JP2017137436A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】外観、耐オゾン性を両立した空気入りタイヤを提供する。【解決手段】2層以上の積層体からなる多層サイドウォールを有する空気入りタイヤであって、前記多層サイドウォールを構成する最外層サイドウォールが、ゴム成分100質量部に対して、ビニル基含量20〜60質量%、二重結合部の水素添加率10〜45モル%、数平均分子量4000〜20000の水素添加ポリブタジエンを2〜15質量部、融点40〜70℃のワックスを0.3〜1.2質量部含む最外層サイドウォール用ゴム組成物を用いて作製された空気入りタイヤ。【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
タイヤ業界では、共通課題として、環境保全、安全性向上等を目的とする省燃費性、ウエットグリップ性能の向上等、機能面からの性能向上の要請が有り、種々の技術が提案されている。一方、機能面以外でも、ゴム特有の臭いの抑制、経年劣化に伴うクラックや変色の抑制等の品質向上の要請も高く、特に、耐クラック性と耐変色性の両立について多数の技術が提案されているものの、充分に満足できるものではなく、更なる改善が要求されている。
一般にクラックの発生要因は、オゾンによるゴム劣化と考えられており、ワックスによる被膜形成や老化防止剤の添加によりオゾンアタックを抑制する手法が有用であるが、ワックスは白色化、老化防止剤は茶変色の原因になり、タイヤの外観を損なう要因になる。また、常温で固形の汎用ワックスは、歪がかかるとゴム表面に形成された被膜が割れ、その割れた箇所からオゾンアタックを受け、クラックが発生するという問題もある。
一方、特許文献1〜2には、水素添加ポリブタジエンにより、加工性、機械強度等を改善することが開示されているが、この材料は、表面へのブリード速度が早く、容易にブリードするため、多数の部材からなるタイヤでは、異なる部材の界面に水素添加ポリブタジエンが偏在して加硫接着を阻害し、耐久性能が低下してしまう。また、水素添加ポリブタジエンの添加でタイヤ表面が白っぽくなり、外観が悪化するという問題もある。
特開2008−255167号公報 特開2010−70642号公報
本発明は、前記課題を解決し、外観、耐オゾン性を両立した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、2層以上の積層体からなる多層サイドウォールを有する空気入りタイヤであって、前記多層サイドウォールを構成する最外層サイドウォールが、ゴム成分100質量部に対して、ビニル基含量20〜60質量%、二重結合部の水素添加率10〜45モル%、数平均分子量4000〜20000の水素添加ポリブタジエンを2〜15質量部、融点40〜70℃のワックスを0.3〜1.2質量部含む最外層サイドウォール用ゴム組成物を用いて作製された空気入りタイヤ。
前記最外層サイドウォール用ゴム組成物は、前記ゴム成分100質量%中のジエン系ゴムの含有量が30質量%以上、前記ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が3質量部以上、23℃におけるJIS−A硬度が46〜60であることが好ましい。
前記最外層サイドウォールに隣接する内層サイドウォールは、ゴム成分100質量部に対する前記水素添加ポリブタジエンの含有量が2質量部以下である内層サイドウォール用ゴム組成物を用いて作製されたものが好ましい。
前記最外層サイドウォール及び前記内層サイドウォールの質量比率が下記式(1)を満たすことが好ましい。
0.25≦内層サイドウォールの質量/最外層サイドウォールの質量≦20 (1)
前記空気入りタイヤは、前記多層サイドウォールが押出機を用いて作製されたものであることが好ましい。
本発明によれば、2層以上の積層体からなる多層サイドウォールを有する空気入りタイヤであって、前記多層サイドウォールを構成する最外層サイドウォールが、ゴム成分100質量部に対して、ビニル基含量20〜60質量%、二重結合部の水素添加率10〜45モル%、数平均分子量4000〜20000の水素添加ポリブタジエンを2〜15質量部、融点40〜70℃のワックスを0.3〜1.2質量部含む最外層サイドウォール用ゴム組成物を用いて作製された空気入りタイヤであるので、外観、耐オゾン性を両立できる。
本発明の空気入りタイヤは、2層以上の積層体からなる多層サイドウォールを有し、かつ前記多層サイドウォールを構成する最外層サイドウォールが、特定の水素添加ポリブタジエン、ワックスを所定量含む最外層サイドウォール用ゴム組成物を用いて作製されたものである。
ワックスは被膜形成速度が早く、タイヤ使用初期からオゾンアタックを抑制できる反面、白色化、被膜の割れた箇所からのオゾンアタックによるクラックの発生の問題がある。これに対し、本発明の空気入りタイヤは、特定融点のワックスを比較的少量添加すると共に、特定ビニル基含量、水素添加率、数平均分子量の水素添加ポリブタジエンを所定量添加した最外層サイドウォールを含む多層サイドウォールを有している。そのため、当該ワックスにより使用初期からのクラックを防止できると共に、その量の減量によりワックスに起因する白色化も抑制できる。更に、被膜形成速度がワックスより遅いものの、形成される被膜が割れにくい特定の水素添加ポリブタジエンを併用することで、タイヤ表面に割れにくくかつ透明な被膜が形成され、経時的な変色やクラックが防止される。従って、本発明の空気入りタイヤにより、タイヤの外観(耐変色性)、耐オゾン性(耐クラック性)を両立できる。
