JP7167433B2 - 樹脂組成物および樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
まず、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物に含まれる金属微粒子/微細化セルロース複合体(以下、単に「複合体」と称することがある。)について説明する。本発明の複合体は、その構造の少なくとも一辺がナノメートル(nm)オーダーである微細化セルロースと金属微粒子とが複合化された複合体である。本複合体は微細化セルロースの表面上に金属ナノ微粒子を直接還元析出することにより得られ、金属微粒子と微細化セルロースが不可分に結合されている。本発明における「不可分」とは、例えば本複合体を含む分散液を遠心分離処理して上澄みを除去し、さらに溶媒を加えて再分散することで複合体を精製・洗浄する操作を繰返した後であっても金属微粒子と微細化セルロースとが分離しない程度の結合状態を意味する。
金属微粒子の形状に特に制限はなく、例えば平板状、球状、あるいはロッド状等であってもよい。特に金属微粒子が金または銀、あるいはその両方を含む場合には、金属微粒子の形状を平板状とすることで、局在表面プラズモン共鳴波長を可視~近赤外領域において幅広く制御可能であるため有用である。
より具体的には、図1に示すように、各微細化セルロース3は、金属微粒子2に結合している第一部分3aと、金属微粒子2の周囲に露出している第二部分3bとを有する。そして、第一部分3aの存在により、金属微粒子2と微細化セルロース3とが不可分の状態となっている。即ち、金属微粒子2と微細化セルロース3とは、微細化セルロース3の少なくとも一部分(第一部分3a)が金属微粒子2に結合することにより、少なくとも一部同士が物理的に結合することにより、不可分の状態にある。
金属微粒子2が平板状である場合、その粒子径は20~1000nmが好ましい。
金属微粒子2が平板状である場合、その粒子厚みは5~100nmが好ましく、8~50nmがより好ましい。
金属微粒子2が平板状である場合、その平均アスペクト比(粒子径/粒子厚み)は2.0以上が好ましく、2.0~200がより好ましい。
(1)粒子径の測定法
複合体を含む分散液を透過型電子顕微鏡(TEM)観察用支持膜付き銅グリッド上にキャストして風乾したのち、TEM観察を行う。得られた画像中の金属微粒子を、円で近似した際の径を平面方向の粒子径として算出する。
(2)粒子厚みの測定法
複合体を含む分散液をPETフィルム上にキャストして風乾し包埋樹脂で固定したものをミクロトームで断面方向に切削し、TEM観察を行う。得られた画像中の金属微粒子の厚みを平面方向に対する粒子厚みとして算出する。
(3)アスペクト比の算出方法
上述のようにして求めた粒子径をaとし、粒子厚みをbとした際に、粒子径aを粒子厚みbで割った値を、アスペクト比=a/bとして算出する。
なお、上述した測定方法および算出方法は一例であり、特にこれらに限定されるものではない。
次に、本実施形態における複合体1の製造方法について説明する。微細化セルロース3と、金属微粒子2を形成するための金属イオンとを含む分散液中で、微細化セルロース3上に金属を還元析出させて金属結晶を生成することによって、微細化セルロース3に金属微粒子2が担持された複合体1を得ることができる。還元析出の際に、異方性をもってこの金属結晶を成長させることにより、金属微粒子2の形状が平板状となる。
上記した製造方法は一例であり、他の公知の方法で微細化セルロースに金属微粒子が担持された複合体が製造されてもよい。
次に、本実施形態の乾燥固形物について説明する。本実施形態における乾燥固形物は、上述した金属微粒子/微細化セルロース複合体と、金属微粒子が担持されていない遊離微細化セルロースとを含む。乾燥固形物は溶媒をほとんど含まず、溶媒を加えることにより、溶液中に複合体を再分散させることが可能である。
乾燥固形物の乾燥の度合いは固形分率として示される。固形分率は適宜設定できるが少なくとも80%以上であり、好ましくは90%以上であり、より好ましくは95%以上であり、100%(絶乾状態)であってもよい。
