以下、本発明の光配線部品、光コネクター接続構造および電子機器について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<光コネクター接続構造>
≪第1実施形態≫
まず、本発明の光コネクター接続構造の第1実施形態および本発明の光配線部品の第1実施形態について説明する。
図1および図2は、それぞれ本発明の光コネクター接続構造の第1実施形態の分解状態を示す分解斜視図、図3は、図2に示す光コネクター接続構造の接続状態を示す断面図である。また、図4は、図1〜3に示す光コネクター接続構造において光配線部品を介した接続に供される他の光コネクターを示す斜視図、図5は、図1〜3に示す光コネクター接続構造に含まれる本発明の光配線部品の第1実施形態を示す斜視図、図6は、図5に示す光配線部品をA1方向、A2方向およびA3方向からそれぞれ平面視した図を示す平面図である。なお、図1では、図示の便宜上、光コネクター接続構造の一部の図示を省略している。
図1に示す光コネクター接続構造100は、第1光コネクター91(他の光コネクター)と、第2光コネクター92(他の光コネクター)と、これらの接続に供される光配線部品5と、を有している。第1光コネクター91と光配線部品5との間、および、光配線部品5と第2光コネクター92との間は、それぞれ図1に一点鎖線で結ばれた面同士を向かい合わせるようにして接続されている。その結果、第1光コネクター91と第2光コネクター92との間が、光配線部品5を介して光学的に接続されている。そして、光配線部品5は、分配、合流といった光信号を加工する機能を有していてもよい。これにより、光配線部品5は、第1光コネクター91と第2光コネクター92とを光学的および機械的に接続するとともに、通過する光信号を加工する役割も果たす。
以下、光コネクター接続構造100の各部について詳述する。
<第1光コネクター>
第1光コネクター91は、図4(a)等に示すように、フェルール912と、フェルール912に形成されているファイバー孔914およびガイド孔916と、を備えている。
この第1光コネクター91は、各種コネクター規格に準拠した部位を含んでいてもよい。図1〜4に示す第1光コネクター91は、JIS C 5981に規定されたMTコネクターに準拠した部位を含んでいるが、その他のコネクター規格、例えば小型(Mini)MTコネクター、16MTコネクター、2次元配列型MTコネクター、MPOコネクター、MPXコネクター等に準拠した部位を含んでいてもよい。
第1光コネクター91の構成材料は、特に限定されないが、例えば、フェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、オレフィン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂のような各種樹脂材料、ステンレス鋼、アルミニウム合金のような各種金属材料等が挙げられる。
フェルール912は、直方体形状をなしており、そのうち、光コネクター接続構造100の接続状態において光配線部品5に相対する面である接続面912aと、フェルール912において接続面912aと対向する面である非接続面912bと、を含んでいる。
また、第1光コネクター91は、2本のファイバー孔914を備えている。これらのファイバー孔914は、接続面912aと非接続面912bとに開口するように、フェルール912を貫通している。
さらに、第1光コネクター91は、2本のガイド孔916を備えている。これらのガイド孔916も、接続面912aと非接続面912bとに開口するように、フェルール912を貫通している。
ファイバー孔914には、それぞれ光ファイバー93が挿通されている。そして、光ファイバー93の端面の位置が、接続面912aに合うように配置されている。これにより、複数本の光ファイバー93を同時に保持するとともに、光ファイバー93同士の相対的な位置関係を精度よく固定することができる。
また、ガイド孔916は、光コネクター接続構造100を組み立てる際、図2に示すようなガイドピン81が挿通可能になっている。これにより、第1光コネクター91と光配線部品5との位置合わせを容易に行うことができる。
なお、ファイバー孔914の形態は、図示のものに限定されず、例えばファイバー孔914が接続面912aに開口せず、レンズ等が配置されている形態であってもよい。そして、ファイバー孔914の数、すなわち第1光コネクター91によって保持される光ファイバー93の数は、特に限定されず、1本であっても3本以上であってもよい。
また、ガイド孔916の形態も、図示のものに限定されず、第1光コネクター91と光配線部品5とを係合する手段の方式に応じて様々な形態で代替可能である。
さらに、第1光コネクター91の形態も、図示のものに限定されず、例えばフェルール912が複数の部位に分割可能な形態であってもよく、ファイバー孔914の側方から接着剤等を注入するための注入孔が設けられている形態であってもよい。
<第2光コネクター>
第2光コネクター92は、図4(b)等に示すように、フェルール922と、フェルール922に形成されているファイバー孔924およびガイド孔926と、を備えている。
この第2光コネクター92も、各種コネクター規格に準拠した部位を含んでいてもよい。図1〜4に示す第2光コネクター92は、JIS C 5981に規定されたMTコネクターに準拠した部位を含んでいるが、その他のコネクター規格に準拠した部位を含んでいてもよい。
第2光コネクター92の構成材料は、特に限定されないが、例えば前述した第1光コネクター91の構成材料が挙げられる。
フェルール922は、直方体形状をなしており、そのうち、光コネクター接続構造100の接続状態において光配線部品5に相対する面である接続面922aと、フェルール922において接続面922aと対向する面である非接続面922bと、を含んでいる。
また、第2光コネクター92は、8本のファイバー孔924を備えている。これらのファイバー孔924は、接続面922aと非接続面922bとに開口するように、フェルール922を貫通している。
さらに、第2光コネクター92は、2本のガイド孔926を備えている。これらのガイド孔926も、接続面922aと非接続面922bとに開口するように、フェルール922を貫通している。
ファイバー孔924には、それぞれ光ファイバー93が挿通されている。そして、光ファイバー93の端面の位置が、接続面922aに合うように配置されている。
また、ガイド孔926は、光コネクター接続構造100を組み立てる際、図2に示すようなガイドピン82が挿通可能になっている。これにより、第2光コネクター92と光配線部品5との位置合わせを容易に行うことができる。