更に、このような配合のゴム組成物を多層構造サイドウォールの最外層に用いているため、多層サイドウォールとこれに隣接するカーカス等の部材の界面に水素添加ポリブタジエンが偏在し、加硫接着が低下することも抑制され、優れた耐久性能の維持も可能となる。
本発明における多層サイドウォールは、少なくとも2層以上の積層体からなるものである。液状の水素添加ポリブタジエンは、固体のポリブタジエンに比べてブリードが早いものの、強度が低いため、ブリードにより部材間の界面に液状の水素添加ポリブタジエンが存在する状態になると、界面での強度が下がり、界面剥離の要因となる。そのため、単に液状の水素添加ポリブタジエンを使用するだけでは、タイヤ製造過程の加硫接着に問題が生じ、耐久性能が低下するが、本発明では、所定配合の最外層サイドウォールを有する多層サイドウォールを採用している。そのため、押出機等を用いて多層サイドウォールの各構成部材を時間差なく複合体にし、前記水素添加ポリブタジエンのブリード前に複合化することで、サイドウォールに隣接するカーカス等との界面における偏在が抑制され、結果、良好な加硫接着強度が維持されたタイヤを提供できる。
多層サイドウォールとしてはサイドウォールが多層構造であれば特に限定されず、例えば、最外層サイドウォール(タイヤ軸方向の最外層のサイドウォール)と、該最外層の内側に隣接する内層サイドウォール(最外層サイドウォールのタイヤ軸方向内側に隣接して配されている内層のサイドウォール)とからなる2層サイドウォール、等が挙げられる。
前記最外層サイドウォールは、従来公知のゴム成分、所定の水素添加ポリブタジエン、ワックスを含む最外層用ゴム組成物を用いて作製できる。
前記ゴム成分としては、天然ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、1,4付加イソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アクリルニトリル(NBR)等のジエン系ゴム、等が挙げられる。
前記ゴム成分100質量%中のジエン系ゴムの含有量は、サイドウォールの要求特性の観点から、30質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましく、100質量%でもよい。
前記ジエン系ゴムのなかでも、高い強度のサイドウォールが得られることから、NR、BRが好ましく、これらを併用することがより好ましい。
NRとしては特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
前記ゴム成分100質量%中の天然ゴムの含有量は、20質量%以上が好ましく、35質量%以上がより好ましく、40質量%以上が更に好ましい。20質量%未満であると、耐クラック性が悪化する傾向がある。一方、上限は、80質量%以下が好ましく、75質量%以下がより好ましい。80質量%を超えると、充分な硬度が得られず、耐久性が低下する傾向がある。
BRとしては特に限定されず、例えば、宇部興産(株)製のBR130B、BR150B等の高シス含有量のBR、宇部興産(株)製のVCR412、VCR617等のシンジオタクチックポリブタジエン結晶を含有するBR等を使用できる。
前記ゴム成分100質量%中のブタジエンゴムの含有量は、10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、25質量%以上が更に好ましい。10質量%未満であると、対外傷性が悪化する傾向がある。一方、配合量の上限は、一方、上限は、80質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましい。80質量%を超えると、耐クラック性が悪化する傾向がある。
所定のビニル基含有量、二重結合部の水素添加率、数平均分子量を有する水素添加ポリブタジエン(水添ポリブタジエン)は、ワックスとして機能することが可能で、通常の液状ポリブタジエンに比べ、ブリード速度が早くなり、耐オゾン性を良好に発揮させることができる。また、液状形態の分子量のポリブタジエンを用いることで、タイヤ表面全体を覆う被覆効果が発揮され、優れた耐オゾン性を付与できる。なお、本発明では、水素添加ポリブタジエンは、ジエン系ゴムに含まれない。また、水素添加ポリブタジエンは、官能基を含まないことが望ましい。前記水素添加ポリブタジエンは、単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
