JP7211116B2 - ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents
ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ Download PDFInfo
- Publication number
- JP7211116B2 JP7211116B2 JP2019013970A JP2019013970A JP7211116B2 JP 7211116 B2 JP7211116 B2 JP 7211116B2 JP 2019013970 A JP2019013970 A JP 2019013970A JP 2019013970 A JP2019013970 A JP 2019013970A JP 7211116 B2 JP7211116 B2 JP 7211116B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wetting agent
- rubber
- rubber composition
- mass
- inorganic filler
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Tires In General (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
空気透過防止性能を高めるためには、例えばオイルの配合量を減らすなどしてコンパウンドのTgを上げることが有効であるが、背反性能として低温における耐疲労性(低温性能)が低下してしまう。
すなわち本発明は以下の通りである。
条件(1):シリカゲル薄層クロマトグラフィーにおいて展開溶媒としてトルエンおよび酢酸エチルの混合溶媒を用い、前記トルエンと前記酢酸エチルの容量比が前者:後者として1:3としたときに、前記湿潤剤のRf値が0.6以下である。
2.前記湿潤剤が、重量平均分子量1000~20000の櫛形或いは星形の高分子化合物であることを特徴とする前記1に記載のゴム組成物。
3.前記高分子化合物が、エステル結合、エーテル結合、ウレタン結合および/またはアミド結合を含むことを特徴とする前記2に記載のゴム組成物。
4.前記湿潤剤は、20℃の環境下で固体であることを特徴とする前記1~3のいずれかに記載のゴム組成物。
5.前記1~4のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤインナーライナー。
6.前記1~4のいずれかに記載のゴム組成物をインナーライナーに用いた空気入りタイヤ。
本発明のゴム組成物は、前記効果を奏するものであるので、タイヤインナーライナーに用いるのが好適であり、本発明のゴム組成物をタイヤインナーライナーに用いた空気入りタイヤは、優れた空気透過防止性能を有し、かつ低温における耐疲労性も向上している。
本発明で使用されるゴム成分は、ゴム成分全体を100質量部としたときに、ブチル系ゴムを50質量部以上、好ましくは80~100質量部を含む。
ブチル系ゴムとしては、インナーライナー用として使用されている任意のブチル系ゴム、例えばブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(Br-IIR、Cl-IIR)、イソブチレン-パラメチルスチレン共重合体等を挙げることができる。ブチル系ゴムの市販品としては、例えば臭素化ブチルゴムであるEXXON MOBILE社製、商品名BROMOBUTYL2255等が挙げられる。
また、ゴム成分には、ブチル系ゴム以外に、任意のジエン系ゴムを配合してもよい。ジエン系ゴムとしては、ゴム組成物に使用されるジエン系ゴムをいずれも使用することができ、例えば天然ゴム(NR)や合成イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が挙げられる。
本発明で使用される無機充填剤としては、例えばクレー、タルク、ベントナイト、モンモリロナイト等の板状無機充填剤(上記従来技術で言う扁平フィラー)が挙げられる。
板状無機充填剤としては、タルクがとくに好ましい。
無機充填剤の窒素吸着比表面積(N2SA)は、50m2/g以下が好ましく、10~30m2/gであるのがさらに好ましい。
無機充填剤の配合量は、前記ゴム成分100質量部に対し、10~100質量部であり、好ましくは15~65質量部である。
本発明で使用される湿潤剤は、前記無機充填剤と相互作用し、前記無機充填剤表面に存在しつつ、前記無機充填剤同士が凝集することを防止するとともに、前記ゴム成分中への前記無機充填剤の濡れ性を向上させる機能を有する。これにより、前記ゴム成分に対する前記無機充填剤の分散性が良好となり、空気透過防止性能が向上し、かつゴム成分が脆くなることを抑制し、低温性能も向上する。
条件(1):シリカゲル薄層クロマトグラフィーにおいて展開溶媒としてトルエンおよび酢酸エチルの混合溶媒を用い、前記トルエンと前記酢酸エチルの容量比が前者:後者として1:3としたときに、前記湿潤剤のRf値が0.6以下である。
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛;カーボンブラックのような各種充填剤;老化防止剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに使用することができる。
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄、酸化亜鉛を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練し、ゴムをミキサー外に放出して室温冷却した。次いで、該ゴムを同ミキサーに再度入れ、加硫促進剤および硫黄、酸化亜鉛を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
*2:カーボンブラック(新日化カーボン(株)製ニテロン#GN、窒素吸着比表面積(N2SA)=40m2/g)
*3:無機充填剤(Imerys社製タルク、窒素吸着比表面積(N2SA)=30m2/g)
*4::プロセスオイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*5:湿潤剤A(ビックケミー・ジャパン株式会社製DISPERBYK-2013、側鎖にエステル基を有する高分子化合物、重量平均分子量=5200、Rf値=0.11、20℃における状態=液体)
*6:湿潤剤B(ビックケミー・ジャパン株式会社製DISPERBYK-2155、側鎖にエステル及びウレタン基を有する高分子化合物、重量平均分子量=4400、Rf値=0.57、20℃における状態=液体)
*7:湿潤剤C(ビックケミー・ジャパン株式会社製ANTI-TERRA-U100、側鎖にエステル及びアミド基を有する高分子化合物、重量平均分子量=2200、Rf値=0.92、20℃における状態=液体)
*8:湿潤剤D(ビックケミー・ジャパン株式会社製BYK-3951P、側鎖にエステル基を有する高分子化合物、重量平均分子量=6100、Rf値=0、20℃における状態=固体)
*9:湿潤剤E(ビックケミー・ジャパン株式会社製DISPERBYK-2200、側鎖にエステル基を有する高分子化合物、重量平均分子量=6400、Rf値=0.08、20℃における状態=固体)
*10:硫黄(軽井沢精錬所社製油処理イオウ)
*11:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーNS-P)
比較例1は標準例1に対しプロセスオイルを減量した例であり、標準例に対し脆化温度が悪化した。
比較例2は標準例1に対しカーボンブラックを減量し、無機充填剤を増量した例であり、標準例1に対し脆化温度が悪化した。
比較例3~5は、湿潤剤のRf値が本発明で規定する上限を超えているので、標準例1に対し空気透過防止性能が悪化した。
Claims (5)
- ブチル系ゴム50質量部以上を含むゴム成分100質量部に対し、無機充填剤を10~100質量部、および下記条件(1)を満たす湿潤剤を前記無機充填剤に対し0.5~50質量%含み、
前記無機充填剤が、クレー、タルク、ベントナイトおよびモンモリロナイトから選択され、
前記湿潤剤が、エステル結合、エーテル結合、ウレタン結合および/またはアミド結合を有する高分子化合物である
ことを特徴とするゴム組成物。
条件(1):シリカゲル薄層クロマトグラフィーにおいて展開溶媒としてトルエンおよび酢酸エチルの混合溶媒を用い、前記トルエンと前記酢酸エチルの容量比が前者:後者として1:3としたときに、前記湿潤剤のRf値が0.6以下である。 - 前記湿潤剤が、重量平均分子量1000~20000の櫛形或いは星形の高分子化合物であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
- 前記湿潤剤は、20℃の環境下で固体であることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