なお、ファイバー孔924の形態は、図示のものに限定されず、例えばファイバー孔924が接続面922aに開口せず、レンズ等が配置されている形態であってもよい。そして、ファイバー孔924の数、すなわち第2光コネクター92によって保持される光ファイバー93の数は、特に限定されず、1本であってもよく、3本以上の任意の数であってもよい。
また、ガイド孔926の形態も、図示のものに限定されず、第2光コネクター92と光配線部品5とを係合する手段の方式に応じて様々な形態で代替可能である。
さらに、第2光コネクター92の形態も、図示のものに限定されず、例えばフェルール922が複数の部位に分割可能な形態であってもよく、ファイバー孔924の側方から接着剤等を注入するための注入孔が設けられている形態であってもよい。
<光配線部品>
次に、本発明の光配線部品の第1実施形態について説明する。
第1実施形態に係る光配線部品5は、図5に示すように、ブロック状をなす部品本体51と、部品本体51に載置されている光導波路1と、を有している。
このうち、部品本体51は、光コネクター接続構造100の接続状態において第1光コネクター91が装着される面である第1装着面511と、第2光コネクター92が装着される面である第2装着面512と、を備えている。
また、部品本体51は、その1つの面が凹んだ形状をなしており、その凹んだ部分は第1装着面511と第2装着面512とを繋ぐ貫通部52になっている。すなわち、貫通部52の形状は溝である。そして、溝の底面が光導波路1の載置面521になっている。
光コネクター接続構造100の接続状態においては、第1装着面511と第1光コネクター91の接続面912aとが密着するとともに、第2装着面512と第2光コネクター92の接続面922aとが密着する。これにより、第1光コネクター91によって保持されている光ファイバー93と、第2光コネクター92によって保持されている光ファイバー93とが、光導波路1を介して光学的に接続される。
また、部品本体51の第1装着面511には、図5に示すように、2つのガイド孔53が開口している。これらのガイド孔53は、いずれも第1装着面511と第2装着面512とに開口している。
これらのガイド孔53には、光コネクター接続構造100を組み立てる際、図2に示すような2つのガイドピン81、82が挿通される。具体的には、ガイドピン81は、第1光コネクター91のガイド孔916を貫通し、光配線部品5の第1装着面511側の開口からガイド孔53に挿通される。一方、ガイドピン82は、第2光コネクター92のガイド孔926を貫通し、光配線部品5の第2装着面512側の開口からガイド孔53に挿通される。その結果、第1光コネクター91、光配線部品5および第2光コネクター92が、ガイドピン81、82によって互いに位置合わせされた状態で固定される。
したがって、ガイド孔53およびガイドピン81は、ガイド孔53にガイドピン81が挿入され、互いに係合することにより、ガイドピン81は第1光コネクター91のガイド孔916とも係合することとなる。
同様に、ガイド孔53およびガイドピン82は、ガイド孔53にガイドピン82が挿入され、互いに係合することにより、ガイドピン82は第2光コネクター92のガイド孔926とも係合することとなる。
なお、ガイド孔53は、必ずしも部品本体51を貫通する貫通孔である必要はなく、例えばガイド孔53の全長の中間部で塞がっていてもよい。すなわち、ガイド孔53は、それぞれ有底の凹部で構成されていてもよい。
図6(a)は、図5に示す光配線部品5をA1方向から見た図であって、光配線部品5について第1装着面511を平面視した図である。
貫通部52は、第1装着面511側においてその開口の形状が長方形であり、載置面521上にシート体である光導波路1が載置されている。すなわち、光導波路1の互いに表裏の関係にある2つの主面のうち、一方が載置面521に面するように載置されている。そして、光導波路1の厚さの中心と、2つのガイド孔53同士を結ぶ線とが、互いに重なるように載置面521が形成されている。なお、このような貫通部52の構成は、一例であり、第1光コネクター91や第2光コネクター92の構造に応じて適宜変更可能である。
また、光導波路1は、光信号が導波する2系統のコア部141、142を備えている。これらのコア部141、142は、シート体のうち、主面同士を繋ぐ側面の一部であって互いに対向する2つの端面に露出している。
さらに、光導波路1は、平面視で長方形をなしており、上述した2つの端面が長方形における2つの短辺に対応している。一方の短辺に対応する端面は、第1装着面511を含む平面内に位置し、他方の短辺に対応する端面は、第2装着面512を含む平面内に位置している。
このような構成にすることで、部品本体51によって光導波路1を安定的にかつ正確に保持しつつ、光導波路1と光ファイバー93とを容易に接続することができるので、接続容易性と安定した光結合効率とを両立した光配線部品5が得られる。
なお、光導波路1の主面は、その全体が載置面521に面している。すなわち、光導波路1の主面のうち、載置面521に面している部分の面積は、主面の面積の100%である。このように主面のうち載置面521に面している部分の面積率が主面の99%以上となるように光導波路1を配置することで、光導波路1の主面のほとんどが載置面521によって支持されることになる。このため、光導波路1が安定的に保持される。これにより、光配線部品5に含まれる光導波路1と第1光コネクター91や第2光コネクター92によって保持された光ファイバー93との光結合効率をより高めることができる。
さらに、光導波路1の端面には、コア部141の1つの端面とコア部142の1つの端面が露出している。これらの合計2つの端面は、コア部141、142へ光信号を入出射させる入出射面として機能する。したがって、第1光コネクター91によって保持されている2本の光ファイバー93とコア部141、142の2つの端面とを光学的に接続することにより、双方間で光信号の送受信を行うことができる。換言すれば、このような光学的接続が成立するように、ガイドピン81を介して第1光コネクター91と部品本体51とが位置合わせされる。
図6(b)は、図5に示す光配線部品5をA2方向から見た図であって、光配線部品5についてシート状の光導波路1の主面(載置面521)を平面視した図である。
光導波路1では、図6(b)に示すように、コア部141およびコア部142がそれぞれ途中で2回分岐している。その結果、コア部141およびコア部142は、第2装着面512側において、それぞれ4本ずつに分岐している。
