JP6979584B2 - 水性リキッド印刷インキ、印刷物、及び積層体 - Google Patents

水性リキッド印刷インキ、印刷物、及び積層体 Download PDF

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Description

本発明は、水性グラビアインキ、水性フレキソインキ等の水性リキッド印刷インキ、及び該水性リキッド印刷インキを用いた積層体に関する。
近年、環境問題、省資源、労働安全性、及び防災等の見地から、できるだけ有機溶剤を使用しない水性タイプの水性印刷インキが求められている。水性印刷インキは一般包装紙、コート紙や段ボール等の浸透性の印刷に広く用いられおり、包装材用途を中心とした非浸透性のプラスチックフィルム基材に対するグラビア印刷分野においても、水性印刷インキの使用が広がってきている。
水性印刷インキは、有機溶剤を主溶媒とする溶剤型印刷インキと比べると、乾燥性やフィルム基材に対する印刷適性がまだ十分ではない。水は乾燥速度が遅くまた表面張力が大きいために、プラスチックフィルム等の非浸透性の基材に対してはレベリング性に劣る傾向がある。また印刷時に印刷版とインキとが接触し続けるうちにインキの泡立ちが生じることも問題となる。
水性印刷インキの基材へのレベリング性を調節するには、一般に市販のレベリング剤(表面調整剤等ともいう)が、泡立ちを調節するためには消泡剤がそれぞれ使用されるが、これらはインキ皮膜後も皮膜中に残存するため、印刷後のインキ皮膜物性に悪影響を与えることがある。またプラスチックフィルムに印刷したときに、水性インキでありながら乾燥性やレベリング性が良好で、しかも細線再現性や網点再現性の良好な水性印刷インキ組成物として、水性バインダー樹脂ワニスと、顔料とを主たる成分とした水性印刷インキ組成物に、さらにフルオロアルキル(メタ)アクリレート単量体と、他の重合性単量体を共重合して得られるフッ素含有アクリル系共重合体樹脂を固形分として、インキ組成物中に0.01〜5重量%含有する水性印刷インキ組成物が知られているが(例えば特許文献1参照)、これもインキ皮膜中に残存するため印刷後のインキ皮膜物性に悪影響を与えることがあった。
また、水とアルコールとの混合溶媒を使用した水性印刷インキとして、例えば特許文献2に記載のインキが知られている。しかしながら特許文献2のインキは、アルコール系溶剤と水の比率が50:50〜100:0である溶媒を使用したものであり、且つ乾燥性、印刷安定性、物性が高く、印刷時に揮発溶剤の回収がし易い、環境保護に貢献できる溶剤回収再利用可能な印刷インキを提供することが目的となっており、本発明の泡立ちの抑制や基材へのレベリング性の改良を目的としたものとは全く異なる。
特開平10−158565 号公報 WO2012/008339 号公報
本発明の課題は、少ない有機溶剤の使用でもレベリング性にすぐれ、印刷時にインキの泡立ちがなく、印刷後のインキ皮膜物性に優れる水性リキッド印刷インキ、及び該水性リキッド印刷インキを用いた積層体を提供することにある。
本発明者らは、着色剤と、バインダー樹脂と、水性媒体とを含有する水性リキッド印刷インキであって、水への溶解度(水100mlで25℃時における)が1〜30の有機溶剤(A)を、水と前記有機溶剤(A)の比率が90:10〜100:0の割合で、且つ水性リキッド印刷インキ全量中、前記有機溶剤(A)を10質量%以下で含有するように設計した水性リキッド印刷インキが、前記課題を解決することを見出した。
すなわち本発明は、着色剤と、バインダー樹脂と、水性媒体とを含有する水性リキッド印刷インキであって、(1)〜(3)を満たすことを特徴とする水性リキッド印刷インキに関する。 (1)水性リキッド印刷インキ全量中、有機溶剤を10質量%以下で含有する。
(2)前記水性媒体が、水と、水(100ml 25℃)への溶解度が1〜30(g/100ml)の有機溶剤(A)とを含有する。
(3)有機溶剤(A)とその他有機溶剤(B)の比率が10:90〜100:0の割合である。
更に本発明は、前記有機溶剤(A)が、1−ブタノール、及び又はイソブタノールである水性リキッド印刷インキに関する。
更に本発明は、前記バインダー樹脂としてアクリル樹脂又はウレタン樹脂を含有する水性リキッド印刷インキに関する。
更に本発明は、フレキソ印刷またはグラビア印刷に適用する水性リキッド印刷インキに関する。
更に本発明は、該水性リキッド印刷インキを基材に印刷した印刷物に関する。
更に本発明は、プラスチックフィルムに1層または複数層の印刷層を有する積層体であって、前記印刷層の少なくとも1つが、該水性リキッド印刷インキの印刷層である積層体に関する。
本発明の水性リキッド印刷インキは、少ない有機溶剤の使用でもレベリング性にすぐれ、印刷時にインキの泡立ちがなく、印刷後のインキ皮膜物性に優れる。
本発明について詳細に説明する。なお以下の説明で用いる「インキ」とは全て「水性リキッド印刷インキ」を示す。また「部」とは全て「質量部」を、「%」とは全て「質量%」を示す。
(水性媒体)
本発明の水性リキッド印刷インキに使用される水性媒体は、水を主成分とする水性媒体であり、下記(1)〜(3)を満たすことを特徴とする。
(1)水性リキッド印刷インキ全量中、有機溶剤を10質量%以下で含有する。
(2)前記水性媒体が、水と、水(100ml 25℃)への溶解度が1〜30(g/100ml)の有機溶剤(A)とを含有する。
(3)有機溶剤(A)とその他有機溶剤(B)の比率が10:90〜100:0の割合である。
(1)水性リキッド印刷インキ全量中前記有機溶剤(A)は、10質量%以下で含有することが好ましい。中でも 水への溶解性の観点から溶解度以下の 8質量%以下であることが好ましく6質量%以下であることが最も好ましい、一方下限は1質量%以上であることが好ましく3質量%以上であることがなお好ましい。
(2)前記水性媒体が、水と、水(100ml 25℃)への溶解度が1〜30(g/100ml)の有機溶剤(A)とを含有する事が好ましい。
本発明において、水への溶解度は、25℃において水100mlに溶解するg(グラム)で表している。25℃の水への溶解度が1〜30の有機溶剤(A)としては、例えば、1−ブタノール(溶解度6.57g・100ml)、イソブタノール(溶解度8.5g・100ml)、1−ペンタノール(2.2 g /100ml)、2−メチル−2−ペンタノール(3.24 g/100mL)、3−メチル−3−ペンタノール(4.5 g/100ml)、メチルエチルケトン(22.3g/100ml)等が挙げられる。中でも、1−ブタノール(溶解度6.57g/100ml)、イソブタノール(溶解度8.5g/100ml)、が好ましい。
尚、これら有機溶剤(A)は必要に応じて2種以上併用してもよい。
(3)有機溶剤(A)とその他有機溶剤(B)の比率が10:90〜100:0の割合である事が好ましい。中でも30:70〜100:0の割合であることが好ましく、50:50〜100:0 の割合であることが最も好ましい。
前記水性媒体が前記(1)〜(3)を満たすことで、本発明のレベリング性にすぐれ、印刷時にインキの泡立ち等がなく、印刷後のインキ皮膜物性に優れる水性リキッド印刷インキが得られることについては定かではないが以下のように推定している。
すなわち本発明では、前記(2)で定義するように、水への溶解性が若干低い(水への溶解度が1〜30の範囲の液体は一般に溶解度は低いと認識される)有機溶剤を、水に対し1割以下の割合で使用することで、表面張力のバランスが取れ消泡性に効いている可能性があるものである。
本発明においては、中でも、
(1)において水性リキッド印刷インキ全量中、有機溶剤(A)を8重量%以下で含有し、
(2)において有機溶剤(A)が1−ブタノール及び又はイソブタノールであり、
(3)において有機溶剤(A)とその他有機溶剤(B)の比率が30:70〜100:0の割合である組み合わせがなお好ましく、
更には
(1)において水性リキッド印刷インキ全量中、有機溶剤(A)を6重量%以下で含有し、
(2)において有機溶剤(A)が1−ブタノール及び又はイソブタノールであり、
(3)において有機溶剤(A)とその他有機溶剤(B)の比率が50:50〜100:0の割合である組み合わせが最も好ましい。
本発明で使用する水性媒体において、その他の有機溶剤(B)とは、水(100ml 25℃)への溶解度が1〜30(g/100ml)以外の水と混和する有機溶剤であり、本発明の効果を損なわない範囲内で使用してもよい。
