JP7175206B2 - 水性ボールペン - Google Patents

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Description

本発明は、硬質相成分及び結合相成分を有する筆記ボールを備えた水性ボールペンに関する。
ボールペンのボールを構成する材質として、下記特許文献1~3のように、超硬合金やセラミックなどが広く知られている。
実開昭52-106235号公報 特開2002-19366号公報 特開2015-51571号公報
タングステンカーバイドを主体とした超硬合金から構成されるボールを用いたボールペンは広く知られている。また、これらのボールがボールペンの性能に与える影響も広く知られている。
また、主にチタンのような金属の炭化物や窒化物など硬質化合物の粉末を金属の結合材と混合して焼結した複合材料である、いわゆるサーメットと称される材質からなるボールを用いたボールペンでは、筆記をすることで、ボールを保持するボールペンチップのボール受座にチタン成分が堆積し、それにより引っかかり感のような筆記感の悪化がもたらされることがある。
本発明では、上記したようなサーメットを材質とする筆記ボールを用いた水性ボールペンにおいて、筆記によるチタン成分のボール受座への堆積の防止を課題とする。
上記課題を解決すべく、本発明の第1の態様に係る水性ボールペンは、炭窒化チタン及び窒化チタンからなる群のうちの少なくとも1つからなる硬質相成分、
コバルト及びニッケルからなる群のうちの少なくとも1つからなる結合相成分、
クロム、並びに
モリブデン、
を含有する混合物からなる筆記ボールを有するボールペンチップと、
ゲル化剤を含有するとともに、剪断減粘指数が0.6以下である水性インク組成物と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明の第2の態様に係る水性ボールペンは、上記第1の態様の特徴に加え、前記ゲル化剤が多糖類であることを特徴とする。
さらに、本発明の第3の態様に係る水性ボールペンは、上記第2の態様の特徴に加え、前記多糖類が、キサンタンガム、サクシノグリカン、ダイユータンガム及び酸化セルロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする。
上記のように構成されているので、本発明は、いわゆるサーメットと称される材質で形成される筆記ボールを用いた水性ボールペンにおいて、筆記によるチタン成分がボール受座へ堆積することを防止することができる。
本発明の実施の形態に係る水性ボールペンを側面図で示す。 図1の水性ボールペンに用いられるリフィルを断面図で示す。 図2のリフィルに用いられるボールペンチップの先端付近を拡大断面図で示す。
以下、本発明の各実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図に記された符号のうち、複数の図面において共通するものについては、以下の各図の説明において記述がない場合であっても同じ技術的意義を有するものである。また、各図面においては、図面の上側が先端側であり、図面の下側が後端側である。
(1)外観
図1は、第1実施形態に係る水性ボールペン10の側面図である。この水性ボールペン10は、後端に尾栓12が装着されている軸筒11の先端に、クリップ14を備えたキャップ13が装着された外観を呈している。
図2は、図1の水性ボールペン10の軸筒11の内部に装着されるリフィル15の断面図である。リフィル15は、水性インク組成物40を収容する長軸円筒状のインク収容管16の先端に、継手17を介してボールペンチップ20が装着された構造を有する。ボールペンチップ20は、先端が先細に形成されたホルダー21の最先端に筆記ボール30が装着された構造を有する。水性インク組成物40の後端には、水性インク組成物40がリフィル15の後端から流出するのを防止するために、グリース状のフォロワー41が注入されている。このフォロワー41は、筆記によって水性インク組成物40が消費されていくのに伴い、先端方向へ追随していく。