図6(c)は、図5に示す光配線部品5をA3方向から見た図であって、光配線部品5について第2装着面512を平面視した図である。
貫通部52は、第2装着面512側においてもその開口の形状が長方形である。そして、第2装着面512側においても、光導波路1の厚さの中心と、2つのガイド孔53同士を結ぶ線とが、互いに重なるように載置面521が構成されている。
また、光導波路1の端面には、コア部141およびコア部142のそれぞれ4つの端面が露出している。これらの合計8つの端面は、コア部141、142へ光信号を入出射させる入出射面として機能する。したがって、第2光コネクター92によって保持されている8本の光ファイバー93とコア部141、142の8つの端面とを光学的に接続することにより、双方間で光信号の送受信を行うことができる。換言すれば、このような光学的接続が成立するように、ガイドピン82を介して第2光コネクター92と部品本体51とが位置合わせされる。
なお、図6では、前述したように、平面視で長方形をなす光導波路1のうち、一方の短辺に対応する端面は、第1装着面511を含む平面内に位置し、他方の短辺に対応する端面は、第2装着面512を含む平面内に位置しているが、本発明はかかる構成に限定されない。
例えば、光導波路1の端面は、第1装着面511よりも外側(部品本体51の外側)に向かって突出していてもよく、反対に、第1装着面511よりも内側(部品本体51の内側)に向かって後退していてもよい。
同様に、光導波路1の端面は、第2装着面512よりも外側(部品本体51の外側)に向かって突出していてもよく、反対に、第2装着面512よりも内側(部品本体51の内側)に向かって後退していてもよい。
光導波路1の端面が突出していることにより、光導波路1の端面を光ファイバー93に対して近づけ易くなる。これにより、光導波路1と光ファイバー93との光結合効率をより高めることができる。
一方、光導波路1の端面が後退していることにより、光導波路1の端面が部品本体51によって保護され易くなる。これにより、光導波路1の端面にキズ等が付き難くなり、結果的に光導波路1と光ファイバー93との光結合効率の低下を抑制することができる。
また、部品本体51の構成材料は、特に限定されないが、例えばフェノール系樹脂、エポキシ系樹脂、オレフィン系樹脂、尿素系樹脂、メラミン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂のような各種樹脂材料、ステンレス鋼、アルミニウム合金のような各種金属材料等が用いられる。このうち、樹脂材料であれば、トランスファー成形、射出成形、押出成形のような各種成形法によって容易に製造可能であるため、量産性や低コスト化の観点から利点が多い。
また、部品本体51は、複数の部位に分割されていてもよい。すなわち、これらの複数の部位が組み立てられ、互いに固定された状態で部品本体51が構築されていてもよい。例えば、部品本体51は、第1装着面511、第2装着面512および載置面521を有する形状であればいかなる形状(例えば平板等)をなしていてもよい。なお、光導波路1を外力等から保護するという観点からすれば、部品本体51は、貫通部52のように載置面521の外縁のうち、第1装着面511および第2装着面512と重なる外縁以外の少なくとも一部から立設する壁面を含む構造を有するのが好ましい。
図7は、図6に示す光導波路1の一部を拡大して示す斜視図である。なお、図7では、コア部14の1本のみを拡大して図示しているとともに、光導波路1の内部を一部透視して図示している。
図7に示す光導波路1は、クラッド層11、コア層13およびクラッド層12が下方からこの順で積層された積層体を備えている。また、コア層13には、図7に示すように、長尺状のコア部141、142と、コア部141、142の側面に隣接する側面クラッド部15と、が形成されている。
コア部141、142は、それぞれクラッド部(側面クラッド部15および各クラッド層11、12)で囲まれており、コア部141、142に光を閉じ込めて伝搬することができる。
コア部141、142の横断面における屈折率分布は、いかなる分布であってもよい。この屈折率分布は、屈折率が不連続的に変化したいわゆるステップインデックス(SI)型の分布であってもよく、屈折率が連続的に変化したいわゆるグレーデッドインデックス(GI)型の分布であってもよい。SI型の分布であれば屈折率分布の形成が容易であり、GI型の分布であれば屈折率の高い領域に信号光が集まる確率が高くなるため伝送効率が向上する。
また、コア部141は、図6に示すように、第1装着面511側から第2装着面512側に向かう途中において、分岐部1411において2つに分岐し、分岐したコア部141は、さらに分岐部1412においてそれぞれ2つに分岐している。その結果、コア部141は最終的に4本に分岐している。
一方、コア部142も、図6に示すように、第1装着面511側から第2装着面512側に向かう途中において、分岐部1421において2つに分岐し、分岐したコア部142は、さらに分岐部1422においてそれぞれ2つに分岐している。その結果、コア部142も最終的に4本に分岐している。
このように伝搬させる光信号を2つに分配可能な二分岐構造を複数個直列に接続することにより、光信号を4つに分配するときの分配比の精度を高めることができる。すなわち、1つの分岐構造において光信号を4つに分配する場合に比べて、分配後の光信号の強度比を、分岐構造の形状から計算される分岐比(設計値)により近づけることができる。その結果、安定した分配特性を有する光配線部品5が得られる。
なお、二分岐構造における分配比は、1:99〜50:50の範囲内で適宜選択される。
そして、コア部141、142がそれぞれ光信号を複数に分配可能な分岐構造を含むことにより、光配線部品5は、第1光コネクター91と第2光コネクター92とを光学的および機械的に接続するだけでなく、伝搬する光信号を分配するという光信号の加工をも行うことができる。このため、光配線部品5を用いることにより、接続と光信号の加工とを省スペースで同時かつ容易に実現可能な光コネクター接続構造100が得られる。なお、コア部141、142は、光信号を分配する機能以外の機能を有していてもよい。かかる機能としては、例えば、光信号の合波、光信号の減衰、光信号のモード分散の抑制等の機能が挙げられる。
また、コア部141、142は、平面視において直線状の部分や曲線状の部分を含んでいてもよい。
また、コア部141、142の横断面形状は特に限定されず、例えば、真円、楕円形、長円形等の円形、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形であってもよい。
