JP2015218159A - 抗菌性組成物、積層体、及び成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な平板状金属微粒子と微細化セルロースとの複合体を用いて、抗菌活性がある組成物の提供。【解決手段】平板状金属微粒子と、少なくとも1つ以上の微細化セルロースが複合化され、平板状金属微粒子は、少なくとも1種類以上の金属又はそれらの化合物であり、微細化セルロースの各々は、少なくとも一部又は全部が平板状金属微粒子の内部に取り込まれた、残部が当該平板状金属微粒子の表面に露出している複合体を含む、抗菌性組成物。微細化セルロースの有するカルボキシ基量は0.1〜3.0mmol/gであり、微細化セルロースは繊維状であり、前記微細化セルロースの短軸の数平均短軸径は、1〜200nmであり、長軸の数平均長軸径は、0.05〜50μmであり、平板状金属微粒子の粒子径dの平均値は、2〜1000nmであり、厚みhの平均値は、1〜100nmであり、アスペクト比d/hの平均値は、2.0〜100である抗菌性組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、抗菌性組成物、抗菌性積層体、及び抗菌性成形体に関する。
抗菌性材料には、有機系材料、無機系材料等様々なものが知られる。銀や亜鉛、銅等の金属は抗菌・消臭作用があることを古くから経験的に知られており、金属イオンやナノ粒子(以下微粒子)の抗菌・消臭効果を利用した製品も多く販売されている。銀等の金属は必ずしも強力な抗菌性を示すわけではないが、人体に対する害もなく広範囲な細菌・カビ等へ持続的抗菌・防カビ性を有している。
抗菌性材料が用いられる分野としては、カード、文房具、繊維、洗濯機、塗料、ワニス、流しや衛生セラミックス、消毒剤、防臭剤、台所用品、化粧品、身体手入れ用品、乳幼児製品などから傷や火傷の処置、医療器具消毒等様々な応用範囲に拡大している。
一般に、金属や金属酸化物は、抗菌性があり、特に微粒子において抗菌性が効果的である。中でも、銀は人間に対する安全性が高いため、食器等に用いられることが多い。
銀イオンによる抗菌性は、DNAの複製阻害や酵素阻害等様々な原因が知られている。銀微粒子の細菌への影響は不明であるが、銀微粒子が細菌の細胞壁や細胞膜と相互作用し、膜構造を変化させるという説がある。また、銀微粒子の形状により、抗菌性が変化し、平板状の銀微粒子において最も効果的であるという報告がある(例えば、非特許文献1参照)。銀微粒子の形状により細菌の細胞壁や細胞膜との相互作用が変化し、抗菌性に影響を与えると考えられる。
金属や金属酸化物を用いた抗菌剤の例としては、例えば特許文献1では、有機系抗菌剤と銀または銅を担持したリン酸ジルコニウムまたはその塩からなる無機系抗菌剤を含有する抗菌性組成物を提供している。しかし、無機系抗菌剤を樹脂に添加して樹脂組成物とする場合、無機系抗菌剤の添加量が多く、樹脂組成物を成形する際に凝集粒子が生じ、成形物の生産性が悪化する問題がある。また、特許文献2では、有機銀系抗菌剤と有機系抗菌剤とを含有する抗菌性組成物を提供している。しかし、経済性の観点から優れた抗菌効果の持続と配合量の減量が求められる。
一方、近年、化石資源の枯渇問題の解決を目指して、持続的に利用可能な環境調和型材料である天然高分子を用いた機能性材料の開発が盛んに行われている。しかし、特許文献1乃至2は、環境調和型材料に特筆したものではない。
生分解性を有する環境に優しい天然高分子材料としては、セルロース等の植物材料が知られている。植物や木材の主成分であるセルロースは、地球上に最も大量に蓄積された天然高分子材料である。木材中では、数十本以上のセルロース分子が束になって高結晶性でナノメートルオーダーの繊維径をもつ微細繊維(ミクロフィブリル)を形成しており、さらに多数の微細繊維が互いに水素結合してセルロース繊維を形成し、植物の支持体となっている。
このセルロース繊維を、繊維径がナノメートルオーダーになるまで微細化(ナノファイバー化)して利用する方法が知られる。N−オキシル化合物を酸化触媒として、セルロースの水酸基の一部がカルボキシ基およびアルデヒド基からなる群から選ばれる少なくとも1つの官能基に酸化された、最大繊維径1000nm以下かつ数平均繊維径が2から150nmである、セルロースI型結晶構造を有する微細化セルロースが知られる(例えば、特許文献3参照)。
近年は環境問題が注目される中、環境調和型材料の利用が求められている。環境負荷の観点から、低エネルギーで抗菌性組成物及び抗菌性コーティング物、抗菌性積層体、抗菌性成形体を製造することが求められる。また、抗菌性組成物における抗菌効果を発揮するためには、抗菌性材料の分散性が良好であることが求められる。また、抗菌性組成物や、コーティング物、例えば積層体や成形体など、は、用途によっては意匠性が求められ、経済性の観点から抗菌性が持続することが求められる。
特開2006−52205号公報 特開2010−248124公報 特開2008−1728号公報 特開2012−149114号公報
「アプライドアンドエンバイロメンタルミクロバイオロジー(Applied andEnvironmental Microbiology)」、(米国)、2007年3月、p.1712−1720
本発明は、新規な平板状金属微粒子と微細化セルロースとの複合体を用いて、抗菌活性がある組成物の提供をすることを課題とする。
本発明の一態様は、平板状金属微粒子と、少なくとも1つ以上の微細化セルロースとが複合化され、平板状金属微粒子は、少なくとも1種類以上の金属又はそれらの化合物であり、微細化セルロースのそれぞれは、少なくとも一部又は全部が平板状金属微粒子の内部に取り込まれるとともに、残部が当該平板状金属微粒子の表面に露出している複合体を含む、抗菌性組成物である。
また、本発明の一態様は、基材と、基材の少なくとも一方の面に、本発明の一態様である抗菌性組成物により形成された抗菌性層とを有する、抗菌性積層体としてもよい。
また、本発明の一態様は、本発明の一態様である抗菌性組成物が、少なくとも1種類以上の成形材料をさらに含み、その抗菌性組成物を成形して得られる抗菌性成形体としてもよい。
本発明により、新規な平板状金属微粒子と微細化セルロースとの複合体を用いた、抗菌活性がある組成物の提供をすることが可能となる。