- 請求項1~3のいずれかに記載のゴム組成物を用いたタイヤインナーライナー。
- 請求項1~3のいずれかに記載のゴム組成物をインナーライナーに用いた空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019013970A JP7211116B2 (ja) | 2019-01-30 | 2019-01-30 | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019013970A JP7211116B2 (ja) | 2019-01-30 | 2019-01-30 | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020122065A JP2020122065A (ja) | 2020-08-13 |
JP7211116B2 true JP7211116B2 (ja) | 2023-01-24 |
Family
ID=71992216
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019013970A Active JP7211116B2 (ja) | 2019-01-30 | 2019-01-30 | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7211116B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6094553B2 (ja) | 2014-09-26 | 2017-03-15 | トヨタ自動車株式会社 | 内燃機関の制御装置 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002504174A (ja) | 1997-06-09 | 2002-02-05 | ヘルベルツ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング | 液状担体中に分散している層状充填材と弾性重合体から作られたバリヤーコーティングおよび被覆された構成物、特にタイヤ |
JP2013043916A (ja) | 2011-08-23 | 2013-03-04 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | タイヤインナーライナー用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
JP2013539814A (ja) | 2010-10-13 | 2013-10-28 | エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド | エラストマー組成物のためにシラン官能化炭化水素ポリマー改質剤 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2088387A (en) * | 1980-11-25 | 1982-06-09 | Exxon Research Engineering Co | Adhesive sealants for double glazing |
-
2019
- 2019-01-30 JP JP2019013970A patent/JP7211116B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002504174A (ja) | 1997-06-09 | 2002-02-05 | ヘルベルツ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング | 液状担体中に分散している層状充填材と弾性重合体から作られたバリヤーコーティングおよび被覆された構成物、特にタイヤ |
JP2013539814A (ja) | 2010-10-13 | 2013-10-28 | エクソンモービル ケミカル パテンツ インコーポレイテッド | エラストマー組成物のためにシラン官能化炭化水素ポリマー改質剤 |
JP2013043916A (ja) | 2011-08-23 | 2013-03-04 | Yokohama Rubber Co Ltd:The | タイヤインナーライナー用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020122065A (ja) | 2020-08-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101600087B1 (ko) | 열가소성 엘라스토머 조성물 및 이를 사용하는 공기식 타이어 | |
JP5141731B2 (ja) | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ | |
CN105175838B (zh) | 轮胎 | |
CN109796645A (zh) | 轮胎用橡胶组合物及使用了该组合物的充气轮胎 | |
JP5353050B2 (ja) | ビードフィラー用ゴム組成物 | |
JP5095093B2 (ja) | ゴム組成物の製造方法およびそれにより得られるゴム組成物 | |
JP4925827B2 (ja) | インナーライナー用ゴム組成物及びそれを用いた空気入りラジアルタイヤ | |
JP2021134246A (ja) | タイヤ用組成物及びタイヤ | |
JP7211116B2 (ja) | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP2010013494A (ja) | アンダートレッド用ゴム組成物 | |
JP2021063184A (ja) | タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP2013023641A (ja) | タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP2015101712A (ja) | タイヤインナーライナー用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP6237013B2 (ja) | タイヤインナーライナー用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP7372524B2 (ja) | タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP2021063174A (ja) | ベーストレッド用組成物及びタイヤ | |
JP7381846B2 (ja) | タイヤ用ゴム組成物、その製造方法および空気入りタイヤ | |
JP4583023B2 (ja) | タイヤサイドウォール用ゴム組成物 | |
JP7469589B2 (ja) | タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ | |
JP3349806B2 (ja) | ゴム組成物 | |
JP6988303B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2009057398A (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物 | |
JP7225843B2 (ja) | ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤ | |
WO2020250956A1 (ja) | ゴム組成物及びタイヤ | |
JP2009057396A (ja) | タイヤトレッド用ゴム組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220113 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20221018 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20221025 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20221124 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20221213 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20221226 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7211116 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |