JP7160298B1 - 水性コーティング剤、積層体、及び、包装体又は容器 - Google Patents

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Abstract

水性コーティング剤は、ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物と、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びエチレン共重合樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の水性樹脂とを含有する。

Description

本発明は、水性コーティング剤、積層体、及び、該積層体を有する包装体又は容器に関する。
本願は、2020年12月11日に、日本に出願された特願2020-206134号に基づいて優先権を主張し、その内容をここに援用する。
従来、食品包装、医薬品包装業界では、内容物の安全性を保持するために、大腸菌等の菌による感染をレトルト殺菌等の殺菌工程、無菌充填等のプロセスによる技術が検討され、実用化されてきた。一方、近年、感染症の拡大とともに、衛生性の意識が消費者に広がり、包装材の安全性が求められている。また、抗菌、抗ウィルスに効果のある物質は無機系の化合物、銀、銅等が知られているが、コスト面や、食品に直接接触する包装材用途としては食品の安全性の観点から未だ改善の余地がある。
ポリフェノールの一種であるタンニンは、防錆剤として古くから使用されており、例えば、亜鉛表面上に安定な皮膜を形成することが知られている。但し、タンニンは有機溶媒にほとんど溶解せず、用途が限定される。そこで、該タンニン分子中に含まれる水酸基の少なくとも一部をアルキルエーテルまたはアルキルエステルで置換して水不溶性タンニン酸誘導体とすることにより、その用途を広げることが可能となっている(特許文献1)。
しかし、上記の皮膜は、タンニン酸中の没食子酸等が亜鉛と反応して形成された膜上に、タンニン酸が凝集性重合あるいは会合性重合を起こして形成された膜が重なったものであるとされている(非特許文献1)。これらの反応に関与するのは、タンニン酸中に含まれる没食子酸等の水酸基である。従って、この水酸基をアルキルエーテル等に変えてしまうと、皮膜が形成され難くなり、防錆効果が低下することが懸念される。特許文献1においても、専ら溶液状態で評価されている。
そこで、タンニン酸の少なくとも一部の水酸基における水素原子が、炭素数3~18の鎖状炭化水素基により置換されたタンニン酸誘導体を含む皮膜形成性組成物が提案されている(例えば、特許文献2)。この皮膜形成性組成物は膜形成性を有しており、種々の基材上に安定な膜を形成できるとされている。その理由としては、タンニン酸誘導体分子同士が、その鎖状炭化水素基同士を揃えるようにして並ぶことで、秩序立った配向をすると考えられる。この配向は、水酸基の減少を補って余りある膜の安定性をもたらし、その結果、タンニン酸の凝集膜よりも優れた防錆性、抗菌性、殺菌性等を発現するとされている。
特開2004-307362号公報 国際公開第2016/076311号
金属表面技術、第29巻、第1号、第38~42頁及び図10、1978年
しかしながら、上記従来のタンニン酸誘導体を含む皮膜形成性組成物では、コスト低減は可能であるものの、抗菌性の信頼性が十分とは言えず、食品、医療品等に直接接触する包装材用途としては未だ改善の余地がある。特に、包装材には容器への貼着或いは包装材同士の貼着のためのシール層が設けられるが、内容物とシール層とが直接接触する使用態様の場合、シール層に含まれる抗菌性物質の溶出などに因る内容物の汚染の発生を防止する必要がある。更に近年、ライフスタイルの多様化や、非常時等の保存食の必要性に伴い、食品包装材の用途が多岐に亘ることから、様々な使用用途において十分な防錆性、抗菌性、殺菌性を発現できる食品包装材が求められている。
本発明の目的は、十分な抗菌性、滅菌性、殺菌性を発現して、高い信頼性を実現することができる水性コーティング剤、積層体、及び、包装体又は容器を提供することにある。
上記目的を達成するために、発明者らは鋭意研究を重ねた結果、水性コーティング剤に、ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物と、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びエチレン共重合樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の水性樹脂とを含有させることにより、水性コーティング剤を塗工してコート層を形成した際に、コート層を構成する樹脂内部或いは樹脂表面に、ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物を安定的に保持することができ、その結果十分な抗菌性、滅菌性、殺菌性を発現して、高い信頼性を実現できることを見出した。
すなわち、本発明は以下の構成を提供する。
[1]ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物と、
ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びエチレン共重合樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の水性樹脂と、
を含有する水性コーティング剤。
[2]基材と、前記基材の一方に設けられたシール層と、前記基材の前記シール層とは反対側に設けられたコート層とを有する積層体であって、
前記コート層が、上記[1]に記載の水性コーティング剤が塗工された層である、積層体。
[3]前記コート層が、タンニン酸誘導体及びウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びエチレン共重合樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含む有機物バインダーで構成される、上記[2]に記載の積層体。
[4]前記コート層が、加飾層を構成している、上記[2]又は[3]に記載の積層体。
[5]前記加飾層は、印刷インキを含有する印刷層で形成されている、上記[4]に記載の積層体。
[6]前記コート層が、シール性の水性コーティング剤が塗工された層である、上記[2]に記載の積層体。
[7]前記シール層が、ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物を含有する、上記[2]に記載の積層体。
[8]前記シール層が、前記反応生成物及び樹脂を含む有機物バインダーで構成される、上記[7]に記載の積層体。
[9]容器本体と、前記容器本体に取り付けられた上記[2]~[8]のいずれかに記載の積層体の一又は複数とを備える、包装体又は容器。
[10]前記積層体が、前記容器本体の蓋材を構成する、上記[9]に記載の包装体又は容器。
[11]前記積層体が、前記容器本体の外面に取り付けられる、上記[9]に記載の包装体又は容器。
[12]上記[2]~[8]のいずれかに記載の積層体の一又は複数を貼り合わせて構成される外装部と、前記外装部の内側に形成された収容部と、を備える包装体又は容器。
本発明によれば、十分な抗菌性、滅菌性、殺菌性を発現して、高い信頼性を実現することができる。
図1Aは、本発明の実施形態に係る積層体の具体的構成の一例を示す断面図である。 図1Bは、本実施形態に係る積層体の他の具体的構成の一例を示す断面図である。 図2Aは、本実施形態に係る積層体を用いた包装体の具体的構成の一例を示す断面図である。 図2Bは、本実施形態に係る積層体を用いた容器の具体的構成の一例を示す斜視図である。 図3は、本実施形態に係る積層体を用いた包装体の具体的構成の他の一例を示す斜視図である。 図4Aは、本実施形態に係る積層体を用いた包装体の具体的構成の他の一例を示す斜視図である。 図4Bは、図4Aの線I-Iに沿う断面図である。 図5は、本実施形態に係る積層体を用いた容器の具体的構成の他の一例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されない。
<水性コーティング剤>
本実施形態の水性コーティング剤は、ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物(以下、単に反応生成物ともいう)と、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びエチレン共重合体樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の水性樹脂(以下、単に水性樹脂ともいう)と、を含有する。
(ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物)
本実施形態で使用される反応生成物は、ポリフェノール誘導体と、分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応によって得られる生成物である。
(ポリフェノール誘導体)
前記ポリフェノール誘導体は、下記式(A1)から式(A7)に示すように、少なくとも1つの芳香環において2以上の水酸基が隣接して結合している化合物であることが好ましい。ここで、本開示では、ポリフェノール自体もポリフェノール誘導体の1つとみなす。
また、ポリフェノール誘導体は、1つの芳香環において2以上の水酸基が隣接して結合している化合物であることが好ましく、中でも、カテコールおよびカテコール誘導体から選ばれる少なくとも1つの化合物、または没食子酸およびタンニン酸から選ばれる少なくとも1つの化合物であることがより好ましい。また、ポリフェノール誘導体はタンニン酸であるのが更に好ましい。
ポリフェノール誘導体として、具体的には、前述したカテコール、没食子酸およびタンニン酸に加えて、例えば、ドーパミン、ジヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシフェニルアラニン等を挙げることができる。これらのうち、材料コストの観点では、カテコールが好ましい。なお、これらの物質のうち、カテコールは下記式(A3)、没食子酸は式(A4)、ジヒドロキシ安息香酸(2,3-DHBA)は式(A5)、ジヒドロキシフェニルアラニン(3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン)は式(A6)、タンニン酸は式(A7)で表される。
Figure 0007160298000001

Figure 0007160298000002

Figure 0007160298000003

Figure 0007160298000004

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ここで、タンニンは、加水分解で多価フェノールを生じる植物成分の総称であり、没食子酸やエラグ酸がグルコースなどにエステル結合し、酸や酵素で加水分解されやすい加水分解型タンニンと、フラバノール骨格を持つ化合物が重合した縮合型タンニンに大別される。いずれのタイプのタンニンであっても、また、それらの混合物であっても、本開示の効果が奏される。好ましくは加水分解型タンニンであり、例えば式(A7)で表されるタンニン酸を主成分とするものを挙げることができる。なお、タンニン酸には殺菌や抗菌等の効果がある。
主剤としては、これらのポリフェノール誘導体の単体でも、ポリフェノール誘導体を主鎖に含んでいても、側鎖に含んでいても、またこれらが混在するものであってもよい。なお、主剤がポリフェノール誘導体単体である場合は、コスト面で有利である。
(分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物)
前記重合剤は、1つの分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物を含む。
アミノ基としては、1級または2級アミンに基づくものが好ましく、中でも、脂肪族ポリアミン、アリール脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、芳香族ポリアミン、複素環ポリアミンおよびポリアルコキシポリアミン(このアルコキシ基は、オキシエチレン、オキシプロピレン、オキシ-1,2-ブチレン、オキシ-1,4-ブチレンまたはそれらのコポリマーである。)からなる群から選択される少なくとも1つの化合物に基づくものがより好ましい。
