JP2019178203A - 筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具 - Google Patents

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Abstract

【課題】 着色顔料の分散安定性と潤滑性に優れ、着色顔料の発色性に富む筆跡を形成可能な筆記具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具の提供。【解決手段】 水と、光輝性顔料と、着色顔料と、ナイロンと、リン酸エステル系界面活性剤とを少なくとも含み、ナイロンの含有量をXとし、光輝性顔料の含有量と着色顔料の含有量との和をYとした場合に、Y/Xが、0.3≦Y/X≦150の範囲内であることを特徴とする、筆記用具用水性インキ組成物、およびそれを用いた筆記具とする。【選択図】 なし

Description

本発明は、筆記具用インキ組成物に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、光輝性に優れ、着色顔料の発色性に富む筆跡を形成可能な筆記具用水性インキ組成物に関するものである。また、本発明は、その組成物を用いた筆記具にも関するものである。
従来から、光輝性顔料を用いた筆記具用インキが知られ、金属光沢や真珠光沢調の煌めく筆跡を表現可能であるため盛んに検討されている。このようなインキには染料や有機顔料等の着色剤が併用されて、多彩な色彩を有する筆跡を形成可能なインキとされることが多い。(例えば、特許文献1)
光輝性顔料と染料とを組成に含む特許文献1のインキは、各々の色相値から得られる色相差が特定範囲となるような光輝性顔料と染料とを併用することで、見る角度によって輝度や色相が変化する筆跡を形成可能とされたインキである。
このインキによる筆跡の形成過程において、粒子径の大きい光輝性顔料は紙面上に堆積するために筆跡は強い光輝性を奏するが、その一方で、染料は分子の大きさが小さく、紙の繊維間の隙間を通って紙面内部に浸透することから紙表面に留まりにくいために、筆跡の発色性を良好としにくいことがある。そのため、筆跡の発色性が視認しにくい黒紙はもちろんのこと、通常色相が視認され易い白紙上に前記筆跡を形成した場合においてでさえ、筆跡の発色が視認しにくくなることがあった。
他方で、表面を着色処理した光輝性顔料を用いることで、筆跡に光輝性と着色性を付与するインキが知られている。(例えば、特許文献2)
このインキは染料を用いないため、着色剤が紙面内部に浸透することがなく、筆跡の着色性が低下することを抑制している。
しかしながら、前記光輝性顔料は光輝性および着色力が十分でなく、筆跡の光輝性および着色性を良好とするには、粒子径が大きい光輝性顔料を用いるか、光輝性顔料の含有量を増加する必要がある。しかし、一般的に光輝性顔料のような扁平粒子を含むインキがボールペンチップや繊維チップ等の筆記先端から吐出される際、光輝性顔料はボールハウスとボールとの間や、繊維間に形成される狭いインキ流路で硬い累積体を形成するため、インキ吐出性の低下が生じて、筆記感や光輝感に優れる筆跡の形成性が低下する傾向があり、特に、粒子径が大きい光輝性顔料を用いた場合や光輝性顔料の含有量を高めた場合には、その現象が顕著に発現しやすかった。
特開2017−197666号公報 特開2003−12973号公報
本発明は、上記従来技術の欠点を鑑みて成されたものである。即ち、光輝性顔料を含みながらもインキ吐出性を良好として、優れた筆記感を奏しつつ良好な光輝性および発色性を奏する筆跡を形成可能とし、白紙のみならず筆跡の発色を視認しにくい黒紙に筆記した場合であっても、筆跡の発色性を良好とすることが可能な筆記具用水性インキ組成物と、それを用いた筆記具を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために、
「1.水と、光輝性顔料と、着色顔料と、ナイロンと、リン酸エステル系界面活性剤とを少なくとも含む水性インキ組成物であって、水性インキ組成物の総質量を基準として、ナイロンの含有量をXとし、光輝性顔料の含有量と着色顔料の含有量との和をYとした場合に、Y/Xが、0.3≦Y/X≦150の範囲内である、筆記具用水性インキ組成物。
2.水性インキ組成物の総質量を基準として、前記ナイロンの含有量をXとし、前記リン酸エステル系界面活性剤の含有量をZとした場合に、X/Zが、0.1≦X/Z≦25の範囲内である、第1項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
3.増粘剤をさらに含む、第1項または第2項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
4.前記増粘剤がアクリル系増粘剤である、第3項に記載の筆記具用水性インキ組成物。
5.第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物を収容してなる筆記具。
6.前記筆記具がボールペンである、第5項に記載の筆記具。」とする。
