接着剤6を介して光導波路1の下面103が接着されている(図2参照)。
本実施形態に係る光コネクター5では、貫通孔50の横断面形状が前述したように長方形をなしているので、貫通孔50の内面は4つの平坦面を含んでいることとなる。この4つの平坦面のうち、光導波路1が載置されている下面502を第1内面とし、下面502の一端側(貫通孔50の開口同士を結ぶ方向と直交する方向における一端側)に位置する側面503を第2内面とし、下面502の他端側に位置する側面504を第3内面とする。
また、下面502(第1内面)と側面503(第2内面)との間、および、下面502(第1内面)と側面504(第3内面)との間には、それぞれ下面502を含む平面の一部を凹没させてなる溝505(凹部)が設けられている。
そして、本実施形態に係る光配線部品10は、下面502の法線方向から平面視されたとき、図3に示すように、溝505がはみ出すように構成されている。このような位置に設けられた溝505は、余分な接着剤6を受け入れる貯留部として機能する。すなわち、接着剤6の量を厳密に制御することは難しく、量が少ない場合には接着力に低下を招く一方、量が多過ぎた場合には光導波路1と下面502との間から接着剤6がはみ出す。はみ出した接着剤6は、光導波路1の側面104、105や上面106に付着し易くなる。そして、光導波路1の側面104、105や上面106に付着した接着剤6は、例えば環境温度が変化したときに熱膨張差等に起因して光導波路1に応力の集中を生じさせ、伝送効率の低下を招く。また、はみ出した接着剤6が、光導波路1の先端面102に付着すると、光の入出射が妨げられ、光配線部品10と他の光学部品との光結合効率の低下を招く。
これに対し、本実施形態では、はみ出した接着剤6を溝505に受け入れることができるので、接着剤6が光導波路1の側面104、105や上面106、先端面102に付着する確率を低下させる。このため、例えば環境温度が変化した場合でも、光導波路1の伝送効率が低下するのを抑制することができる。
また、換言すれば、接着剤6の量を厳密に調整して供給する必要がないため、光配線部品10の製造プロセスにおいて、ある程度のばらつきを許容することができる。このため、光配線部品10の製造効率を高めることができ、製造歩留まりを高めることができる。
さらに、光導波路1と下面502との間からはみ出た余分な接着剤6が溝505に溜まると、接着剤6と溝505との間では、アンカー効果に基づく接着力の向上が図られる。これにより、光コネクター5と光導波路とをより強固に接着することができる。その結果、光コネクター5から光導波路1が剥離し難くなり、光配線部品10の信頼性をより高めることができる。
なお、溝505に接着剤6が溜まることは必須ではなく、溜まっていなくてもよい。
また、溝505は、平面視において光導波路1からはみ出す位置に設けられていればよく、その位置は特に限定されないが、本実施形態では、下面502(第1内面)と側面503(第2内面)との間、および、下面502(第1内面)と側面504(第3内面)との間にそれぞれ設けられている。このような位置に設けることにより、光導波路1と下面502との間からはみ出した接着剤6を溝505において効率よく受け止めることができる。その結果、余分な接着剤6が貫通孔50の側面503や側面504に沿って流れ出し、光導波路1の側面104、105や上面106に付着する確率を十分に下げることができる。
さらに、溝505は、光導波路1からはみ出していれば、その位置は特に限定されないが、好ましくは光導波路1の幅方向の外側にはみ出すように構成される。かかる位置は、余分な接着剤6が最も多くはみ出す位置であるため、余分な接着剤6が光導波路1の側面104、105や上面106に回り込むのを阻止するという観点から、溝505の形成位置として適している。したがって、かかる位置に溝505を設けることにより、接着剤6が光導波路1の側面104、105や上面106に付着する確率を十分に下げることができる。
また、溝505は、平面視において、少なくとも一部が光導波路1からはみ出していればよく、一部が光導波路1の下面103の直下に入り込んでいてもよい。また、溝505とは別の溝が、光導波路1の下面103の直下に設けられていてもよい。
