JP6875831B2 - 表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物 - Google Patents

表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物 Download PDF

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Description

本発明は、保存時の経時安定性、印刷適性、表刷り印刷した印刷物の塗膜物性に優れる表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物、及びその印刷インキ組成物を用いて印刷してなる表刷り用水性フレキソ印刷物に関する。
菓子、米袋、パン、おにぎり等の商品の包装には、装飾や表面保護のために表刷りグラビア用印刷インキをプラスチックフィルムの表側に印刷し、食品と接触する裏側には印刷しないといった簡単な構成(表刷り印刷方式といわれる)の印刷物が利用されている。
このように、表刷りグラビア用印刷インキは、プラスチックフィルムの表側に印刷されるため、インキ皮膜は外部に直接曝されることになり、商品の取り扱い時等における強靭な皮膜物性が要求される。
従来、表刷りグラビア用印刷インキとしては、有機溶剤を使用したインキが使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかし、近年、環境対応型インキが要求されており、環境対応型インキとして、表刷り用水性フレキソ印刷インキが注目されるようになってきている。表刷り用水性フレキソ印刷インキは、有機溶剤を使用しないことから、印刷時に発生する二酸化炭素及びVOCの排出削減に有効であり、且つフレキソ印刷特有の薄い皮膜により、印刷時の省エネルギーに有効である。しかし、得られる印刷物は、塗膜物性が低位である問題を有しているものであった。
特開2009−114256号公報 特開2013−256551号公報 特開2013−234238号公報
本発明は、保存時の経時安定性、印刷適性、表刷り印刷した印刷物の塗膜物性に優れる表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物、及びそれを用いて印刷してなる表刷り用水性フレキソ印刷物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、下記の表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物、及びそれを用いて印刷してなる表刷り用水性フレキソ印刷物を発明した。
すなわち、本発明は、
1.
a.揮発性塩基性化合物で一部又は全てを中和した酸基含有樹脂エマルジョン
b.分子内に少なくとも2つ以上のヒドラジン残基を有するヒドラジン系化合物
c.水性ポリカルボジイミド化合物を、酸基含有樹脂エマルジョンの酸基の1当量に対して0.1〜1当量
d.顔料
e.界面活性剤
f.水性溶媒
を含有する表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物。
2.
酸基含有樹脂エマルジョンの樹脂の酸価が10〜100mgKOH/gであり、酸基がカルボキシル基である1に記載の表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物。
3.
酸基含有樹脂エマルジョンが、カルボキシル基を有する水溶性樹脂を高分子乳化剤として、水性溶媒中でエチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られるケト基及び/又はアルド基を有するものである1又は2に記載の表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物
4.
揮発性塩基性化合物が、アンモニアである1〜3のいずれかに記載の表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物。
5.
1〜4のいずれかに記載の表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物を用いて印刷してなる表刷り用水性フレキソ印刷物。
