JP7157751B2 - ポリビニルアルコールフィルム及びその製造方法 - Google Patents

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    • C08J2329/02Homopolymers or copolymers of unsaturated alcohols
    • C08J2329/04Polyvinyl alcohol; Partially hydrolysed homopolymers or copolymers of esters of unsaturated alcohols with saturated carboxylic acids

Description

本発明は、ポリビニルアルコールフィルム(以下、「ポリビニルアルコール」を「PVA」と略記することがある)及びその製造方法に関する。
光の透過および遮蔽機能を有する偏光板は、液晶表示装置(LCD)の重要な構成要素である。液晶表示装置は、ノートパソコン、液晶モニター、液晶カラープロジェクター、液晶テレビ、車載用ナビゲーションシステム、携帯電話、屋内外で用いられる計測機器など幅広い分野において用いられている。
偏光板は、通常、ロールから巻き出されたPVAフィルムを染色して一軸延伸した後にホウ素化合物で固定処理を行う方法などによって偏光フィルムを製造した後、得られた偏光フィルムの片面または両面に三酢酸セルロースフィルムや酢酸・酪酸セルロースフィルム等の保護膜を貼り合わせることによって工業的に製造される。
近年、液晶モニターや液晶テレビ等の大画面化やノートパソコン、携帯電話等の軽量化が進んでいる。また、偏光板のコストの低減も求められている。このようなことから、薄くて、幅広の偏光フィルムが求められている。このような偏光フィルムの製造には、原反として、薄くて、幅広のPVAフィルムが用いられるが、このようなPVAフィルムは、延伸性が不十分であり問題となっていた。
特許文献1には、PVAフィルムの製造方法であって、(a)回転軸が互いに平行な複数の乾燥ロールを備える製膜装置を使用し、当該製膜装置の第1乾燥ロール上にPVAを含む製膜原液を吐出して部分乾燥させた後にそれに続く乾燥ロールで更に乾燥させて製膜し;その際に、(b)第1乾燥ロールの周速(S)に対する最終乾燥ロールの周速(S)の比(S/S)を0.955~0.980にし;(c)揮発分率が20質量%になったときのPVAフィルムの幅(H20)および揮発分率が9質量%になったときのPVAフィルムの幅(H)より計算される収縮率[(1-H/H20)×100](%)を1%以上にし;PVAフィルムの揮発分率が20質量%になったときの乾燥ロールから、PVAフィルムの揮発分率が9質量%になったときの乾燥ロールまでの各乾燥ロールの表面温度について、これらの平均値を85℃以上にする;方法が記載されている。しかしながら、当該方法によって得られるPVAフィルムは、延伸性が不十分であった。
特許文献2には、PVAフィルムの製造方法であって、(a)回転軸が互いに平行な3個以上の乾燥ロールを備える製膜装置を使用し、当該乾燥ロールのうち最上流に位置する第1乾燥ロール上にPVAを含む製膜原液を吐出して部分乾燥させた後に、それに続く乾燥ロールでさらに乾燥させて製膜し;その際に(b)第1乾燥ロールから剥離するときのPVAフィルムの揮発分率を20~40質量%にし;(c)第1乾燥ロールの周速(S)に対する第2乾燥ロールの周速(S)の比(S/S)を1.015~1.050にし;(d)第2乾燥ロールまたはそれより下流の乾燥ロールのうちPVAフィルムの揮発分率が20質量%になったときの乾燥ロール(第x乾燥ロール)とPVAフィルムの揮発分率が10質量%になったときの乾燥ロール(第y乾燥ロール)との間における、隣接する2つの乾燥ロールのうちの上流の乾燥ロールの周速(S)に対する下流の乾燥ロールの周速(Sn+1)の比(Sn+1/S)をいずれも0.992~0.999にする;製造方法が記載されている。しかしながら、当該方法は、薄いPVAフィルムの製造には適していなかった。
WO2016/084836号 WO2014/050696号
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、優れた延伸性を有し、なおかつ延伸後の幅の変動が小さい、薄くて幅広のPVAフィルム及びその簡便な製法方法を提供することを目的とする。
上記課題は、幅3m以上、長さ1,000m以上、厚み15~65μmのPVAフィルムであって、長さ方向のピッチを15m、幅方向のピッチを10mmとして測定されたレターデーション値が下記式(1)~(4)を満足することを特徴とするPVAフィルムを提供することによって解決される。
Figure 0007157751000001
式中、
Remax(nm):端から10mmの位置におけるレターデーションの最大値
Remin(nm):端から10mmの位置におけるレターデーションの最小値
Reave(nm):端から10mmの位置におけるレターデーションの平均値
Re(nm):端から10mmの位置における測定点i(i=1~n、nは整数)のレターデーション値
Retotal(nm):全測定点のレターデーションの平均値
である。
上記課題は、前記PVAフィルムの製造方法であって、回転軸が互いに平行な複数の乾燥ロールを備える製膜装置を使用し、前記複数の乾燥ロールが、第1乾燥ロールから第m乾燥ロール(mは3以上の整数を示す)からなり、ダイから第1乾燥ロール上にPVAを含む製膜原液を吐出して乾燥させることによってフィルムを得た後に、第2乾燥ロール~第m乾燥ロールを用いて前記フィルムをさらに乾燥させる工程を有し、第1乾燥ロールから剥離するときのフィルムの揮発分率が12~20%であり、第1乾燥ロールの周速(S)に対する第2乾燥ロールの周速(S)の比(S/S)が1.015~1.050であり、第2乾燥ロールの周速(S)に対する、前記フィルムの揮発分率が11質量%以下になってから初めて接触する乾燥ロール(第x乾燥ロール)の周速(S)の比(S/S)が0.970~0.995であり、第2乾燥ロールから第x乾燥ロールまでのロール温度の平均が63~81℃である、PVAフィルムの製造方法を提供することによっても解決される。
このとき、前記PVAを含む製膜原液の揮発分率が60~75質量%であり、第1乾燥ロールの周速(S)が8~25m/分であることが好ましい。