平面視において光導波路1と溝505との離間距離L2(図4参照)は、特に限定されないが、光導波路1の厚さtの100%以下であるのが好ましく、50%以下であるのがより好ましい。離間距離L2を前記範囲内に設定することで、余分な接着剤6が光導波路1の側面104に流れる確率よりも、溝505に流れ込む確率を高めることができる。これにより、前述した効果がより確実に発揮される。
一方、溝505の一部が光導波路1の下面103の直下に入り込んでいる場合には、光導波路1の幅方向において、光導波路1からはみ出ている溝505の割合が50%以上確保されていることが好ましい。これにより、溝505が、光コネクター5に対する光導波路1の位置精度に及ぼす影響を抑えつつ、前述した効果も確保することができる。
なお、溝505の幅W2(図4参照)は、溝505の深さdに応じて適宜設定され、特に限定されないが、一例として、光導波路1の厚さtの10〜500%程度であるのが好ましく、30〜300%程度であるのがより好ましい。
また、溝505の深さd(図4参照)も、溝505の幅W2に応じて適宜設定され、特に限定されないが、一例として、光導波路1の厚さtの5〜300%程度であるのが好ましく、10〜200%程度であるのがより好ましい。
このような条件を満たすことにより、溝505には光導波路1の側面104、105や上面106に付着するのを抑制するのに十分な容量が確保される。なお、これらの値が上限値を上回ってもよいが、それ以上の効果を期待できず、また、光コネクター5の大型化を招くおそれがある。
溝505の横断面形状(貫通孔50の開口同士を結ぶ方向と直交する面による切断面形状)は、特に限定されず、図1、2に示すような半円状であってもよく、三角形、四角形、六角形のような多角形や、その他いかなる形状であってもよい。
また、溝505の横断面形状は、溝505の長手方向の全体にわたって同形状である必要はなく、途中で形状が変化していてもよい。また、溝505の平面視形状も、特に限定されず、凹部であればよく、溝のような細長い形状に限定されない。
さらに、溝505は、下面502(第1内面)と側面503(第2内面)との間、および、下面502(第1内面)と側面504(第3内面)との間のうち、いずれか一方のみに設けられていてもよい。
なお、溝505が光導波路1からはみ出すように配置することで、前述したようなアンカー効果に基づく接着力の向上が図りつつ、光コネクター5の下面502は平坦面とすることが可能になる。これにより、接着力の向上と接着位置精度の向上とを両立させることができる。その結果、光コネクター5に対する光導波路1の位置関係を設計値により近づけることができ、他の光学部品との光結合効率に優れた光配線部品10が得られる。
また、溝505は、貫通孔50と同様、対向面52(第1外面)と非対向面53(第2外面)との間を貫通するように構成されているのが好ましい。このような溝505に未硬化の接着剤6が溜まると、その分だけ、接着剤6は対向面52や非対向面53により広い表面積を露出させることになる。このように露出した接着剤6の表面は、多くの光量を受けることができ、かつ、溝505の長手方向の中央部付近にまで光を届け易くなるので、接着剤6が光硬化性接着剤である場合に、硬化反応を促進させることに寄与する。すなわち、光硬化性接着剤は、通常、含有する重合開始剤が露光により反応してラジカルやカチオンを発生させ、連鎖的に重合反応(硬化反応)が進行する。したがって、露光面積を広く確保することにより、短時間で効率よく硬化反応を生じさせることができる。その結果、光導波路1と光コネクター5との接着信頼性が高い光配線部品10が得られる。
加えて、平面視において溝505が光導波路1からはみ出しているということは、光導波路1の側面104と光コネクター5の貫通孔50の側面503との間や、光導波路1の側面105と貫通孔50の側面504との間には、自ずと隙間が生じる。この隙間を光が通ることにより、溝505に溜まっている接着剤6の全体にも光が当たり易くなる。かかる観点からも、接着剤6の硬化反応を促進させることができる。
また、かかる溝505を含む光コネクター5は、一般的な成形方法によって容易に製造可能なものとなる。このため、光コネクター5の低コスト化を図ることができる。
なお、溝505の上記構成は、必須ではなく、溝505は、必ずしも光コネクター5の対向面52や非対向面53に開口していなくてもよく、いずれか一方のみに開口していてもよい。