また、1箇所での分岐数は3以上であってもよいが、3分岐以上の分岐構造における分配比は、好ましくは分配後の光信号の強度比が10分の1以上になるように適宜設定される。
コア部141、142の幅および高さ(コア層13の厚さ)は、特に限定されないが、それぞれ1〜200μm程度であるのが好ましく、5〜100μm程度であるのがより好ましく、10〜70μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、光導波路1の伝送効率の低下を抑えつつコア部141、142の高密度化を図ることができる。
一方、図6に示すように複数のコア部141、142が並列しているとき、コア部141同士の間、コア部142同士の間およびコア部141とコア部142との間に位置する側面クラッド部15の幅は、5〜250μm程度であるのが好ましく、10〜200μm程度であるのがより好ましく、10〜120μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、光信号が混在(クロストーク)するのを防止しつつコア部141、142の高密度化を図ることができる。
上述したようなコア層13の構成材料(主材料)は、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、PETやPBTのようなポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリサルフォン、ポリエーテル、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂のような各種樹脂材料の他、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスのようなガラス材料等を用いることができる。なお、樹脂材料は、異なる組成のものを組み合わせた複合材料であってもよい。
クラッド層11、12の平均厚さは、コア層13の平均厚さの0.05〜1.5倍程度であるのが好ましく、0.1〜1.25倍程度であるのがより好ましい。具体的には、クラッド層11、12の平均厚さは、それぞれ1〜200μm程度であるのが好ましく、3〜100μm程度であるのがより好ましく、5〜60μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、光導波路1が必要以上に厚膜化するのを防止しつつ、クラッド部としての機能が確保される。
また、クラッド層11、12の構成材料としては、例えば、前述したコア層13の構成材料と同様の材料を用いることができるが、特に(メタ)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂、およびポリオレフィン系樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましい。
光導波路1の幅は、特に限定されないが、1〜100mm程度であるのが好ましく、2〜50mm程度であるのがより好ましい。
また、光導波路1中に形成されるコア部141、142の数は、特に限定されないが、分岐後の合計の最大数が100本以下程度であるのが好ましい。
また、コア層13を多層化してもよい。具体的には、図7に示すクラッド層12の上に、さらにコア層13とクラッド層12とを交互に重ねることにより、光導波路1中に含まれるコア層13を多層化することができる。
また、図3、6では省略しているが、光導波路1は、さらに別の層を備えていてもよい。図7はその一例であり、図7に示す光導波路1は、最下層として支持フィルム2を、最上層としてカバーフィルム3を、それぞれ備えている。
支持フィルム2およびカバーフィルム3の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド等の各種樹脂材料が挙げられる。
また、支持フィルム2およびカバーフィルム3の平均厚さは、特に限定されないが、5〜500μm程度であるのが好ましく、10〜400μm程度であるのがより好ましい。これにより、支持フィルム2およびカバーフィルム3は、適度な剛性を有するものとなるため、コア層13を確実に支持するとともに、外力や外部環境からコア層13を確実に保護することができる。
なお、支持フィルム2やカバーフィルム3は、それぞれ必要に応じて設けられればよく、省略されていてもよい。
また、光導波路1と載置面521との間は、いかなる方法で固定されていてもよい。固定方法の例としては、例えば、接着剤や粘着剤を用いた固定、光導波路1の粘着性や固着性を用いた固定、機械的な固定等が挙げられる。
<係合部>
前述したように、ガイド孔53およびガイドピン81は、第1光コネクター91を第1装着面511に装着させ得る2つの係合部の関係を有する。よって、部品本体51は、これら2つの係合部のうちの一方としてガイド孔53を備えている。そして、ガイドピン81は、2つの係合部のうちの他方となる。
同様に、ガイド孔53およびガイドピン82は、第2光コネクター92を第2装着面512に装着させ得る2つの係合部の関係を有する。よって、部品本体51は、これら2つの係合部のうちの一方としてガイド孔53を備えている。そして、ガイドピン82は、2つの係合部のうちの他方となる。
このような2つの係合部の係合を利用することで、光配線部品5を介した第1光コネクター91と第2光コネクター92との接続作業を簡単に行うことができる。このため、接続作業に際して高い技量を要求することなく、効率的な作業が可能になる。そして、第1光コネクター91と光配線部品5との間および第2光コネクター92と光配線部品5との間を、それぞれ良好に位置合わせした状態で保持することができるので、光コネクター接続構造100の接続部における光結合効率をより高めることができる。
また、係合とその解除とが自在になっていれば、光コネクター接続構造100の構築と分解とを簡単に操作することができる。このため、かかる観点においても、接続作業に際して高い技量を要求することなく、効率的な作業が可能になる。
ガイドピン81は、2本の棒状の挿通部811と、挿通部811の一端部においてこれらを連結する連結部812と、を備えている。挿通部811の長さは、ガイド孔916の全長より長く、かつ、ガイド孔916の全長とガイド孔53の全長の半分との合計の長さより短く設定されている。これにより、ガイドピン81を第1光コネクター91のガイド孔916と光配線部品5のガイド孔53とに連続して挿通することができる。