本発明の表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物によれば、保存時の経時安定性、印刷適性に優れたインキ組成物とすることができ、かつ塗膜物性に優れた表刷り印刷した印刷物を得ることができる。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、顔料、水性樹脂エマルジョン、架橋剤、界面活性剤、水性溶媒を含有する表刷り用水性印刷インキ組成物であって、水性樹脂エマルジョンとして揮発性塩基性化合物で一部又は全てを中和した酸基含有樹脂エマルジョンを使用し、架橋剤として架橋剤が分子内に少なくとも2つ以上のヒドラジン残基を有するヒドラジン系化合物及び水性ポリカルボジイミド化合物を使用し、水性ポリカルボジイミド化合物を、酸基含有樹脂エマルジョンの酸基の1当量に対して0.1〜1当量の範囲で含有させることにより、保存時の経時安定性、印刷適性、表刷り印刷した印刷物の塗膜物性に優れる表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物、及びその印刷インキ組成物を用いて印刷してなる表刷り用水性フレキソ印刷物を得ることを見出し、以下の本発明を完成するに至った。
以下、本発明の表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物、及びそのインキ組成物を印刷して得られる表刷り用水性フレキソ印刷物について、その構成毎に具体的に説明する。
<a.揮発性塩基性化合物で一部又は全てを中和した酸基含有樹脂エマルジョン>
揮発性塩基性化合物で一部又は全てを中和した酸基含有樹脂エマルジョンとしては、酸価が10〜100mgKOH/gであるものが好ましい。
酸基含有樹脂エマルジョンとしては、酸基含有ポリウレタン樹脂系エマルジョン、酸基含有アクリル樹脂系エマルジョン、スチレン−マレイン酸樹脂系エマルジョン、エチレン−アクリル酸樹脂系エマルジョン等が例示できる。
具体的には、カルボキシル基を有する水溶性樹脂を高分子乳化剤として、水性溶媒中でエチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られるケト基及び/又はアルド基を有する酸基含有樹脂エマルジョンである。
揮発性塩基性化合物で一部又は全てを中和した酸基含有樹脂エマルジョンの具体例について説明する。
本発明中の酸基含有樹脂エマルジョンを得るための、カルボキシル基を有する水溶性樹脂は、i成分:ラジカル重合性二重結合を有するカルボン酸および/または酸無水物を2〜50重量%、ii成分(必要に応じて使用される):ラジカル重合性二重結合を有するケトンおよび/またはアルデヒド化合物を0〜5重量%、およびiii成分:iおよびii成分を除くラジカル重合性二重結合を有する化合物を50〜98重量%共重合して得られ、アルカリ水溶液に溶解可能な共重合体樹脂である。なお、本発明では、i、iiおよびiii成分を合わせてI成分と称する。
ここで、i成分のラジカル重合性二重結合を有するカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等のジカルボン酸とそのモノアルキルエステル、モノヒドロキシアルキルエステル、モノアミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸等の酸無水物を挙げることができる。
これらのラジカル重合性二重結合を有するカルボン酸または酸無水物の中でも、得られる高分子乳化剤の乳化能の点から、モノカルボン酸、特にアクリル酸またはメタクリル酸の使用が好適である。
次に、ii成分のラジカル重合性二重結合を有するケトン化合物とは、分子中に少なくとも1つ以上のケト基を有するラジカル重合性化合物であって、具体的には、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリレート、アセトニル(メタ)アクリレート、ビニルアルキルケトン類等を挙げることができる。
また、ii成分のラジカル重合性二重結合を有するアルデヒド化合物とは、分子中に少なくとも1つ以上のアルド基を有するラジカル重合性化合物であって、アクロレイン、ホルミルスチロール、アルカナール(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
次に、iii成分としては、例えば以下に記載する(メタ)アクリル酸誘導体、スチレン系化合物およびマレイン酸誘導体が使用できる。
・(メタ)アクリル酸誘導体:(メタ)アクリル酸の炭素原子数が1〜18のアルキルエステル、炭素原子数が1〜18のアルキルアミド、炭素原子数が2〜4のヒドロキシアルキルエステル等で、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリルアミド、エチル(メタ)アクリルアミド、ブチル(メタ)アクリルアミド、ヘキシル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
・スチレン系化合物:スチレンおよび炭素原子数が8〜10程度のその誘導体で、具体的には、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ビニルトルエン等を挙げることができる。