前記水素添加ポリブタジエンのビニル基含有量は、20質量%以上、好ましくは25質量%以上、より好ましくは27質量%以上である。20質量%未満であると、ポリブタジエンの水素添加時に水添部位が偏り、水添化率が制御しにくくなる傾向がある。該ビニル基含有量は、60質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。60質量%を超えると、ガラス転移温度が著しく上昇し始め、省燃費性が悪化する傾向がある。
なお、ビニル基含有量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
前記水素添加ポリブタジエンの二重結合部の水素添加率(共役ジエン部の二重結合における水素添加率)は、10モル%以上、好ましくは15モル%、より好ましくは20モル%以上である。10モル%未満であると、水添化によるブリード促進効果が少なく、耐オゾン性の改善効果が充分に得られないおそれがある。該二重結合部の水素添加率(水添率)は、45モル%以下、好ましくは40モル%以下、更に好ましくは35モル%以下である。45モル%を超えると、ブリード速度が速くなり過ぎ界面接着強度が低下するほか、表面の外観もやや白味を帯びてしまい外観上も好ましくない。
なお、水素添加率は、プロトンNMRを測定して得られたスペクトルの不飽和結合部のスペクトル減少率から計算できる。
前記水素添加ポリブタジエンの数平均分子量(Mn)は、4000以上、好ましくは5000以上、より好ましくは7000以上である。4000未満であると、粘性を持つポリブタジエンが多量にブリードし、ゴム表面にべた付きが発生しやすくなりタイヤ用材料には不適当になるおそれがある。該Mnは、20000以下、好ましくは15000以下、より好ましくは10000以下である。20000を超えると、移行速度の低下や一部架橋により、ブリード速度が遅くなり被膜の形成が進みにくくなる傾向がある。
なお、本発明において、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い、標準ポリスチレンより換算した値である。
前記水素添加ポリブタジエンは、液状ポリブタジエンを水素添加する手法、等により製造できる。水素添加は、触媒を用いる公知の水素添加方法等により実施できる。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加触媒を使用でき、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム等をカーボン、シリカ等に坦持させた坦持触媒;ナフテン酸ニッケル、オクテン酸コバルト、チタノセンジクロリド、酢酸ロジウム等の均一触媒;等が挙げられる。また、触媒と共に助触媒を使用でき、トリエチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム類等が挙げられる。触媒の形態に特に制限はなく、粉末状、粒状等を使用できる。
水素添加触媒の使用量、水素添加反応の際の圧力、温度、時間は、水素添加率等に応じて適宜設定すればよい。なお、本発明では、水素添加ポリマーとして、水素添加ポリイソプレン、水素添加スチレンブタジエン共重合体等ではなく、ゴム成分との相溶性が良好な液状ポリブタジエンを用いることで、良好な耐クラック性等の性能が得られる。
前記最外層サイドウォール用ゴム組成物において、前記水素添加ポリブタジエンの含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して、2質量部以上、好ましくは4質量部以上、より好ましくは6質量部以上である。2質量部未満であると、水素添加ポリジエンゴムを配合した効果が得られないおそれがある。該含有量は、15質量部以下、好ましくは12質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。15質量部超えても、添加に見合う耐オゾン性の改善効果は期待できず、省燃費性や材料コストが増加するおそれがある。
所定融点を持つワックスを、前記水素添加ポリブタジエンと共に配合することで、白色化の原因のワックスを減量できる。特に、前記水素添加ポリブタジエンに比べて前記ワックスの被膜形成速度が早く、また、前記水素添加ポリブタジエンは被膜が割れにくいので、両成分を特定量で併用することにより、両成分の機能が相乗的に最大化され、耐オゾン性と外観を両立したサイドウォールを提供できる。
前記ワックスの融点は、40℃以上、好ましくは42℃以上である。40℃未満であると、ワックスが早期にブルームし比較的短時間でワックスが消費されるおそれがある。該融点は、70℃以下、好ましくは60℃以下、より好ましくは55℃以下である。70℃超えると、ワックスのブルーム速度が遅く、耐オゾン性が低下する傾向がある。
なお、融点は、示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて測定した際のピークトップの温度である。例えば、示差走査熱量計(Thermo plus DSC8230, Rigaku製)を用い、5℃/minで昇温し、得られる融解のピークトップを融点とできる。
ワックスとしては、石油系ワックス、天然系ワックス、合成ワックスなどが挙げられ、また、複数のワックスを精製又は化学処理したものも使用可能である。これらのワックスは、単独で使用しても、2種類以上を併用してもよい。
