JP6734506B2 - 活性エネルギー線硬化型インキおよび印刷物 - Google Patents

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JP6734506B2 JP2018241931A JP2018241931A JP6734506B2 JP 6734506 B2 JP6734506 B2 JP 6734506B2 JP 2018241931 A JP2018241931 A JP 2018241931A JP 2018241931 A JP2018241931 A JP 2018241931A JP 6734506 B2 JP6734506 B2 JP 6734506B2
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Description

本発明は、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を含有する活性エネルギー線硬化型インキに
関し、さらには、前記活性エネルギー線硬化型インキを用いた印刷物および印刷物の製造
方法に関する。
従来、フォーム用印刷物、各種書籍印刷物、カルトン紙等の各種包装用印刷物、各種プ
ラスチック印刷物、シール、ラベル用印刷物、美術印刷物、金属印刷物(美術印刷物、飲
料缶印刷物、缶詰等の食品印刷物)などの種々の印刷物を得るため、平版(湿し水を使用
する通常の平版および湿し水を使用しない水無し平版)、凸版、凹版、孔版印刷など種々
の印刷方式が採用されており、これら印刷には各々の印刷方式に適したインキが使用され
ている。
そのようなインキの一つとして活性エネルギー線を用いて印刷物を硬化させるタイプの
インキが知られており、近年における印刷の短納期化・環境対応への要求の高まりから、
従来使用されていた油性インキに替わり、速乾性で溶剤を使用しない活性エネルギー線硬
化型インキの使用が拡大している。
しかしながら、一般的に活性エネルギー線硬化型インキは、油性インキと比較してイン
キの流動性が劣ることが多く、印刷物の光沢性が得られにくかったり、インキの流動性に
起因する種々のトラブルが発生しやすかった。特に商業印刷に広く用いられる平版印刷法
で活性エネルギー線硬化型インキを使用した場合、インキの流動性が乏しいために、印刷
時にインキ壺からインキがローラーに掻き取られなくなるトラブル(インキ壺逃げ)が発
生しやすいという問題があった。インキの流動性を向上させる目的で顔料誘導体や分散剤
を用いることもあるが、顔料誘導体や樹脂型顔料分散剤は高極性のためインキが湿し水と
混合しやすくなり、印刷物の非画線部が汚れてしまう問題がある。
平版印刷用の活性エネルギー線硬化型インキのバインダーとしては、ジアリルフタレー
ト樹脂が知られており、印刷時の耐汚れ性や印刷物の濃度安定性、インキ塗膜の硬化速度
の向上など印刷適性が優れるため一般的に広く使用されているが、ジアリルフタレート樹
脂をインキのバインダーとして用いた場合、流動性が出にくいという欠点があった。
特許文献1には、ジアリルフタレート樹脂の欠点である流動性の向上を目的に、ジアリ
ルフタレート樹脂とウレタンアクリレート樹脂の併用が提案されている。しかし樹脂固形
分比率で25質量%以上のウレタンアクリレート樹脂を含有させることにより流動性を改
善しているが、添加量が多いためウレタンアクリレート樹脂の印刷適性への影響が無視で
きない。
また、特許文献2には、活性エネルギー線硬化型インキの流動性を向上させるために、
酸価50〜600(mgKOH/g)の重合体を含有するインキ組成物が提案されている
。しかしながら、水と油の反発により版面にインキ像を形成するオフセット印刷において
、疎水性であるインキが高酸価の重合体を含むことで親水性化され、印刷物の非画線部に
インキが付着し汚れの原因となる。
近年、従来の油性インキに替わり、活性エネルギー線硬化型インキの使用が拡大してい
る中、欠点であるインキの流動性および印刷再現性の向上が求められている。
特開2018−83864号公報 特開2010−159343号公報
本発明は、活性エネルギー線による硬化性を有し、流動性に優れるとともに印刷物の非
画線部汚れ耐性を向上させた活性エネルギー線硬化型インキの提供を目的とする。
上記課題を解決するために鋭意研究した結果、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を含有す
る活性エネルギー線硬化型インキは、顔料誘導体及び樹脂型顔料分散剤のような添加剤を
含有しなくても、インキの流動性に優れており、さらに印刷物の非画線部の汚れを低減す
ることが可能なことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明は、
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)と、(メタ)アクリレート基を含有する化合物(B)と、顔料とを含む平版印刷用活性エネルギー線硬化型インキであって、
平版印刷用活性エネルギー線硬化型インキの全質量を基準として、
(A)を0.1〜5.2質量%と、
(B)を20〜80質量%と、
顔料を0.5〜30質量%と、
を含有し、
(A)中の酢酸ビニル含有率が(A)全質量中5〜50質量%であり、
(A)の平均重合度が100〜1000であり、
25℃における粘度が20〜200Pa・sであることを特徴とする平版印刷用活性エネルギー線硬化型インキに関するものである。
また、本発明の第の発明は、
基材上に、上記の平版印刷用活性エネルギー線硬化型インキからなるインキ層を有する、印刷物に関するものである。
また、本発明の第の発明は、
基材に、上記の平版印刷用活性エネルギー線硬化型インキを平版印刷法で印刷し、活性エネルギー線を用いて硬化させることを特徴とする印刷物の製造方法に関するものである。
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体を含有する活性エネルギー線硬化型インキを使用するこ
とで、顔料誘導体及び樹脂型顔料分散剤のような添加剤を含有しなくても、インキの流動
性に優れるとともに、印刷物の非画線部の汚れを低減することが可能な活性エネルギー線
硬化型インキを得ることが可能となる。
本発明の、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)と(メタ)アクリレート基を含有する
化合物(B)と顔料とを含む活性エネルギー線硬化型インキについて説明する。
本発明における活性エネルギー線とは、硬化反応の出発物質が基底状態から遷移状態に
励起するのに必要なエネルギーのことを表し、本発明における活性エネルギー線とは、紫
外線や電子線をさす。
活性エネルギー線硬化型インキ組成物の光硬化方法には、一般的にメタルハライドラン
プあるいは高圧水銀ランプ、LEDのような紫外線を発光する光源が用いられている。
本発明における塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)は、塩化ビニル単量体、酢酸ビニ
ル単量体、重合開始剤を加熱混合し、共重合させることにより得られる。
本発明の塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)の平均重合度は100〜1000である
。平均重合度が100未満の場合は、インキの流動性に対して十分に効果を発揮せず、ま
た平均重合度が1000より多い場合は、(メタ)アクリレート基を含有する化合物(B
)への溶解性が低下し、インキを作製することができない。
また本発明の塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)中の酢酸ビニル含有率は、(A)全
質量中5〜50質量%である。酢酸ビニル含有率がこの範囲より少ない場合でも多い場合
でもインキの流動性に対して十分な効果を発揮しない。酢酸ビニル含有率の更に好ましい
含有率は、(A)全質量中7〜40質量%である。
共重合に際して使用される重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム
、過硫酸ナトリウムなどの過硫酸塩類や過酸価水素、ジイソプロピルパーオキシジカーボ
ネート、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイド
ロパーオキサイド、ジブチルパーオキサイドなどの有機過酸化物類、アゾビスイソブチロ
ニトリル、アゾビスイソバレロニトリルなどのアゾ系開始剤類が挙げられる。これらは単
独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)の製造は、一般に溶液重合法、沈殿重合法、懸濁
重合法、乳化重合法などにより行うことができる。
懸濁重合の場合の懸濁安定剤としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル部分ケ
ン化物等のポリビニルアルコール計重合体やメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、ポ
リアクリルアミド、マレイン酸−スチレン共重合体、マレイン酸−メチルビニルエーテル
共重合体等の合成高分子、澱粉、ゼラチン等の天然高分子などが挙げられる。懸濁安定剤
の使用量は塩化ビニル単量体及び酢酸ビニル単量体の合計量100質量%に対して0.0
1〜1質量%が好ましい。
乳化重合の場合の乳化剤としては、アルキルまたはアルキルアリル硫酸塩、アルキルま
たはアルキルアリルスルホン酸塩アルキルアリルスルホコハク酸塩等のアニオン性乳化剤
、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
、ポリオキシエチレンカルボン酸エステル等のノニオン性乳化剤などが挙げられる。乳化
剤の使用量は塩化ビニル単量体及び酢酸ビニル単量体の合計量100質量%に対して0.
5〜5質量%が好ましい。
重合に際しては、塩化ビニル単量体、酢酸ビニル単量体、重合開始剤、懸濁安定剤、乳
化剤などを重合開始時に一括して重合系に添加してもよいし、重合中に分割して添加する
こともできる。乳化重合の場合には重合後に公知の塩析法に従い、塩化ナトリウム、塩化
カルシウム、硫酸ナトリウムのような無機塩の水溶液を加えるか、水溶性有機溶剤を加え
るなどして粒子を凝集させた後、濾過、水洗し乾燥させ、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体
(A)を得ることができる。
このようにして得られた塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)は、活性エネルギー線硬
化型インキに使用するにあたり、予め(メタ)アクリレート基を含有する化合物(B)へ
溶解させ樹脂組成物とすることが望ましい。