・マレイン酸誘導体:マレイン酸の炭素原子数が1〜18のジアルキルエステル、炭素原子数が1〜18のジアルキルアミド、炭素原子数が2〜4のジヒドロキシアルキルエステル等で、具体的には、ジメチルマレート、ジエチルマレート、ジブチルマレート、ジオクチルマレート、ビス−2−ヒドロキシエチルマレート、マレイン酸ジメチルアミド、マレイン酸ジエチルアミド、マレイン酸ジブチルアミド等を挙げることができる。
なお、上記カルボキシル基を有する水溶性樹脂を得るための、i成分の使用量は2〜50重量%が好ましく、より好ましくは5〜20重量%、ii成分の使用量は0〜5重量%が好ましく、より好ましくは1〜4重量%、iii成分の使用量は50〜98重量%が好ましい。
ここでi成分の使用量が前記範囲より少ない場合は、カルボキシル基を有する水溶性樹脂がアルカリ化合物水溶液中で充分な溶解性が得られない可能性があり、乳化重合の安定性、さらに重合物の分散安定性が低下する可能性があると共に、得られる印刷インキの流動性も不良となる場合がある。一方、前記範囲を超える場合は、耐水性、印刷適性が低下して好ましくないときがある。
また、ii成分の使用量が前記範囲を超える場合は、得られた水性表刷り用フレキソインキ組成物が、経時での増粘・固化、印刷適性の低下を起こす可能性がある。
以上のI成分を共重合させてカルボキシル基を有する水溶性樹脂を得る方法としては、有機溶剤中で重合開始剤の存在下、前記化合物の混合物を所定の温度および反応時間で反応させた後、有機溶剤を留去する方法が利用できる。
ここで、使用可能な有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル系、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系、低級アルコール系、グリコールおよびその誘導体等を挙げることができ、一方、使用可能な重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類、ベンゾイルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物類、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物類、また、必要に応じて還元剤と組み合わせたレドックス系開始剤を挙げることができる。
このカルボキシル基を有する水溶性樹脂を高分子乳化剤として使用する場合、好適な分子量(数平均分子量、以下同じ)は3,000〜100,000、より好適には5,000〜30,000の範囲である。分子量が3,000より低くなると、得られる印刷インキに耐水性や耐ブロッキング性を持たせるために別の手段が必要となり、一方、100,000より高くなると、得られる印刷インキ粘度が高くなる。
またこのカルボキシル基を有する水溶性樹脂の酸価は20〜300mgKOH/gが好ましい。酸価が20mgKOH/g未満ではアルカリ化合物水溶液中での充分な溶解性が得られず、一方300mgKOH/gを超えると、得られる印刷インキの耐水性、印刷適性が低下する傾向がある。
次に、乳化重合に供されるラジカル重合性二重結合を有する化合物IIとしては、iv成分(必要に応じて使用される):ラジカル重合性二重結合を有するケトンおよび/またはアルデヒド化合物と、v成分:iv成分を除くラジカル重合性二重結合を有する化合物を使用するものである。なお、本発明では、ivおよびv成分を合わせてII成分と称する。
ここで、iv成分としては、上記ii成分として示したラジカル重合性二重結合を有するケトンおよびアルデヒド化合物を挙げることができる。
一方、v成分としては、上記i成分として例示した前記のラジカル重合性二重結合を有するカルボン酸および酸無水物、上記iii成分として例示した(メタ)アクリル酸誘導体、スチレン系化合物、マレイン酸誘導体が挙げられ、その他、炭素原子数2〜18の飽和カルボン酸のビニルエステル、具体的には、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどを挙げることができる。
これらのv成分の中でも、水性樹脂エマルジョンの分散性、得られる水性印刷インキの性能から、(メタ)アクリル酸誘導体、スチレン系化合物が好ましい。
以上のII成分の全量中、iv成分の使用量は0〜30重量%、v成分の使用量は70〜100重量%であることが好ましい。
ここで、iv成分の使用量が30重量%を超える場合は、経時での増粘・固化、印刷適性の低下が起こり得るので好ましくないことがある。
カルボキシル基を有する水溶性樹脂を高分子乳化剤として使用し、さらにII成分を用いて水性樹脂エマルジョンを合成する場合、結果的に、ii成分とiv成分の重量の和が、i〜v全単量体成分の重量の和に対して、0.5〜25質量%となるものである。ここでii成分とiv成分の重量の和が0.5質量%より少なくなると、インキのプラスチックフィルムに対する接着性やラミネート適性が低下して好ましくない。