本発明のPVAフィルムは、薄くて幅広であっても優れた延伸性を有するうえに、延伸後の幅の変動が小さい。本発明の製造方法によれば、このようなPVAフィルムを簡便に製造することができる。このようなPVAフィルムを用いることにより、光学性能に優れた、薄くて幅広の光学フィルム等を生産性良く製造できる。
PVAフィルム中のレターデーションの測定点を示した模式図である。
本発明のPVAフィルムは、幅3m以上、長さ1,000m以上、厚み15~65μmであって、長さ方向のピッチを15m、幅方向のピッチを10mmとして測定されたレターデーション値が下記式(1)~(4)を満足するものである。
Figure 0007157751000002
式中、
Remax(nm):端から10mmの位置におけるレターデーションの最大値
Remin(nm):端から10mmの位置におけるレターデーションの最小値
Reave(nm):端から10mmの位置におけるレターデーションの平均値
Re(nm):端から10mmの位置における測定点i(i=1~n、nは整数)のレターデーション値
Retotal(nm):全測定点のレターデーションの平均値、
である。
本発明のPVAフィルムは、長さ方向のピッチを15m、幅方向のピッチを10mmとして測定されたレターデーション値が上記式(1)~(4)を満足する。ここで、フィルムのレターデーションRe(nm)は下記式で示される。具体的には、実施例に記載された方法によりPVAフィルムのレターデーションRe(nm)を測定することができる。
Re=d×Δn
[式中、dはフィルム厚み(nm)、Δnはフィルムの複屈折である。]
上記式(1)及び(2)中のRemax、Remin、Reave及びReは、前記PVAフィルムの端から10mmの位置におけるレターデーション値を測定して求める。図1は、このときのPVAフィルム1中の測定点i(i=1~n、nは整数)を示す模式図である。PVAフィルム1の両端2、3からそれぞれ10mmの位置において、PVAフィルム1の長さ方向4に15mピッチ5にて、レターデーションを測定する。このときの、PVAフィルム1の端2、3からそれぞれ10mmの位置における各測定点i(i=1~n、nは整数)のレターデーション値がReである。PVAフィルム1の両端2、3からそれぞれ10mmの位置における全測定点i中のレターデーションの最大値がRemax、最小値がRemin、数平均値がReaveである。後述するように、乾燥後のPVAフィルムの両端部(耳)を切断する場合には、切断後のPVAフィルム1の両端2、3からそれぞれ10mmの位置におけるレターデーションを測定して、Re、Remax、Remin及びReaveを求める。
後述するように、上記式(3)中のRetotalを求めるために、PVAフィルム1全体のレターデーションを測定する。通常、このときに、PVAフィルム1の両端2、3からそれぞれ10mmの位置が含まれるように測定を行う。このときの測定値を用いて、Retotalとともに、Re、Remax、Remin及びReaveも求める。
上記式(1)中のA及び上記式(2)中のBはいずれも本発明のPVAフィルムの長さ方向のレターデーションの斑の指標となる。上記式(1)及び(2)を満たし、長さ方向のレターデーションの斑が小さい本発明のPVAフィルムは延伸性に優れるうえに、延伸後の幅の変動も小さい。当該PVAフィルムを延伸して製造される光学フィルムは優れた光学性能を有する。上記式(1)中のAが10nmを超える場合には、得られる光学フィルムの光学性能が不十分となる。また、延伸性や延伸後のフィルム幅の均一性も低下する。Aは、9.5nm以下が好ましい。上記式(2)中のBが1.5nmを超える場合には、得られる光学フィルムの光学性能が不十分となる。また、延伸性や延伸後のフィルム幅の均一性も低下する。Bは、1.2nm以下が好ましい。一方、Bは、通常0.1nm以上である。
上記式(3)中のRetotal(nm)は、長さ方向のピッチを15m、幅方向のピッチを10mmとして、PVAフィルム全体についてレターデーションを測定した際の、全測定点のレターデーションの数平均値である。Retotalが上記式(3)で示される範囲であることにより、PVAフィルムの延伸性が向上する。Retotalは18nm以下が好ましい。上述したとおり、通常、PVAフィルム全体についてレターデーションを測定する際に、PVAフィルム1の両端2、3からそれぞれ10mmの位置が含まれるように測定を行う。このときの測定値を用いて、RetotalとともにRe、Remax、Remin及びReaveも求める。
上記式(4)は、Retotalに対するAの比(A/Retotal)を規定したものである。Aは、PVAフィルムの端から10mmの位置におけるレターデーションの最大値Remaxと最小値Reminの差であり、この差が小さいほど得られる光学フィルムの光学特性が向上して好ましいようにも思われる。しかしながら、本発明者らはPVAフィルムの延伸性と得られる光学フィルムの光学性能とを向上させるべく鋭意検討を重ねたところ、驚くべきことに、Retotalに対するAの比(A/Retotal)を0.3以上とすることにより、光学性能がほとんど低下することなく、延伸性が大幅に向上することを見出した。前記比(A/Retotal)は0.4以上がより好ましい。一方、前記比(A/Retotal)は2以下が好ましく、1以下がより好ましい。
本発明のPVAフィルムの厚みは15~65μmであり、幅は3m以上である。上記式(1)~(4)を満足する本発明のPVAフィルムは、このように薄くて幅広であっても、優れた延伸性を有し、なおかつ延伸後の幅の変動が小さい。このようなPVAフィルムを用いることにより、光学性能に優れた、薄くて幅広の光学フィルムを生産性良く製造できる。
前記PVAフィルムの延伸性がより向上する観点からは、前記PVAフィルムの厚みが20μm以上であることが好ましい。また、前記PVAフィルムの幅は3.5m以上が好ましい。一方、現実的な生産機で偏光フィルム等の光学フィルムを製造する場合に、フィルムの幅があまりに広すぎると均一な一軸延伸が困難になることがあるので、PVAフィルムの幅は8m以下であることが好ましい。
本発明のPVAフィルムの長さは1,000m以上である。本発明のPVAフィルムは、延伸性に優れる。したがって、光学フィルムの原反として当該PVAフィルムを用いることにより、長期間安定して光学フィルムを製造することができる。前記PVAフィルムの長さは50,000m以下が好ましく、20,000m以下がより好ましい。