前記重合剤として好適に用いられる具体的な化合物としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、N-(2-アミノエチル)-1,3-プロパンジアミン、N,N’-1,2-エタンジイルビス-1,3-プロパンジアミン、ジプロピレントリアミン、m-キシリレンジアミン、p-キシリレンジアミン、1,3-ビスアミノシクロヘキシルアミン、イソホロンジアミン、4,4’-メチレンビスシクロヘキサンアミン、4,4’-メチレンビス-(2-メチル-シクロヘキサンアミン)、m-フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、N-アミノエチルピペラジン、3,9-ビス(3-アミノプロピル)2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、4,7-ジオキサデカン-1,10-ジアミン、1-プロパンアミン、3,3’-(オキシビス(2,1-エタンジイルオキシ))ビス(ジアミノプロピル化ジエチレングリコール)、ポリ(オキシ(メチル-1,2-エタンジイル))α-(2-アミノメチルエチル)ω-(2-アミノメチルエトキシ)、トリエチレングリコールジアミン、ポリ(オキシ(メチル-1,2-エタンジイル))α,α’-(オキシジ-2,1-エタンジイル)ビス(ω-(アミノメチルエトキシ))、ビス(3-アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン、ビス(3-アミノプロピル)ポリテトラヒドロフラン750、ポリ(オキシ(メチル-1,2-エタンジイル))α-ヒドロ-ω-(2-アミノメチルエトキシ)エーテル、2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオールを有するジアミノプロピルジプロピレングリコール、1,2-エタンジチオール、1,3-プロパンジチオール、1,4-ブタンジチオール、1,6-ヘキサンジチオール、2,2’-チオジエタンチオール、3,6-ジオキサ-1,8-オクタンジチオール、1,2-ベンゼンジチオール、1,4-ベンゼンジチオール、トルエン-3,4-ジチオール、3-メルカプトブチレートおよび2-アミノエタンチオールからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を挙げることができる。
重合剤として好適に用いられる化合物の化学式を挙げると、例えば下記式のようになる。ここで、式(A8)はジエチレントリアミン(DET)、式(A9)はヘキサメチレンジアミン(HMD)、式(A10)はトリス2‐アミノエチルアミン(TAEA)、式(A11)はポリエチレンイミン(PEI)、式(A12)はポリエチレングリコールビス(3-アミノ-プロピル)エーテル(PEG)、式(A14)は1,2-エタンジチオール、式(A15)は1,3-プロパンジチオール、式(A16)は1,4-ブタンジチオール、式(A17)は1,6-ヘキサンジチオール、式(A18)は2,2’-チオジエタンチオール、式(A19)は3,6’-ジオキサ-1,8-オクタンジチオール、式(A20)は1,2-ベンゼンジチオール、式(A21)はトルエン-3,4-ジチオール、式(A22)は1,4-ベンゼンジチオール、式(A23)は3-メルカプトブチレート、式(A24)は2-アミノエタンチオールである。
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本実施形態の水性コーティング剤における上記反応生成物の含有率は、好ましくは0.1質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上20質量%以下である。
本開示の水性コーティング剤では、ポリフェノール誘導体に対する、分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物のモル比率が、0.1以上10以下であることが好ましく、0.5以上10以下であることがより好ましく、1であることがさらに好ましい。このモル比率を0.1以上とすることで、膜重合が十分に進行し、したがって丈夫な水性コーティング膜を形成することができる。また、このモル比率を10以下とすることで、基体との密着力が十分となり、水性コーティング膜の均質性も向上する。前記モル比率は、主剤中に含まれるタンニン酸の合計に対する、重合剤を構成する分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物のモル比率であることがより好ましい。
本開示の水性コーティング剤のpHは、特に制限されないが、好ましくは9以下、より好ましくは7以下である。pHが9以下であると水性コーティング剤中で重合反応を抑制して、保存安定性を向上することができる。
保存安定性という観点からはpHは低いほど好ましいが、pHが7以下で保存安定性は十分なものとなる。なお、水性コーティング剤のpHが1というような極めて小さな値になると、水性コーティング膜を形成するときの環境を例えばpH13というような高アルカリ性とする必要が生じ、しかも水性コーティング膜を形成するための時間が長くかかるため、好ましくない。
水性コーティング剤のpHを9以下、好ましくは7以下とする場合、水性コーティング剤にはpH調整剤が含まれていることが好ましい。特に、pH調整剤が緩衝液であると、所定のpHが安定的に得られることで、保存安定性が高まる点で好ましい。水性コーティング剤のpHが安定すると、水性コーティング膜形成にかかる時間も安定するので、この意味からも緩衝液の使用が好ましい。
pH調整剤に好適な緩衝液としては、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン溶液、リン酸バッファー、酢酸バッファー等を挙げることができる。
主剤であるポリフェノール誘導体は、アルカリ環境下でシッフ塩基反応あるいはマイケルソン付加反応により、分子内に2官能以上のアミノ基を有する重合剤と反応することで、重合してコーティング膜を形成する。詳細に調べたところ、この重合反応は、pHが9を超えるアルカリ環境下で顕著に起こり、pHが9以下では殆ど起こらないことがわかった。したがって、pH9を超えるアルカリ環境下でコーティング膜を形成するのが好ましい。なお、この反応の際に熱処理は特には必要としない。
主剤を構成するポリフェノール誘導体は、少なくとも1つの芳香環において2以上の水酸基が存在する。これらの水酸基が、コーティング膜の被形成体である基体上の酸素基(O)や水酸基(OH)と相互作用を起こすことで、コーティング膜は基体と密着する。基体の多くは酸素基(O)や水酸基(OH)をその表面に有しているため、このコーティング膜は様々な基体に対して密着性よく形成できる。
芳香環上の水酸基が隣接していると、この密着力は特に強くなる。このため、芳香環上に2つの水酸基があり、かつその水酸基が隣接しているタンニン酸がコーティング膜の基体に対する密着性の観点から特に好ましい。
(ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、及びエチレン共重合樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の水性樹脂)
水性コーティング剤に含有される水性樹脂は、紙又はフィルムに使用する水等を媒体とする水性コーティング剤のバインダーとして好適に使用される。本実施形態では、水性樹脂として、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、及びエチレン共重合樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種が使用される。
上記水性樹脂としては、例えば、一般の水性リキッド印刷インキに使用される、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸-アクリロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム-アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸-アクリル酸アルキルエステル共重合体などのアクリル樹脂;スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸-アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸共重合体、スチレン-α-メチルスチレン-アクリル酸-アクリル酸アルキルエステル共重合体などのスチレン-アクリル酸共重合樹脂;スチレン-マレイン酸共重合樹脂;スチレン-無水マレイン酸共重合樹脂;ビニルナフタレン-アクリル酸共重合樹脂;ビニルナフタレン-マレイン酸共重合樹脂;酢酸ビニル-エチレン共重合体、酢酸ビニル-脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル-マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル-クロトン酸共重合体、酢酸ビニル-アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合樹脂、及びこれらの塩を使用することができる。これらは所望の物性に応じて適宜併用することもできる。
また、上記水性樹脂として、飲料缶用塗料に代表される熱硬化型塗料に使用される水性のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリルエステル共重合体、もしくは(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリルエステル-スチレン共重合体のエポキシ樹脂反応物、及びこれらの塩を使用することができる。これらは所望の物性に応じて適宜併用することもできる。
なかでも、ウレタン樹脂及びアクリル樹脂のうちの少なくとも一種を使用することが、入手しやすく好ましい。
(A)ウレタン樹脂
ウレタン樹脂としては、特に制限はなく、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオール等のポリオールと、アニオン性基、カチオン性基、ポリオキシエチレン基やポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン基である親水性基を有するポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタン樹脂等が挙げられる。また、前記ウレタン樹脂の重量平均分子量は特に限定されないが、一般に5000~200000であるものであればよく、20000~150000であることがより好ましい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ショ糖、アコニット糖、フェミメリット酸、燐酸、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリイソプロパノールアミン、ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタール酸、1,2,3-プロパントリチオール等の活性水素基を2個以上有する化合物にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロフェキシレン等の環状エーテル化合物を付加重合したもの、又は、前記環状エーテル化合物をカチオン触媒、プロトン酸、ルイス酸等を触媒として開環重合したものが挙げられる。
前記ポリエステルポリオールは、ジオール化合物、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸化合物等の脱水縮合反応、ε-カプロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応、及びこれらの反応によって得られるポリエステルを共重合させることによって得られる。このポリエステルポリオールの原料となるジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン、及びこれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