また、I成分/II成分の重量比率は、20/80〜80/20、好ましくは30/70〜70/30となる範囲である。
ここで、I成分の重量比率が20/80より低くなると、インキの再溶解性、流動性や保存安定性が低下する可能性があり、一方、80/20より高くなるとインキの耐水性などが低下する可能性がある。
また、本発明中の酸基含有樹脂エマルジョンの単量体組成は、使用されるi〜vの全単量体成分を共重合した時、得られる重合体のガラス転移温度が−40〜50℃となる範囲に調整されていることが好ましい。この重合体のガラス転移温度が−40℃より低い場合は、得られる印刷インキが耐ブロッキング性を有するために別の手段が必要となり、一方、50℃よりも高くなると、耐揉み性、接着性を付与するために別の手段が必要となる。
以上のI成分を共重合して得られるアルカリ可溶性樹脂、II成分およびアルカリ水溶液を使用して、水性樹脂エマルジョンを製造する方法としては、アルカリ可溶性樹脂をアルカリ水溶液中に溶解させた後、II成分と重合開始剤との混合物を滴下し、所定の温度および反応時間で反応させる方法が利用できる。
ここで、アルカリ可溶性樹脂を水中に溶解させるために使用するアルカリ性物質としては、後述する揮発性塩基性化合物を使用する。なお、アルカリ性物質の使用量としては、アルカリ可溶性樹脂の中和量の100〜120%程度が最も適量であり、使用量が100%より少なくなるに従ってアルカリ可溶性樹脂の溶解性が低下傾向を示し、一方、120%より多くしたとしても、溶解性がさらに良好となることはない。
また、重合開始剤としては前記のアルカリ可溶性樹脂を製造するために使用する重合開始剤を使用することができる。
(揮発性の塩基性化合物)
本発明における揮発性の塩基性化合物としては、アンモニア、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、モノエタノールアミン等が例示でき、中でもアンモニアが好ましい。性能は低下しない範囲で、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ化合物、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、ジアザビシクロオクテン等の不揮発性アミン化合物も併用することが可能である。
<b.分子内に少なくとも2つ以上のヒドラジン残基を有するヒドラジン系化合物>
本発明における分子内に少なくとも2つ以上のヒドラジン残基を有するヒドラジン系化合物は架橋剤として使用される。
その分子内に少なくとも2つ以上のヒドラジン残基を有するヒドラジン系架橋剤としては、ヒドラジン残基を2つ以上有し、好ましくは水溶性のポリヒドラジンまたはヒドラジド化合物であって、ヒドラジンおよび以下の一般式(1)で示されるアルキレンジヒドラジン、あるいは、飽和脂肪族二塩基酸、不飽和二塩基酸のジヒドラジド化合物等を挙げることができる。
N−NH−X−NH−NH (1)
(式中、Xは1〜8個の炭素原子を有するアルキレン基、または1〜10個の炭素原子を有する飽和または不飽和二塩基酸の残基を表す)。
アルキレンジヒドラジンとして、具体的にはメチレンジヒドラジン、エチレンジヒドラジン、プロピレンジヒドラジン、ブチレンジヒドラジン等を挙げることができる。また、飽和脂肪族二塩基酸のジヒドラジド化合物として、具体的にはシュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド等を挙げることができ、さらに不飽和二塩基酸のジヒドラジド化合物として、具体的にはフタル酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド等を挙げることができる。
分子内に少なくとも2つ以上のヒドラジン残基を有するヒドラジン系架橋剤は、水性樹脂エマルジョン中に配合することが好ましく、使用量は、水性樹脂エマルジョン中に0.1〜5質量%であることが好ましく、0.4〜2.0質量%がさらに好ましい。
<c.水性ポリカルボジイミド化合物>
本発明において、水性ポリカルボジイミド化合物は架橋剤として使用される。
その水性ポリカルボジイミド化合物としては、V−02、V−02−L2、SV−02、V−04、V−10等の水溶性タイプ、E−02、E−03A、E−05等のエマルジョンタイプ(いずれも、日清紡ケミカル(株)製)が利用できる。水性ポリカルボジイミド化合物の使用量は、酸基含有樹脂エマルジョンの酸基の1当量に対して、0.1〜1当量の範囲で使用することが好ましく、0.1〜0.7当量がさらに好ましい。使用量が、0.1当量より少ないと塗膜強度が低下する傾向にあり、一方、1当量より多いとポットライフ(経時安定性)が低下する傾向にある。
<d.顔料>