また、下面502および溝505には、必要に応じて表面改質処理が施されていてもよい。これにより、被処理面の構成材料によっては、下面502や溝505と接着剤6との親和性を高めることができ、これらの界面に気泡が巻き込まれるのを抑制することができる。その結果、接着面積を十分に広く確保することができ、下面502や溝505に対する接着剤6の接着強度をより高めることができる。
表面改質処理としては、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、アーク放電処理、オゾン処理、スパッタリング、エッチング、カップリング剤の付与、露光処理、ブラスト処理等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を含む処理が用いられる。
このうち、プラズマ処理が好ましく用いられ、等方性プラズマ処理がより好ましく用いられる。プラズマ処理によれば、下面502の面精度にほとんど影響を及ぼすことなく、下面502に対する接着剤6の親和性を高めることができる。このため、高い接着力を確保しつつ、下面502と接着剤6を介して下面502に接着された光導波路1との位置関係が設計値からずれ難くなる。その結果、光コネクター5のガイド孔511と光導波路1のコア部14との位置関係も設計値により近づけることができる。その結果、他の光学部品との光結合効率に優れた光配線部品10が得られる。
なお、下面502および溝505に表面改質処理を施したとき、側面503、側面504および上面501にも表面改質処理を施してもよいが、施さないようにしてもよい。後者の場合、側面503および側面504に対する接着剤6の親和性が相対的に低くなるため、余分な接着剤6が側面503や側面504に流れ出し難くなる。その結果、余分な接着剤6が光導波路1の側面104、105や上面106に付着する確率をより低下させることができる。
また、光配線部品10の構成は、図1〜4に示す構成に限定されない。
図8は、図1〜4に示す光配線部品および光コネクターの第1変形例を示す図である。なお、本変形例は、下記の事項が異なる以外、図1〜4に示す光配線部品および光コネクターと同様である。
第1変形例に係る光コネクター5は、図8に示すように、コネクター本体51と、コネクター本体51に形成され、互いに独立した2つの貫通孔50と、を備えている。そして、各貫通孔50には、それぞれ光導波路1が挿入された状態で固定されている。その結果、1つの光コネクター5に対して2本の光導波路1が装着されている。
各貫通孔50には、それぞれ、図5〜7に示す溝505が設けられている。このため、光導波路1の側面や上面に接着剤6が付着する確率を低下させるといった前述の各効果を、光導波路1ごとに得ることができる。
図9は、図1〜4に示す光配線部品および光コネクターの第2変形例を示す図(分解図)である。なお、本変形例は、下記の事項が異なる以外、図1〜4に示す光配線部品および光コネクターと同様である。また、図9では、接着剤を省略している。
第2変形例に係る光コネクター5は、図9に示すように、コネクター本体51と、コネクター本体51に形成された貫通孔50と、を備えており、コネクター本体51は、基体51aと蓋体51bとを組み立ててなる組立体で構成されている。
図9に示すコネクター本体51は、基体51aと、対向面52を含む平面と非対向面53を含む平面とを貫通するように形成された貫通溝510と、を備えている。そして、図9に矢印で示すように、この貫通溝510に蓋体51bを収めることにより、貫通溝510の一部が塞がれ、図5〜7に示すのと同様の貫通孔50が形成される。この貫通孔50には、光導波路1が挿入された状態で固定されている。
このようにして組立体中に形成される貫通孔50には、図5〜7に示すのと同様の溝505が設けられている。このため、光導波路1の側面や上面に接着剤6が付着する確率を低下させるといった前述の各効果を得ることができる。
なお、光コネクター5の形状は、これらに限定されず、例えば蓋体51bが省略された形態であってもよい。この場合、貫通溝510がそのまま貫通部として機能する。
(光導波路)
図10は、図3に示す光配線部品に含まれる光導波路の一部を示す部分拡大斜視図である。図10では、説明の便宜のため、図3に示す光導波路1のうち、2本のコア部14の近傍を拡大して図示している。
図10に示す2本のコア部14は、それぞれクラッド部(側面クラッド部15および各クラッド層11、12)で囲まれており、コア部14に光を閉じ込めて伝搬することができる。