石油系ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。天然系ワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ライスワックス、ホホバろうなどの植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン、鯨ろうなどの動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、ペトロラクタムなどの鉱物系ワックス;及びこれらの精製物などが挙げられる。合成ワックスとしては、エチレン又はプロピレン等の重合物が挙げられる。
前記最外層サイドウォール用ゴム組成物において、前記ワックスの含有量は、前記ゴム成分100質量部に対して、0.3質量部以上、好ましくは0.4質量部以上である。0.3質量部未満であると、ワックスの効果が発現しにくい傾向がある。該含有量は、1.2質量部以下、好ましくは1.0質量部以下、より好ましくは0.8質量部以下である。1.2質量部を超えると、白色化による外観不良を引き起こすおそれがある。
前記最外層サイドウォール用ゴム組成物には、カーボンブラックを配合してもよい。これにより、耐紫外線劣化性等を向上できる。カーボンブラックとしては、例えば、GPF、HAF、ISAF、SAFなど、公知のものを使用できる。
カーボンブラックの窒素吸着比表面積(NSA)は、20m/g以上が好ましく、40m/g以上がより好ましい。20m/g未満では、ゴムの補強性が著しく低下する傾向がある。また、カーボンブラックのNSAは100m/g以下が好ましく、80m/g以下がより好ましい。100m/gを超えると、転がり抵抗が増大する傾向がある。
また、NSA20〜100m/gのカーボンブラックと共に、NSA600〜1500m/gのカーボンブラックを併用してもよい。カーボンブラックの配合により耐紫外線劣化性が高められ、特にカーボンブラックとして高NSAのカーボンブラックを用いることで、より艶のある黒色ゴムが得られる。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K6217−2:2001によって求められる。
前記最外層サイドウォール用ゴム組成物において、カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは3質量部以上、より好ましくは20質量部以上、更に好ましくは35質量部以上である。3質量部未満では、補強性が不足する傾向がある。該含有量は、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。80質量部を超えると、加工性が悪化したり、硬度が高くなりすぎる傾向がある。
前記最外層サイドウォール用ゴム組成物には、シリカを配合しても良い。シリカを配合することで、サイドウォールの要求特性を付与できる。シリカとしては特に限定されず、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)などが挙げられる。なかでも、湿式法シリカが好ましい。
シリカの窒素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは50m/g以上、より好ましくは100m/g以上、更に好ましくは150m/g以上である。50m/g未満では、低燃費性、耐摩耗性等の性能が低下する傾向がある。該NSAは、好ましくは250m/g以下、より好ましくは200m/g以下である。250m/gを超えると、分散が困難となり、諸性能が低下する傾向がある。
なお、シリカのNSAは、ASTM D3037−93に準じてBET法で測定される値である。
前記最外層サイドウォール用ゴム組成物において、シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1.0質量部以上、より好ましくは2.5質量部以上である。1.0質量部未満では、シリカ配合による効果が得られない傾向がある。該含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下である。30質量部を超えると、耐変色性、タイヤの外観が悪化する傾向がある。
前記最外層サイドウォール用ゴム組成物では、シリカとともにシランカップリング剤を含むことが好ましい。
シランカップリング剤としては、ゴム工業において、従来からシリカと併用される任意のシランカップリング剤を使用でき、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等のスルフィド系、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプト系、ビニルトリエトキシシランなどのビニル系、3−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノ系、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシランのグリシドキシ系、3−ニトロプロピルトリメトキシシランなどのニトロ系、3−クロロプロピルトリメトキシシランなどのクロロ系等が挙げられる。なかでも、スルフィド系が好ましい。なお、前記最外層サイドウォール用ゴム組成物において、シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは3〜15質量部、より好ましくは5〜10質量部である。