また、前記ポリエステルポリオールの原料となるジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、1,3-シクロペンタンジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、2,5-ナフタレンジカルボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2-ビス(フェノキシ)エタン-p,p’-ジカルボン酸等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオールの原料となるヒドロキシカルボン酸としては、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸、p-(2-ヒドロキシエトキシ)安息香酸等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば炭酸エステルと、低分子量のポリオール、好ましくは直鎖脂肪族ジオールとを反応させて得られるものを使用することができる。
前記炭酸エステルとしては、メチルカーボネートや、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネ-ト等を使用することできる。
前記炭酸エステルと反応しうる低分子量のポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,2-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,5-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノール-A、ビスフェノール-F、4,4’-ビフェノール等の比較的低分子量のジヒドロキシ化合物や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールや、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオール等を使用することができる。
ポリカーボネート構造は、ポリカーボネート系ウレタン樹脂の製造に使用するポリオール及び前記ポリイソシアネートの合計質量に対して、10質量%~90質量%の範囲で使用することが好ましい。
また、前記ウレタン樹脂は、水性コーティング剤中における分散安定性を付与するうえで親水性基を有する。前記親水性基としては、一般にアニオン性基やカチオン性基、ノニオン性基といわれるものを使用することができるが、なかでもアニオン性基やカチオン性基を使用することが好ましい。
前記アニオン性基としては、例えばカルボキシル基、カルボキシレート基、スルホン酸基、スルホネート基等を使用することができ、なかでも、一部または全部が塩基性化合物等によって中和されたカルボキシレート基やスルホネート基を使用することが、良好な水分散性を維持するうえで好ましい。
前記アニオン性基としてのカルボキシル基やスルホン酸基の中和に使用可能な塩基性化合物としては、例えばアンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミンや、モノエタノールアミン等のアルカノールアミンや、Na、K、Li、Ca等を含む金属塩基化合物等が挙げられる。
また、前記カチオン性基としては、例えば3級アミノ基等を使用することができる。前記3級アミノ基の一部又は全てを中和する際に使用することができる酸としては、例えば、蟻酸、酢酸等を使用することができる。また、前記3級アミノ基の一部又は全てを4級化する際に使用することができる4級化剤としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のジアルキル硫酸類を使用することができる。
また、前記ノニオン性基としては、例えばポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基、ポリ(オキシエチレン-オキシプロピレン)基、及びポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン基等のポリオキシアルキレン基を使用することができる。なかでもオキシエチレン単位を有するポリオキシアルキレン基を使用することが、親水性をより一層向上させるうえで好ましい。
前記親水性基は、前記ウレタン樹脂全体に対して0.5質量%~30質量%存在することがより一層良好な水分散性を付与し、1質量%~20質量%の範囲であることがより好ましい。
また所望される物性によって後述する架橋剤を使用することができる。前記架橋剤を使用する場合、前記ウレタン樹脂としては、前記架橋剤の有する官能基と架橋反応しうる官能基を有するものを使用することが好ましい。
前記官能基としては、前記親水性基として使用可能なカルボキシル基やカルボキシレート基等が挙げられる。前記カルボキシル基等は、水性媒体中においてウレタン樹脂の水分散安定性に寄与し、それらが架橋反応する際には、前記官能基としても作用し、前記架橋剤の一部架橋反応しうる。
前記官能基としてカルボキシル基等を使用する場合、前記ウレタン樹脂としては、2~55の酸価を有するものであることが好ましく、15~50の酸価を有するものを使用することが、堅牢性を向上するうえで好ましい。なお、本開示でいう酸価は、前記ウレタン樹脂の製造に使用したカルボキシル基含有ポリオール等の酸基含有化合物の使用量に基づいて算出した理論値である。
前記ウレタン樹脂は、例えばポリオールとポリイソシアネートと、必要に応じて鎖伸長剤とを反応させることによって製造することができる。
前記鎖伸長剤としては、ポリアミンや、その他活性水素原子含有化合物等を使用することができる。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2-プロパンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’-ジメチル-4,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン等のジアミン類;N-ヒドロキシメチルアミノエチルアミン、N-ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、N-ヒドロキシプロピルアミノプロピルアミン、N-エチルアミノエチルアミン、N-メチルアミノプロピルアミン;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン;ヒドラジン、N,N’-ジメチルヒドラジン、1,6-ヘキサメチレンビスヒドラジン;コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド;β-セミカルバジドプロピオン酸ヒドラジド、3-セミカルバジッド-プロピル-カルバジン酸エステル、セミカルバジッド-3-セミカルバジドメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサンを使用することができ、エチレンジアミンを使用することが好ましい。
前記その他活性水素含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレンリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等のグリコール類;ビスフェノールA、4,4’-ジヒドロキシジフェニル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等のフェノール類、及び水等を使用することができる。
前記鎖伸長剤は、例えば前記鎖伸長剤の有するアミノ基及び活性水素原子含有基の当量が、前記ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られたウレタンプレポリマーの有するイソシアネート基の当量に対して、1.9以下(当量比)となる範囲で使用することが好ましく、0.0~1.0(当量比)の範囲で使用することがより好ましく、より好ましくは0.5質量%が好ましい。
前記鎖伸長剤は、前記ポリオールとポリイソシアネートを反応させる際、または、反応後に使用することができる。また、前記で得たウレタン樹脂を水性媒体中に分散させ水性化する際に、前記鎖伸長剤を使用することもできる。
また、上記以外のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン及びそれらのアルキレンオキシド付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ペンタエリスリトール等の比較的低分子量のポリオールが挙げられる。これらの前記ポリオールは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記ポリオールと反応しウレタン樹脂を形成するポリイソシアネートとしては、例えばフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族または脂肪族環式構造含有ジイソシアネート等を、単独で使用または2種以上を併用して使用することができる。
(B)アクリル樹脂
アクリル樹脂としては、特に制限はなく、(メタ)アクリレートの単独重合または共重合、及び(メタ)アクリレートと共重合しうるビニルモノマーとを共重合させたコポリマーが挙げられる。また、水分散性や水溶性を付与する目的から、酸価を有するコポリマーであることが好ましい。
尚、本開示において「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートのいずれか一方または両方を指し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルのいずれか一方または両方を指す。
(メタ)アクリレートや(メタ)アクリレートと共重合しうるビニルモノマーの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、sec-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;2-ヒドロドキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキルポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;パーフルオロアルキルエチル(メタ)アクリレート等のフッ素系(メタ)アクリレート;スチレン、スチレン誘導体(p-ジメチルシリルスチレン、(p-ビニルフェニル)メチルスルフィド、p-ヘキシニルスチレン、p-メトキシスチレン、p-tert-ブチルジメチルシロキシスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、α-メチルスチレン等)、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1-ジフェニルエチレン等の芳香族ビニル化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールテトラ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-1,3-ジアクリロキシプロパン、2,2-ビス[4-(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートトリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリレート;2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン、ナフチルビニルピリジン等のビニルピリジン化合物;1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ブタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-シクロヘキサジエン等の共役ジエンなどが挙げられる。これらのモノマーは、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
また、カルボキシル基及びカルボキシル基が塩基性化合物によって中和されたカルボキシレート基からなる群より選ばれる1種以上の酸性基を導入することを目的として、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、β-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、β-(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーを共重合させることで、酸価を有するコポリマーを得ることができる。
酸性基を導入する場合は、後述で詳細に述べるが酸価が所望の範囲となるようにモノマー量を適宜調整することが好ましい。