図3に、ボールペンチップ20先端付近の拡大断面図を示す。ボールペンチップ20は、円筒状の胴体部の先端が先細に縮径するように形成されたテーパー部27を有するホルダー21と、ホルダー21の内部に抱持される球状の筆記ボール30から構成されている。ホルダー21は、ボールペンチップ20の後端から穿孔されたバック孔28と、ホルダー21の先端付近の内周を切削して拡げて形成したボールハウス22と、ボールハウス22とバック孔28とを貫通するインク誘導孔26と、ボールハウス22の内周面先端とテーパー部27の先端とに挟まれた部位で、かつ、筆記ボール30の中心方向への塑性変形によってかしめられたカシメ部23から構成されている。ボールペンチップ20はさらに、ボールハウス22の底部に設けられ、かつ、インク誘導孔26の周囲に形成されたボール受座24と、ボール受座24とインク誘導孔26とを連絡するようにインク誘導孔26の周囲4箇所に等配されたインク溝25とを有している。なお、インク溝25は水性インク組成物40の粘度等に応じて幅や数を変えてもよい。
ホルダー21の組み立ての際は、その先端からボールハウス22に、筆記ボール30を挿入する。そして、筆記ボール30の上部を後端方向に押圧することによって、ボール受座24を筆記ボール30の外形に沿って変形させる。その後、テーパー部27の先端にテーパー状のローラーを用いてかしめ加工を施してカシメ部23を設けることでホルダー21が形成される。
このホルダー21は、ビッカース硬度が200~420程度のステンレスから形成されている。ホルダー21の材料は、他に洋白、真鍮、又は黄銅などの金属や樹脂を用いて形成することもできるが、ビッカース硬度は170~450であることが望ましい。
さらに、ホルダー21は本実施の形態では、中実の線材からの切削加工にて形成されているが、線材からの切削加工に限定されず、たとえば中空状のパイプ材を塑性加工にて形成されてもよい。
(2)筆記ボール30
本実施形態の筆記ボール30は、主成分として炭窒化チタン(TiCN)及び窒化チタン(TiN)からなる群のうちの少なくとも1つからなる硬質相成分と、コバルト(Co)及びニッケル(Ni)からなる群のうちの少なくとも1つからなる結合相成分と、クロム(Cr)と、モリブデン(Mo)と、を含有する混合物からなる。この混合物は、いわゆるサーメットと称されるものである。ここで、上記にて言及されている金属元素に関しては、単体であっても、化合物であってもいずれでもよい。
硬質相成分が筆記ボール30の全体に占める割合は70質量%以上であることが望ましい。なお、上記した以外の成分として前記混合物に炭化タングステン(WC)が含有される場合、その含有量は15質量%以下であることが望ましい。
そして、前記した硬質相成分、結合相成分、クロム及びモリブデンの材料粉末、並びにそれ以外の成分がある場合にはその成分の材料粉末を粉砕混合した混合物を、略球状に形成した後、焼結して球体に形成する。そして、得られた球体を、一定間隔に保持した2枚の砥石の間でダイヤモンドパウダーとともに転がし、ボール表面31を鏡面に仕上げることで、筆記ボール30が形成される。このボール表面31のビッカース硬度(Hv)は1,600~2,000である。
(3)水性インク組成物40
本実施形態の水性インク組成物40は、ゲル化剤を含有するとともに、剪断減粘指数が0.6以下である、いわゆるゲルインクである。
ゲル化剤としては、一般的に増粘剤として使用される物質であれば概ね使用可能である。そのような増粘剤としては、たとえば、カルボキシビニルポリマー又はアクリルポリマーなどが挙げられるが、キサンタンガム、サクシノグリカン、ダイユータンガム、酸化セルロース、グァーガム、カラギーナン、ペクチン、又はセルロース誘導体のような多糖類であることがより望ましい。
水性インク組成物40の成分としてのゲル化剤は、ボール受座24に膜のような状態で存在することで、筆記ボール30の成分であるチタンの堆積が防止されるものと推察される。とりわけ、上記したような多糖類はボール受座24における膜が、多糖類以外の増粘剤に比べて厚くなるために、チタンの堆積がより効果的に防止されるものと推察される。
