JP7153763B2 - 窓ガラス及びヘッドアップディスプレイ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、建物の窓、自動車のフロントガラスやヘッドアップディスプレイ等の光透過窓に適用され、その光透過窓に入射する光の一部の透過を妨げる、ルーバーフィルムに関する。
従来、窓ガラスの室内側に金属製の羽板が並んだブラインドを設置して、外部から入射する光量を調節することが行われている。ブラインドのルーバー角を調節することによって光量を容易に調節できる利点がある一方、ブラインドの厚みは一般に窓ガラスよりも厚く、室内側の空間に圧迫感を与えることがあった。また、光透過窓が湾曲していたり、傾斜していたりする場合には、その光透過窓の状態に沿って従来のブラインドを設置することが困難であった。
そこで、本発明者は光透過窓に密着させることが可能な透明フィルムがブラインド機能を有すれば、従来のブラインドを設置し難い箇所に適用できると考え、従来の液晶表示画面に貼り付けて覗き見防止のために使用される光出射方向制御シート(例えば特許文献1参照)の適用を検討した。
特開2006-337837号公報
しかしながら、従来の光射出方向制御フィルムを光透過窓に貼り付けて、室内側から外部の風景を見たときに、視認対象物が複数に重なったゴースト像が見えてしまう問題があった。本発明者が更に検討したところ、この現象は観察者の生理学的な現象ではなく、光出射方向制御フィルムが回折格子として機能することによる物理的な現象であることが分かった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、光透過窓に設置したときに、光透過窓を透かして見た視認対象物のゴースト像が見えず、特定方向から光透過窓に入射する光の透過を妨げず、その特定方向以外から光透過窓に入射する光の透過を妨げる、ルーバーフィルムを提供する。
[1] 光透過帯と遮光帯とが交互に配されているルーバー層を備えたルーバーフィルムであって、前記遮光帯のピッチが300μm以上1100μm以下であることを特徴とするルーバーフィルム。
[2] {前記光透過帯の幅/(前記光透過帯の幅+前記遮光帯の幅)}×100%で表される開口率が90%以上99.9%以下であることを特徴とする[1]記載のルーバーフィルム。
[3] 前記ルーバー層の厚さが350μm以上3000μm以下であることを特徴とする[1]又は[2]に記載のルーバーフィルム。
本発明のルーバーフィルムによれば、光透過窓に設置したときに、光透過窓を透かして見た視認対象物のゴースト像が見えず、特定方向から光透過窓に入射する光の透過を妨げず、その特定方向以外から光透過窓に入射する光の透過を抑制することができる。これにより、光透過窓から入射する光量を調節したり、外部からの室内側の覗き見を防止したり、光透過窓から離れた位置に設置されたディスプレイからの表示を所定の方向から視認し難くしたりすることができる。
本発明の第1実施形態を示す斜視図である。 図1中のII-II線に沿う断面図である。 本発明に係るルーバーフィルムの利用方法の一例である。 本発明に係るルーバーフィルムの利用方法の別の一例である。
<第一の実施形態>
図1、2は本発明のルーバーフィルムの第一実施形態を示したものであり、図1は斜視図であり、図2は図1中のII-II線に沿う断面図である。なお、図面はルーバーフィルムの一部を拡大して模式的に示している。
本実施形態のルーバーフィルム1は、光透過帯11と遮光帯12とが交互に配されているルーバー層10と、ルーバー層10の表面の全体に設けられた第1の透明保護層13と、ルーバー層10の裏面の全面に設けられた第2の透明保護層14とを有する。
ルーバーフィルム1の全体の平面形状は矩形であるが、この平面形状は矩形に限定されず、適用する光透過窓の形状に応じて適宜変更できる。ここで「光透過窓」とは、光が透過可能な任意の空間における有限の二次元領域を意味する。この二次元領域は、平面であってもよいし、任意の曲面であってもよい。前記二次元領域には、光が透過可能なガラス、プラスチック等の物理的な窓基材が設置されていてもよいし、設置されていなくてもよい。窓基材が設置されていない場合には、ルーバーフィルムは自立型のフィルムとして自己の形状を保持することが好ましい。窓基材が設置されている場合には、ルーバーフィルムをその窓基材に密着させることにより、窓基材がルーバーフィルムの形状を支持することができる。
