JP2006337837A - 光射出方向制御フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】表示画面上に適用したときに、画像のゆがみを生じることなく、かつモアレ縞の発生を防止できる光射出方向制御フィルムを提供する。
【解決手段】光透過帯11と遮光帯12とが交互に配されている防眩層10を備えており、遮光帯12のピッチが100μm以下である光射出方向制御フィルム1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えばカーナビゲーションシステムのモニター画面等の表示画面に適用して、該表示画面からの光射出方向を制御する光射出方向制御フィルムに関する。
例えばカーナビゲーションシステムのモニター画面のように、自動車等の車両内で使用される表示画面においては、車外が暗いときに表示画面から出射される光がフロントガラス等に照射されると、フロントガラス等に表示画面が映り込んでしまうという問題がある。また、太陽光線など、外部からの強い光が表示画面に照射されると画像の視認性が劣化するという問題もある。
そこで、例えば窓に使用するブラインドのように、微小な薄い板状のルーバー(遮光帯)が互いに平行に配された構成を有する光射出方向制御フィルムを、表示画面上に設ける方法が知られている。また、かかるルーバーを備えた光射出方向制御フィルムを用いる場合に、該光射出方向制御フィルムにおいてルーバーが延びる方向を、表示画面における画素の並び方向に対して傾けることにより、モアレ縞を無視できる程度に小さくできることも知られている(例えば、下記特許文献1、下記特許文献2)。
特許第2622726号公報 特開2003−131202号公報
しかしながら、光射出方向制御フィルムにおけるルーバー(遮光帯)が延びる方向を、表示画面における画素の並び方向に対して傾けると画像にゆがみが発生し、該傾きが大きくなるほど画像のゆがみは増大するという問題がある。
本発明者等の知見では、例えば一画素のサイズが300μmである標準的な液晶画面上に、従来のルーバーを備えた光射出方向制御フィルム(遮光帯のピッチが120〜200μm程度)を配する場合、モアレ縞の発生を防止するためには、ルーバーが延びる方向を、表示画面における画素の並び方向に対して20°以上傾けることが好ましいが、この傾きが15°以上になると画像のゆがみが顕著に認識される。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、表示画面上に適用したときに、画像のゆがみを生じることなく、かつモアレ縞の発生を防止できる光射出方向制御フィルムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の光射出方向制御フィルムは光透過帯と遮光帯とが交互に配されている防眩層を備えた光射出方向制御フィルムであって、前記遮光帯のピッチが100μm以下であることを特徴とする。
前記遮光帯の幅が7μm以下であることが好ましい。
前記防眩層の厚さが200μm以下であることが好ましい。
本発明の光射出方向制御フィルムによれば、表示画面上に適用したときに、画像のゆがみを生じることなく、かつモアレ縞の発生を防止しつつ、画像の映り込みや外光による画像視認性の低下を防止することができる。
<第一の実施形態>
図1、2は本発明の光射出方向制御フィルムの第一の実施形態を示したもので、図1は斜視図、図2は図1中のII−II線に沿う断面図である。なお、図面は覗き見防止体の一部を拡大して模式的に示している。
本実施形態の光射出方向制御フィルム1は、光透過帯11と遮光帯12とが交互に配されている防眩層10と、該防眩層10の表面上の全面に設けられた第1の透明保護層13と、該防眩層10の裏面上の全面に設けられた第2の透明保護層14とからなっている。
光射出方向制御フィルム1の全体の平面形状は、例えば矩形であるが、適用する表示画面の形状に応じて適宜変更できる。
本実施形態において防眩層10の厚さ方向をZ方向、Z方向に垂直な面内において、光透過帯11および遮光帯12が延びている方向をX方向、X方向とZ方向の両方に対して垂直な方向をY方向とする。防眩層10を構成している光透過帯11および遮光帯12はいずれもX方向に延びる帯状であり、Y方向において複数の光透過帯11と複数の遮光帯12とが交互に配されている。複数の光透過帯11のY方向の幅W1は均一であり、かつX方向において一定である。また複数の遮光帯12のY方向の幅W2も均一であり、かつX方向において一定である。
本実施形態における遮光帯12のピッチPは、Y方向における光透過帯11の幅W1と遮光帯12の幅W2の合計値となる。
光透過帯11の材料としては、透明性が高い樹脂が用いられる。具体的には、光透過帯11のみに対して、図中Z方向に光を透過させたときの光線透過率が75%以上、好ましくは85%以上であるような、高い透明性を有する樹脂材料が好ましい。例えば、透明性が高い熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が用いられ、具体例としては、セルロース系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。中でもシリコーン樹脂が好ましく、特に耐熱性の点でシリコーンゴムが特に好ましい。
なお、本発明における「光線透過率」の値は、光源としてJIS Z 8720に規定されるD65を用い、光源から出射された検査光の強度を受光センサーで測定する装置において、前記検査光の光路上に被測定物が無い状態での受光センサーの出力値をA、検査光の光路上に被測定物をセットし、被測定物を透過した透過光が受光センサーで受光される状態での出力値をBとするとき、光線透過率=(B/A)×100(単位;%)で求められる値とする。
遮光帯12の材料としては、光透過帯11の材料として上記に挙げた樹脂を基材とし、これに顔料や染料等の着色剤を添加してなる着色樹脂が好適に用いられる。
防眩層10において、光透過帯11をなしている樹脂材料と、遮光帯12の基材としての樹脂材料とは同じであってもよく、異なっていてもよいが、光透過帯11と遮光帯12との接着性の点からは両者が同じであることが好ましい。
遮光帯12の色調は、遮光帯12における好ましい遮光性が得られればよく、例えば黒、赤、黄、緑、青、水色等とすることができる。遮光帯12の色調は、着色剤の種類および添加量によって調整できる。具体的には、遮光帯12のみに対して、図中Y方向に光を透過させたときの光線透過率が40%以下、好ましくは10%以下となるような遮光性を有することが好ましい。また遮光帯12による反射を防止するうえで、遮光帯12のY方向と直行する面における光沢値は、JIS Z 8741における入射角度60°での値が6%以下であることが好ましく、3%以下がより好ましい。
また、遮光帯12の色調は、防眩層10(光射出方向制御フィルム1)を見たときに認識される色調を構成するので意匠性も考慮して設計することが好ましい。
着色剤の具体例としては、カーボンブラック、ベンカラ、酸化鉄、酸化チタン、黄色酸化鉄、ジスアゾイエロー、フタロシアニンブルー等の一般的な有機顔料あるいは無機顔料が挙げられる。着色剤は1種でもよく、2種以上を用いてもよい。また黒色顔料を用いない場合は、良好な遮光性を得るために白色顔料を併用することが好ましい。
遮光帯12のZ方向における幅W2が、例えば7μm以下と小さくても良好な遮光性を得るために、着色剤として、特にカーボンブラックを用いることが好ましい。カーボンブラックの添加量は、樹脂基材100質量部に対して5〜50質量部が好ましく、より好ましくは10〜30質量部である。カーボンブラックの添加量が上記範囲より少ないと十分な遮光性が得られず、上記範囲を超えると加工性の悪化が著しくなる。
防眩層10において、遮光帯12のピッチPは100μm以下とされる。好ましくは90μm以下であり、より好ましくは80μm以下である。
光射出方向制御フィルム1における遮光帯12のピッチPが、表示画面における画素サイズ(画素を区切っているブラックマトリクスのピッチ)と同程度である場合、遮光帯12が延びる方向(X)方向を、ブラックマトリクスが延びる方向に対して大きく傾けないとモアレ縞が認識されてしまう。遮光帯12のピッチPを、画素サイズ(画素を区切っているブラックマトリクスのピッチ)の1/3以下とすれば、遮光帯12が延びる方向(X方向)の、ブラックマトリクスが延びる方向に対する傾きが15°未満と小さくても、モアレ縞を防止することができる。
例えばカーナビゲーションシステムのモニター画面として標準的な、一画素のサイズが300μmである液晶表示画面に適用される光射出方向制御フィルム1の場合は、遮光帯12のピッチPが100μm以下であれば、遮光帯12が延びる方向(X方向)の、液晶表示画面においてブラックマトリクスが延びる方向に対する傾きが15°未満の範囲で、モアレ縞の発生を防止することができる。
一画素のサイズが300μmよりも小さい場合は、それに応じて遮光帯12のピッチPをさらに小さく設計する。
Y方向における光透過帯11の幅W1と遮光帯12の幅W2の比は、防眩層10における光線の透過率に影響する。該透過率を大きくするには、遮光帯12の幅W2が小さく、光透過帯11の幅W1が大きい方が好ましい。したがって、防眩層10における透過率と、遮光帯12の幅W2の製造上の限界も考慮すると、遮光帯12のピッチPの下限値は40μm以上が好ましい。
また、防眩層10において、Y方向における遮光帯12の幅W2は7μm以下であることが好ましく、5μm以下がより好ましく、3μm以下がさらに好ましい。遮光帯12の幅W2を上記の範囲とすることにより、防眩層10における光線の良好な透過率を得ることができる。
遮光帯12の幅W2は小さいほど好ましいが、製造上の限界から下限値は1μm程度である。
Z方向における防眩層10の厚さTは200μm以下であることが好ましく、180μm以下がより好ましく、170μm以下がさらに好ましい。
X方向に垂直な面(Y−Z面、図2における紙面)内における視野角θは、防眩層10の厚さTとY方向における光透過帯11の幅W1によって決まる。防眩層10の厚さTが小さいほど視野角θは大きくなり、光透過帯11の幅W1が大きいほど視野角θは大きくなる。
したがって、防眩層10の厚さは、遮光帯12のピッチPと遮光帯12の幅W2の好ましい範囲をも考慮して、所望の視野角θが得られるように設計することが好ましい。
例えば、遮光帯12のピッチPが100μmで、遮光帯12の幅W2が7μmの場合に、防眩層10の厚さTが200μm以下であれば90°以上の視野角θが得られる。
防眩層10の厚さTの下限値は、好ましい視野角θの範囲を考慮して設定される。
光射出方向制御フィルムにおける視野角θは、小さ過ぎると表示画面を見づらくなり、大きすぎると、表示画面への外光の入射を防止する機能や、表示画面の画像が他のガラス等へ映り込むのを防止する機能が低下する。一般的に、光射出方向制御フィルムにおける好ましい視野角θの範囲は45〜90°程度が好ましく、より好ましくは60〜80°である。
かかる構成の防眩層10は、以下のようにして製造することができる。まず、光透過帯11の構成材料からなり厚さが上記W1である第1のシートの複数枚と、遮光帯12の構成材料からなり厚さが上記W2である第2のシートの複数枚とを交互に積層し、加熱および加圧してこれら複数のシートが一体化してなるブロック体を形成する。次いで、該ブロック体をシート表面に垂直な切断面でスライスすることにより防眩層10が得られる。スライスする際の厚さ(スライス幅)は上記Tである。
特に遮光帯12の構成材料からなる第2のシートを、W2が例えば7μm以下の薄さで形成する方法の例としては、遮光帯12の構成材料を適宜の溶剤に溶かして液状とし、これを、別途用意したプラスチック基材上に塗布し、乾燥して薄膜状のシートに成形する方法が好ましい。このようにして得られた薄膜状の第2のシートを、前記第1のシート上に転写する方法で、第1のシートと第2のシートとを交互に積層させる。
従来のカレンダ成形による方法では、シートの膜厚を15μm程度までしか薄くすることができなかったが、上記の方法によれば1μm程度の薄さにまで成形することが可能である。
防眩層10の表面および裏面にそれぞれ設けられる第1の透明保護層13および第2の透明保護層14の材料としては、光透過帯11の材料として上記に挙げた樹脂を用いることができる。第1の透明保護層13および第2の透明保護層14それぞれの単体に対して、図中、Z方向に光を透過させたときの光線透過率が75%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。
光射出方向制御フィルム1において、第1の透明保護層13および第2の透明保護層14それぞれを構成している樹脂材料、および光透過帯11をなしている樹脂材料は、互いに同じであってもよく、それぞれ異なっていてもよい。第1の透明保護層13および第2の透明保護層14の材料は、透明性と耐熱性の点からポリカーボネート樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂(特に、シクロオレフィンポリマー)、セルロース系樹脂が好ましく、中でもポリカーボネート、およびポリエステル樹脂がより好ましい。
第1の透明保護層13のZ方向における厚さは、薄すぎると十分な保護機能が得られず、厚いほど光線透過率が低下するので、0.01〜0.5mm程度が好ましく、0.1〜0.2mm程度がより好ましい。
第2の透明保護層14のZ方向における厚さは、薄すぎると取り扱い性が悪く、光射出方向制御フィルム1の製造時の作業性に問題が生じる。また、厚いほど光線透過率が低下するので、0.01〜0.5mm程度が好ましく、0.1〜0.2mm程度がより好ましい。
防眩層10の表面および裏面に、第1の透明保護層13および第2の透明保護層14をそれぞれ設ける方法は特に限定されず、公知の手法を適宜用いることができる。
例えば、防眩層10の表面に接着剤を塗布し、第1の透明保護層13の材料からなるシートを貼り合わせた後、接着剤を硬化させる方法でもよい。第2の透明保護層14も同様にして防眩層10の裏面に接着一体化することができ、これにより光射出方向制御フィルム1が得られる。
このとき用いる接着剤は硬化後における光線透過率が高いものが好ましい。具体的には、硬化後の接着剤層の単体における光線透率が65%以上であるものが好ましく、80%以上がより好ましい。
かかる接着剤としては、硬化後に透明性を有する、熱硬化型接着剤、多液反応型接着剤、紫外線硬化型接着剤等が挙げられ、具体的にはエポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、メラミン系接着剤、ポリエステル系接着剤、シリコーン系接着剤等を好適に用いることができる。
かかる構成の光射出方向制御フィルム1の、Z方向における光線透過率は60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。該光線透過率の上限は高い方が好ましいが、現実的には90%程度が限界である。
本実施形態の光射出方向制御フィルム1は、例えばカーナビゲーションシステムのモニター画面の表示画面上に配されて用いられる。具体的には、適宜の接着手段を用いて表示画面上に光射出方向制御フィルム1を貼り付けてもよく、表示画面から若干離間して光射出方向制御フィルム1を配してもよい。また光射出方向制御フィルム1は、少なくとも表示装置における光源と観察者との間に位置していればよく、例えば液晶セルとバックライトとの間に設けることもできる。
本実施形態の光射出方向制御フィルム1によれば、適用される表示画面における画素サイズ(画素を区切っているブラックマトリクスのピッチ)よりも、遮光帯12のピッチを十分に小さくすることができるので、遮光帯12が延びる方向の、表示画面においてブラックマトリクスが延びる方向に対する傾きが小さくてもモアレ縞の発生を防止することができる。具体的には、遮光帯12が延びる方向の、ブラックマトリクスが延びる方向に対する傾きは0°以上15°未満の範囲とすることができ、好ましくは0°以上10°以下である。このように、遮光帯12が延びる方向の、ブラックマトリクスが延びる方向に対する傾きが小さくて済むので、画像のゆがみを生じることなくモアレ縞の発生を防止することができる。
また、遮光帯12の幅W2を上記の範囲に小さく形成することができるので、遮光帯12のピッチを小さく抑えつつ、光透過帯11の幅W1と遮光帯12の幅W2の比(W1/W2)を大きくして防眩層10における光の透過率を大きくできる。
また防眩層10の厚さTを上記の範囲に小さく形成することができるので、遮光帯12のピッチを小さく抑えつつ、所望の大きさの視野角θを達成することができる。
したがって、本実施形態の光射出方向制御フィルム1によれば、画像のゆがみを生じることなく、モアレ縞の発生を防止できるとともに、視野角を適切な範囲に制御して、表示画面の良好な視認性を確保しつつ、画像の映り込みや、外光が表示画面に当たることによる画像視認性の低下を防止することができる。
<変形例>
上記実施形態の変形例として、図示していないが、第1の透明保護層14と反対側の最外層として粘着層を設けてもよい。この場合、第2の透明保護層14を設けず、防眩層10の裏面上の全面に直接粘着層を設けることができる。
該粘着層の材料としては、表示画面に対して再剥離可能に接着できる程度の粘着力を有するものであればよく、透明性が高いものが好ましい。また表示画面から剥離したときに糊残りが少ないものが好ましい。例えば、粘着層は再剥離可能な粘着剤として市販されている材料からなる層や、エラストマー(低架橋密度品のゲル状物質を含む)からなり表面(表示画面との接着面)を鏡面加工した層であることが好ましい。前記再剥離可能な粘着剤の具体例としては、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられる。前記エラストマーの具体例としては、シリコーンゴム、シリコーンゲル、ウレタンゴム、ウレタンゲル等が挙げられる。これらの中でも、糊残りが少なく、透明性が高い点でシリコーンゴムが特に好ましい。
本例のように、光射出方向制御フィルム1の裏面に粘着層を設ける場合には、該粘着層と光射出方向制御フィルム1との積層物における光線透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
かかる変形例によれば、光射出方向制御フィルム1を表示画面上に直接貼り付けることができるので、光射出方向制御フィルム1と表示画面との間に空気層が介在している構成に比べて、透過光の損失が小さくなる。
なお上記実施形態では、図2に示すように、光射出方向制御フィルム1の断面における遮光層12の向きは、光射出方向制御フィルム1の厚さ方向(Z方向)と平行であるが、該遮光層12の向きがZ方向に対して傾いていてもよい。例えばカーナビゲーションシステムのモニター画面など、観察者が、表示画面の法線方向よりも上方(または下方)にずれた位置から画面を視認する場合には、遮光層12をZ方向に対して傾けることが好ましい。遮光層12の向きとZ方向とのなす角度は25°以下であることが好ましい。
以下に実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図1,2に示す構成の光射出方向制御フィルム1を製造した。
まず、光透過帯11として透明シリコーンゴム(信越化学工業社製、商品名;KE153U)からなる厚さが75μmの第1のシートを用意した。
これとは別に、遮光帯12として透明シリコーンゴム(信越化学工業社製、商品名;KE153U)にカーボンブラックを添加した黒色材料からなる厚さが5μmの第2のシートを用意した。該第2のシートの作製は以下の方法で行った。まず芳香族系溶剤に上記透明シリコーンゴム100質量部と、カーボンブラック10質量部を溶解させて塗布液を調製した。この塗布液をシート状基材の上に塗布した後、乾燥させることによって、膜厚5μmの黒色層を形成した。この黒色層を第2のシートとして用いた。
次いで、第1のシート複数枚と第2のシート複数枚とを交互に積層した後、加熱加硫および加圧してこれら複数のシートが一体化してなるブロック体を形成した。
次いで、該ブロック体をシート表面に垂直な切断面で、厚さ180μmにスライスすることにより防眩層10を作製した。
続いて、得られた防眩層10の両面に熱硬化型接着剤(信越化学工業社製、商品名;KE1825)を塗布した厚さ100μmのポリカーボネートシート(第1および第2の透明保護層13,14)を貼り合わせ熱硬化させることにより、光射出方向制御フィルム1を作製した。
こうして得られた本実施例の光射出方向制御フィルム1は、遮光帯12のピッチPが80μm、遮光帯12の幅が5μm、防眩層10の厚さが180μmである。
本実施例の光射出方向制御フィルム1ついて、測定角度を変化させながら、すなわち図1,2のY−Z平面内においてZ方向と受光器の光軸とのなす角度を変化させながら、光線透過率を測定した。その結果を図3に実線で示す。この図の結果に示されるように、本実施例の光射出方向制御フィルム1の視野角θは80°であり、Z方向における光線透過率は79%であった。
本実施例の光射出方向制御フィルム1を、一画素のサイズが300μmである液晶表示画面上に、観察者が表示画面をみたときの画面内における水平方向(ブラックマトリクスの延長方向)と図1,2のX方向とのなす角度が10°となるように貼り付けた。画面を目視にて観察したところ、モアレ縞の発生は見られず、画像のゆがみも生じなかった。
(実施例2)
実施例1において、遮光帯12の幅を変更して光射出方向制御フィルム1を製造した。
すなわち、第2のシートをカレンダ成形により作製し、その厚さを15μmとした意外は実施例1と同様にして光射出方向制御フィルム1を作製した。
こうして得られた本実施例の光射出方向制御フィルム1は、遮光帯12のピッチPが90μm、遮光帯12の幅が15μm、防眩層10の厚さが180μmである。本実施例の光射出方向制御フィルム1ついて、実施例1と同様にして、測定角度を変化させながら光線透過率を測定した。その結果を図3に破線で示す。この図の結果に示されるように、本実施例の光射出方向制御フィルム1の視野角θは80°であり、Z方向における光線透過率は66%であった。
本実施例の光射出方向制御フィルム1を、実施例1と同様に一画素のサイズが300μmである液晶表示画面上に、観察者が表示画面をみたときの画面内における水平方向(ブラックマトリクスの延長方向)と図1,2のX方向とのなす角度が10°となるように貼り付けた。画面を目視にて観察したところ、モアレ縞の発生は見られず、画像のゆがみも生じなかった。
本発明の光射出方向制御フィルムは、特に、カーナビゲーションシステムのモニター画面など、屋外の明るい場所の車両内等で使用される情報表示体表示画面に適用して、夜間等に表示画面の画像がフロントガラス等に反射する映り込みや、太陽光線などの強い光が表示画面に当たることによる画像の視認性劣化を防止できる。
本発明の第1の実施形態を示す斜視図である。 図1中のII−II線に沿う断面図である。 実施例にかかる全線透過率の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1 光射出方向制御フィルム
10 防眩層
11 光透過帯
12 遮光帯


Claims (3)

  1. 光透過帯と遮光帯とが交互に配されている防眩層を備えた光射出方向制御フィルムであって、
    前記遮光帯のピッチが100μm以下であることを特徴とする光射出方向制御フィルム。
  2. 前記遮光帯の幅が7μm以下であることを特徴とする請求項1記載の光射出方向制御フィルム。
  3. 前記防眩層の厚さが200μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の光射出方向制御フィルム。

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