前記最外層サイドウォール用ゴム組成物には、前記水素添加ポリブタジエンとともに、オイルを配合してもよい。これにより、加工性を改善するとともに、ゴムの強度を高めることができる。オイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイル(アロマ系プロセスオイル)等のプロセスオイル;植物油脂、又はその混合物;等が挙げられる。なお、前記最外層サイドウォール用ゴム組成物において、オイル及び前記水素添加ポリブタジエンの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、2〜30質量部が好ましく、5〜15質量部がより好ましい。
前記最外層サイドウォール用ゴム組成物には、通常ゴム工業で使用される添加剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
前記最外層サイドウォール用ゴム組成物(加硫後)の23℃におけるJIS−A硬度は、好ましくは46〜60、より好ましくは48〜55、更に好ましくは48〜52である。上記範囲内に調整することで、クッション性に富み、耐屈曲疲労性が高いと共に、加工性も良く、サイドウォールに好適となる。
前記多層サイドウォールとして、例えば、前記最外層サイドウォールに隣接する内層サイドウォール(最外層サイドウォールのタイヤ軸方向内側に隣接して配されている内層のサイドウォール)を有するものを好適に使用できる。
前記内層サイドウォールは、従来公知のゴム成分、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤等を含む内層サイドウォール用ゴム組成物を用いて作製できる。ゴム成分、カーボンブラック、シリカ、シランカップリング剤は従来公知のものを使用でき、例えば、前述の最外層サイドウォール用ゴム組成物で述べたものと同様の材料を好適に使用できる。また、これらの材料の含有量も同様の範囲が好ましい。
前記内層サイドウォール用ゴム組成物は、前記水素添加ポリブタジエンを含んでもよいが、その含有量は、ゴム成分100質量部に対して、2質量部以下であることが好ましい。2質量部を超えると、内層サイドウォールの隣接部材(タイヤのカーカス被覆用ゴム等)との加硫接着強度が低下する傾向がある。その一方で、2質量部以下の量で添加することで、長期間タイヤを使用し、最外層サイドウォール内の水素添加ポリブタジエンが減少した後でも、内層サイドウォールから水素添加ポリブタジエンが供給されることで被覆効果が長持ちし、長期に渡って耐オゾン性を付与できる。添加する場合、その下限は、ゴム成分100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましい。
前記内層サイドウォール用ゴム組成物は、ワックスを含むことが好ましい。ワックスとしては特に限定されず、例えば、前述の融点40〜70℃のワックスを好適に使用できる。前記内層サイドウォール用ゴム組成物中のワックスの含有量は、前述の最外層サイドウォール用ゴム組成物で述べた融点40〜70℃のワックス量と同様の範囲が好ましい。
前記内層サイドウォール用ゴム組成物には、オイルを配合してもよい。オイルとしては特に限定されず、前記と同様の材料等を使用できる。前記内層サイドウォール用ゴム組成物では、オイル及び前記水素添加ポリブタジエンの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、2〜30質量部が好ましく、5〜15質量部がより好ましい。
前記内層サイドウォール用ゴム組成物には、通常ゴム工業で使用される添加剤、例えば、酸化亜鉛、ステアリン酸、各種老化防止剤、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などを適宜配合できる。
本発明の空気入りタイヤは、前記最外層サイドウォール(前記最外層サイドウォール用ゴム組成物)及び前記内層サイドウォール(前記内層サイドウォール用ゴム組成物)の質量比率が下記式(1)を満たすことが好ましい。
0.25≦内層サイドウォール(前記内層サイドウォール用ゴム組成物)の質量/最外層サイドウォール(前記最外層サイドウォール用ゴム組成物)の質量≦20 (1)
前記式、すなわち、内層サイドウォール、最外層サイドウォールの質量比率を調整することで、水素添加ポリブタジエン量を制御できる。従って、加硫接着強度の低下防止、長期に渡る耐オゾン性の付与が可能になる。より好ましくは、1.0≦内層サイドウォールの質量/最外層サイドウォールの質量≦19である。0.25未満であると、長期間使用後に水素添加ポリブタジエン量が少なくなり、耐オゾン性を十分に確保できなくなるおそれがある。上限は特に限定されないが、現状の製造能力で低コストで安定して製造できるレベルとして20以下となる。