本実施形態においてルーバー層10の厚さ方向をZ方向、Z方向に垂直な面内において、光透過帯11および遮光帯12が延びている方向をX方向、X方向とZ方向の両方に対して垂直な方向をY方向とする。ルーバー層10を構成している光透過帯11および遮光帯12はいずれもX方向に延びる帯状であり、Y方向において複数の光透過帯11と複数の遮光帯12とが交互に配されている。複数の光透過帯11のY方向の幅W1は均一であり、かつX方向において一定である。複数の遮光帯12のY方向の幅W2も均一であり、かつX方向において一定である。
本実施形態における遮光帯12のピッチPは、Y方向における光透過帯11の幅W1と遮光帯12の幅W2の合計値である。
光透過帯11の材料としては、目的の可視光の波長を透過させる樹脂材料が用いられる。光透過帯11を透過する光の波長は可視光の全範囲380nm以上830nm以下であってもよいし、その一部であってもよい。図中Z方向に沿って光透過帯11のみに対して光を入射させたときの光線透過率が75%以上、好ましくは85%以上であるような、高い透明性を有する樹脂材料が好ましい。具体的には、透明性が高い熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を例示でき、例えば、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。中でもシリコーン樹脂が好ましく、耐熱性、透明性の点でシリコーンゴムが特に好ましい。
本発明における「光線透過率」の値は、光源としてJIS Z 8720に規定されるD65を用い、光源から出射された検査光の強度を受光センサーで測定する装置において、前記検査光の光路上に被測定物が無い状態での受光センサーの出力値をA、検査光の光路上に被測定物をセットし、被測定物を透過した透過光が受光センサーで受光される状態での出力値をBとするとき、光線透過率=(B/A)×100(単位;%)で求められる値とする。
遮光帯12の材料としては、光透過帯11の材料として上記に挙げた樹脂を基材とし、これに顔料や染料等の着色剤を添加してなる着色樹脂が好適に用いられる。
ルーバー層10において、光透過帯11をなしている樹脂材料と、遮光帯12の基材としての樹脂材料とは同じであってもよく、異なっていてもよいが、光透過帯11と遮光帯12との接着性の点からは両者が同じであることが好ましい。
遮光帯12の色調は、遮光帯12における好ましい遮光性が得られればよく、例えば黒、赤、黄、緑、青、水色等とすることができる。遮光帯12の色調は、着色剤の種類および添加量によって調整できる。具体的には、図中Y方向に沿って遮光帯12のみに対して光を入射させたときの光線透過率が40%以下、好ましくは10%以下となるような遮光性を有することが好ましい。
遮光帯12のY方向と直行する面における光沢値は、JIS Z 8741における入射角度60°での値として評価することができる。通常、光沢値が低いほど、遮光帯12による光の反射が低減する傾向がある。
遮光帯12の色調は、ルーバー層10(ルーバーフィルム1)を見たときに認識される色調を構成するので意匠性も考慮して設計することが好ましい。
着色剤の具体例としては、カーボンブラック、ベンガラ、酸化鉄、酸化チタン、黄色酸化鉄、ジスアゾイエロー、フタロシアニンブルー等の一般的な有機顔料あるいは無機顔料が挙げられる。着色剤は1種でもよく、2種以上を用いてもよい。黒色顔料を用いない場合は、良好な遮光性を得るために白色顔料を併用することが好ましい。
樹脂基材に添加する着色剤の添加量は、少ないと十分な遮光性が得られず、多いと加工性の悪化が著しくなることを考慮して適宜設定すればよい。
図2に示すように、ルーバー層10の遮光帯12のピッチPは、(光透過帯11の幅W1+遮光帯12の幅W2)で表される。この遮光帯12のピッチPは300μm以上1100μm以下であり、350μm以上900μm以下が好ましく、400μm以上750μm以下がより好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、前述した視認対象物がのゴースト像が見える現象を充分に防ぐことができる。
上記範囲の上限値以下であると、ルーバーフィルム1を透過する光量の調節や、後述する光透過角度(視認角度)θの調節が容易になる。通常、ピッチPが狭くなるほど、ルーバーフィルム1を透過する光量は低減し、光透過角度θが狭くなる。
ルーバーフィルム1のZ方向における光線透過率は、その用途にもよるが、50%以上90%以下が好ましく、60%以上88%以下がより好ましく、65%以上85%以下がさらに好ましい。
Y方向における{光透過帯11の幅W1/(光透過帯11の幅W1+遮光帯12の幅W2)}×100%で表される開口率は、ルーバー層10に入射するZ方向に沿う光線の透過率に影響する。この透過率を大きくする観点に立つと、遮光帯12の幅W2が小さく、光透過帯11の幅W1が大きく、開口率が大きい方が好ましい。一方、ルーバー層10の光線の透過率を小さくし、その光透過角度を狭くする観点に立つと、遮光帯12の幅W2が大きく、光透過帯11の幅W1が小さく、開口率が小さい方が好ましい。これらの観点のバランスを取って、光透過窓を通した視認対象物の視認性をより向上する観点から、前記開口率は、90%以上99.9%以下が好ましく、91%以上99%以下がより好ましく、93%以上98%以下がさらに好ましい。
