JP2015117310A - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Shigeki Otsubo
茂幹 大坪
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隆行 永瀬
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Abstract

【課題】操縦安定性、耐カットチッピング性、ダンピング性能、グリップ性能をバランスよく改善したタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供する。【解決手段】天然ゴム及び/又はブタジエンゴムと、ノルボルネンポリマーと、脂肪族カルボン酸の亜鉛塩及び芳香族カルボン酸の亜鉛塩の混合物とを含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
タイヤのサイドウォール用組成物には、操縦安定性(剛性)やダンピング性能、更には耐カットチッピング性能が必要とされ、これらの性能を確保するために、従来から様々な工夫がなされているが、剛性やダンピング性能と耐カットチッピング性能を両立することは一般に難しい。
例えば、剛性を高めるためには、カーボンブラックなどのフィラーを微粒子化したり、多量に配合する手法が用いられるが、その一方で、ダンピング性能には、やわらかさと高いエネルギーロスが必要となるため、これらの性能の両立には困難が伴う。また、高剛性を示す配合物は、一般に破断伸びが低下するため、耐カットチッピング性能が悪化する傾向もある。
そこで、高い破壊エネルギーを持つ天然ゴムに、高剛性、高エネルギーロスの特性を有するノルボルネンポリマーを配合する手法が考えられるが、ノルボルネンポリマーや天然ゴムの配合比率により、破壊エネルギーや耐カットチッピング性能が低下するという問題が生じる。
更に特許文献1には、天然ゴム及びシンジオタクチック−1,2−ポリブタジエンを含み、タイヤ周方向に特定複素弾性率を有する乗り心地性や操縦安定性を向上したサイドウォールが開示されているが、操縦安定性、ダンピング性能、耐カットチッピング性能をバランス良く改善する点について、未だ改善の余地を残している。
特開2009−202865号公報
本発明は、前記課題を解決し、操縦安定性、耐カットチッピング性、ダンピング性能、グリップ性能をバランスよく改善したタイヤ用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、天然ゴム及び/又はブタジエンゴムと、ノルボルネンポリマーと、脂肪族カルボン酸の亜鉛塩及び芳香族カルボン酸の亜鉛塩の混合物とを含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。
ゴム成分100質量%中の前記天然ゴム及び前記ブタジエンゴムの合計含有量は、50〜95質量%であることが好ましく、また、前記ノルボルネンポリマーの含有量は、5〜70質量%であることが好ましい。更に、前記ゴム成分100質量部に対する前記脂肪族カルボン酸の亜鉛塩及び芳香族カルボン酸の亜鉛塩の混合物の含有量は、2〜10質量部であることが好ましい。
前記天然ゴム及び前記ブタジエンゴムの含有比率(天然ゴム:ブタジエンゴム)は、200:80〜70:30であることが好ましい。
前記ノルボルネンポリマーとしては、オイル、液状レジン及び液状ジエン系重合体からなる群より選択される少なくとも1種で伸展されたものが好ましい。
ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを20〜70質量部含有することが好ましい。
前記タイヤ用ゴム組成物は、23℃におけるJIS−A硬度が30〜85であることが好ましい。
前記タイヤ用ゴム組成物は、サイドウォール用ゴム組成物であることが好ましい。
本発明はまた、前記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、天然ゴム及び/又はブタジエンゴムと、ノルボルネンポリマーと、脂肪族カルボン酸の亜鉛塩及び芳香族カルボン酸の亜鉛塩の混合物とを含有するタイヤ用ゴム組成物であるので、操縦安定性、耐カットチッピング性、ダンピング性能、グリップ性能をバランスよく改善でき、これらの性能バランスに優れた空気入りタイヤを提供できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、天然ゴム(NR)及び/又はブタジエンゴム(BR)と、ノルボルネンポリマーと、脂肪族カルボン酸の亜鉛塩及び芳香族カルボン酸の亜鉛塩の混合物とを含有する。
NR及び/又はBRとノルボルネンポリマーとを用いた場合、これらの配合比率によって操縦安定性、グリップ性能、耐カットチッピング性、ダンピング性能の性能バランスが低下する傾向があるが、これは、リバージョン(加硫戻り)が大きくなることで、ゴムが劣化したり架橋状態が悪化して剛性が低下すること、更には破壊エネルギーが低下することに起因するものと推察される。そこで、本発明では、更に前記混合物を配合してリバージョンを防止することでこれらの特性の悪化を防止し、これにより、充分なダンピング性能を維持しながら、操縦安定性や耐カットチッピング性が改善され、これらの性能バランスを顕著に改善できるものと推察される。