本発明に係る抗菌性積層体の一実施形態の断面図である。 本発明に係る抗菌性成形体の一実施形態の断面図である。 本発明を適用した一実施形態である抗菌性材料の構成を示す模式図である。 本発明の抗菌性材料を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察結果を示しており、(a)はSEM画像であり、(B)は、(A)の模式図である。 本発明の抗菌性材料を走査透過型電子顕微鏡(STEM)により拡大して観察した結果を示しており、(A)はSTEM画像であり、(B)は、(A)の模式図である。 本発明の抗菌性材料を走査型電子顕微鏡(SEM)により拡大して観察した結果を示しており、(A)はSEM画像であり、(B)は、(A)の模式図である。 本発明の抗菌性材料を、透過型電子顕微鏡(TEM)によって断面方向から観察した結果を示す図(TEM画像)である。 本発明を適用した一実施形態である抗菌性材料の製造方法の、工程の一部を説明するための模式図である。
図1は、本開示に係る抗菌性積層体の一実施形態の断面図である。図1に示す抗菌性積層体1は、基材11の一方の面に抗菌性材料を含有する抗菌性層12を設ける。
図2は本開示に係る抗菌性成形体の一実施形態の断面図である。図2は、抗菌性組成物が、抗菌性材料と成形材料とを含有し、成形された抗菌性成形体2である。
(抗菌性材料)
本発明を適用した一実施形態である抗菌性材料について説明する。
図3は、本発明を適用した一実施形態である抗菌性材料の構成を示す模式図である。図3に示すように、本実施形態の抗菌性材料(複合体)3は、平板状の金属微粒子(平板状金属微粒子)31と、少なくとも一つ以上の微細化されたセルロース32とが複合化された、平板状金属微粒子と微細化セルロースとの複合体であり、それぞれの微細化セルロース32について少なくとも一部(一部分)又は全部が平板状金属微粒子31の内部に取り込まれており、残部が平板状金属微粒子31の表面に露出するように複合化されたものである。
より具体的には、図4、図5、図6に示すように、それぞれの微細化セルロース32は、平板状金属微粒子31の内部に取り込まれている部分32aと、平板状金属微粒子31の表面に露出している部分32bとから構成されている。そして、この取り込まれている部分32aの存在により、平板状金属微粒子31とそれぞれの微細化セルロース32とが不可分の状態となっている。即ち、平板状金属微粒子31と微細化セルロース32とは、微細化セルロース32の少なくとも一部分(すなわち、部分32a)が平板状金属微粒子31の内部に取り込まれることにより、少なくとも一部同士が物理的に結合することにより、不可分の状態にあることが好ましい。
ここで、本実施形態の抗菌性材料(複合体)3について、微細化セルロース32の少なくとも一部分(すなわち、部分32a)が平板状金属微粒子31の内部に取り込まれる、とは、後述する製造方法においても説明するが、平板状金属微粒子31の成長段階において、金属微粒子ユニットの粒界に沿って、微細化セルロースが挟み込まれている状態と同義である。
また、本実施形態の抗菌性材料(複合体)3において、「不可分」の状態とは、例えば、遠心分離機等の物理的方法によって、平板状金属微粒子31と微細化セルロース32とに分離することが不可能であることをいう。
なお、本実施形態の抗菌性材料(複合体)3は、構成する全ての微細化セルロース32について、全部分(全体)が平板状金属微粒子31の内部に取り込まれており、平板状金属微粒子31の表面に露出している部分が存在しない構成についても、取り込まれている部分32aの存在を確認できる限り権利範囲に含むものとする。
複合体の観察は以下の方法で行うことができる。複合体を高速冷却遠心機等により精製し、シリコンウェハ板上にキャストし、白金蒸着処理を施した後、走査型電子顕微鏡(株式会社日立ハイテクノロジーズ製、S−4800)を用いて垂直方向から観察することで、図4、図6のように平板状金属微粒子31と表面に露出した微細化セルロース32bを観察することができる。また、図5のように走査透過型電子顕微鏡にて観察することで、平板状金属微粒子31の内部に取り込まれた微細化セルロース32aを確認することができる。また、複合体をシリコンウェハ板上キャストし、非蒸着のまま走査型電子顕微鏡観察を行った後、エネルギー分散型X線分析による元素マッピングを行い、金属と微細化セルロースによる炭素の検出により複合化を確認できる。
一般に、金属表面と溶媒は、強い親和力は無く、そのままでは粒子は凝集沈殿してしまう。しかし、本発明の製造方法では、金属イオンと微細化セルロースの存在下で還元することにより、金属原子が生成し、核発生、成長を経て金属微粒子が生成する。この過程で金属微粒子と微細化セルロース繊維が相互作用し、金属微粒子の形態や凝集に影響を及ぼし、形状やサイズの制御された複合体が得られると考えられる。
このようにして得られた複合体において、前記微細化セルロース32のそれぞれは、少なくとも一部又は全部が前記平板状金属微粒子31の内部に取り込まれるとともに、残部が当該平板状金属微粒子31の表面に露出する。本発明の複合体は、分散安定性の面から、前記金属微粒子と前記微細化セルロースとが不可分であることが好ましい。
本実施形態において「平板状」とは、板状の粒子であり、表面33または裏面34の面積を円に相当した粒子径dとすると、粒子径dを粒子厚みhで割った平均アスペクト比(d/h)が2.0以上である粒子を意味する。尚、表面33、裏面34の形状は特に限定されないが、主に通常六角形や三角形等の多角形である。また、表面33(裏面34)、裏面34(裏面33)、表面33と裏面34は、どちらの面積が大きくもよく、両面は平行でなくてもよい。
また、平板状金属微粒子は、表面プラズモン共鳴により、意匠性を発揮する。金属表面の自由電子は、光等の外部電場により集団的に振動を起こすことがある(表面プラズモン)。電子は電荷を持った粒子であるため、電子が振動を起こすと周囲に電場を発生する。金属微粒子では、自由電子の振動を起こすことにより生じる電場と外部電場が(光等)共鳴する現象が起きる(表面プラズモン共鳴)。
金属微粒子は、そのアスペクト比により共鳴波長が変化するため、その形状やサイズにより特定の波長領域を吸収し、色調が変化する。
高い抗菌性及び意匠性を発揮するためには、平板状金属微粒子31の形状は以下の範囲であることが好ましい。
平板状金属微粒子31の粒子径dの平均値は、2nm以上1000nm以下であることが好ましく、より好ましくは20nm以上500nm以下、20nm以上400nm以下が更に好ましい。
平板状金属微粒子31の粒子厚みhの平均値、すなわち表面33と裏面34の距離hは、1nm以上100nm以下が好ましく、5nm以上50nm以下がより好ましい。
アスペクト比d/hの平均値は、2.0以上が好ましく、2.0以上100以下がより好ましく、2.0以上50以下が更に好ましい。
平均値は100個の粒子を測定して求める。本発明の複合体は、直径dを任意に変化させ、粒子径d/厚みhのアスペクト比を制御することで、色調を変化させることができる。また、複合体は、平板状金属微粒子31と微細化セルロース32を含んでいればよく、他の成分を含んでも構わない。
本開示に係る平板状金属微粒子の形状、サイズの評価は、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、走査透過型電子顕微鏡にて行うことができる。
平板状金属微粒子の粒子径及び厚みの測定方法、ならびにアスペクト比の算出方法としては、具体的には、例えば、以下の方法が挙げられる。
(1)粒子径の測定法
複合体を含む分散液をTEM観察用支持膜付き銅グリッド上にキャストして風乾したのち、透過型電子顕微鏡観察を行う。得られた画像中の平板状銀ナノ粒子を、円で近似した際の径を平面方向の粒子径として算出する。
(2)厚みの測定法
図7のように複合体3を含む分散液をPETフィルム36上にキャストして風乾し包埋樹脂37で固定したものをミクロトームで断面方向に切削し、透過型電子顕微鏡観察を行う。得られた画像中の平板状銀ナノ粒子の厚みを平面方向の粒子径として算出する。
(3)アスペクト比の算出方法
上述のようにして求めた粒子径dを粒子厚みhで割った値を、アスペクト比=d/hとして算出する。
なお、上述した測定方法および算出方法は一例であり、特にこれらに限定されるものではない。
抗菌性材料(複合体)3は、更に他の金属あるいは金属酸化物で被覆して、抗菌性材料(複合体)3の安定性を向上させても良い。被覆に用いる金属種としては特に限定せず、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、白金、亜鉛、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属、金属塩、金属錯体およびこれらの合金、または酸化物、複酸化物が挙げられる。
(金属)
本発明の抗菌性材料(複合体)3に含有される金属種は、特に限定されず、用途に合わせて任意の金属種を用いることができる。例えば、金、銀、銅、アルミニウム、鉄、白金、亜鉛、パラジウム、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、オスミウム、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウムなどの金属、金属塩、金属錯体およびこれらの合金、または酸化物、複酸化物等が挙げられる。特に、赤外線を遮蔽する目的では、少なくとも銀を含む1種類以上が好ましい。複合体中に含まれる金属の割合は特に限定されない。
金属微粒子の異方成長を促進し、平板状金属微粒子と微細化セルロースとの複合体を析出させるためには、還元析出処理時に用いられる金属の量が、微細化セルロース1gに対して0.0005mmol以上0.4mmol以下の範囲にあることが好ましく、0.001mmol以上0.2mmol以下の範囲にあることがさらに好ましく、0.002mmol以上0.1mmol以下の範囲にあることがとくに好ましい。
(微細化セルロース)
本開示に係る抗菌性材料(複合体)3の製造に用いる微細化セルロースは、その構造の少なくとも一辺がナノメートルオーダーであればよく、その調製方法については特に限定されない。通常、微細化セルロースは、ミクロフィブリル構造由来の繊維形状を取るため、本実施形態の製造方法に用いる微細化セルロースとしては、以下に示す範囲にある繊維形状の物が好ましい。繊維状の微細化セルロースを用いることにより、より形状やサイズの制御された複合体を製造することができ、特に抗菌性、分散性が特に良好となる。
前記微細化セルロースは、特に限定されるものではないが、その軸径が以下に示す範囲内であることが好ましい。また、その調製方法については特に限定されない。すなわち短軸径において数平均短軸径が1nm以上200nm以下であれば好ましく、より好ましくは1nm以上50nm以下である。数平均短軸径が1nm未満では高結晶性の剛直な微細化セルロース構造をとることが出来ない。一方、100nmを超えると、粘度が高くなり、作業性が悪く、複合体を製造しにくくなる。また、長軸径においては、数平均長軸径は0.05μm以上50μm以下が好ましく、より好ましくは0.1μm以上10μm以下である。長軸径の数平均長軸径がこの範囲であると、複合体を製造しやすい。50μmを超えると粘度が高く、作業性が悪くなる。
微細化セルロースの数平均短軸径は、透過型電子顕微鏡観察および原子間力顕微鏡観察により100本の繊維の短軸径(最小径)を測定し、その平均値として求められる。一方、微細化セルロースの数平均長軸径は、透過型電子顕微鏡観察および原子間力顕微鏡観察により100本の繊維の長軸径(最大径)を測定し、その平均値として求められる。
微細化セルロースの原料として用いることが出来る植物セルロースの種類も特に限定されず、例えば木材系天然セルロースに加えて、コットンリンター、竹、麻、バガス、ケナフを用いることができる。また、バクテリアセルロース、ホヤセルロース、バロニアセルロースといった非木材系天然セルロース、さらにはレーヨン繊維、キュプラ繊維に代表される再生セルロースを用いることもできる。
セルロースの微細化処理法もとくに限定されないが、例えばグラインダーによる機械処理の他、TEMPOなどのN−オキシル化合物を用いた酸化処理、希酸加水分解処理、酵素処理などを機械処理と併用して微細化する方法が知られている。また、バクテリアセルロースも微細化セルロースとして用いることが出来る。さらには各種天然セルロースを各種セルロース溶剤に溶解させたのち、電解紡糸することによって得られる微細再生セルロース繊維を用いても良い。特に特許文献3の方法に示されるように、TEMPOをはじめとするN−オキシル化合物を用いた酸化反応では、結晶表面のセルロース分子鎖が持つグルコピラノース単位の第6位の一級水酸基が高い選択性で酸化され、アルデヒド基を経てカルボキシ基に変換される。このように結晶表面に導入されたカルボキシ基を有する微細化セルロース間には静電的な反発力が働くため、水性媒体中でミクロフィブリル単位にまで分散したセルロースシングルナノファイバー(CSNF)を得ることができる。N−オキシル化合物を用いた酸化反応については後で詳しく説明する。この微細化セルロースを用いれば十分に金属微粒子の形状を制御できる。
微細化セルロース中のカルボキシ基の含有量は、セルロース1g当たり0.1mmol以上3.0mmol以下の範囲内であることが好ましく、0.5mmol以上3.0mmol以下であることがより好ましい。カルボキシ基量が0.1mmol/g以上であると、分散安定性が良好である。3.0mmol/g以下であると、微細化セルロースの結晶構造が充分に保持され、複合体を製造しやすい。
(抗菌性材料の製造方法)
抗菌性材料の製造方法は、特に限定されないが、以下の方法にて製造できる。