前記水(100ml 25℃)への溶解度が30(g/100ml)以上の水と完全に混和する有機溶剤としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール(以下、NPAとも記載する)、イソプロピルアルコール(以下、IPAとも記載する)等の単官能アルコール、各種ジオール、グリセリン等の多価アルコールが挙げられる。
前記ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、プロピレングリコール、1,2ブタンジオール、3−メチル―1,3ブタンジオール、1、2ペンタンジオール、2−メチル―1,3プロパンジオール、1,2ヘキサンジオール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール等が挙げられる。
また、ビスフェノールA、ビスフェノールAの炭素数2又は3のアルキレンオキサイド(平均付加モル数1以上16以下)付加物である芳香族ジオールがとして、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等が挙げられる。
また、シクロヘキサンジオール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオールが挙げられる。
またエーテル類も挙げられ、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、エチルカルビトール等を挙げる事ができる。
また、γ-ブチロラクトンといったラクトン類等も挙げられる事ができる。
中でもメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール(以下、NPAとも記載する)、イソプロピルアルコール(以下、IPAとも記載する)、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル(1−メトキシ2−プロパノール)(PGMとも記載する)、エチレングリコールが好ましい。
また、水(100ml 25℃)への溶解度が1(g/100ml)未満であるものとしては、例えばトルエン等の芳香族溶剤、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類(溶解度が1g/100ml以上の酢酸プロピル、酢酸エチルを除く)やアルカン類を含む炭化水素系溶剤も水性インキ中で有機溶剤Aと混和可能であれば使用できる。
中でも、トルエン、酢酸ブチル、メチルシクロヘキサンが好ましい。
尚、その他の有機溶剤(B)は必要に応じて2種以上併用してもよい。
(着色剤)
本発明の水性リキッド印刷インキは着色剤を含有する。着色剤としては一般のインキ、塗料、及び記録剤などに使用されている染料、無機顔料、有機顔料を挙げることができる。中でも無機顔料や有機顔料等の顔料が好ましい。
有機顔料としては、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。また未酸性処理顔料、酸性処理顔料のいずれも使用することができる。以下に有機顔料として好ましいものの具体的な例を挙げる。
黒色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントブラック9、C.I.ピグメントブラック20等が挙げられる。
藍色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:5、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー24:1、C.I.ピグメントブルー25、C.I.ピグメントブルー26、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー64、C.I.ピグメントブルー75、C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントブルー80などが挙げられる。
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、C.I.ピグメントグリーン4、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン8、C.I.ピグメントグリーン10、C.I.ピグメントグリーン36などが挙げられる。
赤色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド20、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド43、C.I.ピグメントレッド46、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド48:5、C.I.ピグメントレッド48:6、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド49:3、C.I.ピグメントレッド52、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド53:2、C.I.ピグメントレッド53:3、C.I.ピグメントレッド54、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド58、C.I.ピグメントレッド58:1、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:3、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド63:3、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド89、C.I.ピグメントレッド95、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド119、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド136、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド147、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド164、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド181、C.I.ピグメントレッド182、C.I.ピグメントレッド183、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド200、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド210、C.I.ピグメントレッド211、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド237、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド239、C.I.ピグメントレッド240、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド247、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド251、C.I.ピグメントレッド253、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド256、C.I.ピグメントレッド257、C.I.ピグメントレッド258、C.I.ピグメントレッド260、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド263、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド266、C.I.ピグメントレッド268、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメントレッド271、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントレッド279、などが挙げられる。