本発明によれば、着色顔料とともに光輝性顔料を含みながらも、筆記先端の狭い流路において光輝性顔料の硬い累積体が形成することなくインキ吐出性が良好とされ、優れた筆記感を奏しつつ良好な光輝性および発色性を奏する筆跡を形成可能とし、白紙等の明度が高い紙のみならず筆跡の発色が視認しにくい黒紙等の明度が低い色紙に筆記した場合であっても、筆跡の発色性を良好とすることが可能な筆記具用水性インキ組成物と、それを用いた筆記具が提供される。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、本明細書において、配合を示す「部」、「%」、「比」などは特に断らない限り質量基準である。
本発明による筆記具用水性インキ組成物(以下、場合により、「水性インキ組成物」または「組成物」と表すことがある。)は、水と、光輝性顔料と、着色顔料と、ナイロンと、リン酸エステル系界面活性剤とを少なくとも含んでなる。以下、本発明による水性インキ組成物を構成する各成分について説明する。
(光輝性顔料)
本発明のインキ組成物は光輝性顔料を含む。光輝性顔料としては、筆跡状態で光を反射し、光輝性を奏する板状等の顔料であれば限りはなく、従来公知の物質を挙げることができる。
具体的には、パール顔料、アルミニウム粉顔料、金属または金属酸化物コーティングガラスフレーク等の透明性を有する物質からなる基材を金属酸化物で被覆してなる顔料、および樹脂で表面をコーティングされてなる薄片状遮光性金属顔料等を挙げることができ、一種以上を選択してインキ中に配合される。
前記パール顔料には魚鱗箔のような天然品と、天然マイカ、合成マイカ、シリカ等の表面を金属酸化物で被膜した合成品とがあり、一般的には後者が多く用いられる。
合成品パール顔料の一例として、金属酸化物で被覆したパール顔料を挙げることができる。具体的には、イリオジン100(粒子径10〜60μm、銀色)、イリオジン111(粒子径1〜15μm、銀色)、イリオジン151(粒子径1〜110μm、銀色)、イリオジン153(粒子径20〜100μm、銀色)、イリオジン201(粒子径5〜25μm、金色)、イリオジン217(粒子径10〜60μm、赤銅色)、イリオジン289(粒子径10〜125μm、青色)、イリオジン302(粒子径5〜25μm、金色)、イリオジン504(粒子径10〜60μm、ワインレッド色)、イリオジン530(粒子径10〜125μm、銅色)以上、(メルクジャパン株式会社製)、アルティミカSB−100(粒子径5〜30μm、銀色)以上、(日本光研工業株式会社製等)がある。
前記アルミニウム粉顔料としては、アルミニウム片を高級脂肪酸やミネラルスピリットなどの石油系溶剤とともにボールミルで粉砕、研磨することで、非常に薄い鱗片上のアルミニウム微粒子のペーストとして得られるものが一般的である。アルミニウム粉顔料の具体例としては、フレンドカラーF−700シリーズ(平均粒子径11μm)、F−500シリーズ(平均粒子径17μm)、F−350シリーズ(平均粒子径30μm)、F−100シリーズ(平均粒子径74μm)、アルペーストWXM0630(平均粒子径7μm)、EMRD5660(平均粒子径10μm)、WJCU75C(平均粒子径12μm)以上、(東洋アルミニウム株式会社製)、STAPA IL Hydrolan 9160(平均粒子径10μm)、HYDRO PELLET 1000(平均粒子径10μm)、STAPA Hydrolan PM Chromal VIII(平均粒子径12μm)以上、(エカルト社)等がある。
前記金属または金属酸化物コーティングガラスフレークの具体例としては、金属コーティングガラスフレークとして、ガラスフレークに無電解メッキ法によりガラス表面に銀、ニッケルを皮膜したものが挙げられ、金属酸化物コーティングガラスフレークとしては、液相法によりガラスフレークの表面に二酸化チタンの皮膜を施したものが挙げられる。具体的な金属又は金属酸化物コーティングガラスフレークとしては、メタシャイン2040PS(平均粒子径40μm)、2020PS(平均粒子径25μm)、5090NS(平均粒子径90μm)、5090RC(平均粒子径90μm)以上、(日本板硝子株式会社製)等を挙げることができる。
また、前記樹脂で表面をコーティングされてなる薄片状遮光性金属顔料としては、ポリエステル等の樹脂で薄片状のアルミニウム、銀、または真鍮等の金属表面をコーティングした後粉砕して得られるものが挙げられ、具体的には、エルジーneo#200Silver(平均粒子径74μm、銀色)、同#325Silver(平均粒子径44μm、銀色)、同#500Silver(平均粒子径28μm、銀色)、エルジーneo#200Gold(平均粒子径74μm、金色)、同#325Gold(平均粒子径44μm、金色)、同#500Gold(平均粒子径28μm、金色)以上、(尾池イメージング株式会社製等)が挙げられる。
上記顔料は薄片状の金属の表面を樹脂で被覆した構造のため比重が低く、インキ中での分散性を良好とすることが容易であるため、本発明のインキ組成物に好ましく用いることが出来る。
これらの光輝性顔料は、所望の色相、光輝度に合わせて、一種又は二種以上を併用することができる。前記光輝性顔料の含有量は、インキ組成物全量に対して0.3〜10質量%であり、0.7〜5.0質量%であることが好ましい。また、本発明のインキに使用される光輝性顔料において、特に粒子径の制限はないが、使用する筆記具において筆記できなかったり、筆記中に顔料が吐出溝(インキ流出孔)を閉塞させたりして、筆記できなくなるおそれのない粒子径が選択される。
(着色顔料)
本発明においては、着色剤となる着色顔料を含む。着色顔料は前記光輝性顔料と共に後述するナイロンを介して、嵩高い凝集体を形成するため、筆記の際に着色顔料が紙の繊維内部に入り込まずに紙面上に留まりやすく、筆跡の発色性が良好となるのである。
着色顔料としては従来知られている顔料から任意に選択することができる。これらは、筆跡に有彩色、または無彩色を付与するものであり、具体例として、金属酸化物または金属塩などの無機顔料、有機色素顔料またはレーキ顔料などの有機顔料、蛍光顔料などを挙げることができ、その中でも無機顔料または有機顔料が好ましい。これらの顔料は高い着色力を有するため、筆跡の発色性をより良好としやすいためである。
なお、顔料は、顔料表面が酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化チタン、および酸化ジルコニウムなどの金属酸化物、二酸化ケイ素などの無機酸化物、および脂肪酸などで被覆処理されたものであってもよい。顔料に前記処理を施すと、インキ中で顔料同士の凝集が抑制されるため、顔料の分散を安定させることができる。
また、前記着色顔料は、溶媒に分散させ、顔料分散体としたものでも良い。本発明に用いられる顔料分散体としては、例えば、SPシリーズ(冨士色素株式会社製)、SANDYESUPERCOLOURシリーズ(山陽色素株式会社製)、EMACOLシリーズ(山陽色素株式会社製)、ルミコールシリーズ(日本蛍光化学株式会社製)、MICROPIGMOシリーズ、(オリヱント化学工業株式会社製)、WAシリーズ(大日精化工業株式会社製)などが挙げられる。
着色顔料の平均粒子径は、0.01μm〜30μmであることが好ましく、0.05μm〜15μmであることがより好ましく、0.1μm〜5μmであることがさらに好ましい。前記着色顔料の平均粒子径が上記数値範囲内であれば、紙、布等の繊維間の隙間が大きい被筆記体に筆記した際においても、着色顔料が前記繊維間の隙間に入り込みづらく、鮮明な発色性が得られやすいためである。また、平均粒子径が上記数値範囲内の着色顔料を含む水性インキ組成物をマーカーなどの筆記具に使用した場合、インキ吐出性を向上させることができる。
なお、着色顔料の平均粒子径は、一例としては、レーザー回折式粒度分布測定機(商品名「MicrotracHRA9320−X100」、日機装株式会社)を用いてレーザー回折法で測定される粒度分布の体積累積50%時の粒子径(D50)により測定することができる。本明細書では、光輝性顔料および着色顔料の「平均粒子径」とは、特に断りのない限り、体積基準の平均粒子径のことを指すものとする。
水性インキ組成物における着色顔料の含有量は、水性インキ組成物の総質量を基準として、0.1質量%〜40質量%であることが好ましく、0.5質量%〜30質量%であることがより好ましい。顔料の含有量が上記数値範囲内であれば、筆跡における着色顔料の発色性を良好とし、インキ吐出性が低下して筆跡形成性が悪化することを容易に抑制できる。
また、筆跡における、着色顔料の発色性と光輝性顔料の光輝性とのバランスを考慮すると、着色顔料のインキ全量に対する含有量をAとし、光輝性顔料のインキ全量に対する含有量をBとした場合、B/Aは、0.1≦B/A≦25の数値範囲とすることが好ましく、0.5≦B/A≦10の数値範囲とすることがより好ましい。より好ましくは、0.5≦B/A≦2である。着色顔料と光輝性顔料との含有量比を上記数値範囲とすると、発色性および光輝性に優れる筆跡を形成しやすい。
(リン酸エステル系界面活性剤)
本発明による水性インキ組成物は、リン酸エステル系界面活性剤を含む。これは、構造中にリン酸基を有する界面活性剤であり、光輝性顔料の表面に吸着して光輝性顔料表面の潤滑性や分散性を向上させるものでもある。これにより、筆記時の筆記先端において光輝性顔料が累積して硬い累積体を形成することなくインキ吐出性が維持され、筆記感や筆跡形成性の悪化を抑制可能としている。特に、金属製または金属酸化物等のセラミックで表面被覆されたボールを用いたボールペンでは、ボール、およびボールペンチップの表面にもリン酸エステル系界面活性剤が吸着することで、筆記時の、ボールの回転を円滑とするとともにボール座の摩耗を抑制し、インキ吐出性をより良好とするので、筆記感に優れ、光輝性顔料の光輝感が一層際立つ筆跡を形成可能な筆記具とすることが容易となる。
本発明に用いられるリン酸エステル系界面活性剤は、前記した光輝性顔料の、潤滑性および分散性を向上させる効果を有するものであれば特に限りはないが、好ましくは、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとリン酸とのエステルであるポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルであり、より好ましくは、炭素数が8〜13であるアルキル基を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルである。
具体的なリン酸エステル系界面活性剤としては、プライサーフシリーズ(第一工業製薬株式会社)の中から、プライサーフA212C(アルキル基:トリデシル基、HLB値:9)、同A208B(アルキル基:ラウリル基、HLB値:6)、同A208F(アルキル基:オクチル基、HLB値:8)、同A208N(アルキル基:トリデシル基、ラウリル基、HLB値:7)、同A210D(アルキル基:デシル基、HLB値:7)、同A215C(アルキル基;トリデシル基、HLB値:11)、同A219B(アルキル基:ラウリル基、HLB値:16)が挙げられ、1種または2種以上を好ましく用いることが出来る。
上記の中でも、より一層好ましいリン酸エステル系界面活性剤は、アルキル基の炭素数が12〜13である、プライサーフA208B、同A208N、同A215C、または同A219Bであり、特には、一般式として、HLB値=7+11.7log(Mw/Mo)、(Mw;親水基の分子量、Mo;親油基の分子量)から求められるHLB値が6〜8であるプライサーフA208Bまたは同A208Nが非常に好ましい。本発明のインキ組成物にこのような物質を用いると、光輝性顔料の硬い累積体を形成することを抑制するとともに、ボールペンに用いた際のボール座の摩耗を抑制することが容易となる。
本発明のインキ組成物におけるリン酸エステル系界面活性剤の含有量は、インキ組成物全量に対して、0.01質量%〜5.0質量%であることが好ましく、0.1質量%〜3質量%であることがより好ましい。含有量が上記数値範囲内であると、光輝性顔料の分散性および潤滑性を良好として、光輝性顔料による硬い累積体の形成を抑制することが容易となる。
(ナイロン)
本発明の水性インキ組成物は、ナイロンを含んでなる。ナイロンはアミド結合を繰り返し単位に有する重合体であり、光輝性顔料、光輝性顔料表面に吸着したリン酸エステル系界面活性剤、および着色顔料表面に吸着することによって、ナイロンを介した、光輝性顔料と着色顔料とによる嵩高くゆるやかな凝集体を形成するものである。
前記嵩高くゆるやかな凝集体は、筆記先端の狭いインキ流路においても滞留してインキの流れを阻害することなく円滑に流動するため、筆記体は良好なインキ吐出性を示す。また、前記嵩高くゆるやかな凝集体が紙面上に吐出された際には、着色顔料が紙繊維間の隙間を通って紙内部へ浸透して埋没することが抑制されて、着色顔料が光輝性顔料表面や紙表面の繊維に付着するため、筆跡の発色性と光輝性、および筆記感を良好とすることができる。
本発明のインキ組成物に用いられるナイロンとしては、水溶性や非水溶性(難水溶性もしくは水不溶性)のものが挙げられるが、分子中に上記した繰り返し単位の結合を有し、前記光輝性顔料および着色顔料と前記ゆるやかな嵩高い凝集体を形成するものであれば特に限りはない。
例えば、水溶性ナイロンとしては、親水性モノマーとカプロラクタムとを重合させて得られる物質が挙げられ、具体的には、2−アミノエチルピペラジンアジペートとε−カプロラクタムとの重縮合物である水溶性ナイロン(東レ株式会社製、商品名:AQナイロン Aシリーズ)、ポリエチレングリコールジアンモニウムアジペートとε−カプロラクタムとの重縮合物である水溶性ナイロン(東レ株式会社製、商品名:AQナイロン Pシリーズ)、2−アミノエチルピペラジンアジペート、ポリエチレングリコールジアンモニウムアジペート、およびε−カプロラクタムの重縮合物である水溶性ナイロン(東レ株式会社製、商品名:AQナイロン Tシリーズ)や、メトキシメチル化6ナイロンを改質し、水溶化したナイロン(株式会社鉛市製、商品名:FINELEX FR−700E)を挙げることができ、好ましく用いることが出来る。
また、非水溶性ナイロンとしては、難水溶性ナイロンのエマルションが挙げられ、具体的には、メトキシメチル化6ナイロンエマルション(株式会社鉛市製、商品名:FR−750E)を挙げることができ、好ましく用いることが出来る。
前記ナイロンの中では水溶性ナイロンが本発明のインキ組成物に好ましく用いられる。
前記水溶性ナイロンは、ε−カプロラクタムを出発原料とした下式(1)かなる官能基を主鎖の構成単位の一部として有しているため、光輝性顔料、着色顔料、およびリン酸エステル系界面活性剤との親和性が高い。そのため、このような水溶性ナイロンは、前記嵩高くゆるやかな凝集体の形成性に優れ、筆記感、筆跡における、光輝性顔料の光輝性、および着色顔料の発色性を良好とするだけでなく、インキ中での溶解安定性に優れ、本発明により好ましく用いることが出来る。
(化1)
−[CO−(CH−NH]−・・・(1)
ここで、nは1以上の整数を示す。
水性インキ組成物におけるナイロンの含有量は、水性インキ組成物の総質量を基準として、0.05質量%〜10質量%であることが好ましく、0.1質量%〜5質量%であることがより好まく、1質量%〜3質量%であることが特に好ましい。ナイロンの含有量が上記数値範囲内であれば、前記嵩高くゆるやかな凝集体の形成性を良好として、筆記感、筆跡の発色性および光輝性を優れたものにするとともに、インキ粘度を過度に高くして、インキ吐出性が低下することを抑制することが容易となる。