本発明の表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物に使用する顔料としては、一般に水性印刷インキ組成物で使用できる無機顔料及び有機顔料である。例えば、ここで使用可能な無機顔料としては、酸化チタン、ベンガラ、アンチモンレッド、カドミウムレッド、カドミウムイエロー、コバルトブルー、紺青、群青、カーボンブラック、黒鉛など、有機顔料としては、溶性アゾ顔料、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料等を挙げることができる。さらに、炭酸カルシウム、カオリンクレー、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、タルクなどの体質顔料も併用して使用することができる。これら顔料の含有量としては、本発明の表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物中に0.5〜20.0質量%が好ましく、5.0〜15.0質量%とすることがさらに好ましい。
<e.界面活性剤>
印刷適性、レベリング性等を向上させる点から、界面活性剤を、表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物中に、0〜1.0質量%含有させることが好ましい。界面活性剤としては、サーフィノール82、104E、104H、104A、104PA、104PG−50、104S、420、440、465、485、SE、SE−F、PSA−336、61、2502、ダイノール604、607(日信化学工業(株)製)等のアセチレングリコール及びその誘導体、BYK−381、3441、302、307、325、331、333、342、345、346、347、348、349、378、3455(ビックケミー・ジャパン(株)製)等のシリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等が例示できる。
<f.水性溶媒>
水性溶媒としては水であり、必要に応じて、メタノール、エタノール、イソプロパノール、メトキシプロパノール等の低級アルコール又は低級アルコキシプロパノール等の水混和性溶剤も使用できる。
<その他添加剤>
その他、インキ性能の必要性に応じて、顔料分散用樹脂、顔料分散剤、耐ブロッキング剤、消泡剤、静電気防止剤等の各種添加剤を含有させる事もできる。特に顔料分散性を良好にするという観点から、顔料分散用樹脂としては、アルカリ水溶液に可溶な樹脂を使用することが好ましい。
<表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物の製造>
前記の各種材料を使用して、表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物を製造する方法としては、顔料、バインダー樹脂、水性溶媒、及び必要に応じて顔料分散剤を混合して混練し、さらに架橋剤等の所定の材料の残りを添加、混合する方法が一般的である。
<印刷物>
以上の方法により得られる表刷り用水性フレキソ印刷物は、フレキソ印刷方式によって、プラスチックフィルムに印刷することができる。
本発明の、表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物が印刷されるプラスチックフィルムとしては、ポリオレフィン、ポリエステル、ナイロンなどの各種プラスチックフィルムが挙げられ、特にコロナ放電処理などの表面処理されたものがより好適である。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部」は「質量部」を意味するものである。また、表中の各材料の分量の数字についても「質量部」である。
白色顔料分散体
酸化チタンを75質量部、ソルスパース190を7質量部、イソブタノールを1質量部、及び水17質量部の混合物をビーズミルで混練し白色顔料分散体を得た。
藍色顔料分散体
PB15:4を45質量部、アルカリ可溶型顔料分散用水溶性樹脂(MAA/MMA/SMA=15/75/10、アンモニア中和、固形分28%)を11質量部、顔料分散剤(ソルスパース27000)を2質量部、イソブタノールを2質量部、及び水16質量部の混合物をビーズミルで混練し藍色顔料分散体を得た。
実施例1〜12、比較例1〜4の表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物
水性樹脂エマルジョン
Figure 0006875831
AA: アクリル酸
MMA: メタアクリル酸
St: スチレン
2HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル
DAAM:ダイアセトンアクリルアミド
AV: 酸価
ADH: アジピン酸ジヒドラジド
NV: 固形分質量濃度
表2の配合となるように、各材料を配合し、撹拌混合し、実施例1〜12、比較例1〜4の表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物を得た。なお、界面活性剤としてサーフィノール82を使用した。