(酸化工程)セルロース原料からN−オキシル化合物を用いて酸化セルロースを得る工程と、
(微細化工程)前記酸化工程を経た酸化セルロースを水性媒体中で微細化して微細化セルロース分散液を調製する工程と
(複合体調製工程)微細化工程により得られた微細化セルロース分散液中に金属イオンを含有させ、還元により金属微粒子を成長させるとともに、金属微粒子と微細化セルロースとを複合化する工程と
この方法を用いることにより、長軸の数平均軸径、短軸の数平均軸径、カルボキシ基導入量、粘度特性を制御できる。このことにより、形状とサイズを容易に制御し、安定的に複合体を製造することができる。
(酸化工程)
微細化セルロースの原料としては、特に限定されず、木材セルロースを用いる場合には、針葉樹パルプや広葉樹パルプ、古紙パルプなど、一般的に用いられるものを用いることができる。精製および微細化のしやすさから、針葉樹パルプが好ましい。N−オキシル化合物としては、TEMPO(2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシラジカル)、2,2,6,6−テトラメチル−4−ヒドロキシピペリジン−1−オキシル、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−エトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル、等が挙げられる。その中でも、TEMPOが好ましい。N−オキシル化合物の使用量は、触媒としての量でよく、特に限定されない。通常、酸化処理する木材系天然セルロースの固形分に対して0.01質量%以上5.0質量%以下程度である。
N−オキシル化合物を用いた酸化方法としては、セルロース原料を水中に分散させ、N−オキシル化合物の共存下で酸化処理する方法が挙げられる。このとき、N−オキシル化合物とともに、共酸化剤を併用することが好ましい。この場合、反応系内において、N−オキシル化合物が順次共酸化剤により酸化されてオキソアンモニウム塩が生成し、オキソアンモニウム塩によりセルロースが酸化される。かかる酸化処理によれば、温和な条件でも酸化反応が円滑に進行し、カルボキシ基の導入効率が向上する。酸化処理を温和な条件で行うと、セルロースの結晶構造を維持しやすい。共酸化剤としては、ハロゲン、次亜ハロゲン酸、亜ハロゲン酸や過ハロゲン酸、またはそれらの塩、ハロゲン酸化物、窒素酸化物、過酸化物など、酸化反応を推進することが可能であれば、いずれの酸化剤も用いることができる。入手の容易さや反応性から、次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。共酸化剤の使用量は、酸化反応を促進することができる量でよく、特に限定されない。通常、酸化処理するセルロースの固形分に対して1質量%以上200質量%以下程度である。
N−オキシル化合物および共酸化剤とともに、臭化物およびヨウ化物から選ばれる少なくとも1種の化合物をさらに併用してもよい。これにより、酸化反応を円滑に進行させることができ、カルボキシ基の導入効率を改善することができる。化合物としては、臭化ナトリウムまたは臭化リチウムが好ましく、コストや安定性から、臭化ナトリウムがより好ましい。化合物の使用量は、酸化反応を促進することができる量でよく、特に限定されない。通常、酸化処理する木材系天然セルロースの固形分に対して1から50質量%程度である。
酸化反応の反応温度は、4℃以上50℃以下が好ましく、10℃以上50℃以下がより好ましい。4℃より低いと、試薬の反応性が低下し反応時間が長くなってしまう。50℃を超えると副反応が促進して試料が低分子化し、繊維形状を保てなくなる。酸化処理の反応時間は、反応温度、所望のカルボキシ基量等を考慮して適宜設定でき、特に限定されないが、通常、1時間以上5時間以下程度である。
酸化反応時の反応系のpHは、9以上11以下が好ましい。pHが9以上であると反応を効率よく進めることができる。pHが11を超えると副反応が進行し、試料の分解が促進されてしまうおそれがある。酸化処理においては、酸化が進行するにつれて、カルボキシ基が生成することにより系内のpHが低下してしまうため、酸化処理中、反応系のpHを9以上11以下に保つことが好ましい。反応系のpHを9以上11以下に保つ方法としては、pHの低下に応じてアルカリ水溶液を添加する方法が挙げられる。アルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア水溶液、水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液、水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液、水酸化テトラブチルアンモニウム水溶液、水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム水溶液などの有機アルカリなどが挙げられる。コストなどの面から水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
N−オキシル化合物による酸化反応は、反応系にアルコールを添加することにより停止させることができる。このとき、反応系のpHは前述の範囲内に保つことが好ましい。添加するアルコールとしては、反応をすばやく終了させるためメタノール、エタノール、プロパノールなどの低分子量のアルコールが好ましく、反応により生成される副産物の安全性などから、エタノールが特に好ましい。
酸化処理後の反応液は、そのまま微細化工程に供してもよいが、N−オキシル化合物等の触媒、不純物等を除去するために、反応液に含まれる酸化セルロースを回収し、洗浄液で洗浄することが好ましい。酸化セルロースの回収は、ガラスフィルターや20μm孔径のナイロンメッシュを用いたろ過等の公知の方法により実施できる。酸化セルロースの洗浄に用いる洗浄液としては蒸留水が好ましい。
(微細化工程)
酸化セルロースを微細化する方法としてはまず、酸化セルロースに水性媒体を加えて懸濁させる。水性媒体としては、前述と同様のものが挙げられ、水が特に好ましい。必要に応じて、酸化セルロースや生成する微細化セルロースの分散性を上げるために、懸濁液のpH調整を行ってもよい。pH調整に用いられるアルカリ水溶液としては、酸化工程の説明で挙げたアルカリ水溶液と同様のものが挙げられる。