本発明のインキ組成物は、筆跡の発色性と光輝性とのバランスを良好としたうえで、発色性、および光輝性を良好とすることを考慮すれば、着色顔料と光輝性顔料との含有量比を前記数値範囲内としたうえで、さらに、前記ナイロンのインキ組成物全量に対する含有量をXとし、着色顔料のインキ全量に対する含有量と光輝性顔料のインキ全量に対する含有量との和をYとした場合、Y/Xが、0.3≦Y/X≦150の範囲内であることが重要である。好ましくは、Y/Xが1≦Y/X≦50の範囲内であり、1≦Y/X≦20であることがより好ましい。Y/Xを上記数値範囲内とすれば、発色性と光輝性とのバランスに優れ、発色性と光輝性が鮮明な筆跡を形成することが可能となる。
さらに、光輝性顔料による硬い累積体の形成を抑制すること、および前記嵩高くゆるやかな凝集体の形成性を良好とすることをより考慮すれば、水性インキ組成物における、ナイロンの含有量およびリン酸エステル系界面活性剤の含有量を前記数値範囲内としたうえで、さらに、ナイロンの含有量をX、リン酸エステル系界面活性剤の含有量をZとした場合、X/Zは、0.1≦X/Z≦25であることが好ましく、0.3≦X/Z≦10であることがより好ましい。特に好ましくは、0.5≦X/Z≦5である。X/Zを上記数値範囲内とした場合、光輝性顔料による硬い累積体の形成を抑制し、嵩高くゆるやかな凝集体の形成性を良好として、優れた、筆記感、筆跡の発色性および光輝性を奏することが容易となる。
(増粘剤)
本発明の水性インキ組成物は、増粘剤を用いることが出来る。これにより、静置時におけるインキ中での光輝性顔料および着色顔料の沈降、凝集を抑制し、インキ組成物の潤滑性を良好とすることで、より優れた筆記感を奏することが可能となる。
増粘剤としては従来公知の物質を用いることが可能であるが、好ましくは、インキ組成物にせん断減粘性を付与できる物質(せん断減粘性付与剤)である。このような物質を用いることにより、静置時に顔料が沈降、凝集しにくいインキ粘度としながらも、外部から力が加わった際にインキ組成物は容易に低粘度化するため、静置時におけるインキ中での顔料の沈降、凝集を抑制しつつ、筆記時における筆記先端からのインキ吐出性を良好とすることが容易となる。とりわけ、ボールペンにこのようなインキ組成物を用いた際には、筆記時にボールの回転に伴ってインキに強いせん断応力が加わり、インキがより低粘度化しやすいため、インキ吐出性を良好とし、発色性に優れる筆跡を形成することが容易となる。
せん断減粘性付与剤の具体例としては、キサンタンガム、ウェランガム、ゼータシーガム、ダイユータンガム、マクロホモプシスガム、構成単糖がグルコースとガラクトースの有機酸修飾ヘテロ多糖体であるサクシノグリカン(平均分子量約100万ないし800万)、グアーガム、ローカストビーンガム及びその誘導体、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸アルキルエステル類、メタクリル酸のアルキルエステルを主成分とする分子量10万〜15万の重合体、グルコマンナン、寒天やカラゲニン等の海藻より抽出されるゲル化能を有する炭水化物、ポリN−ビニル−カルボン酸アミド架橋物、ベンジリデンソルビトール及びベンジリデンキシリトール又はこれらの誘導体、架橋性アクリル酸重合体、無機質微粒子、ジアルキルスルホコハク酸の金属塩やアミン塩等を例示できる。
前記の中でも、本発明のインキ組成物に好ましい増粘剤は架橋性アクリル酸重合体であり、さらに、アルカリ金属の水酸化物等のアルカリ性を有する物質で中和したものがより好ましい。このような物質はインキ組成物に対して、前記した顔料の沈降、凝集抑制効果、および良好なインキ吐出性をもたらしながらも、pH値の高低にかかわらず、安定した粘度を示しやすい。
前記架橋性アクリル酸重合体の具体例としては、カルボキシビニルポリマーが挙げられ、ハイビスワコー103、同104、同105(以上、和光純薬工業株式会社製)を用いることが出来る。
インキ組成物における増粘剤の含有量は、インキ組成物全量に対して、質量0.01%〜5.0質量%であることが好ましく、0.1質量%〜1.0質量%であることがより好ましい。含有量が上記数値範囲内であると、インキ流動性が良好であり筆記先端からのインキ吐出性に優れるとともに、顔料の分散安定性に優れるインキ組成物とすることが容易となる。
(その他)
また、水性インキ組成物は、必要に応じて以下の添加剤を用いることができる。
具体的には、染料、カオリン、タルク、マイカ、クレー、ベントナイト、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、セリサイト、およびチタン酸カリウムなどの体質材、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、およびポリグリセリンなどのアルコールまたはグリコール、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ナイロン樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、およびフッ素樹脂などからなる樹脂粒子、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、アルキッド樹脂、スルフォアミド樹脂、マレイン酸樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン酢ビ樹脂、塩ビ−酢ビ樹脂、スチレンとマレイン酸エステルとの共重合体、スチレン−アクリロニトリル樹脂、シアネート変性ポリアルキレングリコール、エステルガム、キシレン樹脂、尿素樹脂、尿素アルデヒド樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、ロジン系樹脂やその水添化合物、ロジンフェノール樹脂、ポリビニルアルキルエーテル、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、シクロヘキサノン系樹脂などの定着剤、pH調整剤、粘度調整剤、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、およびサポニンなどの防錆剤、尿素、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性等の前記リン酸エステル系界面活性剤以外の各種界面活性剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水溶性樹脂からなる顔料分散剤、還元又は非還元デンプン加水分解物、トレハロース等の二糖類、オリゴ糖、ショ糖、サイクロデキストリン、ぶどう糖、デキストリン、ソルビット、マンニット、およびピロリン酸ナトリウムなどの湿潤剤、防腐剤、気泡抑制剤、気泡吸収剤などの添加剤を用いることができる。
(筆記具用水性インキ組成物)
本発明による水性インキ組成物の20℃における粘度は、回転数が100rpm(剪断速度380sec−1)の条件で測定した場合、1〜300mPa・sであることが好ましく、2〜150mPa・sであることがより好ましい。さらに好ましくは5〜100mPa・sである。また、回転数が10rpm(剪断速度38sec−1)の条件で測定した場合、1〜1000mPa・sであることが好ましく、5〜500mPa・sであることがより好ましい。さらに好ましくは、10〜300mP・sである。回転数が1rpm(剪断速度3.8sec−1)においては、1〜5000mPa・sであることが好ましく、10〜3000mPa・sであることがより好ましい。さらに好ましくは、20〜1500mP・sである。
水性インキ組成物の粘度が上記数値範囲内であれば、筆記先端からのインキ吐出性を良好とし、筆記感と着色顔料の発色性に優れた筆跡を形成すること、および顔料の分散安定性に優れるインキ組成物とすることが容易となる。
なお、組成物の粘度の測定はE型回転粘度計(DV−II+Pro、ローター:CPE−40、ブルックフィールド社製)を用いて行うことができる。
水性インキ組成物の表面張力は、20℃環境下において、10〜45mN/mが好ましい。表面張力が上記数値範囲内であれば、筆記線の滲みや、紙への裏抜けを防ぐことを容易とすることができる傾向にあると共に、筆跡カスレ・中抜けなどを良好として、筆記性を向上させることができる。筆記性をより考慮すれば、水性インキ組成物の表面張力は、15〜40mN/mが好ましい。
なお、表面張力は、20℃環境下において、協和界面科学株式会社製の表面張力計測器を用い、白金プレートを用いて、垂直平板法によって測定して求められる。
水性インキ組成物のpHは、6〜10であることが好ましく、7〜9であることがより好ましい。水性インキ組成物のpHが上記数値範囲内であれば、前記嵩高くゆるやかな凝集体の形成性を良好としやすい。
本発明において、pHの値は、例えばIM−40S型pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製)により20℃にて測定することができる。
本発明による水性インキ組成物は、従来知られている任意の方法により製造することができる。具体的には、前記各成分を必要量配合し、プロペラ攪拌、ホモディスパー、またはホモミキサーなどの各種攪拌機やビーズミルなどの各種分散機などにて混合し、製造することができる。
(筆記具)
本発明の水性インキ組成物は、ペン先、インキ充填機構、ペン先出没機構、インキ供給機構を備えた、マーキングペン、ボールペン、および万年筆等の筆記具に収容される。
ペン先としては、繊維チップ、フェルトチップ、プラスチックチップなどのペン芯、またはチップ本体のボールハウス(ボール抱持室)にボールを回転自在に抱持したボールペンチップ、金属製の万年筆用のペン先などを好ましく用いることができる。その中でも、インキの吐出性を良好とし、滑らかな筆記感を奏しやすいことから、ボールペンチップが好ましく用いられる。
ボールペンチップは、先端縁の内壁にボールを押圧するコイルスプリングを配設することによってボールペンチップ先端のシール性を保ち、チップ先端から水の蒸発を防いでインキ増粘を抑制しやすくすることで、ドライアップ性能向上をしやすくなるため、より好ましく用いることが可能である。
また、ボールの材質は特に限定されるものではないが、タングステンカーバイドを主成分とする超硬合金ボールや、炭化珪素、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素などが挙げられる
ボールの腐食を抑制することを考慮すれば、硫黄系化合物を含有することが好ましい。
筆記具のインキ充填機構は、水性インキ組成物を直に充填する構成のものであってもよく、水性インキ組成物を充填することのできるインキ収容体またはインキ吸蔵体を備えるものであってもよい。
筆記具が水性インキ組成物を直に充填する構成のものである場合、顔料を再分散させるために、インキ収容体にはインキを攪拌する攪拌ボールなどの攪拌体を内蔵することが好ましい。前記攪拌体の形状としては、球状体、棒状体などが挙げられる。攪拌体の材質は特に限定されるものではないが、具体例として、金属、セラミック、樹脂、硝子などを挙げることができる。
また、筆記具が水性インキ組成物を充填することのできるインキ吸蔵体を備えるものである場合は、インキ吸蔵体は、撚り合わせた繊維を用いてなる繊維集束体が好ましい。
本発明の筆記具の出没機構は、特に限定されず、ペン先を覆うキャップを備えたキャップ式、ノック式、回転式およびスライド式などが挙げられる。また、軸筒内にペン先を収容可能な出没式であってもよい。
また、筆記具におけるインキ供給機構についても特に限定されるものではなく、例えば、(1)繊維束などからなるインキ誘導芯をインキ流量調節部材として備え、水性インキ組成物をペン先に供給する機構、(2)櫛溝状のインキ流量調節部材を備え、これを介在させ、水性インキ組成物をペン先に供給する機構、(3)弁機構によるインキ流量調節部材を備え、水性インキ組成物をペン先に供給する機構、および(4)ペン先を具備したインキ収容体または軸筒より、水性インキ組成物を直接、ペン先に供給する機構などを挙げることができる。
ペン先を具備したインキ収容体としては、前記ボールペンチップを先端に具備し、後端にグリース等の粘稠液体からなるインキ逆流防止体を充填したインキレフィルであっても良い。
本発明の組成物を収容する筆記具は、前記したペン先、インキ充填機構、ペン先出没機構、およびインキ供給機構の中から各部材を適宜選択して構成することが可能であり、いずれも好ましく用いることができるが、特にペン先にボールペンチップを具備した筆記具、即ちボールペンはインキの吐出性に優れる筆記具であるため、本発明の組成物を用いることにより着色顔料の発色性および光輝性顔料の光輝感に優れた筆跡を形成容易であるだけでなく、良好な筆記感を奏することができるのでより好ましい筆記具形態である。
一実施形態において、筆記具は、ボールペンであり、インキ逆流防止体を備えたボールペンであることが好ましい。
一実施形態において、筆記具は、マーキングペンであり、ペン先は、特に限定されず、例えば、繊維チップ、フェルトチップまたはプラスチックチップなどであってよく、さらに、その形状は、砲弾型、チゼル型または筆ペン型などであってよい。
(実施例1)
下記原材料および配合量にて、室温で1時間攪拌混合することにより、筆記具用インキ組成物を得た。得られた水性インキ組成物の粘度をE型回転粘度計(DV−II+Pro、コーン型ローターCPE−42、ブルックフィールド社製)により測定し、その粘度を元に粘性指数を算出した。具体的には、20℃、剪断速度38sec−1(回転速度10rpm)における粘度は10.3mPa・sであり、剪断速度380sec−1(回転速度100rpm)における粘度は2.3mPa・sであった。
さらに、IM−40S型pHメーター(東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて、20℃にて水性インキ組成物のpHを測定した結果、pHは8.5であった。
また、得られた水性インキ組成物の表面張力を、表面張力計測器(20℃環境下、垂直平板法、協和界面科学株式会社製)により測定したところ、37.80mN/mであった。
・光輝性顔料 2質量%
(樹脂で表面をコーティングされてなる薄片状遮光性金属顔料、銀色、商品名:エルジーneo#325Silver、尾池イメージング株式会社)
・着色顔料 10質量%
(ピグメントブルー15:3、22質量%水分散体、商品名:SANDYESUPER BLUE GLL−E、山陽色素株式会社製)
・ナイロン 2質量%
(50%水溶液、商品名:AQナイロンP−95、東レ株式会社製)
・リン酸エステル系界面活性剤 1質量%
(商品名:プライサーフA219B、第一工業製薬株式会社製)
・トリエタノールアミン 1質量%
・ジエチレングリコール 15質量%
・防腐剤 0.2質量%
(商品名:プロキセルXL−2、ロンザジャパン株式会社製)
・イオン交換水 68.8質量%
(実施例2〜33、比較例1〜6)
実施例1に対して、配合する成分の種類や添加量を表1〜3に示したとおりに変更して、実施例2〜33、比較例1〜6のインキ組成物を得た。
上記実施例で使用した材料の詳細は以下の通りである。
・光輝性顔料(1)樹脂で表面をコーティングされてなる薄片状遮光性金属顔料(商品名:エルジーneo#325Silver、尾池イメージング株式会社製)
・光輝性顔料(2)パール顔料(商品名:TWINCLE PEARL SXA、日本光研工業株式会社製)
・光輝性顔料(3)透明性を有する物質からなる基材を金属酸化物で被覆してなる顔料(商品名:HYDRO PELLET 1000、エカルト社製)
・着色顔料 (1)ピグメントブルー15:3(22質量%水分散体、商品名:SANDYESUPER BLUE GLL−E、山陽色素株式会社製)
・着色顔料 (2)二酸化チタン(商品名:JR−701、テイカ株式会社製)
・着色顔料 (3)蛍光顔料(蛍光イエロー、44質量%水分散体、商品名:ルミコールNKW−2306H、日本蛍光化学株式会社製)
・ナイロン (1)水溶性ナイロン(50%質量%水溶液、商品名:AQナイロン、P−95、東レ株式会社製)
・ナイロン (2)水溶性ナイロン(商品名:AQナイロンP−70、東レ株式会社製)
・ナイロン (3)水溶性ナイロン(商品名:AQナイロンA−90、東レ株式会社製)
・ナイロン (4)非水溶性ナイロン(20質量%水分散体、商品名:Finlex FR−750E、株式会社鉛市製)
・ポリビニルアルコール(商品名:ゴーセノールGM−14L、日本合成化学工業株式会社製
・リン酸エステル系界面活性剤(1)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(アルキル基:ラウリル基、HLB値:16、商品名:プライサーフ A219B、第一工業製薬株式会社製)
・リン酸エステル系界面活性剤(2)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(アルキル基の炭素数が12であるエステルとアルキル基の炭素数が13であるエステルとの混合物、HLB値:7、商品名:プライサーフ A208N、第一工業製薬株式会社製)
・リン酸エステル系界面活性剤(3)ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル(アルキル基:トリデシル基、HLB値:11、商品名:プライサーフ A215C、第一工業製薬株式会社製)
・オレイン酸ナトリウム
・トリエタノールアミン・ジエチレングリコール
・増粘剤(1)架橋型アクリル重合体(商品名:ハイビスワコー104、和光純薬工業株式会社製)
・増粘剤(2)キサンタンガム(商品名:ラボールガム GS−C、DSP五協フード&ケミカル株式会社製)
・防腐剤 ベンゾイソチアゾリン−3−オン(商品名:プロキセルXL−2、ロンザジャパン株式会社製)
・ジエチレングリコール
・イオン交換水
調製した水性インキ組成物について、下記の通り、評価を行った。得られた結果は表1〜3に記載したとおりであった。
なお、評価試験では、以下のような筆記具を作成し試験に用いた。
ボールペン:インキ収容筒の先端にボール径が0.5mmのボールを回転自在に抱持したボールペンチップをチップホルダーに介して具備したインキ収容筒内(ポリプロピレン製)に実施例1〜32、比較例1〜6で作製したインキ組成物を充填し、後端にシリコーン化合物の粘稠液体からなるインキ逆流防止体を充填したレフィルを(株)パイロットコーポレーション製のゲルインキボールペン(商品名:G−knock)に装着した。
マーキングペン:砲弾型ポリエステル繊維芯からなるペン先を具備したマーキングペン(パイロットコーポレーション製、商品名:JuicePaint)のインキ収容体に、金属材からなる球状体の撹拌体、及び実施例33で作製インキ組成物を内蔵した。
(筆跡発色性の評価)
上記ボールペンにより、直線筆記を行った。その際の筆跡における着色顔料の発色性を目視により観察した。なお、筆記試験用の媒体として、白紙(JIS P3210 筆記用紙A)黒紙(株式会社長門屋商店製、カラーペーパーB5中厚口黒、厚さ0.09mm、密度80g/m)を用いた。
A:発色が明瞭である。
B:穏やかな発色が視認できる。
C:発色が若干不明瞭であるが、十分視認できる。
D:発色が不明瞭であり、視認が困難である。実用上問題がある。
(筆跡光輝性の評価)
上記評価で得られた筆跡の光輝性を観察した。
A:筆跡全体に金属光沢調の強い輝きが視認される。
B:穏やかな金属光沢調の輝きが視認される。
C:金属光沢調の輝きは若干弱いが、十分視認できる。
D:金属光沢調の輝きが弱い。実用上問題がある。
(筆記感の評価)
前記評価の際、筆記感を官能評価した。
A:滑らかで良好である。
B:わずかに引っかかるような感触がある。
C:引っかかるような感触があり、不快である。
Figure 2019178203
Figure 2019178203
Figure 2019178203

Claims (6)

  1. 水と、光輝性顔料と、着色顔料と、ナイロンと、リン酸エステル系界面活性剤とを少なくとも含む水性インキ組成物であって、水性インキ組成物の総質量を基準として、ナイロンの含有量をXとし、光輝性顔料の含有量と着色顔料の含有量との和をYとした場合に、Y/Xが、0.3≦Y/X≦150の範囲内である、筆記具用水性インキ組成物。
  2. 水性インキ組成物の総質量を基準として、前記ナイロンの含有量をXとし、前記リン酸エステル系界面活性剤の含有量をZとした場合に、X/Zが、0.1≦X/Z≦25の範囲内である、請求項1に記載の筆記具用水性インキ組成物。
  3. 増粘剤をさらに含む、請求項1または2に記載の筆記具用水性インキ組成物。
  4. 前記増粘剤がアクリル系増粘剤である、請求項3に記載の筆記具用水性インキ組成物。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の筆記具用水性インキ組成物を収容してなる筆記具。
  6. 前記筆記具がボールペンである、請求項5に記載の筆記具。
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