樹脂組成物を得る方法としては、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)と、(メタ)ア
クリレート基を含有する化合物(B)と、必要に応じラジカル重合禁止剤とを混合し、温
度80〜120℃、空気雰囲気下で0.5〜2時間溶解することで得られる。
樹脂組成物中における(メタ)アクリレート基を含有する化合物(B)の含有量として
は、10〜90質量%である。ラジカル重合禁止剤の含有量としては、0.01〜5質量
%が好ましく、更に好ましくは0.1〜1質量%である。
(メタ)アクリレート基を含有する化合物(B)として具体的には、下記のものが例示
できる。
単官能モノマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ
レート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ
)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなど
のカーボン数が1〜18の(アルキル)(メタ)アクリレートがあり、さらにベンジル(
メタ)アクリレート、ブチルフェノール、オクチルフェノールまたはノニルフェノールま
たはドデシルフェノールのようなアルキルフェノール、エチレンオキサイド付加物の(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−ブトキ
シプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピ
レングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、アクリロイルオキシエチルフタレート
、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタレート、2−(メ
タ)アクリロイルオキシプロピルフタレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリル酸ダイマー、ω−カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)ア
クリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ
)アクリレート、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、(メタ)アクリロイ
ルモルフォリン等が例示される。
さらに2官能モノマーとしてエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート
ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネー
トジ(メタ)アクリレート、1,6ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−
ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、2,5−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオール
ジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−
オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールジ(
メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ド
デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールジ(メタ)ア
クリレート、1,2−テトラデカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,16−ヘキサ
デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジオールジ(メタ)アク
リレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル
−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2−プロピル−1,
3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジ
オールジ(メタ)アクリレート、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオ−ルジ(メタ
)アクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジ(メタ)アクリ
レート、ジメチロールオクタンジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサン
ジオールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2
−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジ
エチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロ
ールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジカプロラクトネートジ(
メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アク
リレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、
ビスフェノールSテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水素添加ビ
スフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水素添加ビス
フェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジ(メタ)アクリレート、水素添加ビスフ
ェノーAジ(メタ)アクリレート、水素添加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、
ビスフェノールAテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(メタ)アク
リレート、ビスフェノールFテトラエチレンオキサイド付加体ジカプロラクトネートジ(
メタ)アクリレート等が例示される。
3官能モノマーとしてグリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリカプロラクトネートトリ(メタ
)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールヘキ
サントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタントリ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が例示される。
4官能以上のモノマーとしてペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジグリセリン
テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、
ジトリメチロールプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジト
リメチロールエタンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンテトラ(メタ
)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロ
ールオクタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールヘプタ(メタ)アクリレー
ト、トリペンタエリスリトールオクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトール
ポリアルキレンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート等が例示される。
さらに(メタ)アクリレート基を含有する化合物(B)として、脂肪族アルコール化合
物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートがある。
脂肪族アルコール化合物のアルキレンオキサイド付加体(メタ)アクリレートモノマー
として脂肪族アルコール化合物のモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20
)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド、ブチレンオキサイド、ペンチレンオキサイド、ヘキシレンオキサイド他)
モノまたはポリ(1〜10)(メタ)アクリレートがある。
単官能モノマーとして、カーボン数が2〜20アルキレンオキサイド付加体(メタ)ア
クリレート、例えばメタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)
オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、エタノールモノまたはポリ(
1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして
例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アク
リレート、ブタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイ
ド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ヘキサノールモノまたはポリ(1〜2
0)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えば
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレー
ト、オクタノールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付
加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、ドデカノールモノまたはポリ(1〜20)
アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)(メタ)アクリレート、
ステアリルモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(
アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドがある。
さらにブチルフェノール、オクチルフェノールまたはノニルフェノールまたはドデシルフ
ェノールのモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(
アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレ
ンオキサイド)(メタ)アクリレート等が例示される。
さらに2官能モノマーとしてエチレングリコールモノまたはポリ(1〜20)アルキレ
ン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ジエチ
レングリコールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加
体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブ
チレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノまたはポリ(
1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして
例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C
20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコー
ルモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレ
ンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサ
イド)ジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノまたはポリ(1〜20)ア
ルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、
トリプロピレングリコールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキ
サイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ
またはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキ
サイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)
ジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(
C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ペンチルグ
リコールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(ア
ルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレン
オキサイド)ジ(メタネオペンチルグリコールモノまたはポリ(1〜20)(例えばエチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加体ジ(メタ)アク
リレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートモノまたはポリ(1〜20)アルキ
レン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネートモノまたはポリ(1〜20)
アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート
、1,6ヘキサンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキ
サイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサンジオールジ(
メタ)アクリレート、1,5−ヘキサンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン
(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,5−
ヘキサンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付
加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールモノまたはポ
リ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドと
して例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ
)アクリレート、1,8−オクタンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C
2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド
、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−オク
タンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体
(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド)ジ(メタ)アクリレートジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオ
ールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキ
レンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキ
サイド)ジ(メタ)アクリレート、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,
10−デカンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイ
ド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−デカンジオールモノまたは
ポリ(1〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイ
ドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(
メタ)アクリレート、1,12−ドデカンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレ
ン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2
−ドデカンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド
付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド
、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,14−テトラデカンジオールモノ
またはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキ
サイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)
ジ(メタ)アクリレート、1,2−テトラデカンジオールモノまたはポリ(1〜20)ア
ルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、
1,16−ヘキサデカンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20
)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、1,2−ヘキサデカンジ
オールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アル
キレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオ
キサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−メチル−2,4−ペンタンジオールモノまたは
ポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイド
として例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メ
タ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールモノまたはポリ(1〜20)
アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート
、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールモノまたはポリ(1〜20)ア
ルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、
2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(
C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,2−ジ
エチル−1,3−プロパンジオ−ルモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C2
0)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,2,4−トリメチ
ル−1,3−ペンタンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)
オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレン
オキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、ジメチロールオクタンモノ
またはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキ
サイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)
ジ(メタ)アクリレート、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールモノまたはポリ(1〜
20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例え
ばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリ
レート、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオールモノまたはポリ(1〜20)アル
キレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレン
オキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2
−メチル−1,8−オクタンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C
20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エ
チル−1,3−プロパンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20
)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレ
ンオキサイド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,
5−ペンタンジオールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサ
イド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド)ジ(メタ)アクリレートが例示される。
3官能モノマーとしてグリセリンモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C2
0)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロ
パンモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキ
レンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキ
サイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンモノまたはポリ(1〜20)
アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチ
レンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールヘキサンモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オ
キサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールオクタンモ
ノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオ
キサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド
)トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノまたはポリ(1〜20)アルキ
レン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)トリ(メタ)アクリレート等が
例示される。
4官能以上のモノマーとしてペンタエリスリトールモノまたはポリ(1〜20)アルキ
レン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、
ジトリメチロールプロパンモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキ
サイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパン
モノまたはポリ(1〜20)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド、ブチレンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロー
ルプロパンテトラカプロラクトネートテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエ
タンモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキ
レンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキ
サイド)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールエタンモノまたはポリ(1〜2
0)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレ
ンオキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールブタンポリ(1〜20
)アルキレンオキサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレン
オキサイド等)テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンモノまたはポリ
(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとし
て例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メ
タ)アクリレート、ジトリメチロールヘキサンモノまたはポリ(1〜20)アルキレンオ
キサイド(例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)
テトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールオクタンモノまたはポリ(1〜20)ア
ルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレ
ンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)テトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オ
キサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオ
キサイド、ブチレンオキサイド)ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
モノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレン
オキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイ
ド)ヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサカプロラクトネートモ
ノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオ
キサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド
)ヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールモノまたはポリ(1〜20)
アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)ヘプタ(メタ)アクリ
レート、トリペンタエリスリトールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2 〜C
20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロ
ピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)オクタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリ
スリトールモノまたはポリ(1〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体
(アルキレンオキサイドとして例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド)ヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリアルキレ
ンオキサイドヘプタ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールモノまたはポリ(
1〜20)アルキレン(C2 〜C20)オキサイド付加体(アルキレンオキサイドとし
て例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド)オクタ(メ
タ)アクリレート等が例示されるがこれに限るものではない。
さらに(メタ)アクリレート基を含有する化合物(B)として、活性エネルギー線硬化
性の(メタ)アクリル系オリゴマー、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)
アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレートを適宜使用できる。
オリゴマーの1例としては、ポリオール、多塩基酸および(メタ)アクリル酸のエステ
ル化物、さらにはエポキシアクリレート等が例示される。上記ポリオールとしてはエチレ
ングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど、多塩
基酸としては無水フタル酸、イソフタル酸、(無水)琥珀酸、(無水)マレイン酸、アジ
ピン酸、セバシン酸などが使用される。ポリオール、多塩基酸および(メタ)アクリル酸
のエステル反応は常法により行われる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、一般的な芳香族系或いは脂肪族系のウレタン