なお、本発明における多層サイドウォールは、前記最外層サイドウォール、該最外層サイドウォールの内側に隣接する内層サイドウォールの他、該内層サイドウォールの内側に更に追加の内層サイドウォールを1層以上有するものでもよい。
本発明における多層サイドウォールは、公知の方法で製造できる。例えば、各成分をオープンロール、バンバリーミキサーなどのゴム混練装置を用いて混練して作製した前記最外層サイドウォール用ゴム組成物(未加硫)、内層サイドウォール用ゴム組成物(未加硫)のそれぞれを、押出機等の加工機を用いて多層構造のサイドウォール(未加硫)に成形し、その後、加硫する方法、等により製造できる。なお、押出機の他、前記水素添加ポリブタジエンのブリードの時間を与えず、時間差がない状態で複合化できる方法であれば、同様に適用可能である。
本発明の空気入りタイヤは、公知の方法で製造できる。例えば、前記成分を配合した未加硫最外層サイドウォール用ゴム組成物、未加硫内層サイドウォール用ゴム組成物等を作製し、押出機等の加工機を用いて多層構造のサイドウォール(未加硫)に成形する。得られた多層構造のサイドウォールを他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上で通常の方法で成形して未加硫タイヤを作製し、該未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧することで、タイヤが作製される。
本発明の空気入りタイヤは、乗用車用タイヤ、トラック・バス用タイヤ、二輪車用タイヤ、競技用タイヤ等として好適に用いられ、特に乗用車用タイヤとしてより好適に用いられる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(材料)
NR:RSS #3
BR:宇部興産(株)製のBR150B(分子末端非変性)
液状ポリブタジエン1:Cray Valley製のRicon130(ビニル基含量:28質量%、水素添加率:0モル%、Mn:2500)
液状ポリブタジエン2:Cray Valley製のRicon134(ビニル基含量:28質量%、水素添加率:0モル%、Mn:8000)
液状ポリブタジエン3:Cray Valley製のRicon150(ビニル基含量:70質量%、水素添加率:0モル%、Mn:3900)
液状ポリブタジエン4:クラレ製のLBR−352(ビニル基含量:52質量%、水素添加率:0モル%、Mn:9000)
水素添加ポリブタジエン1:下記製造例1(ビニル基含量:28質量%、水素添加率:40モル%、Mn:2500)
水素添加ポリブタジエン2:下記製造例2(ビニル基含量:28質量%、水素添加率:14モル%、Mn:8000)
水素添加ポリブタジエン3:下記製造例3(ビニル基含量:28質量%、水素添加率:38モル%、Mn:8000)
水素添加ポリブタジエン4:下記製造例4(ビニル基含量:28質量%、水素添加率:70モル%、Mn:8000)
水素添加ポリブタジエン5:下記製造例5(ビニル基含量:70質量%、水素添加率:38モル%、Mn:3900)
水素添加ポリブタジエン6:下記製造例6(ビニル基含量:52質量%、水素添加率:38モル%、Mn:9000)
水素添加ポリブタジエン7:下記製造例7(ビニル基含量:29質量%、水素添加率:38モル%、Mn:19000)
水素添加ポリブタジエン8:下記製造例8(ビニル基含量:29質量%、水素添加率:38モル%、Mn:35000)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックN550(NSA:42m/g)
シリカ:ローディア社製のZEOSIL 1165MP(NSA:160m/g)
シランカップリング剤:デグサ社製のシランカップリング剤Si75
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー社製のプロセスX−140
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
ワックス1:日本精蝋(株)製のオゾエース0355(融点45℃)
ワックス2:日本精蝋(株)製のHi−Mic1080(融点83℃)
ワックス3:日本精蝋(株)製のHi−Mic2045(融点67℃)
老化防止剤:フレキシス社製サントフレックス13
硫黄:鶴見化学工業(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ
シクロヘキサン:関東化学(株)製のシクロヘキサン
1,3−ブタジエン:東京化成工業(株)製の1,3−ブタジエン
テトラメチルエチレンジアミン:関東化学(株)製のテトラメチルエチレンジアミン
n−ブチルリチウム:関東化学(株)製の1.6M n−ブチルリチウムヘキサン溶液
2,6−tert−ブチル−p−クレゾール:大内新興化学工業(株)製のノクラック200
(製造例1:水素添加ポリブタジエン1)