上記効果を十分に得る観点からは、乾燥固形物におけるセルロースの含有率は、30質量%(wt%)以上が好ましく、40wt%以上がより好ましい。セルロースの含有率が30%未満となると、金属微粒子をセルロースで均一に包み込むことが難しくなり、金属微粒子同士が接触して凝集し再分散が阻害されたり、金属微粒子が大気中の元素と接触・反応して変性したりする可能性があるため好ましくない。上記効果を得る観点からは、セルロース含有率の数値範囲に上限は存在しないが、セルロース含有率が低くなるほど、乾燥固形物における金属微粒子の含有率は向上する。
セルロースの含有率は、原子吸光分光光度計等を用いて測定することができる。ただし、複合体に含まれる微細化セルロースと遊離微細化セルロースを分けて測定することは困難であるため、本発明において、乾燥固形物におけるセルロースの含有率は、複合体に含まれる微細化セルロースと遊離微細化セルロースとの合計と定義する。
乾燥固形物のセルロース含有率を測定する場合は、以下の方法も可能である。例えば金属が銀である場合、乾燥固形物を硝酸水溶液で処理して銀のみを溶出させ、溶解液をフィルターなどでろ別し、得られたろ液中に含まれる銀濃度を測定する。これにより、乾燥固形物における銀の質量が算出でき、最終的にセルロース含有率が特定できる。
乾燥固形物の形態は特に限定されないが、例えばフィルム形状、多孔質形状で提供することができる。また、フィルム形状あるいは多孔質形状で得られた乾燥固形物を粉砕処理することにより、粉体形状の乾燥固形物として提供することも可能である。
次に本実施形態に係る樹脂組成物について説明する。本実施形態で用いることのできる熱可塑性樹脂は汎用熱可塑性樹脂であれば特に制限は無いが、例えばポリエチレンやポリプロピレンといったポリオレフィン系樹脂やエチレン・ビニルアルコール共重合体(EvOH)、ポリビニルアルコール(PVA)を用いることができる。さらにはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、環状ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂を用いることができる。
一方、本実施形態に係る金属微粒子/微細化セルロース複合体は乾燥固形物に含有されるため、これらの熱可塑性樹脂に効率よく混練することができる。
金属微粒子/微細化セルロース複合体は、混練により熱可塑性樹脂組成物に包埋されるため、金属微粒子を構成する金属元素が大気中の元素と接触・反応することが好適に防止される。これにより、金属ナノ粒子の凝集や劣化等の心配がなくなるため、熱可塑性樹脂組成物や熱可塑生樹脂組成物から得られた成形体においてもLSPRや抗菌性等の特性が好適に維持される。
ここで、強度特性の向上や熱寸法安定性の改善といった微細化セルロース由来の効果や、LSPRや抗菌性といった金属微粒子由来の特性は、乾燥固形物のセルロース含有率および金属微粒子の含有率により調整可能である。
また、熱可塑性樹脂組成物をペレット状のマスターバッチとして使用すれば、様々な成形体に金属微粒子/微細化セルロース複合体を容易に含有させることが可能である。また、金属微粒子/微細化セルロース複合体のLSPR効果による発色を使用した着色用マスターバッチとして使用することもできる。
本実施形態に係る樹脂組成物の製造方法は、セルロース原料にアニオン性官能基を導入する工程(第一工程)と、アニオン性官能基が導入されたセルロース原料を溶媒中で解繊して微細化セルロース分散液を得る工程(第二工程)と、微細化セルロース分散液と、1種類以上の金属イオンを含有する溶液とを混合して混合溶液を得る工程(第三工程)と、混合溶液中の金属イオンを還元して1種以上の金属またはそれらの化合物からなる金属微粒子を成長させることにより混合溶液中に金属微粒子/微細化セルロース複合体を形成し、金属微粒子/微細化セルロース複合体と遊離微細化セルロースとを含む分散液を得る工程(第四工程)と、複合体と遊離微細化セルロースとを含む分散液から溶媒を除去して乾燥固形物を得る工程(第五工程)と、乾燥固形物と熱可塑性樹脂とを混練して熱可塑性樹脂組成物を得る工程(第六工程)と、を備える。以下、各工程について詳細に説明する。
本実施形態の乾燥固形物に含まれる微細化セルロースは、結晶表面にアニオン性官能基が導入されている。微細化セルロースは、その構造の少なくとも一辺がナノメートルオーダーであり、その調製方法については特に限定されない。