(メタ)アクリレートが挙げられる。一例を挙げると、トリレンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の(メタ)アクリレート等
が挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートとしては一般的な芳香族系或いは脂肪族系のエポキシ(
メタ)アクリレートが挙げられる。一例を挙げると、ビスフェノールAエポキシ、ビスフ
ェノールFエポキシ、ノボラックエポキシ、リン酸系エポキシ等の(メタ)アクリレート
等が挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては一般的なポリエステル(メタ)アクリレー
トの他、脂肪酸変性タイプ、塩素化ポリエステル等の(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
ラジカル重合禁止剤としては、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール
、レゾルシン、p −メトキシフェノール、t −ブチルカテコール、t −ブチルハイドロキ
ノン、ピロガロール、1,1−ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p −ベンゾキノン
、ニトロソベンゼン、2,5−ジ−tert−ブチル−p −ベンゾキノン、ジチオベンゾイル
ジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN−ニトロソフェニルヒドロキシル
アミン、トリ−p −ニトロフェニルメチル、N−(3−オキシアニリノ−1,3−ジメチ
ルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレ
ゾール、グアヤコール、o−イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチル
ケトキシム、シクロヘキサノンオキシム等の重合禁止剤が例示される。
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)の含有量は、活性エネルギー線硬化型インキの全
質量を基準として0.1〜10質量%が好ましく、0.2〜5質量%が更に好ましい。0.1質量%〜10質量%であることで、本発明の効果が十分に発揮され、インキの流動性が特に好適となる。
顔料としては、無機顔料および有機顔料を示すことができる。無機顔料としては黄鉛、
亜鉛黄、紺青、硫酸バリウム、カドミウムレッド、酸化チタン、亜鉛華、弁柄、アルミナ
ホワイト、炭酸カルシウム、群青、カーボンブラック、グラファイト、アルミニウム粉、
ベンガラなどが、有機顔料としては、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系、β−
オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系、ピラゾロン系などの溶性アゾ顔
料、β−ナフトール系、β−オキシナフトエ酸系アニリド系、アセト酢酸アニリド系モノ
アゾ、アセト酢酸アニリド系ジスアゾ、ピラゾロン系などの不溶性アゾ顔料、銅フタロシ
アニンブルー、ハロゲン化(塩素または臭素化)銅フタロシアニンブルー、スルホン化銅
フタロシアニンブルー、金属フリーフタロシアニンなどのフタロシアニン系顔料、キナク
リドン系、ジオキサジン系、スレン系(ピラントロン、アントアントロン、インダントロ
ン、アントラピリミジン、フラバントロン、チオインジゴ系、アントラキノン系、ペリノ
ン系、ペリレン系など)、イソインドリノン系、金属錯体系、キノフタロン系などの多環
式顔料および複素環式顔料などの公知公用の各種顔料が使用可能である。
顔料の含有量は、活性エネルギー線硬化型インキの全質量を基準として0.5〜30質
量%であり、より好ましくは1〜25質量%である。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキには、更に必要に応じて顔料誘導体及び/また
は樹脂型顔料分散剤を含有することができる。
顔料誘導体としては、有機色素に置換基を導入した化合物を使用できる。有機色素には
、一般に色素と呼ばれていないフタルイミド系、ナフタレン系、ナフトキノン系、アント
ラセン系、アントラキノン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。
顔料誘導体としては、例えば特開昭63−305173号公報、特公昭57−1562
0号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平05
−9469号公報、特開平06−306301号公報、特開2001−220520号公
報、特開2003−238842号公報、特開2006−96922号公報等に記載され
ているものを挙げることができる。これらは単独で使用しても、2種類以上併用してもよ
い。
顔料誘導体は、活性エネルギー線硬化型インキの全質量中1質量%未満の範囲で含有す
ることが好ましく、より好ましくは0〜0.5質量%、更に好ましくは0〜0.4質量%
である。1質量%以上含有すると、インキを平版印刷法で使用した場合、湿し水と混合し
やすくなり印刷物の非画線部汚れが発生する場合がある。
樹脂型顔料分散剤としては、顔料に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、色素担体
と相溶性のある部位とを有し、顔料に吸着し、顔料の色素担体への分散を安定化する働き
をするものである。樹脂型顔料分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレー
トなどのポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸
(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、
ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステル
や、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポ
リエステルとの反応により形成されたアミドやその塩などの油性分散剤、(メタ)アクリ
ル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、
スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどの水
溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル、変性ポリアクリレート、エチレンオキサ
イド付加化合物、プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が挙げられる。
これらは単独で使用しても、2種類以上併用してもよい。
市販の樹脂型顔料分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk
−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154
、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180
、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、
2025、2050、2070、2095、2150、2155、またはAnti−Te
rra−U、203、204、またはBYK−P104、P104S、220S、691
9、またはLactimon、Lactimon−WSまたはBykumene等、日本
ルーブリソール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、1324
0、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21
000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、
32500、32550、32600、33500、34750、35100、3660
0、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、チ
バ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、401
0、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、430
0、4310、4320、4330、4340、4400、4401、4402、440
3、4406、4408、4500、4510、4530、4540、4550、456
0、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、110
1、120、150、1501、1502、1503等、味の素ファインテクノ社製のア
ジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる
樹脂型顔料分散剤は、活性エネルギー線硬化型インキの全質量中1質量%未満の範囲で
含有することが好ましく、より好ましくは0〜0.5質量%、更に好ましくは0〜0.4
質量%である。1質量%以上含有すると、インキを平版印刷法で使用した場合、湿し水と
混合しやすくなり印刷物の非画線部汚れが発生する場合がある。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキには、更に必要に応じて塩化ビニル酢酸ビニル
共重合体(A)以外のバインダー樹脂を含有することができる。
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)以外のバインダー樹脂としては、ジアリルオルソ
フタレート樹脂、ジアリルイソフタレート樹脂、ジアリルテレフタレート樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、石
油(系)樹脂、セルロース誘導体(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、ニトロ
セルロース)、ポリアマイド樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリアマイド樹脂、ポリ
ビニルアセタール樹脂、ブタジエン−アクリルニトリル共重合体のような合成ゴム等が挙
げられる。これらの樹脂は、その中の1種または2種以上を用いることができる。
上記バインダー樹脂は、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)と同様に予め(メタ)ア