続いて懸濁液に物理的解繊処理を施して、酸化セルロースを微細化する。物理的解繊処理としては、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー、ボールミル、ロールミル、カッターミル、遊星ミル、ジェットミル、アトライター、グラインダー、ジューサーミキサー、ホモミキサー、超音波ホモジナイザー、ナノジナイザー、水中対向衝突などの機械的処理が挙げられる。このような物理的解繊処理を行うことで、懸濁液中の酸化セルロースが微細化され、繊維表面にカルボキシ基を有する微細化セルロースの分散液を得ることができる。このときの物理的解繊処理の時間や回数により、得られる微細化セルロース分散液に含まれる微細化セルロースの数平均短軸径および数平均長軸径を調整できる。
上記のようにして、カルボキシ基が導入された微細化セルロースの分散液が得られる。得られた分散液は、そのまま、または希釈、濃縮等を行って、金属微粒子を還元析出させる反応場として用いることができる。
微細化セルロースの分散液は、必要に応じて、本開示の効果を損なわない範囲で、セルロースおよびpH調整に用いた成分以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、特に限定されず、用途に応じて、公知の添加剤のなかから適宜選択できる。
(複合体調製工程)
本開示に係る抗菌性材料(複合体)3の調製方法は、特に限定されるものではないが、一般的な湿式法である液相還元法で製造できる。金属表面と溶媒は、強い親和力は無く、そのままでは粒子は凝集沈殿してしまう。微細化セルロースの存在により金属微粒子の特徴が大きく変化する。
特に限定されないが、抗菌性材料(複合体)3は以下の方法で調製できる。まず、微細化セルロース分散液と金属塩を含有する溶液とを混合して混合用液を得る。具体的には、金属塩を溶媒に溶かし、前駆体金属イオンを含有する溶液を調製する。次に、微細化セルロース分散液に前駆体金属イオン含有溶液を添加して混合する。続いて、混合溶液中の前駆体金属イオンを還元して金属微粒子を成長させるとともに、金属微粒子と微細化セルロースとを複合化する。
微細化セルロースの存在下で前駆体金属イオンを還元することにより、前駆体金属イオンが還元されて金属原子が生成し、核発生、成長を経て金属微粒子が生成する。この過程で金属微粒子と微細化セルロースが相互作用し、金属微粒子の形態や凝集に影響を及ぼしながら金属微粒子と微細化セルロースとが複合化すると考えられる。例えば、表面にカルボキシ基を有する微細化セルロースの場合、金属イオンがカルボキシ基に配位した状態で還元を行うことにより、カルボキシ基を起点として金属微粒子と微細化セルロースとが複合化することで金属微粒子の結晶成長と凝集が制御され、形態制御が行われると考えられる。
図8は、本発明を適用した一実施形態である抗菌性材料(複合体)3を液相還元法にて製造する場合の、工程の一部を説明するための模式図である。
先ず、混合溶液中への還元剤の添加により、微細化セルロース32に設けたカルボキシ基を起点に金属の析出が開始する。そして、析出した金属は金属微粒子の一次粒子31aを形成する(図8中の左図を参照)。さらに反応が進むと、これらの一次粒子31a同士が凝集して、金属微粒子31を形成する。この際、微細化セルロース32の一部32aが巻き込まれるとともに残部32bが露出した状態で複合化する(図8中の右図を参照)。
以上の工程により、本実施形態の金属微粒子31と微細化セルロース32との複合化し、複合体3を得ることができる。
微細化セルロースの分散に用いる溶媒は、微細化セルロースが充分に分散または溶解するものであれば、特に限定されない。環境への負荷の面から水を用いることが好ましい。微細化セルロースの分散媒には、分散性の観点から水や親水性溶媒を用いることが好ましい。親水性溶媒については特に制限は無いが、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類が好ましい。
微細化セルロースの分散液の濃度は特に限定しないが、0.1%以上50%未満が好ましい。0.1%未満では金属微粒子の形状制御効果が不十分となり、50%以上では粘度が急激に上昇するため、作業性が悪くなる。微細化セルロースの分散液の添加する前駆体金属イオンの濃度も限定しない。前駆体金属イオン濃度、微細化セルロースの固形分濃度は、金属微粒子の形状やサイズ、更には光学特性に影響を与える。抗菌性材料(複合体)3の具体的な作製法については実施例にて詳細を記した。
前駆体金属イオンは、特に限定されず、公知に用いられる前駆体金属イオンである塩化金酸、硝酸銀、シアン化銀、酢酸銀等を用いることができる。前駆体銀イオン源を用いる場合は、安全性の観点から硝酸銀を用いることが好ましい。
前駆体金属イオンの濃度は特に限定されない。前駆体金属イオン濃度により、金属微粒子と微細化セルロースとの相互作用、更には金属微粒子の結晶成長と凝集を制御することができ、所望の形状の金属微粒子を製造することができる。
分散液中の前駆体金属イオン量が微細化セルロースの表面に存在するカルボキシ基未満であることが好ましい。分散液中の金属イオン量が微細化セルロース表面に存在するカルボキシ基量を上回ると微細化セルロースが凝集することがある。
前駆体金属イオンの還元には、公知の方法を用いることができる。例えば、紫外線を照射する方法や還元剤を添加することができる。還元剤を添加する場合は、事前に還元剤を溶媒に溶かし、前駆体金属イオンと微細化セルロースを含有する分散液(以下反応系という)に滴下することができる。前駆体金属イオンの還元に用いる還元剤は、公知の還元剤を用いることができる。例えば、金属ヒドリド系、ボロヒドリド系、ボラン系、シラン系、ヒドラジン及びヒドラジド系の還元剤が挙げられる。一般に、液相還元法では、水素化ホウ素ナトリウム、クエン酸、ヒドラジン等が用いられ、攪拌翼や攪拌子等、公知の方法で攪拌することが好ましい。
反応系に添加する還元剤の量は、特に限定されないが、前駆体金属イオン濃度と同等以上になるように調整することが好ましい。混合液中の還元剤濃度が前駆体金属イオン濃度より少ないと未還元の前駆体金属イオンが残存するため、反応を制御しにくい。
(抗菌性コーティング物、抗菌性積層体、抗菌性成形体)
こうして得られた抗菌性材料3の分散液から抗菌性材料から抗菌性組成物、及び抗菌性コーティング物として、例えば、抗菌性積層体や、抗菌性成形体を提供できる。図1に記載の抗菌性積層体1は、基材11の少なくとも一方の面に前記抗菌性組成物をコーティングにより形成される抗菌性層12を設け、抗菌性フィルムを提供することができる。図2に記載のように、抗菌性材料を成形材料と複合化した抗菌性成形体2を提供することも可能である。
抗菌性材料3から抗菌性組成物、及び抗菌性コーティング物として、例えば、抗菌性積層体1や、抗菌性成形体2を得る場合、抗菌性材料3の分散液から抗菌性材料3を分画することが好ましい。抗菌性材料3を分画する方法としては、沈殿法、遠心分離、ゲル濾過カラム、ゲル電気泳動法等の公知の方法を用いることができる。複数の分画方法を組み合わせても良い。