コア部14の横断面における屈折率分布は、いかなる分布であってもよい。この屈折率分布は、屈折率が不連続的に変化したいわゆるステップインデックス(SI)型の分布であってもよく、屈折率が連続的に変化したいわゆるグレーデッドインデックス(GI)型の分布であってもよい。SI型の分布であれば屈折率分布の形成が容易であり、GI型の分布であれば屈折率の高い領域に信号光が集まる確率が高くなるため伝送効率が向上する。
また、コア部14は、平面視で直線状であっても曲線状であってもよい。さらに、コア部14は途中で分岐または交差していてもよい。
なお、コア部14の横断面形状は特に限定されず、例えば、真円、楕円形、長円形等の円形、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形であってもよいが、四角形(矩形状)であることにより、コア部14を形成し易い利点がある。
コア部14の幅および高さ(コア層13の厚さ)は、特に限定されないが、それぞれ1〜200μm程度であるのが好ましく、5〜100μm程度であるのがより好ましく、10〜70μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、光導波路1の伝送効率の低下を抑えつつコア部14の高密度化を図ることができる。
一方、図3に示すように複数のコア部14が並列しているとき、コア部14同士の間に位置する側面クラッド部15の幅は、5〜250μm程度であるのが好ましく、10〜200μm程度であるのがより好ましく、10〜120μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、コア部14同士の間で光信号が混在(クロストーク)するのを防止しつつコア部14の高密度化を図ることができる。
上述したようなコア層13の構成材料(主材料)は、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、PETやPBTのようなポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリサルフォン、ポリエーテル、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂のような各種樹脂材料の他、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスのようなガラス材料等を用いることができる。なお、樹脂材料は、異なる組成のものを組み合わせた複合材料であってもよい。
また、クラッド層11、12の構成材料としては、例えば、前述したコア層13の構成材料と同様の材料を用いることができるが、特に(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、およびポリオレフィン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましく、(メタ)アクリル系樹脂またはエポキシ系樹脂がより好ましい。
なお、光導波路1は、その全体が樹脂材料で構成されているのが好ましい。これにより、光導波路1は、可撓性に富んだものとなり、実装作業の容易化が図られる。
光導波路1の幅は、特に限定されないが、1〜100mm程度であるのが好ましく、2〜10mm程度であるのがより好ましい。
また、光導波路1中に形成されるコア部14の数は、特に限定されないが、1〜100本程度であるのが好ましい。なお、コア部14の数が多い場合は、必要に応じて、光導波路1を多層化してもよい。具体的には、図10に示す光導波路1の上に、さらにコア層とクラッド層とを交互に重ねることにより多層化することができる。
また、必要に応じて、光導波路1の表面に前述した表面改質処理を施すようにしてもよい。これにより、光導波路1と接着剤6との密着性を高め、光導波路1と光コネクター5との接着力を高めることができる。
なお、図2、3では図示していないものの、図10に示す光導波路1は、さらに、最下層として支持フィルム2を、最上層としてカバーフィルム3を、それぞれ備えている。
支持フィルム2およびカバーフィルム3の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド等の各種樹脂材料が挙げられる。