同様にガイドピン82は、2本の棒状の挿通部821と、挿通部821の一端部においてこれらを連結する連結部822と、備えている。挿通部821の長さも、ガイド孔926の全長より長く、かつ、ガイド孔926の全長とガイド孔53の全長の半分との合計の長さより短く設定されている。これにより、ガイドピン82を第2光コネクター92のガイド孔926と光配線部品5のガイド孔53とに連続して挿通することができる。
また、連結部812は、ガイドピン81を係合状態にしたとき、光ファイバー93との干渉を防止するような形状をなしているのが好ましい。同様に、連結部822も、ガイドピン82を係合状態にしたとき、光ファイバー93との干渉を防止するような形状をなしているのが好ましい。
なお、挿通部811とガイド孔53とは、係合だけでなく、嵌合していてもよい。例えば、挿通部811およびガイド孔53は、双方が摺接し容易に挿抜できない状態になっていてもよいし、挿通完了時に挿通部811が変形しガイド孔53の側壁に設けた凹部に侵入してさらに嵌合するようになっていてもよい。これらの嵌合状態をとることにより、光コネクター接続構造100をより安定して保持することができる。
また、挿通部821とガイド孔53とについても、上記のように構成されていてもよい。
なお、ガイドピン81は、部品本体51と係合することによって第1光コネクター91を第1装着面511に装着させ得るものであれば、図示のものに限定されない。同様に、ガイドピン82も、部品本体51と係合することによって第2光コネクター92を第2装着面512に装着させ得るものであれば、図示のものに限定されない。
<クリップ>
また、図2に示す光コネクター接続構造100は、クリップ7を有している。このクリップ7は、第1光コネクター91、光配線部品5および第2光コネクター92がガイドピン81、82によって互いに位置合わせされた状態を、さらに強固に保持(締結)するために用いられる。具体的には、ガイドピン81をガイド孔916およびガイド孔53に挿通し、ガイドピン82をガイド孔926およびガイド孔53に挿通した状態で、ガイドピン81とガイドピン82とを互いに近づけるように付勢する付勢力が加わるように、これらをクリップ7で挟み込む。これにより、クリップ7が付勢力を付与し続けることになるため、位置合わせされた状態を長期にわたって良好に保持することができる。
クリップ7は、弾性材料で構成されており、板ばね状に成形されている。この板ばねとしての弾性力が付勢力となって付与される。このため、クリップ7では付勢力よりも大きな外力を加えることによって保持状態を解くことができるため、光コネクター接続構造100の作製作業性あるいは分解作業性の観点から有用である。
なお、クリップ7は、必要に応じて設けられればよく、例えばガイドピン81、82による固定が十分であれば、省略されてもよい。
また、クリップ7の形状は、図2、3に図示したものに限定されず、いかなる形状であってもよい。
さらに、位置合わせされた状態を保持する方式は、クリップ7を利用した方式に限定されず、例えば接着剤を利用した方式であってもよく、ゴムや糸等で緊縛する方式であってもよい。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の光配線部品の第2実施形態について説明する。
図8は、本発明の光配線部品の第2実施形態を示す斜視図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図8において第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明したのと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図8に示す光配線部品5は、部品本体51の形状が異なる以外、図5に示す光配線部品5と同様である。
すなわち、図5に示す部品本体51では、貫通部52が溝であるのに対し、図8に示す部品本体51では、貫通部52が孔である点で相違している。
図8に示す貫通部52は、第1装着面511および第2装着面512にそれぞれ開口するとともに、側方が閉じた形状になっている。このため、貫通部52の内面の一部である載置面521に載置される光導波路1を、外力や外部環境等からより確実に保護することができる。
また、光導波路1の2つの主面のうち、一方の主面が載置面521に面している一方、他方の主面については貫通部52の内面に接していてもよいが、離間しているのが好ましい。これにより、光配線部品5の温度が変化したとき、光導波路1と部品本体51の熱膨張差に伴って、光導波路1に大きな応力が発生するのを抑制することができる。その結果、応力に伴う伝送効率の低下を抑制することができる。
なお、このような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
≪第3実施形態≫
次に、本発明の光コネクター接続構造の第3実施形態および本発明の光配線部品の第3実施形態について説明する。
図9は、本発明の光配線部品の第3実施形態を示す斜視図である。
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図9において第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明したのと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9に示す光配線部品5は、ガイド孔53がガイドピン54で代替されている以外、図5に示す光配線部品5と同様である。また、かかる光配線部品5を用いることにより、光コネクター接続構造100においては図2に示すようなガイドピン81、82を省略することができる。
すなわち、図9に示す光配線部品5は、図5に示すガイド孔53に代えて、ガイド孔53と同じ位置に設けられたガイドピン54を備えている。このガイドピン54は、第1装着面511から突出するとともに、第2装着面512からも突出している。
したがって、図9に示す光配線部品5を用いて光コネクター接続構造100を組み立てる際には、第1装着面511側に突出しているガイドピン54を第1光コネクター91のガイド孔916(図4参照)に挿通するとともに、第2装着面512側に突出しているガイドピン54を第2光コネクター92のガイド孔926(図4参照)に挿通すればよい。これにより、第1光コネクター91、光配線部品5および第2光コネクター92の位置合わせを行うことができる。このため、図2に示すようなガイドピン81、82の機能も、ガイドピン54が代替することになるため、ガイドピン81、82を省略することができる。