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット2、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット3:1、C.I.ピグメントバイオレット3:3、C.I.ピグメントバイオレット5:1、C.I.ピグメントバイオレット13、C.I.ピグメントバイオレット19(γ型、β型)、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット25、C.I.ピグメントバイオレット27、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット31、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントバイオレット38、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントバイオレット50、などが挙げられる。
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー42、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメント、イエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー213等が挙げられる。
橙色顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ37、C.I.ピグメントオオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、又はC.I.ピグメントオレンジ74などが挙げられる。
茶色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、又はC.I.ピグメントブラウン26などが挙げられる。
中でも、好ましい顔料として、黒色顔料としてC.I.ピグメントブラック7、
藍色顔料としてC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、
緑色顔料としてC.I.ピグメントグリーン7、
赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド166、
紫色顔料としてC.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、
黄色顔料としてC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー139、
橙色顔料としてC.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ64、
等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも一種または二種以上を使用することが好ましい。
無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、リトボン、アンチモンホワイト、石膏などの白色無機顔料が挙げられる。無機顔料の中では酸化チタンの使用が特に好ましい。酸化チタンは白色を呈し、着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から好ましく、印刷性能の観点から該酸化チタンはシリカおよび/またはアルミナ処理を施されているものが好ましい。
白色以外の無機顔料としては、例えば、アルミニウム粒子、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、ジルコンが挙げられ、アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。
前記顔料の平均粒子径は、10〜200nmの範囲にあるものが好ましくより好ましくは50〜150nm程度のものである。
前記顔料は、リキッド印刷インキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちインキ組成物の総重量に対して1〜60重量%、インキ組成物中の固形分重量比では10〜90重量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの顔料は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
(バインダー樹脂)
本発明の水性リキッド印刷インキは、バインダー樹脂を含有する。バインダー樹脂としては特に限定なく一般の水性リキッド印刷インキに使用される、ウレタン樹脂、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸カリウム−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのアクリル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体などのスチレン−アクリル酸樹脂;スチレン−マレイン酸;スチレン−無水マレイン酸;ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体;ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体;酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体及びこれらの塩を使用することができる。これらは所望の物性に応じて適宜併用することもできる。
なかでも、前記バインダー樹脂としては、アクリル樹脂またはウレタン樹脂を使用することが、入手しやすく好ましい。
(アクリル樹脂)
前記アクリル樹脂としては、特に制限はなく、(メタ)アクリレートの単独重合または共重合、及び(メタ)アクリレートと共重合しうるビニルモノマーとを共重合させたコポリマーがあげられる。また水分散性や水溶性を付与する目的から酸価を有するコポリマーであることが好ましい。
尚本発明において「(メタ)アクリレート」はアクリレート及びメタクリレートのいずれか一方または両方を指し、「(メタ)アクリル」はアクリル及びメタクリルのいずれか一方または両方を指す。
(メタ)アクリレートや(メタ)アクリレートと共重合しうるビニルモノマーの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;2−ヒドロドキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキルポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート;パーフルオロアルキルエチル(メタ)アクリレート等のフッ素系(メタ)アクリレート;スチレン、スチレン誘導体(p−ジメチルシリルスチレン、(p−ビニルフェニル)メチルスルフィド、p−ヘキシニルスチレン、p−メトキシスチレン、p−tert−ブチルジメチルシロキシスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン等)、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレン等の芳香族ビニル化合物;グリシジル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールテトラ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシメトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレートトリシクロデカニル(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ウレタン(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート化合物;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノ基を有する(メタ)アクリレート;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、ナフチルビニルピリジン等のビニルピリジン化合物;1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエン等の共役ジエンなどが挙げられる。これらのモノマーは、1種で用いることも2種以上併用することもできる。