本発明で使用されるNRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。またBRとしては特に限定されず、例えば、日本ゼオン(株)製のBR1220、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。機械的強度を向上させる点から、BRのシス含量は95質量%以上が好ましい。
ゴム成分100質量%中のNRの含有量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。10質量%未満であると、耐カットチッピング性が低下する傾向がある。該NRの含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。70質量%を超えると、操縦安定性、ダンピング性能が低下する傾向がある。
ゴム成分100質量%中のBRの含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。20質量%未満であると、耐カットチッピング性が低下する傾向がある。該BRの含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは65質量%以下である。80質量%を超えると、操縦安定性、ダンピング性能が低下する傾向がある。
本発明では、NR及びBRを併用することが好ましく、この場合、NR及びBRの含有比率(NR:BR(質量比率))は、好ましくは20:80〜70:30、より好ましくは30:70〜60:40である。この範囲内であると、操縦安定性、ダンピング性能、耐カットチッピング性について、良好な性能バランスが得られる。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のNR及びBRの合計含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上であり、また、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。この範囲に調整することで、良好な前記性能バランスが得られる。
本発明でゴム成分として使用されるノルボルネンポリマーは、エチレンとシクロペンタジエンとのディールス・アルダー反応により合成されるノルボルネンを開環重合して得られるポリマーである。ノルボルネンポリマーとしては特に限定されず、例えば、ノーソレックス(アストロテック社)などの市販品などを使用できる。
ゴム成分100質量%中のノルボルネンポリマーの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。5質量%未満であると、剛性、耐カットチッピング性能の改善効果が得られないおそれがある。また、該ノルポルネンポリマーの含有量は、好ましくは70質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは30質量%以下である。70質量%を超えると、十分なダンピング性能が得られないおそれがある。
ノルボルネンポリマーとして、軟化剤1で伸展したもの(伸展ノルボルネンポリマー)を好適に使用できる。これにより、他のゴム成分との相溶性が向上し、操縦安定性、ダンピング性能が大きく向上し、前記性能バランスを顕著に改善できる。
ノルボルネンポリマーを伸展する軟化剤1としては特に限定されないが、例えば、オイル、液状レジン、液状ジエン系重合体などを好適に使用できる。該軟化剤1は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
オイルとしては、アロマオイル、プロセスオイル、パラフィンオイルなどの鉱物油などが挙げられる。
液状レジンとしては、液状クマロンインデンレジン、液状テルペンレジン、液状テルペンフェノールレジン、液状スチレンレジンなどが挙げられる。ここで、液状レジンの軟化点の下限は−20℃以上、好ましくは−5℃以上、より好ましくは0℃以上であり、上限は20℃以下、好ましくは18℃以下、より好ましくは17℃以下である。なお、本明細書において、軟化点とは、JIS K6220:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
液状ジエン系重合体とは、常温(25℃)で液体状態のジエン系重合体である。
液状ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1.0×10〜2.0×10、より好ましくは2.0×10〜1.0×10、更に好ましくは3.0×10〜2.0×10である。1.0×10未満では、破壊特性が低下し、充分な耐カットチッピングを確保できない恐れがある。一方、2.0×10を超えると、重合溶液の粘度が高くなり過ぎ生産性が悪化する恐れがある。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求められる。
液状ジエン系重合体としては、例えば、液状スチレンブタジエン共重合体(液状SBR)、液状ブタジエン重合体(液状BR)、液状イソプレン重合体(液状IR)、液状スチレンイソプレン共重合体(液状SIR)などが挙げられる。なかでも、液状SBR、液状IRが好ましく、液状SBRがより好ましい。