ゲル化剤の添加量については、ゲル化剤の種類により区々であるが、最終的な剪断減粘指数が0.6以下となるような量が水性インク組成物40に添加される。ここで、剪断減粘指数とは、水性インク組成物40におけるずり速度をD(sec-1)としたときのずり応力をτ(mPa)とし、その際の見かけ粘度をη(mPa・sec)としたときに、下記式1におけるnとして表される値である。
τ=ηD (式1)
ここで、上記式1において、n=1である流体は、ずり応力がずり速度に比例する、いわゆるニュートン流体と称されるものである。本実施形態の水性インク組成物40はこのnが0.6以下であり、いわゆる擬塑性流体に相当するものである。
剪断減粘指数nの算出方法としては、以下の方法が挙げられる。たとえば、回転粘度計を用いて、任意の2通り以上のずり速度D(sec-1)におけるずり応力τ(mPa)を測定し、それらの対数を二次元平面上にプロットして得られる回帰直線としてのグラフの傾きが、上記式1を変形した下記式2におけるnとして求められる。
logτ=logη+nlogD (式2)
(1)筆記ボール
下記の組成による5種類の筆記ボールを、前記した方法にて製造した。
(1-1)ボール1
以下の組成の混合物を、前記した方法にて筆記ボールとして形成したものをボール1とした。
TiCN(硬質相成分):70質量%
Ni:(結合相成分)12質量%
Cr:6質量%
MoC:12質量%
なお、このボール1は、後述の実施例1、5及び6並びに比較例1、5及び6で使用した。
(1-2)ボール2
以下の組成の混合物を、前記した方法にて筆記ボールとして形成したものをボール2とした。
TiCN(硬質相成分):85質量%
Ni(結合相成分):8質量%
Cr:3質量%
Mo:4質量%
なお、このボール2は、後述の実施例2及び比較例2で使用した。
(1-3)ボール3
以下の組成の混合物を、前記した方法にて筆記ボールとして形成したものをボール3とした。
TiN(硬質相成分):85質量%
Ni(結合相成分):8質量%
Cr:3質量%
Mo:4質量%
なお、このボール3は、後述の実施例3及び比較例3で使用した。
(1-4)ボール4
以下の組成の混合物を、前記した方法にて筆記ボールとして形成したものをボール4とした。
TiCN(硬質相成分):85質量%
Co(結合相成分):8質量%
Cr:3質量%
Mo:4質量%
なお、このボール4は、後述の実施例4及び比較例4で使用した。
(2)成分
下記の各実施例及び比較例において、各組成に示す成分として、ゲル化剤以外は下記の製品又は物質を使用した。
顔料:FUJI RED 2510(冨士色素)
顔料分散剤:Joncryl 60(BASF JAPAN)
pH調整剤:トリエタノールアミン
防腐剤:バイオデンS(大和化学工業)
防錆剤:ベンゾトリアゾール
潤滑剤:RS-610(東邦化学工業)
水溶性有機溶剤:プロピレングリコール
水:イオン交換水
(3)ゲル化剤
各実施例及び比較例において使用したゲル化剤は、以下のとおりである。
キサンタンガム:ケルザンAR(三晶)
サクシノグリカン:レオザン(ソルベイ日華)
ダイユータンガム:KELCO-VIS DG-F(KELCO)
酸化セルロース:レオクリスタ C-2SP(第一工業製薬)
カルボキシビニルポリマー:ハイビスワコー104(富士フイルム和光純薬)
アクリルポリマー:TT-615(ロームアンドハース)
(4)共通成分の組成
実施例1~5及び比較例1~5における共通成分の組成は以下のとおりである。
顔料:8.0質量%
顔料分散剤:6.0質量%
pH調整剤:1.4質量%
防腐剤:0.2質量%
防錆剤:0.3質量%
潤滑剤:0.2質量%
水溶性有機溶剤:15.0質量%
共通成分合計:31.1質量%
(5)実施例
各実施例の水性インク組成物の組成は、以下のとおりであった。
(5-1)実施例1
共通成分:31.1質量%
ゲル化剤(キサンタンガム):0.4質量%
水:68.5質量%
(5-2)実施例2
共通成分:31.1質量%
ゲル化剤(サクシノグリカン):0.38質量%
水:68.52質量%
(5-3)実施例3
共通成分:31.1質量%
ゲル化剤(ダイユータンガム):0.3質量%
水:68.6質量%
(5-4)実施例4