なお、ガイドピン54は、部品本体51と別体であってもよいが、部品本体51とともに一括して成形することもできる。後者によれば、載置面521とガイドピン54の相対的な位置関係をより厳密に合わせることができる。これにより、光導波路1と光ファイバー93との位置精度も高めることができ、光結合損失のさらなる低減を図ることができる。
また、このような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
≪第4実施形態≫
次に、本発明の光配線部品の第4実施形態について説明する。
図10〜12は、それぞれ本発明の光配線部品の第4実施形態を示す断面図である。なお、この断面図は、光導波路1のコア層13の内部を、光導波路1の主面と平行な平面で切断したときの断面図に相当する。
以下、第4実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図10〜12において第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明したのと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図10に示す光配線部品5は、第1装着面511および第2装着面512にそれぞれ設けられた透明部材6を有する以外、図5に示す光配線部品5と同様である。すなわち、図10に示す光配線部品5は、第1装着面511を覆うように設けられた透明部材6と、第2装着面512を覆うように設けられた透明部材6と、を有している。
これらの透明部材6は、それぞれ部材本体61と、部品本体51に設けられたガイド孔53を延長するように部材本体61を貫通する2つのガイド孔62と、を備えている。
透明部材6は、いかなる物性を有していてもよいが、可撓性を有しているのが好ましい。これにより、透明部材6に対して光導波路1の端面や光ファイバー93の端面を押し付けたとき、透明部材6の変形によってその押圧力を分散させることができる。このため、透明部材6が損傷を受けたり光導波路1や光ファイバー93が傷付いたりするのを防止しつつ、透明部材6と光導波路1および光ファイバー93との密着性をより高めることができる。その結果、両者の間の光結合効率をより高めることができる。
また、透明部材6は、硬化性を有するものであってもよい。例えば、透明部材6を未硬化または半硬化の状態にあるフィルムで構成した場合、かかるフィルムに対して光導波路1や光ファイバー93を押し付け、その状態のままフィルムを硬化するようにしてもよい。これにより、光導波路1と光ファイバー93との光結合効率を高めた状態で長期にわたって維持することができる。すなわち、光導波路1と光ファイバー93との間に空隙が生じ難くなるので、空隙におけるフレネル反射に伴って光信号の損失が増大するのを抑制することができる。
このような透明部材6の構成材料としては、例えば熱硬化性樹脂を主成分とする材料が挙げられる。かかる熱硬化性樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂のようなビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のようなノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル等のような芳香族エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等の各種エポキシ樹脂のほか、ポリイミド、ポリアミドイミドのようなイミド樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、透明部材6を構成する材料には、熱硬化性樹脂の他に、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、反応性末端カルボキシル基NBR(CTBN)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリブタジエン、アクリルゴム等のゴム成分、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ビニルウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂のような熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。これらのゴム成分および熱可塑性樹脂の含有率は、熱硬化性樹脂100質量部に対して10〜200質量部程度であるのが好ましく、20〜150質量部程度であるのがより好ましい。
さらに、透明部材6を構成する材料には、必要に応じて、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤のような硬化剤、硬化促進剤、シランカップリング剤、フィラー等の各種添加物が添加されていてもよい。これらの添加物の含有率は、熱硬化性樹脂100質量部に対して0.05〜50質量部程度であるのが好ましく、0.1〜30質量部程度であるのがより好ましい。
図11に示す光配線部品5は、光導波路1が部品本体51の第1装着面511および第2装着面512からそれぞれ突出し、かつ、突出した部分が透明部材6にめり込んでいる以外、図10に示す光配線部品5と同様である。
すなわち、図11に示す光導波路1の端面は、第1装着面511よりも外側(部品本体51の外側)に向かって突出しているとともに、第2装着面512よりも外側(部品本体51の外側)に向かって突出している。そして、突出した長さの分だけ、透明部材6の部材本体61の一部がそれぞれ圧縮されている。その結果、光導波路1がそれぞれ透明部材6の一部にめり込んだ状態になっている。
なお、この場合、光導波路1の主面のうち、部品本体51の載置面521に面している部分の面積は、前述したように、主面の面積の99%以上であるのが好ましい。これにより、光導波路1が安定的に保持されるため、光導波路1と光ファイバー93との光結合効率をより高めることができる。
また、光導波路1の端面が突出していることにより、光導波路1の端面を光ファイバー93に対して近づけ易くなる。これにより、光導波路1と光ファイバー93との光結合効率をより高めることができる。
また、光導波路1の端面の突出長さは、3〜500μm程度であるのが好ましく、5〜300μm程度であるのがより好ましい。
また、光導波路1の端面の突出長さは、透明部材6の最大厚さの0.1〜30%程度であるのが好ましく、0.5〜20%程度であるのがより好ましい。