繊維状の微細化セルロースは、短軸径において数平均短軸径が1nm以上100nm以下であればよく、好ましくは2nm以上50nm以下であればよい。ここで、数平均短軸径が1nm未満では高結晶性の剛直な微細化セルロース繊維構造をとることができず、金属微粒子を析出させるための足場として用いることができない。一方、数平均短軸径が100nmを超えると、金属微粒子に対してサイズが大きくなり過ぎるため、金属微粒子のサイズや形状を制御することが困難となる。繊維状の微細化セルロースの数平均長軸径については特に制限はないが、好ましくは数平均短軸径の10倍以上である。数平均長軸径が数平均短軸径の10倍未満であると、金属微粒子のサイズや形状を十分に制御することができない場合がある。
N-オキシル化合物の使用量は、触媒として機能する程度の量であればよく、特に限定されない。一例を挙げると、酸化処理する木材系天然セルロースの固形分に対して0.01~5.0質量%程度である。
添加するアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等の無機アルカリや、アンモニア水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液、水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液、水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム水溶液等の有機アルカリなどが挙げられる。コストなどの面からは、水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
第二工程では、第一工程においてアニオン性官能基が導入されたセルロース原料を溶媒中で解繊し、微細化セルロース分散液を得る。
TEMPO酸化処理を施した木材系のセルロース原料を第二工程に用いる場合、溶媒中の水の割合が50%以下になると木材由来の微細化セルロースの分散が阻害され、金属微粒子と微細化セルロースとの均一な複合体形成が難しくなる。水以外に含まれる溶媒としては親水性溶媒が好ましい。親水性溶媒については特に制限は無いが、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;テトラヒドロフラン等の環状エーテル類が好ましい。必要に応じて、セルロースや生成された微細化セルロースの分散性を上げるために、懸濁液のpH調整を行ってもよい。pH調整に用いられるアルカリ水溶液としては、上述したアルカリ水溶液と同様のものが挙げられる。
第三工程では、第二工程で得られた微細化セルロース分散液と、1種類以上の金属イオンを含有する金属イオン含有溶液とを混合して混合溶液を得る。
金属イオン含有溶液は、金属微粒子の原料となる、金属または金属を含む化合物を水などの溶媒に溶解させることにより得られる。第二工程で得られた微細化セルロース分散液を攪拌しながら、金属イオン含有溶液を少しずつ添加することにより、微細化セルロース分散液と金属イオン含有溶液との混合溶液が得られる。
金属イオン含有溶液の具体的組成は特に限定されない。銀を用いる場合は例えば硝酸銀水溶液を用いることができ、金を用いる場合は例えば塩化金酸水溶液を用いることができる。
第四工程では、第三工程で得られた混合溶液中の金属イオンを還元して1種以上の金属またはそれらの化合物からなる金属微粒子を成長させるとともに、金属微粒子と微細化セルロースとを複合化する。この際、金属微粒子の異方成長を促進して平板状金属微粒子としてもよい。
第四工程では、まず、混合溶液中への還元剤の添加により、微細化セルロース3に設けたカルボキシ基を起点に金属の析出が始まる。そして、析出した金属は一次粒子(金属微粒子)2aを形成する(図2における左側参照)。この状態で金属微粒子/微細化セルロース複合体が生成される。さらに反応条件を制御することによって、これらの一次粒子2aを起点として、平板状の金属微粒子(すなわち、平板状金属微粒子)2を形成することも可能である。この際、微細化セルロース3の第一部分3aが金属結晶に結合するとともに第二部分3bが平板状金属微粒子の周囲に露出した状態で複合化する(図2における右側参照)。
第五工程では、第四工程で得られた金属微粒子/微細化セルロース複合体を含む分散液から溶媒を除去して乾燥固形物を得る。