クリレート基を含有する化合物(B)へ溶解させ樹脂組成物とすることが望ましい。
樹脂組成物を得る方法としては、上記バインダー樹脂と、(メタ)アクリレート基を含
有する化合物(B)と、必要に応じてラジカル重合禁止剤とを混合し、温度80〜120
℃、空気雰囲気下で0.5〜2時間溶解することで得られる。
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)以外のバインダー樹脂の含有量は、活性エネルギ
ー線硬化型インキの全質量を基準として1〜30質量%であることが好ましく、5〜25
質量%であることが更に好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキ中の(メタ)アクリレート基を含有する化合物
(B)の含有量は、インキの全質量を基準として20〜80質量%であることが好ましく
、30〜75質量%であることがより好ましく、40〜70質量%であることが更に好ま
しい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキは、活性エネルギー線の照射によって硬化する
。紫外線でインキを硬化させる場合は、インキに光重合開始剤を添加することが好ましい
。一般に、光重合開始剤は、光により分子内で結合が開裂して活性種を生成する光開裂型
開始剤と、分子間で水素引き抜き反応を起こして活性種を生成する水素引き抜き型重合開
始剤との2種類に大別できる。
光開裂型開始剤としては、α−(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物、α−モル
フォリノアルキルフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物等が挙げられる
より具体的には、α−(ジメチル)アミノアルキルフェノン化合物として、2−ベンジ
ル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、または、
2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イ
ル−フェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられ、
α−モルフォリノアルキルフェノン化合物として、2−メチル−1−[4−(メチルチ
オ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられ、
アシルフォスフィンオキサイド化合物として、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフ
ェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニル
フォスフィンオキサイド等が挙げられる。
さらに、水素引き抜き型重合開始剤としては、ジアルキルベンゾフェノン化合物および
チオキサントン化合物等が挙げられる。
より具体的には、ジアルキルアミノベンゾフェノン化合物として、4,4’−ビス−(
ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス−(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン
等の4,4’−ジアルキルアミノベンゾフェノン類、4−ベンゾイル−4’−メチルジフ
ェニルスルフィド等が挙げられジアルキルアミノベンゾフェノン化合物は、単独で用いら
れてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。チオキサントン化合物としては、2,4
−ジエチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピル
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、4−ジイソプロピルチオキサントン
、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロ
ロチオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサン
トン、2−ヒドロキシ−3−(3,4−ジメチル−9−オキソ−9Hチオキサントン−2
−イロキシ)−N,N,N−トリメチル−1−プロパンアミン塩酸塩などが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、1種を単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキに紫外線を照射して、インキを硬化させる場合
、インキに光重合開始剤を添加するだけでよいが、硬化性をより向上させるために、増感
剤を併用することもできる。
増感剤としては、ベンゾフェノン、4−メチル−ベンゾフェノン、2,4,6−トリメ
チルベンゾフェノン、2,3,4−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェ
ノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、4−(1,3−アクリロイル
−1,4,7,10,13−ペンタオキソトリデシル)ベンゾフェノン、メチル−o−ベ
ンゾイルベンゾエート、〔4−(メチルフェニルチオ)フェニル〕フェニルメタノン、(
4−ベンゾイルベンジル)塩化トリメチルアンモニウム、2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシーシクロヘキシルーフェ
ニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−スチリルプロパン−1−オン重合物、ジ
エトキシアセトフェノン、ジブトキシアセトフェノン、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ
ル、ベンゾインノルマルブチルエーテルなどが挙げられる。これらは単独で使用しても、
2種類以上を併用してもよい。
活性エネルギー線として紫外線を使用する場合、光重合開始剤及び増感剤の配合量は、
活性エネルギー線硬化型インキの全質量を基準として、0.1〜20質量%であることが
好ましく、0.5〜15質量%であることがより好ましい。上記配合量を0.1質量%以
上とした場合、硬化反応が十分に進行する。また、上記配合量を20質量%以下とした場
合、熱重合反応の発生を抑制し活性エネルギー線硬化型インキの安定性を好適な状態にす
ることが容易である。
活性エネルギー線として、紫外線以外の電離放射線を使用する場合には、光重合開始剤
を配合しなくてもよい。
さらに、本発明の活性エネルギー線硬化型インキには、必要に応じてその他の添加剤を
使用することが可能である。
例えば、インキの保存安定性を付与する添加剤として、上記ラジカル重合禁止剤を例示
することができる。また、耐摩擦性、ブロッキング防止性、スベリ性、スリキズ防止性を
付与する添加剤としては、カルナバワックス、木ろう、ラノリン、モンタンワックス、パ
ラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの天然ワックス、フィッシャート
ロプスワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリテトラフルオロ
エチレンワックス、ポリアミドワックス、およびシリコーン化合物などの合成ワックス等
を例示することができる。
その他、要求性能に応じて、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、抗菌剤等の添加剤を添加す
ることができる。
本発明における活性エネルギー線硬化型インキの好ましい配合量は次のとおりである。
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A) :0.1〜10質量%
(メタ)アクリレート基を含有する化合物(B):20〜80質量%
顔料 :0.5〜30質量%
(A)以外のバインダー樹脂 :1〜30質量%
ラジカル重合禁止剤 :0.01〜3質量%
光重合開始剤および増感剤 :0〜20質量%
その他添加剤 :0〜10質量%
本発明の活性エネルギー線硬化型インキの製造方法は、従来の活性エネルギー線硬化型
インキと同様の方法によって行えばよく、例えば、常温から100℃の間で、上記顔料、
本発明の樹脂組成物、ラジカル重合性二重結合を有するモノマー、重合禁止剤、光重合開
始剤および増感剤、その他添加剤などインキ組成物成分を、ニーダー、三本ロール、アト
ライター、サンドミル、ゲートミキサーなどの練肉、混合、調整機を用いて製造される。
本発明の活性エネルギー線硬化型インキは、平版(湿し水を使用する通常の平版印刷お
よび湿し水を使用しない水無し平版印刷)、凸版、凹版、孔版など、各種印刷方法で使用
することができるが、好ましくは平版印刷法で使用することである。
本発明における活性エネルギー線硬化型インキを平版印刷法で用いる場合、インキの粘
度は、25℃において10〜200Pa・sであることが好ましく、更に好ましくは20
〜100Pa・sである。インキの粘度は、コーンプレート型の粘弾性測定装置によって
測定することができる。インキの粘度が10Pa・s未満、もしくは200Pa・sを超
えると、平版印刷時に非画線部汚れが発生しやすくなるため好ましくない。
印刷物の基材としては、特に制限はなく、紙、プラスチック、シール、ラベル、金属な
どあらゆる材料への印刷が挙げられ、好ましくは紙への印刷である。
以下に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例は本発明の権利
範囲を何ら制限するものではない。なお、本発明において、「部」は、「質量部」を表し
、「%」は「質量%」を表す。
(平均重合度)
本発明において、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)の平均重合度は、東ソー(株)
製ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(HLC−8320)で数平均分子量を測定
し算出した。検量線は標準ポリスチレンサンプルにより作成した。溶離液はテトラヒドロ
フランを、カラムにはTSKgel SuperHM−H(東ソー(株)製)3本を用いた
。測定は流速0.6ml/分、注入量10μl、カラム温度40℃で行った。さらに、本
発明において、特に断らない限り、「平均重合度」とは、数平均重合度を示す。
(酢酸ビニル含有率)
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)中の酢酸ビニル含有率は下記の方法で求めた。す