前記コポリマーは、例えば、重合開始剤の存在下、50℃~180℃の温度領域で各種モノマーを重合させることにより製造することができ、80℃~150℃の温度領域であればより好ましい。重合の方法は、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられる。また、重合様式は、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。
本開示で使用するコポリマーはコアシェル型であってもよい。本開示においてコアシェル型樹脂は、重合体(a2)が重合体(a1)によって水性媒体中に分散された状態を指し、通常、重合体(a1)が樹脂粒子の最外部に存在することでシェル部を形成し、重合体(a2)の一部または全部がコア部を形成したものであることが多い。以後本開示において、シェル部を形成する樹脂を重合体(a1)とし、コア部を形成する樹脂を重合体(a2)と称す。
〔シェル部を構成する重合体(a1)〕
本開示で使用するコアシェル型樹脂は、シェル部を構成する重合体(a1)について、カルボキシル基及びそれを中和して形成されるカルボキシレート基からなる群より選ばれる1種以上の親水性基を有するアクリル樹脂を含むものによって構成されていることが好ましい。その際、シェル部の酸価は40mgKOH/g以上250mgKOH/g以下の範囲であることが好ましく、120mgKOH/g以下がなお好ましい。
前記、シェル部を構成する重合体(a1)のカルボキシル基は、塩基性化合物によって中和されカルボキシレート基を形成することが好ましい。
前記、中和に使用可能な塩基性化合物としては、例えばアンモニア、トリエチルアミン、モルホリン、モノエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等を使用することができ、アンモニア、トリエチルアミンを使用することが、塗膜の耐温水性、耐食性及び耐薬品性をより一層向上するうえで好ましい。
前記塩基性化合物の使用量は、得られるコアシェル型樹脂の水分散安定性をより一層向上するうえで、前記重合体(a1)が有するカルボキシル基の全量に対して[塩基性化合物/カルボキシル基]=0.2~2(モル比)となる範囲で使用することが好ましい。
前記、重合性不飽和二重結合を有するモノマーのうち、カルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーを含む(メタ)アクリルモノマーを重合して得られるものを使用することが好ましい。特に、前記重合体(a1)としては、前記重合体(a1)のガラス転移温度(Tg1)を20℃~100℃の範囲に調整するうえで、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等を組み合わせ重合して得られるものを使用することが、造膜性に優れ、かつ、耐温水性、耐食性及び耐薬品性に優れた塗膜を形成するうえでより好ましい。
〔コア部を構成する重合体(a2)〕
前記、コア部を構成する重合体(a2)は、前述のアクリル樹脂と同様のアクリルモノマー等のコポリマーを使用することができる。
この際、コア部の重量平均分子量は200,000~3,000,000の範囲であることが好ましく、800,000以上がなお好ましい。Tgは-30℃~30℃の範囲であることが好ましい。
前記、コア部を構成する重合体(a2)は、前述のアクリル樹脂と同様のアクリルモノマー等のコポリマーを使用することができるが、中でも、水性媒体で製造することが好ましい。具体的には、前記、モノマーと重合開始剤等とを、水性媒体を含有する反応容器に一括供給または逐次供給し重合することによって製造することができる。その際、予め前記モノマーと水性媒体と必要に応じて反応性界面活性剤等とを混合することでプレエマルジョンを製造し、それと重合開始剤等とを、水性媒体を含有する反応容器に供給し重合してもよい。
前記、重合体(a2)を製造する際に使用可能な重合開始剤としては、例えば過硫酸塩、有機過酸化物、過酸化水素等のラジカル重合開始剤、4,4’-アゾビス(4-シアノ吉草酸)、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ開始剤を使用することができる。また、前記ラジカル重合開始剤は、後述する還元剤と併用しレドックス重合開始剤として使用しても良い。
前記過硫酸塩としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等を使用することができる。前記、有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシラウレート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等を使用することができる。
また、前記還元剤としては、例えば、アスコルビン酸及びその塩、エリソルビン酸及びその塩(ナトリウム塩等)、酒石酸及びその塩、クエン酸及びその塩、ホルムアルデヒドスルホキシラートの金属塩、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、塩化第二鉄等を使用することができる。
重合開始剤の使用量は、重合が円滑に進行する量を使用すれば良いが、得られる塗膜の優れた耐食性を維持する観点から、少ない方が好ましく、ビニル重合体(a2)の製造に使用するモノマーの全量に対して、0.01質量%~0.5質量%とすることが好ましい。また、前記重合開始剤を前記還元剤と併用する場合には、それらの合計量の使用量も前記した範囲内であることが好ましい。
また、前記プレエマルジョンを製造する際には、反応性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤等を使用してもよい。
前記コポリマーの酸価は、酸価20mgKOH/g以上、120mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは酸価25mgKOH以上である。酸価が20mgKOH/g以上であれば、硬化剤添加時、積層体の耐摩擦性、耐水摩擦性、及び耐スクラッチ性を向上する事が出来る。
尚、ここで言う酸価とは、樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数を示す。
前記コポリマーの重量平均分子量は、5,000~100,000の範囲のものが好ましい。重量平均分子量5,000以上であれば、樹脂皮膜の耐熱性が低下することなく、積層体の耐摩擦性、及び耐水摩擦性を保持できる傾向にある。100,000以下であれば、積層体の基材密着性、耐スクラッチ性が兼備できる傾向にある。
前記コポリマーのガラス転移温度(Tg)は、0℃~55℃の範囲である事が好ましい。前記コポリマーのTgが0℃以上であれば、皮膜強度が保たれ、積層体の耐水摩擦性が低下することなく、また55℃以下であれば、他の印刷層との相溶性が低下する事なく、積層体の耐摩擦性、耐水摩擦性、耐スクラッチ性が良好に保たれる傾向にある。
尚、前記ガラス転移温度(Tg1)は、いわゆる計算ガラス転移温度を指し、下記の方法で算出された値を指す。
(式1) 1/Tg(K)=(W1/T1)+(W2/T2)+・・・(Wn/Tn)
(式2) Tg(℃)=Tg(K)-273
式1中のW1、W2、・・・Wnは、重合体の製造に使用したモノマーの合計質量に対する各モノマーの質量%を表し、T1、T2、・・・Tnは、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度(K)を表す。なお、T1、T2、・・Tnの値は、Polymer Handbook(Fourth Edition,J.Brandrup,E.H.Immergut,E.A.Grulke 編)に記載された値を用いる。
また、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度が前記Polymer Hand Bookに記載されていないもののガラス転移温度は、示差走査熱量計「DSC Q-100」(TA Instrument社製)を用い、JIS K7121に準拠した方法で測定した。具体的には、真空吸引して完全に溶剤を除去した重合体を、20℃/分の昇温速度で-100℃~+200℃の範囲で熱量変化を測定し、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点をガラス転移温度とした。
(C)ポリエステル樹脂
ポリエステル樹脂としては、アルコールとカルボン酸とを公知のエステル化重合反応を用いて反応させてなるポリエステル樹脂であれば、特段限定されない。
アルコールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2ブチル-1,3プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4-ブチンジオール、1,4-ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビド等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。中でも多官能アルコールが好ましい。
カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、オレイン酸、リノール酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。中でも多官能カルボン酸が好ましい。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量は、500~6000であることが好ましく、1400~5500であることがより好ましい。
(D)エチレン共重合樹脂
エチレン共重合樹脂としては、特に制限されず、例えば低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、および、エチレンを主成分とする共重合体、例えばエチレンと、プロピレン、ブテン-1、ペンテン-1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1、ヘプテン-1、オクテン-1などの炭素数3~10のα-オレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどの不飽和カルボン酸エステルおよびそのアイオノマー、共役ジエンや非共役ジエンのような不飽和化合物の中から選ばれる1種または2種以上のコモノマーとの共重合体または多元共重合体、あるいは、それらの混合組成物などを挙げることができる。エチレン系重合体中のエチレン単位の含有量は、通常50質量%を超えるものである。
これらのエチレン系重合体の中では、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合(EVA)、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体およびアイオノマー樹脂の中から選ばれる少なくとも1種以上のエチレン系重合体が好ましい。
本実施形態の水性コーティング剤における、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びエチレン共重合樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の水性樹脂の含有率は、好ましくは50.0質量%以上99.9質量%以下であり、より好ましくは80.0質量%以上99.5質量%以下である。
(水性媒体)
本開示の水性コーティング剤に使用される水性媒体は、水を主成分とする水性媒体であり、有機溶剤を含有してもよい。本開示では、水のみを用いても良く、また水及び有機溶剤との混合物を用いても良いが、環境負荷低減と安全性向上の観点から、有機溶剤の使用量はできる限り少ないことが好ましい。
有機溶剤を含有する場合は、水性コーティング剤全量中、有機溶剤を30質量%以下で含有することが好ましく、5質量%以下で含有することが好ましい。
本実施形態で使用可能な有機溶剤としては、特に限定はないが、例えば水と混和する有機溶剤が好ましく、1-ブタノール、イソブタノール、1-ペンタノール、2-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-3-ペンタノール、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール(以下、NPAとも記載する)、イソプロピルアルコール(以下、IPAとも記載する)等の単官能アルコール、各種ジオール、グリセリン等の多価アルコール、
エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール、プロピレングリコール、1,2ブタンジオール、3-メチル―1,3ブタンジオール、1、2ペンタンジオール、2-メチル―1,3プロパンジオール、1,2ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール等のジオール、