分散液に含まれる複合体において、金属微粒子が担持された微細化セルロース3は第二部分3bを有するため、溶媒の除去に伴って複合体同士が接近しても、金属微粒子同士が結合することが好適に抑制される。さらに、複合体の周囲に存在する遊離微細化セルロースも、複合体の金属微粒子同士の結合抑制に寄与する。その結果、金属微粒子の接触による結合や凝集等が防止されつつ、再分散された際に所望の特性を発揮可能な状態で乾燥される。
第六工程では、第五工程で得られた乾燥固形物を熱可塑性樹脂と混練して、金属微粒子/微細化セルロース複合体が熱可塑性樹脂内部に分散した熱可塑性樹脂組成物を得る。
乾燥固形物と熱可塑性樹脂とを混練する方法としては特に限定されないが、例えば単軸混練機、二軸混練機、多軸混練機、ニーダー、ロールミル、プラネタリーミキサー、二軸ミキサー、などの装置を用いて、熱可塑性樹脂ペレットに乾燥固形物を添加しながら混練する方法が挙げられる。2種類以上の装置を組み合わせて用いて乾燥固形物と熱可塑性樹脂とを混練してもよい。混練処理を複数回実施することにより、熱可塑性樹脂中での金属微粒子/微細化セルロース複合体の分散性をさらに向上させることが可能である。
金属微粒子/微細化セルロース複合体が熱可塑性樹脂内部に分散したマスターバッチは、運送等の取扱いが容易である。そのため、マスターバッチを様々な他の熱可塑性樹脂に容易に混合することができ、金属微粒子/微細化セルロース複合体を、様々な他の熱可塑性樹脂に容易に混練させることができる。
一方、本実施形態に係る樹脂組成物の製造方法では、金属微粒子/微細化セルロース複合体は乾燥固形物に含有されて上記混練処理により熱可塑性樹脂と混練されるため、熱可塑性樹脂内部に効率よく分散される。さらに、少なくとも一部のCSNFの再フィブリル化と、熱可塑性樹脂との複合化を効率よく促進することができる。
なお、発明者らは、第四工程で得られた平板状銀ナノ粒子を含む分散液から遊離微細化セルロースを遠心分離によって除去した後に乾燥して放置したところ、銀鏡を生じ、分散液の状態で発揮されていたLSPRが失われることを確認している。
上述した、微細化セルロース濃度、金属イオン濃度、および還元剤濃度と、得られる平板状金属微粒子/微細化セルロース複合体のアスペクト比の関係については、理論的なメカニズムは不明な点が多い。平板状金属微粒子と微細化セルロースとの複合体の具体的な作製法については、後述する実施例においても詳細を記している。
例えば、少なくとも銀を含む直径が数nmの球状金属微粒子は、波長400nm付近の光を吸収するために黄色味を呈するが、遠心分離等によってこれらの球状金属微粒子を含む複合体を除去することにより、平板状銀微粒子/微細化セルロース複合体の共振ピークに由来する波長のみを吸収する光学材料のみを含んだ乾燥固形物を得ることができる。
他の例として、平板状銀微粒子または平板状金微粒子と微細化セルロースとの複合体のうち、アスペクト比が所定値以上であると、可視光透過率の高い近赤外線吸収材料として用いることが可能であるため、遠心分離等によってこれらのアスペクト比が所定値未満の複合体を除去することにより、可視光透過率の高い近赤外線吸収材料のみを含んだ乾燥固形物を得ることができる。
実施例1および2は、金属として銀を用いた熱可塑性樹脂組成物の実施例である。
(木材セルロースのTEMPO酸化:第一工程)
針葉樹クラフトパルプ70gを蒸留水3500gに懸濁し、蒸留水350gにTEMPOを0.7g、臭化ナトリウムを7g溶解させた溶液を加え、20℃まで冷却した。ここに2mol/L、密度1.15g/mLの次亜塩素酸ナトリウム水溶液450gを滴下により添加し、酸化反応を開始した。系内の温度は常に20℃に保ち、反応中のpHの低下は0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加することでpH10に保ち続けた。セルロースの重量に対して、水酸化ナトリウムの添加量の合計が3.50mmol/gに達した時点で、約100mLのエタノールを添加し反応を停止させた。その後、ガラスフィルターを用いて蒸留水によるろ過洗浄を繰り返し、酸化パルプを得た。
上記TEMPO酸化で得た酸化パルプおよび再酸化パルプを固形分重量で0.1g量りとり、1%濃度で水に分散させ、塩酸を加えてpHを2.5とした。その後0.5M水酸化ナトリウム水溶液を用いた電導度滴定法により、カルボキシ基量(mmol/g)を求めた。結果は1.6mmol/gであった。
