JP7155672B2 - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
一方、一般的にタイヤ用ゴム組成物には加工助剤としてプロセスオイルが使用される。プロセスオイルの役割の一つは、未加硫ゴムの粘度を低下させ、例えばシーティング性のような加工性を向上させることである。しかし一方で、オイルはゴムの運動性を上昇させそれに伴い空気透過性が上昇するので、インナーライナー用ゴム組成物に用いるのは望ましくない。
このように、空気透過防止性能および加工性の両方を同時に改善することは当業界では困難な事項であると認識されている。
また下記特許文献2には、ジエン系ゴムに特定の分子量を有するリシノール酸共重合体を配合するゴム組成物が開示されている。しかしながら、特許文献2に開示されたゴム組成物においても、該リシノール酸共重合体をゴム組成物に特定量で配合し、空気透過防止性能および加工性を高めようとする技術思想は何ら開示または示唆されていない。
すなわち本発明は以下のとおりである。
2.前記ポリエステルが、23℃で液状であることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記ポリエステルの重量平均分子量が、10,000~150,000であることを特徴とする前記1または2に記載のゴム組成物。
4.前記ポリエステルの構成成分中に、分子内に水酸基を持つ脂肪酸が含まれることを特徴とする前記3に記載のゴム組成物。
5.前記分子内に水酸基を持つ脂肪酸がリシノール酸であることを特徴とする前記4に記載のゴム組成物。
6.前記1~5のいずれかに記載のゴム組成物をインナーライナーに使用した空気入りタイヤ。
本発明のゴム組成物は、空気透過防止性能および加工性を同時に高めることができるので、空気入りタイヤのインナーライナー用途にとくに有用である。
本発明で使用されるゴム成分は、ゴム成分全体を100質量部としたときに、イソブチレン系ゴムを50~100質量部、好ましくは70~100質量部含む。
イソブチレン系ゴムとしては、インナーライナー用として使用されている任意のゴムを採用でき、例えばブチルゴム(IIR)やハロゲン化ブチルゴム(Br-IIR、Cl-IIR)、イソブチレン-パラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物(例えば臭素化物:Br-IPMS)等を挙げることができる。イソブチレン系ゴムの市販品としては、例えばBr-IIRであるエクソンモービル社製BROMOBUTYL2255、Br-IPMSであるエクソンモービルケミカル社製MDX90-10等が挙げられる。
また、ゴム成分には必要に応じて、イソブチレン系ゴム以外に、任意のジエン系ゴムを配合することができる。ジエン系ゴムとしては、例えば天然ゴム(NR)等が挙げられるが、ジエン系ゴムの配合割合が50質量部を超えると、空気透過防止性能が悪化する。
本発明で使用されるポリエステルは、本発明の効果の観点、とくに加工性向上の観点から、室温(23℃)で液状であることが好ましい(以下、液状ポリエステル(A)と呼ぶ)。
また、液状ポリエステル(A)の重量平均分子量(GPC法)は、本発明の効果の観点、とくに加工性向上の観点から、10,000~150,000が好ましく、10,000~30,000がさらに好ましい。さらに、空気透過防止性能および加工性を一層高めるという観点から、その構成成分中に、分子内に水酸基を持つ脂肪酸が含まれるものが好ましく、前記分子内に水酸基を持つ脂肪酸がリシノール酸であることがさらに好ましい。具体的には、液状ポリエステル(A)は、リシノール酸エステル共重合体(A1)であることがとくに好ましい。
本発明で使用されるリシノール酸エステル共重合体(A1)は、リシノール酸に由来する構成単位と、これと共重合可能なモノマーとから構成され得る。
本発明では、リシノール酸エステル共重合体(A1)は、リシノール酸に由来する構成単位(a)と、脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位(b)と、炭素原子数2~10のジオールに由来する構成単位(c)とを含むことが好ましい。
また、その他の構成単位を含む場合、上記構成単位(a)~(c)とその他の構成単位との合計を100モル%として、その他の構成単位は、好ましくは20モル%以下、より好ましくは10モル%以下、特に好ましくは5モル%以下である。
また、リシノール酸エステル共重合体(A1)の製造方法は公知であり、例えば国際公開WO2017/038734号パンフレットに開示されている。