また、カルボキシル基及びカルボキシル基が塩基性化合物によって中和されたカルボキシレート基からなる群より選ばれる1種以上の酸性基を導入することを目的として、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンサクシネート、β−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート等のカルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーを共重合させることで、酸価を有するコポリマーを得ることができる。
酸性基を導入する場合は、後述で詳細に述べるが酸価が所望の範囲となるようにモノマー量を適宜調整することが好ましい。
前記コポリマーは、例えば、重合開始剤の存在下、50℃〜180℃の温度領域で各種モノマーを重合させることにより製造することができ、80℃〜150℃の温度領域であればより好ましい。重合の方法は、例えば、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等が挙げられる。また、重合様式は、例えば、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等が挙げられる。
本発明で使用するコポリマーはコアシェル型であってもよい。本発明においてコアシェル型樹脂は、重合体(a2)が重合体(a1)によって水性媒体中に分散された状態を指し、通常、重合体(a1)が樹脂粒子の最外部に存在することでシェル部を形成し、重合体(a2)の一部または全部がコア部を形成したものであることが多い。以後本発明において、シェル部を形成する樹脂を重合体(a1)とし、コア部を形成する樹脂を重合体(a2)と称す。
〔シェル部を構成する重合体(a1)〕
本発明で使用するコアシェル型樹脂は、シェル部を構成する重合体(a1)について、カルボキシル基及びそれを中和して形成されるカルボキシレート基からなる群より選ばれる1種以上の親水性基を有するアクリル樹脂を含むものによって構成されていることが好ましい。その際、シェル部の酸価は40mgKOH/g以上250mgKOH/g以下の範囲であることが好ましく、120mgKOH/g以下がなお好ましい。
前記、シェル部を構成する重合体(a1)のカルボキシル基は、塩基性化合物によって中和されカルボキシレート基を形成することが好ましい。
前記、中和に使用可能な塩基性化合物としては、例えばアンモニア、トリエチルアミン、モルホリン、モノエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等を使用することができ、アンモニア、トリエチルアミンを使用することが、塗膜の耐温水性、耐食性及び耐薬品性をより一層向上するうえで好ましい。
前記塩基性化合物の使用量は、得られるコアシェル型樹脂の水分散安定性をより一層向上するうえで、前記重合体(a1)が有するカルボキシル基の全量に対して[塩基性化合物/カルボキシル基]=0.2〜2(モル比)となる範囲で使用することが好ましい。
前記、重合性不飽和二重結合を有するモノマーのうち、カルボキシル基を有する(メタ)アクリルモノマーを含む(メタ)アクリルモノマーを重合して得られるものを使用することが好ましい。特に、前記重合体(a1)としては、前記重合体(a1)のガラス転移温度(Tg1)を20℃〜100℃の範囲に調整するうえで、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等を組み合わせ重合して得られるものを使用することが、造膜性に優れ、かつ、耐温水性、耐食性及び耐薬品性に優れた塗膜を形成するうえでより好ましい。
〔コア部を構成する重合体(a2)〕
前記、コア部を構成する重合体(a2)は、前述のアクリル樹脂と同様のアクリルモノマー等のコポリマーを使用することができる。
この際、コア部の重量平均分子量は200,000〜3,000,000の範囲であることが好ましく、800,000以上がなお好ましい。Tgは−30℃〜30℃の範囲であることが好ましい。
前記、コア部を構成する重合体(a2)は、前述のアクリル樹脂と同様のアクリルモノマー等のコポリマーを使用することができるが、中でも、水性媒体で製造することが好ましい。具体的には、前記、モノマーと重合開始剤等とを、水性媒体を含有する反応容器に一括供給または逐次供給し重合することによって製造することができる。その際、予め前記モノマーと水性媒体と必要に応じて反応性界面活性剤等とを混合することでプレエマルジョンを製造し、それと重合開始剤等とを、水性媒体を含有する反応容器に供給し重合してもよい。
前記、重合体(a2)を製造する際に使用可能な重合開始剤としては、例えば過硫酸塩、有機過酸化物、過酸化水素等のラジカル重合開始剤、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ開始剤を使用することができる。また、前記ラジカル重合開始剤は、後述する還元剤と併用しレドックス重合開始剤として使用しても良い。
前記過硫酸塩としては、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等を使用することができる。前記、有機過酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等を使用することができる。
また、前記還元剤としては、例えば、アスコルビン酸及びその塩、エリソルビン酸及びその塩(ナトリウム塩等)、酒石酸及びその塩、クエン酸及びその塩、ホルムアルデヒドスルホキシラートの金属塩、チオ硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、塩化第二鉄等を使用することができる。
重合開始剤の使用量は、重合が円滑に進行する量を使用すれば良いが、得られる塗膜の優れた耐食性を維持する観点から、少ない方が好ましく、ビニル重合体(a2)の製造に使用するモノマーの全量に対して、0.01質量%〜0.5質量%とすることが好ましい。また、前記重合開始剤を前記還元剤と併用する場合には、それらの合計量の使用量も前記した範囲内であることが好ましい。
また、前記プレエマルジョンを製造する際には、反応性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤等を使用してもよい。
前記コポリマーの酸価は、酸価20mgKOH/g以上、120mgKOH/g以下が好ましく、より好ましくは酸価25mgKOH以上である。酸価が20mgKOH/g以上であれば、硬化剤添加時、積層体の耐摩擦性、耐水摩擦性、及び耐スクラッチ性を向上する事が出来る。
尚、ここで言う酸価とは、樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数を示す。
前記コポリマーの重量平均分子量は、5,000〜100,000の範囲のものが好ましい。重量平均分子量5,000以上であれば、樹脂皮膜の耐熱性が低下することなく、積層体の耐摩擦性、及び耐水摩擦性を保持できる傾向にある。100,000以下であれば、積層体の基材密着性、耐スクラッチ性が兼備できる傾向にある。
前記コポリマーのガラス転移温度(Tg)は、0℃〜55℃の範囲である事が好ましい。前記コポリマーのTgが0℃以上であれば、皮膜強度が保たれ、積層体の耐水摩擦性が低下することなく、また55℃以下であれば、他の印刷層との相溶性が低下する事なく、積層体の耐摩擦性、耐水摩擦性、耐スクラッチ性が良好に保たれる傾向にある。
尚、前記ガラス転移温度(Tg1)は、いわゆる計算ガラス転移温度を指し、下記の方法で算出された値を指す。
(式1) 1/Tg(K)=(W1/T1)+(W2/T2)+・・・(Wn/Tn)
(式2) Tg(℃)=Tg(K)−273
式1中のW1、W2、・・・Wnは、重合体の製造に使用したモノマーの合計質量に対する各モノマーの質量%を表し、T1、T2、・・・Tnは、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度(K)を表す。なお、T1、T2、・・Tnの値は、Polymer Handbook(Fourth Edition,J.Brandrup,E.H.Immergut,E.A.Grulke 編)に記載された値を用いる。
また、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度が前記Polymer Hand Bookに記載されていないもののガラス転移温度は、示差走査熱量計「DSC Q−100」(TA Instrument社製)を用い、JIS K7121に準拠した方法で測定した。具体的には、真空吸引して完全に溶剤を除去した重合体を、20℃/分の昇温速度で−100℃〜+200℃の範囲で熱量変化を測定し、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点をガラス転移温度とした。
(ウレタン樹脂)
前記ウレタン樹脂としては、例えば、ポリエーテルポリオールやポリエステルポリオールやポリカーボネートポリオール等のポリオールと、アニオン性基、カチオン性基、ポリオキシエチレン基やポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン基である親水性基を有するポリオールと、ポリイソシアネートとを反応させて得られるウレタン樹脂等が挙げられる。また前記ウレタン樹脂の重量平均分子量は特に限定ないが、一般に5000〜200000であるものであればよく20000〜150000であることがより好ましい。
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ショ糖、アコニット糖、フェミメリット酸、燐酸、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリイソプロパノールアミン、ピロガロール、ジヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフタール酸、1,2,3−プロパントリチオール等の活性水素基を2個以上有する化合物にエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン、シクロフェキシレン等の環状エーテル化合物を付加重合したもの、又は、前記環状エーテル化合物をカチオン触媒、プロトン酸、ルイス酸等を触媒として開環重合したものが挙げられる。
前記ポリエステルポリオールは、ジオール化合物、ジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸化合物等の脱水縮合反応、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物の開環重合反応、及びこれらの反応によって得られるポリエステルを共重合させることによって得られる。このポリエステルポリオールの原料となるジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン、及びこれらのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
また、前記ポリエステルポリオールの原料となるジカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオールの原料となるヒドロキシカルボン酸としては、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(2−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば炭酸エステルと、低分子量のポリオール、好ましくは直鎖脂肪族ジオールとを反応させて得られるものを使用することができる。
前記炭酸エステルとしては、メチルカーボネートや、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネ−ト等を使用することできる。
前記炭酸エステルと反応しうる低分子量のポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F、4,4’−ビフェノール等の比較的低分子量のジヒドロキシ化合物や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールや、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオール等を使用することができる。
ポリカーボネート構造は、ポリカーボネート系ウレタン樹脂の製造に使用するポリオール及び前記ポリイソシアネートの合計質量に対して、10質量%〜90質量%の範囲で使用することが好ましい。
また、前記ウレタン樹脂は、水性リキッド印刷インキ中における分散安定性を付与するうえで親水性基を有する。前記親水性基としては、一般にアニオン性基やカチオン性基、ノニオン性基といわれるものを使用することができるが、なかでもアニオン性基やカチオン性基を使用することが好ましい。
前記アニオン性基としては、例えばカルボキシル基、カルボキシレート基、スルホン酸基、スルホネート基等を使用することができ、なかでも、一部または全部が塩基性化合物等によって中和されたカルボキシレート基やスルホネート基を使用することが、良好な水分散性を維持するうえで好ましい。
前記アニオン性基としてのカルボキシル基やスルホン酸基の中和に使用可能な塩基性化合物としては、例えばアンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、モルホリン等の有機アミンや、モノエタノールアミン等のアルカノールアミンや、Na、K、Li、Ca等を含む金属塩基化合物等が挙げられる。
また、前記カチオン性基としては、例えば3級アミノ基等を使用することができる。前記3級アミノ基の一部又は全てを中和する際に使用することができる酸としては、例えば、蟻酸、酢酸等を使用することができる。また、前記3級アミノ基の一部又は全てを4級化する際に使用することができる4級化剤としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のジアルキル硫酸類を使用することができる。
また、前記ノニオン性基としては、例えばポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基、ポリオキシブチレン基、ポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)基、及びポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン基等のポリオキシアルキレン基を使用することができる。なかでもオキシエチレン単位を有するポリオキシアルキレン基を使用することが、親水性をより一層向上させるうえで好ましい。
前記親水性基は、前記ウレタン樹脂全体に対して0.5質量%〜30質量%存在することがより一層良好な水分散性を付与し、1質量%〜20質量%の範囲であることがより好ましい。
また所望される物性によって後述する架橋剤を使用することができる。前記架橋剤を使用する場合、前記ウレタン樹脂としては、前記架橋剤の有する官能基と架橋反応しうる官能基を有するものを使用することが好ましい。
前記官能基としては、前記親水性基として使用可能なカルボキシル基やカルボキシレート基等が挙げられる。前記カルボキシル基等は、水性媒体中においてウレタン樹脂の水分散安定性に寄与し、それらが架橋反応する際には、前記官能基としても作用し、前記架橋剤の一部架橋反応しうる。
前記官能基としてカルボキシル基等を使用する場合、前記ウレタン樹脂としては、2〜55の酸価を有するものであることが好ましく、15〜50の酸価を有するものを使用することが、堅牢性を向上するうえで好ましい。なお、本発明でいう酸価は、前記ウレタン樹脂の製造に使用したカルボキシル基含有ポリオール等の酸基含有化合物の使用量に基づいて算出した理論値である。
前記ウレタン樹脂は、例えばポリオールとポリイソシアネートと、必要に応じて鎖伸長剤とを反応させることによって製造することができる。
前記鎖伸長剤としては、ポリアミンや、その他活性水素原子含有化合物等を使用することができる。

前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン類;N−ヒドロキシメチルアミノエチルアミン、N−ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、N−ヒドロキシプロピルアミノプロピルアミン、N−エチルアミノエチルアミン、N−メチルアミノプロピルアミン;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン;ヒドラジン、N,N’−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジン;コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド;β−セミカルバジドプロピオン酸ヒドラジド、3−セミカルバジッド−プロピル−カルバジン酸エステル、セミカルバジッド−3−セミカルバジドメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンを使用することができ、エチレンジアミンを使用することが好ましい。