上記TEMPO酸化で得た酸化パルプ1gを99gの蒸留水に分散させ、ジューサーミキサーで30分間微細化処理し、濃度1%の微細化セルロース水分散液を得た。この分散液を光路長1cmの石英セルに入れ、分光光度計(島津製作所社製、「UV-3600」)を用いて分光透過スペクトルの測定を行った結果を図3に示す。図3から明らかなように、微細化セルロース水分散液は高い透明性を示した。微細化セルロース水分散液に含まれる微細化セルロースの数平均短軸径は3nm、数平均長軸径は1110nmであった。図4に、レオメーターを用いて微細化セルロース水分散液の定常粘弾性測定を行った結果を示す。図4から明らかなように、微細化セルロース水分散液はチキソトロピック性を示した。
硝酸銀50mgを蒸留水10mLに溶解させ、硝酸銀水溶液を調製した。
水素化ホウ素ナトリウム50mgを蒸留水10mLに溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム水溶液を調製した。
上述した1%微細化セルロース水分散液100gを温度一定(15℃)に保ち攪拌しながら、硝酸銀水溶液4mLを添加した。5分攪拌を続けたのち、水素化ホウ素ナトリウム水溶液を4mL添加し、さらに30分ほど攪拌を続けることによって銀微粒子と微細化セルロースとの複合体(金属微粒子/微細化セルロース複合体)を作製した。
得られた銀微粒子と微細化セルロースとの複合体分散液50gを、高速冷却遠心機を用い、75,600g(30分×5セット)の条件で精製・分画した。精製済みの銀微粒子を酢酸ウラニルによるネガティブ染色法を用いてTEM観察を行った。透過型電子顕微鏡はJEM1400Plus(日本電子)を用い、加速電圧は100kVとした。結果を図5に示す。銀微粒子と微細化セルロースとの同時観察を行うことで、微細化セルロースと銀微粒子とが相互に結合した状態が確認された。
銀微粒子と微細化セルロースとの複合体分散液50gを、高速冷却遠心機を用い、75,600g(30分×1セット)の条件で精製・分画し複合体ペーストを得た。得られた複合体ペーストを、水を用いて再希釈し、光路長1cmの石英セルに入れ、分光光度計(UV-3600)を用いて分光透過スペクトルを測定し、LSPR由来の共振ピーク波長λmaxの値を調べたところ、700nmであった。
上記複合体ペーストの固形分濃度は6.32%であった。さらに、原子吸光分光光度計(日立ハイテクサイエンス製 ZA3700)を用いて複合体ペーストの固形分における銀の重量比率を測定したところ、2.78%であった。したがって、複合体ペーストの固形分におけるセルロースの割合は、約97%であった。
上述の複合体ペーストを再希釈し、ナスフラスコに封入して凍結真空乾燥し、溶媒を完全に除去して乾燥固形物を得た。得られた乾燥固形物をさらにビーズミルで処理し、粉体状にした。光学顕微鏡で粉体の粒径を観察したところ、粒径100から500μmほどの粒子サイズであった。また、粉体の一部を105℃のオーブンでさらに3時間熱乾燥し、熱乾燥前後の重量変化の差分を取ることによって固形分率を測定したところ、99.9%であった。
また、図示を省略するが、乾燥固形物のSEM観察により、複合体における銀微粒子の外面が膜状の微細化セルロースに覆われた状態であることを確認した。
熱可塑性樹脂ペレットとして、EvOHペレット(ソアノール、日本合成化学工業株式会社)を用いた。EvOHペレット98質量部と、第五工程で得られた乾燥固形物2質量部とを混合し、二軸混練機(ラボプラストミル、株式会社東洋精機製作所)を用いて混練処理を行った。混練処理温度は200℃とし、混練時のスクリュー回転数は10rpmとした。得られた熱可塑性樹脂組成物は紐状に押出したあと冷却水に浸漬し、さらにカッターで切断することで再ペレット化した。以上の工程によって、金属微粒子/微細化セルロース複合体が熱可塑性樹脂であるEvOH中に分散した熱可塑性樹脂組成物を得た。