また、支持フィルム2およびカバーフィルム3の平均厚さは、特に限定されないが、5〜500μm程度であるのが好ましく、10〜400μm程度であるのがより好ましい。これにより、支持フィルム2およびカバーフィルム3は、適度な剛性を有するものとなるため、コア層13を確実に支持するとともに、外力や外部環境からコア層13を確実に保護することができる。
なお、支持フィルム2やカバーフィルム3は、それぞれ必要に応じて設けられればよく、省略されていてもよい。
(接着剤)
接着剤6としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤、オレフィン系接着剤、各種ホットメルト接着剤(ポリエステル系、変性オレフィン系)等が挙げられる。
また、光硬化性接着剤が好ましく用いられる。これにより、光導波路1を高温に曝すことなく、光導波路1と光コネクター5とを接着することができる。
接着剤6の硬化物の弾性率は、好ましくは1000〜20000MPa程度とされ、より好ましくは300〜15000MPa程度とされ、さらに好ましくは500〜12500MPa程度とされ、特に好ましくは1000〜10000MPa程度とされる。接着剤6の硬化物の弾性率を前記範囲内に設定することにより、光コネクター5に対して光導波路1をより確実に固定しつつ、光導波路1中に熱応力等が集中するのを抑制し、伝送損失の増大を抑えることができる。
なお、接着剤6の弾性率は、JIS K 7127に規定された方法に準拠し、温度25℃で測定される。
また、接着剤6の硬化物のガラス転移温度は、30〜260℃程度であるのが好ましく、35〜200℃程度であるのがより好ましい。接着剤6の硬化物のガラス転移温度を前記範囲内に設定することにより、光配線部品10の耐熱性をより高めることができる。
なお、接着剤6の硬化物のガラス転移温度は、動的粘弾性測定法(DMA法)により測定することができる。
また、接着剤6は、貫通孔50の下面502の全面に設けられている必要はなく、例えば部分的に接着剤6が設けられていない部位があってもよい。
<電子機器>
上述したような本発明の光配線部品は、前述したように、光導波路における伝送効率の低下が抑えられる。したがって、本発明の光配線部品を備えることにより、高品質の光通信を行い得る信頼性の高い電子機器(本発明の電子機器)が得られる。
本発明の光配線部品を備える電子機器としては、例えば、携帯電話、ゲーム機、ルーター装置、WDM装置、パソコン、テレビ、ホーム・サーバー等の電子機器類が挙げられる。これらの電子機器では、いずれも、例えばLSI等の演算装置とRAM等の記憶装置との間で、大容量のデータを高速に伝送する必要がある。したがって、このような電子機器が本発明の光配線部品を備えることにより、電気配線に特有なノイズ、信号劣化等の不具合が解消され、その性能の飛躍的な向上が期待できる。
また、光導波路部分では、電気配線に比べて発熱量が大幅に削減される。このため、冷却に要する電力を削減することができ、電子機器全体の消費電力を削減することができる。
以上、本発明の光配線部品、光コネクターおよび電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、前記各実施形態では、光導波路の一端部に光コネクターが装着されているが、他端部にも同様の光コネクターが装着されていてもよく、これとは異なる光コネクターが装着されていてもよい。また、他端部には、光コネクターに代えて、各種の受発光素子が実装されていてもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.光配線部品の製造
(実施例1)
(1)光導波路の作製
まず、クラッド層形成用の組成物としてノルボルネン系樹脂(PNB)を含む組成物を調製した。次いで、この組成物を厚さ25μmのポリイミドフィルム(支持フィルム)上に塗布し、乾燥、硬化させて厚さ10μmのクラッド層を得た。
次いで、得られたクラッド層上に、コア層形成用の組成物としてノルボルネン系樹脂(PNB)を含む組成物を塗布し、乾燥、硬化させて厚さ50μmのコア層を得た。続いて、紫外線を露光し、コア層中にコア部と側面クラッド部とを形成した。なお、形成したコア部の本数は8本、コア部の幅は50μmであった。
一方、別のポリイミドフィルム(カバーフィルム)上に組成物を塗布し、乾燥、硬化させて厚さ10μmのクラッド層を得た。