前記その他活性水素含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレンリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等のグリコール類;ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等のフェノール類、及び水等を使用することができる
前記鎖伸長剤は、例えば前記鎖伸長剤の有するアミノ基及び活性水素原子含有基の当量が、前記ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られたウレタンプレポリマーの有するイソシアネート基の当量に対して、1.9以下(当量比)となる範囲で使用することが好ましく、0.0〜1.0(当量比)の範囲で使用することがより好ましく、より好ましくは0.5質量%が好ましい
前記鎖伸長剤は、前記ポリオールとポリイソシアネートを反応させる際、または、反応後に使用することができる。また、前記で得たウレタン樹脂を水性媒体中に分散させ水性化する際に、前記鎖伸長剤を使用することもできる。
また、上記以外のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ビスヒドロキシエトキシベンゼン、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン及びそれらのアルキレンオキシド付加物、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ペンタエリスリトール等の比較的低分子量のポリオールが挙げられる。これらの前記ポリオールは、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
前記ポリオールと反応しウレタン樹脂を形成するポリイソシアネートとしては、例えばフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族または脂肪族環式構造含有ジイソシアネート等を、単独で使用または2種以上を併用して使用することができる。
前記バインダー樹脂は、本発明の水性リキッド印刷インキの固形分換算で5〜50質量%であることが好ましい。5質量%以上であれば、インキ塗膜強度が低下することもなく、基材密着性、耐水摩擦性等も良好に保たれる。反対に50質量%を以下であれば、着色力が低下する事が抑制でき、また高粘度となる事が避けられ、作業性が低下することもない。中でも5〜40質量%であることがなお好ましく、5〜20質量%であることが最も好ましい。
(界面活性剤)
本発明においては、所望の物性に応じて、界面活性剤を添加することもできる。界面活性剤としては特に限定なく本技術分野において汎用の界面活性剤を使用することができるが、中でも、アセチレン系界面活性剤やアルコールアルコキシレート系界面活性剤が好ましい。
本発明で使用するアセチレン系界面活性剤として具体的には、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、3−ヘキシン−2,5−ジオール、2−ブチン−1,4−ジオール等が挙げられる。又、市販品としては、サーフィノール61、82、104(いずれも、エアープロダクツ社製)等 のアルキレンオキサイド非変性アセチレングリコール系界面活性剤や、
サーフィノール420、440、465、485、TG、2502、ダイノール604、607、サーフィノールSE、MD−20、オルフィンE1004、E1010、PD−004、EXP4300、PD−501、PD−502、SPC(いずれも、日信化学工業(株)製)、アセチレノールEH、E40、E60、E81、E100、E200(いずれも、川研ファインケミカル(株)製)等のアルキレンオキサイド変性アセチレングリコール系界面活性剤等が挙げられる。中でもアルキレンオキサイド変性アセチレングリコール系界面活性剤が好ましい。
また、本発明で使用するアルコールアルコキシレート系界面活性剤として具体的には、
DYNWET800(ビックケミー・ジャパン社製)が挙げられる。
これらアセチレン系界面活性剤、アルコールアルコキシレート系界面活性剤は各々単独で使用してもよいし、2つ以上組み合わせて使用してもよい。
これらアセチレン系界面活性剤及び/又はアルコールアルコキシレート系界面活性剤の添加量の総量がインキ全量の0.1〜1質量%である事が好ましい。これらのアセチレン系界面活性剤は、単独で使用してもよいし、2つ以上組み合わせて使用しても良く、アセチレン系界面活性剤及び/又はアルコールアルコキシレート系界面活性剤の添加量の総量がインキ全量の0.1質量%以上であれば、基材との塗れ性が向上し基材との密着性を保持する事ができる。アセチレン系界面活性剤及び/又はアルコールアルコキシレート系界面活性剤の添加量の総量がインキ全量の1質量%以下であれば、耐摩耗性、耐水性摩耗性、及び耐スクラッチ性が低下する事もない。
更に必要に応じ、その他アクリルポリマー系界面活性剤(例えばポリフローWS−314共栄社化学(株)社製)や、変性シリコーン系界面活性剤(例えばポリフローKL−401共栄社化学(株)社製)を使用してもよい。
使用する界面活性剤の総量は前記理由からインキ全量の0.1〜1質量%である事が好ましい。
(ワックス)
本発明においては、所望の物性に応じて、ワックスを添加することもできる。ワックスとしては、炭素系ワックスが好ましく、炭素ワックスとしては流動パラフィン、天然パラフィン、合成パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレンワックス、フルオロカーボンワックス、エチレン−プロピレン共重合体ワックス、4フッ化エチレン樹脂ワックス、フィッシャー・トロプシュワックス等が挙げられる。これらのワックスは、単独で使用してもよいし、2つ以上組み合わせて使用しても良く、これらワックスの添加量の総量がインキ全量の0.5〜5質量%である事が好ましい。ワックスの添加量の総量がインキ全量の0.5質量%以上であれば、耐摩耗性、耐水性摩耗性、及び耐スクラッチ性を保持する事ができる。ワックスの添加量の総量がインキ全量の5質量%以下であれば、基材との密着性、耐摩耗性、耐水性摩耗性、及び耐スクラッチ性を保持する事ができる。
(硬化剤)
本発明においては、所望の物性に応じて、硬化剤を添加することもできる。 本発明で使用する酸と反応しうる硬化剤としては、特に限定されることはなく水性媒体中で使用可能な酸基と反応しうる公知の硬化剤を使用することができる。例えば、エポキシ系硬化剤、カルボジイミド系硬化剤、オキサゾリン系硬化剤などが挙げられる。
前記エポキシ系硬化剤は、少なくとも1つのエポキシ基を有する化合物であれば、特に限定されない。エポキシ系硬化剤としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、変性ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ノボラックグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテルなどのエポキシ樹脂が挙げられる。
前記カルボジイミド系硬化剤は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を少なくとも1つ有する化合物であれば、特に限定されない。カルボジイミド系硬化剤としては、カルボジイミド基を少なくとも2つ以上有するポリカルボジイミド化合物が好ましい。
前記オキサゾリン系硬化剤は、オキサゾリン骨格を有する化合物であれば、特に限定されない。オキサゾリン系硬化剤としては、具体的には、日本触媒社製のエポクロスシリーズなどが挙げられる。
前記エポキシ化合物としてはビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、水素化ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよびそのオリゴマー、オルソフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p−オキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルおよびポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテルなどを挙げることができる。