共通成分:31.1質量%
ゲル化剤(酸化セルロース):1.0質量%
水:67.9質量%
(5-5)実施例5
共通成分:31.1質量%
ゲル化剤(カルボキシビニルポリマー):0.34質量%
水:68.56質量%
(5-6)実施例6
共通成分:31.1質量%
ゲル化剤(アクリルポリマー):1.5質量%
水:67.4質量%
(6)比較例
各比較例の水性インク組成物の組成は、以下のとおりであった。
(6-1)比較例1
共通成分:31.1質量%
ゲル化剤(キサンタンガム):0.1質量%
水:68.8質量%
(6-2)比較例2
共通成分:31.1質量%
ゲル化剤(サクシノグリカン):0.05質量%
水:68.85質量%
(6-3)比較例3
共通成分:31.1質量%
ゲル化剤(ダイユータンガム):0.02質量%
水:68.88質量%
(6-4)比較例4
共通成分:31.1質量%
ゲル化剤(酸化セルロース):0.25質量%
水:68.65質量%
(6-5)比較例5
共通成分:31.1質量%
ゲル化剤(カルボキシビニルポリマー):0.12質量%
水:68.78質量%
(6-6)比較例6
共通成分:31.1質量%
ゲル化剤(アクリルポリマー):0.6質量%
水:68.3質量%
(7)剪断減粘性指数
剪断減粘性指数(n)は、E型回転粘度計(VISCOMETER RE215、東機産業)を用いて、下記の条件にて測定した。
コーン角:1°34′×R24
測定モード:スロープ測定
回転速度(ずり速度):1rpm(3.83sec-1)~100rpm(383sec-1
上昇時間設定:56sec
測定温度:25℃
(8)評価方法及び評価基準
上記した各種筆記ボールを装着したボールペンチップと、上記した各実施例又は比較例の水性インク組成物を収容したリフィルとを備えた、各実施例及び比較例に係る水性ボールペンを調整した。これらの水性ボールペンにつき、JIS S6054-2000の規定に基づき機械筆記を400m行った後、ボールペンチップのボール受座を実体顕微鏡下で観察し、以下の基準にてチタン粒子の堆積を評価した。
A:チタン粒子の堆積は認められなかった。
B:チタン粒子の堆積が一部において認められた。
C:チタン粒子の堆積が全体的に認められた。
(9)結果
上記評価方法による結果を、各実施例及び比較例の概要とともに下記表1に示す。
Figure 0007175206000001
(9-1)実施例1及び比較例1
実施例1の水性ボールペンでは、ゲル化剤としてキサンタンガムを0.4質量%含有することで、水性インク組成物の剪断減粘指数(n)は0.31と0.6以下であった。この水性インク組成物を収容し、筆記ボールとしてボール1を使用した実施例1の水性ボールペンでは、チタン粒子の堆積に関する評価がAと極めて優れていた。
一方、比較例1の水性ボールペンでは、同じゲル化剤の含有量が実施例1より少ない0.1質量%であったことで、水性インク組成物の剪断減粘指数(n)は0.68と0.6を上回った。この水性インク組成物を収容し、実施例1と同じ筆記ボールを使用した比較例1の水性ボールペンでは、チタン粒子の堆積に関する評価がCと実施例1より劣っていた。
なお、実施例1及び比較例1で使用されたボール1は、硬質相成分としてTiCNを70質量%、及び、結合相成分としてNiを12質量%それぞれ含有するものである。そして、同じゲル化剤の含有量が少ない以外は実施例1と同条件の比較例1の水性ボールペンで評価が実施例1よりも劣っていた。このことから、ゲル化剤としてのキサンタンガムの含有量を多くして剪断減粘指数(n)を0.6以下にすることにより、硬質相成分であるチタン粒子のボール受座への堆積が防止されていることが明らかに認められた。
(9-2)実施例2及び比較例2
実施例2の水性ボールペンでは、ゲル化剤としてサクシノグリカンを0.38質量%含有することで、水性インク組成物の剪断減粘指数(n)は0.36と0.6以下であった。この水性インク組成物を収容し、筆記ボールとしてボール2を使用した実施例2の水性ボールペンでは、チタン粒子の堆積に関する評価がAと極めて優れていた。