ルーバー層10において、光線透過率の低減を抑制し、光透過角度θを拡げる観点に立つと、Y方向における光透過帯11の幅W1は、270μm以上が好ましく、300μm以上がより好ましく、400μm以上がさらに好ましい。光透過帯11の幅W1を上記の範囲とすることにより、ルーバー層10における光線の良好な光線透過率及び光透過角度θを得ることができる。また、ブラインドとして機能するように光線透過率を低減し、光透過角度θを狭める目的からすると、光透過帯11の幅W1の上限値は、例えば、1098μm程度といえる。
ルーバー層10において、光線透過率の低減を抑制し、光透過角度θを拡げる観点に立つと、Y方向における遮光帯12の幅W2は100μm以下であることが好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。遮光帯12の幅W2を上記の範囲とすることにより、ルーバー層10における光線の良好な光線透過率及び光透過角度θを得ることができる。遮光帯12の幅W2の下限値は、製造上の限界を考慮すると、1μm程度といえる。
Z方向におけるルーバー層10の厚さTは、特に限定されず、ルーバー層10の光線透過率の低減を抑制しつつ、光透過角度θを狭める観点に立つと、例えば、350μm以上3000μm以下が好ましく、400μm以上2000μm以下がより好ましく、500μm以上1000μm以下がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると、ブラインドとして機能するように光線透過率を低減し、光透過角度θを狭めることができる。
上記範囲の上限値以下であると、充分な光線透過率及び光透過角度θが得られる。また、光透過窓における設置がより容易になる。
X方向に垂直な面(Y-Z面、図2における紙面)内におけるルーバーフィルム1の光透過角度θは、図2に示すように、ルーバーフィルム1の単一の光透過帯11を表面から裏面に透過する光線群が互いに成す角度の最大値である。光透過角度θは、ルーバー層10の厚さTとY方向における光透過帯11の幅W1によって決まる。ルーバー層10の厚さTが薄いほど光透過角度θは大きくなり、光透過帯11の幅W1が大きいほど光透過角度θは大きくなる。
したがって、ルーバー層10の厚さは、遮光帯12のピッチPと遮光帯12の幅W2の好ましい範囲も考慮して、所望の光透過角度θが得られるように設計することが好ましい。
例えば、遮光帯12のピッチPが500μmで、遮光帯12の幅W2が20μmの場合に、ルーバー層10の厚さTが740μmであれば約100°の光透過角度θが得られる。
ルーバー層10の厚さTの下限値は、好ましい光透過角度θの範囲を考慮して設定される。
ルーバーフィルムにおける光透過角度θが小さ過ぎると光透過窓を通して反対側の視認対象物を見づらくなることがある。一方、光透過角度θが大き過ぎると、光透過窓から入射する光量を調節したり、外部からの室内側の覗き見を抑制したりすることが難しくなることがある。ルーバーフィルムの用途によってその好適な光透過角度θは変わり得るが、例えば、30°以上150°以下が好ましく、45°以上140°以下がより好ましく、60°以上120°以下がさらに好ましい。
以上で説明したルーバー層10は、例えば、以下の方法で製造することができる。まず、光透過帯11の構成材料からなり厚さが上記W1である第1のシートの複数枚と、遮光帯12の構成材料からなり厚さが上記W2である第2のシートの複数枚とを交互に積層し、加熱および加圧してこれら複数のシートが一体化してなるブロック体を形成する。次いで、ブロック体を構成する積層された各シートの表面に対して垂直な切断面でブロック体をスライスすることによりルーバー層10が得られる。スライスする際の厚さ(スライス幅)は上記Tである。
ルーバー層10の表面および裏面にそれぞれ設けられる第1の透明保護層13および第2の透明保護層14の材料として、例えば、光透過帯11の材料として上記に挙げた樹脂を用いることができる。第1の透明保護層13および第2の透明保護層14それぞれの単体に対して、各層の厚さ方向(図中のZ方向)に光を透過させたときの光線透過率は、75%以上が好ましく、85%以上がより好ましい。