本発明で使用する硬化剤の添加量は、インキ全量の固形分換算で0.1〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜9.0質量%の範囲である。
添加量が0.1質量%以上であれば硬化剤としての効果が得られる一方、10.0質量%以下であれば、基材密着性、耐摩擦性、耐水摩擦性が保持される傾向となる。
本発明においては、その他、体質顔料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤なども含むこともできる。中でも耐摩擦性、滑り性等を付与するためのオレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド等の脂肪酸アミド類及び印刷時の発泡を抑制するためのシリコン系、非シリコン系消泡剤及び顔料の濡れを向上させる各種分散剤等が有用である。
(水性リキッド印刷インキの製造方法)
本発明の水性リキッド印刷インキは、顔料、水性媒体、分散剤、消泡剤等を添加した混合物を分散機で分散し、顔料分散体を得る。得られた顔料分散体に樹脂、水性媒体、必要に応じてレベリング剤等の添加剤を加え、撹拌混合することで得られる。分散機としてはグラビア、フレキソ印刷インキの製造に一般的に使用されているビーズミル、アイガーミル、サンドミル、ガンマミル、アトライター等を用いて製造される。
本発明の水性リキッド印刷インキを、フレキソインキとして使用する場合、その粘度が離合社製ザーンカップ#4を使用し25℃にて7〜25秒であればよく、より好ましくは10〜20秒である。また、得られたフレキソインキの25℃における表面張力は、25〜50mN/mが好ましく、33〜43mN/mであればより好ましい。インキの表面張力が低いほどフィルム等の基材へのインキの濡れ性は向上するが、表面張力が25mN/mを下回るとインキの濡れ広がりにより、中間調の網点部分で隣り合う網点どうしが繋がり易い傾向にあり、ドットブリッジと呼ばれる印刷面の汚れの原因と成りやすい。一方、表面張力が50mN/mを上回るとフィルム等の基材へのインキの濡れ性が低下し、ハジキの原因と成り易い。
一方で本発明の水性リキッド印刷インキを、グラビアインキとして使用する場合、その粘度が離合社製ザーンカップ#3を使用し25℃にて7〜25秒であればよく、より好ましくは10〜20秒である。また、得られたグラビアインキの25℃における表面張力は、フレキソインキと同様に25〜50mN/mが好ましく、33〜43mN/mであればより好ましい。インキの表面張力が低いほどフィルム等の基材へのインキの濡れ性は向上するが、表面張力が25mN/mを下回るとインキの濡れ広がりにより、中間調の網点部分で隣り合う網点どうしが繋がり易い傾向にあり、ドットブリッジと呼ばれる印刷面の汚れの原因と成りやすい。一方、表面張力が50mN/mを上回るとフィルム等の基材へのインキの濡れ性が低下し、ハジキの原因と成り易い。
(印刷物)
本発明の水性リキッド印刷インキを基材に印刷し印刷層を設けることで印刷物を得る。通常は、グラビア方式やフレキソ方式の印刷方式を用いてインキを基材に塗布し、オーブンによる乾燥によって乾燥させて定着することで印刷層が得られる。乾燥温度は通常40〜60℃程度である。
基材としては例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリエチレンフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)等の脂肪族ポリエステル系樹脂に代表される生分解性樹脂、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂またはそれらの混合物等の熱可塑性樹脂よりなるフィルムやこれらの積層体が挙げられるが、中でも、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンからなるフィルムが好適に使用できる。
これらのフィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでも良く、その製法も限定されるものではない。また、基材フィルムの厚さも特に限定されるものではないが、通常は1〜500μmの範囲であればよい。
また、フィルムの印刷面には、コロナ放電処理がされていれば更に基材密着性を向上させる事ができ好ましい。また、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよい。
また、基材としてはポスター、チラシ、CDジャケット、ダイレクトメール、パンフレット、化粧品や飲料、医薬品、おもちゃ、機器等のパッケージ等の印刷に用いられる上質紙、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙等の紙、各種合成紙等であってもよい。
また、前記印刷層を有する印刷物を含む複数の基材を積層させた積層体においては、前記印刷層は積層体の最表層に位置していてもよいし(いわゆる表刷り)、複数の基材の間に印刷層が位置した積層体であってもよい(いわゆる裏刷り)。本発明の水性リキッド印刷インキはどちらの構成にも適用できるインキである。
以下実施例により、本発明をより詳しく説明する。尚、実施例中の「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」をそれぞれ表す。
尚、本発明におけるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR−Nを4本使用。カラム温度:40℃。移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。流速:1.0ml/分。試料濃度:1.0質量%。試料注入量:100マイクロリットル。検出器:示差屈折計。
また、アクリル樹脂の酸価は、樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数を示すものであり、各々乾燥させた水溶性樹脂を、JIS K2501に準じた水酸化カリウム・エタノール溶液による電位差滴定から算出した。
また、ガラス転移温度(Tg)は、いわゆる計算ガラス転移温度を指し、下記の方法で算出された値を指す。
(式1) 1/Tg(K)=(W1/T1)+(W2/T2)+・・・(Wn/Tn)
(式2) Tg(℃)=Tg(K)−273
式1中のW1、W2、・・・Wnは、重合体の製造に使用したモノマーの合計質量に対する各モノマーの質量%を表し、T1、T2、・・・Tnは、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度(K)を表す。なお、T1、T2、・・Tnの値は、Polymer Handbook(Fourth Edition,J.Brandrup,E.H.Immergut,E.A.Grulke 編)に記載された値を用いる。
また、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度が前記Polymer Hand Bookに記載されていないもののガラス転移温度は、示差走査熱量計「DSC Q−100」(TA Instrument社製)を用い、JIS K7121に準拠した方法で測定した。具体的には、真空吸引して完全に溶剤を除去した重合体を、20℃/分の昇温速度で−100℃〜+200℃の範囲で熱量変化を測定し、各ベースラインの延長した直線から縦軸方向に等距離にある直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線とが交わる点をガラス転移温度とした。
〔合成例1:シェル部アクリル樹脂(重合体a1)の作製〕
反応容器に攪拌器、温度計、滴下ロート、還流管を備え、酢酸n−プロピル60.0部を仕込む。窒素雰囲気下で攪拌しながら、温度90℃まで昇温した。一方でメチルメタクリレート36.0部、エチルメタクリレート10.0部、n−ブチルメタクリレート20.0部、イソブチルメタクリレート10.0部、2−エチルヘキシルアクリレート10.0部、アクリル酸14.0部、アゾビスイソブチロニトリル1.0部を酢酸n−プロピル40.0部に溶解し、滴下ロートを用いて4時間かけて滴下した。滴下終了後、更に6時間反応させた。反応終了後に冷却を行い、得られたアクリル樹脂溶液に30%アンモニア水を8.0部加えて中和した。更にイオン交換水を加えて加熱しながら溶剤置換を行い、固形分55%のアクリル樹脂の水溶液を得た。酸価は105 mgKOH/g、Tgは65℃、重量平均分子量は16,000であった。