突出長さを前記範囲内に設定することにより、透明部材6の形状を著しく変形させることなく、光導波路1と透明部材6との間に空隙が生じるのを防止することができる。すなわち、突出した光導波路1が透明部材6にめり込んだとしても、その変形の多くを透明部材6の内部で吸収させることができる。その結果、透明部材6に接触する光ファイバー93との間に隙間が生じ難くなり、光導波路1と光ファイバー93との光結合効率をより高めることができる。
図12に示す光配線部品5は、光導波路1が部品本体51の第1装着面511および第2装着面512からそれぞれ後退し、かつ、光導波路1が後退して生じた空間に透明部材6が入り込んでいる以外、図10に示す光配線部品5と同様である。
すなわち、図12に示す光導波路1の端面は、第1装着面511よりも内側(部品本体51の内側)に向かって後退しているとともに、第2装着面512よりも内側(部品本体51の内側)に向かって後退している。そして、光導波路1が後退することによって貫通部52に空間が形成されるのに伴い、その空間に透明部材6の一部が入り込んでいる。このため、光導波路1の端面と透明部材6とが接した状態が形成されている。
また、光導波路1の端面が後退していることにより、光導波路1の端面が部品本体51によって保護され易くなる。これにより、光導波路1の端面にキズ等が付き難くなり、結果的に光導波路1と光ファイバー93との光結合効率の低下を抑制することができる。
また、光導波路1の端面の後退長さは、3〜500μm程度であるのが好ましく、5〜300μm程度であるのがより好ましい。
また、光導波路1の端面の後退長さは、透明部材6の最大厚さの0.1〜30%程度であるのが好ましく、0.5〜20%程度であるのがより好ましい。
後退長さを前記範囲内に設定することにより、透明部材6の形状を著しく変形させることなく、光導波路1と透明部材6との間に空隙が生じるのを防止することができる。すなわち、透明部材6を貫通部52側に入り込ませたとしても、その変形の多くを透明部材6の内部で吸収させることができる。その結果、透明部材6に接触する光ファイバー93との間に隙間が生じ難くなり、光導波路1と光ファイバー93との光結合効率をより高めることができる。
なお、このような第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
≪第5実施形態≫
次に、本発明の光配線部品の第5実施形態について説明する。
図13は、本発明の光配線部品の第5実施形態を示す平面図である。
以下、第5実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図13において第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明したのと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図13に示す光配線部品5は、2つの光導波路1a、1bを備えている以外、図5に示す光配線部品5と同様である。すなわち、図13に示す載置面521には、光導波路1aと光導波路1bとが互いに離間した状態で併設されている。
このうち、光導波路1aは、コア部141aを備えている。このコア部141aは、第1装着面511側から第2装着面512側に向かう途中において、分岐部1411において2つに分岐し、分岐したコア部141aは、さらに分岐部1412においてそれぞれ2つに分岐している。その結果、コア部141aは最終的に4本に分岐している。
また、光導波路1bは、コア部142aを備えている。このコア部142aは、第1装着面511側から第2装着面512側に向かう途中において、分岐部1421において2つに分岐している。その結果、コア部142aは最終的に2本に分岐している。
なお、このような第5実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。すなわち、光配線部品5が備える光導波路の数は、特に限定されず、3つ以上であってもよい。
≪第6実施形態≫
次に、本発明の光配線部品の第6実施形態について説明する。
図14は、本発明の光配線部品の第6実施形態を示す断面図である。なお、図14(a)の断面図は、光導波路1のコア層13の内部を、光導波路1の主面と平行な平面で切断したときの断面図に相当する。
以下、第6実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図14において第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明したのと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図14に示す光配線部品5は、係合部の構成が異なる以外、図5に示す光配線部品5と同様である。すなわち、図14に示す光配線部品5は、ガイド孔53に代えて、第1装着面511の四方を取り囲む壁部551および第2装着面512の四方を取り囲む壁部552を備えている。換言すれば、壁部551は、第1装着面511の外縁を、部品本体51の外側に向かって突出させてなる凸状であり、壁部552も、第2装着面512の外縁を、部品本体51の外側に向かって突出させてなる凸状である。
このような壁部551は、その内壁面とフェルール912の側面とが摺接するように構成されている。これにより、フェルール912の接続面912aと光配線部品5の第1装着面511とが接するように配置したとき、第1光コネクター91の位置が壁部551によって規定される。すなわち、壁部551の内側の空間と第1光コネクター91とが嵌合する。したがって、壁部551および第1光コネクター91は、第1光コネクター91を第1装着面511に装着させ得る2つの係合部の関係を有する。また、壁部551の内壁面とフェルール912の側面との摩擦によって、光配線部品5と第1光コネクター91との接続状態を保持することができる。その結果、光配線部品5に含まれる光導波路1と第1光コネクター91によって保持された光ファイバー93との高い光結合効率を長期にわたって維持することができる。
また、壁部552も、同様に、その内壁面とフェルール922の側面とが摺接するように構成されている。これにより、フェルール922の接続面922aと光配線部品5の第2装着面512とが接するように配置したとき、第2光コネクター92の位置が壁部552によって規定される。すなわち、壁部552の内側の空間と第2光コネクター92とが嵌合する。したがって、壁部552および第2光コネクター92は、第2光コネクター92を第2装着面512に装着させ得る2つの係合部の関係を有する。また、壁部552の内壁面とフェルール922の側面との摩擦によって、光配線部品5と第2光コネクター92との接続状態を保持することができる。その結果、光配線部品5に含まれる光導波路1と第2光コネクター92によって保持された光ファイバー93との高い光結合効率を長期にわたって維持することができる。