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却させた。ついで、同バンバリーミキサーに該ゴム、加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で170℃、10分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
ムーニー粘度(ML1+4、100℃):未加硫ゴム組成物について、JIS K6300-1:2013に準じ、ムーニー粘度(ML1+4、100℃)を測定した。結果は、比較例1の値を100として指数表示した。指数が小さいほどゴムの粘度が低く、加工性に優れることを示す。指数が105以下であれば、実用上の加工性を有するものと判断できる。
結果を表1に示す。
*2:Br-IPMS(エクソンモービルケミカル社製MDX90-10)
*3:カーボンブラック(新日化カーボン(株)製ニテロン#G、窒素吸着比表面積(N2SA)=30m2/g)
*4:プロセスオイル(出光興産(株)製ダイアナプロセスオイルNH-60)
*5:リシノール酸エステル共重合体1(国際公開WO2017/038734号パンフレットに開示された方法により合成された、リシノール酸、セバシン酸および1,4-ブタンジオールからなる共重合体。重量平均分子量=20,000)
*6:リシノール酸エステル共重合体2(国際公開WO2017/038734号パンフレットに開示された方法により合成された、リシノール酸、セバシン酸および1,4-ブタンジオールからなる共重合体。重量平均分子量=100,000)
*7:硫黄(四国化成工業(株)製ミュークロンOT-20)
*8:加硫促進剤(FLEXSYS社製SANTOCURE CBS)
実施例1では、比較例1の組成に比べてポリエステルを5質量部配合し、プロセスオイルの配合量を3質量部減少させている。これにより、比較例1に比べ、空気透過防止性能が向上している。
実施例2では、ゴム成分100質量部に対し、ポリエステルを32質量部配合した例であり、空気透過防止性能および加工性が著しく改善されている。
実施例3では、粘度を比較例1と同レベルに調整した例であり、空気透過防止性能が比較例1に対して約20%も改善されている。
実施例4は、重量平均分子量が100,000のポリエステルを使用した例であり、実用上十分な加工性を示しつつ、空気透過防止性能が向上している。
実施例5は、実施例1~4に対してイソブチレン系ゴムの組成を変えた例であるが、空気透過防止性能および加工性を同時に向上させ得ることが分かる。
実施例6では、比較例1の組成に比べてポリエステルを10質量部配合し、プロセスオイルの配合量を7質量部減少させている。プロセスオイルを顕著に減少させた場合であっても、加工性を保ちつつ、空気透過防止性能が向上している。
実施例7では、比較例3の組成に比べてポリエステルを8質量部配合し、プロセスオイルの配合量を5質量部減少させている。実施例6と同様に、プロセスオイルを顕著に減少させた場合であっても、加工性を保ちつつ、空気透過防止性能が向上している。
これに対し、比較例2は、ポリエステルの配合量が本発明で規定する上限を超えているので、空気透過防止性能の向上が見られない。
比較例3は、実施例5と同様のイソブチレン系ゴムの組成を採用した例であり、ポリエステルを配合せずプロセスオイルを配合しているので、実施例5に比べて空気透過防止性能が悪化している。
Claims (3)
- ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴムおよびイソブチレン-パラメチルスチレン共重合体のハロゲン化物からなる群から選択された1種以上のイソブチレン系ゴムが50質量部以上100質量部以下およびジエン系ゴムが0質量部以上50質量部以下からなるゴム成分100質量部に対し、ポリエステルを5~32質量部含み、
前記ポリエステルの重量平均分子量が、10,000~150,000であり、
前記ポリエステルの構成成分中に、分子内に水酸基を持つ脂肪酸が含まれ、かつ
前記分子内に水酸基を持つ脂肪酸がリシノール酸である
ことを特徴とするゴム組成物。 - 前記ポリエステルが、23℃で液状であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 請求項1または2に記載のゴム組成物をインナーライナーに使用した空気入りタイヤ。
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