液状SBRのビニル含量は、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは20〜75質量%である。なお、液状SBRのビニル含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。また、液状SBRのスチレン含量は、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは15〜45質量%である。なお、液状SBRのスチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
伸展ノルボルネンポリマーにおいて、ノルボルネンポリマー100質量部に対して、伸展する軟化剤1の配合量(伸展軟化剤1量)は、好ましくは10質量部以上、より好ましくは30質量部以上、更に好ましくは35質量部以上である。10質量部以下では、ノルボルネンポリマーの可塑化効果が不足し、十分に他のゴム成分と混ざらない恐れがある。該配合量は、好ましくは200質量部以下、より好ましくは150質量部以下、更に好ましくは70質量部以下、特に好ましくは60質量部以下である。200質量部を超えると、ノルボルネンポリマーが有する高剛性、高い破壊エネルギーが低下する恐れがある。
本発明のゴム組成物において、ゴム成分100質量%中のNR、BR及びノルボルネンポリマーの合計含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは100質量%である。これにより、良好な前記性能バランスが得られる。
本発明で使用できる他のゴム成分としては、例えば、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などが挙げられ、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合してもよい。
本発明では、補強用充填剤として、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、アルミナ、クレー、タルクなど、従来タイヤ用ゴム組成物において慣用されるもののなかから任意に選択して用いることができる。主としてカーボンブラックを配合することが好ましい。
カーボンブラックを使用することにより、破壊特性、ダンピング性能、操縦安定性の改善効果が得られる。カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、ISAF、SAFなど、タイヤ工業において一般的なものを用いることができる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは100m/g以上、より好ましくは130m/g以上である。100m/g未満では、補強性が低下し、破壊エネルギーが低下する傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは、好ましくは500m/g以下、より好ましくは450m/g以下、更に好ましくは200m/g以下である。500m/gを超えると、カーボンブラックの分散性が悪く、破壊特性が低下する傾向がある。
なお、カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K 6217−2:2001によって求められる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは20質量部以上、より好ましくは30質量部以上である。20質量部未満では、剛性が低下する傾向がある。また、該カーボンブラックの含有量は、好ましくは70質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。70質量部を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
本発明では、グリップ性能などの観点から、軟化剤2を配合してもよい。この場合、例えば、前記伸展ノルボルネンポリマーを用いる場合、伸展される軟化剤1とは別に、軟化剤2が配合される。軟化剤2としては特に限定されないが、例えば、前記オイルを好適に使用できる。
軟化剤2としてオイルを配合する場合、その含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは5質量部以上である。2質量部未満では、添加による効果が得られないおそれがある。また、該含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。20質量部を超えると、破壊特性、ダンピング性能が悪化する傾向がある。
本発明のゴム組成物において、軟化剤の合計含有量(油展ゴム中の軟化剤、伸展軟化剤1、軟化剤2など、組成物中の軟化剤の合計量)は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは7質量部以上である。3質量部未満では、充分なダンピング性能が得られない傾向がある。また、該合計含有量は、好ましくは40質量部以下、より好ましくは25質量部以下である。40質量部を超えると、操縦安定性が悪化する傾向がある。
本発明では、脂肪族カルボン酸の亜鉛塩と芳香族カルボン酸の亜鉛塩との混合物が使用される。NR及び/又はBRに、ノルボルネンポリマーに加えて更に前記混合物を配合することで、良好なダンピング性能を得ながら、操縦安定性、耐カットチッピング性を高め、これらの性能バランスを相乗的に改善できる。