本発明のフィルムに用いられるPVAとして、ビニルエステルを重合して得られるポリビニルエステルをけん化することにより製造されたものを使用することができる。ビニルエステルとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、バーサティック酸ビニル等を挙げることができる。上記のビニルエステルの中でも、入手容易性、コスト、PVAの製造の容易性などの観点から、酢酸ビニルが好ましい。
上記のポリビニルエステルは、単量体として1種または2種以上のビニルエステルのみを用いて得られたものが好ましく、単量体として1種のビニルエステルのみを用いて得られたものがより好ましいが、1種または2種以上のビニルエステルと、これと共重合可能な他の単量体との共重合体であってもよい。
このようなビニルエステルと共重合可能な他の単量体としては、例えば、エチレン;プロピレン、1-ブテン、イソブテン等の炭素数3~30のオレフィン(α-オレフィン等);アクリル酸またはその塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸i-プロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸i-ブチル、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸2-エチルへキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸またはその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸i-プロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸i-ブチル、メタクリル酸t-ブチル、メタクリル酸2-エチルへキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-エチルアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩、N-メチロールアクリルアミドまたはその誘導体等のアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N-メチルメタクリルアミド、N-エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸またはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンまたはその塩、N-メチロールメタクリルアミドまたはその誘導体等のメタクリルアミド誘導体;N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニルピロリドン等のN-ビニルアミド;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n-プロピルビニルエーテル、i-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、i-ブチルビニルエーテル、t-ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテル等のビニルエーテル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニル;酢酸アリル、塩化アリル等のアリル化合物;マレイン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;イタコン酸またはその塩、エステルもしくは酸無水物;ビニルトリメトキシシラン等のビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニルなどを挙げることができる。上記のポリビニルエステルは、これらの他の単量体の1種または2種以上に由来する構造単位を有することができる。
上記のポリビニルエステルに占める上記他の単量体に由来する構造単位の割合は、ポリビニルエステルを構成する全構造単位のモル数に基づいて、15モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。
上記のPVAは1種または2種以上のグラフト共重合可能な単量体によって変性されたものであってもよい。当該グラフト共重合可能な単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸またはその誘導体;不飽和スルホン酸またはその誘導体;炭素数2~30のα-オレフィンなどが挙げられる。PVAにおけるグラフト共重合可能な単量体に由来する構造単位の割合は、PVAを構成する全構造単位のモル数に基づいて、5モル%以下であることが好ましい。
上記のPVAは、その水酸基の一部が架橋されていてもよいし架橋されていなくてもよい。また上記のPVAは、その水酸基の一部がアセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等のアルデヒド化合物などと反応してアセタール構造を形成していてもよいし、これらの化合物と反応せずアセタール構造を形成していなくてもよい。
PVAの重合度は特に制限されないが、フィルム強度や得られる光学フィルムの耐久性などの観点から、500以上であることが好ましく、1,000以上であることがより好ましく、1,500以上であることがさらに好ましく、2,000以上であることが特に好ましい。一方、重合度が高すぎると製造コストの上昇や製膜時における工程通過性の不良に繋がる傾向があることから、PVAの重合度は10,000以下であることが好ましく、9,000以下であることがより好ましく、8,000以下であることがさらに好ましく、7,000以下であることが特に好ましい。なお、本明細書でいうPVAの重合度はJIS K6726-1994の記載に準じて測定される平均重合度を意味する。
PVAのけん化度は特に制限されないが、得られるPVAフィルムから製造される光学フィルムの光学性能や耐久性などの観点から、PVAのけん化度は95モル%以上であることが好ましく、98モル%以上であることがより好ましく、99モル%以上であることがさらに好ましく、99.2モル%以上であることが特に好ましい。なお、本明細書におけるPVAのけん化度とは、PVAが有する、けん化によってビニルアルコール単位に変換され得る構造単位(典型的にはビニルエステル単位)とビニルアルコール単位との合計モル数に対して当該ビニルアルコール単位のモル数が占める割合(モル%)をいう。PVAのけん化度はJIS K6726-1994の記載に準じて測定することができる。
本発明のPVAフィルムの原料として、1種のPVAを単独で用いてもよいし、変性の種類や変性率、重合度、けん化度などが互いに異なる2種以上のPVAを併用してもよい。但し、光学フィルムを製造する際の原反として用いる場合のように本発明のPVAフィルムに優れた二次加工性が求められる場合などにおいて、PVAフィルムが、カルボキシル基、スルホン酸基等の酸性官能基を有するPVA;酸無水物基を有するPVA;アミノ基等の塩基性官能基を有するPVA;これらの中和物など、架橋反応を促進させる官能基を有するPVAを含むと、PVA分子間の架橋反応によってPVAフィルムの二次加工性が低下することがある。そのため、上記のような場合においてPVAフィルムは、酸性官能基を有するPVA、酸無水物基を有するPVA、塩基性官能基を有するPVAおよびこれらの中和物のいずれも含まないことが好ましい。PVAとして、ビニルエステルのみを単量体に用いて得られたポリビニルエステルをけん化することにより製造されたPVA、および/または、ビニルエステルとエチレンおよび/または炭素数3~30のオレフィンのみを単量体に用いて得られたポリビニルエステルをけん化することにより製造されたPVAのみを含むことがより好ましく、PVAとして、ビニルエステルのみを単量体に用いて得られたポリビニルエステルをけん化することにより製造されたPVA、および/または、ビニルエステルとエチレンのみを単量体に用いて得られたポリビニルエステルをけん化することにより製造されたPVAのみを含むことがさらに好ましい。
こうして得られたPVAを用いて前記PVAフィルムを製造する。本発明のPVAフィルムの製法は特に限定されないが、回転軸が互いに平行な複数の乾燥ロールを備える製膜装置を使用し、前記複数の乾燥ロールが、第1乾燥ロールから第m乾燥ロール(mは3以上の整数を示す)からなり、ダイから第1乾燥ロール上にポリビニルアルコールを含む製膜原液を吐出して乾燥させることによってフィルムを得た後に、第2乾燥ロール~第m乾燥ロールを用いて前記フィルムをさらに乾燥させる工程を有し、第1乾燥ロールから剥離するときのフィルムの揮発分率が12~20%であり、第1乾燥ロールの周速(S)に対する第2乾燥ロールの周速(S)の比(S/S)が1.015~1.050であり、第2乾燥ロールの周速(S)に対する、前記フィルムの揮発分率が11質量%以下になってから初めて接触する乾燥ロール(第x乾燥ロール)の周速(S)の比(S/S)が0.970~0.995であり、第2乾燥ロールから第x乾燥ロールまでのロール温度の平均が63~81℃である、方法によって製造することが好ましい。
製膜原液として、PVAを液体媒体と混合した溶液や、液体媒体などを含むPVAチップを溶融させた溶融液が用いられる。これらは、撹拌式混合装置、溶融押出機などを使用して調製することができる。その際に用いる液体媒体としては、例えば、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなどを挙げることができる。これらの液体媒体は1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも水、ジメチルスルホキシド、またはそれらの混合物が好ましく用いられ、水がより好ましく用いられる。
得られるPVAフィルムの延伸性がさらに向上する点から、製膜原液は可塑剤を含むことが好ましい。可塑剤を含む製膜原液を用いることにより可塑剤を含むPVAフィルムが得られる。可塑剤としては多価アルコールが好ましく用いられ、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパンなどを挙げることができる。可塑剤は、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。なかでも、グリセリン、ジグリセリンおよびエチレングリコールのうちの1種または2種以上が好ましく使用される。
可塑剤の含有量は、PVA100質量部に対して0.1~30質量部であることが好ましく、3~25質量部であることがより好ましく、5~20質量部であることが特に好ましい。可塑剤の含有量がPVA100質量部に対して30質量部以下であることにより、得られるPVAフィルムの取り扱い性が向上する。
PVAフィルムを製造する際の乾燥ロールからの剥離性の向上、得られるPVAフィルムの取り扱い性などの点から、製膜原液は界面活性剤を含むことが好ましい。界面活性剤を含む製膜原液を用いることにより界面活性剤を含むPVAフィルムが得られる。界面活性剤の種類としては特に限定はないが、アニオン性界面活性剤またはノニオン性界面活性剤が好ましく用いられる。これらの界面活性剤は1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸カリウム等のカルボン酸型、オクチルサルフェート等の硫酸エステル型、ドデシルベンゼンスルホネート等のスルホン酸型のアニオン性界面活性剤が好適である。
また、ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル型、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル等のアルキルフェニルエーテル型、ポリオキシエチレンラウレート等のアルキルエステル型、ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル等のアルキルアミン型、ポリオキシエチレンラウリン酸アミド等のアルキルアミド型、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル等のポリプロピレングリコールエーテル型、ラウリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド型、ポリオキシアルキレンアリルフェニルエーテル等のアリルフェニルエーテル型のノニオン性界面活性剤が好適である。
界面活性剤の含有量は、PVA100質量部に対して0.01~1質量部であることが好ましく、0.02~0.5質量部であることがより好ましく、0.05~0.3質量部であることがさらに好ましい。界面活性剤の含有量がPVA100質量部に対して0.01質量部以上であることにより、延伸性や染色性がさらに向上する。また、界面活性剤の含有量がPVA100質量部に対して1質量部以下であることにより、PVAフィルムの取り扱い性が向上する。
製膜原液は、安定化剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤など)、相溶化剤、ブロッキング防止剤、難燃剤、帯電防止剤、滑剤、分散剤、流動化剤、抗菌剤などの各種添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
PVAフィルムの製造に用いられる製膜原液の揮発分率は60~75質量%であることが好ましい。揮発分率が60質量%以上である製膜原液は適度な粘度を有するため製膜性が向上する。揮発分率が65質量%以上であることがより好ましい。一方、揮発分率が75質量%以下であることにより、得られるPVAフィルムの厚みの均一性が向上する。なお、本発明において、製膜原液の揮発分率は、下記式(i)により求められる。
揮発分率(質量%)={(Wa-Wb)/Wa}×100 (i)
[式中、Waは製膜原液の質量(g)、WbはWa(g)の製膜原液を105℃の電熱乾燥機中で16時間乾燥した後に残存する成分の質量(g)を示す。]
前記PVAフィルムの製造に用いられる製膜装置における、乾燥ロールの表面は腐食しにくく、なおかつ鏡面光沢を有することが好ましい。このような観点から、乾燥ロールは、ニッケル、クロム、銅、鉄、ステンレススチールなどの金属により形成されていることが好ましい。また、乾燥ロールの耐久性を高める観点から、乾燥ロールの表面にニッケル、クロム、ニッケル/クロム合金などのメッキ層が単層又は多層で形成されていることも好ましい。
本発明で使用される製膜装置は、必要に応じて、乾燥ロールに続いて、熱風炉式の熱風乾燥装置、熱処理装置、調湿装置などを有していてもよい。
前記製膜装置における、乾燥ロールの数は3個以上であり、5~30個であることが好ましい。本発明において、上流に配置された乾燥ロールから順に、第1乾燥ロール、第2乾燥ロール、第3乾燥ロール、第4乾燥ロール、・・・第m乾燥ロールと称する。前記製膜装置は、T型スリットダイ、ホッパープレート、I-ダイ、リップコーターダイなどの既知の吐出装置(流延装置)を有する。当該装置のダイから第1乾燥ロール上に前記製膜原液をフィルム状に吐出(流延)する。
第1乾燥ロール上に吐出された上記製膜原液を第1乾燥ロール上で乾燥させることによってフィルムを得た後に、当該フィルムを第1乾燥ロールから剥離する。ここで、第1乾燥ロールから剥離する際のフィルムの揮発分率が12~20質量%である必要がある。
第1乾燥ロールから剥離する際のフィルムの揮発分率が12質量%未満の場合、延伸性が著しく低下する。一方、第1乾燥ロールから剥離する際のフィルムの揮発分率が20質量%を超える場合、第1乾燥ロールからのフィルムの剥離性が悪くなり、流れ方向の厚み斑が大きくなる。前記揮発分率は19質量%以下であることが好ましく、18質量%以下であることがより好ましく、16質量%以下であることがさらに好ましい。本発明において、フィルムの揮発分率は、第1乾燥ロールから剥離した直後のフィルムを採取した後に下記式(ii)により求める。
揮発分率(質量%)={(Wc-Wd)/Wc}×100 (ii)
[式中、Wcは採取されたフィルムの質量(g)、Wdは前記フィルムWc(g)を温度105℃の乾燥機中で16時間乾燥させた後のフィルムの質量(g)を示す。]
PVA、グリセリンなどの多価アルコール(可塑剤)、界面活性剤および水を用いて調製した製膜原液を用いて得られるPVAフィルムを前記条件で乾燥させたときには、水以外の成分は実質的に揮発せずにフィルム中に残留するので、フィルムの揮発分率は、フィルム中に含まれている水分量(水分率)と実質的に同じである。
乾燥の均一性、乾燥速度などの点から、第1乾燥ロールの表面温度は80~120℃であることが好ましい。当該表面温度が80℃未満の場合、第1乾燥ロール上での乾燥が不十分となる傾向があり、剥離不良の原因となり易い。当該表面温度は、85℃以上であることがより好ましい。一方、前記表面温度が120℃を超えるとフィルムが発泡し易くなる傾向がある。前記表面温度は105℃以下であることがより好ましく、99℃以下であることが更に好ましい。
乾燥の均一性、乾燥速度および生産性などの観点から、第1乾燥ロールの周速(S)は、8~25m/分であることが好ましい。周速(S)が8m/分未満の場合、生産性が低下するおそれがある。周速(S)は、10m/分以上であることがより好ましく、12m/分以上であることがさらに好ましい。一方、周速(S)が25m/分を超える場合、第1乾燥ロールにおける乾燥が不十分となる傾向がある。また、23m/分以下であることがより好ましく、22m/分以下であることが更に好ましい。
第1乾燥ロール上にフィルム状に吐出された製膜原液の乾燥は、第1乾燥ロールのみを用いて行ってもよいが、第1乾燥ロールと接触していないフィルム面に熱風を吹き付けることにより、フィルムの両面から熱を加えて乾燥を行ってもよい。これにより、乾燥の均一性、乾燥速度がさらに向上する。熱風の風速は、1~10m/秒が好ましく、2~8m/秒がより好ましく、3~8m/秒がさらに好ましい。
前記風速が遅すぎると、第1乾燥ロール上に結露が発生して、その水滴がフィルムに落下して得られるPVAフィルムに欠陥が生じるおそれがある。一方、前記風速が速すぎると、得られるPVAフィルムに厚み斑が発生することによって、染色斑などのトラブルが発生するおそれがある。
熱風の温度は、乾燥効率、乾燥の均一性などの点から、50~150℃であることが好ましく、70~120℃であることがより好ましく、80~95℃であることがさらに好ましい。また、熱風の露点温度は10~15℃であることが好ましい。熱風の温度が低すぎると、乾燥効率、乾燥の均一性などが低下しやすくなる。一方、熱風の温度が高すぎると発泡が生じやすくなる。
第1乾燥ロール上にフィルムに熱風を吹き付ける際の方式は特に制限されないが、ノズル方式、整流板方式またはそれらの組み合わせなどが好ましく採用される。また、第1乾燥ロール上のフィルムの乾燥時に発生した揮発分と吹き付けた熱風を排気することが好ましい。
第1乾燥ロールによって揮発分率12~20質量%に乾燥させたフィルムを当該ロールから剥離して、当該フィルムを第2乾燥ロールでさらに乾燥させる。第2乾燥ロール上で前記フィルムを乾燥させるに際しては、当該フィルムの第1乾燥ロールが接触していた面とは反対側の面を第2乾燥ロールに接触させて乾燥させることが好ましい。