抗菌性材料3を再分散させる方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、攪拌型分散機、高速度回転せん断装置、ミル型分散装置(ボールミル、ビーズミル、コロイドミル等)、高圧噴射装置、超音波分散装置等の液中分散装置が挙げられる。分散剤を添加して分散化してもよい。
抗菌性組成物は、抗菌性材料3と、少なくとも1種類以上の水溶性高分子(a)とを含むことが好ましい。水溶性高分子(a)を用いることで、抗菌性材料の分散性が良好になる。抗菌性材料の含有量は特に限定されず、目的に応じて抗菌性材料の含有量を変更できる。また、必要に応じて公知の添加剤を加えてもよい。添加剤としては、例えばアルコキシシラン等の有機金属化合物またはその加水分解物、無機層状化合物、無機針状鉱物、消泡剤、無機系粒子、有機系粒子、潤滑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、磁性粉等が挙げられる。
水溶性高分子(a)は、85℃において、メタノール、エタノール、プロパノールまたはイソプロピルアルコールのいずれかを50質量%含むアルコール水溶液、または水100質量部に対して、1質量部以上溶解する、分子量1000以上の化合物である。なお、本開示において、化合物が溶解するとは、化合物が完全に分子分散した溶解状態に加えて、化合物が膨潤、分散することにより、均一な溶解状態を示すことも含むものとする。すなわち、メタノール、エタノール、プロパノールまたはイソプロピルアルコールのいずれかを50質量%含むアルコール水溶液、または水100質量部に対して1質量部以上分散するエマルションを含むものである。
水溶性高分子(a)としては、例えば、タンパク質、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン系、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等が挙げられる。
タンパク質としては、ゼラチン、カゼイン、コンドロイチン硫酸ナトリウム等が挙げられる。
ビニル系樹脂としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン・ビニルアセテート共重合体等が挙げられる。
アクリル系樹脂としては、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリアクリルアミド、アクリルアミド・アクリレート共重合体等が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレンイミン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
中でも、ビニル系樹脂やポリエチレン系樹脂は、複合体が分散しやすく、好ましい。水溶性高分子(a)は、1種のみを用いてもよく、2種以上を用いてもよい。また、環境負荷の観点から、天然由来の高分子であることが望ましい。
前記抗菌性組成物には溶媒が含まれることが好ましい。特に限定するものではないが、分散性の観点から水や親水性溶媒を用いることが好ましい。親水性溶媒については特に制限は無いが、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類が好ましい。中でも、水、エタノールが好ましい。
抗菌性コーティング物は、物品に抗菌性組成物をコーティングすることにより形成されることが好ましい。
図1の抗菌性積層体1における前記抗菌性層12は、抗菌性組成物をコーティングすることにより形成された抗菌性組成物の層である。抗菌性層12は、抗菌性材料と、少なくとも1種類以上の水溶性高分子(a)とを含むことが好ましい。水溶性高分子(a)を用いることで、抗菌性層12における抗菌性材料の分散性が良好となり、また、基材11との密着性が良好になる。前記抗菌性層12に含有される抗菌性材料の含有量は特に限定されず、目的や抗菌性層12の膜厚に応じて抗菌性材料の含有量を変更できる。
前記抗菌性組成物により形成される抗菌性層12の形成方法は、公知の方法で基材11上にコーティングすることができる。例えば、常温乾燥コーティング、加熱硬化コーティング、電着コーティング等が挙げられる。抗菌性層12の膜厚は特に限定されないが、1nm以上50000nm以下の範囲であることが好ましい。5nm以上であると、前記抗菌性組成物の塗工性が良好である。50000nm以上であると乾燥に時間がかかり、また基材11と抗菌性層12の密着性が悪化することがある。
抗菌性層12を形成させる基材11の材質は、特に限定されないが、少なくとも1種類以上の公知のプラスチック材料を用いることができる。
基材11の材質としては、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン等。)、ポリエステル(ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート等。)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66等。)、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、アクリルセルロース(トリアセチリルセルロース、ジアセチルセルロース等。)等が挙げられる。
基材11の膜厚は、特に限定されないが、生産性や成形性、施工時の操作性の観点から、基材11の膜厚は、5μm以上1000μm以下が好ましく、10μm以上500μm以下であることが更に好ましい。
基材11における抗菌性層12を設ける側の面には、表面処理を施し、必要に応じて表面処理層を設けても構わない。表面処理を行うことで、基材へのコーティングが行いやすく、また基材11と抗菌性層12との密着性を向上できる。表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理等が挙げられる。
基材11と抗菌性層12との密着性を向上する目的で、接着層を設けても構わない。接着層の形成に用いる接着成分としては、例えば、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂等の接着樹脂が挙げられる。なかでも、接着樹脂としては、密着性が良好な点から、ポリビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂を用いることが好ましい。