脂肪族カルボン酸の亜鉛塩における脂肪族カルボン酸としては、やし油、パーム核油、ツバキ油、オリーブ油、アーモンド油、カノーラ油、落花生油、米糖油、カカオ脂、パーム油、大豆油、綿実油、胡麻油、亜麻仁油、ひまし油、菜種油などの植物油由来の脂肪族カルボン酸、牛脂などの動物油由来の脂肪族カルボン酸、石油等から化学合成された脂肪族カルボン酸などが挙げられるが、環境に配慮することも、将来の石油の供給量の減少に備えることもでき、更に、加硫戻りを充分に抑制できることから、植物油由来の脂肪族カルボン酸が好ましく、やし油、パーム核油又はパーム油由来の脂肪族カルボン酸がより好ましい。
脂肪族カルボン酸の炭素数は4以上が好ましく、6以上がより好ましい。脂肪族カルボン酸の炭素数が4未満では、分散性が悪化する傾向がある。脂肪族カルボン酸の炭素数は16以下が好ましく、14以下がより好ましく、12以下が更に好ましい。脂肪族カルボン酸の炭素数が16を超えると、加硫戻りを充分に抑制できない傾向がある。
なお、脂肪族カルボン酸中の脂肪族としては、アルキル基などの鎖状構造でも、シクロアルキル基などの環状構造でもよい。
芳香族カルボン酸の亜鉛塩における芳香族カルボン酸としては、例えば、安息香酸、フタル酸、メリト酸、ヘミメリト酸、トリメリト酸、ジフェン酸、トルイル酸、ナフトエ酸などが挙げられる。なかでも、加硫戻りを充分に抑制できることから、安息香酸、フタル酸又はナフトエ酸が好ましい。
混合物中の脂肪族カルボン酸の亜鉛塩と芳香族カルボン酸の亜鉛塩との含有比率(モル比率、脂肪族カルボン酸の亜鉛塩/芳香族カルボン酸の亜鉛塩、以下、含有比率とする)は1/20以上が好ましく、1/15以上がより好ましく、1/10以上が更に好ましい。含有比率が1/20未満では、環境に配慮することも、将来の石油の供給量の減少に備えることもできないうえに、混合物の分散性及び安定性が悪化する傾向がある。また、含有比率は20/1以下が好ましく、15/1以下がより好ましく、10/1以下が更に好ましい。含有比率が20/1を超えると、加硫戻りを充分に抑制できない傾向がある。
混合物中の亜鉛含有率は3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。混合物中の亜鉛含有率が3質量%未満では、加硫戻りを充分に抑制できない傾向がある。また、混合物中の亜鉛含有率は30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。混合物中の亜鉛含有率が30質量%を超えると、加工性が低下する傾向がある。
混合物の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。2質量部未満では、破壊特性、操縦安定性、耐カットチッピング性の改善効果が低く、前記性能バランスが低下する傾向がある。該混合物の含有量は、好ましくは10質量部以下、より好ましくは6質量部以下である。10質量部を超えても、増量による効果は得られず、また、加工性が低下するおそれもある。
本発明のゴム組成物は、特段ステアリン酸を添加しなくても前記効果が得られるものであるため、ステアリン酸の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以下、より好ましくは0.1質量部以下であり、含まなくてもよい。
本発明のゴム組成物には、上記成分以外にも、ゴム組成物の製造に一般に使用される配合剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、粘着付与剤、ワックス、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
本発明のゴム組成物(加硫後)の硬度は、23℃雰囲気下において、JIS−A硬度で好ましくは30度以上、より好ましくは35度以上、更に好ましくは50度以上である。30度未満では、十分な剛性が得られない恐れがある。また、該硬度は、好ましくは85度以下、より好ましくは80度以下である。85度を超えると、ゴム硬度が高すぎることにより、十分なダンピング性能が得られない恐れがある。
本発明のタイヤ用ゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、上記各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法等により製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材に使用でき、なかでも、空気入りタイヤのサイドウォールに使用することが特に好ましい。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。すなわち、前記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でサイドウォールなどの各タイヤ部材の形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することによりタイヤを得る。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
BR:BR150B(宇部興産(株)製)
NR:TSR20
ノルボルネンポリマー:ノーソレックス(アストロテック製 ゴム成分100質量部に対して50質量部油展)