ビスフェノールA、ビスフェノールAの炭素数2又は3のアルキレンオキサイド(平均付加モル数1以上16以下)付加物である芳香族ジオール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオールポリオキシプロピレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、シクロヘキサンジオール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチル3333エーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチルカルビトール、γ-ブチロラクトン、等が挙げられる。これらは1種で使用してもよく複数種混合して使用してもよく、特に限定はない。
中でも、1-ブタノール、イソブタノール、1-ペンタノール、2-メチル-2-ペンタノール、3-メチル-3-ペンタノール、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール(以下、NPAとも記載する)、イソプロピルアルコール(以下、IPAとも記載する)、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1-メトキシ2-プロパノール)(PGMとも記載する)、エチレングリコールが好ましい。
(界面活性剤)
本開示の水性コーティング剤には、所望の物性に応じて、界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤としては、特に限定は無く、本技術分野において汎用の界面活性剤を使用することができる。
例えば、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール、3-メチル-1-ブチン-3-オール、3-メチル-1-ペンチン-3-オール、3-ヘキシン-2,5-ジオール、2-ブチン-1,4-ジオール等が挙げられる。又、市販品としては、サーフィノール61、82、104(いずれも、エアープロダクツ社製)等のアルキレンオキサイド非変性アセチレングリコール系界面活性剤や、サーフィノール420、440、465、485、TG、2502、ダイノール604、607、サーフィノールSE、MD-20、オルフィンE1004、E1010、PD-004、EXP4300、PD-501、PD-502、SPC(いずれも、日信化学工業社製)、アセチレノールEH、E40、E60、E81、E100、E200(いずれも、川研ファインケミカル社製)等のアルキレンオキサイド変性アセチレングリコール系界面活性剤等や、アクリルポリマー系界面活性剤(例えば、ポリフローWS-314共栄社化学社製)や、変性シリコーン系界面活性剤(例えば、ポリフローKL-401共栄社化学社製)が挙げられる。
使用する界面活性剤の総量は、水性コーティング剤全量の0.1質量%以上1質量%以下であることが好ましい。
(ワックス)
本開示の水性コーティング剤には、所望の物性に応じて、ワックスを添加することもできる。ワックスとしては、炭素系ワックスが好ましく、炭素ワックスとしては流動パラフィン、天然パラフィン、合成パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フルオロカーボンワックス、エチレン-プロピレン共重合体ワックス、4フッ化エチレン樹脂ワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等が挙げられる。これらのワックスは、単独で使用してもよいし、2つ以上組み合わせて使用しても良く、これらワックスの添加量の総量が水性コーティング剤全量の0.5質量%以上5質量%以下であることが好ましい。ワックスの添加量の総量がインキ全量の0.5質量%以上であれば、耐摩耗性、耐水性摩耗性、耐スクラッチ性を保持することができ、且つ、光触媒(B)の分散性を向上させることができる。ワックスの添加量の総量が水性コーティング剤全量の5質量%以下であれば、基材との密着性、耐摩耗性、耐水性摩耗性、及び耐スクラッチ性を保持することができる。
(硬化剤)
本開示の水性コーティング剤には、所望の物性に応じて、硬化剤を添加することもできる。
本開示で使用する酸と反応しうる硬化剤としては、特に限定されず、水性媒体中で使用可能な酸基やヒドロキシル基と反応しうる公知の硬化剤を使用することができる。例えば、エポキシ系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、オキサゾリン系硬化剤、イソシアネート硬化剤、アミノ樹脂などが挙げられる。
前記エポキシ系硬化剤は、少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物であれば、特に限定されない。エポキシ系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルなどのエポキシ樹脂が挙げられる。
前記カルボジイミド系硬化剤は、カルボジイミド基(-N=C=N-)を少なくとも1つ有する化合物であれば、特に限定されない。カルボジイミド系硬化剤としては、カルボジイミド基を少なくとも2つ以上有するポリカルボジイミド化合物が好ましい。
前記オキサゾリン系硬化剤は、オキサゾリン骨格を有する化合物であれば、特に限定されない。オキサゾリン系硬化剤としては、具体的には、日本触媒社製のエポクロスシリーズなどが挙げられる。
前記エポキシ化合物としては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p-オキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,4-ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
前記イソシアネート硬化剤としては、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族イソシネートを出発物質としたポリイソシネートを挙げることができ、具体的にはBASF社製のBASONAT LR9056などが挙げられる。
前記アミノ樹脂としては、メラミン、ベンゾグアナミン等をホルマリンと1~4個の炭素を含むアルコールで反応したものを挙げることができる。
本開示で使用する硬化剤の添加量は、水性コーティング剤全量の固形分換算で0.1質量%以上10.0質量%以下が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上9.0質量%以下の範囲である。添加量が0.1質量%以上であれば硬化剤としての効果が得られる一方、10.0質量%以下であれば、基材密着性、耐摩擦性、耐水摩擦性が保持される傾向となる。
本開示においては、その他、体質顔料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤なども含むこともできる。中でも耐摩擦性、滑り性等を付与するためのオレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミド類及びコーティング時の発泡を抑制するためのシリコン系、非シリコン系消泡剤、及び光触媒(B)の分散性向上のために各種分散剤等が有用である。
また、本開示の水性コーティング剤は着色剤を含有してもよい。着色剤としては一般のインキ、塗料、及び記録剤などに使用されている染料、無機顔料、有機顔料を挙げることができる。中でも無機顔料や有機顔料等の顔料が好ましい。
(水性コーティング剤の製造方法)
本開示の水性コーティング剤は、前記バインダー樹脂(A)や光触媒(B)等を水性媒体(C)中に撹拌混合することにより得られる。分散機としてはグラビア、フレキソ印刷インキの製造に一般的に使用されているビーズミル、アイガーミル、サンドミル、ガンマミル、アトライター等を用いて製造される。
本開示の水性コーティング剤は、一般的なコーティング方法によりプラスチック材料、紙、成形品、フィルム基材、包装材等の基材にコーティング可能である。具体的には、グラビアロールコーティング(グラビアコーター)、フレキソロールコーティング(フレキソコーター)、リバースロールコーティング、ワイヤーバーコーティング、リップコーティング、エアナイフコーティング、カーテンフローコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、はけ塗り法等が採用できる。中でも工業的観点から、グラビアロールコーティング(グラビアコーター)、フレキソロールコーティング(フレキソコーター)を使用することが好ましい。
また、基材を本開示の水性コーティング剤に含浸させることにより、基材上にコート層を設けてもよい。
<積層体>
本実施形態の積層体は、基材と、前記基材の一方に設けられたシール層と、前記基材の前記シール層とは反対側に設けられたコート層とを有する積層体であって、前記コート層が、ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物と、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びエチレン共重合体樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の水性樹脂とを含有する。
[コート層]
コート層は、例えば水等を媒体とする水性コーティング剤がコートされてなる層である。この水性コーティング剤は、ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物を含有している。
上記コート層は、上記ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物及び上記特定の樹脂を含む有機物バインダーで構成されるのが好ましい。この有機物バインダーは、好ましくはタンニン酸誘導体及び上記特定の樹脂からなる。タンニン酸誘導体は、例えばタンニン酸の複数の水酸基のうちの少なくとも一部が炭素原子数1~18の鎖状炭化水素基により置換されたものである。尚、有機物バインダーとは、金属、無機系の化合物などの無機物を含まないか或いは実質的に含まないものを指す。
コート層における上記反応生成物の含有率は、好ましくは0.1質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上20質量%以下である。
コート層における、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びエチレン共重合樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の水性樹脂の含有率は、好ましくは99.9質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは99.5質量%以上80質量%以下である。
また、コート層に含まれる上記反応生成物と上記樹脂の質量比は、好ましくは0.1:99.9~50:50であり、より好ましくは0.5:99.5~20:80である。
また、コート層は、水等の水性媒体を媒体とするシール性の水性コーティング剤が塗工された層であってもよい。これにより、抗菌性に加えてシール性を有するコート層を提供することができる。また、コート層が内容物と接触し得る位置に配置された場合に、内容物の汚染の発生を防止することができる。
[シール層]
シール層は、シール性を有する層であれば特に限定されず、例えば粘着フィルムや感圧接着フィルム、シーラントフィルム等の粘着性を有するフィルムやシートを利用してもよいし、例えば有機溶剤や水性媒体等を媒体とするシール性のコーティング剤の塗工層であってもよい。
シーラントフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系フィルム、イオノマー樹脂、EAA樹脂、EMAA樹脂、EMA樹脂、EMMA樹脂、生分解樹脂のフィルムなどが好ましい。汎用名では、CPP(無延伸ポリプロピレン)フィルム、VMCPP(アルミ蒸着無延伸ポリプロピレンフィルム)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、HDPE(高密度ポリエチレン)、VMLDPE(アルミ蒸着無低密度ポリエチレンフィルム)フィルム、これらの顔料を含むフィルム等が挙げられる。フィルムの表面には火炎処理、コロナ放電処理、またはプライマー等のケミカル処理などの各種表面処理が実施されていてもよい。