上記液状ポリブタジエン1 100質量部を、チタノセンジクロライド1質量部、トリエチルアルミニウム0.5質量部を加えたシクロヘキサン溶液中にて、50℃、50kgf/cmの水素圧下で20分間水素化反応を行った。これにより、共役ジエン部の2重結合における水素添加率が40モル%の水素添加ポリブタジエン1が得られた。
(製造例2:水素添加ポリブタジエン2)
上記液状ポリブタジエン2 100質量部を、チタノセンジクロライド1質量部、トリエチルアルミニウム0.5質量部を加えたシクロヘキサン溶液中にて、50℃、50kgf/cmの水素圧下で8分間水素化反応を行った。これにより、共役ジエン部の2重結合における水素添加率が14モル%の水素添加ポリブタジエン2が得られた。
(製造例3:水素添加ポリブタジエン3)
水素化反応時間を20分間に変更した以外は製造例2と同様の方法で、共役ジエン部の2重結合における水素添加率が38モル%の水素添加ポリブタジエン3が得られた。
(製造例4:水素添加ポリブタジエン4)
水素化反応時間を40分間に変更した以外は製造例2と同様の方法で、共役ジエン部の2重結合における水素添加率が70モル%の水素添加ポリブタジエン4が得られた。
(製造例5:水素添加ポリブタジエン5)
上記液状ポリブタジエン3 100質量部を、チタノセンジクロライド1質量部、トリエチルアルミニウム0.5質量部を加えたシクロヘキサン溶液中にて、50℃、50kgf/cmの水素圧下で20分間水素化反応を行った。これにより、共役ジエン部の2重結合における水素添加率が38モル%の水素添加ポリブタジエン5が得られた。
(製造例6:水添液状ポリブタジエン6)
上記液状ポリブタジエン4 100質量部を、チタノセンジクロライド1質量部、トリエチルアルミニウム0.5重量部を加えたシクロヘキサン溶液中にて、50℃、50kgf/cmの水素圧下で20分間水素化反応を行った。これにより、共役ジエン部の2重結合における水素結合38モル%の水素添加ポリブタジエン6が得られた。
(製造例7:水添液状ポリブタジエン7)
十分に窒素置換した耐圧容器にシクロヘキサン1500ml、1,3−ブタジエン900mmol、テトラメチルエチレンジアミン0.8mmol、n−ブチルリチウム3.2mmolを加えて、70℃で48時間攪拌した反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、再沈殿精製により低分子の重合体を得た(Mn:19000、ビニル基含量29質量%)。
得られた重合体100質量部を、チタノセンジクロライド1質量部、トリエチルアルミニウム0.5質量部を加えたシクロヘキサン溶液中にて、50℃、50kgf/cmの水素圧下で20分間水素化反応を行った。これにより、共役ジエン部の2重結合における水素結合38モル%の水添液状ポリブタジエン7を得た。
(製造例8:水添液状ポリブタジエン8)
十分に窒素置換した耐圧容器にシクロヘキサン1500ml、1,3−ブタジエン900mmol、テトラメチルエチレンジアミン0.8mmol、n−ブチルリチウム1.8mmolを加えて、70℃で48時間攪拌した反応溶液に2,6−tert−ブチル−p−クレゾール1gを添加後、再沈殿精製により低分子の重合体を得た(Mn:35000、ビニル基含量29質量%)。
得られた重合体100質量部を、チタノセンジクロライド1質量部、トリエチルアルミニウム0.5質量部を加えたシクロヘキサン溶液中にて、50℃、50kgf/cmの水素圧下で20分間水素化反応を行った。これにより、共役ジエン部の2重結合における水素結合38モル%の水添液状ポリブタジエン8を得た。
<ポリブタジエンの分析>
液状ポリブタジエン、水素添加ポリブタジエンの物性値は、以下の方法で分析した値である。
(ビニル基含量)
ビニル基含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定した。
(水素添加率)
水素添加率は、四塩化炭素を溶媒として用い15質量%濃度の溶液を調整して、100MHzのプロトンNMRの不飽和結合部のスペクトル減少から算出した。
(数平均分子量Mnの測定)
Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMALTPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算値として求めた。
<実施例・比較例>
表1に示す配合処方に従い、バンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の薬品を4分間混練りし、混練り物を得た。次に、オープンロールを用いて、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、4分間練り込み、未加硫ゴム組成物(最外層サイドウォール用、内層サイドウォール用)を得た。得られた未加硫最外層サイドウォール用ゴム組成物、未加硫内層サイドウォール用ゴム組成物を、押出機等の加工機を用いて2層構造のサイドウォール(未加硫)に成形し、他の部材とともに貼りあわせて生タイヤを作製しし、次に、170℃で20分間プレス成形し(加硫)、195/65R15サイズの試験用タイヤを作製した。