なわち、乾燥させた塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)を1.0g精秤し、アセトンに
溶解後、還流冷却器を備えた容器に投入し、水酸化ナトリウム/メタノール溶液を加えて
煮沸還流した。冷却後に塩酸/メタノール溶液で中和滴定を行い、未反応の水酸化ナトリ
ウムと生成した酢酸ナトリウムの量を測定することで(A)中の酢酸ビニル含有率を算出
した。
(合成例1)
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後、脱イオン水20
0部、塩化ビニル70部、酢酸ビニル30部、過硫酸カリウム4部、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル4部、ラウリル硫酸ナトリウム5部を仕込み、撹拌しながら60
℃に加熱して反応を開始し、重合が進み内圧が3kg/cm2に低下したところで未反応
ガスを排気して冷却し重合反応を完結させた。重合終了後、塩化ナトリウム20部、5%
塩酸10部、脱イオン水300部を添加して共重合体を析出させた。析出した共重合体を
脱イオン水500部/回を用いて5回洗浄−濾過操作を繰り返した後、乾燥して共重合体
を得た。表1に平均重合度および酢酸ビニル含有率を示した。
(合成例2)
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後、脱イオン水20
0部、塩化ビニル70部、酢酸ビニル30部、過硫酸カリウム2部、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル4部、ラウリル硫酸ナトリウム5部を仕込み、撹拌しながら60
℃に加熱して反応を開始し、重合が進み内圧が3kg/cm2に低下したところで未反応
ガスを排気して冷却し重合反応を完結させた。重合終了後、塩化ナトリウム20部、5%
塩酸10部、脱イオン水300部を添加して共重合体を析出させた。析出した共重合体を
脱イオン水500部/回を用いて5回洗浄−濾過操作を繰り返した後、乾燥して共重合体
を得た。表1に平均重合度および酢酸ビニル含有率を示した。
(合成例3)
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後、脱イオン水20
0部、塩化ビニル50部、酢酸ビニル50部、過硫酸カリウム1部、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル4部、ラウリル硫酸ナトリウム5部を仕込み、撹拌しながら60
℃に加熱して反応を開始し、重合が進み内圧が3kg/cm2に低下したところで未反応
ガスを排気して冷却し重合反応を完結させた。重合終了後、塩化ナトリウム20部、5%
塩酸10部、脱イオン水300部を添加して共重合体を析出させた。析出した共重合体を
脱イオン水500部/回を用いて5回洗浄−濾過操作を繰り返した後、乾燥して共重合体
を得た。表1に平均重合度および酢酸ビニル含有率を示した。
(合成例4)
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後、脱イオン水20
0部、塩化ビニル60部、酢酸ビニル40部、過硫酸カリウム1部、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル4部、ラウリル硫酸ナトリウム5部を仕込み、撹拌しながら60
℃に加熱して反応を開始し、重合が進み内圧が3kg/cm2に低下したところで未反応
ガスを排気して冷却し重合反応を完結させた。重合終了後、塩化ナトリウム20部、5%
塩酸10部、脱イオン水300部を添加して共重合体を析出させた。析出した共重合体を
脱イオン水500部/回を用いて5回洗浄−濾過操作を繰り返した後、乾燥して共重合体
を得た。表1に平均重合度および酢酸ビニル含有率を示した。
(合成例5)
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後、脱イオン水20
0部、塩化ビニル70部、酢酸ビニル30部、過硫酸カリウム1部、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル4部、ラウリル硫酸ナトリウム5部を仕込み、撹拌しながら60
℃に加熱して反応を開始し、重合が進み内圧が3kg/cm2に低下したところで未反応
ガスを排気して冷却し重合反応を完結させた。重合終了後、塩化ナトリウム20部、5%
塩酸10部、脱イオン水300部を添加して共重合体を析出させた。析出した共重合体を
脱イオン水500部/回を用いて5回洗浄−濾過操作を繰り返した後、乾燥して共重合体
を得た。表1に平均重合度および酢酸ビニル含有率を示した。
(合成例6)
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後、脱イオン水20
0部、塩化ビニル85部、酢酸ビニル15部、過硫酸カリウム1部、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル4部、ラウリル硫酸ナトリウム5部を仕込み、撹拌しながら60
℃に加熱して反応を開始し、重合が進み内圧が3kg/cm2に低下したところで未反応
ガスを排気して冷却し重合反応を完結させた。重合終了後、塩化ナトリウム20部、5%
塩酸10部、脱イオン水300部を添加して共重合体を析出させた。析出した共重合体を
脱イオン水500部/回を用いて5回洗浄−濾過操作を繰り返した後、乾燥して共重合体
を得た。表1に平均重合度および酢酸ビニル含有率を示した。
(合成例7)
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後、脱イオン水20
0部、塩化ビニル70部、酢酸ビニル30部、過硫酸カリウム0.8部、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル4部、ラウリル硫酸ナトリウム5部を仕込み、撹拌しながら
60℃に加熱して反応を開始し、重合が進み内圧が3kg/cm2に低下したところで未
反応ガスを排気して冷却し重合反応を完結させた。重合終了後、塩化ナトリウム20部、
5%塩酸10部、脱イオン水300部を添加して共重合体を析出させた。析出した共重合
体を脱イオン水500部/回を用いて5回洗浄−濾過操作を繰り返した後、乾燥して共重
合体を得た。表1に平均重合度および酢酸ビニル含有率を示した。
(合成例8)
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後、脱イオン水20
0部、塩化ビニル70部、酢酸ビニル30部、過硫酸カリウム0.6部、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル4部、ラウリル硫酸ナトリウム5部を仕込み、撹拌しながら
60℃に加熱して反応を開始し、重合が進み内圧が3kg/cm2に低下したところで未
反応ガスを排気して冷却し重合反応を完結させた。重合終了後、塩化ナトリウム20部、
5%塩酸10部、脱イオン水300部を添加して共重合体を析出させた。析出した共重合
体を脱イオン水500部/回を用いて5回洗浄−濾過操作を繰り返した後、乾燥して共重
合体を得た。表1に平均重合度および酢酸ビニル含有率を示した。
(合成例9)
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後、脱イオン水20
0部、塩化ビニル70部、酢酸ビニル30部、過硫酸カリウム8部、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル4部、ラウリル硫酸ナトリウム5部を仕込み、撹拌しながら60
℃に加熱して反応を開始し、重合が進み内圧が3kg/cm2に低下したところで未反応
ガスを排気して冷却し重合反応を完結させた。重合終了後、塩化ナトリウム20部、5%
塩酸10部、脱イオン水300部を添加して共重合体を析出させた。析出した共重合体を
脱イオン水500部/回を用いて5回洗浄−濾過操作を繰り返した後、乾燥して共重合体
を得た。表1に平均重合度および酢酸ビニル含有率を示した。
(合成例10)
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後、脱イオン水20
0部、塩化ビニル35部、酢酸ビニル65部、過硫酸カリウム1部、ポリオキシエチレン
ノニルフェニルエーテル4部、ラウリル硫酸ナトリウム5部を仕込み、撹拌しながら60
℃に加熱して反応を開始し、重合が進み内圧が3kg/cm2に低下したところで未反応
ガスを排気して冷却し重合反応を完結させた。重合終了後、塩化ナトリウム20部、5%
塩酸10部、脱イオン水300部を添加して共重合体を析出させた。析出した共重合体を
脱イオン水500部/回を用いて5回洗浄−濾過操作を繰り返した後、乾燥して共重合体
を得た。表1に平均重合度および酢酸ビニル含有率を示した。
(合成例11)
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後、脱イオン水20
0部、塩化ビニル97部、酢酸ビニル3部、過硫酸カリウム1部、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル4部、ラウリル硫酸ナトリウム5部を仕込み、撹拌しながら60℃
に加熱して反応を開始し、重合が進み内圧が3kg/cm2に低下したところで未反応ガ
スを排気して冷却し重合反応を完結させた。重合終了後、塩化ナトリウム20部、5%塩
酸10部、脱イオン水300部を添加して共重合体を析出させた。析出した共重合体を脱
イオン水500部/回を用いて5回洗浄−濾過操作を繰り返した後、乾燥して共重合体を
得た。表1に平均重合度および酢酸ビニル含有率を示した。
(合成例12)
攪拌機、温度計及び窒素ガス導入口を備えた重合容器に、窒素置換後、脱イオン水20
0部、塩化ビニル70部、酢酸ビニル30部、過硫酸カリウム0.4部、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル4部、ラウリル硫酸ナトリウム5部を仕込み、撹拌しながら
60℃に加熱して反応を開始し、重合が進み内圧が3kg/cm2に低下したところで未
反応ガスを排気して冷却し重合反応を完結させた。重合終了後、塩化ナトリウム20部、
5%塩酸10部、脱イオン水300部を添加して共重合体を析出させた。析出した共重合
体を脱イオン水500部/回を用いて5回洗浄−濾過操作を繰り返した後、乾燥して共重
合体を得た。表1に平均重合度および酢酸ビニル含有率を示した。
(製造例1)
合成例1で得た樹脂1を20部、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート79.