中でもシール性のコーティング剤の塗工層が、後述の通り上記タンニン酸誘導体を容易に含有させることができ好ましい。シール層に含有される樹脂は、シール性を発現する公知の樹脂が用いられる。
(樹脂)
上記樹脂としては、例えば、ヒートシール、コールドシールに使用される公知の熱可塑性樹脂を使用することができる。具体的には、室温以下では粘着性を生じない、軟化温度が少なくとも40℃以上の熱可塑性樹脂が好ましい。またガラス転移温度は少なくとも-10℃以上の熱可塑性樹脂が好ましい。
このような熱可塑性樹脂としては例えば、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、スチレン-アクリル酸エステル樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂、ブタジエン樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン-ビニルアルコール樹脂、エチレン-アクリルエステル系樹脂、エチレン-アクリル酸樹脂、エチレン-酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、スチレン-イソプレン樹脂等が挙げられる。
なかでも、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン-酢酸ビニル樹脂及びエチレン-ビニルアルコール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂が好ましい。
また、前記熱可塑性樹脂として水酸基やグリシジル基、カルボキシル基等の反応性基をグラフトまたはペンダントさせた熱可塑性樹脂からなる主剤と、前記反応性基と熱反応しうるイソシアネート硬化剤やポリアミン硬化剤等の硬化剤とを組み合わせた組成物も使用することができる。例えば反応性基をグラフトまたはペンダントさせたポリエステル系樹脂、反応性基をグラフトまたはペンダントさせたポリエーテル系樹脂、反応性基をグラフトまたはペンダントさせたポリウレタン系樹脂、反応性基をグラフトまたはペンダントさせたエポキシ樹脂、反応性基をグラフトまたはペンダントさせたポリオール系樹脂等の主剤と、イソシアネート硬化剤、ポリアミン硬化剤等の硬化剤との組み合わせを挙げることができる。
具体的には、例えば、ポリエチレングリコール等のポリオール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリエーテルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、ヒマシ油の水素添加物であるヒマシ硬化油、ヒマシ油のアルキレンオキサイド5~50モル付加体等のヒマシ油系ポリオール等が挙げられる。
また、硬化剤の例としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックジフェニルメタンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の分子構造内に芳香族構造を持つポリイソシアネート、これらのポリイソシアネートのNCO基の一部をカルボジイミドで変性した化合物;これらのポリイソシアネートに由来するアルファネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3-(イソシアナートメチル)シクロヘキサン等の分子構造内に脂環式構造を持つポリイソシアネート;1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の直鎖状脂肪族ポリイソシアネート、及びこのアルファネート化合物;これらのポリイソシアネートのイソシアヌレート体;これらのポリイソシアネートに由来するアロファネート体;これらのポリイソシアネートに由来するビゥレット体;トリメチロールプロパン変性したアダクト体;前記した各種のポリイソシアネートとポリオール成分との反応生成物であるポリイソシアネート等の多官能イソシアネートや、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン、ヘプタエチレンオクタミン、オクタエチレンノナミン、ノナエチレンデカミン、ピペラジンあるいは、炭素原子数が2~6のアルキル鎖を有するN-アミノアルキルピペラジン等のポリエチレンポリアミンや、3-アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルアミン(イソホロンジアミン、もしくはIPDA)等のアミン化合物が挙げられる。
(ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物)
シール層は、ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物を含有していてもよい。すなわち、基材の一方に設けられたコート層が、ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物を含有し、且つ、基材の他方に設けられたシール層が、ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物を含有していてもよい。
また、シール層は、上記反応生成物及び上記樹脂を含む有機物バインダーで構成されるのが好ましい。この有機物バインダーは、好ましくは上記反応生成物及び上記樹脂からなる。
シール層に含有される上記反応生成物は、コート層に含有される上記反応生成物と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
シール層における上記反応生成物の含有率は、好ましくは0.1質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上20質量%以下である。シール層における上記反応生成物の含有率が0.1質量%以上50質量%以下であると、基材とシール層との接着性を高めつつ、シール層に反応生成物をより安定的に保持することができる。
また、シール層に含まれる反応生成物と樹脂の質量比は、好ましくは0.1:99.9~50:50であり、より好ましくは0.5:99.5~20:80である。
[基材]
基材は、特に制限されないが、例えば紙基材やプラスチック基材である。
(紙基材)
紙基材は、木材パルプ等の製紙用天然繊維を用いて公知の抄紙機にて製造されるが、その抄紙条件は特に規定されるものではない。製紙用天然繊維としては、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ等の木材パルプ、マニラ麻パルプ、サイザル麻パルプ、亜麻パルプ等の非木材パルプ、およびそれらのパルプに化学変性を施したパルプ等が挙げられる。パルプの種類としては、硫酸塩蒸解法、酸性・中性・アルカリ性亜硫酸塩蒸解法、ソーダ塩蒸解法等による化学パルプ、グランドパルプ、ケミグランドパルプ、サーモメカニカルパルプ等を使用することができる。
また、市販の各種上質紙やコート紙、裏打ち紙、含浸紙、ボール紙や板紙などを用いることもできる。
(プラスチック基材)
プラスチック基材は、プラスチック材料、成形品、フィルム基材、包装材等の基材に使用される基材であればよいが、特に、グラビアロールコーティング(グラビアコーター)、フレキソロールコーティング(フレキソコーター)を使用する場合には、グラビア・フレキソ印刷分野で通常使用されているフィルム基材をそのまま使用できる。
具体的には、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと称する場合がある)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)等の脂肪族ポリエステル系樹脂などの生分解性樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂又はそれらの混合物等の熱可塑性樹脂よりなるフィルムやこれらの積層体が挙げられるが、中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンからなるフィルムが好適に使用できる。これらの基材フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよく、その製法も限定されるものではない。また、基材フィルムの厚さも特に限定されるものではないが、通常は1μm~500μmの範囲であればよい。また基材フィルムにはコロナ放電処理がされていることが好ましく、アルミ、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよい。
また、基材は、前記紙基材やフィルム基材をドライラミネート法や無溶剤ラミネート法、あるいは押出ラミネート法により積層させた積層構造を有する積層体(積層フィルムと称される場合もある)であっても構わない。また該積層体の構成に、金属箔、金属蒸着膜層、無機蒸着膜層、酸素吸収層、アンカーコート層、印刷層等の加飾層、ニス層等があっても構わない。このような積層体は用途に応じて多種存在するが、現在食品包装用や生活用品に最も多く使用される構成は、紙基材やフィルム基材を(F)と表現し、印刷やニス層を(P)と表現し、金属箔や蒸着膜層の金属あるいは無機層を(M)と表現し、接着剤層を(AD)、ホットメルト接着剤やヒートシール剤やコールドシール剤を(AD2)と表現すると、積層フィルムの具体的態様として以下の構成が考えられる。尚、本実施形態に係る積層フィルムの具体的態様は、もちろん以下の構成に限定されることはない。
(F)/(P)/(F)
(F)/(P)/(AD)/(F)、
(F)/(P)/(AD)/(F)/(AD)/(F)、
(F)/(P)/(AD)/(M)/(AD)/(F)、
(F)/(P)/(AD)/(M)、
(F)/(P)/(AD)/(F)/(AD)/(M)/(AD)/(F)、
(F)/(P)/(AD)/(M)/(AD)/(F)/(AD)/(F)、
(M)/(P)/(AD)/(M)、
(M)/(P)/(AD)/(F)/(AD)/(M)、
(P)/(F)
(P)/(F)/(P)
(P)/(F)/(AD)/(F)、
(P)/(F)/(AD)/(F)/(AD)/(F)
(F)/(P)/(F)/(AD2)
(F)/(P)/(AD2)
(F)/(P)/(AD)/(M)/(AD2)
前記単層の紙基材あるいはフィルム基材、又は複数層の積層構造を有する積層体は、業界や使用方法等により、機能性フィルム、軟包装フィルム、シュリンクフィルム、生活用品包装用フィルム、医薬品包装用フィルム、食品包装用フィルム、カートン、ポスター、チラシ、CDジャケット、ダイレクトメール、パンフレット、化粧品や飲料、医薬品、おもちゃ、機器等のパッケージ等に用いられる上質紙、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙等の紙、各種合成紙等様々な表現がなされているが、上記水性コーティング剤は特に限定なく使用することができる。この場合、水性コーティング剤は、これらを使用した容器や包装材とした際に最表層となる面にコーティングされることが好ましい。
[加飾層]
本実施形態の積層体は、上記基材のシール層とは反対側に設けられた加飾層を有していてもよい。この場合、上記コート層が加飾層を構成していてもよいし、コート層とは別の加飾層が設けられてもよい。上記コート層が加飾層を構成する場合、加飾層が上記タンニン酸誘導体を含有する。コート層とは別の加飾層が設けられる場合、加飾層は、例えば上記基材と上記コート層の間に設けられる。
加飾層は、印刷インキを含有する印刷層で形成されてもよい。上記印刷層に使用される印刷インキは、特に限定はなく、オフセット平版インキ、グラビア印刷インキ、フレキソ印刷インキ、インクジェット印刷インキ等が挙げられる。
[ニス層]
また、本実施形態の積層体は、上記基材のシール層とは反対側に設けられたニス層を更に有していてもよい。この場合、上記コート層がニス層を構成してもよいし、コート層とは別のニス層が設けられてもよい。上記コート層がニス層を構成する場合、ニス層が上記なタンニン酸誘導体を含有する。コート層とは別のニス層が設けられる場合、ニス層は、例えば上記コート層の上記基材とは反対側に設けられる。また、上記コート層が加飾層を構成する場合、ニス層が加飾層上に設けられてもよい。
ニス層に使用されるニスは、特に限定はなく、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、セルロース、硝化綿、アマイド系の樹脂等が挙げられる。
<積層体の製造方法>
本実施形態に係る積層体は、例えば(1)基材の一方の面側にコーティング剤を塗工する工程、(2)前記水性コーティング剤を乾燥させてコート層を形成するする工程、(3)基材の他方の面側にシール剤を塗工する工程、及び(4)前記シール剤を乾燥させてシール層を形成する工程を経ることにより、製造することができる。