一方、比較例2の水性ボールペンでは、同じゲル化剤の含有量が実施例2より少ない0.05質量%であったことで、水性インク組成物の剪断減粘指数(n)は0.82と0.6を上回った。この水性インク組成物を収容し、実施例2と同じ筆記ボールを使用した比較例2の水性ボールペンでは、チタン粒子の堆積に関する評価がCと実施例2より劣っていた。
なお、実施例2及び比較例2で使用されたボール2は、硬質相成分としてTiCNを85質量%、及び、結合相成分としてNiを8質量%それぞれ含有するものである。そして、同じゲル化剤の含有量が少ない以外は実施例2と同条件の比較例2の水性ボールペンで評価が実施例2よりも劣っていた。このことから、ゲル化剤としてのサクシノグリカンの含有量を多くして剪断減粘指数(n)を0.6以下にすることにより、硬質相成分であるチタン粒子のボール受座への堆積が防止されていることが明らかに認められた。
(9-3)実施例3及び比較例3
実施例3の水性ボールペンでは、ゲル化剤としてダイユータンガムを0.3質量%含有することで、水性インク組成物の剪断減粘指数(n)は0.40と0.6以下であった。この水性インク組成物を収容し、筆記ボールとしてボール3を使用した実施例3の水性ボールペンでは、チタン粒子の堆積に関する評価がAと極めて優れていた。
一方、比較例3の水性ボールペンでは、同じゲル化剤の含有量が実施例3より少ない0.02質量%であったことで、水性インク組成物の剪断減粘指数(n)は0.77と0.6を上回った。この水性インク組成物を収容し、実施例3と同じ筆記ボールを使用した比較例3の水性ボールペンでは、チタン粒子の堆積に関する評価がCと実施例3より劣っていた。
なお、実施例3及び比較例3で使用されたボール3は、硬質相成分としてTiNを85質量%、及び、結合相成分としてNiを8質量%それぞれ含有するものである。そして、同じゲル化剤の含有量が少ない以外は実施例3と同条件の比較例3の水性ボールペンで評価が実施例3よりも劣っていた。このことから、ゲル化剤としてのダイユータンガムの含有量を多くして剪断減粘指数(n)を0.6以下にすることにより、硬質相成分であるチタン粒子のボール受座への堆積が防止されていることが明らかに認められた。
(9-4)実施例4及び比較例4
実施例4の水性ボールペンでは、ゲル化剤として酸化セルロースを1質量%含有することで、水性インク組成物の剪断減粘指数(n)は0.45と0.6以下であった。この水性インク組成物を収容し、筆記ボールとしてボール4を使用した実施例4の水性ボールペンでは、チタン粒子の堆積に関する評価がAと極めて優れていた。
一方、比較例4の水性ボールペンでは、同じゲル化剤の含有量が実施例4より少ない0.25質量%であったことで、水性インク組成物の剪断減粘指数(n)は0.89と0.6を上回った。この水性インク組成物を収容し、実施例4と同じ筆記ボールを使用した比較例4の水性ボールペンでは、チタン粒子の堆積に関する評価がCと実施例4より劣っていた。
なお、実施例4及び比較例4で使用されたボール4は、硬質相成分としてTiCNを85質量%、及び、結合相成分としてCoを8質量%それぞれ含有するものである。そして、同じゲル化剤の含有量が少ない以外は実施例4と同条件の比較例4の水性ボールペンで評価が実施例4よりも劣っていた。このことから、ゲル化剤としての酸化セルロースの含有量を多くして剪断減粘指数(n)を0.6以下にすることにより、硬質相成分であるチタン粒子のボール受座への堆積が防止されていることが明らかに認められた。
(9-5)実施例5及び比較例5
実施例5の水性ボールペンでは、ゲル化剤としてカルボキシビニルポリマーを0.34質量%含有することで、水性インク組成物の剪断減粘指数(n)は0.53と0.6以下であった。この水性インク組成物を収容し、筆記ボールとしてボール1を使用した実施例5の水性ボールペンでは、チタン粒子の堆積に関する評価がBと優れていた。
一方、比較例5の水性ボールペンでは、同じゲル化剤の含有量が実施例5より少ない0.12質量%であったことで、水性インク組成物の剪断減粘指数(n)は0.90と0.6を上回った。この水性インク組成物を収容し、実施例5と同じ筆記ボールを使用した比較例5の水性ボールペンでは、チタン粒子の堆積に関する評価がCと実施例5より劣っていた。