カーボンブラック:シースト9 SAF(東海カーボン(株)製、NSA:142m/g)
オイル:ダイアナプロセスAH−24(出光興産製プロセスオイル)
酸化亜鉛:酸化亜鉛(三井金属鉱業製)
ステアリン酸:ステアリン酸「椿」(日油製)
リバージョン防止剤(脂肪族カルボン酸の亜鉛塩及び芳香族カルボン酸の亜鉛塩の混合物):ストラクトール社製のアクチベーター73A((i)脂肪族カルボン酸亜鉛塩:やし油由来の脂肪酸(炭素数:8〜12)の亜鉛塩、(ii)芳香族カルボン酸亜鉛塩:安息香酸亜鉛、含有モル比率:1/1、亜鉛含有率:17質量%)
老化防止剤:アンチゲン6C(住友化学製)
硫黄:粉末硫黄(軽井沢硫黄製)
加硫促進剤NS:ノクセラーNS(大内新興化学製)
加硫促進剤M:ノクセラーM(大内新興化学製)
〔実施例及び比較例〕
<ゴム組成物の製造>
表1に示す配合処方にしたがって、神戸製鋼(株)製1.7Lバンバリーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を混練りし、混練り物を得た後、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫することにより、加硫ゴム組成物を得た。
<タイヤの製造>
得られた未加硫ゴム組成物をサイドウォール形状に成形し、タイヤ成型機上で他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、150℃の条件下で30分間プレス加硫し、試験用タイヤ(タイヤサイズ:195/65R15)を得た。
<評価方法>
作製した加硫ゴム組成物、試験用タイヤについて、以下の評価を行い、結果を表1に示した。
(操縦安定性)
試験用タイヤを車輌(国産FF2000cc)の全輪に装着してテストコースを実車走行し、ドライバーの官能評価により操縦安定性を評価した。評価は10点を満点とし、比較例1を6点として相対評価を行った。評点は大きい方が良好である。
(耐カットチッピング性能)
JIS K6251に準拠した引張試験法に基づきダンベル3号サンプルを用いて試験を行い、破断強度(TB)、破断伸び(EB)を測定した。TB×EB/2を破壊特性とし、比較例1の破壊特性を100として指数表示した。指数が大きいほど、耐カットチッピング性能に優れることを示す。
(ゴム硬度)
JIS K6253の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に従って、タイプAデュロメーターにより、加硫ゴム組成物(試験片)の硬度を測定した(JIS−A硬度)。測定は23℃で行った。
(粘弾性試験)
加硫ゴム組成物について、(株)岩本製作所製の粘弾性スペクトロメーターを用いて10%初期歪みを与え、周波数5Hzにて、100℃で2%の動的歪みを与えたときの粘弾性(複素弾性率E’及び損失係数tanδ)を測定した。E’の値が大きいほど、タイヤにしたときの剛性が高いことを示し、tanδの値が大きいほど、タイヤにしたときのダンピング性能が高いことを示す。それぞれ比較例1の値を100として指数表示した。指数が大きいほど剛性、ダンピング性能が優れていることを示す。
Figure 2015117310
比較例5では、NRの一部をノルボルネンポリマーに置換することにより、操縦安定性が向上しているものの、耐カットチッピング性が低下しているのに対し、更にリバージョン防止剤を添加した実施例では、操縦安定性、耐カットチッピング性の両性能を改善でき、これらの性能バランスを顕著に改善できた。

Claims (8)

  1. 天然ゴム及び/又はブタジエンゴムと、ノルボルネンポリマーと、脂肪族カルボン酸の亜鉛塩及び芳香族カルボン酸の亜鉛塩の混合物とを含有するタイヤ用ゴム組成物。
  2. ゴム成分100質量%中の前記天然ゴム及び前記ブタジエンゴムの合計含有量が50〜95質量%、前記ノルボルネンポリマーの含有量が5〜70質量%であり、
    該ゴム成分100質量部に対する前記脂肪族カルボン酸の亜鉛塩及び芳香族カルボン酸の亜鉛塩の混合物の含有量が2〜10質量部である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記天然ゴム及び前記ブタジエンゴムの含有比率(天然ゴム:ブタジエンゴム)は、200:80〜70:30である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記ノルボルネンポリマーは、オイル、液状レジン及び液状ジエン系重合体からなる群より選択される少なくとも1種で伸展されたものである請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  5. ゴム成分100質量部に対して、カーボンブラックを20〜70質量部含有する請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. 23℃におけるJIS−A硬度が30〜85である請求項1〜5のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. サイドウォール用ゴム組成物である請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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