上記(1)の工程において、水性コーティング剤の塗布量は、特に制限されないが、好ましくは0.5g/m以上10g/m以下、より好ましくは1.0g/m以上5.0g/m以下である。
水性コーティング剤における上記反応生成物の含有率は、好ましくは0.1質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上20質量%以下である。
(その他の添加剤)
水性コーティング剤は、その他、水性コーティング剤に所望される基本物性を付与することを目的として、硬化剤、ワックス、キレート架橋剤、体質顔料、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤なども含むこともできる。
(水性コーティング剤の製造方法)
本開示で使用する前記水性コーティング剤は、バインダーとしての前記樹脂と前記反応生成物を水性媒体中に溶解及び/又は分散することにより製造することができる。分散機としては、一般に使用される、例えば、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
上記(3)の工程において、シール剤の塗布量は、特に制限されないが、好ましくは1.0g/m以上10g/m以下、より好ましくは1.0g/m以上5.0g/m以下である。
[シール剤]
シール剤は、特に制限されず、シール性を発現する上述の公知の樹脂と、媒体とを含有する。シール剤は、ヒートシール、コールドシールに使用される公知の熱可塑性樹脂を含有するのが好ましい。シール剤の媒体としては、有機溶剤等の溶剤、或いは水性媒体が使用できる。
(溶剤)
有機溶剤は、シール剤を希釈し塗工しやすくするために添加される。具体的には溶解性の高いトルエン、キシレン、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルオール、キシロール、n-ヘキサン、シクロヘキサン等を使用して希釈してもよい。近年の溶剤規制の観点からは、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、トルオール、キシロール、n-ヘキサン、シクロヘキサン等が挙げられる。これらの中でも溶解性の点から酢酸エチルやメチルエチルケトン(MEK)が好ましく用いられ、特に酢酸エチルが好ましい。規制を受けない溶剤だけを用いても、低温時の溶液が安定している。有機溶剤の使用量は所要される粘度によるが概ね20質量%以上80質量%以下の範囲で使用することが多い。
シール剤は、ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物を含有してもよい。シール剤における上記ポリフェノール誘導体の含有率は、特に制限されないが、好ましくは0.1質量%以上50質量%以下であり、より好ましくは0.5質量%以上20質量%以下である。
(シール剤の製造方法)
シール剤が上記反応生成物を含有する場合、シール剤は、上記バインダー樹脂と上記反応生成物を媒体中に溶解及び/又は分散することにより製造することができる。分散機としては、一般に使用される、例えば、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
積層体の製造方法は、上記(1)~(4)の工程及び上記の順に限られず、例えば、基材の一方の面側に水性コーティング剤を塗工すると共に、基材の他方の面側にシール剤を塗工し(工程(1)及び工程(3))、その後、水性コーティング剤及びシール剤を乾燥してもよい(工程(2)及び工程(4))。
また、積層体が加飾層を有する場合、上記工程(1)において基材上に加飾層としての水性コーティング剤を塗工することができる。また、積層体がコート層とは別の加飾層を有する場合、上記工程(1)の前に、基材の一方の面に加飾層を形成する工程を設けてもよい。この場合、その後に加飾層上に水性コーティング剤を塗工し、該水性コーティング剤を乾燥することができる。
また、積層体がニス層を有する場合、上記工程(1)において基材上にニス層としての水性コーティング剤を塗工することができる。また、積層体がコート層とは別のニス層を有する場合、上記工程(1)の後に、コート層上にニス層を形成する工程を設けてもよい。
[積層体、及び、包装体又は容器の具体的構成]
図1A及び図1Bは、本実施形態に係る積層体の具体的構成の一例を示す断面図である。
図1Aに示すように、積層体10は、基材11と、基材11の一方に設けられたシール層12Aと、基材11のシール層12Aとは反対側に設けられたコート層13とを有する。コート層13は、(1)ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物と、(2)ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びエチレン共重合体樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の水性樹脂とを含有する。以下、上記(1)及び(2)の化合物を含有するコート層を、単に「抗菌性コート層」とも称する。
本実施形態では、抗菌性コート層13は、基材11の表面の全体に設けられており、積層体10の最表面に位置している。シール層12Aは、基材11の表面の一部、例えば基材11の表面の外縁部に配置されており、後述する包装体を組み立てる際のシール部として使用することができる。
また、図1Bに示すように、積層体10は、基材11と、基材11の一方に設けられたシール層12Bと、基材11のシール層12Bとは反対側に設けられた抗菌性コート層13とを有していてもよい。シール層12Bは、基材11の表面の全体に設けられており、その一部(外縁部)を、後述する包装体を組み立てる際のシール部として使用することができる。
図2Aは、本実施形態に係る積層体10を用いた包装体の具体的構成の一例を示す断面図である。
図2Aに示すように、包装体20は、積層体10の2枚を貼り合わせて構成される外装部21と、外装部21の内側に形成された収容部22とを備えている。ここで、外装部21は、2枚の積層体10を、それぞれの抗菌性コート層13が積層方向外側となる向きにした状態で貼り合わせて構成される。収容部22には内容物Cが収容可能であり、食品、医薬品などが収容される。収容部22は、空気などの気体を含んでいてもよいし、真空などの減圧状態であってもよい。
積層体10は、基材11と、基材11の一方に設けられたシール層12Cと、基材11のシール層12Cとは反対側に設けられた抗菌性コート層13とを有する。
シール層12Cは、例えば、2枚の積層体10に設けられた2つのシール層12A同士(図1A)の接着によって形成されている。但し、2枚の積層体10のうちの一方のみにシール層12Aを設け、他方にシール層を設けなくてもよい。この場合、2枚の積層体10のうちの一方のシール層12Aによってシール層12Cが形成される。このシール層12Cの封止により、収容部22が外部と隔離され、収容部22の密閉状態或いは密封状態が維持される。
本実施形態では、抗菌性コート層13は、包装体20の最外層を構成しており、上記特定のタンニン酸誘導体が抗菌性コート層13の樹脂内部或いは樹脂表面に保持されている。本構成によれば、例えばヒトなどの接触によって菌、ウィルス等の物質が抗菌性コート層13に付着した場合であっても、抗菌性コート層13によって菌、ウィルス等の増殖を抑制することができる。
図2Bは、本実施形態に係る積層体10を用いた容器の具体的構成の一例を示す斜視図である。
図2Bに示すように、容器30は、容器本体31と、容器本体31に取り付けられた積層体10とを備える。
積層体10は、基材11と、基材11の一方に設けられたシール層12Dと、基材11のシール層12Dとは反対側に設けられた抗菌性コート層13とを有する。シール層12Dは、複数の水酸基のうちの少なくとも一部が炭素原子数1~18の鎖状炭化水素基により置換されたタンニン酸誘導体を含有する。以下、上記特定のタンニン酸誘導体を含有するシール層を、単に「抗菌性シール層」とも称する。
本実施形態では、積層体10は、容器本体31の蓋材を構成しており、容器本体31の開口部32を閉塞するように当該容器本体31に取り付けられる。このとき、この抗菌性シール層12Dの封止により、内部空間33が外部と隔離され、内部空間33の密閉状態或いは密封状態が維持される。
また、この抗菌性シール層12Dは、蓋材の最内層を構成しており、上記特定のタンニン酸誘導体が抗菌性シール層12Dの樹脂内部或いは樹脂表面に保持されている。本構成によれば、容器本体31の内部空間33に収容された食品、医薬品などの内容物が抗菌性シール層12Dに接触した場合であっても、シール層に含まれる抗菌性物質の溶出などに因る内容物の汚染の発生を防止することができる。
図3は、本実施形態に係る積層体10を用いた包装体の具体的構成の他の一例を示す斜視図である。
図3に示すように、包装体40は、積層体10の複数枚を貼り合わせて構成される外装部41と、外装部41の内側に形成された収容部42とを備えている。積層体10は、基材11と、基材11の一方に設けられたシール層12Bと、基材11のシール層12Bとは反対側に設けられた抗菌性コート層13とを有する。収容部42は、例えば底部に位置する積層体10と、外周部に位置する積層体とが貼り合わされて構成されている。
シール層12Bは、基材11の表面の一部に設けられており、外装部41の開口部43に配置されている。包装体40の収容部42に内容物を収容した後、開口部43を閉塞してシール層12B同士を当接させた状態でヒートシールすることにより、収容部42が外部と隔離され、収容部42の密閉状態或いは密封状態が維持される。
本実施形態では、抗菌性コート層13は、包装体40の最外層を構成しており、上記特定のタンニン酸誘導体が抗菌性コート層13の樹脂内部或いは樹脂表面に保持されている。本構成によれば、抗菌性コート層13によって菌、ウィルス等の増殖が抑制される。
図4Aは、本実施形態に係る積層体10を用いた包装体の具体的構成の他の一例を示す斜視図であり、図4Bは、図4Aの線I-Iに沿う断面図である。
図4A及び図4Bに示すように、包装体50は、積層体10の2枚を貼り合わせて構成される外装部51と、外装部21の内側に形成された収容部52とを備えている。収容部52には内容物Cが収容可能であり、食品、医薬品などが収容される。収容部52は、空気などの気体を含んでいてもよいし、真空などの減圧状態であってもよい。
積層体10は、基材11と、基材11の一方に設けられた抗菌性シール層12Eと、基材11のシール層12Eとは反対側に設けられた抗菌性コート層13とを有する。
抗菌性シール層12Eは、例えば、2枚の積層体10に設けられた2つのシール層12A同士(図1B)の接着によって形成されている。但し、2枚の積層体10のうちの一方のみにシール層12Aを設け、他方にシール層を設けなくてもよい。この場合、2枚の積層体10のうちの一方のシール層12Aによって抗菌性シール層12Eが形成される。この抗菌性シール層12Eの封止により、収容部52が外部と隔離され、収容部52の密閉状態或いは密封状態が維持される。
抗菌性コート層13は、包装体20の最外層を構成しており、上記特定のタンニン酸誘導体が抗菌性コート層13の樹脂内部或いは樹脂表面に保持されている。
本構成によれば、抗菌性コート層13によって菌、ウィルス等の増殖が抑制され、また、抗菌性シール層12Eに含まれる抗菌性物質の溶出などに因る内容物Cの汚染の発生を防止することができる。
抗菌性コート層13は、加飾層又はニス層を構成していてもよい。これにより、菌、ウィルス等の増殖の抑制や内容物Cの汚染の発生の防止に加え、層構成を簡略化することができ、包装体の軽量化やコスト低減を図ることができる。
図5は、本実施形態に係る積層体10を用いた容器の具体的構成の他の一例を示す斜視図である。
図5に示すように、容器60は、容器本体61と、容器本体31に取り付けられた2つの積層体10-1,10-2とを備える。
積層体10-1は、基材11と、基材11の一方に設けられた抗菌性シール層12Dと、基材11の抗菌性シール層12Dとは反対側に設けられた抗菌性コート層13とを有する。積層体10-1は、容器本体61の蓋材を構成しており、容器本体61の開口部62を閉塞するように当該容器本体31に取り付けられる。このとき、この抗菌性シール層12Dの封止により、内部空間63が外部と隔離され、内部空間63の密閉状態或いは密封状態が維持される。
積層体10-1の抗菌性コート層13は、容器60の最外層を構成しており、上記特定のタンニン酸誘導体が抗菌性コート層13の樹脂内部或いは樹脂表面に保持されている。また、抗菌性シール層12Dは、容器60の最内層を構成しており、上記特定のタンニン酸誘導体が抗菌性シール層12Dの樹脂内部或いは樹脂表面に保持されている。