8部、ターシャリーブチルヒドロキノン0.2部を混合し、100℃で溶解させた後、室
温まで冷却し、樹脂組成物1を得た。
(製造例2〜11)
樹脂1をそれぞれ樹脂2〜11に変更した以外は製造例1と同様にして樹脂組成物2〜
11を得た。
(製造例12)
樹脂1を樹脂12に変更した以外は製造例1と同様にして樹脂組成物を得ようとしたが
、樹脂12のジトリメチロールプロパンテトラアクリレートへの溶解性が乏しく樹脂組成
物は得られなかった。
(ジアリルフタレートワニスの製造)
塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)以外のバインダー樹脂としてジアリルフタレート
樹脂((株)大阪ソーダ社製 ダイソーダップA)を用いた。活性エネルギー線硬化型イ
ンキで用いるにあたり、ジアリルフタレート樹脂30部、ジトリメチロールプロパンテト
ラアクリレート69.8部、ターシャリーブチルヒドロキノン0.2部を混合し、100
℃で溶解させた後、室温まで冷却し、ワニスを得た。
(実施例1〜17、比較例1〜5)
表2の組成に従って、実施例1〜17および比較例1〜5の活性エネルギー線硬化型イ
ンキを三本ロールミルにて練肉することによって得た。得られた活性エネルギー線硬化型
インキの「粘度」および「流動性」を測定し、平版印刷法で作成した印刷物の「非画線部
汚れ」および印刷機上での「インキ壺逃げ」を調べた。その結果をあわせて表2に示す。
<印刷物の非画線部汚れ評価方法>
実機の枚葉平版印刷機LITHRONE L426(小森コーポレーション)にて印刷
を10000枚/時間の速度で行い、5000枚印刷終了時の印刷物にて非画線部の汚れ
を目視で評価した。
(評価基準)○:汚れ無し、△:軽微な汚れ有り、×:汚れ有り
<粘度の測定方法>
粘度は、ThermoFisherScientific(株)製粘弾性測定装置(H
AAKE RheoStress6000)を使用し、測定温度25℃、コーンプレート
(直径:20mm、傾斜角:0.5°、せん断速度:120s-1)、の条件で測定した。
<流動性の測定方法>
インキ2.1ccを半球状の窪みのついた金属板に入れ、2分間静置させた後、60度
に傾け10分間で流れた長さを測定し、以下の評価基準に基づいて評価を行った。値が高
いほどインキのしまりが少なく、流動性が良好であることを示す。
(評価基準)○:70mm以上、△:50mm以上〜70mm未満、×:50mm未満
<インキ壺逃げの測定方法>
上記印刷条件にて印刷を行い、印刷中のインキ壺にてインキが供給ローラーに掻き取ら
れない「インキ壺逃げ」トラブル発生の有無を観察した。
(評価基準)○:20分以上発生しない、△:10分以上20分未満で発生しない、×:
10分未満で発生する
本発明の実施例1〜17のインキは、比較例1〜5のインキよりも流動性に優れており
、インキの壺逃げが発生せず、また非印刷部の汚れが少なかった。
これらの結果により、本発明の活性エネルギー線硬化型インキは印刷時のトラブルを解
消できるとともに、印刷物の耐汚れ性が良好であることが分かった。

Claims (3)

  1. 塩化ビニル酢酸ビニル共重合体(A)と、(メタ)アクリレート基を含有する化合物(B)と、顔料とを含む平版印刷用活性エネルギー線硬化型インキであって、
    平版印刷用活性エネルギー線硬化型インキの全質量を基準として、
    (A)を0.1〜5.2質量%と、
    (B)を20〜80質量%と、
    顔料を0.5〜30質量%と、
    を含有し、
    (A)中の酢酸ビニル含有率が、(A)全質量中5〜50質量%であり、
    (A)の平均重合度が、100〜1000であり、
    25℃における粘度が20〜200Pa・sであることを特徴とする平版印刷用活性エネルギー線硬化型インキ。
  2. 基材上に、請求項記載の平版印刷用活性エネルギー線硬化型インキからなるインキ層を有する、印刷物。
  3. 基材に、請求項記載の平版印刷用活性エネルギー線硬化型インキを平版印刷法で印刷し、活性エネルギー線を用いて硬化させることを特徴とする、印刷物の製造方法。
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