第1乾燥ロールの周速(S)に対する第2乾燥ロールの周速(S)の比(S/S)は、1.015~1.050であることが好ましい。当該比(S/S)が1.015未満の場合には、第1乾燥ロールからフィルムが剥離しにくくなり、得られるPVAフィルムの幅方向の均一性が低下するおそれがある。一方、前記比(S/S)が1.050を超える場合には、第1乾燥ロールと第2乾燥ロールとの間のフィルムにかかる張力の斑が大きくなり、得られるPVAフィルムの均一性が損なわれるおそれがある。
第2乾燥ロールの周速(S)に対する、前記フィルムの揮発分率が11質量%以下になってから初めて接触する乾燥ロール(第x乾燥ロール)の周速(S)の比(S/S)が0.970~0.995であることが好ましい。揮発分率の測定は、前記フィルムが各乾燥ロールに接触する直前に行う。揮発分率が初めて11質量%以下となった直後に前記フィルムが接触する乾燥ロールが「フィルムの揮発分率が11質量%以下になってから初めて接触する乾燥ロール(第x乾燥ロール)」である。第2乾燥ロールの周速(S)に対する、第x乾燥ロールの周速(S)の比(S/S)が0.970未満である場合には、A及びBがそれぞれ上限を超えることにより、得られる光学フィルムの光学性能が不十分となる場合がある。また、PVAフィルムの延伸性や延伸後のフィルム幅の均一性が低下する場合もある。一方、第2乾燥ロールの周速(S)に対する、第x乾燥ロールの周速(S)の比(S/S)が0.995を超える場合には、得られるPVAフィルムにおける、Retotalが20nmを超えることにより、延伸性が低下するおそれがある。
第2乾燥ロールから第x乾燥ロールにおいて、隣接する2つの乾燥ロールのうちの上流の乾燥ロールの周速(S)に対する下流の乾燥ロールの周速(Sa+1)の比(Sa+1/S)が、0.975~1であることが好ましい。第2乾燥ロールから第x乾燥ロールにおいて、全ての隣接する2つの乾燥ロールにおける当該比(Sa+1/S)が0.975~1であることがより好ましい。
第2乾燥ロールから第x乾燥ロールのロール温度の平均が63~81℃であることが好ましい。当該ロール温度の平均が63℃未満又は81℃を超える場合には、A及びBがそれぞれ上限を超えることにより、得られる光学フィルムの光学性能が不十分となる場合がある。また、PVAフィルムの延伸性や延伸後のフィルム幅の均一性も低下する場合がある。
第2乾燥ロールから第x乾燥ロールのロール温度が全て50~95℃であることが好ましい。当該ロール温度が50℃未満の場合又は95℃を超える場合には、A及びBがそれぞれ上限を超えることにより、得られる光学フィルムの光学性能が不十分となる場合がある。また、延伸性やフィルム幅の均一性も低下する場合がある。
第x乾燥ロールの下流にさらに乾燥ロールが配置されている場合、第x乾燥ロールから第m乾燥ロールにおいて、隣接する2つの乾燥ロールのうちの上流の乾燥ロールの周速(S)に対する下流の乾燥ロールの周速(Sb+1)の比(Sb+1/S)が0.975~1であることが好ましい。第x+1乾燥ロールから第m乾燥ロールのロール温度が全て50~130℃であることが好ましい。
第x乾燥ロールの下流にさらに乾燥ロールが配置されている場合、それらの少なくとも一部の乾燥ロールの表面温度を高くしてもよい。これにより、PVAフィルムの乾燥と熱処理とを同時に行うことができる。このときのロール温度は90~140℃であることが好ましく、95~130℃であることがより好ましい。
各乾燥ロールとフィルムとを接触させるに際して、より均一に乾燥することができる点から、フィルムの一面と他面とを各乾燥ロールに交互に接触させることが好ましい。
第1乾燥ロールの周速(S)に対する第m乾燥ロールの周速(S)の比(S/S)は特に制限されないが、0.900~1.100の範囲内であることが好ましく、0.950~1.050の範囲内であることがより好ましく、0.980~1.020の範囲内であることがさらに好ましく、0.990~1.010の範囲内であることが特に好ましい。
乾燥された前記PVAフィルムの幅方向両端部(耳)を切断することが好ましい。このとき、ダイから吐出された際のフィルム幅(W)に対する、両端部(耳)が切断された後のフィルム幅(W)の比(W/W)が0.6以上であることが好ましく、0.7以上であることがより好ましい。従来の方法により製膜されたPVAフィルムの端部はレターデーション値が高く、このようなPVAフィルムは延伸性が不十分であった。当該PVAフィルムの端部を広めに切断することにより、延伸性が改善されるものの、得られるPVAフィルムの幅が狭くなるうえに、廃棄される部分が増加することでコストも上昇して問題となっていた。一方、本発明の製造方法によれば、製膜後のPVAフィルム端部のレターデーション値を低下させることができるため、端部を広く切断する必要がなく、延伸性に優れた幅広のPVAフィルムが得られる。
乾燥されたPVAフィルムは、必要に応じて、調湿処理などを行い、ロール状に巻き取ってもよい。最終的に得られるPVAフィルムの揮発分率は1~5質量%であることが好ましく、2~4質量%であることがより好ましい。また、当該PVAフィルム中のPVAの含有量は、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。
本発明のPVAフィルムは、薄くて幅広であっても、優れた延伸性を有し、なおかつ延伸後の幅の変動が小さい。このようなPVAフィルムを用いることにより、光学性能に優れた、薄くて幅広の光学フィルム、特に偏光フィルムを生産性良く製造できる。近年、液晶テレビやモニターの大画面化が進んでいる。また、ノートパソコン、携帯電話等の軽量化も進んでいる。本発明のPVAフィルムは、これらに用いられる光学フィルムの原反等として好適に用いられる。当該光学フィルムは、本発明のPVAフィルムを用いて一軸延伸する工程を有する製造方法により製造することができる。
本発明のPVAフィルムを原反として用いて偏光フィルムを製造する方法として、本発明のPVAフィルムを用いて染色、一軸延伸、固定処理、乾燥処理、必要に応じて熱処理を行う方法が挙げられる。染色と一軸延伸の順序は特に限定されず、一軸延伸の前に染色を行ってもよいし、一軸延伸と同時に染色を行ってもよいし、または一軸延伸の後に染色を行ってもよい。また、一軸延伸、染色などの工程は複数回繰り返してもよい。