なお、このような第6実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
≪第7実施形態≫
次に、本発明の光配線部品の第7実施形態について説明する。
図15は、本発明の光配線部品の第7実施形態を示す平面図である。
以下、第7実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図15において第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明したのと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図15に示す光配線部品5は、コア部141、142がそれぞれ二分岐構造を1つ含むことにより、最終的に2本に分岐している点が異なる以外、図6に示す光配線部品5と同様である。
このような第7実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
≪第8実施形態≫
次に、本発明の光配線部品の第8実施形態について説明する。
図16は、本発明の光配線部品の第8実施形態を示す平面図である。なお、図16(a)は、本実施形態に係る第1装着面511の平面図(図5に示すA1方向と同方向から平面視した図)であり、図16(b)は、本実施形態の平面図(図5に示すA2方向と同方向から平面視した図)であり、図16(c)は、本実施形態に係る第2装着面512の平面図(図5に示すA3方向と同方向から平面視した図)である。また、図16(d)および図16(e)も、それぞれ、本実施形態に係る装着面を平面視した図である。
以下、第8実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図16において第1実施形態と同様の構成部分については、先に説明したのと同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図16に示す光配線部品5は、4つの光コネクターを装着可能な4つの装着面を備えている以外、図5に示す光配線部品5と同様である。すなわち、図16に示す光配線部品5は、第1装着面511と第2装着面512と第3装着面513と第4装着面514とを備えている。
そして、光コネクター接続構造の接続状態において、第1装着面511と図示しない光コネクターの接続面とが密着し、第2装着面512と図示しない光コネクターの接続面とが密着し、第3装着面513と図示しない光コネクターの接続面とが密着し、第4装着面514と図示しない光コネクターの接続面とが密着する。これにより、各光コネクターによって保持されている光ファイバー同士が光導波路1を介して光学的に接続される。
部品本体51の第3装着面513からは、図16に示すように、2つのガイドピン54が突出している。同様に、第4装着面514からは、図16に示すように、2つのガイドピン54が突出している。
これらのガイドピン54は、光コネクター接続構造を組み立てる際、光コネクターに設けられたガイド孔に挿通される。その結果、光コネクターと光配線部品とが互いに位置合わせされた状態で固定される。
また、図16(b)に示す光導波路1は、二分岐構造を1つ含むコア部141b、142b、143b、144b、145b、146bを備えている。このうち、コア部141b、142bは、それぞれ1つの端面が第1装着面511に露出し、分岐によって分かれてなるそれぞれ2つの端面が第3装着面513に露出している。なお、コア部141b、142bは、それぞれ、その途中で延伸方向が約90°変化するように湾曲している。したがって、第3装着面513には、合計4つのコア部が露出している。
また、コア部143b、144bは、それぞれ1つの端面が第1装着面511に露出し、分岐によって分かれてなるそれぞれ2つの端面が第2装着面512に露出している。したがって、第2装着面512には、合計4つのコア部が露出している。
また、コア部145b、146bは、それぞれ1つの端面が第1装着面511に露出し、分岐によって分かれてなるそれぞれ2つの端面が第4装着面514に露出している。なお、コア部145b、146bは、それぞれ、その途中で延伸方向が約90°変化するように湾曲している。したがって、第4装着面514には、合計4つのコア部が露出している。
以上のような光配線部品5は、4つの光コネクターを装着可能になっている。そして、1つの光コネクターによって保持されている6本の光ファイバーと、3つの光コネクターによってそれぞれ保持されている4本の光ファイバーと、を光学的に接続することができる。
このような第8実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
<電子機器>
上述したような本発明の光配線部品は、前述したように、光コネクター同士を接続する際、光結合効率の高い接続構造を実現することができる。したがって、本発明の光配線部品を備えることにより、高品質の光通信を行い得る信頼性の高い電子機器(本発明の電子機器)が得られる。
本発明の光配線部品を備える電子機器としては、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、ルーター装置、WDM装置、パソコン、テレビ、ホーム・サーバー等の電子機器類が挙げられる。これらの電子機器では、いずれも、例えばLSI等の演算装置とRAM等の記憶装置との間で、大容量のデータを高速に伝送する必要がある。したがって、このような電子機器が本発明の光配線部品を備えることにより、電気配線に特有なノイズ、信号劣化等の不具合が解消され、その性能の飛躍的な向上が期待できる。
さらに、光導波路部分では、電気配線に比べて発熱量が大幅に削減される。このため、冷却に要する電力を削減することができ、電子機器全体の消費電力を削減することができる。
以上、本発明の光配線部品、光コネクター接続構造および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明の光配線部品および本発明の光コネクター接続構造の実施形態は、前述した実施形態のうちの2つ以上を組み合わせたものであってもよい。