〔合成例2:コア−シェル型アクリルエマルジョン(Ac1)の作製〕
合成例1で調製したアクリル樹脂水溶液121.2部を仕込んだ反応容器に、攪拌器、温度計、滴下ロート、還流管を備え、イオン交換水195.5部を加える。窒素雰囲気下で攪拌を行いながら温度75℃まで昇温した。続いて滴下ロートを用いてメチルメタクリレート30.0部、エチルメタクリレート20.0部、n−ブチルアクリレート25.0部、2−エチルヘキシルアクリレート25.0部、30%過硫酸アンモニウム3.3部を4時間かけて滴下した。滴下完了後、更に6時間反応を行い、固形分40%のコア−シェル型アクリルエマルジョン水溶液を得た。酸価は42mgKOH/g、Tgは10℃、重量平均分子量は1,200,000であった。
〔合成例3:ポリウレタン樹脂溶液(Pu)の作製〕
PLACCEL 212(ダイセル化学工業(株)製、ポリカプロラクトンジオール、水酸基価90 mgKOH/g)の186.9部およびイソホロジイソシアネート(IPDIと略す)の100.0部を仕込んだ。これを攪拌しながら、110℃に加熱した。1時間後、80℃まで冷却し、ジメチロールプロピオン酸(DMPAと略す)の20.1部、ジブチル錫ジラウレートの0.3部および酢酸エチルの76.8部を加え、80℃で2時間反応させた。ここに、バーノック DN−980S(DIC社製、ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート、NCO含量20%)の18.1部とメチルエチルケトン(MEKと略す)の408部を加えた。この時のNCO基含有量は固形分換算で4.9%であった。
これを30℃以下まで冷却し、トリエチルアミンの15.2部を加え、次いでイオン交換水の1293部を加えて水中油滴(O/W)型のエマルジョンを得た。続いてジエチレントリアミン5%水溶液の234部を徐々に加え、加え終わった後60℃に昇温して30分攪拌を続けた。
次いで、減圧下において、蒸留を行い、溶剤と水の一部を除去せしめた。
このものはやや乳白色を呈する半透明液体であり、少量を試験管に取ってテトラヒドロフラン(THFと略す)を加えると濁りを呈し、架橋して不溶解になっていることを示した。不揮発分39.6%で、粘度が160cpsで、pHが7.7で、平均粒子径が28.5nmであった。
〔実施例1〕
表1に示すフタロシアニンブルー(DIC社製LDB30)10.0部、コア−シェル型アクリルエマルジョン(Ac1)40.0部、水30.0部を撹拌混合しサンドミルで練肉した後、水14.0部、アルキレンオキサイド変性アセチレングリコール系界面活性剤であるサーフィノール420(日信化学工業(株)社製)1.0部、イソブタノール5.0部を攪拌混合し、得られた藍色印刷インキがザーンカップ#3(離合社製)で20秒である事を確認した。
〔実施例2〜28〕
表1,2に示す配合に従い、コア−シェル型アクリルエマルジョン(Ac1)40.0部を用い、実施例1と同様の手順にて藍色印刷インキを得た。得られた藍色印刷インキがザーンカップ#3(離合社製)で20秒である事を確認した。
〔実施例29〜53〕
表3、4に示す配合に従い、コア−シェル型アクリルエマルジョン(Ac1)の代わりに、ポリウレタン樹脂溶液(Pu)40.0部を用い、実施例1と同様の手順にて藍色印刷インキを得た。得られた藍色印刷インキがザーンカップ#3(離合社製)で20秒である事を確認した。
〔実施例54〜66〕
表5に示す配合に従い、フタロシアニンブルーの代わりに、酸化チタン(テイカ株式会社製TITANIX JR−708)30.0部、及びコア−シェル型アクリルエマルジョン(Ac1)35.0部を添加し、実施例1と同様の手順にて白色印刷インキを得た。得られた白色印刷インキがザーンカップ#3(離合社製)で20秒である事を確認した。
〔実施例67〜79〕
表6に示す配合に従い、酸化チタン(テイカ株式会社製TITANIX JR−708)30.0部、及びポリウレタン樹脂溶液(Pu)35.0部を添加し、実施例1と同様の手順にて白色印刷インキを得た。得られた白色印刷インキがザーンカップ#3(離合社製)で20秒である事を確認した。
〔比較例1〜12〕
表7に示す配合に従い、有機溶剤(A)を一切用いずにフタロシアニンブルー(DIC社製LDB30)10.0部を添加し、実施例1と同様の手順にて藍色印刷インキを得た。得られた藍色印刷インキがザーンカップ#3(離合社製)で20秒である事を確認した。
〔比較例13〜24〕
表8に示す配合に従い、有機溶剤(A)を一切用いずに酸化チタン(テイカ株式会社製TITANIX JR−708)30.0部を添加し、実施例1と同様の手順にて白色印刷インキを得た。得られた白色印刷インキがザーンカップ#3(離合社製)で20秒である事を確認した。
<印刷物の作製>
片面にコロナ放電処理を施した二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製 E5100 12μm)の処理面に、グラビア小型単色印刷機にてヘリオ70線/cmのコンプレストのベタ版を用い、作成した藍色印刷インキ、又は白色印刷インキで印刷速度50m/分で印刷し印刷物を得た。
作製した藍色印刷インキ、白色印刷インキ、及び得られた各印刷物を用い、インキの泡立ち、レベリング性の評価を行った。
<泡立ち>
前記印刷物作製時のグラビア小型単色印刷機にて50m/分で15分空転後インキパンに発生している泡立ちを目視評価した。
(評価基準)
5:泡はほぼ見られず観察中に消滅する
4:泡はインキ表面の30%以下である
3:泡はインキ表面の50%以下である
2:泡はインキ表面の80%以上である
1:泡がインキ表面の全体を覆っている
<レベリング性>
フイルム印刷面のインキのレベリング性の良否について、色の濃淡の均一性の観点より目視評価した。
(評価基準)
5:色の濃淡がなくレベリングが良好である
4:色の濃淡が僅かに見られるが殆ど目立たない
3:色の濃淡が見られるが使用上問題ない程度である。
2:色の薄い部分が筋状に発生しておりレベリングが劣る
1:色の薄い部分が筋状に大量に発生しておりレベリングが非常に劣っている
各印刷インキの組成、及びその印刷物の評価結果を表1〜8に示す。
Figure 0006979584
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以上の結果から、本発明の水性リキッドインキは、少ない有機溶剤の使用でもレベリング性にすぐれ、印刷時にインキの泡立ちがなく、溶剤系インキと遜色のない印刷が可能となる。
本発明の水性リキッドインキは、各種グラビア、フレキソ印刷物として、食品包材・サニタリー・コスメ・電子部品等工業製品向け用途に幅広く展開され得る。

Claims (4)

  1. 顔料と、バインダー樹脂と、水性媒体とを含有する水性リキッド印刷インキであって、(1)〜(3)を満たし、前記バインダー樹脂は、水性リキッド印刷インキの固形分換算で5質量%以上〜50質量%以下であり、
    印刷時の粘度が離合社製ザーンカップ#3を使用し25℃にて7〜25秒であり、
    前記バインダー樹脂としてアクリル樹脂及び/又はウレタン樹脂を含有する
    ことを特徴とする包装材印刷用のグラビア印刷に適用する水性リキッド印刷インキ。
    (1)水性リキッド印刷インキ全量中、有機溶剤を10質量%以下で含有する。
    (2)前記水性媒体が、水と、水(100ml 25℃)への溶解度が1〜30(g/100ml)の有機溶剤(A)とを含有し、前記有機溶剤(A)が、1−ブタノール、及び/又はイソブタノールである。
    (3)有機溶剤(A)とその他有機溶剤(B)の質量比率が、有機溶剤(A):その他有機溶剤(B)=10:90〜100:0の割合である。
  2. 前記有機溶剤(A)を水性リキッド印刷インキ全量中3質量%以上10質量%以下で含有する請求項1に記載の水性リキッド印刷インキ。
  3. 請求項1〜のいずれかに記載の水性リキッド印刷インキを基材に印刷した印刷物。
  4. プラスチックフィルムに1層または複数層の印刷層を有する積層体であって、前記印刷層の少なくとも1つが、請求項1〜のいずれかに記載の水性リキッド印刷インキの印刷層であることを特徴とする積層体。
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