そして、コア層とクラッド層とが接するように重ねた。これにより、ポリイミドフィルム、クラッド層、コア層、クラッド層およびポリイミドフィルムがこの順で積層されてなる光導波路を得た。なお、光導波路の厚さは120μm、幅は2mm、長さは10cmであった。
(2)光コネクターの装着
次に、得られた光導波路の2つの主面のうち、一方の主面にエポキシ系接着剤を塗布した。
次に、光コネクターの貫通部内に、エポキシ系接着剤を塗布した光導波路を挿入した。そして、接着剤を介して光導波路と光コネクターとを接着した。これにより、図1に示す光配線部品を得た。
なお、光コネクターおよび光導波路に係る寸法は、表1に示す通りである。
また、貫通部内を光学顕微鏡で観察したところ、接着剤が貫通部内に形成された溝内に溜まっていたが、光導波路の側面には付着していなかった。
(実施例2〜12)
光コネクターおよび光導波路に係る寸法を表1に示す値に変更した以外は、それぞれ実施例1と同様にして光配線部品を得た。
なお、表1中の距離L2がマイナス表記になっているものは、光コネクターの貫通部内に形成された溝が、光導波路の直下に形成されていることを示しており、その値は、光導波路の直下に入り込んでいる部分の幅を表している。
また、各実施例で得られた光配線部品の貫通部内を光学顕微鏡で観察したところ、いずれも、接着剤が貫通部内に形成された溝内に溜まっていたが、光導波路の側面には付着していなかった。
(比較例)
光コネクターの貫通部内に形成された図1に示す溝を省略し、貫通部の下面全体を平坦面に変更した以外は、実施例1と同様にして光配線部品を得た。
なお、貫通部内を光学顕微鏡で観察したところ、接着剤が光導波路の側面に付着していた。
2.光配線部品の評価
2.1 剥離試験
各実施例および比較例で得られた光配線部品について、光コネクターを切断し、貫通部内に接着された光導波路を露出させた。
次に、光コネクターを固定した上で、光導波路を引っ張り、光コネクターから光導波路を引き剥がすとともに、その過程における引張荷重の最大値を求めた。
そして、比較例で得られた光配線部品における引張荷重を1としたとき、各実施例で得られた光配線部品における引張荷重の相対値を求めた。
算出結果を表1に示す。
2.2 位置精度
各実施例および比較例で得られた光配線部品について、光コネクターの先端面側に露出している光導波路の端面を観察した。
次いで、光コネクターに形成された2つのガイド孔同士を結ぶ線分に対して、各コア部がどの程度ずれているかを測定した。
そして、そのずれ量を以下の評価基準に照らして評価した。
<位置精度の評価基準>
◎:ずれ量が非常に小さい
○:ずれ量がやや小さい
△:ずれ量がやや大きい
×:ずれ量が非常に大きい
評価結果を表1に示す。
2.3 温度サイクル試験
まず、各実施例および比較例で得られた光配線部品を、温度サイクル試験装置に入れた。この際、光導波路と光コネクターとを接着する接着剤の量をそれぞれ20段階に変えた光配線部品を、各実施例および比較例のそれぞれについて作製し、これらの全てを温度サイクル試験装置に入れた。
次いで、装置内を−40℃で30分間保持した後、20℃で10分間保持した。
次いで、装置内を85℃で30分間保持した後、20℃で10分間保持した。
以上の昇降温を1サイクルとして、かかる温度サイクルを100サイクル繰り返した。
次いで、試験前の光配線部品の挿入損失と試験後の光配線部品の挿入損失とを比較し、挿入損失の増分を算出した。なお、これらの挿入損失は、社団法人 日本電子回路工業会が規定した「高分子光導波路の試験方法(JPCA−PE02−05−01S−2008)」の4.6.1挿入損失の測定方法に準拠して測定した。
その上で、比較例で得られた光配線部品について、温度サイクル試験に伴う挿入損失の増分が0.15dB以下に抑えられている最大の接着剤量を1(基準値)とする。
そして、各実施例で得られた光配線部品について、温度サイクル試験に伴う挿入損失の増分が0.15dB以下に抑えられている最大の接着剤量を、基準値に対する相対値として求めた。
なお、上述したような挿入損失の増分が所定の値以下になるときの最大の接着剤量は、挿入損失の増分が所定の値以下にするために制御すべき接着剤量の許容幅に相当するものである。このため、最大の接着剤量が多ければ、それだけ所定の光学特性を満足させる際の接着剤量の許容幅が広いことになり、製造容易性(実現性)が高いことを意味する。
算出した相対値を、「許容接着剤量」として表1に示す。