図2は、抗菌性材料3と少なくとも1種類以上の成形材料とを含む抗菌性組成物を成形して、得られた抗菌性成形体2である。前記成形材料は、公知のプラスチック材料を用いることができる。成形材料と複合化する抗菌性材料の含有量は特に限定されず、目的に応じて変更できる。
プラスチック材料は、一般に用いられる熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を用いることができる。抗菌性材料3との複合化や成形のしやすさから、成形材料(b)を含有することが好ましい。
成形材料(b)には、ポリスチレン、ABS樹脂(A;アクリロニトリル、B;ブタジエン、S;スチレン)、AS樹脂、ポリエチレン、EVA樹脂、ポリプロピレン、メタクリル樹脂、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、塩化ビニル樹脂が好ましい。
特に、再生可能な資源を用いたバイオマスプラスチックを用いることが好ましい。再生可能な資源を用いたバイオマスプラスチックとしては、ポリ乳酸、ポリオレフィン、ポリアミドを用いることが好ましい。
複合体と成形材料(b)とを複合化する際の複合化方法は、公知の方法を用いることができる。
成形の方法は、公知の方法を用いることができる。例えば、射出成形法、圧縮成形法、積層成形法、トランスファ成形法、押出成形法、インフレーション成形法、Tダイ成形法、押出ラミネート、ブロー成形法、真空成形法、スプラッシュ成形法、低圧積層成形法が挙げられる。
前記抗菌性積層体1及び抗菌性成形体2の構成は、特に限定されるものではない。例えば、抗菌性層12は複数の層であってもよい。また、抗菌性成形体2はプラスチック材料と貼り合せて積層体としてもよい。
抗菌性層12及び抗菌性成形体2は、成形性の向上や劣化抑制、複合体の分散性の向上等の目的で、公知の添加剤を混合することができる。例えば、熱安定剤、安定化助剤、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤を含んでも構わない。
基材11の抗菌性層12と反対面、及び、抗菌性成形体2の片面に粘着層を設けてもよい。粘着層により、目的に応じて貼り付けることができる。粘着層に用いる材料は特に限定するものではない。例えば、公知の樹脂を用いることができ、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。これらは1種類または複数使用することができる。粘着層を形成する方法は、特に限定しないが、公知のコーティング手法により粘着層を形成できる。例えば、支持体に粘着層をコーティングし、基材11の抗菌性層12との反対面、または抗菌性成形体2に貼り合わせることができる。貼りあわせの方法は、ドライラミネート、熱ラミネート等の公知の方法を用いることができる。粘着層の厚みは、特に限定されないが0.05μm以上20μm以下であることが好ましい。この範囲であると、粘着層の粘着性が良好となる。
<実施例1>
(セルロース原料の酸化)
針葉樹クラフトパルプ70gを蒸留水3500gに懸濁し、蒸留水350gにTEMPOを0.7g、臭化ナトリウムを7g溶解させた溶液を加え、20℃まで冷却した。ここに2mol/L、密度1.15g/mLの次亜塩素酸ナトリウム水溶液450gを滴下により添加し、酸化反応を開始した。系内の温度は常に20℃に保ち、反応中のpHの低下は0.5Nの水酸化ナトリウム水溶液を添加することでpH10に保ち続けた。セルロースの質量に対して、水酸化ナトリウムが3.00mmol/gになった時点で、過剰量のエタノールを添加し反応を停止させた。その後、ガラスフィルターを用いて蒸留水によるろ過洗浄を繰り返し、酸化セルロースを得た。
(酸化セルロースのカルボキシ基量測定)
上記TEMPO酸化で得た酸化セルロースを固形分重量で0.1g量りとり、1%濃度で水に分散させ、塩酸を加えてpHを2.5とした。その後0.5M水酸化ナトリウム水溶液を用いた電導度滴定法により、カルボキシ基量(mmol/g)を求めた。結果は1.6mmol/gであった。
(酸化セルロースの微細化)
TEMPO酸化で得た酸化セルロース1gを99gの蒸留水に分散させ、ジューサーミキサーで30分間微細化処理し、CSNF濃度1%のCSNF水分散液を得た。CSNF水分散液に含まれるCSNFの数平均短軸径は4nm、数平均長軸径は1110nmであった。また、レオメーターを用いて定常粘弾性測定を行ったところ、CSNF分散液はチキソトロピック性を示した。
(硝酸銀水溶液の調製)
硝酸銀を蒸留水50mLに溶解させ、硝酸銀水溶液を調製した。
(水素化ホウ素ナトリウム水溶液の調製)
水素化ホウ素ナトリウムを蒸留水50mLに溶解させ、水素化ホウ素ナトリウム水溶液を調製した。
(抗菌性フィルムの作製)
1%CSNF水分散液50g対し、硝酸銀水溶液0.5gを室温(25℃)で攪拌しながら添加した。30分攪拌を続けたのち、水素化ホウ素ナトリウム水溶液を添加して複合体の分散液を得た。
複合体を遠心分離により分画し、ポリビニルアルコールPVA124(株式会社クラレ製)水溶液に分散させ、抗菌性組成物を調製した。50μmのPETフィルムにコロナ処理を施し、抗菌性組成物を乾燥膜厚200nmになるようにバーコーターを用いて塗工し、120℃で乾燥させた。
<実施例2>
実施例1と同じ方法でCSNF水分散液を作製し、CSNF水分散液に硝酸銀水溶液を添加し、しばらくして還元剤である水素化ホウ素ナトリウムを添加して複合体の分散液を得た。複合体を遠心分離により分画し、アローベース(登録商標)SD−1200(ユニチカ株式会社製)水溶液に分散させ、抗菌性組成物を調製した。50μmのPETフィルムにコロナ処理を施し、抗菌性組成物を乾燥膜厚が200nmになるようにバーコーターにて塗工し、120℃で乾燥させた。
<実施例3>
実施例1と同じ方法でCSNF水分散液を作製し、CSNF水分散液に硝酸銀水溶液を添加し、しばらくして還元剤である水素化ホウ素ナトリウムを添加して複合体の分散液を得た。複合体を遠心分離により分画し、アローベースSD−1200(ユニチカ株式会社製)水溶液に分散させ、抗菌性組成物を調製した。100μmのPETフィルムにコロナ処理を施し、抗菌性組成物を乾燥膜厚が400nmになるようにバーコーターにて塗工し、120℃で乾燥させた。
<実施例4>
実施例1と同じ方法でCSNF水分散液を作製し、CSNF水分散液に硝酸銀水溶液を添加し、しばらくして還元剤である水素化ホウ素ナトリウムを添加して複合体の分散液を得た。複合体を遠心分離により分画し、アローベースSD−1200(ユニチカ株式会社製)水溶液に分散させ、抗菌性組成物を調製した。50μmのPETフィルムにコロナ処理を施し、抗菌性組成物を乾燥膜厚が400nmになるようにバーコーターを用いて塗工し、120℃で乾燥させた。