前項で作製した熱可塑性樹脂組成物ペレットをマスターバッチとし、さらに押出し成形フィルムを作製した。押出しフィルムの成形には前項と同じくラボプラストミルを用い、ラボプラストミルより吐出された樹脂はラボプラストミル専用ユーティリティであるフィルム引取機を用いて巻取りフィルムとして回収した。本実施例においては前項で作製した熱可塑性樹脂組成物ペレットをマスターバッチとし、マスターバッチ25質量部に対しEvOHペレットを75質量部の割合で混合したものを押出しフィルムの原料として用いた。混練処理温度は200℃とし、混練時のスクリュー回転数は20rpmとした。得られたフィルムの分光透過スペクトルを測定し、LSPR由来の共振ピーク波長λmaxの値を調べたところ、700nmであった。すなわち、複合体のLSPR特性が付与された押出し成形フィルムが得られた。また、このフィルムを15mm×50mmの長方形に切り取って試験片を作製し、引張強度試験を実施した。具体的には小型卓上試験機(EZ-LX、株式会社島津製作所)を用いて引張における強度と伸度を検出した。
押出し成形フィルムの作製工程において、混練時のスクリュー回転数を80rpmとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で実施例2の押出し成形フィルムを作製して、評価を行った。
本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いずに、EvOH樹脂ペレットのみを原料として押出し成形フィルムを作製したこと以外は、実施例1と同様の条件で比較例1の押出し成形フィルムを作製して、評価を行った。
実施例3は、金属として金を用いた熱可塑性樹脂組成物の実施例である。
(塩化金酸水溶液(金属イオン含有溶液)の調製)
2.47M塩化金酸水溶液を田中貴金属工業株式会社より購入し、水を用いて希釈して1.0mM塩化金酸水溶液を調製した。
水素化ホウ素ナトリウムを蒸留水に溶解し、12mM水素化ホウ素ナトリウム水溶液を調製した。
第一工程および第二工程は実施例1と同一である。
第二工程で得られた微細化セルロース水分散液を希釈して固形分を0.2%に調節した。0.2%微細化セルロース水分散液20gを温度一定(25℃)に保ち攪拌しながら、上述した1.0mM塩化金酸水溶液20gを添加した。30分攪拌を続けたのち、上述した12mM水素化ホウ素ナトリウム水溶液を20g添加し、さらに90分ほど攪拌を続けることによって金微粒子と微細化セルロースの複合体(金属微粒子/微細化セルロース複合体)分散液を作製した。分散液の分光透過スペクトルを測定し、LSPR由来の共振ピーク波長λmaxの値を調べたところ、510nmであった。
金微粒子と微細化セルロースの複合体分散液を、TEM観察用グリッドにキャストし、TEM観察を行った。観察時の加速電圧は80kVとした。
金微粒子と微細化セルロースの複合体分散液に対し、実施例1と同一の第五工程および第六工程を行うことにより、実施例3の押出し成形フィルムを得た。
押出し成形フィルムの分光透過スペクトル測定を行い、LSPR由来の共振ピーク波長λmaxの値を調べたところ、510nmであった。すなわち、複合体のLSPR特性が付与された押出し成形フィルムが得られた。
本発明に係る樹脂組成物から得られた押出し成形フィルムに含まれる金属微粒子/微細化セルロース複合体は、結晶性の剛直な微細化セルロースの繊維に金属微粒子が固定されている状態で熱可塑性樹脂中に分散されているため、金属微粒子同士の接触が妨げられるとともに空気中の元素と反応することが好適に防止されて、金属微粒子由来のLSPR特性等を損なうことなく押出しフィルムの特性として維持されていると推測される。
これらの複合体は、平板状銀微粒子の形状に由来して、可視光~近赤外光領域における波長選択的なLSPR特性を示す。
図9に示すように、従来、微細化セルロース自体の親水性により混ざりにくいとされていた微細化セルロースと熱可塑性樹脂とが十分に混練されている様子が観察された。実施例2の方が、実施例1と比較して、押出しフィルム成形時の二軸混練機のスクリューの回転数が多く、より微細化セルロースと熱可塑性樹脂とが混練され、微細化セルロースと熱可塑性樹脂との複合化の程度が進んでいると考察される。
また、熱可塑性樹脂と乾燥固形物との界面では、図10に示すように、乾燥固形物は、少なくとも一部のCSNFが再フィブリル化し、熱可塑性樹脂と複合化していることが確認された。上記混練処理において、乾燥固形物の表面の微細化セルロースの少なくとも一部がほぐれながら再度解繊されてナノ繊維状になり、熱可塑性樹脂に組み込まれたと考察される。図10に示すように、熱可塑性樹脂と乾燥固形物との界面において熱可塑性樹脂と乾燥固形物とをつなぐ線状体が、ほぐれた微細化セルロースであると考察され、その微細化セルロースの一部が熱可塑性樹脂と複合化していると考察される。