Figure 2017090838
表1から明らかなように、各実施例で得られた光配線部品では、比較例で得られた光配線部品に比べて、温度サイクル試験を経た後でも挿入損失の増分を少なく抑えるための接着剤の許容幅が広いことが認められた。
これに対し、比較例で得られた光配線部品では、温度サイクル試験を経た後、挿入損失の増分を少なく抑えるための接着剤の許容幅が狭いことが認められた。
また、各実施例で得られた光配線部品は、接着部の引張荷重および位置精度についても良好であった。
これらのことから、本発明によれば、環境温度等の変化による伝送効率の低下を抑制し得る信頼性の高い光配線部品が得られることが認められた。
1 光導波路
2 支持フィルム
3 カバーフィルム
5 光コネクター
6 接着剤
10 光配線部品
11 クラッド層
12 クラッド層
13 コア層
14 コア部
15 側面クラッド部
50 貫通孔
51 コネクター本体
51a 基体
51b 蓋体
52 対向面
53 非対向面
101 先端部
102 先端面
103 下面
104 側面
105 側面
106 上面
501 上面
502 下面
503 側面
504 側面
505 溝
510 貫通溝
511 ガイド孔

Claims (9)

  1. 光導波路と、前記光導波路に装着されている光コネクターと、前記光導波路と前記光コネクターとを接着する接着剤と、を有し、
    前記光コネクターは、
    外面として第1外面と第2外面とを含むコネクター本体と、
    前記第1外面と前記第2外面とを貫通し、内面として、前記接着剤を介して光導波路が載置されている第1内面と、前記第1内面の一端側に設けられている第2内面と、前記第1内面の他端側に設けられている第3内面と、を含む貫通部と、
    前記第1内面を含む平面の一部を凹没させてなる凹部であって、前記第1内面の法線方向からの平面視において、少なくとも一部が前記光導波路からはみ出すように設けられている凹部と、
    を備えることを特徴とする光配線部品。
  2. 前記凹部は、前記第1内面と前記第2内面との間、および、前記第1内面と前記第3内面との間、の少なくとも一方に設けられている請求項1に記載の光配線部品。
  3. 前記光導波路は、長尺状をなしており、
    前記凹部は、少なくとも一部が前記光導波路の幅方向の外側にはみ出すように設けられている請求項1または2に記載の光配線部品。
  4. 前記貫通部は、前記第1外面と前記第2外面の双方に開口している以外では、前記コネクター本体の内部に閉じられている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光配線部品。
  5. 前記凹部は、前記第1外面と前記第2外面との間を貫通するよう構成されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光配線部品。
  6. 前記接着剤は、前記第1内面と前記光導波路との間に介在するとともに、前記凹部内に溜まっている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光配線部品。
  7. 前記光導波路は、互いに表裏の関係にある2つの主面を有するシート状をなしており、
    前記2つの主面のうち、一方の主面は、前記接着剤を介して前記第1内面に接着されており、他方の主面は、前記貫通部の内面と離間している請求項1ないし6のいずれか1項に記載の光配線部品。
  8. 外面として第1外面と第2外面とを含むコネクター本体と、
    前記第1外面と前記第2外面とを貫通し、内面として、光導波路を載置可能な第1内面と、前記第1内面の一端側に設けられている第2内面と、前記第1内面の他端側に設けられている第3内面と、を含む貫通部と、
    前記第1内面を含む平面の一部を凹没させてなる凹部であって、前記第1内面と前記第2内面との間、および、前記第1内面と前記第3内面との間、の少なくとも一方に設けられている凹部と、
    を備えることを特徴とする光コネクター。
  9. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光配線部品を備えることを特徴とする電子機器。
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