<実施例5>
実施例1と同じ方法でCSNF水分散液を作製し、CSNF水分散液に硝酸銀水溶液を添加し、しばらくして還元剤である水素化ホウ素ナトリウムを添加して複合体の分散液を得た。複合体を遠心分離により分画し、樹脂GS Pla(登録商標) FZ91P(三菱化学株式会社製)に混練して20μmの膜厚になるようにフィルム状に成形した。
<比較例1>
水に硝酸銀水溶液を添加し、しばらくして還元剤である水素化ホウ素ナトリウムを添加した。
<比較例2>
ポリビニルアルコールPVA124(株式会社クラレ製)に硝酸銀を添加し、しばらくして還元剤である水素化ホウ素ナトリウムを添加した。
<比較例3>
CSNF水分散液に、還元剤である水素化ホウ素ナトリウムを添加した。
<比較例4>
CSNF水分散液に硝酸銀を添加した。
<比較例5>
50μmのPETフィルムにコロナ処理を施した。
<比較例6>
ポリビニルアルコールPVA124(株式会社クラレ製)水溶液のみの抗菌性組成物を調製した。50μmのPETフィルムにコロナ処理を施し、抗菌性組成物を乾燥膜厚が200nmになるようにバーコーターを用いて塗工し、120℃で乾燥させた。
<比較例7>
アローベースSD−1200(ユニチカ株式会社製)水溶液のみの抗菌性組成物を調製した。50μmのPETフィルムにコロナ処理を施し、抗菌性組成物を乾燥膜厚が200nmになるようにバーコーターを用いて塗工し、120℃で乾燥させた。
<比較例8>
成形材料GSPla FZ91P(三菱化学株式会社製)に混練して20μmの膜厚になるようにフィルム状に成形した。
(複合体形成の評価方法)
複合体の形成は、走査透過型電子顕微鏡と走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡を用いて観察し、金属とCSNFが複合体を形成している場合に『○』、複合体を形成していない場合に『×』とした。
(抗菌活性の評価方法)
抗菌性の評価は、JIS Z2801:2010 に従い、黄色ぶどう球菌の抗菌活性値を求めた。抗菌活性値が2.0以上であれば抗菌効果がある、すなわち『〇』とし、2.0未満であれば『×』とした。
表1に示すように、実施例1から5では、複合体が観察されたとともに、抗菌活性値が2.0以上であり、抗菌性が確認された。一方、比較例1から4では、複合体が観察されなかった。比較例5から8では、抗菌活性値が2.0未満であり、抗菌活性が認められなかった。
本発明によれば、バイオマス材料を用いた低環境負荷且つ簡便なプロセスにより得られた複合体を含有する抗菌性組成物及び抗菌性フィルムを提供することが可能である。
1 抗菌性積層体
11 基材
12 抗菌性層
2 抗菌性成形体
3 抗菌性材料(複合体)
31 金属微粒子(銀微粒子)
32 微細化セルロース(CSNF)
32a 微細化セルロースが金属微粒子の内部に取り込まれている部分
32b 微細化セルロースが金属微粒子表面に露出している部分
33 表面
34 裏面
35 側面
36 PETフィルム
37 包埋樹脂
d 粒子径
h 厚み

Claims (11)

  1. 平板状金属微粒子と、少なくとも1つ以上の微細化セルロースとが複合化され、
    前記平板状金属微粒子は、少なくとも1種類以上の金属又はそれらの化合物であり、
    前記微細化セルロースのそれぞれは、少なくとも一部又は全部が前記平板状金属微粒子の内部に取り込まれるとともに、残部が当該平板状金属微粒子の表面に露出している複合体を含む、
    抗菌性組成物。
  2. 前記平板状金属微粒子と前記微細化セルロースとが不可分であることを特徴とする、請求項1に記載の抗菌性組成物。
  3. 前記微細化セルロースの有するカルボキシ基量は0.1mmol/g以上3.0mmol/g以下である、請求項1または2に記載の抗菌性組成物。
  4. 前記微細化セルロースは繊維状であり、前記微細化セルロースの短軸の数平均短軸径は、1nm以上200nm以下であり、前記微細化セルロースの長軸の数平均長軸径は、0.05μm以上50μm以下である、請求項1から3のいずれかに記載の抗菌性組成物。
  5. 前記平板状金属微粒子の粒子径dの平均値は、2nm以上1000nm以下であり、
    前記平板状金属微粒子の粒子厚みhの平均値は、1nm以上100nm以下であり、
    アスペクト比d/hの平均値は、2.0以上100以下である
    ことを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の抗菌性組成物。
  6. (化合物は、請求項1で記載済みの為。)
    前記金属は、少なくとも銀を含む1種類以上の金属を含む、請求項1から5のいずれかに記載の抗菌性組成物。
  7. 前記抗菌性組成物が、少なくとも1種類以上の水溶性高分子をさらに含み、
    前記水溶性高分子が、85℃において、メタノール、エタノール、プロパノールまたはイソプロピルアルコールのいずれかを50質量%含むアルコール水溶液、または水からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒100質量部に対して1質量部以上溶解する、分子量1000以上の化合物である
    請求項1から6のいずれかに記載の抗菌性組成物。
  8. 基材と、前記基材の少なくとも一方の面に、請求項1から請求項7いずれかに記載の抗菌性組成物により形成された抗菌性層とを有する、抗菌性積層体。
  9. 前記基材が、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン、エチレンビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、またはアクリルセルロースの少なくともいずれか1種類を含む、請求項8に記載の抗菌性積層体。
  10. 請求項1から請求項6いずれかに記載の抗菌性組成物が、少なくとも1種類以上の成形材料をさらに含み、前記抗菌性組成物を成形して得られる抗菌性成形体。
  11. 前記成形材料が、ポリスチレン、ABS樹脂(A;アクリロニトリル、B;ブタジエン、S;スチレン)、AS樹脂、ポリエチレン、EVA樹脂、ポリプロピレン、メタクリル樹脂、セルロースアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリサルフォン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、または塩化ビニル樹脂のいずれかを少なくとも1種類以上含む、請求項10に記載の抗菌性成形体。
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