積層体10-2は、基材11と、基材11の一方に設けられたシール層12Bと、基材11のシール層12Bとは反対側に設けられた抗菌性コート層13とを有する。積層体10-2は、容器本体61の外面、例えば外周面に取り付けられている。積層体10-1の抗菌性コート層13は、容器60の最外層を構成しており、上記特定のタンニン酸誘導体が抗菌性コート層13の樹脂内部或いは樹脂表面に保持されている。
本構成によれば、積層体10-1,10-2の抗菌性コート層13,13によって菌、ウィルス等の増殖を抑制することができ、また、抗菌性シール層12Dに含まれる抗菌性物質の溶出などに因る内容物Cの汚染の発生を防止することができる。
以下、本発明の実施例を説明する。本発明は、以下に示す実施例に限定されるものではない。実施例中、特段の記載がない限り、表中の数値の単位は質量%である。
(実施例1 水性コーティング剤の製造方法)
表1Aに示す配合量にて、イオン交換水中に、ポリフェノール誘導体としてタンニン酸(以下、TAと略す)、2官能のアミノ基を有する化合物としてイソホロンジアミン(以下、IPDAと略す)を溶解して攪拌し、ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物を得た。
これに水性樹脂Aの水溶液を添加し、イオン交換水にて固形分25%に調整し、実施例1の抗菌性を有する水性コーティング剤1を得た。水性コーティング剤1における上記反応生成物の含有率は10質量%、アミン当量は5当量であった。
(実施例2)
IPDAの代わりに3官能のアミノ基を有する化合物としてメラミンを用い、且つ、TA及びメラミンの配合量を表1Aに示す通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にして水性コーティング剤2を得た。水性コーティング剤2における上記反応生成物の含有率は10質量%、アミン当量は5当量であった。尚、表1A~表1B中の略語は、以下の物質を示す。
TA:タンニン酸:「東京化成社製」
IPDA:イソホロンジアミン:「東京化成社製」
Mel:メラミン:「東京化成社製」
水性樹脂A:アクリル樹脂「BASF社製 JONCRYL(登録商標) HSL 9010(水媒体:固形分40%)」 ヒートシール性水性コーティング剤
水性樹脂B:ポリエステル樹脂「DIC社製 ファインテックス(登録商標) ES2200(水媒体:固形分25%)」
水性樹脂C:エチレン-メタクリル酸共重合体「ジャパンコーティングレジン社製 アクアテックスAC-3100 (水媒体:固形分44.5%)」
水性樹脂D:ウレタン樹脂「DIC社製 ハイドランAP-40 (水媒体:固形分22.5%)」
(実施例3)
TA、メラミン及び水性樹脂Aの配合量を表1Aに示す通りに変更したこと以外は、実施例2と同様にして水性コーティング剤3を得た。水性コーティング剤3における上記反応生成物の含有率は1質量%、アミン当量は5当量であった。
(実施例4)
TA及びメラミンAの配合量を表1Aに示す通りに変更したこと以外は、実施例2と同様にして水性コーティング剤4を得た。水性コーティング剤4における上記反応生成物の含有率は10質量%、アミン当量は3当量であった。
(実施例5)
TA及びメラミンAの配合量を表1Aに示す通りに変更したこと以外は、実施例2と同様にして水性コーティング剤5を得た。水性コーティング剤5における上記反応生成物の含有率は10質量%、アミン当量は10当量であった。
(実施例6)
水性樹脂Aの代わりに水性樹脂Bを用い、且つ、水性樹脂B及びイオン交換水の配合量を表1Bに示す通りに変更したこと以外は、実施例2と同様にして水性コーティング剤6を得た。水性コーティング剤6における上記反応生成物の含有率は10質量%、アミン当量は5当量であった。
(実施例7)
水性樹脂Aの代わりに水性樹脂Cを用い、且つ、水性樹脂C及びイオン交換水の配合量を表1Bに示す通りに変更したこと以外は、実施例2と同様にして水性コーティング剤7を得た。水性コーティング剤7における上記反応生成物の含有率は10質量%、アミン当量は5当量であった。
(実施例8)
水性樹脂Aの代わりに水性樹脂Dを用い、且つ、水性樹脂D及びイオン交換水の配合量を表1Bに示す通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にして水性コーティング剤8を得た。水性コーティング剤8における上記反応生成物の含有率は10質量%、アミン当量は5当量であった。
Figure 0007160298000024
Figure 0007160298000025
[実施例9~16]
(積層体の製造)
水性コーティング剤1~8を、基材である8μmのアルミ箔に、コーティング剤量5g/m(固形分)になるように塗工し、120℃、2分間で水媒体を揮発させ、積層体を製造した。
次に、実施例1~8で得られた積層体を、以下の方法にて評価した。水性コーティング剤1~5によるコート層を設けた積層体は、抗菌性試験、シール試験及び包装体試験に用い、水性コーティング剤6~8によるシール層を設けた積層体は、抗菌性試験に用いた。
<抗菌性試験>
抗菌試験として、大腸菌を用い、JIS Z2801(大腸菌のみ)に準拠して試験を実施した。評価は、抗菌加工製品と無加工製品とにおける細菌を接種培養後の生菌数の対数値の差を示す値である抗菌活性値で実施した。抗菌活性値が2以上である場合を抗菌性「有り」、抗菌活性値が2未満である場合を抗菌性「無し」とした。
<シール試験>
熱傾斜式ヒートシールテスター(テスター産業社製)を用い、シール温度150℃で圧力1kg/cm、1秒間で、水性コーティング剤によるコート層同士をヒートシールした。サンプル幅を15mmとし、引張り速度200mm/minでシール強度を測定し、これをヒートシール強度とした。ヒートシール強度が2N/15mm以上である場合を「合格」とした。
<包装体試験>
ディックドライLX-470EL及びSP-60(DICグラフィックス社製)を1:1に配合した2液型反応性接着剤を使用し、20μmのOPPフィルムと30μmのCPPフィルムとを、固形分塗布量2.0g/mで塗布しラミネートした。このラミネートフィルムに対し、CPPフィルム側に水性コーティング剤を全面に塗工し、有機溶剤を乾燥してシール層を作製した。該シール層を内側になるように折り曲げ、1atm、150℃、1秒間でシール層同士をヒートシールして、内容物の接触部分が200cmとなる包装体(パウチ)を製造した。
得られた包装体にナチュラルチーズを充填し、室温で10日間保存後の内容物の外観の変化の有無を確認し、経時で外観が変化していない場合を「合格」とした。
上記の方法にて実施例1~8を評価した結果を、表2A~表2Bに示す。
Figure 0007160298000026
Figure 0007160298000027
[比較例1]
上記反応生成物を用いずに水性樹脂Aのみとしたこと以外は、実施例1と同様にして水性コーティング剤9を作製し、積層体を製造した。
[比較例2]
上記反応生成物を用いずに水性樹脂Bのみとしたこと以外は、実施例7と同様にして水性コーティング剤10を作製し、積層体を製造した。
[比較例3]
上記反応生成物を用いずに水性樹脂Cのみとしたこと以外は、実施例8と同様にして水性コーティング剤11を作製し、積層体を製造した。
[比較例4]
上記反応生成物を用いずに水性樹脂Dのみとしたこと以外は、実施例9と同様にして水性コーティング剤12を作製し、積層体を製造した。
上記の方法にて比較例1~4を評価した結果を、表3に示す。
Figure 0007160298000028
表2A~表2Bの結果から、実施例1~5のいずれでも、タンニン酸誘導体とイソホロンジアミン又はメラミンとの反応生成物を、アクリル樹脂に含有させた水性コーティング剤1~5を用いてコート層を形成すると、抗菌活性値が2以上であった。よって、コート層表面において細菌の増殖が抑制され、十分な抗菌性を有していることが分かった。
更に実施例1~5のいずれでも、ヒートシール強度が2N/15mm以上であり、十分なシール性を有していることが分かった。また、室温で10日間保存後の内容物の外観が変化しておらず、内容物の安全性が確認された。
また、実施例6~8のいずれにおいても、タンニン酸誘導体とメラミンとの反応生成物を、ポリエステル樹脂、エチレン-アクリル共重合樹脂又はウレタン樹脂に含有させた水性コーティング剤6~8を用いてコート層を形成すると、抗菌活性値が2以上であった。よって上記樹脂の水性コーティング剤を用いたコート層表面においても、細菌の増殖が抑制され、十分な抗菌性を有していることが分かった。
更に実施例6~8のいずれでも、ヒートシール強度が2N/15mm以上であり、十分なシール性を有していることが分かった。また、室温で10日間保存後の内容物の外観が変化しておらず、内容物の安全性が確認された。
一方、表3の結果から、比較例1~4では、上記反応生成物を含有せず、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エチレン-アクリル共重合樹脂又はウレタン樹脂を含有する水性コーティング剤9~12を用いてコート層を形成すると、抗菌活性値が2未満であり、コート層表面において細菌の増殖が発生していた。
10 積層体
10-1 積層体
10-2 積層体
11 基材
12A シール層
12B シール層
12C シール層
12D シール層(抗菌性シール層)
12E シール層(抗菌性シール層)
13 コート層(抗菌性コート層)
20 包装体
21 外装部
22 収容部
30 容器
31 容器本体
32 開口部
33 内部空間
40 包装体
41 外装部
42 収容部
43 開口部
50 包装体
51 外装部
52 収容部
60 容器
61 容器本体
62 開口部
63 内部空間

Claims (12)

  1. ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物と、
    ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びエチレン共重合樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の水性樹脂と、
    を含有し、
    前記ポリフェノール誘導体がタンニン酸であり、前記分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物が、イソホロンジアミン又はメラミンである水性コーティング剤。
  2. 基材と、前記基材の一方に設けられたシール層と、前記基材の前記シール層とは反対側に設けられたコート層とを有する積層体であって、
    前記コート層が、請求項1に記載の水性コーティング剤が塗工された層である、積層体。
  3. 前記コート層が、タンニン酸誘導体及びウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びエチレン共重合樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の水性樹脂と、を含む有機物バインダーで構成される、請求項2に記載の積層体。
  4. 前記コート層が、加飾層を構成している、請求項2又は3に記載の積層体。
  5. 前記加飾層は、印刷インキを含有する印刷層で形成されている、請求項4に記載の積層体。
  6. 前記コート層が、シール性の水性コーティング剤が塗工された層である、請求項2に記載の積層体。
  7. 前記シール層が、ポリフェノール誘導体と分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物との反応生成物を含有し、
    前記ポリフェノール誘導体がタンニン酸であり、前記分子内に2官能以上のアミノ基を有する化合物が、イソホロンジアミン又はメラミンであ る、請求項2に記載の積層体。
  8. 前記シール層が、前記反応生成物及び樹脂を含む有機物バインダーで構成される、請求項7に記載の積層体。
  9. 容器本体と、前記容器本体に取り付けられた請求項2~8のいずれか1項に記載の積層体の一又は複数とを備える、包装体又は容器。
  10. 前記積層体が、前記容器本体の蓋材を構成する、請求項9に記載の包装体又は容器。
  11. 前記積層体が、前記容器本体の外面に取り付けられる、請求項9に記載の包装体又は容器。
  12. 請求項2~8のいずれか1項に記載の積層体の一又は複数を貼り合わせて構成される外装部と、前記外装部の内側に形成された収容部と、を備える包装体又は容器。
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