次いで、実施例1〜12、比較例1〜4の表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物をフレキソ印刷機で印刷し、ポットライフ、基材密着性、耐水耐摩擦性、耐ブロッキング性を評価した。
<ポットライフ>
表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物を調製後、3日後の塗工適性、塗膜物性により評価した。
評価基準
A:塗工適性、塗膜物性に問題がない
B:塗工適性、塗膜物性が低下している
<基材密着性>
印刷面にセロテープ(登録商標)を貼り付け、これを急速に剥がした時の印刷皮膜がフィルムから剥離する度合いから密着性を評価した。
評価基準
A:印刷皮膜がフィルムから全く剥離しない
B:印刷皮膜の面積比率として、20%未満がフィルムから剥離する
C:印刷皮膜の面積比率として、20%以上、50%未満がフィルムから剥離する
D:印刷皮膜の面積比率として、50%以上がフィルムから剥離する
<耐水耐摩擦性>
印刷面に、摩擦子に水に浸漬したカナキンを用い、学振型試験機(大栄科学精器製作所)にて荷重500gで200回数往復し、インキの脱落した度合いから耐水耐摩擦性を評価した。
評価基準
A:インキの脱落がない
B:インキが20%未満の範囲で脱落する
C:インキが20%以上、50%未満の範囲で脱落する
D:インキが50%以上の範囲で脱落する
<耐ブロッキング性>
印刷面と非印刷面を合わせて、バイスで締めこみ、40℃で1日間後に手で剥がし、インキの剥離の程度と強度から耐ブロッキング性を評価した。
評価基準
A:インキ皮膜の剥離が全くなく、剥離抵抗を感じられない
B:インキ皮膜の剥離が全くないが、剥離抵抗が感じられる
C:インキ皮膜が少し剥離し、剥離抵抗が強く感じられる
D:インキ皮膜がほとんど剥離し、剥離抵抗が強く感じられる
Figure 0006875831
水性カルボジイミド化合物を添加しなかった比較例1によれば、耐水耐摩擦性に劣る結果となった。水性カルボジイミド化合物を酸基含有樹脂エマルジョンの酸基の1当量に対して1.1当量添加した比較例2によれば、ポットライフが短く塗工適性、塗膜物性が低下した。
また、分子内に少なくとも2つ以上のヒドラジン残基を有するヒドラジン系化合物を含有しない比較例3によれば、基材密着性、耐水耐摩耗性及び耐ブロッキング性に劣っていた。
さらに、酸基含有樹脂エマルジョンの酸基の中和が揮発性塩基性化合物によりされていない比較例4によれば、耐水耐摩擦性に劣る結果となった。

Claims (5)

  1. a.揮発性塩基性化合物で一部又は全てを中和した酸基含有樹脂エマルジョンであり
    この酸基含有樹脂は、ラジカル重合性二重結合を有するケトン又はアルデヒド化合物を、全単量体成分の重量の和に対して0〜5重量%有する、カルボキシル基を有する水溶性樹脂を高分子乳化剤として、ラジカル重合性二重結合を有するケトン又はアルデヒド化合物を、ラジカル重合性二重結合を有する化合物全量中に0〜30重量%含有する成分を重合してなり、酸基含有樹脂を構成する全単量体成分の重量の和に対して、ラジカル重合性二重結合を有するケトン又はアルデヒド化合物が5〜25質量%である。
    b.分子内に少なくとも2つ以上のヒドラジン残基を有するヒドラジン系化合物
    c.水性ポリカルボジイミド化合物を、酸基含有樹脂エマルジョンの酸基の1当量に対して0.3〜1当量
    d.顔料
    e.界面活性剤
    f.水性溶媒
    を含有する表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物。
  2. 酸基含有樹脂エマルジョンの樹脂の酸価が10〜100mgKOH/gであり、酸基がカルボキシル基である請求項1に記載の表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物。
  3. 酸基含有樹脂エマルジョンが、カルボキシル基を有する水溶性樹脂を高分子乳化剤として、水性溶媒中でエチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られるケト基及び/又はアルド基を有するものである請求項1又は2に記載の表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物。
  4. 揮発性塩基性化合物が、アンモニアである請求項1〜3のいずれかに記載の表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の表刷り用水性フレキソ印刷インキ組成物を用いて印刷してなる表刷り用水性フレキソ印刷物。
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