各試験用タイヤについて、以下の方法により、硬度、低燃費性、ゴム強度、外観(耐変色性)、耐オゾン性(静的オゾンテスト)、隣接部材との接着性を評価した。
(最外層サイドウォールの硬度Hs)
試験用タイヤの最外層サイドウォールを採取し、JIS K6253−3:2012の「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−」に準拠し、タイプAデュロメーターにより、23℃の硬度を測定した。
(低燃費性)
試験用タイヤの最外層サイドウォールを採取し、(株)上島製作所製スペクトロメーターを用いて、動的歪振幅1%、周波数10Hz、温度50℃でサンプルのtanδを測定した。tanδの逆数の値について比較例1を100として指数表示した。数値が大きいほど転がり抵抗が小さく、低燃費性に優れることを示す。
(ゴム強度)
試験用タイヤの最外層サイドウォールを採取し、JIS K6251「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に準じて、3号ダンベル型試験片を用いて引張試験を実施した。破断強度(TB)及び破断時伸び(EB)を測定し、破壊エネルギー(TB×EB/2)を算出し、比較例1の破壊エネルギーを100とし、下記計算式により、各配合の破壊エネルギーを指数表示した。値が大きいほど、機械的強度が高く、耐カット性や耐セパレーション性に優れることを示す。
(ゴム強度指数)=(各配合の破壊エネルギー)/(比較例1の破壊エネルギー)×100
(外観)
雨水がかからない屋根付きの屋外に60日間放置した試験用タイヤの状態を目視で観察し、下記の基準で評価した。
◎:変色がほとんどなくべた付きもない
○:変色がほとんどないがべた付きあり
△:一部分で変色あり
×:大部分で変色あり
(静的オゾンテスト)
試験用タイヤをリム(5J×13)に組み付け、内圧200kPa、温度25℃及びオゾン濃度50pphmの条件下のオゾンチャンバー中に並置し、クラックが発生するまでの日数を測定した。日数を15段階(1〜15)で評価し、数値が大きいほど、耐オゾン性が良好であることを示す。
(隣接部材との接着性)
未加硫最外層サイドウォール用ゴム組成物、未加硫内層サイドウォール用ゴム組成物から作製される2層構造のサイドウォール用ゴム組成物(未加硫)と、サイドウォールと隣接する部材(カーカス)用の未加硫ゴム組成物(配合:ゴム成分(NR50質量部とSBR50質量部)100質量部に対して、カーボンブラックを50質量部、プロセスオイルを15質量部、ステアリン酸を3質量部、酸化亜鉛を5質量部、硫黄を3質量部、加硫促進剤を1質量部含有)とを貼り合わせ、170℃の条件下で12分間加硫した。ゴム/隣接部材ゴムの接着試験を実施し、剥離抗力を測定した。剥離抗力を10段階で評価し、数値が大きいほど、加硫接着性(耐久性能)が良好であることを示す。6以上であれば、品質上問題ない。
Figure 2017137436
表1の結果から、特定のビニル基含量、二重結合部の水素添加率、数平均分子量を持つ水素添加ポリブタジエン、特定の融点を持つワックスを所定量含む最外層サイドウォール用ゴム組成物を用いて作製した多層サイドウォールを有する実施例の空気入りタイヤは、外観(耐変色性)、耐オゾン性(耐クラック性)が両立されていると共に、良好な耐久性能(加硫接着性)も確保されることが明らかとなった。

Claims (5)

  1. 2層以上の積層体からなる多層サイドウォールを有する空気入りタイヤであって、
    前記多層サイドウォールを構成する最外層サイドウォールが、ゴム成分100質量部に対して、ビニル基含量20〜60質量%、二重結合部の水素添加率10〜45モル%、数平均分子量4000〜20000の水素添加ポリブタジエンを2〜15質量部、融点40〜70℃のワックスを0.3〜1.2質量部含む最外層サイドウォール用ゴム組成物を用いて作製された空気入りタイヤ。
  2. 前記最外層サイドウォール用ゴム組成物は、前記ゴム成分100質量%中のジエン系ゴムの含有量が30質量%以上、前記ゴム成分100質量部に対するカーボンブラックの含有量が3質量部以上、23℃におけるJIS−A硬度が46〜60である請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記最外層サイドウォールに隣接する内層サイドウォールは、ゴム成分100質量部に対する前記水素添加ポリブタジエンの含有量が2質量部以下である内層サイドウォール用ゴム組成物を用いて作製されたものである請求項1又は2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記最外層サイドウォール及び前記内層サイドウォールの質量比率が下記式(1)を満たす請求項3記載の空気入りタイヤ。
    0.25≦内層サイドウォールの質量/最外層サイドウォールの質量≦20 (1)
  5. 前記多層サイドウォールが押出機を用いて作製されたものである請求項1〜4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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