PVAフィルムの染色に用いる染料としては、ヨウ素または二色性有機染料(例えば、DirectBlack 17、19、154;DirectBrown 44、106、195、210、223;DirectRed 2、23、28、31、37、39、79、81、240、242、247;DirectBlue 1、15、22、78、90、98、151、168、202、236、249、270;DirectViolet 9、12、51、98;DirectGreen 1、85;DirectYellow 8、12、44、86、87;DirectOrange 26、39、106、107などの二色性染料)などが使用できる。これらの染料は、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。染色は、通常、PVAフィルムを上記染料を含有する溶液中に浸漬させることにより行うことができるが、その処理条件や処理方法は特に制限されない。
PVAフィルムの一軸延伸は、湿式延伸法または乾熱延伸法のいずれで行ってもよい。湿式延伸法により一軸延伸する場合は、ホウ酸を含む温水中で一軸延伸してもよいし、前記した染料を含有する溶液中や後記固定処理浴中で一軸延伸してもよいし、吸水後のPVAフィルムを用いて空気中で一軸延伸してもよいし、その他の方法で一軸延伸してもよい。一軸延伸処理の際の延伸温度は特に限定されないが、PVAフィルムを温水中で延伸(湿式延伸)する場合は好ましくは30~90℃、より好ましくは40~70℃、さらに好ましくは45~65℃の温度が採用され、乾熱延伸する場合は50~180℃の温度が好ましく採用される。また、一軸延伸の延伸倍率(多段で一軸延伸を行う場合は合計の延伸倍率)は、偏光性能の点からフィルムが切断する直前までできるだけ延伸することが好ましく、具体的には4倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましく、5.5倍以上であることがさらに好ましい。延伸倍率の上限はフィルムが破断しない限り特に制限はないが、均一な延伸を行うためには8.0倍以下であることが好ましい。なお、本明細書における延伸倍率は延伸前のフィルムの長さに基づくものであり、延伸をしていない状態が延伸倍率1倍に相当する。延伸後のフィルム(偏光フィルム)の厚みは、5~35μm、特に20~30μmであることが好ましい。
長尺のPVAフィルムを一軸延伸する場合における一軸延伸の方向に特に制限はなく、長さ方向への一軸延伸や横一軸延伸を採用することができるが、偏光性能により優れる偏光フィルムが得られることから長さ方向への一軸延伸が好ましい。長さ方向への一軸延伸は、互いに平行な複数のロールを備える延伸装置を使用して、各ロール間の周速を変えることにより行うことができる。一方、横一軸延伸はテンター型延伸機を用いて行うことができる。
偏光フィルムの製造に当っては、一軸延伸されたフィルムへの染料の吸着を強固にするために、固定処理を行うことが好ましい。固定処理としては、ホウ酸、硼砂等のホウ素化合物を添加した固定処理浴中にフィルムを浸漬する方法が挙げられる。その際に、必要に応じて固定処理浴中にヨウ素化合物を添加してもよい。
一軸延伸、または一軸延伸と固定処理を行ったフィルムを次いで乾燥処理(熱処理)するのが好ましい。乾燥処理(熱処理)の温度は30~150℃の範囲内、特に50~140℃の範囲内であることが好ましい。乾燥処理(熱処理)の温度が低すぎると、得られる偏光フィルムの寸法安定性が低下しやすくなり、一方、高すぎると染料の分解などに伴う偏光性能の低下が発生しやすくなる。
以上のようにして得られた偏光フィルムの両面または片面に、光学的に透明で、かつ機械的強度を有する保護膜を貼り合わせて偏光板にすることができる。その場合の保護膜としては、三酢酸セルロース(TAC)フィルム、酢酸・酪酸セルロース(CAB)フィルム、アクリル系フィルム、ポリエステル系フィルムなどが使用される。また、保護膜を貼り合わせるための接着剤としては、PVA系接着剤やウレタン系接着剤などが挙げられ、そのうちでもPVA系接着剤が好ましい。
以上のようにして得られた偏光板は、アクリル系などの粘着剤を被覆した後、ガラス基板に貼り合わせて液晶表示装置の部品として使用することができる。偏光板をガラス基板に貼り合わせる際に、位相差フィルム、視野角向上フィルム、輝度向上フィルムなどを貼り合わせてもよい。
以下に本発明を実施例により具体的に説明する。
レターデーション値の測定
乾燥工程を経て巻き取られる直前のPVAフィルムのレターデーション値を測定した。フィルムの流れ方向に対して、垂直方向に複数並べられたレターデーション測定装置を用いて、波長590nmの光に基づいて、25℃における、フィルムの厚み方向のレターデーション値を測定した。フィルムの長さ方向(流れ方向)のピッチを15m、幅方向のピッチを10mmとしてフィルム全面のレターデーション値を測定した後、全測定点のレターデーションの数平均値Retotalを求めた。さらに、PVAフィルムの端から10mmの位置における測定点i(i=1~n、nは整数)のレターデーション(Re)から、その最大値(Remax)、最小値(Remin)、数平均値(Reave)を上記の方法により求めた後、上記式(1)、(2)に導入してA及びBを算出した。
実施例1
(1)PVAフィルムの製造
PVA(酢酸ビニルの単独重合体のけん化物、重合度2,400、けん化度99.9モル%)100質量部、グリセリン12質量部、ラウリン酸ジエタノールアミド0.1質量部および水からなる揮発分率66質量%の製膜原液を用いた。製膜装置として、T型スリットダイ(幅4.9m)と、回転軸が互いに平行な18個の乾燥ロールを備えるものを用いた。前記製膜原液をT型スリットダイから第1乾燥ロール(表面温度93.5℃、周速(S)14.5m/分)上にフィルム状に吐出した。このとき、第1乾燥ロール上のフィルムに熱風(温度90℃、露点温度10℃)を5m/秒の風速でフィルム全体に均一に吹き付けた。次いで第1乾燥ロールからフィルムを剥離して(第1乾燥ロールから剥離した直後のフィルムの揮発分率は18.2質量%)、第1乾燥ロールと接触しなかったフィルム面を第2乾燥ロールに接触させて乾燥を行った。フィルムの一面と他面が交互に各乾燥ロールに接するように、当該フィルムを第3乾燥ロールから第18乾燥ロールに順次接触させることにより乾燥を行った。その後、フィルムの両端部(耳)を切断した後、ロール状に巻き取って、PVAフィルム(厚み60μm、幅4m、長さ5,000m、揮発分率3質量%)を得た。フィルムの両端部を切断した後、巻き取る前に上記方法によりPVAフィルムのレターデーレーション値を測定した。フィルムの揮発分率は次のように求めた。第1乾燥ロールからフィルムが剥離した直後にフィルムの中央部からサンプルを採取した。また、第2~第18乾燥ロールに接触する直前のフィルムの中心部からサンプルをそれぞれ採取した。各サンプルを105℃の乾燥機中で16時間乾燥させた後、乾燥前後のフィルムの質量から揮発分率を求めた。各乾燥ロールの表面温度を表2に示し、隣接する乾燥ロールの周速比を表3に示す。