なお、実施例5及び比較例5で使用されたボール1は、硬質相成分としてTiCNを70質量%、及び、結合相成分としてNiを12質量%それぞれ含有するものである。そして、同じゲル化剤の含有量が少ない以外は実施例5と同条件の比較例5の水性ボールペンで評価が実施例5よりも劣っていた。このことから、ゲル化剤としてのカルボキシビニルポリマーの含有量を多くして剪断減粘指数(n)を0.6以下にすることにより、硬質相成分であるチタン粒子のボール受座への堆積が軽減されていることが明らかに認められた。
(9-6)実施例6及び比較例6
実施例6の水性ボールペンでは、ゲル化剤としてアクリルポリマーを1.5質量%含有することで、水性インク組成物の剪断減粘指数(n)は0.58と0.6以下であった。この水性インク組成物を収容し、筆記ボールとしてボール1を使用した実施例6の水性ボールペンでは、チタン粒子の堆積に関する評価がBと優れていた。
一方、比較例6の水性ボールペンでは、同じゲル化剤の含有量が実施例6より少ない0.6質量%であったことで、水性インク組成物の剪断減粘指数(n)は0.74と0.6を上回った。この水性インク組成物を収容し、実施例6と同じ筆記ボールを使用した比較例6の水性ボールペンでは、チタン粒子の堆積に関する評価がCと実施例6より劣っていた。
なお、実施例6及び比較例6で使用されたボール1は、硬質相成分としてTiCNを70質量%、及び、結合相成分としてNiを12質量%それぞれ含有するものである。そして、同じゲル化剤の含有量が少ない以外は実施例6と同条件の比較例6の水性ボールペンで評価が実施例6よりも劣っていた。このことから、ゲル化剤としてのアクリルポリマーの含有量を多くして剪断減粘指数(n)を0.6以下にすることにより、硬質相成分であるチタン粒子のボール受座への堆積が軽減されていることが明らかに認められた。
(9-7)ゲル化剤の種類
なお、実施例1、実施例2、実施例3及び実施例4の水性インク組成物において使用されたゲル化剤はそれぞれ、キサンタンガム、サクシノグリカン、ダイユータンガム及び酸化セルロースであり、これらはいずれも多糖類である。一方、実施例5及び実施例6の水性インク組成物において使用されたゲル化剤はそれぞれ、カルボキシビニルポリマー及びアクリルポリマーであり、これらはいずれも多糖類ではない。そして、上記表1より、水性インク組成物のゲル化剤として多糖類を用いた実施例1~4の評価はAと、ゲル化剤として多糖類以外を用いた実施例5及び6の評価Bを上回った。このことにより、ゲル化剤としては、多糖類がより優れていると推察される。
本発明は、硬質相成分及び結合相成分を有する筆記ボールを備えたゲルインクボールペンに利用可能である。
10 水性ボールペン 11 軸筒 12 尾栓
13 キャップ 14 クリップ
15 リフィル 16 インク収容管 17 継手
20 ボールペンチップ 21 ホルダー 22 ボールハウス
23 カシメ部 24 ボール受座 25 インク溝
26 インク誘導孔 27 テーパー部 28 バック孔
30 筆記ボール 31 ボール表面
40 水性インク組成物 41 フォロワー

Claims (3)

  1. 窒化チタン及び窒化チタンからなる群のうちの少なくとも1つからなる硬質相成分、
    コバルト及びニッケルからなる群のうちの少なくとも1つからなる結合相成分、
    クロム、並びに
    モリブデン、
    を含有する混合物からなる筆記ボールを有するボールペンチップと、
    ゲル化剤を含有するとともに、剪断減粘指数が0.6以下である水性インク組成物と、
    を備えることを特徴とする水性ボールペン。
  2. 前記ゲル化剤が多糖類であることを特徴とする、請求項1に記載の水性ボールペン。
  3. 前記多糖類が、キサンタンガム、サクシノグリカン、ダイユータンガム及び酸化セルロースからなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする、請求項2に記載の水性ボールペン。
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