ルーバーフィルム1において、第1の透明保護層13および第2の透明保護層14のそれぞれを形成している樹脂材料、および光透過帯11を形成している樹脂材料は、互いに同じであってもよく、それぞれ異なっていてもよい。第1の透明保護層13および第2の透明保護層14の材料は、透明性と耐熱性の点からポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂(特に、シクロオレフィンポリマー)、セルロース系樹脂が好ましく、中でもポリカーボネート、およびポリエステル樹脂がより好ましい。
第1の透明保護層13のZ方向における厚さは、薄すぎると十分な保護機能が得られず、厚いほど光線透過率が低下するので、0.01~0.5mm程度が好ましく、0.1~0.2mm程度がより好ましい。
第2の透明保護層14のZ方向における厚さは、薄すぎると取り扱い性が悪く、ルーバーフィルム1の製造時の作業性に問題が生じる。また、厚いほど光線透過率が低下するので、0.01~0.5mm程度が好ましく、0.1~0.2mm程度がより好ましい。
ルーバー層10の表面および裏面に、第1の透明保護層13および第2の透明保護層14をそれぞれ設ける方法は特に限定されず、公知の手法を適宜用いることができる。
例えば、ルーバー層10の表面に接着剤を塗布し、第1の透明保護層13の材料からなるシートを貼り合わせた後、接着剤を硬化させる方法でもよい。第2の透明保護層14も同様にしてルーバー層10の裏面に接着一体化することができる。
前記接着剤は硬化後における光線透過率が高いものが好ましい。具体的には、硬化後の接着剤層の単体における光線透率が65%以上であるものが好ましく、80%以上がより好ましい。前記接着剤としては、硬化後に透明性を有する、熱硬化型接着剤、多液反応型接着剤、紫外線硬化型接着剤等が挙げられる。具体的には、例えば、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、メラミン系接着剤、ポリエステル系接着剤、シリコーン系接着剤等を好適に用いることができる。
以上で説明した方法によりルーバーフィルム1が得られる。
<作用効果>
本実施形態のルーバーフィルム1によれば、例えば、建物の窓、自動車のフロントガラスやヘッドアップディスプレイ等の光透過窓に設置することによって、その光透過窓に入射する光のうち、光透過角度θの範囲内にある特定の入射角を有する光のみを透過させることができる。例えば、図3に示すように、ルーバーフィルム1が貼り付けられた建物2の窓ガラスを通して、屋外の視認対象物である木々3を眺めた場合、室内の観察者Aと木々3とを結ぶベクトルの方向は、ルーバーフィルム1のルーバー層10を構成する光透過帯11及び遮光帯12の厚さ方向(図2のZ方向)に沿っている。つまり、木々3から観察者Aに向かう光線のベクトルは、ルーバーフィルム1の光透過角度θの範囲内にある。
このため、観察者Aは木々3を容易に視認できる。またこの際、ルーバー層のピッチPは300μm以上とされているため、木々3のゴースト像は観察されない。一方、屋外にいる通行人Bと室内の観察者Aとを結ぶベクトルの角度は、ルーバーフィルム1の光透過角度θの範囲外であるため、通行人Bから観察者Aを視認することが難しくなっている。同様に、太陽Sとルーバーフィルム1とを結ぶベクトルの角度は、ルーバーフィルム1の光透過角度θの範囲外であるため、太陽Sからの直射日光が室内に射し込み難くなっている。
<変形例1>
上記実施形態の変形例として、図示していないが、第1の透明保護層13の反対側の最外層として粘着層を設けてもよい。例えば、第2の透明保護層14を設けず、ルーバー層10の裏面の全体に粘着層を設けることができる。また、第2の透明保護層14の上に粘着層を積層した構成も例示できる。
前記粘着層の材料としては、透明性が高いものが好ましく、窓ガラス等の窓基材に対して剥離可能な程度の粘着力を有するものであってもよいし、剥離不可能な程度に接着するものであってもよい。このような粘着層を形成可能な粘着剤として、市販品が適用され、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。前記エラストマーの具体例としては、シリコーンゴム、シリコーンゲル、ウレタンゴム、ウレタンゲル等が挙げられる。これらの中でも、剥離した後の糊残りが少なく、透明性が高い点でシリコーンゴムが特に好ましい。形成された粘着層には、鏡面加工が施されてもよい。
上記の変形例によれば、ルーバーフィルムを窓基材の表面に貼り付けることができるので、ルーバーフィルムと窓基材との間に空気層が介在している構成に比べて、透過光の損失が小さくなる。
<変形例2>