第7乾燥ロールに接触する直前のフィルムの揮発分率は10.8質量%であった。すなわち、前記フィルムの揮発分率が11質量%以下になってから初めて接触した乾燥ロールは第7乾燥ロール(x=7)であった。第2乾燥ロールの周速(S)に対する第7乾燥ロールの周速(S)の比(S/S)は0.971であり、第1乾燥ロールの周速(S)に対する第2乾燥ロールの周速(S)の比(S/S)は1.050であった。第2乾燥ロールから第x乾燥ロールのロール表面温度の平均は80℃であった。これらの結果を表1に示す。また、PVAフィルムのレターデーション値を用いた計算されたA、B、Retotal及びA/Retotalを表1に示す。
延伸性の評価
以下のとおり、得られたPVAフィルムのフィルムロールを連続的に膨潤処理、染色、一軸延伸、乾燥処理をこの順で施して偏光フィルムを製造した。膨潤処理としてPVAフィルムを蒸留水に1分間浸漬した。次いで、ヨウ素系色素を含有する水溶液(ヨウ素濃度:0.3質量%、ヨウ化カリウム濃度:2.1質量%、温度30℃)に1分間浸漬してヨウ素系色素を含有させた。続いて、ホウ酸水溶液(ホウ酸濃度:4質量%、ヨウ化カリウム濃度:6質量%、温度:60℃)中で流れ方向に6.2倍に延伸した。その後、60℃で1分間乾燥させ、偏光フィルムを得た。上記条件で1,000mのPVAフィルムロールを延伸した際の破断発生回数が0回の場合に延伸性の評価をAとし、1~3回の場合に延伸性の評価をBとし、4回以上の場合に延伸性の評価をCとした。
幅変動の評価
得られた偏光フィルムの幅を100mおきに測定し、その最大値と最小値の差α(cm)を算出した。原反のPVAフィルム幅β(cm)に対する前記差α(cm)の百分率(100×α/β)を算出した。当該百分率が0.5%未満の場合に幅変動の評価をAとし、0.5%以上~1.0%未満の場合に幅変動の評価をBとし、1.0%以上の場合に幅変動の評価をCとした。
実施例2、3、比較例1~4、参考例1、2
PVAフィルムの製造条件を表1~3のとおりにしたこと以外は実施例1と同様にしてPVAフィルムの製造及び評価を行った。結果を表1に示した。
Figure 0007157751000003
Figure 0007157751000004
Figure 0007157751000005
上記式(1)~(4)を満足する本発明のPVAフィルムは優れた延伸性に優れるとともに、延伸時の幅も均一であった。第2乾燥ロールの周速(S)に対する、第x乾燥ロールの周速(S)の比(S/S)が0.970未満であり、第2乾燥ロールから第x乾燥ロールまでのロール温度の平均が81℃を超える場合(比較例1、2)、得られるPVAフィルムのA及びBが、上記式(1)及び(2)で規定された上限を超えて、延伸性及び延伸時の幅の均一性が低下した。さらに、A及びBは、PVAフィルムの長さ方向のレターデーション斑の指標であり、これらの値が大きい比較例1及び2のPVAフィルムは得られる光学フィルムの光学性能が不十分であると考えられる。
第2乾燥ロールから第x乾燥ロールまでのロール温度の平均が63℃未満の場合(比較例3)も、得られるPVAフィルムのA及びBが、上記式(1)及び(2)で規定された上限を超えて、延伸性及び延伸時の幅の均一性が低下した。A及びBが大きい比較例3のPVAフィルムは得られる光学フィルムの光学性能も不十分であると考えられる。第2乾燥ロールから第x乾燥ロールまでのロール温度の平均が63℃未満であり、第2乾燥ロールの周速(S)に対する、第x乾燥ロールの周速(S)の比(S/S)が0.995を超える場合(比較例4)、得られるPVAフィルムのRetotalが上記式(3)で規定された上限を超えて、延伸性及び延伸時の幅の均一性が低下した。
参考例1は、比較例3と同様にして製膜されたPVAフィルムの両端を切断する際に、比較例3よりも端部を広めに切断した例である。得られたPVAフィルムの性能は十分であったが、幅が狭いため、実用上問題があった。参考例2は、従来の厚い(75μm)PVAフィルムの例である。
1 PVAフィルム
2、3 端
4 長さ方向
5 ピッチ
6 幅方向

Claims (3)

  1. 幅3m以上、長さ1,000m以上、厚み15~65μmのポリビニルアルコールフィルムであって、
    長さ方向のピッチを15m、幅方向のピッチを10mmとして測定されたレターデーション値が下記式(1)~(4)を満足することを特徴とするポリビニルアルコールフィルム。
    Figure 0007157751000006
    式中、
    Remax(nm):端から10mmの位置におけるレターデーションの最大値
    Remin(nm):端から10mmの位置におけるレターデーションの最小値
    Reave(nm):端から10mmの位置におけるレターデーションの平均値
    Re(nm):端から10mmの位置における測定点i(i=1~n、nは整数)のレターデーション値
    Retotal(nm):全測定点のレターデーションの平均値
    である。
  2. 請求項1に記載のポリビニルアルコールフィルムの製造方法であって、
    回転軸が互いに平行な複数の乾燥ロールを備える製膜装置を使用し、
    前記複数の乾燥ロールが、第1乾燥ロールから第m乾燥ロール(mは3以上の整数を示す)からなり、
    ダイから第1乾燥ロール上にポリビニルアルコールを含む製膜原液を吐出して乾燥させることによってフィルムを得た後に、第2乾燥ロール~第m乾燥ロールを用いて前記フィルムをさらに乾燥させる工程を有し、
    第1乾燥ロールから剥離するときのフィルムの揮発分率が12~20%であり、
    第1乾燥ロールの周速(S)に対する第2乾燥ロールの周速(S)の比(S/S)が1.015~1.050であり、
    第2乾燥ロールの周速(S)に対する、前記フィルムの揮発分率が11質量%以下になってから初めて接触する乾燥ロール(第x乾燥ロール)の周速(S)の比(S/S)が0.970~0.995であり、
    第2乾燥ロールから第x乾燥ロールまでのロール温度の平均が63~81℃である、ポリビニルアルコールフィルムの製造方法。
  3. ポリビニルアルコールを含む製膜原液の揮発分率が60~75質量%であり、第1乾燥ロールの周速(S)が8~25m/分である、請求項2に記載のポリビニルアルコールフィルムの製造方法。
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