2 金属微粒子
3 微細化セルロース
3a 第一部分
3b 第二部分
Claims (14)
- 少なくとも結晶表面にアニオン性官能基を有する微細化セルロースの表面上に、1種以上の金属またはそれらの化合物からなる金属微粒子が担持されてなる金属微粒子/微細化セルロース複合体と、熱可塑性樹脂を含み、
前記アニオン性官能基がカルボキシ基であり、前記カルボキシ基の含有量がセルロース1gあたり0.1mmol以上5.0mmol以下であり、
前記微細化セルロースの少なくとも一部が、前記熱可塑性樹脂と複合化しており、
降伏応力が44N/mm2以上である、
樹脂組成物。 - 前記金属微粒子が担持されていない遊離微細化セルロースをさらに含む、
請求項1に記載の樹脂組成物。 - 前記金属微粒子が少なくとも金、銀、白金、パラジウムより選ばれた1種類以上の金属またはその化合物を含む、請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
- 前記微細化セルロースの結晶構造が、セルロースI型である、請求項1から3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記微細化セルロースの形状が、天然セルロースのミクロフィブリル構造由来の繊維状であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記微細化セルロースは、数平均短軸径が1nm以上100nm以下、数平均長軸径が50nm以上であり、かつ数平均長軸径が数平均短軸径の10倍以上である、請求項1から5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記金属微粒子が平板状である、請求項1から6のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- ペレット状に形成してマスターバッチとして用いる、請求項1から7のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- セルロース原料にアニオン性官能基としてカルボキシ基をセルロース1g当たり0.1mmol以上5.0mmol以下導入する第一工程と、
前記アニオン性官能基が導入された前記セルロース原料を溶媒中で解繊して微細化セルロース分散液を得る第二工程と、
前記微細化セルロース分散液と、1種類以上の金属イオンを含有する金属イオン含有溶液とを混合して混合溶液を得る第三工程と、
前記混合溶液中の前記金属イオンを還元して、1種以上の金属またはそれらの化合物からなる金属微粒子を成長させることにより前記混合溶液中に金属微粒子/微細化セルロース複合体を形成し、前記金属微粒子/微細化セルロース複合体と遊離微細化セルロースとを含む分散液を得る第四工程と、
前記分散液から溶媒を除去して乾燥固形物を得る第五工程と、
前記乾燥固形物と熱可塑性樹脂を混練して樹脂組成物を得る第六工程と、
を備える、
樹脂組成物の製造方法。 - 前記第五工程において、前記乾燥固形物におけるセルロースの含有率が30質量%以上である、
請求項9に記載の樹脂組成物の製造方法。 - 前記第五工程が凍結真空乾燥により行われる、
請求項10に記載の樹脂組成物の製造方法。 - 前記第六工程において、前記樹脂組成物に押出し成形をさらに実施する、
請求項10または11に記載の樹脂組成物の製造方法。 - 前記第六工程において、前記樹脂組成物をペレット状のマスターバッチとして形成し、他の熱可塑性樹脂と前記マスターバッチとをさらに混練する、
請求項10から12のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。 - 前記第五工程は、前記分散液から溶媒を除去して得た前記乾燥固形物を粉砕処理することにより粉体状にする、
請求項10から13のいずれか一項に記載の樹脂組成物の製造方法。
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