上記実施形態では、図2の断面における遮光帯12の向き(前記断面における遮光帯12の長辺の長手方向)は、ルーバーフィルム1の厚さ方向(Z方向)と平行であるが、遮光帯12の向きがZ方向に対して傾いていてもよい。例えば図4に示すように、建物2の2階の窓ガラスに設置されたルーバーフィルム1の遮光帯12の前記向きは、室内の観察者Aが地上を見下ろす方向に沿って、遮光帯12の前記向きをZ方向(窓ガラスの厚み方向)に対して傾けた構成が挙げられる。この構成によれば、室内の観察者Aが地上の視認対象物3を観察することが容易であるとともに、観察者Aが見上げる方向にある太陽Sからの直射日光の射し込みを抑制することができる。
[実施例1]
図1,2に示す構成のルーバーフィルム1を製造した。
まず、光透過帯11として透明シリコーンゴム(信越化学工業社製、商品名;KE153U)からなる厚さが480μmの第1のシートを用意した。
これとは別に、遮光帯12として透明シリコーンゴム(信越化学工業社製、商品名;KE153U)にカーボンブラックを添加した黒色材料からなる厚さが20μmの第2のシートを用意した。
次に、第1のシート複数枚と第2のシート複数枚とを交互に積層した後、加熱加硫および加圧してこれら複数のシートが一体化してなるブロック体を形成した。このブロック体をシート表面に垂直な切断面で、厚さ740μmにスライスすることによりルーバー層10を作製した。
続いて、得られたルーバー層10の両面に熱硬化型接着剤(信越化学工業社製、商品名;KE1825)を塗布した厚さ100μmのポリカーボネートシート(第1および第2の透明保護層13,14)を貼り合わせ熱硬化させることにより、ルーバーフィルム1を作製した。
本実施例で作製したルーバーフィルム1において、遮光帯12のピッチPは500μm、遮光帯12の幅が20μm、ルーバー層10の厚さが740μmである。
本実施例のルーバーフィルム1ついて、測定角度を変化させながら、すなわち図1,2のY-Z平面内においてZ方向と光源から受光器への光軸とのなす角度を変化させながら、光線透過率を測定した。その結果、本実施例のルーバーフィルム1の光透過角度θは100°であり、Z方向における光線透過率は80%であった。光透過角度θを超えた角度から入射した光の光線透過率は、5%未満であった。
本実施例のルーバーフィルム1を手に持ち、腕を伸ばした状態で視線の方向へかざして、ルーバーフィルム1を通して以下の視認対象物を観察した。
視認対象物として、屋外のビル群、屋外の信号、天井の蛍光灯、PCの液晶画面に表示された水平方向の赤線をそれぞれ見たところ、ゴースト像は見られず、良好に視認することができた。観察の際、光透過角度θを超える範囲の光の透過率は低く、ブラインドとしての機能が充分に発揮されることを確認できた。
[比較例1]
実施例1における第1のシートの厚さを130μmに変更してルーバー層を形成した以外は、実施例1と同様にルーバーフィルムを作製した。この比較例のルーバーフィルムにおいて、遮光帯12のピッチPは150μm、遮光帯の幅が20μm、ルーバー層の厚さが200μmである。このルーバーフィルムの光透過角度θは約100°であった。
比較例のルーバーフィルムを用いて、実施例1と同様の観察実験を行ったところ、屋外のビル群の輪郭、屋外の信号、天井の蛍光灯、PCの液晶画面に表示された水平方向の赤線のいずれについても、2重又は3重にぼやけて見えるゴースト像が発生した。
本発明のルーバーフィルムは、建物の窓、自動車のフロントガラスやヘッドアップディスプレイ等に広く利用可能である。
1 ルーバーフィルム
10 ルーバー層
11 光透過帯
12 遮光帯

Claims (6)

  1. シリコーンゴムからなる光透過帯と遮光帯とが交互に配されているルーバー層を有するルーバーフィルムを備えた窓ガラスであって、
    前記光透過帯の幅が270μm以上であり、前記遮光帯のピッチが400μm以上900μm以下であり、光透過角度θが30°以上150°以下であり、前記遮光帯は黒色顔料を含む、窓ガラス
  2. 前記ルーバー層の厚さが350μm以上3000μm以下である、請求項1に記載の窓ガラス
  3. 前記窓ガラスが建物の窓ガラスである、請求項1又は2に記載の窓ガラス。
  4. 前記窓ガラスが自動車の窓ガラスである、請求項1又は2に記載の窓ガラス。
  5. シリコーンゴムからなる光透過帯と遮光帯とが交互に配されているルーバー層を有するルーバーフィルムを備えたヘッドアップディスプレイであって、
    前記光透過帯の幅が270μm以上であり、前記遮光帯のピッチが400μm以上900μm以下であり、光透過角度θが30°以上150°以下であり、前記遮光帯は黒色顔料を含む、ヘッドアップディスプレイ
  6. 前記ルーバー層の厚さが350μm以上3000μm以下である、請求項5に記載のヘッドアップディスプレイ
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